以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、玉磨き揚送装置1の概略構成について説明する。図1は、玉磨き揚送装置1を後方から見た斜視図である。
図において、玉磨き揚送装置1は、正方形状に形成された支持台2の上部に角筒状の揚送筒本体3が垂直状に立設され、揚送筒本体3の長手方向の外周を、下部に支持される下部ローラ4と調節ナット17によって締着軸支される上部ローラ(図示しない)との間に掛け渡される革製の搬送ベルト13が周回するようになっている。また、揚送筒本体3の内部には、複数の中間ローラ(図示しない)が適宜間隔をおいて上下方向に並んで回転自在に軸支され、中間ローラの一部が揚送筒本体3の上昇側面から外に突出して、搬送ベルト13を案内支持している。また、下部ローラ4は、詳細には図示しないが、比較的大きな直径の円筒状ローラとして構成され、電流が供給されると円筒状のローラが回転して、搬送ベルト13を周回駆動するものである。
この下部ローラ4の下方には、図示右側に揚送前のパチンコ玉が導入される導入樋7が固着され、図示左側に導入されたパチンコ玉を揚送筒本体3の下端部まで移動させる流入円弧樋5が固着されている。なお、導入樋7及び流入円弧樋5の内側には、図示しないが、導入されたパチンコ玉を複数列に整列させる溝が形成されている。また、上記した導入樋7及び流入円弧樋5の取付構造は、その一端が僅かに移動し得るように取付板8,6にそれぞれ止着され、その他端が前記支持台2に植立される支持ピン18にスプリング(図示しない)を介して摺動自在に軸支されている。即ち、導入樋7の下端及び流入円弧樋5の下端は、支持ピン18に挿通されて調節ナット(図示しない)によって抜けないように止着されているが、常に支持ピン18に介装されるスプリングによって上方に付勢されている。しかして、調節ナットの締着度合によって搬送ベルト13と導入樋7及び流入円弧樋5との間の微妙な間隔を調整することができ、その間隔を調整することにより、パチンコ玉のスムーズな移動を可能にすることができる。
また、下部ローラ4の上部の揚送筒本体3には、搬送ベルト13に張力を付与する複数のテンションローラ14,15,16が回転自在に軸支されている。特に、第2テンションローラ15は、スプリング(図示しない)を介して取りつけられているので、そのスプリングの付勢力によって搬送ベルト13に対して常に一定の張力を与えることができる。また、下部ローラ4と各テンションローラ14,15,16とは、ほぼ上下の位置関係にあり、搬送ベルト13が装着されたときに、下部ローラ4は搬送ベルト13の内側に位置し、第3テンションローラ16は、搬送ベルト13の外側に、第2テンションローラ15は、搬送ベルト13の内側に、第1テンションローラ14は、搬送ベルト13の外側に、それぞれ位置するようになっている。
ところで、揚送筒本体3の背面側には、ガイドレール11が一側辺を軸支されて開閉自在に取り付けられている。そこでガイドレール11の構造について図1及び図2を参照して説明する。図2は、玉通過検出装置21をガイドレール11に取り付ける前の状態の玉磨き揚送装置1を示す斜視図である。
ガイドレール11は、搬送ベルト13と対面して揚送される玉を研磨する布ベルト20がその前面の全長に渡って周回装着されるものである。そして、主として布ベルト20を玉磨き揚送装置1に装着する際に開放されると共に、布ベルト20自体がガイドレール11の表面に搬送ベルト13と対面するように周回して装着される。また、布ベルト20が装着されたときには、係止金具12によってガイドレール11を揚送筒本体3に対面させた状態で固定支持されているものである。なお、係止金具12は、ガイドレール11と揚送筒本体3との間の間隔を調節し得るようになっており、この調節により搬送ベルト13と布ベルト20とによるパチンコ玉の挟持力を常に最適な強さに調節することができるようになっている。なお、布ベルト20は、その玉磨き能力を発揮させるために、比較的織目の粗い布で構成されている。
また、図2に示すように、ガイドレール11の内側面には、揚送されるパチンコ玉の一部が落ち込むガイドレール溝48が複数列区画形成され、パチンコ玉を一列垂直状に揚送するようになっている。具体的には、区画壁47によって区画された半円状のガイドレール溝48を複数列形成したウレタン板46が、ガイドレール11の両側面内側に形成されたウレタン板挿入溝57に挿入されている。このようにして挿入されたウレタン板46とガイドレール11の背面との間は中空であり、その中空間隔49にはウレタン板46を揚送筒本体3側へ押圧支持するスプリング(図示しない)が複数個埋設され、ウレタン板46に形成されたガイドレール溝48に沿ってパチンコ玉が揚送される際に、布ベルト20と搬送ベルト13とに挟持されるパチンコ玉に適度な挟持力を付与してパチンコ玉の研磨が確実に行われるようにしている。
しかして、上記のように、係止金具12により揚送筒本体3に対面してガイドレール11を取り付けた状態において、導入樋7に導入されたパチンコ玉は、流入円弧樋5を経由して、搬送ベルト13と布ベルト20とに狭持されて研磨されながら揚送され、揚送筒本体3の上方に固着されて玉を吐き出し方向に屈曲する上部屈曲樋9を経由して、排出樋10からきれいにされたパチンコ玉が排出される。
また、上記したガイドレール11の終端部には、玉通過検出装置21が固定可能に取り付けられている。そこで、玉通過検出装置21の構成及び作用について、図2を参照して説明する。
まず、玉通過検出装置21の構造について説明すると、図2に示すように、玉通過検出装置21の外周部分を構成するボックス状のカバー体30の内部には、ウレタン板41が取り付けられている。このウレタン板41の前面側中央部には、区画壁42によって区画された半円状の玉通路43が複数形成され、前面側両側方には、ガイド突起45が形成されている。また、ウレタン板41の後面側には、複数のセンサ(図示しない)を並列嵌合する枠状のセンサ取付凸部(図示しない)が一体的に突設形成されている。このセンサ取付凸部に嵌合される複数のセンサは、前記玉通路43の各列に対応して設けられるものであり、玉通路43の各列を通過するパチンコ玉を検出することができる。なお、このセンサは磁気センサであり、ウレタン板41の厚みは磁気センサがパチンコ玉を検出できる範囲で形成されている。これら複数のセンサからのパチンコ玉の検出信号は、接続コード(図示しない)を介して外部に出力されるようになっている。なお、カバー体30の上部側面には、前記接続コードを通すための切欠部36が形成されている。また、ウレタン板41の下端部には、前記ウレタン板46の上端が係合支持する係合当接片(図示しない)が形成されている。
また、前記センサ取付凸部には、センサの固定状態を確実にし且つウレタン板41をカバー体30に取り付けるためのセンサ押圧板(図示しない)が取り付けられている。このセンサ押圧板の後面側には、前記カバー体30に開設された一対の嵌合穴34に対応する形状の一対の嵌合突起44が突設形成されている。この嵌合突起44をカバー体30の前面側から嵌合穴34に嵌合させ、カバー体30の後面に長方形状の取付板37を重ね合せて、嵌合突起44に開設された取付穴44aと取付板37に開設された取付穴37aに取付ネジ40を螺合することにより、カバー体30にセンサ押圧板が取り付けられると同時に、ウレタン板41及びセンサ等もカバー体30に取り付けられることとなる。このとき、ウレタン板41前面側両側方に形成された前記ガイド突起45が、玉通過検出装置21の上部に形成された布ベルト案内板31と対面して位置することとなる。なお、前記取付板37の下端には一対の挟持片38がL字状に突設されており、カバー体30に取付板37を重ね合わせる際、この挟持片38を嵌合穴34に挿入した後、取付板37をカバー体30に重ね合わせる。
上記のように、ウレタン板41がカバー体30に取り付けられた際、前記挟持片38はカバー体30の嵌合穴34から前面側に突出し、ウレタン板41の下方に位置することとなる。また、挟持片38のほぼ中央には、取付ネジ穴39が穿設されており、この取付ネジ穴39に対応する位置でカバー体30の背面には、一対のネジ穴35が穿設されている。さらに、カバー体30の上部側面には軸穴32が開設され、この軸穴32にローラ33が回転自在に軸支されているが、この点については後述する。このようにして、玉通過検出装置21に必要なすべての構成要素がカバー体30に取り付けられる。
次に、上記したように構成される玉通過検出装置21のガイドレール11への取付け方法について、図2を参照して、以下、説明する。図において、玉通過検出装置23のカバー体30は、ガイドレール11の断面形状に対応するように断面コ字状に形成されており、ガイドレール11に取り付けられたときにその終端(上端)部分をすっぽり覆うようになっている。また、カバー体30の両側面の下部には取付穴30aが開設されており、長方形状のスライド片51をカバー体30の内側側面に当接した状態で、その取付穴30aとスライド片51の取付穴52と重ね合わせて取付ボルト53を螺合することにより、カバー体30の内側にスライド片51を仮で取り付けるようにしている。このスライド片51は、ガイドレール11の両側面に形成されたスライド溝56内に挿入されるものである。
しかして、カバー体30の両側面内側に取り付けられたスライド片51をスライド溝56内に挿入した後、前記係合当接片がウレタン板46の上端を係合支持した状態にする。このとき、前記挟持片38が前記中空間隔49に挿入されており、挟持片38の内側面は、ガイドレール11背面の中空間隔49側の面に当接している。また、ガイドレール11の背面で、前記ネジ穴35及び取付ネジ穴39に対応する位置には、一対の取付ネジ穴50が穿設されている。この状態で、取付ボルト53を締め付け、スライド片51とカバー体30でガイドレール11の両側面を挟持し、更に、前記ネジ穴35,ネジ穴50及び取付ネジ穴39に取付ネジ54を挿通して螺着することにより、玉通過検出装置21をガイドレール11の終端部に容易に取り付けることができる。このとき、玉通過検出装置21のウレタン板41の下端部に形成された係合当接片が前記中空間隔49内に挿入されてガイドレール11のウレタン板46の上端部を係合支持するようになっているので、ガイドレール溝48内を揚送されるパチンコ玉によりウレタン板46の上端部が押圧されても、ガイドレール溝48と玉通路43との間で段差が生じないとともに双方のウレタン板41,46の接合部でのパチンコ玉の挟持間隔を適正に保持することができて、パチンコ玉のスムーズな揚送を行うことができる。
また、玉通過検出装置21は、上記のように、挟持片38によりガイドレール11の前後方向でも固定されているが、これは、従来、玉通過検出装置21をガイドレール11に対して、玉通過検出装置21側方の取付ボルト53だけで固定していたため、玉通過検出装置21が前後方向で傾くという問題に対応するものである。上記のように、玉通過検出装置21を挟持片38によりガイドレール11の前後方向でも固定することにより、玉通過検出装置21が前後方向に傾くことがない。なお、本実施形態においては、玉通過検出装置21がガイドレール11の終端部に取り付けられるものを示したが、玉通過検出装置21がガイドレール11に固定可能に取り付けられるものであれば、ガイドレール11の始端(下端)部に設けられるものであってもよい。
また、前述したように、玉通過検出装置21の内側に取り付けられたウレタン板41には玉通路43が複数列区画形成されており、ガイドレール11の内側に取り付けられたウレタン板46にはガイドレール溝48が複数列区画形成されている。そして、玉通過検出装置21がガイドレール11の終端部に取り付けられた状態において、玉通過検出装置21のウレタン板41とガイドレール11のウレタン板46とが当接し、且つ、ウレタン板41の各玉通路43の垂直中心とガイドレール11の各ガイドレール溝48の垂直中心とが一致するように形成されている。従って、玉通路43とガイドレール溝48との間で段差が生じることはほとんどなく、ガイドレール溝48を揚送されたパチンコ玉が一直線状に形成された玉通路43にスムーズに導かれるようになっている。
さらに、前述したように、前記玉通過検出装置21の上部にはローラ33が回転自在に軸支されているが、このローラ33は、ガイドレール11に差し渡される布ベルト20を周回するためのものである。即ち、ガイドレール11の前面に形成された布ベルト挿通溝55内を周回して装着された布ベルト20は、前記布ベルト案内板31と前記ガイド突起45との隙間を経由して、ローラ33によって折り返され、その終端部がガイドレール11の背面側上部に取り付けられた引張装置110により固定される。従って、玉通過検出装置21をガイドレール11に取り付けたときに、玉通路43とガイドレール溝48との間に微小な段差が生じても、その微小な段差は前面に位置する布ベルト20により吸収され、パチンコ玉のスムーズな揚送に寄与することができる。また、ウレタン板41の前面側両側方に前記ガイド突起45が形成されているため、揚送されるパチンコ玉が側方へはみ出ることがなく、パチンコ玉の直進方向性を安定させることができる。
しかして、本実施形態に係る玉磨き揚送装置1においては、玉通過検出装置21の玉通路43とガイドレール11のガイドレール溝48との間で段差が生じることはほとんどなく、また、微小な段差が生じても前面に位置する布ベルト20により段差が吸収されるので、ガイドレール溝48を揚送されたパチンコ玉が玉通過検出装置21の下端部に衝突して、玉通過検出装置21が摩滅したり破損したり、玉磨き揚送装置1が故障したりするということがない。
一方、上記したガイドレール11の背面側には、巻取機構部22及び装着機構部23が設けられている。巻取機構部22は、使用済みの布ベルト20の上端を引っ張るための引張装置110と、使用済の布ベルト20をロール状に巻き取り収納するための巻取装置60と、から構成されている。また、装着機構部23は、布ベルト20が移動しないよう布ベルト20の下端を挟持しておくための停止装置160と、使用前の布ベルト20を収納するための収納装置19と、から構成されている。この巻取機構部22及び装着機構部23の構成及び作用について、以下、詳細に説明する。なお、収納装置19は、使用前のロール状にまるめられた布ベルト20を載置収納するだけのボックスであるため、以下には詳細に説明しないが、その設置箇所は、後述するガイドレール11の開閉位置よりも低い床面に設置されている。
まず、巻取機構部22を構成する巻取装置60について、図1,図3乃至図6を参照して説明する。図3は、ガイドレール11に取り付けられた巻取装置60を示す斜視図であり、図4は、巻取装置60からロール状に巻き取られた布ベルト20を取り外す状態を示す斜視図であり、図5は、巻取装置60の駆動部から見た側面図であり、図6は、巻取装置60の駆動部の内部を示す断面図である。
図1において、巻取装置60は、ガイドレール11の裏面中央部に取り付けられている。この巻取装置60は、図3に示すように、板金により一側面が開放された箱状に形成されるものであり、内部に使用済みの布ベルト20が巻き取られた状態で収納されるものである。巻取装置60は、巻取装置60の基体をなすベース部材61と、ベース部材61の外側に取り付けられるプーリ85,86やスリップベルト87等を保護するための保護カバー62と、巻取装置60で巻き取られた布ベルト20を取り出す際に開く開閉カバー63と、布ベルト20を巻き取るための巻取軸64と、布ベルト20を巻き取る際に布ベルト20の両側方の端面を揃えるためのサイドカバー65,66と、から構成されている。
ベース部材61は、全周が同方向に折り曲げられて壁面が形成され、この壁面により一側面が開放した箱状に形成されている。このベース部材61の一側方(図3の右側)には、取付ネジ72aにより取り付けられたヒンジ72を介して、前記開閉カバー63が開閉自在に取り付けられている。ベース部材61の上方壁面の表面で右側端面には固定磁石71が取付ネジ71aにより取り付けられているため、前記開閉カバー63が閉塞された際に、開閉カバー63が固定磁石71に吸着され、開閉カバー63がベース部材61に固定されることとなる。また、壁面のうち前記開閉カバー63側の壁面には、図4に示すように、巻き取られた布ベルト20及びサイドカバー65が抜き取れる程度の大きさの切り欠き68が、壁面のほぼ中央部に形成されている。
また、ベース部材61の他側方(図3の左側)には、駆動プーリ85,従動プーリ86及びスリップベルト87から構成される駆動部がベース部材61の外側で形成され、この駆動部を保護するための前記保護カバー62が取付ネジ62aにより着脱自在に取り付けられている。また、図6に示すように、ベース部材61の保護カバー62側壁面の上部には、ギアヘッド69を介してモータ70が装着されており、ギアヘッド69の出力軸82には、前記駆動プーリ85が軸着されている。このギアヘッド69は、図5に示すように、ベース部材61の壁面に穿設された取付長穴84に挿通した取付ネジ84aにより取り付けられ、出力軸82が同じくベース部材61の壁面に穿設された出力軸挿通穴83に挿通されている。この取付長穴84及び出力軸挿通穴83は、上下方向に長く穿設されているため、取付長穴84及び出力軸挿通穴83の長さの範囲内でギアヘッド69の上下方向の取付位置を調節し、スリップベルトの張りを調整することができる。
また、ベース部材61の保護カバー62側壁面の上下方向ほぼ中央には、図6に示すように、軸受け88を介して前記巻取軸64が軸支されている。この巻取軸64が軸受け88に対して固定ナット89により取り付けられ、軸受け88がベース部材61の壁面に取付ネジ88aにより取り付けられることにより、巻取軸64がベース部材61の壁面に軸支されている。そして、巻取軸64の保護カバー62側の軸端には、前記従動プーリ86が軸着されている。
前記駆動プーリ85と前記従動プーリ86との間には、ゴム等の伸縮性があり、比較的摩擦係数の大きい材料で形成される前記スリップベルト87が掛け渡されている。このスリップベルト87は、その断面が円形状であり、また、前記駆動プーリ85及び前記従動プーリ86の外周の断面形状は、半円形状である。このため、タイミングベルトとタイミングプーリのように凹凸を係合させて回転を伝達するものではなく、スリップベルト87と駆動プーリ85及び従動プーリ86との間の摩擦力によって回転を伝達するものである。なお、駆動プーリ85,従動プーリ86及びスリップベルト87が巻取量調節手段を構成するものである。
しかして、モータ70を回転させることにより、モータ70の回転がギアヘッド69の出力軸82に出力されて駆動プーリ85を回転させ、駆動プーリ85の回転が駆動プーリ85とスリップベルト87との摩擦力によってスリップベルト87を回動させる。更に、スリップベルト87の回動がスリップベルト87と従動プーリ85との摩擦力によって従動プーリ85を回転させ、従動プーリ85が回転することにより、巻取軸64が回転することとなる。
また、ベース部材61の背面側には、取付片67が左右2箇所取り付けられている。この取付片67には、巻取装置60をガイドレール11に取り付けるための取付ネジ(図示しない)が挿通する取付溝81が形成されている。しかして、取付片67をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付溝81をガイドレール11の側面に螺合される取付ネジに係止した後、その取付ネジを締め付けることにより巻取装置60がガイドレール11に固定されることとなる。
また、前記開閉カバー63は、板金により台形形状に形成されるものであり、前述のように、ベース部材61に対してヒンジ72により開閉自在に取り付けられている。この開閉カバー63の上下方向ほぼ中央で、前記巻取軸64の端部に対応する位置には、U字状の切り欠き部が形成され、この切り欠き部の形状とほぼ同形状の凹部を有する軸受け台74が、取付ネジ74aにより開閉カバー63に取り付けられている。このとき、切り欠き部と軸受け台74の凹部とが重なるように軸受け台74が取り付けられている。また、この軸受け台74の斜め上方には、開閉カバー63を開閉する際に用いる取手73が取付ネジ73aにより取り付けられている。
前記巻取軸64は、鋼製の棒材により形成されるものであり、前述のように、軸受け88を介してベース部材61の保護カバー62側壁面に回転自在に取り付けられている。この巻取軸64は、図示しないが、前記軸受け近傍の径が布ベルト20巻取部分の径よりも大きく形成されており、段付き形状となっている。この巻取軸64の布ベルト20巻取部分の軸上には、布ベルト20を巻き取るきっかけの役目をする係止片78が、巻取軸64の前記段付き部分に当接して、止めネジ78aにより巻取軸64の布ベルト20巻取部分を覆うように固定されている。この係止片78は、円筒形状に形成されるものであり、その径は、巻取軸64の軸受け近傍部分の径とほぼ同じ径寸法で形成されている。また、係止片78の開閉カバー63側端部の一部が軸方向に突出して凸部を形成しており、この凸部下面と巻取軸64との間には、隙間が形成されている。一方、巻取軸64の軸受け近傍部分の外周には、V字状の溝(図示しない)が形成されているが、これは、巻取軸64に前記サイドカバー66を装着するためのものである。
サイドカバー66は、取付ネジ79aによりサイドカバー取付部材79に取り付けられるものであるが、このサイドカバー取付部材79の中心には、巻取軸64の軸受け近傍部分を挿通するための挿通穴が穿設されている。この挿通穴の壁面には、3カ所にボールベアリング(図示しない)の先端が突出しており、このボールベアリングは、サイドカバー取付部材79内に埋設されているものである。また、このボールベアリングは、サイドカバー取付部材79内に埋設されたスプリングによって挿通穴側に向かって押圧されており、先端に圧力を加えることにより、サイドカバー取付部材79内に埋没するものである。
しかして、巻取軸64の軸受け近傍部分にサイドカバー66の装着されたサイドカバー取付部材79を挿入した際、前記ボールベアリングが巻取軸64の軸受け近傍部分に押圧されてサイドカバー取付部材79内に埋没する。そして、一旦サイドカバー取付部材79内に埋没したボールベアリングは、巻取軸64の軸受け近傍部分の前記V字状溝の位置で再び挿通穴壁面上に突出してV字状溝に嵌合することとなる。このようにして、サイドカバー取付部材79が巻取軸64に対して取り付けられるが、サイドカバー取付部材79は、巻取軸64に対して固着されるものではないため、サイドカバー66は、巻取軸64に対して回転自在であり、また、着脱自在である。
なお、サイドカバー66は、アクリル等の樹脂材料により円形形状に形成されるものである。また、巻取軸64の開閉カバー63側の先端部近傍には、V字状の溝(図示しない)が巻取軸64の周回に亘って形成されており、これは、巻取軸64にサイドカバー65を装着するためのものである。前記サイドカバー65は、前記サイドカバー66と同様、アクリル等の樹脂材料により円形形状に形成されるものであり、取付ネジ(図示しない)によりサイドカバー取付部材76に取り付けられるものである。
しかして、サイドカバー66を巻取軸64の軸受け近傍部分に装着する場合と同様に、巻取軸64にサイドカバー65の装着されたサイドカバー取付部材76を挿入した際、前記ボールベアリングが巻取軸64に押圧されてサイドカバー取付部材76内に埋没する。そして、一旦サイドカバー取付部材76内に埋没したボールベアリングは、巻取軸64先端部の前記V字状溝の位置で再び挿通穴壁面上に突出してV字状溝に嵌合することとなる。このようにして、サイドカバー取付部材76が巻取軸64に対して取り付けられるが、サイドカバー取付部材76は、巻取軸64に対して固着されるものではないため、サイドカバー65は、巻取軸64に対して回転自在であり、また、着脱自在である。
また、サイドカバー取付部材76には、ベアリング77を介して軸受け75が回転自在に取り付けられている。この軸受け75は、径の異なる円盤が複数個重なったような形状に形成されており、先端に形成された最も径の小さい部分の径寸法は、前記軸受け台74の凹部の径寸法よりもやや小さい程度に形成されている。しかして、巻取軸64にサイドカバー65を取り付け、開閉カバー63を閉塞した場合、軸受け75の前記先端部分が開閉カバー63に取り付けられた軸受け台74の凹部に嵌入し、巻取軸64を支持することとなる。
以上のように構成される巻取装置60ヘの布ベルトの着脱方法及び作用について説明する。まず、巻取装置60側方の開閉カバー63を開放し、巻取軸64からサイドカバー65を抜き取る。巻取軸64からサイドカバー65を抜き取った後、布ベルト20の端部に形成された嵌挿部80を巻取軸64に挿入する。なお、布ベルト20の幅寸法は、嵌挿部80側へ向かうに従い徐々に小さくなっている。布ベルト20を巻取軸64に挿入した際、図3に示すように、嵌挿部80を係止片78に形成された前記凸部と巻取軸64との隙間に挿入し、嵌挿部80の側方端部が係止片78に当接するまで嵌挿部80を保護カバー62側へ押圧することにより、布ベルト20が巻取軸64に取り付けられる。嵌挿部80に布ベルト20を取り付けた後、サイドカバー65を巻取軸64に取り付け、開放してあった開閉カバー63を閉塞することにより、前述のように、開閉カバー63の軸受け台74が軸受け75に嵌入し、巻取軸64が支持され、巻取装置60に布ベルト20が装着される。
以上のように巻取装置60に布ベルト20を装着した後、モータ70を回転駆動させることにより、回転が前記駆動プーリ85,スリップベルト87及び従動プーリ86を介して巻取軸64に伝達され、巻取軸64が回転する。このとき、巻取軸64の回転方向は、開閉カバー63側から見て時計方向に回転することとなる。巻取軸64が回転した際、係止片78も同時に回転することとなるが、係止片78が回転すると係止片78先端の凸部が布ベルト20の嵌挿部80を係止して回転するため、布ベルト20が巻取軸64に巻き取られていくことになる。このように、布ベルトを巻き取る際の布ベルトの取付作業は、巻取軸に布ベルトの嵌挿部を嵌挿するだけで完了するため簡単に行うことができる。また、巻取軸64の回転に従い、布ベルト20が次第に巻き取られるが、巻取軸64の両側方には巻取軸64と共に回転するサイドカバー65,66が装着されているため、このサイドカバー65,66により布ベルト20の両側方の端部が揃えられながら巻き取られることとなる。このとき、巻取軸方向にずれたままロール状に巻き取られた布ベルト20の側端部がサイドカバー65,66に接触しても、サイドカバー65,66もロール状の布ベルト20と共に回転するため、ロール状の布ベルト20とサイドカバー65,66との間の摩擦抵抗を少なくすることができ、モータ70に負担がかかることを防止して布ベルト20の巻取作業をスムーズに行うことができる。
なお、布ベルト20がロール状に巻き取られるに従って、そのロール径は次第に大きくなっていくため、モータ70の回転が一定の場合は、布ベルト20の巻取量も次第に多くなっていく。ところが、前記引張装置110が布ベルト20を引っ張って巻取装置60へ送出する量は一定であるため、巻取装置60の布ベルト20の巻取量が引張装置110の布ベルト20の引張量を超えた場合には、巻取装置60で巻き取る布ベルト20の量が不足してしまう。この場合、タイミングベルトのようにプーリとベルトの噛み合いによってモータ70の回転を伝えるものであるとモータ70に大きな負荷がかかり、モータ70が停止してしまい、モータ70に負荷がかかってしまう。しかし、前述したように、モータ70の回転の巻取軸64への伝達は、駆動プーリ85及び従動プーリ86とスリップベルト87との間の摩擦力によって行うものであるため、巻取装置60の布ベルト20の巻取量が引張装置110の布ベルト20の引張量を超えた場合には、スリップベルト87が駆動プーリ85あるいは従動プーリ86に対してスリップする。このため、モータ70は停止することがなく、モータ70に負荷がかかることがない。
以上のようにして巻き取られた布ベルト20を巻取装置60から取り外すには、図3に示すように、布ベルト20の装着作業の手順と逆に、即ち、開閉カバー63を開放した後、サイドカバー65を取り外し、巻き取られた布ベルト20を手前に引き出すことにより、容易に布ベルトを取り外すことができる。
以上、巻取装置60について詳細に説明してきたが、次に巻取機構部22を構成する引張装置110について、図1及び図7を参照して説明する。図7は、引張装置110を開放した状態を示す斜視図である。
図1において、引張装置110は、ガイドレール11の裏面中央部よりやや上方に取り付けられている。この引張装置110は、図7に示すように、モータ123及び主ローラ125が固着される取付主体111と、該取付主体111に対して取付ネジ151で固着される支軸(図示しない)を中心として開閉自在に設けられ且つ圧接ローラ144,145が揺動自在に取り付けられる開閉カバー体112と、から構成され、開閉カバー体112を開放した状態で布ベルト20を主ローラ125の前面側に垂らした後、開閉カバー体112を閉じて係止金具120によって施錠することにより布ベルト20を主ローラ125と圧接ローラ144,145とで蛇行状に挟持する構造となっている。
取付主体111は、取付主体111の基体をなす主基体113に、各部品が集約して取り付けられるものである。主基体113は、両側方が同方向に直角に曲げられて壁面を形成すると共に、両壁面の上下端もそれぞれ外側に向かって曲げられている。主基体113の開放側(図7の右側)壁面の上下端には、三方を折り曲げて構成される取付板114が取付ネジ122により取り付けられている。この取付板114の開閉カバー体112側に位置する折り曲げ部が調節ネジ当接部121を形成している。また、取付板114の外側面上下には、引張装置110を閉塞したときに、閉塞した状態で固定させるための前記係止金具120が取り付けられている。
一方、主基体113の支点側(図7の左側)壁面の上部には、ギアヘッド124を介してモータ123が装着されており、同じく支点側壁面の下部には、ベアリング126を介して前記主ローラ125が軸支されている。なお、ベアリング126は、図示しないが、開放側壁面にも装着されており、主ローラ125は、これら両側方のベアリング126によって軸支されている。また、前記ギアヘッド124には、出力軸(図示しない)が主基体113の支点側壁面の外側に突出しており、この出力軸の軸端には、駆動プーリ127が固着されている。また、前記主ローラ125を軸支するシャフト(図示しない)が、主基体113の支点側壁面の外側に突出しており、このシャフトの軸端には、従動プーリ128が固着されている。そして前記駆動プーリ127と従動プーリ128との間には、タイミングベルト129が掛け渡されている。したがって、モータ123が駆動されることにより、駆動プーリ127,タイミングベルト129及び従動プーリ128を経由して駆動力が伝達され、主ローラ125が回転駆動せしめられることとなる。なお、主ローラ125の外周には、布ベルト20との摩擦力を強めるためにダイヤカット加工が施されている。
また、主基体113の背面側上部には、布ベルト20を挿通するためのガイド部材115が左右対称に設けられている。このガイド部材115は、上方部分が断面コの字状に折り曲げられて折曲部116が形成され、このコの字状部分に布ベルト20が挿通し、布ベルト20を左右からガイドするものである。また、このガイド部材115の下方には、L字状の連結片(図示しない)が主基体113の左右に取り付けられている。この連結片の起立した面には、上下2箇所のスライド長穴(図示しない)が穿設されており、このスライド長穴は、取付片117に対して主基体113を上下摺動可能に取り付けるためのものである。この取付片117は、断面コの字状に形成され、その折り曲げ部分には、引張装置110全体をガイドレール11に取り付けるための取付ネジ(図示しない)が挿通する取付溝119及び取付長穴(図示しない)が形成されている。また、取付片117の折り曲げ部分の内側寸法は、ガイドレール11の幅寸法とほぼ同じ間隔で形成されている。この取付片117の主基体113側の面には、やはり断面コの字状に形成される連結部材118が接合されており、この連結部材118の起立した面には、ネジ穴(図示しない)が上下2箇所穿設されている。しかして、前記連結片に穿設されたスライド長穴に取付ネジを挿通し、この取付ネジを連結部材118のネジ穴に螺着することにより、取付片117が主基体113に対して取り付けられることとなる。このとき、上記したように、主基体113は、取付片117に対してスライド長穴の長さ分だけ上下方向にスライド可能な状態に取り付けられる。
しかして、前記取付片117をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付片117に形成される取付溝119をガイドレール11の側面に螺合されるボルト(図示しない)に係止した後、そのボルトを締め付けることにより引張装置110がガイドレール11に固定されることとなる。このとき、前述のように、取付片117に対して主基体113が上下摺動可能に取り付けられているため、引張装置110は、ガイドレール11に対してスライド長穴の長さ分だけ上下摺動自在に取り付けられることとなる。
一方、開閉カバー体112は、開閉カバー体112の基体をなすカバー基体140に、各部品が集約して取り付けられるものである。カバー基体140は、後方が開放したボックス状に形成され、その内側面の左右方向ほぼ中央の上下2箇所に支持部材143が固着されている。この2箇所の支持部材143の間には、ローラ取付板141が、支持部材143に挿通される支軸142によって揺動自在に軸支されている。このローラ取付板141は、一面が開放したボックス状に形成され、開放面側には、ゴム製の円柱材で形成された前記圧接ローラ144,145が回転自在に軸支されている。また、ローラ取付板141の両側面で、圧接ローラ144と圧接ローラ145との間には、開閉カバー体112を閉塞した場合に主ローラ125が位置する主ローラ嵌入部146が形成されている。
前記一方の圧接ローラ144には、ビス(図示しない)が埋設されており、これに対応してローラ取付板141の底面部には、スリップ検知センサ147がセンサ台148を介して取り付けられている。また、カバー基体140の開放側端部の上下には、開閉カバー体112を閉じた際に係止金具120が係合する係止片149が、取付ネジ150により取り付けられている。そして、開閉カバー体112を取付主体111に対して閉じた状態においては、主ローラ125の斜め上下に圧接ローラ144,145が位置している。
また、カバー基体140の開放側端部の上下には、開閉カバー体112を閉塞した際の、開閉カバー体112の端部と取付主体111の端部との隙間を調整するための調節ネジ(図示しない)が設けられている。この調節ネジは、開閉カバー体112端部に穿設されたネジ穴(図示しない)に螺着されるものであり、開閉カバー体112を閉塞した際に、調節ネジの先端部分が取付主体111の前記調節ネジ当接部121に当接するようになっている。また、調節ネジのネジ頭とカバー基体140との間には、調節ネジを固定するための固定ナット(図示しない)が調節ネジに螺合している。
上記のように構成される引張装置110では、任意の厚さの布ベルト20をその厚さに応じて開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法を適正に調整しながら引張装置110に装着することができるが、以下にその手順について説明する。まず、開閉カバー体112を開放し、調節ネジを固定している固定ナットを緩めた後、調節ネジをカバー基体140から外れない程度に十分に緩める。次に、布ベルト20を取付主体111の主ローラ125の前面側に垂らした後、開閉カバー体112を係止金具120で閉塞する。開閉カバー体112を閉塞した状態で、調節ネジの先端が調節ネジ当接部121に当接するまで調節ネジを締め込む。調節ネジの先端が調節ネジ当接部121に当接した位置で、緩めてあった固定ナットを締め付けて調整ねじを固定する。これにより、挟持した布ベルト20の厚さに応じた、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法が決定する。これにより、係止片149に係止金具120を係止させるだけで開閉カバー体112が取付主体111に固定され、布ベルト20が引張装置110に最適な状態で装着されることとなる。このとき、挟持される布ベルト20が厚さの薄いものの場合には、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法は小さくなり、調節ネジは、深く締め込まれることがない。一方、挟持される布ベルト20が厚さの厚いものの場合には、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法は大きくなり、調節ネジが深く締め込まれることとなる。このように、調節ネジの締め込みの程度により、任意の厚さの布ベルト20を装着することができる。
ここで、前述のように、厚さの厚い布ベルト20を挟持した場合、取付主体111に対して開閉カバー体112が角度を持って固定されることになる。このため、従来品のような圧接ローラ144,145が開閉カバー体112に対して平行に固着されている場合、圧接ローラ144,145が主ローラ125に対して角度を持って固定されてしまうことになる。この状態で布ベルト20を送出した場合、布ベルト20全体に均等に圧力がかからないため、布ベルト20が左右方向にずれてしまう。しかし、本実施形態における圧接ローラ144,145は、開閉カバー体112に対し揺動自在に軸支されているため、取付主体111に対して開閉カバー体112が角度を持って固定された場合でも、開閉カバー体112を閉塞した際、圧接ローラ144,145は、主ローラ125に追従し、主ローラ125に対して平行に押圧されることとなる。このため、布ベルト20を送出した場合、布ベルト20全体に均等に圧力が加わり、布ベルト20が左右方向にずれることがない。
上記のように構成される引張装置110は、後述する停止装置160が非停止状態となっているときに、モータ123が回転状態になると、主ローラ125と圧接ローラ144,145とによって蛇行状に挟持される布ベルト20が各ローラ72,84,85の圧接力により布ベルト20を引っ張って下方に移動させることとなる。このとき、圧接ローラ144に埋設されたビスの回転をスリップ検知センサ147で検出することにより、圧接ローラ144の回転数を検知し、回転数所定値以上になる、もしくは、モータ123の回転時間が所定時間以上になったらモータ123を停止状態にすることができる。この圧接ローラ144の回転数が所定値以下でモータ123が停止した場合には、スリップ等により布ベルト20が正常に引っ張られていない場合であるので、その異常信号は外部に出力され、引張装置110の異常を報知するようになっている。
次に、停止装置160について、図1及び図8を参照して説明する。図8は、停止装置160を開放した状態を示す斜視図である。
図1において、停止装置160は、ガイドレール11の裏面下部に取り付けられている。この停止装置160は、図8に示すように、電磁クラッチ機構172及び主ローラ170が固着される取付主体161と、該取付主体161に対して取付ネジ201で固着される支軸(図示しない)を中心として開閉自在に設けられ且つ圧接ローラ195,196が揺動自在に軸支される開閉カバー体162と、から構成され、開閉カバー体162を開放した状態で布ベルト20を主ローラ170の前面側に垂らした後、開閉カバー体162を閉じて係止金具173によって施錠することにより布ベルト20を主ローラ170と圧接ローラ195,196とで蛇行状に挟持する構造となっている。
取付主体161は、主ローラ170をそのほぼ中央に水平状に軸支される主基体163と、電磁クラッチ機構172を被覆する支持基体164とから構成されている。主基体163は、主ローラ170を水平方向に軸支するためにその両サイドに軸支側板175,176を有し、その一方の軸支側板175の裏面に電磁クラッチ機構172がビス止めされると共に、該電磁クラッチ機構172を被覆するようにコ字状に形成された支持基体164が軸支側板175の上下に外側に向かって突設される取付片に取付ネジ165で止着固定されている。また、他方(開放側)の軸支側板176には、上下に一対の係止金具173が設けられている取付板166が該軸支側板176の上下に外側に向かって突設される取付片に取付ネジ167で止着固定されている。更に、軸支側板176の前方には、調節ネジ当接部168が外側に向かって突設されている。この軸支側板176と取付板166との間には、空間が形成されるが、この空間内には、主ローラ170の一方の端部が突出して収納されている。
また、主基体163の軸支側板175,176には、そのほぼ中央にベアリング171が固着され、そのベアリング171に主ローラ170が回転自在に軸支されている。主ローラ170の他端は、軸支側板175のベアリング171を貫通して電磁クラッチ機構172に連結されている。この電磁クラッチ機構172は、通電時に主ローラ170の回転が許容されるようになっており、非通電時に主ローラ170の回転が禁止されるようになっている。なお、主ローラ170は、金属製の円柱材によって形成され、その外周面にダイヤカット等の加工が施されて布ベルト20を圧着したときに、その間の摩擦力が大きくなるようになって布ベルト20の移動を確実に防止するようになっている。
更に、主基体163には、その裏面側に一対の取付片169が突設されている。この一対の取付片169の内側寸法は、前記ガイドレール11の横幅寸法とほぼ同じ間隔で形成され、該取付片169をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付片169のほぼ中央に形成される取付溝174をガイドレール11の側面に螺合される取付ネジ(図示しない)に係止した後、その取付ネジを締着することにより、停止装置160をガイドレール11に固定している。なお、主基体163の上辺は、内側に折り曲げられており、その前方に布ベルト20が挿入される布ベルト挿入部が構成されるが、この布ベルト挿入部の間隔は、極めて小さく形成され、例えば、上方から落下するパチンコ玉や大きめの異物等が停止装置160の内部に侵入しないようにして停止装置160の作動状態が長期間に亘ってスムーズに行われるようになっている。
一方、開閉カバー体162は、開閉カバー体162の基体をなすカバー基体190に、各部品が集約して取り付けられるものである。カバー基体190は、後方が開放したボックス状に形成され、その内側面の左右方向ほぼ中央の上下2箇所に支持部材(図示しない)が固着されている。この2箇所の支持部材の間には、ローラ取付板194が、支持部材に挿通される支軸(図示しない)によって揺動自在に軸支されている。このローラ取付板194は、一面が開放したボックス状に形成され、開放面側には、ゴム製の円柱材で形成された前記圧接ローラ195,196が回転自在に軸支されている。また、ローラ取付板194の両側面で、圧接ローラ195と圧接ローラ196との間には、開閉カバー体162を閉塞した場合に主ローラ170が位置する主ローラ嵌入部197が形成されている。そして、開閉カバー体162を取付主体161に対して閉じた状態においては、主ローラ170の斜め上下に圧接ローラ195,196が位置している。
また、開閉カバー体162の開放側端部の上下には、開閉カバー体162を閉塞した際の、開閉カバー体162の端部と取付主体161の端部との隙間を調整するための調節ネジ202が設けられている。この調節ネジ202は、開閉カバー体112端部に穿設されたネジ穴(図示しない)に螺着されるものであり、開閉カバー体162を閉塞した際に、調節ネジ202の先端部分が取付主体161の前記調節ネジ当接部168に当接するようになっている。また、調節ネジ202のネジ頭とカバー基体190との間には、調節ネジ202を固定するための固定ナット203が調節ネジ202に螺合している。
上記のように構成される停止装置160では、任意の厚さの布ベルト20をその厚さに応じて開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法を適正に調整しながら停止装置160に装着することができるが、以下にその手順について説明する。まず、開閉カバー体162を開放し、調節ネジ202を固定している固定ナット203を緩めた後、調節ネジ202をカバー基体190から外れない程度に十分に緩める。次に、布ベルト20を取付主体161の主ローラ170の前面側に垂らした後、開閉カバー体162を係止金具173にて閉塞する。開閉カバー体162を閉塞した状態で、調節ネジ202の先端が調節ネジ当接部168に当接するまで調節ネジ202を締め込む。調節ネジ202の先端が調節ネジ当接部168に当接した位置で、緩めてあった固定ナット203を締め付けて調節ネジ202を固定する。これにより、挟持した布ベルト20の厚さに応じた、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法が決定する。これにより、後述する係止片199に係止金具173を係止させるだけで開閉カバー体162が取付主体161に固定され、布ベルト20が停止装置160に最適な状態で装着されることとなる。このとき、挟持される布ベルト20が厚さの薄いものの場合には、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法は小さくなり、調節ネジ202は、深く締め込まれることがない。一方、挟持される布ベルト20が厚さの厚いものの場合には、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法は大きくなり、調節ネジ202が深く締め込まれることとなる。このように、調節ネジ202の締め込みの程度により、任意の厚さの布ベルト20を装着することができる。
ここで、前述のように、厚さの厚い布ベルト20を挟持した場合、取付主体161に対して開閉カバー体162が角度を持って固定されることになる。このため、従来品のような圧接ローラ195,196が開閉カバー体162に対して平行に固着されている場合、圧接ローラ195,196が主ローラ170に対して角度を持って固定されてしまうことになる。この状態で布ベルト20を送出した場合、布ベルト20全体に均等に圧力がかからないため、布ベルト20が左右方向にずれてしまう。しかし、本実施形態における圧接ローラ195,196は、開閉カバー体162に対し揺動自在に軸支されているため、取付主体161に対して開閉カバー体162が角度を持って固定された場合でも、開閉カバー体162を閉塞した際、圧接ローラ195,196は、主ローラ170に追従し、主ローラ170に対して平行に押圧されることとなる。このため、布ベルト20を送出した場合、布ベルト20全体に均等に圧力が加わり、布ベルト20が左右方向にずれることがない。
しかして、主ローラ170と圧接ローラ195,196とで布ベルト20を挟持したときには、布ベルト20が蛇行状となるように挟持される。このため、主ローラ170の回転が電磁クラッチ機構172によって停止されているときには、確実に布ベルト20の移動が停止されることとなる。また、圧接ローラ195,196がゴム製の軟質材によって構成されているので、布ベルト20に付着した微小な異物がそのまま主ローラ170と圧接ローラ195,196との間に巻き込まれても、圧接ローラ195,196のゴムの弾性力により異物が吸収されて回転の邪魔となることはない。
開閉カバー体162には、上記した構成以外に、その背面に布ベルト接触片198が設けられ、その上面に布ベルト20の両側端部がガイドされる折曲部192を有するガイド部材191が取付ネジ193により止着され、その開放側側面にバックルタイプの前記係止金具173と係合されて施錠する係止片199が取付ネジ200により止着されている。このうち、布ベルト接触片198は、以下のような構成及び作用を呈するものである。
即ち、前記開閉カバー体112の背面両側には接触片支持部材(図示しない)が設けられ、この接触片支持部材に対して一端が常に布ベルト20に接触している布ベルト接触片198が揺動自在に軸支されている。また、開閉カバー体162の背面中央部には、開口(図示しない)が開設され、該開口に位置検出センサ(図示しない)の検出片(図示しない)が臨むようになっている。この位置検出センサは、検出片が布ベルト接触片198と接触したときに位置検出センサの突起(図示しない)を押圧することにより布ベルト接触片198の位置を検出するものである。そして、収納装置19に収納された布ベルト20は、布ベルト接触片198に接触して布ベルト接触片198を開閉カバー体162の背面に当接した垂直状態としつつ、開閉カバー体162の上面のガイド部材191の折曲部192に案内されて、停止装置160の上部に形成される前記布ベルト挿入部に挿入されて引き出された後、ガイドレール11の下部から上部にかけて回装される。なお、ガイド部材191は、開閉カバー体162の上面に設けたが、布ベルト挿入部の前方であれば、どこに設けてもよい。
上記のように構成される停止装置160の作用について説明する。まず、通常の状態(収納装置19に布ベルト20がある場合)においては、停止装置160に回装される布ベルト20の張力により、布ベルト20と接触する布ベルト接触片198の一端が引き上げられて、布ベルト接触片198は垂直状に保持されるので、位置検出センサにより布ベルト接触片198の接触が検知される。しかし、収納装置19に収納された布ベルト20が最後まで使用され、その終端が収納装置19から開放されたとき(収納装置19に布ベルト20がなくなった状態)には、停止装置160に回装される布ベルト20の張力が緩み、布ベルト20と接触する布ベルト接触片198の一端を引き上げることができなくなるため、布ベルト接触片198は自重により傾斜方向に揺動する。すると、位置検出センサは布ベルト接触片198の接触を検知しなくなるから、その旨の信号が外部に導出される。従って、本実施形態に係る停止装置160は、収納装置19の布ベルト20が最後まで使用されたことを検知して外部に報知し、布ベルト20の交換を促すことができる。
また、布ベルト20が停止装置160に挿入される際に、布ベルト20の進行方向のズレを補正するガイド部材191の折曲部192に沿って導入されるので、例えば、布ベルト20が収納装置19内の偏った位置に収納されていたときに布ベルト20が停止装置160に対して斜め方向に侵入した場合であっても、ガイド部材191の折曲部192によって布ベルト20が主ローラ170及び圧接ローラ195,196に対して斜めに侵入せず、正確な状態で侵入するので、結果的に巻取装置60に巻き取られるまで布ベルト20が所定の正確な位置を保持するという利点を有するものである。
なお、上記した実施形態の場合、布ベルト20が最後まで使用されたことが検知されて外部に報知され、この報知により、ガイドレール11等を開閉して布ベルト20の交換をするものであるが、布ベルト20を交換する際に、ガイドレール11等の開閉を行うことなく作業をすることもできる。このための構成と作用について、図9を参照して説明する。図9は、使用済みの布ベルト20と未使用の布ベルト20aをジョイント金具220により連結する状態を示す斜視図である。
図において、使用済みの布ベルト20の嵌挿部80と未使用の布ベルト20aの嵌挿部80aとがジョイント金具220により、連結し得るようになっている。ジョイント金具220は、一対の係止片221により横長のC字状に形成され、係止片221の先端には、返し部222がそれぞれ形成されている。また、ジョイント金具220の断面形状は、縦長のC字状に形成され、その外周面及び内周面は曲面状に形成されて曲面部223を構成している。このジョイント金具220の係止片221をそれぞれ布ベルト20の嵌挿部80及び布ベルト20aの嵌挿部80aに挿通することにより、布ベルト20の嵌挿部80及び布ベルト20aの嵌挿部80aが係止片221に連結係止された状態となるので、新旧の布ベルト20及び20aを容易に連結することができる。このとき、ジョイント金具220の先端部分には鍵状の返し部222が形成されているため、連結係止された布ベルト20,20aが容易に抜けないようにして連結状態を確実にしている。
上記のような構成により、玉磨き揚送装置1が駆動されてガイドレール11に装着されている布ベルト20の終端部付近にまで汚れが付着し、その交換が必要になった場合でも、使用済みの布ベルト20aの終端部をジョイント金具220により未使用の布ベルト20aの始端部に連結することにより、新旧の布ベルト20及び20aがガイドレール11の前面に連続的に供給される。従って、使用済みの布ベルト20を前記巻取機構部22により巻き取るだけで、未使用の布ベルト20aをガイドレール11に装着することができるので、ガイドレール11を開閉することなく容易に新旧の布ベルト20,20aを交換することができる。また、ガイドレール11の上下端にはゴム製のローラ(上端のローラは、前記ローラ33)が取り付けられているので、新旧の布ベルト20,20aが連続的に装着される際にも、ガイドレール11の上下端部分でジョイント金具220が引っかかることはなく、新旧の布ベルト20,20aをスムーズに装着することができる。また、前述のように、ジョイント金具220には曲面部223が形成されており、ジョイント金具220が前記ローラの外周上を周回する際に、曲面部223がローラ外周に沿って周回するため、ジョイント金具220がスムーズにローラの外周上を周回し、新旧の布ベルト20,20aをよりスムーズに装着することができる。また、曲面部223が形成されることにより、曲げに対する強度が増し、外力によって変形することを防止することができる。
なお、布ベルトは、ロール状の布ベルト20,20aではなく、ガイドレール11よりもやや長く形成されたものであって、1回毎に交換し得る布ベルトであってもよい。
以上、実施形態に係る巻取装置60,引張装置110及び停止装置160について詳細に説明してきたが、図1において、巻取装置60の開閉カバー63,引張装置110の開閉カバー体112及び停止装置160の開閉カバー体162は、向かって右側が開口するものである。また、玉磨き揚送装置1がパチンコ島台(図示しない)に設置された際、図1において、玉磨き揚送装置1に向かって右側がパチンコ島台の開放側となり、向かって左側にはパチンコ島台の壁面が位置している。したがって、開閉操作により開口される開口方向がすべての装置で同一方向であるため、巻取装置60の布ベルト20の着脱作業,引張装置110の布ベルト20の挟持作業及び停止装置160の布ベルト20の挟持作業は、すべてパチンコ島台の開放側から行うこととなる。このため、玉磨き揚送装置1の布ベルト20の着脱に係る一連の作業を、玉磨き揚送装置1をパチンコ島台から取り外すことなく行うことができる。これは、従来、玉磨き揚送装置1に取り付けられる巻取装置,引張装置及び停止装置の布ベルト着脱の開口方向が、装置の種類によってまちまちであったため、布ベルトの着脱作業が煩雑であったという問題点に対応するものである。即ち、例えば、巻取装置の場合には布ベルトの着脱の方向が巻取装置の上下方向に行う形状のものや、また、引張装置や停止装置の場合には開閉カバー体を上下方向に開閉して布ベルトの挟持作業を行う形状のものなどがあった。これらのような形状のものの場合、布ベルトを装着する際に、それぞれの装置によって布ベルトの装着方向が異なるばかりでなく、装着された布ベルトを途中で抜き取るためには、布ベルトの始端部又は終端部まで引っ張り出してこれら装置から取り外さなければならなかったため、玉磨き揚送装置全体をパチンコ島台から取り外さなければ作業を行えない場合があった。本実施形態においては、上記の問題点に鑑み、玉磨き揚送装置1に取り付けられる巻取装置60の開閉カバー63,引張装置110の開閉カバー体112及び停止装置160の開閉カバー体162の開閉操作により開口する方向をすべて同一の方向とし、しかもその方向を玉磨き揚送装置1のパチンコ島台における開放側とすることにより、玉磨き揚送装置1をパチンコ島台から取り外すことなく、一方向から玉磨き揚送装置1の布ベルト20の着脱に係る一連の作業を行うことができるようにしたものである。これにより、巻取装置60の開閉カバー63,引張装置110の開閉カバー体112及び停止装置160の開閉カバー体162が布ベルト20の長手方向に対して略垂直方向に開口されることになり、何らかのトラブルで全て使用されていない布ベルトを取り外す場合、布ベルトの始端部又は終端部まで引っ張り出してこれら装置から取り外さなくても、略垂直方向の開口から全ての布ベルトを取り外すことができる。
以上、実施形態に係る玉磨き揚送装置1の巻取機構部22及び装着機構部23について詳細に説明してきたが、本実施形態においては、搬送ベルト13と玉磨き用の有端状の布ベルト20を対面させてパチンコ玉を磨きながら揚送する玉磨き揚送装置1において、該玉磨き揚送装置1の背面側に、モータ70の駆動により使用済みの布ベルト20の一端を順次ロール状に巻き取る巻取機構部22,60と、使用前の布ベルト20の他端を装着する装着機構部23と、を配設し、前記巻取機構部22,60には、布ベルト20の端部を係着して布ベルト20をモータ70の駆動によりロール状に巻き取る巻取軸64と、該巻取軸64にロール状に巻き取られる布ベルト20の両側端に位置すると共に、回転可能に支持されるサイドカバー65,66と、を設けたことを特徴とするものである。このように構成することにより、布ベルト20巻き取り時、巻取軸64方向にずれたままロール状に巻き取られた布ベルト20の側端面が外側に位置するサイドカバー65,66に接触しても、サイドカバー65,66もロール状の布ベルト20と共に回転するため、ロール状の布ベルト20とサイドカバー65,66との間の摩擦抵抗を少なくすることができ、モータに負担がかかることを防止して布ベルト20の巻取作業をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態においては、前記サイドカバー65,66は、前記巻取軸64に対して回転可能に支持されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、ロール状の布ベルト20とサイドカバー65,66との間の摩擦抵抗をより少なくすることができるため、モータ70にかかる負担を更に軽減して布ベルト20の巻取作業をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態においては、前記サイドカバー65,66は、前記巻取軸64に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とするものである。このように構成することにより、ロール状に巻き取られた使用済みの布ベルト20を巻取軸64方向に簡単に抜き取ることができる。
また、本実施形態においては、搬送ベルト13と玉磨き用の有端状の布ベルト20を対面させてパチンコ玉を磨きながら揚送する玉磨き揚送装置1において、該玉磨き揚送装置1の背面側に、モータ70の駆動により使用済みの布ベルト20の一端を順次ロール状に巻き取る巻取機構部22,60と、使用前の布ベルト20の他端を装着する装着機構部23と、を配設し、前記巻取機構部22,60には、前記布ベルト20の端部に形成される嵌挿部80が嵌挿され且つモータ70の駆動力が伝達されて回転する巻取軸64と、該巻取軸64と共に回転して前記巻取軸64に嵌挿した前記嵌挿部80を係止することにより前記布ベルト20を前記巻取軸64に巻き取る係止片78と、を設けたことを特徴とするものである。このように構成することにより、布ベルト20を巻き取る際に、布ベルト20の嵌挿部80を巻取軸64に嵌挿して巻取軸64を回転させることで、嵌挿部80が係止片78により係止されて巻取軸64に巻き取られ、布ベルト20が順次ロール状に巻き取られる。このため、布ベルト20を巻き取る際の布ベルト20の取付作業は、巻取軸64に布ベルト20の嵌挿部80を嵌挿するだけで完了するため簡単に行うことができ、使用済みの布ベルト20の巻取作業をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態においては、搬送ベルト13と玉磨き用の有端状の布ベルト20を対面させてパチンコ玉を磨きながら揚送する玉磨き揚送装置1において、該玉磨き揚送装置1の背面側に、使用済みの布ベルト20の一端を順次ロール状に巻き取る巻取機構部22,60と、使用前の布ベルト20の他端を装着する装着機構部23と、を配設し、前記巻取機構部22,60には、前記布ベルト20の端部が係着されると共に前記モータ70の駆動力が伝達されて回転する巻取軸64と、該巻取軸64に巻き取られた前記布ベルト20のロール径の変化に対応して巻取量を調節する巻取量調節手段と、を設けたことを特徴とするものである。このように構成することにより、ロール状に巻き取られた布ベルト20のロール径が大きくなるに従って増していく布ベルト20の巻取量を調節することができるため、適切な速度で使用済みの布ベルト20を巻き取るように設定することができる。
また、本実施形態においては、前記巻取機構部22は、モータ123の駆動力により前記使用済みの布ベルト20を引っ張る引張装置110と、該引張装置110で引っ張られた前記布ベルト20をモータ70の駆動力によりロール状に巻き取る巻取装置60と、から構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、引張装置110から送出される布ベルト20をロール径の変化に関わらず適切に巻き取ることができ、使用済みの布ベルト10の巻取作業をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態においては、前記巻取量調節手段は、前記モータ70の軸に固着される駆動プーリ85と、前記巻取軸64に固着される従動プーリ86と、前記駆動プーリ85と前記従動プーリ86との間に掛け渡されるスリップベルト87と、から構成され、前記スリップベルト87は、前記巻取装置60の前記モータ70駆動時に、前記巻取装置60の布ベルト20巻取量が前記引張装置110の布ベルト20引張量以下の場合に前記プーリ85,86上をスリップすることなく前記モータ70の駆動力を巻取軸64に伝達し、前記巻取装置60の布ベルト20巻取量が前記引張装置110の布ベルト20引張量を超えた場合に前記プーリ85,86上をスリップして前記モータ70の駆動力の一部あるいはすべてを巻取軸64に伝達しないことを特徴とするものである。このように構成することにより、巻取装置60の布ベルト20のロール径が大きくなるに従って増していく布ベルト20の巻取量を引張装置110の引張量に対応してスリップベルト87がモータ70の駆動力を巻取軸64に伝達又は非伝達して調節するため、簡単な機構で巻取量を調節することができる。
更に、本実施形態においては、搬送ベルト13と玉磨き用の有端状の布ベルト20を対面させてパチンコ玉を磨きながら揚送する玉磨き揚送装置1において、該玉磨き揚送装置1の背面側に、モータ70の駆動により使用済みの布ベルト20の一端を順次ロール状に巻き取る巻取機構部22,60と、使用前の布ベルト20の他端を装着する装着機構部23と、を配設し、前記巻取機構部22,60は、前記使用済みの布ベルト20の着脱時に開閉する開閉カバー63を備え、前記装着機構部23は、前記使用前の布ベルト20の着脱時に開閉する開閉カバー体162を備え、前記巻取機構部22,60の開閉カバー63と前記装着機構部23の開閉カバー体162の開閉操作により前記布ベルト20の着脱作業を同一方向から行えることを特徴とするものである。このように構成することにより、巻取機構部22,60の布ベルト20の着脱作業及び装着機構部23の布ベルト20の着脱作業をすべて同一方向から行うことができ、布ベルト20の着脱に係る作業をスムーズに行うことができる。例えば、玉磨き揚送装置1がパチンコ島台に内設されている場合、玉磨き揚送装置1を点検する点検扉側から巻取機構部22,60と装着機構部23の開閉カバー63,162と開閉カバー体112,162の開閉操作により布ベルト20の着脱作業を行えるようにすれば、パチンコ島台に内設されていても作業をスムーズに行うことができる。
なお、上記した実施形態において、巻取機構部22は、巻取装置60及び引張装置110により構成されるものを示したが、巻取装置22のみで構成されるものであってもよい。
また、上記した実施形態において、巻取量調節手段は、駆動プーリ85,従動プーリ86及びスリップベルト87により構成されるものを示したが、布ベルト20のロール径の変化を検知し、検知結果を基にモータ70の回転速度を変化させるものや、布ベルト20の巻取経過時間によりモータ70の回転速度を変化させるものであってもよい。
また、上記した実施形態において、巻取量調節手段は、スリップベルト87が駆動プーリ85あるいは従動プーリ86に対してスリップするものを示したが、駆動プーリ85がモータ70の出力軸に対してスリップしたり、従動プーリ86が巻取軸64に対してスリップするものであってもよい。
また、上記した実施形態において、巻取機構部22及び装着機構部23は、ガイドレール11に取り付けられているものを示したが、玉磨き揚送装置1の背面側であればガイドレール11に取り付けられていなくてもよく、例えば、パチンコ島台の支柱に取り付けられるものであってもよい。
また、上記した実施形態において、玉揚送装置1の上部に巻取機構部22を、下部に装着機構部23を取り付けたものを示したが、巻取機構部22と装着機構部23とを上下逆に取り付けて布ベルト20が逆方向に旋回するようにしてもよい。
また、上記した実施形態において、ロール状に巻かれて収納装置19に収納される布ベルト20を装着するものを示したが、ロール状の布ベルトに限らず、例えば、九十九折り状の布ベルトであってもよい。
また、上記した実施形態において、布ベルト20を装着するものを示したが、布製に限らず、同様に研磨・巻取りが可能なものであれば樹脂製や紙製等でもよい。
また、上記した実施形態において、布ベルト20は、ガイドレール11の全長に亘って掛け渡されるものを示したが、上下に分離して揚送部と揚送研磨部とから構成されるようなガイドレールで、揚送研磨部にのみ布ベルトが掛け渡されているような構造のものであってもよい。この場合、揚送部と揚送研磨部の上下位置は、いずれが上であっても下であってもよい。
また、上記した実施形態において、巻取機構部22,装着機構部23は、ガイドレール11の背面側に装着されるものを示したが、ガイドレール11の背面側に装着されるものに限らず、ガイドレール11の上部に装着されて布ベルト20を順次送出する構造のものであってもよい。
更に、上記した実施形態において、サイドカバー65,66は、巻取軸64に軸支されているものを示したが、ロール状に巻き取られる布ベルトの両側端に位置するものであれば、開閉カバー63やベース部材61に軸支されるものであってもよい。