JPH1130616A - 高感度免疫学的測定方法および測定キット - Google Patents
高感度免疫学的測定方法および測定キットInfo
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- JPH1130616A JPH1130616A JP20235397A JP20235397A JPH1130616A JP H1130616 A JPH1130616 A JP H1130616A JP 20235397 A JP20235397 A JP 20235397A JP 20235397 A JP20235397 A JP 20235397A JP H1130616 A JPH1130616 A JP H1130616A
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- particles
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 試料中の被検物質に対する特異的結合物
質を所定の面積に固定した測定容器と上記被検物質に対
する特異的結合物質を固定した粒子とを用いて試料中の
被検物質を測定する高感度免疫学的測定方法および測定
キットを提供する。 【効果】 測定容器の溶液収容部の内壁面の所定の面積
(S)に固定化した被検物質に対する特異的結合物質の
量が反応後に目視可能な凝集像を形成させる量であり、
かつ、測定用試料の容量(v)との比v/Sが5μL/
mm2 以上となるようにして、間接凝集反応を行う高感
度で試料中の被検物質を免疫学的に測定することができ
る。また、特異的結合物質を内壁面の所定の面積に固定
化した測定容器と特異的結合物質を固定化した粒子とか
らなるキットを用いることにより、迅速かつ高感度に免
疫学的測定を行うことができる。
質を所定の面積に固定した測定容器と上記被検物質に対
する特異的結合物質を固定した粒子とを用いて試料中の
被検物質を測定する高感度免疫学的測定方法および測定
キットを提供する。 【効果】 測定容器の溶液収容部の内壁面の所定の面積
(S)に固定化した被検物質に対する特異的結合物質の
量が反応後に目視可能な凝集像を形成させる量であり、
かつ、測定用試料の容量(v)との比v/Sが5μL/
mm2 以上となるようにして、間接凝集反応を行う高感
度で試料中の被検物質を免疫学的に測定することができ
る。また、特異的結合物質を内壁面の所定の面積に固定
化した測定容器と特異的結合物質を固定化した粒子とか
らなるキットを用いることにより、迅速かつ高感度に免
疫学的測定を行うことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中の被検物質
に対する特異的結合物質を所定の面積に固定した測定容
器と上記被検物質に対する特異的結合物質を固定した粒
子を用いて試料中の被検物質を測定する高感度免疫学的
測定方法及び測定キットに関する。より詳細には、試料
中に含まれる極微量の被検物質を、簡便な操作によって
短時間のうちに測定することが可能であり、臨床検査分
野等の生命科学分野において有用な被検物質の高感度免
疫学的測定方法及び測定キットに関する。
に対する特異的結合物質を所定の面積に固定した測定容
器と上記被検物質に対する特異的結合物質を固定した粒
子を用いて試料中の被検物質を測定する高感度免疫学的
測定方法及び測定キットに関する。より詳細には、試料
中に含まれる極微量の被検物質を、簡便な操作によって
短時間のうちに測定することが可能であり、臨床検査分
野等の生命科学分野において有用な被検物質の高感度免
疫学的測定方法及び測定キットに関する。
【0002】
【従来の技術】試料中に含まれる微量の被検物質の測定
方法としては、抗原と抗体、糖とレクチン、ヌクレオチ
ド鎖とそれに相補的なヌクレオチド鎖、リガンドとレセ
プター等の特異的な親和性を有する物質間の反応を利用
した種々のものが知られている。なかでも、抗原と抗体
との間の反応(免疫学的反応)を利用した免疫学的測定
方法は、微量物質の測定に広く用いられている。このよ
うな免疫学的測定方法は、直接凝集反応と間接凝集反応
とに大別されるが、間接凝集反応測定法は操作が簡易
で、かつ安価な方法であることから汎用されている。
方法としては、抗原と抗体、糖とレクチン、ヌクレオチ
ド鎖とそれに相補的なヌクレオチド鎖、リガンドとレセ
プター等の特異的な親和性を有する物質間の反応を利用
した種々のものが知られている。なかでも、抗原と抗体
との間の反応(免疫学的反応)を利用した免疫学的測定
方法は、微量物質の測定に広く用いられている。このよ
うな免疫学的測定方法は、直接凝集反応と間接凝集反応
とに大別されるが、間接凝集反応測定法は操作が簡易
で、かつ安価な方法であることから汎用されている。
【0003】間接凝集反応測定法は、一般的には、被検
物質に対する特異的結合物質を結合した粒子と被検物質
を含むと推定される試料とを、縦断面がU字状又はV字
状の底面を有する、マイクロタイタープレート等の測定
容器内で混合し、これらを反応させて被検物質を介して
粒子同士を凝集させ、生じた凝集像を観察することによ
り、試料中の被検物質の存在の有無を判定するものであ
る。特異的結合物質としては、被検物質が抗原の場合に
は抗体、抗体の場合は抗原や抗抗体を使用することもで
きる。また、特異的結合物質を結合させる粒子として
は、ラテックス粒子若しくはゼラチン粒子等の高分子か
らなる粒子または赤血球等を挙げることができる。
物質に対する特異的結合物質を結合した粒子と被検物質
を含むと推定される試料とを、縦断面がU字状又はV字
状の底面を有する、マイクロタイタープレート等の測定
容器内で混合し、これらを反応させて被検物質を介して
粒子同士を凝集させ、生じた凝集像を観察することによ
り、試料中の被検物質の存在の有無を判定するものであ
る。特異的結合物質としては、被検物質が抗原の場合に
は抗体、抗体の場合は抗原や抗抗体を使用することもで
きる。また、特異的結合物質を結合させる粒子として
は、ラテックス粒子若しくはゼラチン粒子等の高分子か
らなる粒子または赤血球等を挙げることができる。
【0004】図1に、この間接凝集反応測定法により試
料中の被検物質の測定を行なった場合の凝集像を示し
た。抗体を用いた場合を例にとって説明すると、試料中
に被検物質が存在しない(陰性)場合、抗体を結合した
粒子は凝集を起こさないので重力によりそのまま沈降
し、上述したマイクロタイタープレートのウェルの内壁
面に沿って滑り落ちてウェルの底面中央部に集まる。し
たがって、陰性の場合、マイクロタイタープレートの上
方から見ると、ウェルの底面中央部に粒子が収束した像
(陰性像)が観察される(図1A)。一方、試料中に被
検物質が存在する(陽性)場合、抗体が結合した粒子は
被検物質を介して三次元的な凝集を起こして凝集塊を形
成する。この凝集塊は、凝集を起こしていない粒子に比
べるとウェルの内壁面上を滑り落ちにくいため、滑り落
ち速度が小さくウェルの内壁面に広がった状態で止ま
る。従って、陽性の場合、マイクロタイタープレートの
上方から見ると、粒子がウェルの底面に広がった状態、
即ち「ボタン」状の凝集像(陽性像)が観察でき(図1
B)、試料中に被検物質が存在することを確認できる。
料中の被検物質の測定を行なった場合の凝集像を示し
た。抗体を用いた場合を例にとって説明すると、試料中
に被検物質が存在しない(陰性)場合、抗体を結合した
粒子は凝集を起こさないので重力によりそのまま沈降
し、上述したマイクロタイタープレートのウェルの内壁
面に沿って滑り落ちてウェルの底面中央部に集まる。し
たがって、陰性の場合、マイクロタイタープレートの上
方から見ると、ウェルの底面中央部に粒子が収束した像
(陰性像)が観察される(図1A)。一方、試料中に被
検物質が存在する(陽性)場合、抗体が結合した粒子は
被検物質を介して三次元的な凝集を起こして凝集塊を形
成する。この凝集塊は、凝集を起こしていない粒子に比
べるとウェルの内壁面上を滑り落ちにくいため、滑り落
ち速度が小さくウェルの内壁面に広がった状態で止ま
る。従って、陽性の場合、マイクロタイタープレートの
上方から見ると、粒子がウェルの底面に広がった状態、
即ち「ボタン」状の凝集像(陽性像)が観察でき(図1
B)、試料中に被検物質が存在することを確認できる。
【0005】しかしながら、この間接凝集反応測定法で
は、検出できる試料中の被検物質の量に限りがあり、例
えば、被検物質がB型肝炎ウイルス表面抗原(HBs抗
原)の場合の検出限界は、約10ng/mLであった。
は、検出できる試料中の被検物質の量に限りがあり、例
えば、被検物質がB型肝炎ウイルス表面抗原(HBs抗
原)の場合の検出限界は、約10ng/mLであった。
【0006】特開昭64−69954号公報には、検体
試料中の被検物質(抗原または抗体)に対応する特異的
結合物質(抗体または抗原)を内壁に固定させた測定容
器に検体試料を入れ、同時に、または次いで、この検体
試料を洗浄することなく測定容器に固定させたものと同
一の抗体もしくは抗原または特異的結合の類縁体を固定
させた不溶性担体粒子を測定容器に加え、発現する凝集
反応の有無により検体試料中の被検物質である抗原又は
抗体の有無を判定する免疫学的測定方法が開示されてい
る。この測定方法において、検体試料中に被検物質が存
在しない(陰性)場合の測定容器内の状態を上方から見
ると、図1Aに示した凝集像と同様の像が観察される。
また、検体試料中に被検物質が存在する(陽性)場合に
測定容器内の状態を上方から見ると、図1Bに示した凝
集像と同様の像が観察される。
試料中の被検物質(抗原または抗体)に対応する特異的
結合物質(抗体または抗原)を内壁に固定させた測定容
器に検体試料を入れ、同時に、または次いで、この検体
試料を洗浄することなく測定容器に固定させたものと同
一の抗体もしくは抗原または特異的結合の類縁体を固定
させた不溶性担体粒子を測定容器に加え、発現する凝集
反応の有無により検体試料中の被検物質である抗原又は
抗体の有無を判定する免疫学的測定方法が開示されてい
る。この測定方法において、検体試料中に被検物質が存
在しない(陰性)場合の測定容器内の状態を上方から見
ると、図1Aに示した凝集像と同様の像が観察される。
また、検体試料中に被検物質が存在する(陽性)場合に
測定容器内の状態を上方から見ると、図1Bに示した凝
集像と同様の像が観察される。
【0007】上記特開昭64−69954号公報に記載
の測定方法は、地帯現象(プロゾーン現象)の抑制が可
能で、短時間のうちに明瞭な凝集像を得ることができ、
かつ低濃度の被検物質を測定できる方法である。しか
し、この方法における検出限界は、例えば被検物質がH
Bs抗原の場合、約0.1ng/mL(100pg/m
L)であった。
の測定方法は、地帯現象(プロゾーン現象)の抑制が可
能で、短時間のうちに明瞭な凝集像を得ることができ、
かつ低濃度の被検物質を測定できる方法である。しか
し、この方法における検出限界は、例えば被検物質がH
Bs抗原の場合、約0.1ng/mL(100pg/m
L)であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、特異的結合反応を利用して試料中の被検物質を
測定する際に、試料中の被検物質の濃度が0.1ng/
mL(100pg/mL)未満であるような極微量であ
っても、正確、簡便かつ短時間に測定が行える高感度の
免疫学的測定方法及び測定キットを提供することであ
る。
課題は、特異的結合反応を利用して試料中の被検物質を
測定する際に、試料中の被検物質の濃度が0.1ng/
mL(100pg/mL)未満であるような極微量であ
っても、正確、簡便かつ短時間に測定が行える高感度の
免疫学的測定方法及び測定キットを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料中の被検
物質を凝集反応の有無によって検出する免疫学的測定方
法において、測定容器の溶液収容部の内壁面の所定面積
に固定した試料中の被検物質に対する特異的結合物質と
試料とを接触させる工程と、さらに試料中の被検物質に
対する特異的結合物質を固定した粒子を接触させて凝集
像を形成させる工程とを有し、前記測定容器の溶液収容
部の内壁面の所定の面積(S)に固定する被検物質に対
する前記特異的結合物質の量が反応後に目視可能な凝集
像を形成できる量であり、かつ、測定用試料の容量
(v)との比v/Sが5μL/mm2以上であることを
特徴とする高感度免疫学的測定方法である。ここで、上
記v/Sが7μL/mm2 以上であると、被検物質を高
感度で免疫学的に測定することができる。
物質を凝集反応の有無によって検出する免疫学的測定方
法において、測定容器の溶液収容部の内壁面の所定面積
に固定した試料中の被検物質に対する特異的結合物質と
試料とを接触させる工程と、さらに試料中の被検物質に
対する特異的結合物質を固定した粒子を接触させて凝集
像を形成させる工程とを有し、前記測定容器の溶液収容
部の内壁面の所定の面積(S)に固定する被検物質に対
する前記特異的結合物質の量が反応後に目視可能な凝集
像を形成できる量であり、かつ、測定用試料の容量
(v)との比v/Sが5μL/mm2以上であることを
特徴とする高感度免疫学的測定方法である。ここで、上
記v/Sが7μL/mm2 以上であると、被検物質を高
感度で免疫学的に測定することができる。
【0010】また、上記被検物質が抗原または抗体であ
り、上記特異的結合物質が被検物質に対する抗体または
抗原であることが好適である。さらに、本発明は、上記
特異的結合物質を固定した粒子が磁性マーカー粒子であ
り、磁性マーカー粒子を均一な磁界中で沈降させること
を特徴とする。さらにまた、上記測定容器の内壁面の所
定の面積が、8〜2,500mm2 であることを特徴と
し、上記面積は、さらに好ましくは65〜1,000m
m2 である。
り、上記特異的結合物質が被検物質に対する抗体または
抗原であることが好適である。さらに、本発明は、上記
特異的結合物質を固定した粒子が磁性マーカー粒子であ
り、磁性マーカー粒子を均一な磁界中で沈降させること
を特徴とする。さらにまた、上記測定容器の内壁面の所
定の面積が、8〜2,500mm2 であることを特徴と
し、上記面積は、さらに好ましくは65〜1,000m
m2 である。
【0011】本発明はまた、試料溶液を収納する溶液収
容部の内壁面の所定の面積に試料中の被検物質に対する
特異的結合物質を固定した測定容器と、試料中の被検物
質に対する特異的結合物質を固定化した粒子分散液とか
らなる高感度免疫学的測定キットである。
容部の内壁面の所定の面積に試料中の被検物質に対する
特異的結合物質を固定した測定容器と、試料中の被検物
質に対する特異的結合物質を固定化した粒子分散液とか
らなる高感度免疫学的測定キットである。
【0012】本発明のキットにおいては、上記測定用試
料の容量(v)と溶液収容部の内壁面の特異的結合物質
を固定した所定の面積(S)との比v/Sが5μL/m
m2以上であることを特徴とする。ここで、上記v/S
が7μL/mm2 以上であると、被検物質の高感度免疫
学的測定が可能である。また、上記特異的結合物質が抗
体または抗原であることが好適である。さらに、上記特
異的結合物質を固定する測定容器の内壁面の所定の面積
が、8〜2,500mm2 であることが好適であり、6
5〜1,000mm2 以上であることがさらに好適であ
る。
料の容量(v)と溶液収容部の内壁面の特異的結合物質
を固定した所定の面積(S)との比v/Sが5μL/m
m2以上であることを特徴とする。ここで、上記v/S
が7μL/mm2 以上であると、被検物質の高感度免疫
学的測定が可能である。また、上記特異的結合物質が抗
体または抗原であることが好適である。さらに、上記特
異的結合物質を固定する測定容器の内壁面の所定の面積
が、8〜2,500mm2 であることが好適であり、6
5〜1,000mm2 以上であることがさらに好適であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において測定を行う被検物
質としては、タンパク質、糖質、脂質、核酸のような有
機物質、無機物質等の生体関連物質であればいずれのも
のでもよい。
質としては、タンパク質、糖質、脂質、核酸のような有
機物質、無機物質等の生体関連物質であればいずれのも
のでもよい。
【0014】具体的には、HBs抗原、抗HBs抗体、
HBe抗原、HIV抗原、サイトメガロウイルス抗原、
ロタウイルス抗原、パピローマウイルス抗原、抗HBe
抗体、抗HBc抗体、抗HCV抗体、抗HIV抗体、抗
ATLV抗体等のウイルス関連の抗原又は抗体;大腸菌
O157抗原、抗トレポネーマ・パリダム(TP)抗
体、抗マイコプラズマ抗体、抗ストレプトリジンO抗体
(ASO)、エルシニア・エンテロコリティカ抗原、エ
ンドトキシン等の細菌関連の抗原又は抗体;免疫グロブ
リンG(IgG)、免疫グロブリンA(IgA) 、免
疫グロブリンM(IgM)、若しくは免疫グロブリンE
(IgE)等の免疫グロブリン;C反応性タンパク質
(CRP)、α1−酸性糖タンパク質、ハプトグロビ
ン、補体C3、補体C4 、リウマトイド因子等の炎症
マーカー;α−フェトプロテイン、CEA、CA19-9等
の腫瘍マーカー;ヒト胎盤絨毛性ゴナドトロピン等のホ
ルモン;アレルゲン、アレルゲン特異的IgE抗体等の
アレルギー関連の抗原又は抗体;抗トロンビンIII
(ATIII)等の血液凝固系関連物質;フィブリン体
分解物(FDP)、Dダイマー等の線溶系関連物質;A
BO式血液型抗体、不規則抗体等の血液型関連の抗原又
は抗体;上記のウイルス若しくはその他のウイルスのD
NA又はRNA;上記の細菌若しくはその他の細菌のD
NA又はRNA;ヒト、その他の動物若しくは植物のD
NA又はRNA;リポタンパク質(a)等の他の疾病に
関連した物質又は薬物等を例示することができる。
HBe抗原、HIV抗原、サイトメガロウイルス抗原、
ロタウイルス抗原、パピローマウイルス抗原、抗HBe
抗体、抗HBc抗体、抗HCV抗体、抗HIV抗体、抗
ATLV抗体等のウイルス関連の抗原又は抗体;大腸菌
O157抗原、抗トレポネーマ・パリダム(TP)抗
体、抗マイコプラズマ抗体、抗ストレプトリジンO抗体
(ASO)、エルシニア・エンテロコリティカ抗原、エ
ンドトキシン等の細菌関連の抗原又は抗体;免疫グロブ
リンG(IgG)、免疫グロブリンA(IgA) 、免
疫グロブリンM(IgM)、若しくは免疫グロブリンE
(IgE)等の免疫グロブリン;C反応性タンパク質
(CRP)、α1−酸性糖タンパク質、ハプトグロビ
ン、補体C3、補体C4 、リウマトイド因子等の炎症
マーカー;α−フェトプロテイン、CEA、CA19-9等
の腫瘍マーカー;ヒト胎盤絨毛性ゴナドトロピン等のホ
ルモン;アレルゲン、アレルゲン特異的IgE抗体等の
アレルギー関連の抗原又は抗体;抗トロンビンIII
(ATIII)等の血液凝固系関連物質;フィブリン体
分解物(FDP)、Dダイマー等の線溶系関連物質;A
BO式血液型抗体、不規則抗体等の血液型関連の抗原又
は抗体;上記のウイルス若しくはその他のウイルスのD
NA又はRNA;上記の細菌若しくはその他の細菌のD
NA又はRNA;ヒト、その他の動物若しくは植物のD
NA又はRNA;リポタンパク質(a)等の他の疾病に
関連した物質又は薬物等を例示することができる。
【0015】本発明において、試料とは、前記の被検物
質が存在する可能性があり、且つその被検物質の存在の
有無の確認又は場合によっては定量を行おうとする液状
のものをいう。
質が存在する可能性があり、且つその被検物質の存在の
有無の確認又は場合によっては定量を行おうとする液状
のものをいう。
【0016】例えば、ヒト又は動物の血液、血清、血
漿、尿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水等の体
液;ヒト又は動物の脳等の臓器、毛髪、皮膚、爪、筋
肉、神経組織等の抽出液;ヒト又は動物の糞便の抽出液
又は懸濁液;細胞或いは菌体の抽出液;植物の抽出液等
が挙げられる。
漿、尿、精液、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水等の体
液;ヒト又は動物の脳等の臓器、毛髪、皮膚、爪、筋
肉、神経組織等の抽出液;ヒト又は動物の糞便の抽出液
又は懸濁液;細胞或いは菌体の抽出液;植物の抽出液等
が挙げられる。
【0017】本発明において、被検物質に対する特異的
結合物質(以下、単に特異的結合物質という。)とは被
検物質に対し親和性を有する物質をいい、被検物質との
特異的な相互作用により該被検物質に非共有結合的に安
定に結合する物質をいう。
結合物質(以下、単に特異的結合物質という。)とは被
検物質に対し親和性を有する物質をいい、被検物質との
特異的な相互作用により該被検物質に非共有結合的に安
定に結合する物質をいう。
【0018】例えば、特異的結合物質は、被検物質が抗
原の場合にはその抗体であり、被検物質が抗体の場合に
はその抗原又はその抗体に対する抗体であり、被検物質
がヌクレオチド鎖の場合にはそれと相補的なヌクレオチ
ド鎖である。また、被検物質がリガンドの場合にはその
レセプターである。
原の場合にはその抗体であり、被検物質が抗体の場合に
はその抗原又はその抗体に対する抗体であり、被検物質
がヌクレオチド鎖の場合にはそれと相補的なヌクレオチ
ド鎖である。また、被検物質がリガンドの場合にはその
レセプターである。
【0019】粒子上に固定化された「特異的結合物質」
と、測定容器の溶液収容部の内壁面上に固定化された
「特異的結合物質」とは、それぞれが結合する被検物質
を介して結合することが可能であれば、同一でもよく、
異なってもよい。
と、測定容器の溶液収容部の内壁面上に固定化された
「特異的結合物質」とは、それぞれが結合する被検物質
を介して結合することが可能であれば、同一でもよく、
異なってもよい。
【0020】本発明に用いられる粒子としては、一般に
間接凝集反応に用いられる粒子であればよく特に限定さ
れない。例えば、ラテックス粒子、ゼラチン粒子、ポリ
アクリルアミド粒子等の有機高分子粒子、ガラスビ−
ズ、シリカビ−ズ、ベントナイト等の無機高分子粒子、
その他の人工粒子、及び赤血球等のタンパク質性の粒子
を挙げることができる。
間接凝集反応に用いられる粒子であればよく特に限定さ
れない。例えば、ラテックス粒子、ゼラチン粒子、ポリ
アクリルアミド粒子等の有機高分子粒子、ガラスビ−
ズ、シリカビ−ズ、ベントナイト等の無機高分子粒子、
その他の人工粒子、及び赤血球等のタンパク質性の粒子
を挙げることができる。
【0021】また、粒子として磁性粒子を用いることも
できる。この磁性粒子は、少なくとも外部から磁石を作
用させている間、磁化する粒子であればよい。このよう
な磁性粒子としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル
等の強磁性金属、これらの強磁性金属を含む合金、非磁
性体中に強磁性金属又は強磁性金属を含む合金を含有す
るもの、強磁性金属中又は強磁性金属を含む合金中に非
磁性体を含有するもの等の強磁性体を単独で粒子状に成
形した粒子、強磁性体を核としてその表面をポリスチレ
ン、シリカゲル、ゼラチン、ポリアクリルアミドなどの
上記のような高分子物質で被覆した粒子、ポリスチレ
ン、シリカゲル、ゼラチン、ポリアクリルアミド等の高
分子物質の粒子を核として強磁性体を被覆した粒子、赤
血球などのタンパク性粒子、またはリポソームもしくは
マイクロカプセル等の閉じた袋状の物質に強磁性体を封
入したものなどを挙げることができる。
できる。この磁性粒子は、少なくとも外部から磁石を作
用させている間、磁化する粒子であればよい。このよう
な磁性粒子としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル
等の強磁性金属、これらの強磁性金属を含む合金、非磁
性体中に強磁性金属又は強磁性金属を含む合金を含有す
るもの、強磁性金属中又は強磁性金属を含む合金中に非
磁性体を含有するもの等の強磁性体を単独で粒子状に成
形した粒子、強磁性体を核としてその表面をポリスチレ
ン、シリカゲル、ゼラチン、ポリアクリルアミドなどの
上記のような高分子物質で被覆した粒子、ポリスチレ
ン、シリカゲル、ゼラチン、ポリアクリルアミド等の高
分子物質の粒子を核として強磁性体を被覆した粒子、赤
血球などのタンパク性粒子、またはリポソームもしくは
マイクロカプセル等の閉じた袋状の物質に強磁性体を封
入したものなどを挙げることができる。
【0022】なお、この磁性粒子は、外部から磁石を作
用させている間は磁化し、外部からの磁石の遮断により
速やかに減磁する性質を持つものであることが特に好ま
しく、そのような磁性粒子としては、例えば、強磁性体
である酸化鉄(III) (Fe2O3)を粒子内に分散させた磁
性粒子である「Dynabeads M-450 uncoated(商品名)
(ダイナル社製)」が挙げられる。
用させている間は磁化し、外部からの磁石の遮断により
速やかに減磁する性質を持つものであることが特に好ま
しく、そのような磁性粒子としては、例えば、強磁性体
である酸化鉄(III) (Fe2O3)を粒子内に分散させた磁
性粒子である「Dynabeads M-450 uncoated(商品名)
(ダイナル社製)」が挙げられる。
【0023】更に、粒子としては、色素を被覆するか又
は色素を粒子中に分散若しくは封入させることにより着
色したものを使用してもよい。粒子の粒子径は、好まし
くは0.01〜100μmであり、特に好ましくは0.
5〜10μmである。また、粒子の比重は、分散媒中で
沈降する比重であれば良く、例えば比重1〜10のもの
を使用すると、特異的結合をしない(陰性)場合に明確
な凝集像を形成するために好ましい。
は色素を粒子中に分散若しくは封入させることにより着
色したものを使用してもよい。粒子の粒子径は、好まし
くは0.01〜100μmであり、特に好ましくは0.
5〜10μmである。また、粒子の比重は、分散媒中で
沈降する比重であれば良く、例えば比重1〜10のもの
を使用すると、特異的結合をしない(陰性)場合に明確
な凝集像を形成するために好ましい。
【0024】本発明においては、特異的結合物質を固定
した粒子を用いるが、特異的結合物質を粒子に固定する
には、特異的結合物質を前記の粒子の表面に疎水結合、
親水吸着等の物理的吸着法、共有結合等の化学的結合法
又はこれらの方法の併用などにより行うことができる。
した粒子を用いるが、特異的結合物質を粒子に固定する
には、特異的結合物質を前記の粒子の表面に疎水結合、
親水吸着等の物理的吸着法、共有結合等の化学的結合法
又はこれらの方法の併用などにより行うことができる。
【0025】特異的結合物質の粒子への固定を物理的吸
着法により行う場合は、公知の方法に従って、該特異的
結合物質と粒子とを緩衝液等の溶液中で混合し接触させ
ることにより行うことができる。例えば、特異的結合物
質と粒子を所定の濃度で、緩衝液などの溶液中で混合し
穏やかに撹拌することにより接触させ、約2℃〜約40
℃にて、約10分〜約1日間吸着反応を行わせた後、得
られた粒子を緩衝液などで洗浄すればよい。
着法により行う場合は、公知の方法に従って、該特異的
結合物質と粒子とを緩衝液等の溶液中で混合し接触させ
ることにより行うことができる。例えば、特異的結合物
質と粒子を所定の濃度で、緩衝液などの溶液中で混合し
穏やかに撹拌することにより接触させ、約2℃〜約40
℃にて、約10分〜約1日間吸着反応を行わせた後、得
られた粒子を緩衝液などで洗浄すればよい。
【0026】また、特異的結合物質の粒子への固定を架
橋試薬による化学的結合法によって行う場合は、日本臨
床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査
のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊
行会,1983年、日本生化学会編「新生化学実験講座1
タンパク質IV」,東京化学同人,1991年等に記載の公知
の方法に従い、特異的結合物質と粒子をグルタルアルデ
ヒド、カルボジイミド、イミドエステル、マレイミド等
の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、特異的結合物質
と粒子のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオー
ル基、アルデヒド基、水酸基等の官能基を架橋試薬と反
応させることにより固定することができる。
橋試薬による化学的結合法によって行う場合は、日本臨
床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査
のためのイムノアッセイ−技術と応用−」,臨床病理刊
行会,1983年、日本生化学会編「新生化学実験講座1
タンパク質IV」,東京化学同人,1991年等に記載の公知
の方法に従い、特異的結合物質と粒子をグルタルアルデ
ヒド、カルボジイミド、イミドエステル、マレイミド等
の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、特異的結合物質
と粒子のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオー
ル基、アルデヒド基、水酸基等の官能基を架橋試薬と反
応させることにより固定することができる。
【0027】例えば、粒子を含む緩衝液等にグルタルア
ルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル、マレイミ
ド等の二価性の架橋試薬を加え、撹拌し反応させる。次
にこれに特異的結合物質を加え、撹拌して反応させる。
場合によっては、その後これに透析、ゲルろ過などの処
理により架橋試薬を除くか若しくは架橋反応の反応停止
剤を添加すること等により反応を停止させる。そして、
得られた粒子を緩衝液等で洗浄すればよい。
ルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル、マレイミ
ド等の二価性の架橋試薬を加え、撹拌し反応させる。次
にこれに特異的結合物質を加え、撹拌して反応させる。
場合によっては、その後これに透析、ゲルろ過などの処
理により架橋試薬を除くか若しくは架橋反応の反応停止
剤を添加すること等により反応を停止させる。そして、
得られた粒子を緩衝液等で洗浄すればよい。
【0028】また、特異的結合物質の粒子への固定量を
変更することにより、試料中の被検物質の濃度の高低に
応じて容易に測定系の感度を変更することができる。例
えば、粒子に特異的結合物質を固定する際に、高濃度の
特異的結合物質を用いると、粒子上に固定される結合物
質の量が多くなって、測定系の感度を高めることができ
る。
変更することにより、試料中の被検物質の濃度の高低に
応じて容易に測定系の感度を変更することができる。例
えば、粒子に特異的結合物質を固定する際に、高濃度の
特異的結合物質を用いると、粒子上に固定される結合物
質の量が多くなって、測定系の感度を高めることができ
る。
【0029】本発明においては、溶液収容部の所定面積
(S)の内壁面に特異的結合物質を固定し、かつ、この
試料容量(v)と上記面積(S)との比v/Sが5μL
/mm2 以上である測定容器を使用する。比v/Sを5
μL/mm2 以上としたのは、試料中に含まれる極微量
の被検物質を高感度に測定することが可能となることに
よる。さらに、比v/Sが7μL/mm2 以上である測
定容器を用いると、試料中に含まれる極微量の被検物質
を、より高感度に測定を行うことができるようになる。
(S)の内壁面に特異的結合物質を固定し、かつ、この
試料容量(v)と上記面積(S)との比v/Sが5μL
/mm2 以上である測定容器を使用する。比v/Sを5
μL/mm2 以上としたのは、試料中に含まれる極微量
の被検物質を高感度に測定することが可能となることに
よる。さらに、比v/Sが7μL/mm2 以上である測
定容器を用いると、試料中に含まれる極微量の被検物質
を、より高感度に測定を行うことができるようになる。
【0030】この測定容器は、底部の縦断面がU字状又
はV字状等の平面ではない形状であって溶液を収容する
ことができる溶液収容部を有するものであればよく、特
に限定されない。例えば、底部の縦断面の形状がU字状
又はV字状で円柱状のもの、底部の縦断面の形状がU字
状又はV字状である円錐状のもの、底部の縦断面の形状
がU字状若しくはV字状である円柱状の溶液収容部を単
数若しくは複数有するもの、又は底部の縦断面の形状が
U字状若しくはV字状である円錐状の溶液収容部を単数
若しくは複数有するもの等を用いることができる。
はV字状等の平面ではない形状であって溶液を収容する
ことができる溶液収容部を有するものであればよく、特
に限定されない。例えば、底部の縦断面の形状がU字状
又はV字状で円柱状のもの、底部の縦断面の形状がU字
状又はV字状である円錐状のもの、底部の縦断面の形状
がU字状若しくはV字状である円柱状の溶液収容部を単
数若しくは複数有するもの、又は底部の縦断面の形状が
U字状若しくはV字状である円錐状の溶液収容部を単数
若しくは複数有するもの等を用いることができる。
【0031】この測定容器の大きさは特に限定されるも
のではないが、円柱部の直径が0.4cm以上かつ長さ
が0.5cm以上で底部の縦断面の形状がU字状若しく
はV字状である円柱状のもの、又は円錐部の小さい側の
直径が0.4cm以上かつ長さが0.5cm以上で底部
の縦断面の形状がU字状若しくはV字状である円柱状の
ものであって、それらの容量が1.5mL〜10mLの
大きさの測定容器が好ましい。
のではないが、円柱部の直径が0.4cm以上かつ長さ
が0.5cm以上で底部の縦断面の形状がU字状若しく
はV字状である円柱状のもの、又は円錐部の小さい側の
直径が0.4cm以上かつ長さが0.5cm以上で底部
の縦断面の形状がU字状若しくはV字状である円柱状の
ものであって、それらの容量が1.5mL〜10mLの
大きさの測定容器が好ましい。
【0032】本発明の特異的結合物質を固定する測定容
器として用いることができる容器をより具体的に例示す
ると、組織培養用チューブ(ファルコン社など)、ディ
スポーザブルチューブ(ファルコン社など)、RIA用
テストチューブ(ビ−エム機器社)、イムノチューブ
(ヌンク社)、若しくはアシストチューブ(アシスト
社)などの一般的に使用されている試験管、セントリフ
ュージチューブ(ヌンク社)若しくはスミロンセントリ
フュージチューブ(住友ベークライト社)などの一般的
に使用されている遠心チューブ、又はリンパ球培養チュ
ーブ、クライオチューブ、マイクロセントリフュージチ
ューブ(ヌンク社)、若しくはスミロンセラムチューブ
(住友ベークライト社)等を挙げることができる。
器として用いることができる容器をより具体的に例示す
ると、組織培養用チューブ(ファルコン社など)、ディ
スポーザブルチューブ(ファルコン社など)、RIA用
テストチューブ(ビ−エム機器社)、イムノチューブ
(ヌンク社)、若しくはアシストチューブ(アシスト
社)などの一般的に使用されている試験管、セントリフ
ュージチューブ(ヌンク社)若しくはスミロンセントリ
フュージチューブ(住友ベークライト社)などの一般的
に使用されている遠心チューブ、又はリンパ球培養チュ
ーブ、クライオチューブ、マイクロセントリフュージチ
ューブ(ヌンク社)、若しくはスミロンセラムチューブ
(住友ベークライト社)等を挙げることができる。
【0033】この測定容器の材質は、特異的結合物質を
物理的又は化学的に固定できるものであれば何ら制限さ
れず、例えば、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポ
リエチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート等
が挙げられる。
物理的又は化学的に固定できるものであれば何ら制限さ
れず、例えば、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポ
リエチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート等
が挙げられる。
【0034】特異的結合物質を固定する面積(S)は、
具体的には8〜2,500mm2 であればよく、好まし
くは65〜1,000mm2 、さらに好ましくは140
mm2 前後とすることが好ましく、試料容量(v)との
比v/Sが、5μL/mm2以上、より好ましくは7μ
L/mm2 以上となる面積とする。ここに1.8ng/
mm2 〜500ng/mm2 の特異的結合物質を接触さ
せて固定すると、所定量の試料(v)を添加したとき
に、これらの試料中の被検物質を高感度かつ精度よく検
出することができるために好ましい。これらのファクタ
ーの比であるv/Sを、5μL/mm2 以上、好ましく
は7μL/mm2 とすると、従来のアッセイ系の検出限
界(100pg/mL)に比べて、5pg/mLという
非常に低い濃度でも明確な陽性像を得ることができる。
具体的には8〜2,500mm2 であればよく、好まし
くは65〜1,000mm2 、さらに好ましくは140
mm2 前後とすることが好ましく、試料容量(v)との
比v/Sが、5μL/mm2以上、より好ましくは7μ
L/mm2 以上となる面積とする。ここに1.8ng/
mm2 〜500ng/mm2 の特異的結合物質を接触さ
せて固定すると、所定量の試料(v)を添加したとき
に、これらの試料中の被検物質を高感度かつ精度よく検
出することができるために好ましい。これらのファクタ
ーの比であるv/Sを、5μL/mm2 以上、好ましく
は7μL/mm2 とすると、従来のアッセイ系の検出限
界(100pg/mL)に比べて、5pg/mLという
非常に低い濃度でも明確な陽性像を得ることができる。
【0035】例えば、1mLの試料を用いる場合には、
140mm2 の測定容器の内壁面に10μg/mLの抗
HBs抗体溶液を接触させて抗HBs抗体を固定する
と、抗原−抗体測定反応の終了後に目視可能な凝集像
(陰性像)が容器の底面中央部に明確に形成される。こ
のような陰性像を形成できる量を目視限界量といい、特
異的結合物質の分子量などの物理的・化学的特性によ
り、また、容器内壁への固定化法などによって異なる。
140mm2 の測定容器の内壁面に10μg/mLの抗
HBs抗体溶液を接触させて抗HBs抗体を固定する
と、抗原−抗体測定反応の終了後に目視可能な凝集像
(陰性像)が容器の底面中央部に明確に形成される。こ
のような陰性像を形成できる量を目視限界量といい、特
異的結合物質の分子量などの物理的・化学的特性によ
り、また、容器内壁への固定化法などによって異なる。
【0036】例えば、抗HBs抗体を特異的結合物質と
して用いる場合には5μg/mL〜5mg/mLの濃度
の溶液を250μL用いると、約140mm2 の面積に
抗HBs抗体を固定化することができ、抗原−抗体測定
反応の終了後、図2Aに示すような明確な陰性像が形成
される。
して用いる場合には5μg/mL〜5mg/mLの濃度
の溶液を250μL用いると、約140mm2 の面積に
抗HBs抗体を固定化することができ、抗原−抗体測定
反応の終了後、図2Aに示すような明確な陰性像が形成
される。
【0037】特異的結合物質を溶液収容部の内壁面に固
定する面積を限定する方法としては、例えば、溶液収容
部の内壁面の特異的結合物質を固定したい面積の部分に
のみ特異的結合物質及び/又は架橋試薬を滴下して後述
する方法により固定を行なう方法、特異的結合物質及び
/又は架橋試薬が、固定したい面積の部分のみ覆うよう
な量の特異的結合物質及び/又は架橋試薬を溶液収容部
に添加して後述する方法により固定を行なう方法、特異
的結合物質により固定したい面積の部分の周囲をプラス
チック板等で囲ってこの囲まれた部分に特異的結合物質
及び/又は架橋試薬を添加して後述する方法により固定
を行なう方法、或いはスポンジ等の吸収体に特異的結合
物質及び/又は架橋試薬を吸収させ、特異的結合物質に
より固定したい面積の部分に置いて接触させたり又は塗
布して後述する方法により固定を行なう方法などが挙げ
られる。
定する面積を限定する方法としては、例えば、溶液収容
部の内壁面の特異的結合物質を固定したい面積の部分に
のみ特異的結合物質及び/又は架橋試薬を滴下して後述
する方法により固定を行なう方法、特異的結合物質及び
/又は架橋試薬が、固定したい面積の部分のみ覆うよう
な量の特異的結合物質及び/又は架橋試薬を溶液収容部
に添加して後述する方法により固定を行なう方法、特異
的結合物質により固定したい面積の部分の周囲をプラス
チック板等で囲ってこの囲まれた部分に特異的結合物質
及び/又は架橋試薬を添加して後述する方法により固定
を行なう方法、或いはスポンジ等の吸収体に特異的結合
物質及び/又は架橋試薬を吸収させ、特異的結合物質に
より固定したい面積の部分に置いて接触させたり又は塗
布して後述する方法により固定を行なう方法などが挙げ
られる。
【0038】特異的結合物質の容器の溶液収容部の内壁
面への固定は、上述した粒子に特異的結合物質を固定す
る場合と同様に、物理的吸着法又は架橋試薬による化学
的結合法などによって行うことができる。例えば、トリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液など
の緩衝液に溶解した特異的結合物質を、容器の溶液収容
部に入れて静置することにより内壁面と接触させ、約2
℃〜約40℃で約10分〜約1日間吸着反応を行わせた
後、溶液収容部の液を吸引除去し、緩衝液等で洗浄すれ
ばよい。
面への固定は、上述した粒子に特異的結合物質を固定す
る場合と同様に、物理的吸着法又は架橋試薬による化学
的結合法などによって行うことができる。例えば、トリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液など
の緩衝液に溶解した特異的結合物質を、容器の溶液収容
部に入れて静置することにより内壁面と接触させ、約2
℃〜約40℃で約10分〜約1日間吸着反応を行わせた
後、溶液収容部の液を吸引除去し、緩衝液等で洗浄すれ
ばよい。
【0039】また、架橋試薬による化学的結合法により
行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特
集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応
用−」,臨床病理刊行会,1983年、日本生化学会編「新
生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,19
91年等に記載の公知の方法に従い、特異的結合物質をグ
ルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル、
マレイミド等の二価性の架橋試薬と混合し、溶液収容部
の内壁面に接触させ、特異的結合物質と溶液収容部の内
壁面のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール
基、アルデヒド基、水酸基等と反応させることにより固
定することができる。
行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特
集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ−技術と応
用−」,臨床病理刊行会,1983年、日本生化学会編「新
生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,19
91年等に記載の公知の方法に従い、特異的結合物質をグ
ルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル、
マレイミド等の二価性の架橋試薬と混合し、溶液収容部
の内壁面に接触させ、特異的結合物質と溶液収容部の内
壁面のそれぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール
基、アルデヒド基、水酸基等と反応させることにより固
定することができる。
【0040】例えば、容器の溶液収容部にグルタルアル
デヒド、カルボジイミド、イミドエステル、マレイミド
等の二価性の架橋試薬を加え、静置して反応させる。次
いでこれに特異的結合物質を加えて静置することにより
反応させる。場合によっては、その後これに架橋反応の
反応停止剤を添加すること等により反応を停止させる。
そして、緩衝液等で洗浄を行う。
デヒド、カルボジイミド、イミドエステル、マレイミド
等の二価性の架橋試薬を加え、静置して反応させる。次
いでこれに特異的結合物質を加えて静置することにより
反応させる。場合によっては、その後これに架橋反応の
反応停止剤を添加すること等により反応を停止させる。
そして、緩衝液等で洗浄を行う。
【0041】また、特異的結合物質の容器の溶液収容部
の内壁面への固定化量を変更することにより、試料中の
被検物質の濃度の高低に応じて容易に感度を変更するこ
とができる。例えば、溶液収容部の内壁面に特異的結合
物質を固定する際に、高濃度の特異的結合物質を用いれ
ば固定量が多くなって感度を高めることができる。
の内壁面への固定化量を変更することにより、試料中の
被検物質の濃度の高低に応じて容易に感度を変更するこ
とができる。例えば、溶液収容部の内壁面に特異的結合
物質を固定する際に、高濃度の特異的結合物質を用いれ
ば固定量が多くなって感度を高めることができる。
【0042】上述したように、粒子および測定容器の溶
液収容部に特異的結合物質を結合させた後に、必要があ
れば、粒子および測定容器の溶液収容部内壁面への被検
物質の非特異的吸着反応を抑制するため、ウシ血清アル
ブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カ
ゼイン若しくはその塩などの各種タンパク質、脱脂粉乳
などを用いる公知の方法により、特異的結合物質を固定
した粒子又は測定容器の溶液収容部の内壁面をマスキン
グしてもよい。
液収容部に特異的結合物質を結合させた後に、必要があ
れば、粒子および測定容器の溶液収容部内壁面への被検
物質の非特異的吸着反応を抑制するため、ウシ血清アル
ブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、カ
ゼイン若しくはその塩などの各種タンパク質、脱脂粉乳
などを用いる公知の方法により、特異的結合物質を固定
した粒子又は測定容器の溶液収容部の内壁面をマスキン
グしてもよい。
【0043】例えば、特異的結合物質を固定した容器の
溶液収容部にウシ血清アルブミンを含む適当な緩衝液等
を加えて所定の時間静置し、特異的結合物質を固定した
容器の溶液収容部の内壁面をコーティングした後、溶液
収容部の液を吸引除去することにより、マスキングを行
うことができる。
溶液収容部にウシ血清アルブミンを含む適当な緩衝液等
を加えて所定の時間静置し、特異的結合物質を固定した
容器の溶液収容部の内壁面をコーティングした後、溶液
収容部の液を吸引除去することにより、マスキングを行
うことができる。
【0044】本発明の測定方法においては、上記のよう
に測定容器の溶液収容部の内壁面に固定された特異的結
合物質と、被検物質の存在が疑われる試料と、粒子に固
定した特異的結合物質とを接触させる。
に測定容器の溶液収容部の内壁面に固定された特異的結
合物質と、被検物質の存在が疑われる試料と、粒子に固
定した特異的結合物質とを接触させる。
【0045】これらの物質の接触の順序は特に限定され
ず、最初に、特異的結合物質が固定された測定容器の
溶液収容部に試料を添加し、ついで特異的結合物質を固
定した粒子を溶液収容部に添加する方法、特異的結合
物質が固定された測定容器の溶液収容部に試料と特異的
結合物質を固定した粒子とを同時に溶液収容部に添加す
る方法、特異的結合物質が固定された測定容器の溶液
収容部に特異的結合物質を固定した粒子を添加し、つい
で試料を溶液収容部に添加する方法などの方法によって
行えばよい。なお、上記、の場合には、試料を添加
した後、5分間以上、例えば5分間〜60分間、静置又
は攪拌して、被検物質と特異的結合物質とを反応させる
ことが好ましい。また、上記の場合には、試料を添加
した後、5分間以上、例えば5分間〜60分間、攪拌し
て、被検物質と特異的結合物質とを反応させることが好
ましい。
ず、最初に、特異的結合物質が固定された測定容器の
溶液収容部に試料を添加し、ついで特異的結合物質を固
定した粒子を溶液収容部に添加する方法、特異的結合
物質が固定された測定容器の溶液収容部に試料と特異的
結合物質を固定した粒子とを同時に溶液収容部に添加す
る方法、特異的結合物質が固定された測定容器の溶液
収容部に特異的結合物質を固定した粒子を添加し、つい
で試料を溶液収容部に添加する方法などの方法によって
行えばよい。なお、上記、の場合には、試料を添加
した後、5分間以上、例えば5分間〜60分間、静置又
は攪拌して、被検物質と特異的結合物質とを反応させる
ことが好ましい。また、上記の場合には、試料を添加
した後、5分間以上、例えば5分間〜60分間、攪拌し
て、被検物質と特異的結合物質とを反応させることが好
ましい。
【0046】攪拌は、振とう機やマイクロプレートミキ
サー等を用いて行ってもよく、また、回転培養機などを
使用して転倒混和してもよい。試料は、原液のまま溶液
収容部の内壁面に接触させてもよく、また、下記のよう
な適当な希釈液により希釈して接触させてもよい。
サー等を用いて行ってもよく、また、回転培養機などを
使用して転倒混和してもよい。試料は、原液のまま溶液
収容部の内壁面に接触させてもよく、また、下記のよう
な適当な希釈液により希釈して接触させてもよい。
【0047】試料の希釈液としては、トリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン緩衝液(Tris緩衝液)、リ
ン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの各
種緩衝液又は生理食塩水等を用いることができる。な
お、これらの緩衝液または生理食塩水のpHについて
は、pH4〜12の範囲内にあることが好ましく、pH
6〜10の範囲内にあることがより好ましく、特にpH
7〜8付近とするとタンパク性の被検物質の立体構造が
保持されるために、測定感度が高い。
シメチル)アミノメタン緩衝液(Tris緩衝液)、リ
ン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの各
種緩衝液又は生理食塩水等を用いることができる。な
お、これらの緩衝液または生理食塩水のpHについて
は、pH4〜12の範囲内にあることが好ましく、pH
6〜10の範囲内にあることがより好ましく、特にpH
7〜8付近とするとタンパク性の被検物質の立体構造が
保持されるために、測定感度が高い。
【0048】また、上述の試料の希釈液には、BSA、
HSA、カゼイン、又はそれらの塩などの各種タンパク
質、塩化ナトリウムなどの各種塩類、各種糖類、脱脂粉
乳、正常ウサギ血清などの各種動物血清、アジ化ナトリ
ウムなどの各種防腐剤、非イオン性界面活性剤、両イオ
ン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤などの各種界面
活性剤等の添加剤を適宜加えて用いることができる。そ
して、これらの添加剤を加える際の濃度は特に限定され
るものではないが、0.001〜10%(w/v) が好
ましく、特に0.01〜5%(w/v) が凝集像を安定
化し、非特異的反応を抑制する上で好ましい。
HSA、カゼイン、又はそれらの塩などの各種タンパク
質、塩化ナトリウムなどの各種塩類、各種糖類、脱脂粉
乳、正常ウサギ血清などの各種動物血清、アジ化ナトリ
ウムなどの各種防腐剤、非イオン性界面活性剤、両イオ
ン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤などの各種界面
活性剤等の添加剤を適宜加えて用いることができる。そ
して、これらの添加剤を加える際の濃度は特に限定され
るものではないが、0.001〜10%(w/v) が好
ましく、特に0.01〜5%(w/v) が凝集像を安定
化し、非特異的反応を抑制する上で好ましい。
【0049】また、界面活性剤としては、ソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
フィトステロール、フィトスタノール、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒ
マシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等
の非イオン性界面活性剤、酢酸ベタインなどの両性界面
活性剤又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩
若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩な
どの陰イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
フィトステロール、フィトスタノール、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒ
マシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等
の非イオン性界面活性剤、酢酸ベタインなどの両性界面
活性剤又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩
若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩な
どの陰イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0050】上記のように、測定容器の溶液収容部に
試料を添加し、そしてその後特異的結合物質を固定した
粒子を溶液収容部に添加する場合には、溶液収容部に試
料を添加し内壁面に接触した後、これらの添加した試料
を除去してもよい。
試料を添加し、そしてその後特異的結合物質を固定した
粒子を溶液収容部に添加する場合には、溶液収容部に試
料を添加し内壁面に接触した後、これらの添加した試料
を除去してもよい。
【0051】この測定容器の溶液収容部の特異的結合物
質が固定された内壁面に接触させた試料の除去は、ピペ
ット、アスピレーター、若しくはチューブウオッシュ
(ヌンク社製)などで測定容器の溶液収容部の試料を吸
い取る方法、吸水性材料よりなる試料吸収体を溶液収容
部の試料に接触させて試料を吸収させる方法、又は測定
容器を逆さにして試料を下に落とすことにより除去する
方法等により行うことができる。
質が固定された内壁面に接触させた試料の除去は、ピペ
ット、アスピレーター、若しくはチューブウオッシュ
(ヌンク社製)などで測定容器の溶液収容部の試料を吸
い取る方法、吸水性材料よりなる試料吸収体を溶液収容
部の試料に接触させて試料を吸収させる方法、又は測定
容器を逆さにして試料を下に落とすことにより除去する
方法等により行うことができる。
【0052】この吸水性材料よりなる試料吸収体として
は、ろ紙、ペーパータオル若しくはティッシュペーパー
などの紙類、レーヨン若しくはポリエステルなどの化学
繊維、布、不織布又は綿等の液体を吸収する性質を持つ
材料よりなるものを用いることができる。なお、これら
の試料吸収体の形状、大きさは特に制限されないが、容
器を逆さにして試料を試料吸収体に吸収させる場合に
は、容器を覆うことができる大きさのものを適宜選択し
て使用するとよい。なお、溶液収容部の内壁面に接触さ
せた試料を除去した後に、上記の試料の希釈液又は緩衝
液等を用いてこの溶液収容部の内壁面を洗浄してもよ
い。
は、ろ紙、ペーパータオル若しくはティッシュペーパー
などの紙類、レーヨン若しくはポリエステルなどの化学
繊維、布、不織布又は綿等の液体を吸収する性質を持つ
材料よりなるものを用いることができる。なお、これら
の試料吸収体の形状、大きさは特に制限されないが、容
器を逆さにして試料を試料吸収体に吸収させる場合に
は、容器を覆うことができる大きさのものを適宜選択し
て使用するとよい。なお、溶液収容部の内壁面に接触さ
せた試料を除去した後に、上記の試料の希釈液又は緩衝
液等を用いてこの溶液収容部の内壁面を洗浄してもよ
い。
【0053】洗浄を行う場合は、試料を除去した溶液収
容部に上述した試料の希釈液又は緩衝液等の洗浄液をマ
イクロピペット等で分注し、アスピレーター等で吸引除
去するという工程を2〜3回繰り返せばよい。また、特
異的結合物質を固定した粒子は、例えば適当な分散媒に
分散して溶液収容部の内壁面に接触させてもよい。
容部に上述した試料の希釈液又は緩衝液等の洗浄液をマ
イクロピペット等で分注し、アスピレーター等で吸引除
去するという工程を2〜3回繰り返せばよい。また、特
異的結合物質を固定した粒子は、例えば適当な分散媒に
分散して溶液収容部の内壁面に接触させてもよい。
【0054】このような粒子の分散媒としては、上述の
各種緩衝液又は生理食塩水等を用いることができる。ま
た、この粒子の分散媒には、上記の添加剤をそれぞれ適
宜加えて用いることができる。そして、これらの添加剤
を加える際の濃度は特に限定されるものではないが、
0.001〜10%(w/v) が好ましく、特に0.0
1〜5%(w/v) の濃度が粒子分散液中での粒子の分
散状態を安定なものとし、凝集像を安定化させるととも
に、非特異的反応を抑制するために好ましい。
各種緩衝液又は生理食塩水等を用いることができる。ま
た、この粒子の分散媒には、上記の添加剤をそれぞれ適
宜加えて用いることができる。そして、これらの添加剤
を加える際の濃度は特に限定されるものではないが、
0.001〜10%(w/v) が好ましく、特に0.0
1〜5%(w/v) の濃度が粒子分散液中での粒子の分
散状態を安定なものとし、凝集像を安定化させるととも
に、非特異的反応を抑制するために好ましい。
【0055】上記のように、特異的結合物質を固定した
測定容器の溶液収容部の内壁面に、試料を接触させ、そ
して特異的結合物質を固定した粒子を接触させると、
「測定容器の溶液収容部の内壁面の所定の面積に固定し
た特異的結合物質−試料中の被検物質−粒子に固定した
特異的結合物質」という複合体(以下、複合体という)
が形成され、この複合体形成による測定容器の溶液収容
部の内壁面における粒子の分布状態から試料中の被検物
質の有無を判定する。
測定容器の溶液収容部の内壁面に、試料を接触させ、そ
して特異的結合物質を固定した粒子を接触させると、
「測定容器の溶液収容部の内壁面の所定の面積に固定し
た特異的結合物質−試料中の被検物質−粒子に固定した
特異的結合物質」という複合体(以下、複合体という)
が形成され、この複合体形成による測定容器の溶液収容
部の内壁面における粒子の分布状態から試料中の被検物
質の有無を判定する。
【0056】本発明の測定方法において、試料中に被検
物質が存在しない場合、被検物質を介した上記複合体が
形成されないので、特異的結合物質を固定した粒子は重
力によりそのまま沈降し、測定容器の溶液収容部の内壁
面に沿って転がり落ちて(滑り落ちて)、溶液収容部の
U字状又はV字状等の底部の内壁面の中央部に集まる。
従って、陰性の場合、測定容器の上方から見ると、溶液
収容部の底部の内壁面の中央部に粒子が収束した像(陰
性像)が観察される(図2A)。
物質が存在しない場合、被検物質を介した上記複合体が
形成されないので、特異的結合物質を固定した粒子は重
力によりそのまま沈降し、測定容器の溶液収容部の内壁
面に沿って転がり落ちて(滑り落ちて)、溶液収容部の
U字状又はV字状等の底部の内壁面の中央部に集まる。
従って、陰性の場合、測定容器の上方から見ると、溶液
収容部の底部の内壁面の中央部に粒子が収束した像(陰
性像)が観察される(図2A)。
【0057】一方、試料中に被検物質が存在する(陽
性)場合、特異的結合物質を固定した粒子は被検物質を
介して測定容器の溶液収容部の内壁面に結合して上記複
合体を形成する。このように結合した粒子は、結合して
いない粒子に比べると溶液収容部の内壁面上を転がり難
く(滑り落ち難く)、転がり速度(滑り落ち速度)が小
さいので、溶液収容部の底部の内壁面に広がった状態で
止まる。従って、陽性の場合、測定容器の上方から見る
と、粒子が溶液収容部の底部の内壁面に広がった状態、
即ち「ボタン」状の凝集像(陽性像)が観察でき(図2
B)、試料中に被検物質が存在することが確認できる。
具体的には、図2に示すように、特異的結合物質として
抗HBsモノクローナル抗体を用い、イムノテストチュ
ーブ(ヌンク社製)の底面に固定化し、ここに試料1m
Lを入れて被検物質(HBs抗原)と反応させた後、抗
HBsモノクローナル抗体を固定化した磁性粒子を添加
し、磁気発生装置中に置く。10〜12ガウスで4〜6
分置いた後に、HBs抗原が含まれている試料では粒子
が中央部に集束した凝集像は形成されず(B)、底面全
体に粒子が分散した陽性像が形成されている。一方、H
Bs抗原が含まれていない試料では、中央部に粒子が集
束した凝集像(A)、すなわち陰性像が形成されてい
る。
性)場合、特異的結合物質を固定した粒子は被検物質を
介して測定容器の溶液収容部の内壁面に結合して上記複
合体を形成する。このように結合した粒子は、結合して
いない粒子に比べると溶液収容部の内壁面上を転がり難
く(滑り落ち難く)、転がり速度(滑り落ち速度)が小
さいので、溶液収容部の底部の内壁面に広がった状態で
止まる。従って、陽性の場合、測定容器の上方から見る
と、粒子が溶液収容部の底部の内壁面に広がった状態、
即ち「ボタン」状の凝集像(陽性像)が観察でき(図2
B)、試料中に被検物質が存在することが確認できる。
具体的には、図2に示すように、特異的結合物質として
抗HBsモノクローナル抗体を用い、イムノテストチュ
ーブ(ヌンク社製)の底面に固定化し、ここに試料1m
Lを入れて被検物質(HBs抗原)と反応させた後、抗
HBsモノクローナル抗体を固定化した磁性粒子を添加
し、磁気発生装置中に置く。10〜12ガウスで4〜6
分置いた後に、HBs抗原が含まれている試料では粒子
が中央部に集束した凝集像は形成されず(B)、底面全
体に粒子が分散した陽性像が形成されている。一方、H
Bs抗原が含まれていない試料では、中央部に粒子が集
束した凝集像(A)、すなわち陰性像が形成されてい
る。
【0058】凝集像は、上述のように被検物質に対する
特異的結合物質を結合した粒子を自然沈降させて上記複
合体を形成させることによって得ることができるが、特
開平4−216466号公報に記載されているように、
凝集像を得るまでの時間を短縮するために磁性粒子を使
用し、弱い均一な磁界をかけてこれらの粒子をチェーン
状につなぎ、沈降速度を速めてもよい。ここでかける磁
界の方向は、測定容器を半球状の底面を下にして鉛直に
置いたときに、鉛直となる向きである。ここで弱い均一
な磁界を作り出すために使用する磁力の強さは、数十ガ
ウス以下であることが好ましく、より好ましくは20ガ
ウス以下、特に好ましくは8〜15ガウス程度とする
と、感度の高い免疫学的測定を行うことができる。
特異的結合物質を結合した粒子を自然沈降させて上記複
合体を形成させることによって得ることができるが、特
開平4−216466号公報に記載されているように、
凝集像を得るまでの時間を短縮するために磁性粒子を使
用し、弱い均一な磁界をかけてこれらの粒子をチェーン
状につなぎ、沈降速度を速めてもよい。ここでかける磁
界の方向は、測定容器を半球状の底面を下にして鉛直に
置いたときに、鉛直となる向きである。ここで弱い均一
な磁界を作り出すために使用する磁力の強さは、数十ガ
ウス以下であることが好ましく、より好ましくは20ガ
ウス以下、特に好ましくは8〜15ガウス程度とする
と、感度の高い免疫学的測定を行うことができる。
【0059】例えば、図3に示すような装置を用い、被
検物質の存在を検出しようとする試料及び被検物質に対
する特異的結合物質を結合した粒子に均一な磁界をかけ
てもよい。図3に示す装置では、2枚の鉄板(18およ
び20)を所定の間隔で平行に置き、その上方に板状の
磁石(12)を置く。鉄板(18)と鉄板(20)との
間隔は、測定容器をスムーズにそれらの間に出し入れで
きるように適宜調節すればよい。鉄板(18)は磁石
(12)によって磁化され、鉄板(18)と鉄板(2
0)との間に均一な磁界が形成される。磁石(12)と
鉄板(18)との間隔は、均一な磁界が8〜15ガウス
程度になるように適宜調節する。被検物質に対する特異
的結合物質を内壁面の所定面積に結合させた測定容器に
試料と上述した磁性粒子とを入れ、この測定容器を試験
管立てなどに立ててこの2枚の鉄板(18および20)
の間に置く。弱い均一な磁界の作用によって磁性粒子同
士がチェーン状に結合し、磁性粒子が単独で沈降するよ
りも速やかに粒子が沈降する。粒子の沈降は、磁力を作
用させない場合には30分〜1時間程度であるが、磁性
粒子を用いて磁力を作用させると数分〜10分間程度で
終了するため、測定時間が短くなる。さらに、弱い均一
な磁界を使用しているので、磁力によって磁性粒子が沈
降することはなく、感度のみならず、精度も高い免疫学
的測定を行うことが可能になる。
検物質の存在を検出しようとする試料及び被検物質に対
する特異的結合物質を結合した粒子に均一な磁界をかけ
てもよい。図3に示す装置では、2枚の鉄板(18およ
び20)を所定の間隔で平行に置き、その上方に板状の
磁石(12)を置く。鉄板(18)と鉄板(20)との
間隔は、測定容器をスムーズにそれらの間に出し入れで
きるように適宜調節すればよい。鉄板(18)は磁石
(12)によって磁化され、鉄板(18)と鉄板(2
0)との間に均一な磁界が形成される。磁石(12)と
鉄板(18)との間隔は、均一な磁界が8〜15ガウス
程度になるように適宜調節する。被検物質に対する特異
的結合物質を内壁面の所定面積に結合させた測定容器に
試料と上述した磁性粒子とを入れ、この測定容器を試験
管立てなどに立ててこの2枚の鉄板(18および20)
の間に置く。弱い均一な磁界の作用によって磁性粒子同
士がチェーン状に結合し、磁性粒子が単独で沈降するよ
りも速やかに粒子が沈降する。粒子の沈降は、磁力を作
用させない場合には30分〜1時間程度であるが、磁性
粒子を用いて磁力を作用させると数分〜10分間程度で
終了するため、測定時間が短くなる。さらに、弱い均一
な磁界を使用しているので、磁力によって磁性粒子が沈
降することはなく、感度のみならず、精度も高い免疫学
的測定を行うことが可能になる。
【0060】磁石は、鉄板を一様に磁化できればよく、
配置は特に限定されない。したがって、図2に示すよう
に鉄板2枚の間にこれらに接触するように配置してもよ
い。この測定容器の溶液収容部の内壁面における粒子の
分布状態、即ち像は、目視により高感度で判定が可能で
あり、又は上記の測定容器の吸光度測定等が可能な各種
の光学的読み取り装置により確認してもよい。
配置は特に限定されない。したがって、図2に示すよう
に鉄板2枚の間にこれらに接触するように配置してもよ
い。この測定容器の溶液収容部の内壁面における粒子の
分布状態、即ち像は、目視により高感度で判定が可能で
あり、又は上記の測定容器の吸光度測定等が可能な各種
の光学的読み取り装置により確認してもよい。
【0061】本発明においては、段階的に希釈した試料
のそれぞれを本発明の測定方法により測定した時の、粒
子による凝集像が得られる最大の希釈倍数である凝集価
を求めることにより、試料中に含まれる被検物質の量を
確かめることができる。
のそれぞれを本発明の測定方法により測定した時の、粒
子による凝集像が得られる最大の希釈倍数である凝集価
を求めることにより、試料中に含まれる被検物質の量を
確かめることができる。
【0062】この凝集価の測定は、間接凝集反応測定法
の常法に準じて行えばよく、例えば、特異的結合物質が
固定された測定容器の溶液収容部に試料を入れ、これを
試料の希釈液で段階的に希釈してその希釈列を作り、次
に希釈された試料が入っている各測定容器の溶液収容部
に特異的結合物質を固定した粒子を加え、混合攪拌した
後静置して、粒子の内壁面での分布状態である凝集の有
無を確認し、凝集像が得られた最大の希釈倍数を凝集価
として採用し、求めることができる。
の常法に準じて行えばよく、例えば、特異的結合物質が
固定された測定容器の溶液収容部に試料を入れ、これを
試料の希釈液で段階的に希釈してその希釈列を作り、次
に希釈された試料が入っている各測定容器の溶液収容部
に特異的結合物質を固定した粒子を加え、混合攪拌した
後静置して、粒子の内壁面での分布状態である凝集の有
無を確認し、凝集像が得られた最大の希釈倍数を凝集価
として採用し、求めることができる。
【0063】また、予め規定した希釈倍数で希釈した試
料を本発明の測定方法により測定し、この時の凝集の有
無から試料中における被検物質の存在の有無を定性的に
測定することもできる。なお、本発明による試料中の被
検物質の測定方法においては、試料、及び特異的結合物
質を固定した粒子を予め混合接触し、次いでこれを特異
的結合物質を固定した測定容器の溶液収容部の内壁面に
接触させることにより測定を行ったり、又は予め特異的
結合物質を固定した粒子を加えておいた特異的結合物質
を固定した測定容器の溶液収容部の内壁面に、試料を接
触させて測定を行うこともできる。
料を本発明の測定方法により測定し、この時の凝集の有
無から試料中における被検物質の存在の有無を定性的に
測定することもできる。なお、本発明による試料中の被
検物質の測定方法においては、試料、及び特異的結合物
質を固定した粒子を予め混合接触し、次いでこれを特異
的結合物質を固定した測定容器の溶液収容部の内壁面に
接触させることにより測定を行ったり、又は予め特異的
結合物質を固定した粒子を加えておいた特異的結合物質
を固定した測定容器の溶液収容部の内壁面に、試料を接
触させて測定を行うこともできる。
【0064】本発明のキットは、上述のように、被検物
質に対して特異的に結合する特異的結合物質を内壁面の
所定の面積に所定の量で固定した測定容器と、被検物質
と特異的に結合する特異結合物質を固定化した粒子の分
散液からなる。測定容器の内壁面に固定化する特異的結
合物質と粒子に固定化する特異的結合物質とは、被検物
質と特異的に結合するものである限り、同一であっても
よく異なっていてもよい。具体的には、上述した抗体や
抗原を、検出しようとする被検物質に応じて公知の方法
に従って固定化して使用する。これらの特異的結合物質
は、上述したように測定容器の内壁面の所定の面積に固
定されている。
質に対して特異的に結合する特異的結合物質を内壁面の
所定の面積に所定の量で固定した測定容器と、被検物質
と特異的に結合する特異結合物質を固定化した粒子の分
散液からなる。測定容器の内壁面に固定化する特異的結
合物質と粒子に固定化する特異的結合物質とは、被検物
質と特異的に結合するものである限り、同一であっても
よく異なっていてもよい。具体的には、上述した抗体や
抗原を、検出しようとする被検物質に応じて公知の方法
に従って固定化して使用する。これらの特異的結合物質
は、上述したように測定容器の内壁面の所定の面積に固
定されている。
【0065】また、上記分散液中の粒子は、磁性粒子で
あってもよい。磁性粒子の分散液を用いると、短時間の
うちに陽性または陰性の凝集像が得られるという利点が
ある。また、着色粒子を用いてもよく、着色粒子を用い
ると凝集像の判定が容易になるという利点がある。粒子
上に固定化された特異的結合物質を結合性の低下を招く
ことなく一定の期間保持するためには、PBSなどの緩
衝液に適宜タンパク質やアジ化ナトリウムなどの防腐剤
を添加しておくことが好ましい。
あってもよい。磁性粒子の分散液を用いると、短時間の
うちに陽性または陰性の凝集像が得られるという利点が
ある。また、着色粒子を用いてもよく、着色粒子を用い
ると凝集像の判定が容易になるという利点がある。粒子
上に固定化された特異的結合物質を結合性の低下を招く
ことなく一定の期間保持するためには、PBSなどの緩
衝液に適宜タンパク質やアジ化ナトリウムなどの防腐剤
を添加しておくことが好ましい。
【0066】本発明においては、測定する試料の容量
(v)と溶液収容部の内壁面の特異的結合物質を固定し
た面積(S)との比v/Sが5μL/mm2 以上となる
ようにし、ここに反応後に目視可能な凝集像を形成でき
る量の特異的結合物質を結合させることにより、試料中
の極微量の被検物質を高感度に測定できるようになる。
測定する試料の容量(v)に対する溶液収容部の内壁面
の特異的結合物質を固定した面積(S)を一定値以下と
すると、試料中の被検物質が限定された面積中に存在す
る特異的結合物質と結合して、「測定容器の溶液収容部
の内壁面の所定の面積に固定した特異的結合物質−被検
物質」の結合体を形成する。この結合体は、上記の所定
の面積中に均一に分布すると考えられるため、特異的結
合物質を固定した粒子もまたこの結合体と結合して、こ
の面積中で均一に分布し、陽性像を形成する。すなわ
ち、試料の容量v(μL)に対する被検物質を結合させ
る面積S(mm2 )を一定値以下にすることにより、陰
性像、陽性像の判別が著しく容易になり、また、限定さ
れた面積に多数の結合体を分布させることができるため
に、極微量の被検物質をも検出することができるように
なる。
(v)と溶液収容部の内壁面の特異的結合物質を固定し
た面積(S)との比v/Sが5μL/mm2 以上となる
ようにし、ここに反応後に目視可能な凝集像を形成でき
る量の特異的結合物質を結合させることにより、試料中
の極微量の被検物質を高感度に測定できるようになる。
測定する試料の容量(v)に対する溶液収容部の内壁面
の特異的結合物質を固定した面積(S)を一定値以下と
すると、試料中の被検物質が限定された面積中に存在す
る特異的結合物質と結合して、「測定容器の溶液収容部
の内壁面の所定の面積に固定した特異的結合物質−被検
物質」の結合体を形成する。この結合体は、上記の所定
の面積中に均一に分布すると考えられるため、特異的結
合物質を固定した粒子もまたこの結合体と結合して、こ
の面積中で均一に分布し、陽性像を形成する。すなわ
ち、試料の容量v(μL)に対する被検物質を結合させ
る面積S(mm2 )を一定値以下にすることにより、陰
性像、陽性像の判別が著しく容易になり、また、限定さ
れた面積に多数の結合体を分布させることができるため
に、極微量の被検物質をも検出することができるように
なる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0068】(実施例1)測定容器の内壁面に特異的結
合物質を固定させる最小面積の検討(1)抗HBs抗体
固定測定容器の作製 ウェルの容量が300μLの8ウェルマイクロプレート
ウェル(シノテスト社製)に、抗HBs抗体溶液(シノ
テスト社製、pH7.0の10mMリン酸緩衝液に10
μg/mLの濃度になるように調製したもの)を、2.
5、5.0、7.5、10、12.5、15、20、3
0、40、50、100、および200μLずつ分注
し、4℃で一晩放置した。次いで、それぞれのウェル内
の抗体溶液を吸引除去後、0.5%(w/v)カゼイン
を含むトリス緩衝液(pH8.0、50mM)〔以下こ
れを希釈液Aという〕を300μLずつ加えて37℃で
3時間静置し、これを吸引除去して抗HBs抗体固定化
測定容器を作製した。この時の各ウェルの内壁面に抗体
を固定した面積は、それぞれ、3、4.5、8、12、
16、21、28、45、60、78、164、340
mm2 であった。
合物質を固定させる最小面積の検討(1)抗HBs抗体
固定測定容器の作製 ウェルの容量が300μLの8ウェルマイクロプレート
ウェル(シノテスト社製)に、抗HBs抗体溶液(シノ
テスト社製、pH7.0の10mMリン酸緩衝液に10
μg/mLの濃度になるように調製したもの)を、2.
5、5.0、7.5、10、12.5、15、20、3
0、40、50、100、および200μLずつ分注
し、4℃で一晩放置した。次いで、それぞれのウェル内
の抗体溶液を吸引除去後、0.5%(w/v)カゼイン
を含むトリス緩衝液(pH8.0、50mM)〔以下こ
れを希釈液Aという〕を300μLずつ加えて37℃で
3時間静置し、これを吸引除去して抗HBs抗体固定化
測定容器を作製した。この時の各ウェルの内壁面に抗体
を固定した面積は、それぞれ、3、4.5、8、12、
16、21、28、45、60、78、164、340
mm2 であった。
【0069】(2)抗HBs抗体固定粒子の作製 磁性粒子である粒子の分散液(商品名:Dynabeads M-4
50 uncoated、ダイナル社製、粒径4.5μm、比重
1.5、粒径のc.v.5%、濃度3%(w/v))1
mLと抗HBs抗体溶液(シノテスト社製、pH7.0
の10mMリン酸緩衝液に0.1mg/mLになるよう
に溶解したもの)1mLを混合し、37℃で30分間反
応させた。
50 uncoated、ダイナル社製、粒径4.5μm、比重
1.5、粒径のc.v.5%、濃度3%(w/v))1
mLと抗HBs抗体溶液(シノテスト社製、pH7.0
の10mMリン酸緩衝液に0.1mg/mLになるよう
に溶解したもの)1mLを混合し、37℃で30分間反
応させた。
【0070】これに希釈液Aを約20倍量加えて、37
℃で30分間反応させてマスキングした。次いで、得ら
れた粒子を希釈液Aにて洗浄し、粒子濃度が0.05%
(w/v)となるように希釈液Aに再分散させた。この
ようにして、抗HBs抗体固定粒子分散液を調製した。
℃で30分間反応させてマスキングした。次いで、得ら
れた粒子を希釈液Aにて洗浄し、粒子濃度が0.05%
(w/v)となるように希釈液Aに再分散させた。この
ようにして、抗HBs抗体固定粒子分散液を調製した。
【0071】(3)HBs抗原の測定による最小面積の
検討 HBs抗原(明治乳業社製、製造番号01D1−000
3)を、0.5%(w/v)カゼイン及び0.1M塩化
ナトリウムを含むトリス緩衝液(pH8.0、50m
M)に、0、0.25、0.5、1、2、5、10、ま
たは20pg/mLの濃度になるように溶解して試料で
あるHBs抗原溶液を調製した。このHBs抗原溶液
を、上記(1)で作製した測定容器のそれぞれのウェル
に300μLずつ加えて、室温で1時間、各ウェルに固
定された抗HBs抗体と接触させた。
検討 HBs抗原(明治乳業社製、製造番号01D1−000
3)を、0.5%(w/v)カゼイン及び0.1M塩化
ナトリウムを含むトリス緩衝液(pH8.0、50m
M)に、0、0.25、0.5、1、2、5、10、ま
たは20pg/mLの濃度になるように溶解して試料で
あるHBs抗原溶液を調製した。このHBs抗原溶液
を、上記(1)で作製した測定容器のそれぞれのウェル
に300μLずつ加えて、室温で1時間、各ウェルに固
定された抗HBs抗体と接触させた。
【0072】その後、アスピレーターを用いて上記試料
を各ウェルから吸引除去し、ここに希釈液Aを300μ
Lずつ分注し、さらにこれを吸引除去した。ついで、上
記(2)で作製した抗HBs抗体固定化粒子分散液を各
ウェルに50μLずつ加え、マイクロミキサーEM−3
3(タイテック社製)にて1分間撹拌し、室温にて60
分間静置した後に、目視判定を行った。結果を表1に示
す。なお、判定の(−)は陰性を、(+)は陽性を、
(2+)は強陽性を表す。
を各ウェルから吸引除去し、ここに希釈液Aを300μ
Lずつ分注し、さらにこれを吸引除去した。ついで、上
記(2)で作製した抗HBs抗体固定化粒子分散液を各
ウェルに50μLずつ加え、マイクロミキサーEM−3
3(タイテック社製)にて1分間撹拌し、室温にて60
分間静置した後に、目視判定を行った。結果を表1に示
す。なお、判定の(−)は陰性を、(+)は陽性を、
(2+)は強陽性を表す。
【0073】
【表1】
【0074】以上より、測定容器の内壁面に特異的結合
物質を固定させる面積が8mm2 以上のときに、陽性像
と陰性像との区別が可能で、判定を行うことができた。
物質を固定させる面積が8mm2 以上のときに、陽性像
と陰性像との区別が可能で、判定を行うことができた。
【0075】(実施例2)比v/Sの臨界値の検討 被検物質の高感度検出を行うにあたって、比v/Sの臨
界値を検討した。この検討にあたっては、被検物質とし
てHBs抗原を使用した。
界値を検討した。この検討にあたっては、被検物質とし
てHBs抗原を使用した。
【0076】(1)抗HBs抗体固定測定容器の作製 直径11mm、長さ70mmの試験管であり、容量が4
000μLの試験管であるイムノチュ−ブ(マキシソー
プチューブ、ヌンク社製)に、抗HBs抗体溶液(シノ
テスト社製、pH7.0の10mMリン酸緩衝液に10
μg/mLの濃度になるように溶解したもの)を250
μLずつ分注し、37℃で3時間放置した。
000μLの試験管であるイムノチュ−ブ(マキシソー
プチューブ、ヌンク社製)に、抗HBs抗体溶液(シノ
テスト社製、pH7.0の10mMリン酸緩衝液に10
μg/mLの濃度になるように溶解したもの)を250
μLずつ分注し、37℃で3時間放置した。
【0077】次いで、それぞれのイムノチュ−ブ内の抗
体溶液を吸引除去後、希釈液Aを4mLずつ加えて37
℃で3時間静置し、これを吸引除去して抗HBs抗体固
定化測定容器を作製した。この時の各イムノチューブの
内壁面に抗体を固定した面積は140mm2 であった。
体溶液を吸引除去後、希釈液Aを4mLずつ加えて37
℃で3時間静置し、これを吸引除去して抗HBs抗体固
定化測定容器を作製した。この時の各イムノチューブの
内壁面に抗体を固定した面積は140mm2 であった。
【0078】(2)抗HBs抗体固定粒子の作製 磁性粒子である粒子の分散液(商品名:Dynabeads M-4
50 uncoated、ダイナル社製、粒径4.5μm、比重
1.5、粒径のc.v.5%、濃度3%(w/v))1
mLと抗HBs抗体溶液(シノテスト社製、pH7.0
の10mMリン酸緩衝液に0.2mg/mLになるよう
に溶解したもの)1mLを混合し、37℃で30分間反
応させた。これに希釈液Aを約20倍量加えて、37℃
で30分間反応させてマスキングした。
50 uncoated、ダイナル社製、粒径4.5μm、比重
1.5、粒径のc.v.5%、濃度3%(w/v))1
mLと抗HBs抗体溶液(シノテスト社製、pH7.0
の10mMリン酸緩衝液に0.2mg/mLになるよう
に溶解したもの)1mLを混合し、37℃で30分間反
応させた。これに希釈液Aを約20倍量加えて、37℃
で30分間反応させてマスキングした。
【0079】次いで得られた粒子を希釈液Aにて洗浄
し、粒子濃度が0.05%(w/v)となるように希釈
液Aに再分散させた。このようにして、抗HBs抗体固
定粒子分散液を調製した。
し、粒子濃度が0.05%(w/v)となるように希釈
液Aに再分散させた。このようにして、抗HBs抗体固
定粒子分散液を調製した。
【0080】(3)HBs抗原の検出感度の検討 HBs抗原(明治乳業社製、製造番号01D1−000
3)を、0.5%(w/v)カゼイン及び0.1M塩化
ナトリウムを含むトリス緩衝液(pH8.0、50m
M)に、0、1、2、5、10、または20pg/mL
の濃度になるように溶解して試料であるHBs抗原溶液
を調製した。
3)を、0.5%(w/v)カゼイン及び0.1M塩化
ナトリウムを含むトリス緩衝液(pH8.0、50m
M)に、0、1、2、5、10、または20pg/mL
の濃度になるように溶解して試料であるHBs抗原溶液
を調製した。
【0081】このHBs抗原溶液を、上記(1)で作製
した測定容器に、それぞれ140μL、500μL、7
50μL、および1,000μL加えて、室温で1時
間、各チューブに固定化された抗HBs抗体と接触させ
た。その後、アスピレータを用いて上記試料を各容器か
ら吸引除去し、ここに希釈液Aを2mLずつ分注し、さ
らにこれを吸引除去した。
した測定容器に、それぞれ140μL、500μL、7
50μL、および1,000μL加えて、室温で1時
間、各チューブに固定化された抗HBs抗体と接触させ
た。その後、アスピレータを用いて上記試料を各容器か
ら吸引除去し、ここに希釈液Aを2mLずつ分注し、さ
らにこれを吸引除去した。
【0082】ついで、上記(2)で作製した抗HBs抗
体固定化粒子分散液を各チューブに200μLずつ加
え、マイクロチューブミキサーEM−36(タイテック
社製)にて1分間撹拌し、室温にて30分間静置した後
に、目視判定し、臨界値を決定した。
体固定化粒子分散液を各チューブに200μLずつ加
え、マイクロチューブミキサーEM−36(タイテック
社製)にて1分間撹拌し、室温にて30分間静置した後
に、目視判定し、臨界値を決定した。
【0083】なお、このときの各チューブの内壁面に抗
体を固定化した面積(S)は、140mm2 であるた
め、比v/Sはそれぞれ、1.00μL/mm2 、3.
57μL/mm2 、5.36μL/mm2 、および7.
14μL/mm2 である。結果を表2に示す。なお、判
定の(−)は陰性を、(2+)は強陽性を表す。
体を固定化した面積(S)は、140mm2 であるた
め、比v/Sはそれぞれ、1.00μL/mm2 、3.
57μL/mm2 、5.36μL/mm2 、および7.
14μL/mm2 である。結果を表2に示す。なお、判
定の(−)は陰性を、(2+)は強陽性を表す。
【0084】
【表2】
【0085】以上より、比v/Sが5μL/mm2 を臨
界値とし、以下の実施例2以降において用いる比v/S
は7.14とした。
界値とし、以下の実施例2以降において用いる比v/S
は7.14とした。
【0086】(実施例3)試料中のHBs抗原の測定 実施例2(1)および(2)で作製したチューブおよび
粒子を使用して、試料中のHBs抗原を測定した。試料
として、HBs抗原液(明治乳業社製、製造番号011
D1−0003)を0.5%(w/v)カゼイン及び
0.1M塩化ナトリウムを含むトリス緩衝液(pH8.
0、50mM)にそれぞれ0、1、5、10、25、5
0、200pg/mLの濃度で溶解した溶液を調製し
た。
粒子を使用して、試料中のHBs抗原を測定した。試料
として、HBs抗原液(明治乳業社製、製造番号011
D1−0003)を0.5%(w/v)カゼイン及び
0.1M塩化ナトリウムを含むトリス緩衝液(pH8.
0、50mM)にそれぞれ0、1、5、10、25、5
0、200pg/mLの濃度で溶解した溶液を調製し
た。
【0087】このHBs抗原溶液を用いる他は実施例2
(3)と同様に操作を行い、凝集像から陰性、陽性を判
定した。結果を表3に示す。なお、判定の(−)は陰性
を、(2+)は強陽性を表す。
(3)と同様に操作を行い、凝集像から陰性、陽性を判
定した。結果を表3に示す。なお、判定の(−)は陰性
を、(2+)は強陽性を表す。
【0088】
【表3】
【0089】この結果より、本発明の測定方法において
は、5pg/mLという極微量の試料中の被検物質を測
定できることが確かめられた。
は、5pg/mLという極微量の試料中の被検物質を測
定できることが確かめられた。
【0090】(実施例4)磁気発生装置を用いた試料中
のHBs抗原の測定 磁気を用いて粒子を沈降させる工程をさらに用いて、試
料中のHBs抗原の測定を行った。
のHBs抗原の測定 磁気を用いて粒子を沈降させる工程をさらに用いて、試
料中のHBs抗原の測定を行った。
【0091】(1)磁気発生装置 発泡スチロ−ル製の支持柱の上下それぞれに鉄板(18
0mm×150mm×2mm)を水平になるように置い
た。(この時、上下2枚の鉄板の間は150mmとし
た。) 更に、プラスチック製の支持柱の上にフェライト磁石
(100mm×100mm×10mm)を置き、上記の
2枚の鉄板をフェライト磁石の下にくるように置いた。
2枚の鉄板の間には鉄板に対して垂直に均一な磁場が存
在することを確認した。また、磁力は12ガウスだっ
た。
0mm×150mm×2mm)を水平になるように置い
た。(この時、上下2枚の鉄板の間は150mmとし
た。) 更に、プラスチック製の支持柱の上にフェライト磁石
(100mm×100mm×10mm)を置き、上記の
2枚の鉄板をフェライト磁石の下にくるように置いた。
2枚の鉄板の間には鉄板に対して垂直に均一な磁場が存
在することを確認した。また、磁力は12ガウスだっ
た。
【0092】(2)試料中のHBs抗原の測定 上記の実施例2で作製した抗HBs抗体固定化チューブ
を使用した。試料は、HBs抗原液(明治乳業社製、製
造番号011D1−0003)を、0.5%(w/v)
カゼイン及び0.1M塩化ナトリウムを含むトリス緩衝
液(pH8.0、50mM)に、それぞれ、0、1、
5、10、20pg/mLの濃度になるように溶解して
調製した。上記の各チューブに試料をそれぞれ1mLず
つ加えて、室温でマイクロチューブミキサーEM−36
(タイテック社製)にて1時間攪拌した。
を使用した。試料は、HBs抗原液(明治乳業社製、製
造番号011D1−0003)を、0.5%(w/v)
カゼイン及び0.1M塩化ナトリウムを含むトリス緩衝
液(pH8.0、50mM)に、それぞれ、0、1、
5、10、20pg/mLの濃度になるように溶解して
調製した。上記の各チューブに試料をそれぞれ1mLず
つ加えて、室温でマイクロチューブミキサーEM−36
(タイテック社製)にて1時間攪拌した。
【0093】その後これらの抗HBs抗体固定測定容器
から上記試料をアスピレーターで吸引除去し、ここに希
釈液Aを2mLずつ分注し、更にこれをアスピレーター
で吸引除去した。次いで上記の実施例1の(2)で作製
した抗HBs抗体固定粒子分散液を200μLずつ加
え、1分間攪拌し上記(1)の磁気発生装置内で4分間
静置したのちに判定した。結果を表4に示す。なお、判
定の(−)は陰性を、(+)は陽性を、そして(2+)
は強陽性を表す。
から上記試料をアスピレーターで吸引除去し、ここに希
釈液Aを2mLずつ分注し、更にこれをアスピレーター
で吸引除去した。次いで上記の実施例1の(2)で作製
した抗HBs抗体固定粒子分散液を200μLずつ加
え、1分間攪拌し上記(1)の磁気発生装置内で4分間
静置したのちに判定した。結果を表4に示す。なお、判
定の(−)は陰性を、(+)は陽性を、そして(2+)
は強陽性を表す。
【0094】
【表4】
【0095】この結果より、本発明の測定方法において
は、磁気的に粒子を沈降させた場合においても、5pg
/mLという極微量の試料中の被検物質を測定できるこ
とが確かめられた。
は、磁気的に粒子を沈降させた場合においても、5pg
/mLという極微量の試料中の被検物質を測定できるこ
とが確かめられた。
【0096】(実施例5)試料中の腸管出血性大腸菌O
157:H7の測定 本発明の方法により、腸管出血性大腸菌O157:H7
の測定を行った。
157:H7の測定 本発明の方法により、腸管出血性大腸菌O157:H7
の測定を行った。
【0097】(1)抗腸管出血性大腸菌O157:H7
抗体固定測定容器の作製 直径11mm、長さ70mmであり容量が4000μL
の試験管であるイムノチュ−ブ(マキシソープチュー
ブ、ヌンク社製)に、抗腸管出血性大腸菌O157:H
7抗体溶液(Kirkegaard & Perry Laboratories Inc.
製、pH7.0の10mMリン酸緩衝液に10μg/m
Lの濃度になるように溶解したもの)を250μLずつ
分注し、4℃で一晩放置した。
抗体固定測定容器の作製 直径11mm、長さ70mmであり容量が4000μL
の試験管であるイムノチュ−ブ(マキシソープチュー
ブ、ヌンク社製)に、抗腸管出血性大腸菌O157:H
7抗体溶液(Kirkegaard & Perry Laboratories Inc.
製、pH7.0の10mMリン酸緩衝液に10μg/m
Lの濃度になるように溶解したもの)を250μLずつ
分注し、4℃で一晩放置した。
【0098】次いで、それぞれのイムノチュ−ブ内の抗
体溶液を吸引除去後、希釈液Aを4mLずつ加えて37
℃で3時間静置し、これを吸引除去した。このようにし
て抗腸管出血性大腸菌O157:H7抗体固定化測定容
器を作製した。この時の各イムノチューブの内壁面に抗
体を固定した面積は140mm2 であった。
体溶液を吸引除去後、希釈液Aを4mLずつ加えて37
℃で3時間静置し、これを吸引除去した。このようにし
て抗腸管出血性大腸菌O157:H7抗体固定化測定容
器を作製した。この時の各イムノチューブの内壁面に抗
体を固定した面積は140mm2 であった。
【0099】(2)抗腸管出血性大腸菌O157:H7
抗体固定粒子の作製 磁性粒子である粒子の分散液(商品名:Dynabeads M-4
50 uncoated、ダイナル社製、粒径4.5μm、比重
1.5、粒径のc.v.5%、濃度3%(w/v))1
mLと抗腸管出血性大腸菌O157:H7抗体溶液(Ki
rkegaard & PerryLaboratories Inc.製、pH7.0の
10mMリン酸緩衝液に200μg/mLになるように
溶解したもの)1mLを混合し、37℃で30分間反応
させた。これに希釈液Aを2mL加えて、37℃で30
分間反応させてマスキングした。
抗体固定粒子の作製 磁性粒子である粒子の分散液(商品名:Dynabeads M-4
50 uncoated、ダイナル社製、粒径4.5μm、比重
1.5、粒径のc.v.5%、濃度3%(w/v))1
mLと抗腸管出血性大腸菌O157:H7抗体溶液(Ki
rkegaard & PerryLaboratories Inc.製、pH7.0の
10mMリン酸緩衝液に200μg/mLになるように
溶解したもの)1mLを混合し、37℃で30分間反応
させた。これに希釈液Aを2mL加えて、37℃で30
分間反応させてマスキングした。
【0100】次いで得られた粒子を希釈液Aにて洗浄
し、粒子濃度が0.05%(w/v)となるように希釈
液Aに再分散させた。このようにして、抗腸管出血性大
腸菌O157:H7抗体固定粒子分散液を調製した。
し、粒子濃度が0.05%(w/v)となるように希釈
液Aに再分散させた。このようにして、抗腸管出血性大
腸菌O157:H7抗体固定粒子分散液を調製した。
【0101】(3)腸管出血性大腸菌O157:H7の
測定 上記(1)で作製した抗腸管出血性大腸菌O157:H
7抗体固定測定容器に、試料である各濃度の腸管出血性
大腸菌O157:H7溶液(腸管出血性大腸菌O15
7:H7陽性コントロール(Kirkegaard & Perry Labor
atories Inc.製)を0.5%(w/v)カゼイン及び
0.1M塩化ナトリウムを含むトリス緩衝液(pH8.
0、50mM)にそれぞれ、106 、105 、104 、
103 、102 、50、10、0個/mLの濃度になる
ように添加したもの)をそれぞれ1,000μLずつ加
えて、室温でマイクロチューブミキサーEM−36(タ
イテック社製)にて1時間攪拌した。その後、これらの
抗腸管出血性大腸菌O157:H7抗体固定測定容器か
ら、上記試料をアスピレーターで吸引除去し、ここに希
釈液Aを2mLずつ分注し、さらにこれを吸引除去し
た。
測定 上記(1)で作製した抗腸管出血性大腸菌O157:H
7抗体固定測定容器に、試料である各濃度の腸管出血性
大腸菌O157:H7溶液(腸管出血性大腸菌O15
7:H7陽性コントロール(Kirkegaard & Perry Labor
atories Inc.製)を0.5%(w/v)カゼイン及び
0.1M塩化ナトリウムを含むトリス緩衝液(pH8.
0、50mM)にそれぞれ、106 、105 、104 、
103 、102 、50、10、0個/mLの濃度になる
ように添加したもの)をそれぞれ1,000μLずつ加
えて、室温でマイクロチューブミキサーEM−36(タ
イテック社製)にて1時間攪拌した。その後、これらの
抗腸管出血性大腸菌O157:H7抗体固定測定容器か
ら、上記試料をアスピレーターで吸引除去し、ここに希
釈液Aを2mLずつ分注し、さらにこれを吸引除去し
た。
【0102】ついで、この抗腸管出血性大腸菌O15
7:H7抗体固定測定容器に上記(2)で作製した抗腸
管出血性大腸菌O157:H7抗体固定化粒子分散液を
200μLずつ加え、マイクロチューブミキサーEM−
36(タイテック社製)にて1分間撹拌し、室温で30
分間静置した後に、目視判定した。
7:H7抗体固定測定容器に上記(2)で作製した抗腸
管出血性大腸菌O157:H7抗体固定化粒子分散液を
200μLずつ加え、マイクロチューブミキサーEM−
36(タイテック社製)にて1分間撹拌し、室温で30
分間静置した後に、目視判定した。
【0103】なお、このときの測定容器の内壁面に抗体
を固定した面積(S)は、140mm2 であるので、比
v/Sは7.14μL/mm2 であった。
を固定した面積(S)は、140mm2 であるので、比
v/Sは7.14μL/mm2 であった。
【0104】結果を表5に示す。なお、判定の(−)は
陰性を、(+)は陽性を、そして(2+)は強陽性をそ
れぞれ表す。
陰性を、(+)は陽性を、そして(2+)は強陽性をそ
れぞれ表す。
【0105】
【表5】
【0106】この結果より、本発明の測定方法において
は、10個/mLという極微量の試料中の被検物質を測
定できることが確かめられた。
は、10個/mLという極微量の試料中の被検物質を測
定できることが確かめられた。
【0107】
【発明の効果】本発明の測定方法によれば、試料中の濃
度が5pg/mLであるような極微量の被検物質であっ
ても、正確、簡便かつ短時間に測定を行うことができ
る。また、本発明による測定キットは、本発明の測定方
法に好適に用いることができる。
度が5pg/mLであるような極微量の被検物質であっ
ても、正確、簡便かつ短時間に測定を行うことができ
る。また、本発明による測定キットは、本発明の測定方
法に好適に用いることができる。
【図1】間接凝集反応測定法により試料中の被検物質の
測定を行った場合の凝集像を示す図である。
測定を行った場合の凝集像を示す図である。
【図2】抗HBsモノクローナル抗体を特異的結合物質
とし、被検物質をHBs抗原としたときの本発明の測定
方法の手順および形成された凝集像を示す図である。
とし、被検物質をHBs抗原としたときの本発明の測定
方法の手順および形成された凝集像を示す図である。
【図3】粒子として磁性粒子を用いた場合に使用する測
定装置の一例を示す図である。
定装置の一例を示す図である。
【図4】被検物質をHBs抗原としたときの0〜50p
g/mLの各濃度における凝集図を示す図面代用写真で
ある。
g/mLの各濃度における凝集図を示す図面代用写真で
ある。
10 鉄板支持装置 12 磁石 14 スタンド 16 クランプ 18 鉄板 20 鉄板 22 試験管立て 24 測定容器
Claims (10)
- 【請求項1】試料中の被検物質を凝集反応の有無によっ
て検出する免疫学的測定方法において、測定容器の溶液
収容部の内壁面の所定面積に固定した試料中の被検物質
に対する特異的結合物質と試料とを接触させる工程と、
さらに試料中の被検物質に対する特異的結合物質を固定
した粒子を接触させて凝集像を形成させる工程とを有
し、前記測定容器の溶液収容部の内壁面の所定の面積
(S)に固定する被検物質に対する前記特異的結合物質
の量が反応後に目視可能な凝集像を形成できる量であ
り、かつ、測定用試料の容量(v)との比v/Sが5μ
L/mm2 以上であることを特徴とする高感度免疫学的
測定方法。 - 【請求項2】前記v/Sが7μL/mm2 以上であるこ
とを特徴とする請求項1記載の高感度免疫学的測定方
法。 - 【請求項3】前記被検物質が抗原または抗体であり、前
記特異的結合物質が被検物質に対する抗体または抗原で
ある、請求項1または2記載の高感度免疫学的測定方
法。 - 【請求項4】前記特異的結合物質を固定した粒子が磁性
マーカー粒子であり、磁性マーカー粒子を均一な磁界中
で沈降させる請求項1〜3のいずれかに記載の高感度免
疫学的測定方法。 - 【請求項5】前記測定容器の内壁面の所定の面積が、8
〜2,500mm2 であることを特徴とする請求項1〜
4のいずれかに記載の高感度免疫学的測定方法。 - 【請求項6】試料溶液を収納する溶液収容部の内壁面の
所定の面積に試料中の被検物質に対する特異的結合物質
を固定した測定容器と、試料中の被検物質に対する特異
的結合物質を固定化した粒子分散液とからなる高感度免
疫学的測定キット。 - 【請求項7】前記測定用試料の容量(v)と溶液収容部
の内壁面の特異的結合物質を固定した所定の面積(S)
との比v/Sが5μL/mm2 以上であることを特徴と
する請求項5記載の高感度免疫学的測定キット。 - 【請求項8】前記測定用試料の容量(v)と溶液収容部
の内壁面の特異的結合物質を固定した面積(S)との比
v/Sが7μL/mm2 以上であることを特徴とする請
求項6または7記載の高感度免疫学的測定キット。 - 【請求項9】前記特異的結合物質が抗体または抗原であ
る、請求項6〜8のいずれかに記載の高感度免疫学的測
定キット。 - 【請求項10】前記特異的結合物質を固定する測定容器
の内壁面の所定の面積が、8〜2,500mm2 である
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の高感
度免疫学的測定キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20235397A JPH1130616A (ja) | 1997-07-12 | 1997-07-12 | 高感度免疫学的測定方法および測定キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20235397A JPH1130616A (ja) | 1997-07-12 | 1997-07-12 | 高感度免疫学的測定方法および測定キット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1130616A true JPH1130616A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16456120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20235397A Withdrawn JPH1130616A (ja) | 1997-07-12 | 1997-07-12 | 高感度免疫学的測定方法および測定キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1130616A (ja) |
-
1997
- 1997-07-12 JP JP20235397A patent/JPH1130616A/ja not_active Withdrawn
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