JP5471827B2 - 玉磨き揚送装置の研磨ベルト - Google Patents

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本発明は、玉磨き揚送装置の揚送筒に対向して設けられるガイドレールカバーの前面に配置されると共に、前記揚送筒を周回する搬送ベルトと対面して配置されて当該搬送ベルトとの間でパチンコ玉を磨きながら挟持揚送する玉磨き揚送装置の研磨ベルトに関するものである。
従来、搬送ベルトと研磨ベルトとを対面させてパチンコ玉を研磨揚送する玉磨き揚送装置において、研磨ベルトは玉磨き揚送装置の背面のガイドレールカバーに装着されるものであるため、使用により研磨ベルトに汚れが付着してその交換が必要になった場合には、その都度、ガイドレールカバーを開閉して交換作業を行うものであった。しかしながら、この構成では、研磨ベルトを交換する場合、パチンコ島台内部の狭い空間でガイドレールカバーを開放し、その状態で使用済の研磨ベルトを玉磨き揚送装置から取り外した後、未使用の研磨ベルトを玉磨き揚送装置に取り付けるという交換作業を行う必要があり、研磨ベルトを交換する際の作業性が悪かった。そこで、本願の出願人は、特開平10−328401号公報(特許文献1)において、ガイドレールカバーを開閉することなく、交換作業を行うことができる研磨ベルトを提案した。
具体的には、図12(A)に示すように、研磨ベルト100の終端部の一側面及び始端部の他側面に、それぞれファスナー部101a,101bを一体的に取り付けると共に、研磨ベルト100のファスナー部101a(正確には、使用済の研磨ベルトのファスナー部101a),101b(正確には、未使用の研磨ベルトのファスナー部101b)と係合するファスナー部111a,111bを上端側の一側面及び下端側の他側面に有する面ファスナー110を用意する。そして、図12(B)に示すように、使用済の研磨ベルト100(以下、これを研磨ベルト100Aともいう)の終端部に設けられたファスナー部101aと面ファスナー110上端のファスナー部111aとを係合すると共に、未使用の研磨ベルト100(以下、これを研磨ベルト100Bともいう)の始端部に設けられたファスナー部101bと面ファスナー110下端のファスナー部111bとを係合することで、使用済の研磨ベルト100Aと未使用の研磨ベルト100Bとを面ファスナー110を介して連結する。その後は、新旧の研磨ベルト100A,100Bを連結した面ファスナー110を玉磨き揚送装置を構成する巻取機構部の位置まで巻き取り、この状態から面ファスナー110を取り外して各研磨ベルト100A,100Bの連結を解除し、新たに未使用の研磨ベルト100Bを巻取機構部に取り付けることで、ガイドレールカバーを開閉することなく研磨ベルト100の交換作業が行えるようになっていた。
また、特許文献1には、上記した図12に示す面ファスナー110以外にも、図13(A),(B)に示すように、研磨ベルト120(120A,120B)の終端及び始端をそれぞれループ状に縫合することで袋縫部121を設け、これらの袋縫部121に対して横長C字状の連結係止具122を挿通して取り付けることで、連結係止具122を介して新旧の研磨ベルト120A,120Bを連結するようにした構成が開示されている。
また、研磨ベルトを巻き取る構成としては、特開2001−224822号公報(特許文献2)に開示されているように、ガイドレールカバーの裏面側に巻取装置を取り付けて、当該巻取装置で研磨ベルトを自動的に巻き取るようにしたものが提案されている。この巻取装置では、研磨ベルトの始端部を巻取装置の巻取軸に取り付け、この状態から巻取軸をモータで回転させることにより、研磨ベルトを巻取軸に巻き取っていくようになっている。
特開平10−328401号公報(図4、図6) 特開2001−224822号公報(図2)
ところで、上記特許文献1に開示されている研磨ベルトの連結構成、即ち、前述した図12及び図13に示すいずれの構成においても、特許文献2に開示されている巻取装置で研磨ベルトの巻き取りを行うようにするには、研磨ベルトの始端部を巻取装置の巻取軸に取り付けるために、連結部分となるその始端部に巻取軸挿入部(巻取軸を挿入するためのループ状の取付部)を設けると共に、当該巻取軸挿入部の横幅寸法を、研磨ベルト本体の横幅寸法、言い換えれば、ガイドレールカバーの前面(搬送ベルトと対向する側の面)に設けられるパチンコ玉の玉通路部の横幅寸法よりも狭くする必要がある。これは、巻取軸と、該巻取軸の一端側に設けられた係止片との隙間に巻取軸挿入部を挟み込むことで、研磨ベルトの始端部を巻取軸に取り付け固定するためである。
しかしながら、上記したように研磨ベルトの始端部となる連結部分を玉通路部の横幅寸法よりも狭くした場合、研磨ベルトを交換する際の巻取装置による研磨ベルトの巻き取りにおいて、搬送ベルトと研磨ベルトとの間に挟持した状態で残存しているパチンコ玉がある場合に、その残ったパチンコ玉が研磨ベルトの連結部分(幅狭始端部)と玉通路部との間に生じる隙間から研磨ベルトの裏面(搬送ベルトと反対側の面)に入り込んでしまう虞がある。そして、研磨ベルトの裏面にパチンコ玉が入り込んだ状態で、玉磨き揚送装置を駆動させてしまうと、研磨ベルト裏面のパチンコ玉が研磨揚送されるパチンコ玉の移動を阻害することで玉磨き揚送装置の故障を招来するという問題が生じる。
本発明は上記した事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、巻取装置によって研磨ベルトの巻き取りを行うと共に、新旧の研磨ベルトを連結して研磨ベルトの交換を行う構成において、研磨ベルト裏面へのパチンコ玉の入り込みに起因する玉磨き揚送装置の故障を防止することができる玉磨き揚送装置の研磨ベルトを提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の発明においては、玉磨き揚送装置の揚送筒に対向して設けられるガイドレールカバーの前面に配置されると共に、前記揚送筒を周回する搬送ベルトと対面して配置されて当該搬送ベルトとの間でパチンコ玉を磨きながら挟持揚送する玉磨き揚送装置の研磨ベルトにおいて、前記玉磨き揚送装置は、ロール状の未使用の前記研磨ベルトを収納する収納装置と、前記研磨ベルトの始端部分が取り付けられる巻取軸を有すると共に該巻取軸を回転させて使用済の前記研磨ベルトを巻き取る巻取機構部と、を備え、前記ガイドレールカバーの前面には、揚送するパチンコ玉を案内するためのガイドレール溝が複数列区画形成された玉通路部が設けられ、前記研磨ベルトの始端部には、始端係合面を備えた始端面ファスナーが前記始端部から延設され、前記研磨ベルトの終端部には、前記始端係合面との係合及び係合解除を可能にした終端係合面を備えた終端面ファスナーが前記終端部から延設され、前記始端面ファスナーは、前記研磨ベルトの横幅寸法よりも短く且つ2つ折りによって前記巻取軸が挿入される内包空間を有するループ状に形成される巻取軸挿入部を有し、前記終端面ファスナーは、その横幅方向の両端部と前記玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい値となる横幅寸法に設定され、前記終端面ファスナーの前記終端部からの延設寸法は、前記始端面ファスナーの前記始端部からの延設寸法と同一又はそれよりも長く設定されていることを特徴とする。
また、請求項2の発明においては、請求項1記載の玉磨き揚送装置の研磨ベルトにおいて、前記終端面ファスナーは、前記終端係合面が前記始端係合面と係合された状態で、前記終端係合面の裏面側が前記搬送ベルトと対向するように前記始端面ファスナーに連結されることを特徴とする。
また、請求項3の発明においては、請求項1又は請求項2記載の玉磨き揚送装置の研磨ベルトにおいて、前記始端面ファスナーの先端側に設けられた前記巻取軸挿入部は、その横幅方向の両端部と前記玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きい値となる横幅寸法に設定され、該巻取軸挿入部に連続する前記研磨ベルトの始端部側となる部分は、その横幅方向の両端部と前記玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい値となる横幅寸法に設定されて、前記始端面ファスナーが凸形状に形成されている。
請求項1の発明においては、研磨ベルトを交換する場合、使用済の研磨ベルトの終端部に延設された終端面ファスナーの終端係合面を、未使用の研磨ベルトの始端部に延設された始端面ファスナーの始端係合面に係合させることで、新旧の研磨ベルトを連結させる。そして、研磨ベルトを玉磨き揚送装置の巻取機構部の位置まで巻き取り、この状態から終端係合面と始端係合面との係合を解除して、新たに未使用の研磨ベルトを巻取機構部に取り付けることで、ガイドレールカバーを開閉することなく研磨ベルトの交換作業が行える。
また、このとき、研磨ベルトの始端部における始端面ファスナーには、当該研磨ベルトの始端部分を巻取機構部の巻取軸に取り付けるための巻取軸挿入部が形成される一方、研磨ベルトの終端部における終端面ファスナーは、その横幅方向の両端部とガイドレールカバーの前面に設けられた玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい値となる横幅寸法に設定されている。このため、研磨ベルト始端の巻取軸挿入部を巻取軸に取り付けるために、当該巻取軸挿入部の横幅方向における両端部と玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きい値となるような場合でも、新旧の研磨ベルトを連結した状態では、玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法の終端面ファスナーが、巻取軸挿入部を備えた始端面ファスナーと重畳され、終端面ファスナー及び始端面ファスナーの重畳部分となる研磨ベルトの連結部分の横幅寸法は、終端面ファスナーの横幅寸法、即ち玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい寸法となる。従って、研磨ベルト始端に巻取軸挿入部を設けた構成において新旧の研磨ベルトを交換する場合でも、搬送ベルトと研磨ベルトとの間に挟持した状態で残ったパチンコ玉が、研磨ベルトの連結部分と玉通路部との間に生じる隙間から研磨ベルトの裏面(搬送ベルトと反対側の面)に入り込んでしまう不具合を回避することができ、結果として、研磨ベルト裏面へのパチンコ玉の入り込みに起因する玉磨き揚送装置の故障を防止することができる。
また、請求項2の発明においては、新旧の研磨ベルトを連結した状態で、終端面ファスナーの終端係合面の裏面側が搬送ベルトと対向する。これにより、研磨ベルトを交換する際の巻取機構部による研磨ベルトの巻き取りにおいて、搬送ベルトと研磨ベルトとの間に挟持した状態でパチンコ玉が残った場合でも、当該パチンコ玉は、玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法に形成された終端面ファスナー(終端係合面)の裏面側に当接することになる。言い換えれば、新旧の研磨ベルトを連結する際に始端面ファスナーの始端係合面からはみ出た状態となる終端面ファスナーの終端係合面は、搬送ベルトと研磨ベルトとの間に挟持した状態で残ったパチンコ玉と当接することがない。このため、パチンコ玉が終端係合面を押し込んで隙間をつくり、当該隙間から研磨ベルトの裏面に入り込んでしまう不具合を回避することができる。
また、請求項3の発明においては、始端面ファスナーを凸形状に形成することで、巻取軸挿入部の横幅寸法を玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きくなる寸法に設定する一方、巻取軸挿入部に連続する研磨ベルトの始端部側となる部分の横幅寸法を玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さくなる寸法に設定する。これにより、終端面ファスナーの終端係合面の先端側の部分を全て始端面ファスナーの始端係合面に係合させることができるので、終端係合面と始端係合面との係合状態を強固にすることができ、結果として、研磨ベルトの連結部分からパチンコ玉が研磨ベルトの裏面に入り込んでしまう不具合をより確実に回避することができる。
使用済の研磨ベルトが装着された状態の玉磨き揚送装置を示す斜視図である。 ガイドレールカバーを開放した状態の玉磨き揚送装置を示す斜視図である。 ガイドレールカバーを構成するウレタン板のガイドレール溝を示す部分拡大斜視図である。 玉磨き揚送装置を構成する巻取装置を示す斜視図である。 同図(A)〜(C)は、それぞれ使用済の研磨ベルトの終端部と未使用の研磨ベルトの始端部とを示す説明図である。 ガイドレールカバーに装着された研磨ベルトを示す部分拡大斜視図である。 同図(A)はガイドレールカバーに装着された研磨ベルトを示す断面図であり、同図(B)は図6のA−A線断面図であり、同図(C)は図6のB−B線断面図である。 同図(A)〜(C)は、それぞれ変形例における使用済及び未使用の各研磨ベルトにおける面ファスナーを示す説明図である。 同図(A)〜(C)は、それぞれ変形例における使用済及び未使用の各研磨ベルトにおける面ファスナーを示す説明図である。 同図(A)〜(C)は、それぞれ変形例における使用済及び未使用の各研磨ベルトにおける面ファスナーを示す説明図である。 同図(A)〜(C)は、それぞれ変形例における使用済及び未使用の各研磨ベルトにおける面ファスナーを示す説明図である。 同図(A),(B)は、それぞれ従来例における使用済の研磨ベルトの終端部と未使用の研磨ベルトの始端部と連結部材とを示す説明図である。 同図(A),(B)は、それぞれ他の従来例における使用済の研磨ベルトの終端部と未使用の研磨ベルトの始端部と連結部材とを示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1乃至図4を参照して、本実施形態に係る玉磨き揚送装置1の概略構成について説明する。図1は、使用済の研磨ベルト11が装着された状態の玉磨き揚送装置1を示す斜視図である。図2は、ガイドレールカバー8を開放した状態の玉磨き揚送装置1を示す斜視図である。図3は、ガイドレールカバー8を構成するウレタン板24のガイドレール溝22を示す部分拡大斜視図である。図4は、玉磨き揚送装置1を構成する巻取装置10を示す斜視図である。
図1において、玉磨き揚送装置1は、正方形状に形成された支持台2の上部に角筒状の揚送筒3が垂直状に立設され、揚送筒3の長手方向の外周を、下部に支持されるモータ内蔵プーリ4と調節ナット20によって締着軸支される上部ローラ(図示しない)との間に掛け渡される革製の搬送ベルト15が周回するようになっている。また、揚送筒3の内部には、複数の回転ローラ(図示しない)が適宜間隔をおいて上下方向に並んで回転自在に軸支され、回転ローラの一部が揚送筒3の上昇側面から外に突出して、搬送ベルト15を案内支持している。また、モータ内蔵プーリ4は、詳細には図示しないが、比較的大きな直径の円筒状ローラとして構成され、電流が供給されると円筒状の外周が回転して、搬送ベルト15を周回駆動するものである。
このモータ内蔵プーリ4の下方には、図示右側に揚送前のパチンコ玉が導入される導入始端樋6が固着され、図示左側に導入されたパチンコ玉を揚送筒3の下端部まで移動させる流入円弧樋5が固着されている。なお、導入始端樋6及び流入円弧樋5の内側には、図示しないが、導入されたパチンコ玉を複数列に整列させる溝が形成されている。また、上記した導入始端樋6及び流入円弧樋5の取付構造は、その一端が僅かに移動し得るように取付板6a,5aにそれぞれ止着され、その他端が前記支持台2に植立される支持ピン21にスプリング(図示しない)を介して摺動自在に軸支されている。即ち、導入始端樋6の下端及び流入円弧樋5の下端は、支持ピン21に挿通されて調節ナット21aによって抜けないように止着されているが、常に支持ピン21に介装されるスプリングによって上方に付勢されている。しかして、調節ナット21aの締着度合によって搬送ベルト15と導入始端樋6及び流入円弧樋5との間の微妙な間隔を調整することができ、その間隔を調整することにより、パチンコ玉のスムーズな移動を可能にすることができる。
また、モータ内蔵プーリ4の上部の揚送筒3には、テンションローラ取付金具16a,17a,18aが取り付けられており、このテンションローラ取付金具16,17a,18aには、取り付けられている搬送ベルト15に張力を付与する複数のテンションローラ16,17,18が回転自在に軸支されている。特に、中間のテンションローラ取付金具17aにはスプリング(図示しない)が介装されており、その付勢力によって搬送ベルト15に対して常に一定の張力を与えることができる。ここで、モータ内蔵プーリ4と各テンションローラ16,17,18とはほぼ上下の位置関係にあり、搬送ベルト15が装着されたときに、モータ内蔵プーリ4は搬送ベルト15の内側に位置し、下部テンションローラ18は搬送ベルト15の外側に、中間テンションローラ17は搬送ベルト15の内側に、上部テンションローラ16は搬送ベルト15の外側に、それぞれ位置するようになっている。
ところで、揚送筒3の背面側には、図2に示すように、ガイドレールカバー8が一側辺を軸支されて開閉自在に取り付けられている。このガイドレールカバー8には、その前面の全長に渡って、搬送ベルト15と対面して揚送されるパチンコ玉を研磨する研磨ベルト11が周回装着されている。そして、研磨ベルト11が装着されたガイドレールカバー8は、カバー係止金具14によって揚送筒3に対向した状態で固定支持されるようになっている。ガイドレールカバー8の上下端には、ゴム製のローラ(図示しない)が回転自在に軸支されており、ガイドレールカバー8に研磨ベルト11をスムーズに装着し得るようになっている。なお、通常、ガイドレールカバー8は、使用により汚れが付着した研磨ベルト11を交換する際に開閉されるものであるが、本実施形態にかかる玉磨き揚送装置1においては、ガイドレールカバー8を開閉することなく研磨ベルト11を交換できる構造となっている。この点については、後述する。
また、図3に示すように、ガイドレールカバー8の内側面(前面)には、揚送されるパチンコ玉の一部が落ち込むガイドレール溝22が複数列区画形成され、パチンコ玉を一列垂直状に揚送するようになっている。具体的には、区画壁23によって区画された半円状のガイドレール溝22を複数列形成したウレタン板24が、ガイドレールカバー8の両側面内側に形成されたウレタン板挿入溝25に挿入されている。このようにして挿入されたウレタン板24とガイドレールカバー8の背面との間は中空であり、その中空間隔26にはウレタン板24を揚送筒3側へ押圧支持するスプリング27(図7参照)が複数個埋設され、ウレタン板24に形成されたガイドレール溝22に沿ってパチンコ玉が揚送される際に、研磨ベルト11と搬送ベルト15とに挟持されるパチンコ玉に適度な挟持圧力を付与してパチンコ玉の研磨が確実に行われるようにしている。また、ガイドレールカバー8の前面側(揚送筒3側)における横幅方向の両端には、当該ガイドレールカバー8に装着される研磨ベルト11の横幅方向の両端部分を挿入して研磨ベルト11の巻き取りを案内するベルト案内凹部28が形成されている。なお、ガイドレールカバー8両端の各ベルト案内凹部28間に位置するウレタン板24の前面部分(複数列のガイドレール溝22が区画形成された部分)が本発明に係る玉通路部29を構成するものであり、当該玉通路部29の横幅寸法L2は各ベルト案内凹部28間の間隔寸法に相当する(図7参照)。
しかして、カバー係止金具14により揚送筒3に対向してガイドレールカバー8が取り付けられた状態において、導入始端樋6に導入されたパチンコ玉は、流入円弧樋5を経由して、搬送ベルト15と研磨ベルト11とに狭持されて研磨揚送され、揚送筒3の上方に固着されて玉を吐き出し方向に屈曲する上部屈曲樋19を経由して、排出樋7からはきれいにされたパチンコ玉が上部タンク(図示しない)に排出される。また、研磨ベルト11は、その玉磨き能力を発揮させるために、比較的織目の粗い布で構成されている。
一方、使用により汚れが付着した研磨ベルト11は、ガイドレールカバー8の背面側に設置される研磨ベルト自動巻取機構により自動的に巻き取られるようになっている。この研磨ベルト自動巻取機構は、未使用のロール状の研磨ベルト11を収納する収納装置12と、研磨ベルト11の始端部分が取り付けられる巻取軸64を有すると共に該巻取軸64を回転させて使用済の研磨ベルト11をロール状に巻き取る巻取機構部を構成する巻取装置10と、研磨ベルト11の下部をチャッキングしてその移動を停止する停止装置13と、研磨ベルト11の上部をモータの駆動力により引っ張る巻取機構部を構成する引張装置9と、から構成され、ガイドレールカバー8の裏面上部に引張装置9を、裏面下部に停止装置13を取り付ける一方、パチンコ島台内の玉磨き揚送装置収納部(図示しない)の内側面に巻取装置10を手前方向に引き出せるように取り付けると共に、玉揚送装置収納部(図示しない)の底面に収納装置12を設置したものである。かかる構成により、玉揚送装置収納部(図示しない)の内側面に取り付けられる取付基板上に設けられるレール上をスライドさせて、巻取装置10を手前側へ引き出すことができるので、巻取装置10が邪魔になってガイドレールカバー8が開閉しにくくなるような状態を回避することができ、玉磨き揚送装置1の内部を点検したり掃除したりする際の作業性が低下することがない。
ここで、研磨ベルト自動巻取機構を構成する巻取装置10について図4を参照して説明する。図4は、巻取装置10を示す斜視図である。
巻取装置10は、ガイドレールカバー8の裏面中央部に取り付けられ、図4に示すように、板金により一側面が開放された箱状に形成されると共に、内部に使用済の研磨ベルト11が巻き取られた状態で収納される。巻取装置10は、当該巻取装置10の基体をなすベース部材61と、該ベース部材61の外側に取り付けられる図示しないプーリやスリップベルト等を保護するための保護カバー62と、巻取装置10で巻き取られた研磨ベルト11を取り出す際に開く開閉カバー63と、研磨ベルト11を巻取るための巻取軸64と、研磨ベルト11を巻取る際に研磨ベルト11の両側方の端面を揃えるためのサイドカバー65,66と、から構成されている。
ベース部材61は、全周が同方向に折り曲げられて壁面が形成され、この壁面により一側面が開放した箱状に形成されている。このベース部材61の一側方(図4の右側)には、取付ネジ72aにより取り付けられたヒンジ72を介して、開閉カバー63が開閉自在に取り付けられている。ベース部材61の上方壁面の表面で右側端面には固定磁石71が取付ネジ71aにより取り付けられているため、開閉カバー63が閉塞された際に、開閉カバー63が固定磁石71に吸着され、開閉カバー63がベース部材61に固定されることとなる。
また、ベース部材61の他側方(図4の左側)には、図示しない駆動プーリ、従動プーリ、及びスリップベルトから構成される駆動部がベース部材61の外側で形成され、この駆動部を保護するための保護カバー62が取付ネジ62aにより着脱自在に取り付けられている。また、ベース部材61の保護カバー62側壁面の上部には、ギアヘッド69を介してモータ70が装着されており、ギアヘッド69の出力軸82には、駆動部の駆動プーリが軸着されている。また、ベース部材61の保護カバー62側壁面の上下方向ほぼ中央には、軸受け(図示しない)を介して巻取軸64が軸支されている。巻取軸64の保護カバー62側の軸端には、駆動部の従動プーリが軸着されている。
駆動部を構成する駆動プーリと従動プーリとの間には、ゴム等の伸縮性があり、比較的摩擦係数の大きい材料で形成される図示しないスリップベルトが掛け渡されている。このため、タイミングベルトとタイミングプーリのように凹凸を係合させて回転を伝達するものではなく、スリップベルトと駆動プーリ及び従動プーリとの間の摩擦力によって回転を伝達するものである。しかして、モータ70を回転させることにより、モータ70の回転がギアヘッド69の出力軸に出力されて駆動プーリを回転させ、駆動プーリの回転が駆動プーリとスリップベルトとの摩擦力によってスリップベルトを回動させる。さらに、スリップベルトの回動がスリップベルトと従動プーリとの摩擦力によって従動プーリを回転させ、従動プーリが回転することにより、巻取軸64が回転することとなる。
また、開閉カバー63は、板金により台形形状に形成されるものであり、前述のように、ベース部材61に対してヒンジ72により開閉自在に取り付けられている。この開閉カバー63の上下方向ほぼ中央で、巻取軸64の端部に対応する位置には、U字状の切り欠き部が形成され、この切り欠き部の形状とほぼ同形状の凹部を有する軸受け台74が、取付ネジ74aにより開閉カバー63に取り付けられている。このとき、切り欠き部と軸受け台74の凹部とが重なるように軸受け台74が取り付けられている。また、この軸受け台74の斜め上方には、開閉カバー63を開閉する際に用いる取手73が取り付けられている。
巻取軸64は、鋼製の棒材により形成されるものであり、前述のように、軸受けを介してベース部材61の保護カバー62側壁面に回転自在に取り付けられている。この巻取軸64は、図示しないが、軸受け近傍の径が研磨ベルト11巻取部分の径よりも大きく形成されており、段付き形状となっている。この巻取軸64の研磨ベルト11巻取部分の軸上には、研磨ベルト11を巻取るきっかけの役目をする係止片78が、巻取軸64の前記段付き部分に当接して、止めネジ78aにより巻取軸64の研磨ベルト11巻取部分を覆うように固定されている。この係止片78は、円筒形状に形成されるものであり、その径は、巻取軸64の軸受け近傍部分の径とほぼ同じ径寸法で形成されている。また、係止片78の開閉カバー63側端部の一部が軸方向に突出して凸部を形成しており、この凸部下面と巻取軸64との間には、隙間が形成されている。一方、巻取軸64の軸受け近傍部分の外周には、V字状の溝(図示しない)が形成されているが、これは、巻取軸64に前記サイドカバー66を装着するためのものである。
サイドカバー66は、取付ネジ79aによりサイドカバー取付部材79に取り付けられるものであるが、このサイドカバー取付部材79の中心には、巻取軸64の軸受け近傍部分を挿通するための挿通穴が穿設されている。この挿通穴の壁面には、3カ所にボールベアリング(図示しない)の先端が突出しており、このボールベアリングは、サイドカバー取付部材79内に埋設されているものである。また、このボールベアリングは、サイドカバー取付部材79内に埋設されたスプリングによって挿通穴側に向かって押圧されており、先端に圧力を加えることにより、サイドカバー取付部材79内に埋没するものである。
しかして、巻取軸64の軸受け近傍部分にサイドカバー66の装着されたサイドカバー取付部材79を挿入した際、ボールベアリングが巻取軸64の軸受け近傍部分に押圧されてサイドカバー取付部材79内に埋没する。そして、一旦サイドカバー取付部材79内に埋没したボールベアリングは、巻取軸64の軸受け近傍部分の前記V字状溝の位置で再び挿通穴壁面上に突出してV字状溝に嵌合することとなる。このようにして、サイドカバー取付部材79が巻取軸64に対して取り付けられるが、サイドカバー取付部材79は、巻取軸64に対して固着されるものではないため、サイドカバー66は、巻取軸64に対して回転自在であり、また、着脱自在である。
なお、サイドカバー66は、アクリル等の樹脂材料により円形形状に形成されるものである。また、巻取軸64の開閉カバー63側の先端部近傍には、V字状の溝(図示しない)が巻取軸64の周回に亘って形成されており、これは、巻取軸64にサイドカバー65を装着するためのものである。サイドカバー65は、サイドカバー66と同様、アクリル等の樹脂材料により円形形状に形成されるものであり、取付ネジ(図示しない)によりサイドカバー取付部材76に取り付けられるものである。
しかして、サイドカバー66を巻取軸64の軸受け近傍部分に装着する場合と同様に、巻取軸64にサイドカバー65の装着されたサイドカバー取付部材76を挿入した際、前記ボールベアリングが巻取軸64に押圧されてサイドカバー取付部材76内に埋没する。そして、一旦サイドカバー取付部材76内に埋没したボールベアリングは、巻取軸64先端部の前記V字状溝の位置で再び挿通穴壁面上に突出してV字状溝に嵌合することとなる。このようにして、サイドカバー取付部材76が巻取軸64に対して取り付けられるが、サイドカバー取付部材76は、巻取軸64に対して固着されるものではないため、サイドカバー65は、巻取軸64に対して回転自在であり、また、着脱自在である。
また、サイドカバー取付部材76には、ベアリング77を介して軸受け75が回転自在に取り付けられている。この軸受け75は、径の異なる円盤が複数個重なったような形状に形成されており、先端に形成された最も径の小さい部分の径寸法は、軸受け台74の凹部の径寸法よりもやや小さい程度に形成されている。しかして、巻取軸64にサイドカバー65を取り付け、開閉カバー63を閉塞した場合、軸受け75の前記先端部分が開閉カバー63に取り付けられた軸受け台74の凹部に嵌入し、巻取軸64を支持することとなる。
以上のように構成される巻取装置10ヘの研磨ベルト11の着脱方法及び作用について説明する。先ず、巻取装置10側方の開閉カバー63を開放し、巻取軸64からサイドカバー65を抜き取る。巻取軸64からサイドカバー65を抜き取った後、研磨ベルト11の端部に形成された巻取軸挿入部35を巻取軸64に挿入する。なお、研磨ベルト11の幅寸法は、巻取軸挿入部35側へ向かうに従い徐々に小さくなっている。研磨ベルト11を巻取軸64に挿入した際、巻取軸挿入部35を係止片78に形成された前記凸部と巻取軸64との隙間に挿入し、巻取軸挿入部35の側方端部が係止片78に当接するまで巻取軸挿入部35を保護カバー62側へ押圧することにより、研磨ベルト11が巻取軸64に取り付けられる。巻取軸挿入部35に研磨ベルト11を取り付けた後、サイドカバー65を巻取軸64に取り付け、開放してあった開閉カバー63を閉塞することにより、前述のように、開閉カバー63の軸受け台74が軸受け75に嵌入し、巻取軸64が支持され、巻取装置10に研磨ベルト11が装着される。
上記したように巻取装置10に研磨ベルト11を装着した後、モータ70を回転駆動させることにより、回転が前記駆動プーリ、スリップベルト、及び従動プーリを介して巻取軸64に伝達され、巻取軸64が回転する。このとき、巻取軸64の回転方向は、開閉カバー63側から見て時計方向に回転することとなる。巻取軸64が回転した際、係止片78も同時に回転することとなるが、係止片78が回転すると係止片78先端の凸部が研磨ベルト11の巻取軸挿入部35を係止して回転するため、研磨ベルト11が巻取軸64に巻き取られていくことになる。このように、研磨ベルト11を巻取る際の研磨ベルト11の取付作業は、巻取軸64に研磨ベルト11の巻取軸挿入部35を嵌挿するだけで完了するため簡単に行うことができる。また、巻取軸64の回転に従い、研磨ベルト11が次第に巻き取られるが、巻取軸64の両側方には巻取軸64と共に回転するサイドカバー65,66が装着されているため、このサイドカバー65,66により研磨ベルト11の両側方の端部が揃えられながら巻き取られることとなる。このとき、巻取軸方向にずれたままロール状に巻き取られた研磨ベルト11の側端部がサイドカバー65,66に接触しても、サイドカバー65,66もロール状の研磨ベルト11と共に回転するため、ロール状の研磨ベルト11とサイドカバー65,66との間の摩擦抵抗を少なくすることができ、モータ70に負担がかかることを防止して研磨ベルト11の巻取作業をスムーズに行うことができる。
なお、研磨ベルト11がロール状に巻き取られるに従って、そのロール径は次第に大きくなっていくため、モータ70の回転が一定の場合は、研磨ベルト11の巻取量も次第に多くなっていく。ところが、前記引張装置9が研磨ベルト11を引っ張って巻取装置10へ送出する量は一定であるため、巻取装置10の研磨ベルト11の巻取量が引張装置9の研磨ベルト11の引張量を超えた場合には、巻取装置10で巻取る研磨ベルト11の量が不足してしまう。この場合、タイミングベルトのようにプーリとベルトの噛み合いによってモータ70の回転を伝えるものであるとモータ70に大きな負荷がかかり、モータ70が停止してしまい、モータ70に負荷がかかってしまう。しかし、前述したように、モータ70の回転の巻取軸64への伝達は、駆動プーリ及び従動プーリとスリップベルトとの間の摩擦力によって行うものであるため、巻取装置10の研磨ベルト11の巻取量が引張装置9の研磨ベルト11の引張量を超えた場合には、スリップベルトが駆動プーリあるいは従動プーリに対してスリップする。このため、モータ70は停止することがなく、モータ70に負荷がかかることがない。また、巻き取られた研磨ベルト11を巻取装置10から取り外すには、研磨ベルト11の装着作業の手順と逆に、即ち、開閉カバー63を開放した後、サイドカバー65を取り外し、巻き取られた研磨ベルト11を手前に引き出すことにより、容易に研磨ベルト11を取り外すことができる。
次に、前述したように、本実施形態に係る玉磨き揚送装置1においては、使用済の研磨ベルト11(以下、これを研磨ベルト11Aともいう)を未使用の研磨ベルト11(以下、これを研磨ベルト11Bともいう)に交換する際にも、ガイドレールカバー8を開閉することなく作業を行うことができるが、このための構成と作用について、図5乃至図7を参照して以下に説明する。図5(A)〜(C)は、それぞれ使用済の研磨ベルト11Aの終端部と未使用の研磨ベルト11Bの始端部とを示す説明図である。図6は、ガイドレールカバー8に装着された研磨ベルト11を示す部分拡大斜視図である。図7(A)は、ガイドレールカバー8に装着された研磨ベルト11を示す断面図であり、図7(B)は、図6のA−A線断面図であり、図7(C)は、図6のB−B線断面図である。
図5(A),(B)に示すように、研磨ベルト11(同図中に示す研磨ベルト11A)の終端部には、両面にそれぞれ薄布方形状の面ファスナー30(終端面ファスナー)が取り付けられている。具体的な取り付け方としては、2枚の面ファスナー30の各ファスナー部31(終端係合面)が相互に対向する状態で、面ファスナー30の上端部分が研磨ベルト11の終端部に縫合して取り付けられる。即ち、面ファスナー30において、研磨ベルト11と重畳する部分は、研磨ベルト11に縫合される縫合部32をなし、研磨ベルト11の終端部から下方に延びる部分の内側面は、後述する面ファスナー33のファスナー部34と係合するファスナー部31を構成している。
一方、研磨ベルト11(同図中に示す研磨ベルト11B)の始端部には、面ファスナー30とほぼ同一の横幅寸法を有する薄布方形状の面ファスナー33(始端面ファスナー)が取り付けられている。具体的な取り付け方としては、面ファスナー33のファスナー部34(始端係合面)を外方に向けた状態で、面ファスナー33の両端部分がそれぞれ研磨ベルト11始端部の両面に縫合して取り付けられている。即ち、面ファスナー33は、そのほぼ中央部分で折り返されて両端部分が研磨ベルト11に縫合されることで、内包空間を有するループ状に研磨ベルト11の始端部に取り付けられる。なお、このような取り付けによって、面ファスナー33における研磨ベルト11との重畳部分は、研磨ベルト11に縫合される縫合部36をなし、研磨ベルト11の始端部から上方に延びる部分の外側面は、面ファスナー30のファスナー部31と係合するファスナー部34を構成している。また、面ファスナー33に形成されたループ状の内包空間が、前述した巻取装置10の巻取軸64に研磨ベルト11を挿入して取り付けるための巻取軸挿入部35を構成している。但し、面ファスナー33のファスナー部34は、正面から見た外形形状が凸形状に形成されており、その凸形状の先端凸部が巻取軸挿入部35となる。
そして、使用済の研磨ベルト11Aを未使用の研磨ベルト11Bに交換する際には、ガイドレールカバー8を閉鎖した状態で、図5(C)に示すように、使用済の研磨ベルト11Aの終端部に設けられた面ファスナー30と未使用の研磨ベルト11Bの始端部に設けられた面ファスナー33とを係合することで、使用済の研磨ベルト11Aと未使用の研磨ベルト11Bとを連結する。具体的には、研磨ベルト11Bの始端部から上方に延びる面ファスナー33のファスナー部34を、研磨ベルト11Aの終端部から下方に延びる2枚の面ファスナー30の各ファスナー部31間に挟み込むようにしてファスナー部31,34同士を係合することで、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結する。
このとき、ループ状に設けられた面ファスナー33の巻取軸挿入部35(内包空間)は、2枚の面ファスナー30で挟み込まれることで押し潰された状態となる。これにより、各研磨ベルト11A,11Bの連結部分の厚みは、2枚の面ファスナー30と2つ折り状態の面ファスナー33との重畳部分の厚みとなり、4枚の面ファスナーを重畳した程度の厚み寸法(実際には、面ファスナー同士が係合する分、この厚み寸法よりもさらに小さな値となる)となる。このため、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結した状態においても、その連結部分の厚みを大幅に増やすことがないので、研磨ベルト11A,11Bを巻き取る際に連結部分がガイドレールカバー8と揚送筒3との隙間をスムーズに通過できなくなってしまうという不具合を生じさせることがなく、研磨ベルト11A,11Bをスムーズに巻き取ることができる。また、研磨ベルト11のベルト本体以外の厚みとしては、研磨ベルト11の終端部に2枚の面ファスナー30を縫合した部分(縫合部32)での厚みと、研磨ベルト11の始端部に2つ折り状態の面ファスナー33を縫合した部分(縫合部36)での厚みと、があるが、これらの部分においても、研磨ベルト11のベルト本体に2枚の面ファスナーを重畳した程度の厚み寸法となり、研磨ベルト11A,11Bをスムーズに巻き取ることができる。
その後は、面ファスナー30,33(ファスナー部31,34)同士の係合によって連結された新旧の研磨ベルト11A,11Bを、研磨ベルト自動巻取機構によって巻取装置10の位置まで巻き取り、この状態から各研磨ベルト11A,11Bの連結を解除し、新たに未使用の研磨ベルト11Bを巻取装置10に取り付けることで、ガイドレールカバー8を開閉することなく容易に研磨ベルト11の交換作業が行える。
ところで、上記した研磨ベルト11Aの面ファスナー30及び研磨ベルト11Bの面ファスナー33は、それぞれ横幅が同一の寸法L1に設定されている(図5(A)参照)。この横幅寸法L1は、図6及び図7(B)に示すように、前述したガイドレールカバー8の各ベルト案内凹部28間の間隔寸法、即ち玉通路部29の横幅寸法L2とほぼ同一の値(厳密には、若干小さい値)に設定されている。但し、面ファスナー33のファスナー部34は、前述したように先端凸部となる巻取軸挿入部35を有する凸形状に形成されており、当該巻取軸挿入部35の横幅寸法L1’は、面ファスナー33の横幅寸法L1よりも短く、巻取軸64に対して研磨ベルト11の取り付けを可能にする寸法に設定されている。
研磨ベルト11のベルト本体における横幅寸法は、図7(C)に示すように、玉通路部29の横幅寸法L2よりも長く、左右のベルト案内凹部28の各凹部底壁間の間隔寸法L3とほぼ同一の値に設定されている。そして、パチンコ玉を揚送する際には、図7(A)に示すように、玉通路部29を構成する複数列のガイドレール溝22内にパチンコ玉が入り込むことで、当該ガイドレール溝22とパチンコ玉との間で研磨ベルト11のベルト本体が挟み込まれる。これにより、パチンコ玉の揚送状態にある研磨ベルト11(ベルト本体)は、その一端部から他端部までの長さ寸法L4がベルト本体の横幅寸法(寸法L3)よりも短くなる。但し、この状態においても、ベルト本体の一端部から他端部までの長さ寸法L4は、玉通路部29の横幅寸法L2よりも長くなるように設定されており、ベルト本体の両端部分がそれぞれ左右のベルト案内凹部28内に挿入されることで、ベルト案内凹部28による研磨ベルト11の巻き取り案内が行われるようになっている。
これに対して、研磨ベルト11A,11Bの連結部分となる面ファスナー30,33同士の重畳部分における横幅寸法L1は、上記したように玉通路部29の横幅寸法L2とほぼ同一の値(厳密には、若干小さい値)に設定されている。これにより、研磨ベルト11A,11Bの連結部分は、研磨ベルト11のベルト本体とは異なり、その両端部分がベルト案内凹部28内に挿入されることがなく、玉通路部29の前方をほぼ全体的に覆うようにして配される(図7(B)参照)。このため、新旧の研磨ベルト11A,11Bを交換する場合でも、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態で残ったパチンコ玉が、研磨ベルト11A,11Bの連結部分と玉通路部29との間に生じる隙間から研磨ベルト11の裏面(搬送ベルト15と反対側の面)に入り込んでしまう不具合を回避することができ、結果として、研磨ベルト11裏面へのパチンコ玉の入り込みに起因する玉磨き揚送装置1の故障を防止することができる。
なお、研磨ベルト11Aの終端部に設けられる面ファスナー、及び研磨ベルト11Bの始端部に設けられる面ファスナーの構成は、上記した実施形態に記載のものに限定するものではない。以下、研磨ベルト11A,11Bに設けられる各面ファスナーの変形例について図8及び図9を参照して説明する。図8(A)〜(C)は、それぞれ変形例における使用済及び未使用の各研磨ベルト11A,11Bにおける面ファスナー40,43を示す説明図である。図9(A)〜(C)は、それぞれ変形例における使用済及び未使用の各研磨ベルト11A,11Bにおける面ファスナー50,53を示す説明図である。
先ず、図8(A)〜(C)に示す変形例においては、研磨ベルト11(同図中に示す研磨ベルト11A)の終端部には、薄布方形状の面ファスナー40(終端面ファスナー)が設けられている。面ファスナー40は、前述した面ファスナー30と同様に、ファスナー部41(終端係合面)が内側に向いた状態で、その上端部分が研磨ベルト11の終端部に縫合して取り付けられる。即ち、面ファスナー40において、研磨ベルト11と重畳する部分は、研磨ベルト11に縫合される縫合部42をなし、研磨ベルト11の終端部から下方に延びる部分の内側面は、後述する面ファスナー43のファスナー部44と係合するファスナー部41を構成している。但し、面ファスナー40は、研磨ベルト11の一面側にのみ取り付けられている。また、面ファスナー40の横幅寸法は、面ファスナー30と同様に、玉通路部29の横幅寸法L2とほぼ同一(厳密には、若干小さい値)の横幅寸法L1に設定されている。
一方、研磨ベルト11(同図中に示す研磨ベルト11B)の始端部には、面ファスナー43(始端面ファスナー)が取り付けられている。面ファスナー43は、前述した面ファスナー33と同様に、ファスナー部44(始端係合面)を外方に向けた状態で、その両端部分がそれぞれ研磨ベルト11始端部の両面に縫合して取り付けられている。即ち、面ファスナー43は、そのほぼ中央部分で折り返されて両端部分が研磨ベルト11に縫合されることで、内包空間(巻取軸挿入部45)を有するループ状に研磨ベルト11の始端部に取り付けられる。また、このような取り付けによって、面ファスナー43における研磨ベルト11との重畳部分は、研磨ベルト11に縫合される縫合部46をなし、研磨ベルト11の始端部から上方に延びる部分の外側面は、面ファスナー40のファスナー部41と係合するファスナー部44を構成している。但し、面ファスナー43のファスナー部44は、正面から見た外形形状が前述した凸形状の面ファスナー33のファスナー部34とは異なり方形状に形成されている。また、これに伴って、面ファスナー43の横幅寸法は、巻取軸64に対して研磨ベルト11の取り付けを可能にする巻取軸挿入部45の横幅寸法L1’に設定されている。
そして、使用済の研磨ベルト11Aを未使用の研磨ベルト11Bに交換する際には、ガイドレールカバー8を閉鎖した状態で、図8(C)に示すように、使用済の研磨ベルト11Aの終端部に設けられた面ファスナー40と未使用の研磨ベルト11Bの始端部に設けられた面ファスナー43とを係合することで、使用済の研磨ベルト11Aと未使用の研磨ベルト11Bとを連結する。具体的には、研磨ベルト11Bの始端部から上方に延びる面ファスナー43のファスナー部44の一側面に対して、研磨ベルト11Aの終端部から下方に延びる1枚の面ファスナー40のファスナー部41を係合することで、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結する。
また、このような構成において、研磨ベルト11A,11Bの連結部分となる面ファスナー40,43同士の重畳部分は、前述した面ファスナー30,33同士の重畳部分と同様に、その横幅寸法L1が玉通路部29の横幅寸法L2とほぼ同一の値(厳密には、若干小さい値)に設定されるので、新旧の研磨ベルト11A,11Bを交換する場合でも、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態で残ったパチンコ玉が、研磨ベルト11A,11Bの連結部分と玉通路部29との間に生じる隙間から研磨ベルト11の裏面(搬送ベルト15と反対側の面)に入り込んでしまう不具合を回避することができ、結果として、研磨ベルト11裏面へのパチンコ玉の入り込みに起因する玉磨き揚送装置1の故障を防止することができる。
なお、研磨ベルト11の終端部から延びる面ファスナー40(ファスナー部41)の延設寸法は、図8(A)に示すように、研磨ベルト11の始端部から延びる面ファスナー43(ファスナー部44)の延設寸法と同一の寸法L5に設定されている。これにより、各研磨ベルト11A,11Bの連結状態では、図8(C)に示すように、面ファスナー40のファスナー部41が面ファスナー43のファスナー部44を丁度覆い隠すようにして連結される。
次に、図9(A)〜(C)に示す変形例においては、研磨ベルト11(同図中に示す研磨ベルト11A)の終端部には、薄布方形状の面ファスナー50(終端面ファスナー)が設けられている。面ファスナー50は、前述した面ファスナー40と同様に、ファスナー部51(終端係合面)が内側に向いた状態で、その上端部分が研磨ベルト11の終端部に縫合して取り付けられる。即ち、面ファスナー50において、研磨ベルト11と重畳する部分は、研磨ベルト11に縫合される縫合部52をなし、研磨ベルト11の終端部から下方に延びる部分の内側面は、後述する面ファスナー53のファスナー部55と係合するファスナー部51を構成している。但し、面ファスナー50は、研磨ベルト11の一面側にのみ取り付けられている。また、面ファスナー50の横幅寸法は、面ファスナー30と同様に、玉通路部29の横幅寸法L2とほぼ同一(厳密には、若干小さい値)の横幅寸法L1に設定されている。
一方、研磨ベルト11(同図中に示す研磨ベルト11B)の始端部には、面ファスナー53(始端面ファスナー)が取り付けられている。面ファスナー53は、前述した面ファスナー43と同様に、ファスナー部54(始端係合面)を外方に向けた状態で、その両端部分がそれぞれ研磨ベルト11始端部の両面に縫合して取り付けられている。即ち、面ファスナー53は、そのほぼ中央部分で折り返されて両端部分が研磨ベルト11に縫合されることで、内包空間(巻取軸挿入部55)を有するループ状に研磨ベルト11の始端部に取り付けられる。また、このような取り付けによって、面ファスナー53における研磨ベルト11との重畳部分は、研磨ベルト11に縫合される縫合部56をなし、研磨ベルト11の始端部から上方に延びる部分の外側面は、面ファスナー50のファスナー部51と係合するファスナー部54を構成している。また、面ファスナー53のファスナー部55は、正面から見た外形形状が方形状に形成されており、これに伴って、面ファスナー53の横幅寸法は、巻取軸65に対して研磨ベルト11の取り付けを可能にする巻取軸挿入部55の横幅寸法L1’に設定されている。
そして、使用済の研磨ベルト11Aを未使用の研磨ベルト11Bに交換する際には、ガイドレールカバー8を閉鎖した状態で、図9(C)に示すように、使用済の研磨ベルト11Aの終端部に設けられた面ファスナー50と未使用の研磨ベルト11Bの始端部に設けられた面ファスナー53とを係合することで、使用済の研磨ベルト11Aと未使用の研磨ベルト11Bとを連結する。具体的には、研磨ベルト11Bの始端部から上方に延びる面ファスナー53のファスナー部54の一側面に対して、研磨ベルト11Aの終端部から下方に延びる1枚の面ファスナー50のファスナー部51を係合することで、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結する。
また、このような構成において、研磨ベルト11A,11Bの連結部分となる面ファスナー50,53同士の重畳部分は、前述した面ファスナー40,43同士の重畳部分と同様に、その横幅寸法L1が玉通路部29の横幅寸法L2とほぼ同一の値(厳密には、若干小さい値)に設定されるので、新旧の研磨ベルト11A,11Bを交換する場合でも、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態で残ったパチンコ玉が、研磨ベルト11A,11Bの連結部分と玉通路部29との間に生じる隙間から研磨ベルト11の裏面(搬送ベルト15と反対側の面)に入り込んでしまう不具合を回避することができ、結果として、研磨ベルト11裏面へのパチンコ玉の入り込みに起因する玉磨き揚送装置1の故障を防止することができる。
ところで、研磨ベルト11の終端部から延びる面ファスナー53(ファスナー部54)の延設寸法は、図9(A)に示すように、前述した面ファスナー43(ファスナー部44)の延設寸法と同一の寸法L5に設定されている。これに対して、研磨ベルト11の始端部から延びる面ファスナー50(ファスナー部51)の延設寸法L6は、面ファスナー53(ファスナー部54)の延設寸法L5よりも長く設定されている。これにより、各研磨ベルト11A,11Bの連結状態では、図9(C)に示すように、面ファスナー50のファスナー部51が面ファスナー53のファスナー部54を完全に覆い隠して、その先端部分が若干面ファスナー53の縫合部56に乗り上げるようにして連結される。このため、研磨ベルト11を交換する際の巻取装置10による研磨ベルト11の巻き取りにおいて、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態でパチンコ玉が残った場合でも、当該パチンコ玉が面ファスナー50の先端側に生じた若干の隙間から研磨ベルト11の裏面に入り込んでしまう不具合を回避することができる。
なお、上記した図8及び図9に示した変形例の構成では、研磨ベルト11Aの終端部に設けた面ファスナー(終端面ファスナー)を、研磨ベルト11Aの一面側にのみ取り付けているが、いずれの変形例においても、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結した状態で、終端面ファスナーの終端係合面の裏面側が搬送ベルト15と対向するようになっている。これにより、研磨ベルト11を交換する際の巻取装置10による研磨ベルト11の巻き取りにおいて、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態でパチンコ玉が残った場合でも、当該パチンコ玉は、玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい値となる横幅寸法L1に形成された終端面ファスナー(終端係合面)の裏面側に当接することになる。言い換えれば、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結する際に始端面ファスナーの始端係合面からはみ出た状態となる終端面ファスナーの終端係合面は、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態で残ったパチンコ玉と当接することがない。このため、パチンコ玉が終端係合面を押し込んで隙間をつくり、当該隙間から研磨ベルト11の裏面に入り込んでしまう不具合を回避することができる。
また、前記図5に示した研磨ベルト11Bの始端部に設けた面ファスナー33(始端面ファスナー)において、前述したように先端側に設けられた巻取軸挿入部35は、その横幅方向における両端部と玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きくなる横幅寸法L1’に設定され、研磨ベルト11Bの始端部側となる部分は、その横幅方向における両端部と玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法L1に設定された凸形状に形成されているが、このような凸形状をなす面ファスナー33は、図10(A)〜(C)に示すように、1つのファスナー部材80から形成されたものであってもよいし、あるいは図11(A)〜(C)に示すように、複数のファスナー部材90〜92から形成されたものであってもよい。
図10(A)〜(C)に示す面ファスナー33は、「H」形状に形成された1枚のファスナー部材80をその中央部分で折り返して、両端部分を研磨ベルト11Bに縫合することで凸形状に形成されている。また、このとき、「H」形状のファスナー部材80の折り返し部分は、玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きい横幅寸法L1’に設定されて巻取軸挿入部35を形成する。一方、当該巻取軸挿入部35の両端側におけるファスナー部材80の部分は、研磨ベルト11Aの終端部に設けた面ファスナー30(終端面ファスナー)の横幅寸法L1(即ち、玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法)と同一に設定されている。
一方、図11(A)〜(C)に示す面ファスナー33は、長方形状に形成された大きめのファスナー部材90と、該ファスナー部材90に比べて小さめの長方形状に形成された2枚のファスナー部材91,92と、から構成されている。そして、2枚のファスナー部材91,92の間にファスナー部材90を配置した状態で、各ファスナー部材90〜92をそれぞれの中央部分で折り返して、各両端部分を研磨ベルト11Bに縫合することで凸形状に形成されている。また、このとき、各ファスナー部材91,92間に配されるファスナー部材90は、玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きくなる横幅寸法L1’に設定されて巻取軸挿入部35を形成する。一方、当該巻取軸挿入部35を形成するファスナー部材90の両側に配されるファスナー部材91,92は、それぞれファスナー部材90の横幅寸法L1’よりも短い横幅寸法L1’’に設定され、ファスナー部材90〜92を横並びでみたトータルの横幅寸法(=L1’+L1’’+L1’’)は、研磨ベルト11Aの終端部に設けた面ファスナー30(終端面ファスナー)の横幅寸法L1(即ち、玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法)と同一に設定されている。
なお、上記したように巻取軸挿入部35の横幅寸法L1’を玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きい横幅寸法に設定すると共に、研磨ベルト11Bの始端部側となる部分の横幅寸法L1を玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法に設定して、始端面ファスナーを凸形状に形成することで、終端面ファスナーの終端係合面の先端側の部分を全て始端面ファスナーの始端係合面に係合させることができる。これにより、終端係合面と始端係合面との係合状態を強固にすることができ、結果として、研磨ベルト11A,11Bの連結部分からパチンコ玉が研磨ベルト11の裏面に入り込んでしまう不具合をより確実に回避することができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、研磨ベルト11を交換する場合、使用済の研磨ベルト11Aの終端部に延設された面ファスナー30のファスナー部31を、未使用の研磨ベルト11Bの始端部に延設された面ファスナー33のファスナー部34に係合させることで、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結させる。そして、研磨ベルト11を玉磨き揚送装置1の巻取装置10の位置まで巻き取り、この状態からファスナー部31とファスナー部34との係合を解除して、新たに未使用の研磨ベルト11Bを巻取装置10に取り付けることで、ガイドレールカバー8を開閉することなく研磨ベルト11の交換作業が行える。
また、このとき、研磨ベルト11Bの始端部における面ファスナー33には、当該研磨ベルト11Bの始端部分を巻取装置10の巻取軸64に取り付けるための巻取軸挿入部35が形成される一方、研磨ベルト11Aの終端部における面ファスナー30は、その横幅方向の両端部とガイドレールカバー8の前面に設けられた玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい値となる横幅寸法L1に設定されている。このため、研磨ベルト11始端の巻取軸挿入部35を巻取軸64に取り付けるために、当該巻取軸挿入部35の横幅方向における両端部と玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きい値となるような場合でも、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結した状態では、玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法L1の面ファスナー30が、巻取軸挿入部35を備えた面ファスナー33と重畳され、面ファスナー30及び面ファスナー33の重畳部分となる研磨ベルト11A,11Bの連結部分の横幅寸法は、面ファスナー30の横幅寸法L1、即ち玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい寸法となる。従って、研磨ベルト11始端に巻取軸挿入部35を設けた構成において新旧の研磨ベルト11A,11Bを交換する場合でも、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態で残ったパチンコ玉が、研磨ベルト11の連結部分と玉通路部29との間に生じる隙間から研磨ベルト11の裏面(搬送ベルト15と反対側の面)に入り込んでしまう不具合を回避することができ、結果として、研磨ベルト11裏面へのパチンコ玉の入り込みに起因する玉磨き揚送装置1の故障を防止することができる。
また、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結した状態で、面ファスナー30のファスナー部31の裏面側が搬送ベルト15と対向する。これにより、研磨ベルト11を交換する際の巻取装置10による研磨ベルト11の巻き取りにおいて、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態でパチンコ玉が残った場合でも、当該パチンコ玉は、玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法L1に形成された面ファスナー30(ファスナー部31)の裏面側に当接することになる。言い換えれば、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結する際に面ファスナー33のファスナー部34からはみ出た状態となる面ファスナー30のファスナー部31は、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態で残ったパチンコ玉と当接することがない。このため、パチンコ玉がファスナー部31を押し込んで隙間をつくり、当該隙間から研磨ベルト11の裏面に入り込んでしまう不具合を回避することができる。
また、図9に示すように、面ファスナー50の終端部からの延設寸法L6を、面ファスナー53の始端部からの延設寸法L5よりも長く設定することで、面ファスナー50のファスナー部51が面ファスナー53のファスナー部54を完全に覆い隠した状態で、新旧の研磨ベルト11A,11Bを連結することができる。これにより、研磨ベルト11を交換する際の巻取装置10による研磨ベルト11の巻き取りにおいて、搬送ベルト15と研磨ベルト11との間に挟持した状態でパチンコ玉が残った場合でも、当該パチンコ玉が面ファスナー50の先端側に生じた若干の隙間から研磨ベルト11の裏面に入り込んでしまう不具合を回避することができる。
また、面ファスナー33を凸形状に形成することで、巻取軸挿入部35の横幅寸法L1’を玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きくなる寸法に設定する一方、研磨ベルト11Bの始端部側となる部分の横幅寸法L1を玉通路部29の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さくなる寸法に設定する。これにより、面ファスナー30のファスナー部31の先端側の部分を全て面ファスナー33のファスナー部34に係合させることができるので、ファスナー部31とファスナー部34との係合状態を強固にすることができ、結果として、研磨ベルト11A,11Bの連結部分からパチンコ玉が研磨ベルト11の裏面に入り込んでしまう不具合をより確実に回避することができる。
なお、本実施形態の構成によれば、巻取装置10と引張装置9とを別体の装置として構成しているが、これに限定するものではなく、巻取装置としての機能と引張装置としての機能とを両方兼ね備えた1つの装置で巻取機構部を構成するようにしてもよい。また、本実施形態では、ガイドレールカバーに研磨ベルトを装着する構成を例示しているが、これに限らず、研磨ベルトを他の構成部材に取り付けてガイドレールカバーの前面に配置するようにしてもよい。さらには、ガイドレールカバーの上端から下端までの間に研磨ベルトを掛け渡す構成を例示しているが、これに限らず、ガイドレールカバーを複数個に分割して構成して、分割されたガイドレールカバーの少なくとも1つ以上に研磨ベルトを掛け渡す構成としてもよい。
また、実施形態中では、研磨ベルトの終端部に設けられる終端面ファスナーの横幅寸法を玉通路部の横幅寸法とほぼ同一に設定しているが、これに限定するものではなく、搬送ベルトと研磨ベルトとの間で挟持するパチンコ玉が、新旧の研磨ベルトの連結部分と玉通路部との間に生じる隙間から研磨ベルト裏面に入り込んでしまう不具合を回避できる寸法であればよい。即ち、終端面ファスナーは、その横幅方向の両端部と玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい横幅寸法に設定されるものであればよい。
1 玉磨き揚送装置
3 揚送筒
4 モータ内蔵プーリ
8 ガイドレールカバー
9 引張装置(巻取機構部)
10 巻取装置(巻取機構部)
11 研磨ベルト
12 収納装置
13 停止装置
15 搬送ベルト
16〜18 テンションローラ
22 ガイドレール溝
24 ウレタン板
28 ベルト案内凹部
29 玉通路部
30 面ファスナー(終端面ファスナー)
31 ファスナー部(終端係合面)
32 縫合部
33 面ファスナー(始端面ファスナー)
34 ファスナー部(始端係合面)
35 巻取軸挿入部
36 縫合部
64 巻取軸

Claims (3)

  1. 玉磨き揚送装置の揚送筒に対向して設けられるガイドレールカバーの前面に配置されると共に、前記揚送筒を周回する搬送ベルトと対面して配置されて当該搬送ベルトとの間でパチンコ玉を磨きながら挟持揚送する玉磨き揚送装置の研磨ベルトにおいて、
    前記玉磨き揚送装置は、ロール状の未使用の前記研磨ベルトを収納する収納装置と、前記研磨ベルトの始端部分が取り付けられる巻取軸を有すると共に該巻取軸を回転させて使用済の前記研磨ベルトを巻き取る巻取機構部と、を備え、
    前記ガイドレールカバーの前面には、揚送するパチンコ玉を案内するためのガイドレール溝が複数列区画形成された玉通路部が設けられ、
    前記研磨ベルトの始端部には、始端係合面を備えた始端面ファスナーが前記始端部から延設され、
    前記研磨ベルトの終端部には、前記始端係合面との係合及び係合解除を可能にした終端係合面を備えた終端面ファスナーが前記終端部から延設され、
    前記始端面ファスナーは、前記研磨ベルトの横幅寸法よりも短く且つ2つ折りによって前記巻取軸が挿入される内包空間を有するループ状に形成される巻取軸挿入部を有し、
    前記終端面ファスナーは、その横幅方向の両端部と前記玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい値となる横幅寸法に設定され、
    前記終端面ファスナーの前記終端部からの延設寸法は、前記始端面ファスナーの前記始端部からの延設寸法と同一又はそれよりも長く設定されていることを特徴とする玉磨き揚送装置の研磨ベルト。
  2. 前記終端面ファスナーは、前記終端係合面が前記始端係合面と係合された状態で、前記終端係合面の裏面側が前記搬送ベルトと対向するように前記始端面ファスナーに連結されることを特徴とする請求項1記載の玉磨き揚送装置の研磨ベルト。
  3. 前記始端面ファスナーの先端側に設けられた前記巻取軸挿入部は、その横幅方向の両端部と前記玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも大きい値となる横幅寸法に設定され、該巻取軸挿入部に連続する前記研磨ベルトの始端部側となる部分は、その横幅方向の両端部と前記玉通路部の両端部との間のそれぞれの隙間寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも小さい値となる横幅寸法に設定されて、前記始端面ファスナーが凸形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の玉磨き揚送装置の研磨ベルト。
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