JP4963768B2 - エチレン/アクリル酸エステル共重合体の架橋方法 - Google Patents

エチレン/アクリル酸エステル共重合体の架橋方法 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
エチレンとアクリル酸エステルの共重合体が有するエステル基のいくらかを不飽和を含有するエステルもしくはアミド基に転化させた後に得られた重合体を硫黄または過酸化物で硬化させることにより前記共重合体を架橋させる。
【0002】
(技術的背景)
重合体を架橋(時にはまた加硫または硬化とも呼ばれる)させるとそれらの意図した使用でしばしば向上した特性を有する生成物がもたらされる。このことは特に重合体が弾性重合体の時に当てはまり、弾性重合体の硬化は例えば硫黄または過酸化物による硬化を用いて非常に一般的に行われている。硫黄による硬化の場合、一般的に言って、そのような重合体はオレフィン系不飽和を含有する一方、過酸化物による硬化の場合にはオレフィン系不飽和が存在する方がしばしば好ましい[例えばH.Mark他編集、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第17巻、McGraw−Hill Book Co.、New York、1989、666−698頁を参照]。
【0003】
しかしながら、ある種の弾性重合体はオレフィン系不飽和を含有せず、そのため、それらは一般に硫黄では硬化せずそして/または過酸化物で硬化するがいくらか困難さを伴う。このような弾性重合体の硬化は他の硬化系を用いて行われている。例えば、架橋をもたらす第一級ジアミンを用いて弾性重合体であるエチレン/アクリル系(acrylic)共重合体を架橋させることができる[例えばH.Mark他編集、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第1巻、McGraw−Hill Book Co.、New York、1985、325−334頁を参照]。そのような架橋でより容易に架橋が生成しそして/またはより安定な架橋が生成するようにすることを補助する為、カルボン酸または酸の半エステルなどの如き硬化部位単量体(curesite monomer)を重合体中に共重合させることも可能である[例えば米国特許第3,883,472号および3,904,588号を参照]。しかしながら、硫黄または過酸化物硬化剤(peroxide cures)を用いてそのような重合体を架橋させる方がしばしば望ましい、と言うのは、そのような硬化剤は幅広く多様な一般的弾性重合体を硬化させる目的で数多くの工場で既に用いられておりそして/またはそのような硬化剤は安価でありそして/または毒性が低い。そのような種類の重合体が過酸化物および/または硫黄で硬化し得るようにする目的で、それらにオレフィン系不飽和含有基を導入するのが望ましい。そのような基の導入は基本的重合体特性を害さないような様式で行うべきである[そのような重合体を容易および/または経済的に硬化させることができそして/または得られる架橋が安定であるように(良好な加硫ゴム特性が得られるように)]。
【0004】
特開昭62−121746号には、エチレンとアクリル酸エステルと無水マレイン酸および/またはマレイン酸の半エステルから製造された重合体(これはオレフィン系不飽和アミンもしくはアルコールにより「変性」されている)のエステル化に続く硫黄もしくは過酸化物硬化剤を用いた硬化が記述されている。エチレンの繰り返し単位とアクリル酸エステルの繰り返し単位のみを含有する重合体に関しては全く述べられていない。
【0005】
ドイツ特許出願公開第3,715,027 A1号には、エチレンとアクリル酸および/またはエステルと場合により他の単量体、例えば無水マレイン酸などのいろいろな共重合体、それらとオレフィン系アルコール(多不飽和アルコールを包含)の反応、そしてそれらを次に酸化、例えば空気との反応により架橋させる(しばしば酸化用触媒の存在下で)ことが記述されている。このような重合体は熱硬化性溶融接着剤として有用である。硫黄もしくは過酸化物による硬化に関しては全く述べられていない。
【0006】
米国特許第5,736,616号とドイツ特許出願公開第3,715,027号は、ペンダント型不飽和を含有する重合体を酸素捕捉剤(酸素と反応する)として用いる点で類似している。その重合体の製造はエチレンとアクリル酸および/またはエステルを重合させた後に得られた重合体を不飽和アルコールによりエステル化もしくはエステル交換することにより行われている。硫黄もしくは過酸化物硬化剤を用いてそのような重合体を硬化させることに関しては全く述べられていない。
【0007】
米国特許第5,093,429号には、エチレンとアクリル酸エステルと重合後に残存する不飽和(例えば共重合性二重結合および重合中に反応しない二重結合)を含有する共重合性単量体の直接共重合により、或はエチレンとアクリル酸エステルと他の共重合性単量体(これは後で不飽和アルコールまたはアミンと反応し、それによって、前記不飽和が重合体に付着し得る)の共重合によりオレフィン不飽和を含有する重合体を生成させることが記述されている。次に、硫黄もしくは過酸化物硬化系を用いてその不飽和含有重合体を架橋させることができる。オレフィン系不飽和を付着させるための部位としてアクリル酸エステルを用いることに関しては全く述べられていない。
【0008】
この上に示した文献のいくつかに示されている硬化部位単量体を存在させる結果としてもたらされる架橋は、ある場合には、望まれるほどの安定性を示さない、と言うのは、架橋性基(例えばオレフィン系不飽和)間の結合は望まれるほどには安定でないからである(例えば、エチレン/アクリル酸アルキル/マレイン酸エステルの重合体は温度が160℃を超えると酸−エステル硬化部位の所で内部反応が起こって無水部分が生成することが米国特許第4,399,263号に述べられている)。その架橋は充分には安定でない可能性がある、と言うのは、その硬化部位単量体および/または重合体変性剤(polymer−modifying reagents)(これは硬化性官能性を重合体に付着させる)が望まれない反応に触媒作用を及ぼす基を組成物の中に導入するからである。
【0009】
(発明の要約)
本発明は重合体を架橋させる方法に関し、この方法は、
(a)本質的に約10モルパーセント以上のエチレン、約10モルパーセント以上の
【0010】
【化5】
Figure 0004963768
【0011】
[ここで、
1は、メチルまたは水素であり、そして
2は、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]
および全体で約10モルパーセント以下の量の1種以上の炭化水素オレフィンからなる1番目の重合体を、オレフィン結合を1つ以上含むアルコールもしくは第一級アミンによりエステル交換もしくはアミド化することにより前記オレフィン結合を伴う側鎖を有する2番目の重合体を生成させ、そして
(b)硫黄または過酸化物硬化系を用いて前記2番目の重合体を架橋させる、
ことを含んで成る。
【0012】
本明細書では、また、
(a)本質的に約10モルパーセント以上のエチレン、約10モルパーセント以上の
【0013】
【化6】
Figure 0004963768
【0014】
[ここで、
1は、メチルまたは水素であり、そして
2は、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルであるが、但しR2の少なくとも0.5モルパーセントがオレフィン不飽和を含むことを条件とし、そしてXは、O、NHまたはNR 3 (ここで、R 3 は、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである)から成る群から選択される]
および全体で約10モルパーセント以下の量の1種以上の炭化水素オレフィンからなる重合体、および
(b)硫黄または過酸化物硬化系、
を含んで成るが、但し前記組成物はXの1つ以上の種を含んでいてもよいことを条件とする。
【0015】
本明細書では他の組成物も開示し、これは、
(a)本質的に約10モルパーセント以上のエチレン、約10モルパーセント以上の
【化7】
Figure 0004963768
[ここで、
1は、メチルまたは水素であり、そして
2は、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルであるが、但しR2の少なくとも0.5モルパーセントがオレフィン不飽和を含むことを条件とする]
および全体で約10モルパーセント以下の量の1種以上の炭化水素オレフィンからなる重合体、および
(b)硫黄または過酸化物硬化系、
を含んで成る組成物である。
【0016】
(発明の詳細)
本明細書では特定の用語を用い、それらを以下に定義する:
ヒドロカルビルは、炭素と水素のみを含有する一価基を意味する。特に明記しない限り、それが含む炭素原子の数は1から30であるのが好適である。
【0017】
置換ヒドロカルビルは、(適宜)アミド化、エステル交換および架橋を妨害しない置換基(官能基)を1つ以上含むヒドロカルビルを意味する。有用な置換基にはオキソ(ケト)、ハロ、エーテルおよびチオエーテルが含まれる。特に明記しない限り、それが含む炭素原子の数は1から30であるのが好適である。
【0018】
炭化水素オレフィンは炭素と水素のみを含有する重合性オレフィンを意味する。
【0019】
オレフィン系二重結合は、芳香環の一部でない炭素−炭素二重結合を意味する。このオレフィン系二重結合は好適にはアリルの水素原子を1つ以上有するものである(特に過酸化物硬化剤を用いる場合)。
【0020】
アクリル酸エステルは式(I)で表される化合物を意味する。
【0021】
ジポリマーは2種類の単量体に由来する繰り返し単位を含有する共重合体を意味する。
【0022】
硫黄硬化系は、硫黄化学を用いて不飽和重合体を硬化させることが知られている慣用の硬化系のいずれも意味する[例えばH.Mark他、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第17巻、McGraw−Hill Book Co.、New York、1989、666−698頁、そしてW.Hoffmann、Vulcanization and Vulcanizing Agents、MacLaren & Son,Ltd.London、1967(これらは両方とも引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照]。このような硬化系には慣用の促進剤および他の化合物を含めることができ、これには遊離の硫黄が存在していてもよく、或は存在していなくてもよい。
【0023】
過酸化物硬化系は、有機過酸化物を用いて不飽和重合体を硬化させることが知られている慣用の硬化系のいずれも意味する(これらはまた不飽和を含まない重合体も硬化させる)[例えばW.Hoffmann、Vulcanization and Vulcanizing Agents、MacLaren & Sonx,Ltd.London、1967(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)を参照]。過酸化物を存在させること以外に、また他の慣用の材料、例えばいわゆる共作用剤(coagents)なども存在させることもできる。
【0024】
弾性もしくは弾性重合体は、50℃以上の融点(Tm)を示す重合体結晶子がいくらか存在していてその融解熱が5J/g未満、より好適には約2J/g未満でありかつ好適には25℃で重合体結晶子が存在せず、そして重合体のガラス転移温度(Tg)が約50℃未満、より好適には約20℃未満、特に好適には約0℃未満であることを意味する。この重合体のTmおよび融解熱は、ASTM方法D3451を用いて10℃/分の加熱速度で測定したTmおよび融解熱であり、溶融吸熱のピークとしてTmを採用する一方、重合体のTgはASTM方法E1356を用いて10℃/分の加熱速度で測定したTgであり、中点の温度(midpoint temperature)をTgとして採用する。これらの両方とも重合体の2回目の加熱時に測定する。
【0025】
本発明で用いる1番目の重合体は好適にはエチレンと式(I)のジポリマーである。式(I)において、R1が水素でありそして/またはR2がヒドロカルビル、より好適には炭素原子を1から6個含むアルキル、特に好適にはメチルであるのが好適である[R1が水素でR2がメチルの時の式(I)はアクリル酸メチルである]。また好適には、この1番目の重合体は弾性重合体である。特に好適な重合体は、アクリル酸メチル含有量が約13から約46モルパーセントのエチレン/アクリル酸メチルジポリマーである。
【0026】
有用な炭化水素オレフィンにはスチレン、α−メチルスチレンおよび置換スチレンが含まれる。
【0027】
オレフィン系結合を含む有用なアルコールには、式H(CH2pCH=CH(CH2qCH2OH、(II)[式中、pは0または1から10の整数であり、そしてqは0または1から30の整数である]、HR3(CR4=CR56tCH2OH、(III)[式中、R3および各R5は、各々独立して、共有結合、アルキレンまたはアルキリデンであり、そしてR4およびR6は、各々独立して、水素またはアルキルであり、ここで(適宜)R3、R4、R5およびR6は、各々独立して、炭素原子を1から20個含み、そしてtは1、2または3である]で表されるアルコールが含まれる。(II)が好適なアルコールであり、(II)では、pが0でありそして/またはqが5から17であるか或はpが8でありそしてqが7であるのが好適である。このようなアルコールは第一級もしくは第二級アルコールであるのが好適であり、それらが第一級アルコールであるのがより好適である。アルコールの混合物、例えばオレイルアルコール、リノレイルアルコールおよびリノレニルアルコールの混合物などを用いることも可能である。好適な具体的アルコールには10−ウンデセン−1−オール、オレイルアルコール、シス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オールおよび3−メチル−2−ブテノールが含まれる。
【0028】
オレフィン結合を含有する有用な第一級アミンには、式H(CH2pCH=CH(CH2qCH2NH2、(IV)[式中、pは0または1から10の整数であり、そしてqは0または1から30の整数である]、HR3(CR4=CR56tCH2NH2、(V)[式中、R3および各R5は、各々独立して、共有結合、アルキレンまたはアルキリデンであり、そしてR4およびR6は、各々独立して、水素またはアルキルであり、ここで(適宜)R3、R4、R5およびR6は、各々独立して、炭素原子を1から20個含み、そしてtは1、2または3である]で表されるアミンが含まれる。(IV)が好適な第一級アミンであり、(IV)では、pが0でありそして/またはqが5から17であるか或はpが8でありそしてqが7であるのが好適である。
【0029】
前記1番目の重合体と前記不飽和アルコールもしくは第一級アミンの反応は、通常は高温で行なわれ、起こさせそして前記アルコールもしくはアミンが前記1番目の重合体と反応する機会を得るまでに蒸発することがないのが好適であり、このような化合物の沸点は蒸発速度が比較的遅くなるに充分なほど高いのが好適である。このことは勿論そのようなアミンまたはアルコールの分子量が、その沸点が比較的高いような分子量であることを意味する。従って、前記1番目の重合体の反応[段階(a)]では、そのような不飽和第一級アミンもしくは不飽和アルコールが大気圧下で示す沸点(必要ならばより低い圧力における沸点から外挿する)が工程温度より高い、より好適には少なくとも約50°高いのが好適である。オレフィン系不飽和アルコールが前記1番目の重合体と反応させるに好適な反応体である。
【0030】
前記1番目の重合体をオレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンと反応させて重合体を生成させると、前記オレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンが前記重合体の側鎖になる(2番目の重合体を生成する)。アルコールを用いるとエステル交換が起こり、それによって、−OR2基が前記アルコールに由来する基(アルコールからヒドロキシルの水素原子を引いたもの)で置換される。第一級アミンを用いるとアミド化が起こり、それによって、−OR2基が前記第一級アミンに由来する基(この第一級アミンからアミノの窒素原子上の水素原子の中の1つを引いたもの)で置換される。前記1番目の重合体との反応に加えるアルコールおよび/またはアミンの総量は望まれるエステル交換および/またはアミド化の程度および前記1番目の重合体と実際に反応するアルコールおよび/または第一級アミンのパーセントに依存するであろう。この範囲は典型的にその使用する1番目の重合体中に存在する繰り返し単位(I)の0.1から100モルパーセント、好適には(I)の0.1から約50モルパーセント、より好適には約0.1から約35モルパーセント、特に好適には約1から約20モルパーセントの範囲である。反応速度を速めるためには、加えるアルコールおよび/またはアミンの量が(I)の100%を超えることができるが、そのようにすると他の結果がもたらされる可能性がある(以下を参照)。
【0031】
前記1番目の重合体の反応はエステル交換および/またはアミド化が起こる如何なる温度で実施することもできるが、約100℃から約350℃、好適には約140℃から約280℃、より好適には約180℃から約260℃の範囲が有用である。好適には、その温度が前記重合体の有意な分解が起こる温度を超えないようにすべきである。必要な温度はエステル交換またはアミド化反応の触媒の使用により影響を受け得る。このような反応で慣用される如何なる触媒も使用可能であるが、但しそれが次に起こさせる重合体の架橋を停止させることがないことを条件とする。例えば、公知のエステル交換用触媒、例えばチタン酸アルキル、酢酸亜鉛、アルカリ金属のアルコキサイド、ジブチル錫ジラウレート、カプリル酸第一錫(stannous octoate)、ブチル錫酸(butylstannoic acid)、そして(他の)Ti、Sn、Zn、MnおよびPb化合物などを用いることができる。ある種の化合物、例えばアルカリ金属のアルコキサイド(この種類のエステル交換用触媒の使用に関しては米国特許第5,656,692号を参照)などを用いると架橋反応が遅くなる可能性がある。好適な触媒はテトラアルキルチタネート、例えばテトラブチルチタネートなど、およびジブチル錫ジラウレートである。触媒を典型的な量、例えば前記1番目の重合体の0.03から5重量パーセント、より典型的には前記1番目の重合体の0.1から2重量パーセントの量で用いることができる。この触媒を少量の不活性液状化合物または前記オレフィン系不飽和化合物の一部に溶解させてそれを前記1番目の重合体と混合してもよい。不活性な液体には芳香族炭化水素、例えばキシレン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼンおよびイソデュレンなど、そして塩素置換炭化水素、例えばo−ジクロロベンゼンなどが含まれる。そのような触媒を用いるとしばしば前記反応を起こさせるに必要な温度が低くなりそして/または時間が短くなる。
【0032】
エステル交換反応は平衡反応であるので、この反応を完了させるには副生成物であるアルコールR2OHを反応から除去するのが好適であり得る。これは前記(通常は揮発性)アルコールを蒸発させることにより実施可能である。そのような副生成物の除去を補助する目的で真空を適用してもよくそして/または不活性ガスにより掃気してもよい。不活性ガス雰囲気はまた反応中に起こる変色を防止しそして/または他の劣化を防止するにも役立ち得る。
【0033】
前記エステル交換/アミド化はいろいろな様式で実施可能である。前記アルコールおよび/またはアミンと前記1番目の重合体の完全な混合を確保する目的で、これらの材料(および存在する場合には触媒)の全部を溶媒に溶解し、そして副生成物であるアルコールをその溶液から留出させることができる。このような様式が均一な反応を確保する良好な様式ではあるが、重合体を溶解させそしてそれを溶液から回収するのはしばしば費用のかかる工程であり、このように、他の方法の方が望ましい可能性がある。1つの方法は、前記重合体を重合体混合用装置内で混合[その融点および/またはTg(もしあれば)より高い温度で]しながら前記重合体を加熱する方法である。前記重合体をミキサーで混練りしながら前記アルコールおよび/またはアミン(およびもし使用する場合には触媒)を添加して所望度合の反応が達成されるまで混合を継続してもよい。
【0034】
より好適な方法は連続方法であり、この連続方法では、前記1番目の重合体、アルコールおよび/またはアミンおよび触媒(もし存在する場合)を単軸もしくは二軸押出し加工機または同様な装置に供給し、加熱し、混合することにより反応させる。そのスクリューの構造は、好適には、均一な2番目の重合体が生成することが確保されるように、それがいろいろな材料の均一な混合をもたらすように選択し、そしてこれに反応ゾーンを1つ以上持たせ、それによって、好適には、未反応のオレフィン系不飽和化合物1種または2種以上の損失が遅くなるようにする。この押出し加工機内の温度および滞留時間を所望度合の反応が得られるような温度および時間にする。この押出し加工機の真空セクションもしくは口を用いて副生成物であるアルコールR2OHを除去することができ、かつまたそれを用いて未反応のオレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンを生成物である重合体から押出し加工機の出口末端の所で除去することもできる。押出し加工機内の典型的な滞留時間は約20秒から約5分、好適には1から2分であり、加熱されているパイプおよび/または溶融物用ポンプ内の追加的滞留時間を約20分以下にする(望まれるならば)。
【0035】
次に、不飽和(オレフィン系)重合体の硬化で通常用いられる硫黄もしくは過酸化物硬化剤を用いて前記2番目の重合体を硬化させる。前記1番目の重合体(反応前)および/または2番目の重合体は熱可塑性プラスチックまたは弾性重合体に通常存在する他の材料を含有していてもよいが、但し、それらが前記1番目の重合体中に存在する場合にはそれらがアミド化/エステル交換を妨害せず、或はそれらが前記2番目の重合体中に存在する場合には硬化を妨害しないことを条件とする。例えば、過酸化物硬化剤を用いる時には通常は油を多量には存在させない、と言うのは、それらはしばしば硬化速度を遅くしそして/または硬化を妨害するからである。そのような材料には充填材/補強剤、例えばカーボンブラック、粘土、タルク、ガラス繊維およびシリカなど、顔料もしくは着色剤、例えば硫酸カルシウムおよびTiO2など、抗酸化剤、アンチオキソナント(antioxonants)、油、可塑剤、剥離剤などが含まれ得る。過酸化物硬化剤を用いる時には、しばしば、硬化速度を速くしそして/または加硫ゴムの特性を向上させる目的で、共作用剤、例えばイソシアヌール酸トリアリルまたは「HVA−2」(m−フェニレン−ビス−マレイミド)、トリメチロールプロパンのトリメタアクリレート、トリメチロールプロパンのアクリレートおよびシアヌール酸トリアリルなどを使用する。
【0036】
本明細書に記述する方法により生成した架橋重合体は新規である。また、前記2番目の重合体と硫黄硬化系もしくは過酸化物硬化系を含有する組成物も新規である。
【0037】
また、前記1番目の重合体と前記2番目の重合体のブレンド物を生成させた後、硫黄もしくは過酸化物硬化系、好適には過酸化物硬化系を用いて前記ブレンド物を硬化させることも可能である。そのようなブレンド物に含まれる前記2番目の重合体の量は、存在する前記1番目の重合体と2番目の重合体の総量を基準にして存在する重合体の少なくとも約20重量パーセントであるのが好適である。驚くべきことに、このようなブレンド物に含まれるオレフィン系不飽和含有成分の量が少ない時でも重合体が迅速に硬化して良好な特性を有する加硫ゴムが生成する。
【0038】
前記2番目の重合体の加硫ゴムは良好な特性を有するが、このような特性は、全ての硬化反応の生成物と同様に、用いる硬化剤および出発重合体の組成に応じて変わる可能性がある。架橋形態の安定性に関する良好な試験は一定の温度における圧縮永久歪みである。この種類の試験では、(通常は硬化させた)重合体部品を特定の温度に加熱しながらこれに圧縮応力を負荷する。一定時間後に前記応力を解放して、前記部品を冷却する。前記部品の回復しなかった歪みの量が圧縮永久歪みであり、その数値が低ければ低いほど架橋が転位または単純に破壊に対してより安定である。この試験は圧縮下で用いられる部品、例えばシールおよびガスケットなどにとって特に重要である。
【0039】
圧縮永久歪みは使用する個々の硬化系とは別に前記2番目の重合体中に残存する未反応のオレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンの割合そして前記2番目の重合体中に存在する反応した(側鎖として存在する)オレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンの絶対量の影響を大きく受けることを確認した。存在する反応したオレフィン系不飽和アルコールおよび第一級アミンのモルパーセント(存在する反応したおよび未反応のオレフィン系不飽和アルコールと第一級アミンの総「モル」数を基準)が比較的高い時に圧縮永久歪みが大きく向上する(低くなる)。従って、前記2番目の重合体が含有する反応したオレフィン系不飽和アルコールおよび第一級アミンの量が約70モルパーセントを超え、より好適には約80モルパーセントを超え、特に好適には約90モルパーセントを超えるのが好適である。添加したアルコールおよび/またはアミンの大部分を反応させそして/または未反応のアルコールおよび/またはアミンを除去することにより、反応したオレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンの高い濃度を達成することができる。未反応アルコールおよび/またはアミンの除去は例えば溶融させた重合体を真空下に、例えば押出し加工機内の真空セクションにおくことなどにより実施可能である。そのような傾向を本明細書の実施例12−19に示す。例えば、実施例12では、重合体中にグラフト結合しなかったアルコールの量は6モルパーセントに過ぎず、そして圧縮永久歪みは73%であったが、実施例15では、グラフト結合しなかったアルコールの量は20モルパーセントでありそして圧縮永久歪みは80%である。反応したアルコールおよび/またはアミンと反応しなかったアルコールおよび/またはアミンの比率はNMR分光測定(以下を参照)で測定可能である。
【0040】
また、前記オレフィン系不飽和アルコールおよび/またはアミンと反応させる前に前記1番目の重合体を乾燥させると2番目の重合体中に存在する未反応のアルコールおよび/またはアミンの量が少なくなることも見いだした。従って、前記1番目の重合体を反応させる前にこれを乾燥させておくのが好適である。この重合体を乾燥させる前の水含有量は約0.2から0.8%であり得る。この重合体を真空オーブン内で乾燥させてもよく、真空をかけて窒素パージ(purge)をゆっくり行いながら乾燥を80℃で一晩行うことにより水含有量を約0.01%にまで下げることができるが、それを周囲条件に1日または2日さらしておくと水含有量が約0.05%にまで上昇し得る。また、この重合体を押出し加工機に他の如何なる材料も用いないで通過させることにより、押出し加工機に備わっている2つ以上のゾーンの上に位置する排気口に真空をかけながら重合体を乾燥させることも可能である。そのスクリューを200−250rpmまたは便利な任意の速度で回転させてもよく、そして温度プロファイル(profile)を重合体の出口温度が約200℃になるように調整する。このような条件にすると水分含有量を約0.01−0.02%にまで下げることが可能になる。このような乾燥をまた押出し加工機の後方(供給)末端部の所で達成することも可能であり、その後、前記オレフィン系不飽和化合物および触媒(用いる場合)を導入してもよい。この重合体を前記押出し加工機に備わっている最初の数ゾーン内で加熱した後、排気口の所で水分を除去し、続いて、押出し加工機に備わっている次のゾーン内で起こるエステル交換またはアミド交換と乾燥工程を分離するように設計されているメルトシール(melt seal)の所で水分が除去される。前記メルトシールは押出し加工機のスクリューの中に組み込まれているブリスターリング(blister ring)またはリバースエレメント(reverse elements)で構成されていてもよい。
【0041】
良好な(低い)圧縮永久歪みを達成しようとする時には、2番目の重合体中に存在する反応したオレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンの濃度を最小限にすべきであることを確認した。このことは特に硫黄硬化系を用いる時に当てはまる。存在する反応したオレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンの量を2番目の重合体100g当たり好適には30ミリモル以上、より好適には2番目の重合体100g当たり約35ミリモル以上にすべきである。未反応のオレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンの量が少ないことと反応したオレフィン系不飽和アルコールおよび/または第一級アミンの量が好適な最小限であることの組み合わせによってしばしば圧縮永久歪みが最良に(最も低く)なりそして/または硬化速度が速くなる。
【0042】
前記2番目の重合体の他の好適な組成において、R2の少なくとも約0.5モルパーセント、好適には少なくとも約1.0モルパーセント、特に好適には少なくとも約2.0モルパーセントがオレフィン系不飽和を含むのが好適である。
【0043】
本実施例では以下に示す方法を用いて重合体組成物を試験した。
【0044】
【表1】
Figure 0004963768
【0045】
本実施例では、実施例12−19を除き、Henkel(商標)3317またはHenkel(商標)3318を用いた。300MHz GE分光測定装置を用い、CDCl3を溶媒として用い、テトラメチルシランを内部標準として用いて、1H NMRスペクトルを測定した。NMR分析では、不飽和アルコールに割り当てたピークに基づく面積をE/MAのMA単位に割り当てたピークに基づく面積と比較した。MA単位の関連プロトン共鳴はδ3.65ppmの所(ペンダント型CH3O部分)およびδ2.3ppmの所(CHCOO部分)に現れた。ウンデシレニルアルコールがグラフト結合した結果得られるプロトンはδ4.05ppmの所(重合体のバックボーンに結合しているCH2OCO部分)に現れる(他のアルコールに関しては類似したピークおよび補正を用いることができるであろう)。δ5.0ppmの所のビニルCH2=Cのプロトンはグラフト化前および後の両方の不飽和アルコールに属する。初期MA含有量を3.65ppmのピークから決定する目的で、反応中に失われたCH3Oに関する補正を適用し、副反応が起こらないとしたならば、3.65ppmの所の損失は4.05ppmの所に現れるピークの1.5倍に等しい。特に明記しない限り、初期MAに対する結合したω−ウンデシレニルアルコールの平均モル比は、5.0ppmおよび4.05ppmの所のピークを2.3ppmの所のピークと比較することにより計算した4比率の直接平均であり、これを用いて3.65ppmの所のピークを補正した。不飽和アミンを用いる時にも同様な方法を適用することができるであろう。
【0046】
NMRピーク面積で示されるδ5.0ppmの所のプロトンの数の方がδ4.05ppmの所のプロトンの数よりも若干少ないことから、生成物には未反応のウンデシレニルアルコールがほとんどか或は全く残存しないように見えた。実施例1−11で用いたアルコールが示した揮発性は反応中に追い出されそして/または重合体精製中に除去されるに充分であった。
【0047】
全ての試薬を受け取ったまま用いた。ω−ウンデシレニルアルコール(10−ウンデセン−1−オール、99%)、チタンn−ブトキサド、1,2,3,5−テトラメチルベンゼンおよび1,2,3,4−テトラメチルベンゼンはAldrich Chemical Companyから入手した。o−ジクロロベンゼン、塩化メチレン(CH2Cl2)およびメタノールはEM Scienceから入手した。イソデュレン(〜90%)および押出し加工機実験で用いた10−ウンデセン−1−オール(〜96%)はFluka Chemical Corporationから入手した。ポリ(エチレン−コ−アクリル酸メチル)ジポリマーはデュポン社(DuPont Company)から入手した。アクリル酸メチル(MA)が62重量%でメルトインデックス(190℃)が約25−40g/10分の前記ジポリマーはE/62MAと表示しそしてMAが59重量%でメルトインデックスが〜8の他のジポリマーはE/59MAと表示する。これらの共重合体は米国特許第3,904,588号および5,028,674号に記述されている方法で製造可能である。
【0048】
本実施例では下記の省略形を用いる。
E − エチレン
B − 破壊時伸び(%)
100 − 試験片を100%伸ばす(ダンベル上のベンチマークの元々の長さの2倍)に要する応力
m/m − モル/モル(モル比)
MA − アクリル酸メチル
MDR − ロータレス硬化測定器(Rotorless Curemeter)
ODR − 振動円盤型レオメーター(Oscillating Disk Rheometer)
ROH − オレフィン系不飽和アルコール
B − 破壊時張力
実施例1−6
装置および材料
ローラーブレード付きのタイプ6のミキサー/測定用ヘッドが備わっているBrabender Plasticorder(商標)(C.W.Brabender Instruments,Inc.、South Hackensack、NJ、米国)(空洞部〜60ml)を用いて溶融状態の反応をバッチ式に実施した。また、3ピースPrep Mixer(商標)とローラーブレードが備わっているBrabender Plasticorder(商標)(空洞部〜350ml)を用いてスケールアップした実験も実施した。タイプ6の場合の典型的な総仕込み量は50gでありそして大きい方のミキサーの場合の典型的な総仕込み量は250gであった。本実施例の1つにより完全に記述する二軸押出し加工機を用いて溶融状態の連続反応を実施した。
【0049】
実施例1
ω−ウンデシレニルアルコールをE/62MAに200℃でグラフト結合
タイプ6のBrabenderミキサー/測定用ヘッドに、窒素ブランケット(blanket)下200℃でローラーブレードを75rpmで回転させながら、E/62MAを45.0gおよびω−ウンデシレニルアルコールを5.9ml(報告されている密度で5.0g、計算したROH/MAモル比=9.1%)仕込んだ。混合を2分間行った後、シリンジを用いて、その透明な溶融物にo−ジクロロベンゼン中25%(重量/重量)のチタンテトラ−n−ブトキサイド(触媒溶液)0.32mlを徐々に加えた。触媒添加が終わった後、Brabenderのトルクを徐々に110から260m−gにまで上昇させた。触媒添加を開始して13分後に前記ミキサーのブレードを停止させ、頭部を解体した後、生成物を排出させた。生成物の一部(10.0g)を50mlのCH2Cl2に溶解させた後、この溶液をブレンダー中の250mlのメタノール中で沈澱させた。沈澱した固体を100mlづつのメタノールで3回濯ぎ、各場合とも不純物の抽出を向上させる目的で前記液体の存在下で混練りし、そしてデカンテーションした後、圧縮してできるだけ最大限になるまで液体を排出させた。この固体をポリテトラフルオロエチレンシート上に置いて、ヒュームフード(fume hood)内で一晩乾燥させた後、真空オーブンに入れて真空下RTで窒素を導入しながら24時間乾燥させた。この沈澱固体の1gを5mlのCH2Cl2に再溶解した後、ビーカー中の25mlのメタノール中で撹拌することにより再沈澱させた。この上に示した濯ぎおよびデカンテーション手順を繰り返した後、固体をまたこの上に示したように乾燥させた。1−A(未精製)、1−B(沈澱物)および1−C(再沈澱物)と表示するサンプルを1H NMRで分析した。この分析により、ω−ウンデシレニルアルコールで置換されたアクリル酸メチル(MA)の平均分率は5.9%(1−A)、5.4%(1−B)および5.4%(1−C)であることが示された。この値は初期MAに対する結合したアルコールのモル比であった。
【0050】
実施例2
ω−ウンデシレニルアルコールをE/62MAに230℃でグラフト結合
Brabenderを230℃に加熱する以外は実施例1の手順を繰り返した。触媒添加後、Brabenderのトルクを急速に50から330m−gにまで上昇させそして280mgで一定にした(leveled off)。ω−ウンデシレニルアルコールで置換されたMAの平均分率は6.3%(2−A)、5.8%(2−B)および5.7%(2−C)であった。
【0051】
実施例3
ω−ウンデシレニルアルコールをE/62MAにグラフト結合
タイプ6のBrabenderミキサー/測定用ヘッドに、窒素ブランケット下200℃でローラーブレードを75rpmで回転させながら、E/62MAを45.0gおよびω−ウンデシレニルアルコールを5.9ml(報告されている密度で5.0g、計算したROH/MAモル比=9.1%)仕込んだ。混合を2分間行った後、シリンジを用いて、その透明な溶融物にイソデュレン中25%(重量/重量)のチタンテトラ−n−ブトキサイド(触媒溶液)0.42mlを徐々に加えた。触媒添加が終わった後、Brabenderのトルクを徐々に80から170m−gにまで上昇させた。触媒添加を開始して13分後に前記ミキサーのブレードを停止させ、頭部を解体した後、生成物を排出させた。生成物の一部(5.0g)を25mlのCH2Cl2に溶解させた後、この溶液をブレンダー中の150mlのメタノール中で沈澱させた。沈澱した固体を50mlづつのメタノールで3回濯ぎ、各場合とも不純物の抽出を向上させる目的で前記液体の存在下で混練りし、そしてデカンテーションを行った後、圧縮してできるだけ最大限になるまで液体を排出させた。この固体をポリテトラフルオロエチレンシートの上に置いて、ヒュームフード内で一晩乾燥させた後、真空オーブンに入れて真空下RTで窒素を導入しながら24時間乾燥させた。この精製した生成物を1H NMRで分析した結果、ω−ウンデシレニルアルコールで置換されたMAの平均分率は6.4%であることが示された。
【0052】
実施例4−6
ω−ウンデシレニルアルコールをE/62MAにグラフト結合
3ピースPrep Mixer(商標)とローラーブレードが備わっているBrabender Plasticorder(商標)に、窒素ブランケット下200℃でローラーブレードを低速で回転させながら、表1に示したE/MAおよびアルコールを仕込んだ(アルコール/MA=9.1モル%)。ローラーブレードの速度を75rpmにまで高くした。これらの材料を仕込んでいる間にBrabenderおよび内容物の温度が降下したことから、温度が再び200℃に上昇するまで約8−13分間混合を継続した。これらの反応体を200℃にしながら、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン中25%(重量/重量)のチタンテトラ−n−ブトキサイド(表1に示す触媒溶液)を徐々に添加した後、更に13分間混合を継続した。次に、前記ミキサーのブレードを停止させ、頭部を解体した後、生成物を排出させた。この生成物のNMR分析により、ω−ウンデシレニルアルコールで置換されたMAの平均分率は表1に示す如きであることが示された。
【0053】
【表2】
Figure 0004963768
【0054】
この上で得た生成物(ペンダント型不飽和を有する)をゴム用ミルでコンパウンド化した後、硫黄化合物が基になった処方を用いてそれを成功裏に硬化させた。エチレンとアクリル酸メチルとマレイン酸モノエチルからなり、ジアミンで硬化させた同様な重合体に比較して、前記硫黄で硬化させた重合体は、早期反応(「スコーチ(scorch)」)に対して高い耐性を示しかつはるかに迅速に硬化した。表2に示すように、非常に類似した組成の、過酸化物で硬化したエチレン−アクリル酸メチルジポリマー(比較実施例A)に比較して引裂き強度が向上していた。硬化および物性を表2に要約する。5/6は実施例5で得た重合体と実施例6で得た重合体の混合物を意味する。
【0055】
【表3】
Figure 0004963768
【0056】
a ゴムコンパウンド:弾性重合体(100)、ステアリン酸(1.5)、Naugard(商標)445(1)、Vanfre(商標)VAM(0.5)、SRFカーボンブラック(60)、Vulcup(商標)R(3.2)、HVA−2(2)。圧縮硬化のみ:177℃で20分間
b ゴムコンパウンド:弾性重合体(100)、酸化亜鉛(5)、ステアリン酸(1)、Naugard(商標)445(1)、SRFブラック(60)、硫黄(1.5)、MBT(0.5)、Thionex(商標)(1.5)。圧縮硬化のみ:160℃で20分間
c ゴムコンパウンド:弾性重合体(100)、酸化亜鉛(5)、ステアリン酸(1)、Naugard(商標)445(1)、SRFブラック(60)、硫黄(0.5)、Thionex(商標)(1)、Methyl Zimate(3)、Butyl Zimate(3)、Sulfasan(商標)R(1)、TMTD(2.5)。圧縮硬化:160℃で20分間
d 一群の圧縮永久歪み用ペレットの後硬化を160℃のオーブン内で4時間行なった
実施例7−11
押出し加工機を用いて連続的に行うE/62MAへのωウンデシレニルアルコールのグラフト結合
これらの実施例では下記の装置を用いた。
(a)E/MA弾性重合体を供給する目的で5.1cm(2”)のサテライト(satellite)単軸押出し加工機。
(b)Berstorff(商標)(Florence、KY、米国)ZE−25二軸押出し加工機(直径が25mmでL/D=38で同方向回転でかみあい)。ブリスターリング(blister rings)、混練り要素、混合要素および逆要素(reverse elements)が備わっているハードワーキングスクリューデザイン(hard working screw design)を用いた。それらの要素によってスクリューに沿った数箇所にホールドアップ(hold−up)[メルトシール(melt selas)]の領域が作り出された。
(c)ω−ウンデシレニルアルコールと触媒の溶液を供給する目的で2個のISCO(商標)(ISCO Inc.、Lincoln、NE、米国)デジタルシリンジポンプ(モデル500D)。
(d)ナッシュウォーターリング(Nash water ring)真空ポンプ、モデルMVF15。
(e)冷凍コールドトラップ(cold trap)(−60℃で操作)。
【0057】
下記の材料を用いた:
E/62MA
E.I.du Pont de Nemours and Company、Wilmington、DE、米国
10−ウンデセン−1−オール(ω−ウンデシレニルアルコール)
供給業者:Fluka
検定:96%
チタン(IV)ブトキサイド
供給業者:Aldrich
検定:99%
1,2,3,5−テトラメチルベンゼン
供給業者:Aldrich
検定:80%
Berstorff押出し加工機にE/MA重合体を調節した速度で供給し、この重合体が前記Berstorffのゾーン0の中に注入される点の温度は約100℃であった。前記Berstorff押出し加工機が含む7ゾーンの全部を表3に示す同じ温度に加熱しそして8番目のゾーン(ダイス)を200℃に設定した。ω−ウンデシレニルアルコールを計量してシリンジポンプでBerstorff押出し加工機のゾーン1(投入末端部)に供給した。毎日、新しいバッチの触媒溶液(1,2,3,5−テトラメチルベンゼン中25%(重量/重量)のチタン[IV]n−ブトキサイド)を調製し、ISCOシリンジポンプに入れて、前記Berstorffのゾーン1またはゾーン4のいずれかに送り込んだ。排気口をゾーン6の所に位置させた。定常状態の処理量に到達した後であるがアルコールと触媒を注入する前に、E/MA重合体の産出量を2分間隔で重量測定することにより前記重合体の流量を検査した。前記ダイスから出て来た重合体を風袋を計っておいたポリテトラフルオロエチレン内張りフライパンの中に測定した時間間隔(通常は2分間)集め、水槽の冷却水で冷却した後、重量を測定することにより、生成物の生産速度を測定した。この実験全体に亘って時々液体の流れを止めて重合体の生産量を測定した。副生成物であるメタノールと未反応のω−ウンデシレニルアルコールのいくらかが前記Berstorffの出口末端部近くでこの押出し加工機に備わっている真空口(これは上述した真空ポンプとコールドトラップにつながっている)の所で除去された。
【0058】
E/MAの目標生産率は60g/分であり、これの測定を液体導入前に行った。この実施例が終了した時点でアルコールの流れを止めて測定した生産率は58.7g/分であった。滞留時間は約1.2−1.5分であった。この生産物はほとんど全部がE/MAであった、と言うのは、添加した触媒の濃度は低くかつ触媒担体溶媒は揮発性であることから前記真空口の所で除去されることが確保されるはずであるからである。前記ω−ウンデシレニルアルコールの供給速度を7.86ml/分にした。前記Berstorff押出し加工機のスクリュー速度を205rpmにした。触媒流量およびBerstorffのバレル温度を表3に記述する様式で変えた。
【0059】
ω−ウンデシレニルアルコールで置換されたMAの平均分率を計算する目的で、δ5.0ppmの所のビニルプロトンピークを用いない以外はこの上に記述した様式でNMR分析を実施した。反応を起こさなかったと思われるサンプルのスペクトルの対応する面積を差し引くことにより、ベースライン補正を4.05ppmの所の生成物ピーク面積に適用した。このベースライン補正を行った分析値を表3に示す。表4に、ベースライン補正を適用したデータと適用しなかったデータを報告する。表4の1番目の縦列に示したブレンド物(これは、実施例5のグラフト結合/元々のMAが85%と実施例6のグラフト結合/元々のMAが15%の合計に等しい)に関して報告するデータには補正を適用しなかった。
【0060】
【表4】
Figure 0004963768
【0061】
硫黄型の硬化処方を用いて、この上に示した押出し加工機を用いたω−ウンデシレニルアルコールのグラフト結合で得た生成物をゴム用ミルでコンパウンドにした後、これに加硫を行なった、この加硫ゴムの物性を表4に示す。ペンダント型ビニル基の含有量が最も少ないサンプルを除き、試験を行った全ての試験サンプルを硫黄で硬化させることができた。それらの不飽和レベルの方がBrabender Plasticorder(商標)で調製したグラフト品(grafts)のそれよりも低いことから、弾性率が低く、破壊時伸びが高くかつ圧縮永久歪みが高いことで明らかなように、それらはゆっくりと硬化してゆるい架橋網状組織を与えた。このデータは、硬化および物性の両方と不飽和度の間に良好な相互関係が存在することを示している。
【0062】
【表5】
Figure 0004963768
【0063】
a 圧縮硬化:160℃で20分間、160℃で行う後硬化:スラブの場合4.5時間、圧縮永久歪み用ペレットの場合4時間。
b 圧縮硬化:160℃で20分間、圧縮永久歪み用ペレットの場合の後硬化:160℃で4時間。
c ゴムコンパウンド:弾性重合体(100)、酸化亜鉛(5)、ステアリン酸(1)、Naugard(商標)445(1)、SRFブラック(60)、Methyl Zimate(3)、Butyl Zimate(3)、Sulfasan(商標)R(1)、硫黄(0.5)、Thionex(商標)(1)、TMTD(2.5)。
【0064】
過酸化物型の硬化処方を用いて、この上に示した押出し加工機を用いたω−ウンデシレニルアルコールのグラフト結合で得た生成物のいくらかをゴム用ミルでコンパウンドにした後、これに加硫を行ない、この加硫ゴムの物性を表5に示す。ODRデータが示すように、不飽和をE/MAにグラフト結合させると不飽和を全く含有しないジポリマー対照に比較して、過酸化物による加硫速度が速くなった。また、そのグラフト結合したE/MAは、硬化が完了した時の最終ODRトルクで示されるように、高い硬化状態も達成した。また、このグラフト結合したE/MAの加硫ゴムが示した耐圧縮永久歪み性も対照に比較して向上していた。
【0065】
硬化条件を表5および6に示したコンパウンドの場合と同じにし、スラブおよびペレットに対する圧縮成形条件を177℃で15分にし、そして一群の圧縮永久歪み用ペレットに対するオーブンによる後硬化を177℃で4時間にした。
【0066】
【表6】
Figure 0004963768
【0067】
a 下記を含有するコンパウンド(重量):弾性重合体(100.0)、Vanfre(商標)VAM(0.5)、Armeen(商標)18D(0.5)、ステアリン酸(1.5)、Naugard(商標)445(1.0)、SRFブラック,N−774(65.0)、TP−759(5.0)、Vulcup(商標)R(2.5)、HVA−2(1.0)
b 名目上のメルトインデックス=40
c 圧縮硬化を177℃で15分間行ったサンプル
驚くべきことに、表6に示すように、不飽和をグラフト結合させた重合体とグラフト結合した不飽和を全く含まないバージン重合体のブレンド物を基にしたコンパウンドにおいてさえ硬化(set)の実質的な向上を保持していることが分かる。このことはまた表5の最後の縦列にも示されている。
【0068】
【表7】
Figure 0004963768
【0069】
a 下記を含有するコンパウンド(重量):弾性重合体(100.0)、Vanfre(商標)VAM(0.5)、Armeen(商標)18D(0.5)、ステアリン酸(1.5)、Naugard(商標)445(1.0)、SRFブラック,N−774(65.0)、TP−759(5.0)、Vulcup(商標)R(2.5)、HVA−2(1.0)
b 名目上のメルトインデックス=40
c 圧縮硬化を177℃で15分間行ったサンプル
実施例12−19
押出し加工機を用いて連続的に行うE/62MAへの市販オレイルアルコールのグラフト結合
ω−ウンデシレニルアルコールの代わりに市販グレードのオレイルアルコールをグラフト化剤(grafting agent)として用いる以外は実施例7−11に記述した手順に従った。Henkel Corporationから入手したHenkel(商標)3317またはHD Ocenol(商標)90/95として知られるオレイルアルコールの純度は約90%であり、その残りは飽和長鎖アルコールであった。これらの実施例ではゾーンを異なる様式で定義し、重合体供給ゾーンをこの上に示した実施例で報告した「0」ではなく「1」と表示した。従って、重合体をゾーン1に供給し、アルコールをゾーン2に供給し、そして触媒溶液を表7に示すゾーンに供給した。排気口をゾーン7に位置させた。
【0070】
E/62MAの目標生産率は60g/分であり、これの測定を液体導入前に行い、実験中のいろいろな時点で測定した生産率は62−65g/分であった。Henkel(商標)3317を12.6ml/分の供給速度で供給した。押出し加工機のスクリュー速度を190−200rpmにした。触媒流量およびBerstorffのバレル温度を表7に記述する様式で変えた。実施例15と残りの実施例は、実施例15ではHenkel(商標)3317中12.3%(重量/重量)のチタン[IV]n−ブトキサイド溶液からなる触媒を4.8ml/分で供給しそして別途Henkel(商標)3317アルコールの供給速度を8.3ml/分に下げる(不飽和アルコールが他の実施例の場合とほぼ同じ量でE/62MAに混ざるように)点で異なっていた。この市販アルコールに入っているオレイルアルコール、即ちただ1つの不飽和成分の含有量は90%であることから、表7に示すように、不飽和アルコールで置換されたMAの量はHenkel(商標)3317で置換されたMAの全量の90%であると計算された。この長鎖アルコールは比較的非揮発性であることから、それがグラフト結合しない場合には重合体中にいくらか残存した。
【0071】
Henkel(商標)3317で置換されたMAの分率および生成物中のアルコール全体に対するグラフト結合したアルコールの比率をプロトンNMRデータから得て表7に報告し、計算値を表8に示す。400MHzの分光測定装置(Bruker AM−400)を用いてNMRスペクトルの測定を行った。サンプル中の全アルコールのモル%(MAを基準にした)(縦列F)の計算をδ5.3ppmの所のビニルプロトン(サンプル中のグラフト結合した不飽和アルコールとグラフト結合しなかった不飽和アルコールを表す)およびδ2.3ppmの所のメチンプロトン(E/62MAの出発MA含有量を表す)を用いて行った。NMR分析でHenkel(商標)3317の不飽和オレイルアルコール含有量は90%であることが示されたことから、飽和と不飽和両方のアルコールの全含有量の測定に補正係数を適用した。アルコール全体の相対的モル数を得る目的で、縦列Bのピーク面積を2で割る代わりにそれを2x0.90=1.8で割った。NMR分析により、また、E/62MAの製造中にMAのメチンプロトンがいくらか消費されることも示された(δ3.6ppmの所のMAのメチルエステルのピーク3.0を基準にしたδ2.3ppmの所の測定ピーク面積は1.00ではなく0.92である)。従って、反応前のMAの相対的モル数を得る目的で、縦列Eのピーク面積を1.00ではなく0.92で割ると言った2番目の補正を適用した。従って、MA(縦列F)を基準にしたサンプル中の全アルコールのモル%は(100%x縦列B/1.8)/(縦列E/0.92)であった。
【0072】
Henkel(商標)3317中の全アルコールで置換されたMAの分率(縦列G)の測定をアルコールのグラフト結合によってもたらされたCH2エステルのプロトン(δ4.0ppmの所)とMAのCH3エステルのピーク(δ3.6ppmの所)の比較で行った。δ3.6ppmの所のピークから初期MA含有量を決定する目的で、エステル交換反応中に失われたCH3の損失率(これは作り出されるCH2エステルのプロトン数の1.5倍に等しい)の補正を適用した。従って、置換されたMAのモル%(縦列G)は(100%x縦列C/2)/(縦列Cx1.5/3+縦列D/3)であった。アルコールのグラフト結合によってもたらされたCH2エステルのプロトン(δ4.0ppmの所)とMAのCHピーク(δ2.3ppmの所)の比較を行う2番目の方法を用いて、Henkel(商標)3317中の全アルコールで置換されたMAの分率(縦列H)の測定を行った。この上に記述したようにE/62MA製造中のCHの損失にも同じ補正を適用した。従って、置換されたMAのモル%(縦列H)は(100%x縦列C/2)/(縦列E/0.92)であった。アルコールで置換されたMAの分率をMAを基準にした全アルコールの量と比較することにより、押出し加工生成物中のグラフト結合/全アルコールの比率(縦列I)を決定した。従って、この比率は(100%x縦列H/縦列F)であった。
【0073】
【表8】
Figure 0004963768
【0074】
【表9】
Figure 0004963768
【0075】
同じ押出し加工機を同じ様式で用い、Henkel(商標)3317または3318をグラフト化剤として用いることにより、追加的グラフト化材料(graft materials)の調製を行った。Henkel(商標)3318[これはまたHD Ocenol(商標)110/130としても知られる]が他の不飽和アルコールであり、これはリノレイルアルコールを約35%、リノレニルアルコールを10%およびオレイルアルコールを40%含有していてその残りは飽和長鎖アルコールからなっている。グラフト化の結果を表9に示す。Henkel(商標)3317または3318の不飽和アルコール含有量は85%であることから、不飽和アルコールで置換されたMAの量は、表9に示すように、Henkel(商標)3318で置換されたMAの総量の85%であると計算された。
【0076】
【表10】
Figure 0004963768
【0077】
表7および9に示したグラフト重合体を硫黄硬化系により加硫化し、選択した硬化および物性を表10に示す。
【0078】
【表11】
Figure 0004963768
【0079】
a 硫黄硬化処方:弾性重合体(100)、酸化亜鉛(5)、ステアリン酸(1)、Naugard(商標)445(1)、SRFブラック(60)、Methyl Zimate(3)、Butyl Zimate(3)、Sulfasan(商標)R(1)、硫黄(0.5)、Thionex(商標)(1)、TMTD(2.5)。
b 圧縮硬化:160℃で20分間、オーブンによる後硬化:160℃で4時間。
c 圧縮永久歪み用試験条件

Claims (3)

  1. 重合体を架橋させる方法であって、
    (a)10モルパーセント以上のエチレン、10モルパーセント以上の
    Figure 0004963768
    [ここで、
    1は、メチルまたは水素であり、そして
    2は、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである]
    および全体で10モルパーセント以下の量の1種以上の炭化水素オレフィンからなる1番目の重合体をオレフィン結合を1つ以上含むアルコールもしくは第一級アミンによりエステル交換もしくはアミド化することにより前記オレフィン結合を伴う側鎖を有する2番目の重合体を生成させ、そして
    (b)硫黄または過酸化物硬化系を用いて前記2番目の重合体を架橋させる、
    ことを含んで成る方法。
  2. (a)10モルパーセント以上のエチレン、10モルパーセント以上の
    Figure 0004963768
    [ここで、
    1は、メチルまたは水素であり、そして
    2は、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルであるが、但しR2の少なくとも0.5モルパーセントがオレフィン不飽和を含むことを条件とし、そしてXは、O、NHまたはNR3(ここで、R3は、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルである)から成る群から選択される]
    および全体で10モルパーセント以下の量の1種以上の炭化水素オレフィンからなる重合体、および
    (b)硫黄または過酸化物硬化系、
    を含んで成るが、但しXの1つ以上の種を含んでいてもよいことを条件とする組成物。
  3. 請求項1記載の方法の生成物。
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