JP4961204B2 - 圧力容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力容器及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器と口金部材との接着力を向上させ、気密シール性が高められた圧力容器及びその圧力容器を簡単な工程でかつ経済的に製造できる製造方法に関する。
天然ガス、圧縮天然ガス、酸素や窒素、水素用タンク等の圧力容器では、充填圧力が20MPa〜100MPaという高圧であり、従来では、鋳鉄、鋼鉄製からなる金属製の高圧容器が一般的に使用されてきたが、昨今の燃費の向上のため自動車部品のプラスチック化や地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量の抑制などから水素を利用した燃料電池電気自動車等の普及など、自動車等の軽量化や自動車燃料の多様化、リサイクル化等の環境面の変化から、これら圧力容器においても急速にプラスチック化が行われつつある。
例えば、自動車の燃料としてのLPG、水素を利用した燃料電池が使用され、搭載する圧力容器の軽量化が要望されている。例えば、鋼鉄製の容器に替わるものとして、アルミ製のライナーに炭素繊維で補強したものが使用されているが、さらに軽量化をはかるために、プラスチック製のライナーを使用した樹脂製容器も開発されている。
例えば、特許文献1に記載の容器は、ガスバリア性を有する合成樹脂製のライナーが、圧力性の繊維強化プラスチック(FRP)製の外側殻で覆われてなる圧力容器で、本質的に樹脂からなるので金属製のものに比べて軽量であり、燃費の向上が期待できる。
このような圧力容器は、容器内へガスを充填したり、容器内からガスを取出すためのノズルを取付けるために、ノズル取付用の口金部材が設けられる。口金部材は、通常、容器の内側ライナー材と一体的に結合されるが、ノズルを螺合させるための口金部材は通常金属製であり、内側ライナー材は軽量化または製造工程の簡素化の観点から口金部材とは異種のプラスチック材料から構成されるので、容器内側ライナー材と口金部材との結合部または界面部のシール性が要求されている。
特に、圧力容器は、25MPa〜100MPaという高圧ガスが充填されるので、極めて高いガスシール性が要求されている。これら樹脂製圧力容器において、口金部材のガスシール性を改良した技術として、例えば、特許文献2に記載の圧力容器には、内側殻端部の上下リップで口金部材の円盤状フランジ部を受容する構造とすることにより、口金部材のガスシール性を高める構造としているが、内側殻の内壁面に口金部材の端部が露出し、この口金部材の端部に直接ガス内圧がかかるので、圧力容器の製造直後にはガス漏れがなくても、製品容器を長期間使用しているうちに、内側殻の樹脂がクリープを起して収縮し、内側殻と口金部材との界面にすき間が生じ、界面のすき間からガス漏れが発生する恐れがある。
また、特許文献3では、フィラメントを巻き付けた外殻と非金属製内部ライナーとで構成された圧力容器において、ライナーにある相補形のタブと係合するように環状フランジに設けた錠止溝とを有する圧力容器が提案され、口金部材の円盤状フランジ部の上下面に錠止溝を設け、かつ、この上下の錠止溝に合致するタブを内側ライナー端部に形成させて結合することにより、外殻とライナーとの間の漏洩を生じさせるリスクを低減させている。
しかし、この圧力容器も内側殻の内壁面に口金部材の端部が露出し、この口金部材の端部に直接、ガスの内圧がかかるので、上記したと同様の理由でガス漏れが発生する恐れがある。
また、特許文献4では、ガスバリア性を有する内殻と、該内殻を覆うように設けた圧力性の外殻と、該内殻の首部に内装したノズル取付用口金を有するガスボンベであって、該口金にシールリングが嵌着され、該シールリングを押圧することにより、ガス漏れを抑止するものであるが、圧力が高い場合には十分なシール性が発揮されない惧れが生じ、かつ押圧されるので、シーリング材の劣化が著しく、シーリング(Oリング等)の交換が繁雑で不経済であるばかりでなく、交換する場合にも製品容器の分解を必要とするなどの不都合が生じるものである。また同様にリップパッキングを用いたシール機構を有する圧力容器(特許文献5、特許文献6など)、あるいは自己シール部を有する圧力容器(特許文献7)も提案されているが、やはり上記特許文献類と同様の問題点を内在している懸念を有する。
また、特許文献8においては、ガスバリア性の内側殻と圧力性の外側殻を有し、少なくとも一方の端部に口金部材を取付けた圧力容器において、該内側殻のライナー材の肩部と、一端側が円板状に構成された口金部材とを接着性樹脂層を介して接着し、該内側殻のライナー材と口金部材との界面のシール性が優れた圧力容器が提案されている。
上記特許文献8における接着性樹脂層は、不飽和カルボン酸官能基含有ポリエチレン樹脂が好適で、密度0.88〜0.945g/cm、MFR0.05〜50g/10分のポリエチレン、エチレン−α・オレフィン共重合体が使用されることが示されている(特許文献5、段落[0025]参照)。
しかしながら、これらの特許では口金部材に予め接着剤の粉末を付着させてフッ素樹脂で押圧密着させる、あるいは口金部材を加熱し、接着剤の溶融温度に高めておきその表面に接着剤フィルムを押圧し密着させて接着性樹脂層を設けるなど煩雑な工程が必要である。また、上記接着剤を粉体コーティングにおいても均一なコーティング塗膜を得ることが難しい。あるいは該接着剤の性状等やそれらの具体的な記載が全く示されていない等の問題点がある。
さらに特許文献9においては、ブロー成形により、インサート部材を装着し、パリソンを型閉めして、パリソンとインサート部材を一体化させる際に、パリソンとインサート部材間に熱可塑性接着剤を介して行う圧力容器の製造方法が開示されている。
また特許文献6ではブロー成形によって合成樹脂製ライナー材を形成するパリソンを冷却縮径して金属製のインサート部品(口金部材等)とを接着する際に十分な接着がなされずにインサート部品が抜けたり、摺動してしまうという問題点をインサート部品の外面の一部に拡径及び縮径した係合部を設けて解決している。
さらに、特許文献10においては、ブロー成形によって成形する際に口金のフランジの面壁に複数の通孔を設け、該フランジの外表面に接する外側肉壁と内表面に接する内側肉壁とが外通孔を充満する橋絡部を介して一体化させることによって、口金の回り止めを解消している。
昨今の厳しい製品の品質管理、より高圧なガス充填の要求もあり、このように従来の圧力容器においては、特に比較的分子量の大きい天然ガスなどに対しては気密性を発揮するものの、分子量の小さい水素ガスについては十分な耐水素ガス透過性を維持しているとはいい難く、より性能の高い接着性能や高品質な製品や成形時における口金部の回転防止等の諸問題や、より安価で、簡単な製造工程で製造することが要望されている。
特公平5−88665号公報 特開平6−42698号公報 特開平6−137433号公報 特開平8−219387号公報 特開2000−265138号公報 特開2005−9591号公報 特開2004−211763号公報 特開平10−332082号公報 特開2006−161978号公報 特開平7−158797号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器と口金部材との接着力を向上させ、気密シール性が高められた圧力容器及びその圧力容器を簡単な工程かつ経済的に製造できる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器と、該中空容器の外周面を補強材で被覆して形成される補強材層とで構成され、かつ少なくとも1つの口金部材を有する圧力容器であって、該合成樹脂製ライナー材は、特定の接着性樹脂及び特定の熱可塑性樹脂を含んでなる圧力容器及びその製造方法により、接着能を有する接着性樹脂またはそれと熱可塑性樹脂の配合物で構成し、合成樹脂製ライナー材自体に接着能をもたせ、該合成樹脂製ライナー材と口金部材とを直接接着または溶着することを特徴とすることから、上記課題を一挙に解決でき、ブロー成形などにより、一工程という簡単な工程で、合成樹脂製ライナー材と口金部材との接着が可能となり、また、同時に合成樹脂製ライナー材の外表面の補強材を形成する補強糸の巻回時の巻きずれを防止でき、これらとの接着力も強固であり、所望によって、特定の接着性樹脂、下地処理剤の使用、あるいは口金部材に彫りこみ等の溝を設ける等の方法により飛躍的に接着力を向上させて、口金部材を接合する際の口金部材の回転やずれの防止と、その気密シール性を高めた圧力容器及びこれを経済的に製造できる製造方法を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器と、該中空容器の外層に設けられた補強材で形成された補強材層とを有し、かつ少なくとも1つの口金部材を有する圧力容器であって、
該合成樹脂製ライナー材は、密度が0.920〜0.970g/cm 接着性樹脂5〜95重量%及び密度が0.920〜0.970g/cm の熱可塑性樹脂5〜95重量%とを含んでなり、
前記接着性樹脂が、接着性樹脂全体の重量を基準として、下記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を含有する下記(A)〜(D)から選択された少なくとも1種のポリエチレン系樹脂(X)0.5〜100重量%と、官能基を含有しない下記(A)〜(E)から選ばれる少なくとも1種の未変性ポリエチレン系樹脂(Y)0〜99.5重量%とからなる、(z1)密度0.86〜0.97g/cm、(z2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の接着樹脂(Z)である圧力容器が提供される。
[官能基]
(a)カルボン酸基またはカルボン酸無水物基
(b)エポキシ基
(c)ヒドロキシル基
(d)アミノ基
(e)シリル基
(A):(a1)密度0.94〜0.97g/cm、(a2)メルトフローレート0.01〜100g/10分を有する高密度ポリエチレン樹脂
(B):(b1)密度0.90〜0.94g/cm未満、(b2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(C):(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10分の高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂
(D):(d1)密度0.86〜0.90g/cm未満、(d2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の超低密度ポリエチレン樹脂
(E):熱可塑性エラストマー
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記(A)、(B)または(D)が、シングルサイト系触媒で製造されたポリエチレン樹脂である圧力容器が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1または2の発明において、前記接着性樹脂が、前記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を、接着性樹脂全体の重量を基準として、0.001〜30重量%含有する圧力容器が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、前記合成樹脂製ライナー材は、樹脂内に、エンジニアリングプラスチック、金属部材及び無機充填剤の少なくとも1種が分散された合成樹脂材料である圧力容器が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、前記合成樹脂製ライナー材は、少なくとも熱可塑性樹脂層/接着層/バリア層を含む積層体である圧力容器が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明において、前記補強材が、繊維強化材である圧力容器が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器と、該中空容器の外層に設けられた補強材で形成された補強材層とを有し、かつ少なくとも1つの口金部材を有する圧力容器の製造方法であって、該合成樹脂製ライナー材を、接着性樹脂および熱可塑性樹脂で形成する、第1〜のいずれかの発明の圧力容器の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記中空容器を、前記合成樹脂製ライナー材をブロー成形することにより形成する圧力容器の製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第7または8の発明において、口金部材を、予め下地処理剤で処理する圧力容器の製造方法が提供される。
本発明によれば、合成樹脂製ライナー材が、特定の接着性樹脂と熱可塑性樹脂とを含んでなるものとすることにより、より簡単な工程で、合成樹脂製ライナー材の内側面と口金部材との接着力を強固にし、飛躍的に接着力を向上させて、その気密シール性を高めた圧力容器及びその製造方法を提供することできると同時に合成樹脂製ライナー材の外層に補強材を形成する補強糸の巻回時の巻きずれを防止する効果を奏する。
すなわち、本発明では、合成樹脂製ライナー材を、接着能を有する接着性樹脂と熱可塑性樹脂との配合物で構成することにより、合成樹脂製ライナー材自身が接着性を有しているため、口金部材の円盤部に予め粉体塗装のようにコーティング塗装やシーティング加工をする必要がなく、ブロー成形などにより合成樹脂製ライナー材の内側面と口金部材との接着を一工程という簡単な工程で製造ができ、製造コストが低減され、経済的であるばかりでなく、製造スピードや作業効率が改善される。
また、合成樹脂製ライナー材の外層においても、従来のような合成樹脂製ライナー材の外表面に炭素繊維やガラス繊維等を巻回して設けられる補強層の形成時の補強糸の目ずれが生ぜず、綺麗で強固な補強層が作成できる。
また、予め口金部材の円盤部表面に、表面処理や下地処理剤を施すことにより飛躍的に合成樹脂製ライナー材と口金部材との非常に強固な接着または溶着が可能である。
また、口金部材に予め線刻および/または彫りこみなどの溝を設けることにより、合成樹脂製ライナー材と口金部材との接着力を向上させることもできる。
本発明の合成樹脂製ライナー材はそれ自身接着能を有しているため、中間層にバリヤ層を設けるだけで多層化が可能である。
本発明は、前述したように、合成樹脂製ライナー材が、接着性樹脂及び熱可塑性樹脂を含んでなる圧力容器である。
また、本発明は、前述したように、合成樹脂製ライナー材を、接着性樹脂及び熱可塑性樹脂で形成する圧力容器の製造方法である。
以下に、本発明を各項目毎に詳細に説明する。
1.圧力容器の構造
以下、本発明の圧力容器について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の圧力容器の一例の一部切欠断面図を示すものである。
本発明に係る圧力容器は、図1に示されるように、合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器1(内側壁)と、該中空容器1の外側の外層に補強材で形成された補強材層2(外側壁)とで構成され、該中空容器1の少なくとも一方の端部に、高圧ガスの充填、排出用のノズル取付けのための口金部材3を有する圧力容器であって、該容器の少なくとも一方の端部に、高圧ガスの充填、排出用のノズル取付けのための口金部材3が装着され、該口金部材3の円盤状部8と、該容器の合成樹脂製ライナー材により形成される中空容器1の内側の肩部7とが、ガス漏れを抑止するために接着または溶着されてなる圧力容器10である。
2.圧力容器構成部材の材料
以下に本発明で使用される原材料について具体的に詳述する。
(1)合成樹脂製ライナー材
中空容器1を形成する合成樹脂製ライナー材は、圧力容器10に充填された高圧ガスを収納して、漏洩しないガスバリア性を有することおよびライナー材自体に接着能を有することが肝要であり、合成樹脂製ライナー材自体に接着能を持たせるために、該合成樹脂製ライナー材を、接着性樹脂100〜0.5重量%と熱可塑性樹脂0〜99.5重量%で構成するものである。
(i)接着性樹脂
本発明の接着性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは(a)カルボン酸基またはカルボン酸無水物基、(b)エポキシ基、(c)ヒドロキシル基、(d)アミノ基、(e)シリル基等の少なくとも1種の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂の一般的な接着性樹脂を使用することができる。特に、合成樹脂製ライナーとしてポリオレフィン系樹脂を選択した場合には、これらの中でも官能基を含有するポリオレフィン系樹脂との組み合わせが好ましい。
以下官能基を含有するポリオレフィン系樹脂ついてさらに詳述する。
本発明の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂とは、上記(a)〜(e)の官能基を有する化合物またはモノマー(以下官能基含有化合物と称す)と炭素数2〜10程度のα―オレフィンの少なくとも1種とのランダム共重合体や、ポリオレフィン系樹脂に該官能基含有化合物をグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂を包含するものである。
以下に(a)〜(e)官能基含有化合物について詳述する。
官能基(a)のカルボン酸基またはカルボン酸酸無水物基を導入する化合物としては、
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸またはこれらの無水物、アクリル酸、メタクリル酸、フラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペンテン酸等の不飽和モノカルボン酸等が挙げられる。
官能基(b)のエポキシ基を導入する化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステルおよびα−クロロアクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマール酸等のグリシジルエステル類またはビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、スチレン・p−グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類、p−グリシジルスチレンなどが挙げられるが、特に好ましいものとしてはメタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルを挙げることができる。
官能基(c)のヒドロキシル基を導入する化合物としては、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
官能基(d)のアミノ基を導入する化合物としては、アミノエチル(メタ)アクリレート、プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、フェニルアミノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
官能基(e)のシリル基を導入する化合物としては、有機シラン化合物であって、一般式RR´SiYn−3で示される化合物である。ここでRは例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素または不飽和のハイドロカーボンオキシ基であり、末端にビニル基を持つものが望ましい。Yはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ基等任意の加水分解し得る有機基である。R´は任意の有機基であり、RまたはYと同一であってもかまわない。最も好ましいシラン化合物はビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、ビニルトリクロロシラン等の不飽和シラン化合物が挙げられる。
本発明の官能基を含有するポリオレフィン系樹脂の樹脂成分中に官能基を導入する具体的な方法としては、少なくとも1種の官能基含有モノマーをグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂(官能基含有ポリオレフィン系樹脂)として導入する方法、官能基をエチレン、プロピレン等のオレフィンと官能基含有化合物とのランダム共重合体を樹脂成分に配合し導入する方法等が挙げられる。
上記官能基の含有量は、接着剤全体の重量を基準として、0.001〜30重量%の範囲であり、グラフト官能基含有ポリオレフィン系樹脂の場合には、0.001〜10重量%の範囲であり、ランダム共重合体の場合では1〜30重量%の範囲であることが適性である。
上記官能基の含有量が0.001重量%未満では、接着強度が低く、本発明の目的を達成することができず、官能基含有量が30重量%を超える量の共重合体は、入手することが難しいこと、劣化が起きやすいこと、かつ経済的ではない等の種々の欠点を有することから用い難い。
本発明の上記(a)〜(e)の官能基含有化合物の少なくとも1種をグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法としては、ラジカル開始剤の存在下に前記官能基を有する化合物の少なくとも1種を樹脂とともに押出機内で溶融しながら反応させる溶融法、または樹脂とともに溶液で溶解しながら反応させる溶液法で重合体にグラフト変性させる方法が挙げられる。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物、ジクミル化合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジアルキル(アリル)パーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、ジプロピオニルパーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、パーオキシコハク酸、パーオキシケタール、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が好適に用いられる。
また、官能基含有オレフィン系ランダム共重合体は、チューブラー反応器、オートクレーブ反応器等を使用して一般的には高圧ラジカル重合法等で製造される。オレフィンと該官能基含有モノマーとのランダム共重合体としては、例えば、エチレン等のα−オレフィンの少なくとも1種のオレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体等が挙げられる。
具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸ー酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸−酢酸ビニル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−無水マレイン酸ーアクリル酸エチル共重合体、エチレン−無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
上記グラフト化に供せられるポリオレフィン系樹脂としては、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等のイオン重合で製造される高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等や低密度ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体等の高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂等のポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
上記官能基含有オレフィン系ランダム共重合体およびグラフト化官能基含有ポリオレフィン系樹脂は、単独または未変性ポリオレフィン系樹脂と混合して使用される。特に官能基の含有量、MFR、密度等の調整が容易に行えることから、官能基含有ポリオレフィン系樹脂を未変性ポリオレフィン系樹脂との混合物として使用することが好ましい。これらの中でもポリエチレン系樹脂が好ましい。
以下本発明における好ましいポリエチレン系樹脂で構成される接着性樹脂(Z)についてさらに詳述する。
[接着性樹脂(Z)]
(i)官能基を含有するポリエチレン系樹脂(X)及び未変性ポリエチレン系樹脂(Y)の材料
[高密度ポリエチレン樹脂(A)]
本発明に係る高密度ポリエチレン樹脂(A)は、一般的にはイオン重合で製造される高密度ポリエチレン樹脂であって、エチレン単独重合体あるいはエチレンとα−オレフィンとの共重合体を指すものであり、(a1)密度0.94〜0.97g/cm、好ましくは密度0.945〜0.965g/cm、より好ましくは0.95〜0.96g/cmの範囲である。(a2)メルトフローレート(MFR)は0.01〜100g/10分、好ましくは、0.05〜50g/10分、より好ましくは0.1〜30g/10分の範囲である。これらの範囲であると容易に接着強度、剛性や耐クリープ性等の長期寿命(耐久性)が優れる性能が発揮されるものとなる。
上記密度はJIS K6922−1(1997)の試験方法に基づいて測定した。
また、本発明において、メルトフローレート(MFR)はJIS K6922−1(1997)の試験法に基づいて条件D(温度190℃、荷重21.18N)で測定したものである。
[直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(B)]
本願明に係る直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(B)は、一般的にはイオン重合で製造される直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であって、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を指すものであり、(b1)密度0.90〜0.94g/cm、好ましくは密度0.91〜0.935g/cm、より好ましくは0.92〜0.93g/cmの範囲である。(b2)メルトフローレート(MFR)は0.01〜100g/10分、好ましくは、0.05〜50g/10分、より好ましくは0.1〜30g/10分の範囲である。これらの範囲であると容易に接着強度、剛性や耐クリープ性等の長期寿命(耐久性)が優れる性能が発揮されるものとなる。
上記(A)成分及び(B)成分のα−オレフィンとしては、直鎖または分岐鎖状の炭素数3〜20のオレフィンが好ましく、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンを挙げることができる。またそれらを2種類以上組み合わせて使用しても良い。これら共重合体の中でも、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体が経済性の観点から好適である。
上記イオン重合で製造される高密度ポリエチレン樹脂(A)または直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、特に製造触媒、プロセス等に限定されるものではなく、非特許文献1(成書『ポリエチレン技術読本』(松浦一雄・三上尚孝編著、工業調査会刊行、2001年)のp.123〜160、p.163〜196等)に記載されている方法により製造することが可能である。即ち、チーグラー系触媒、シングルサイト系触媒等や、スラリー法、溶液法、気相法の各重合様式にて、各種重合反応器、重合条件、触媒にて製造することが可能である。シングルサイト系触媒の樹脂としては、日本ポリエチレン(株)社製の商品名:ハーモレックス、商品名:カーネル、日本エボリュー(株)社製の商品名:エボリュー、ダウ・ケミカル(株)社製の商品名:エンゲージなどが挙げられる。
上記密度はJIS K6922−1(1997)の試験方法に基づいて測定した。
また、メルトフローレート(MFR)はJIS K6922−1(1997)の試験法に基づいて条件D(温度190℃、荷重21.18N)で測定した。
また、上記(a1)、(b1)の密度は、α−オレフィンの種類及び含有量でコントロールすることができ、該含有量が多くなると密度は低くなる傾向を示し、上記(a2)または(b2)のメルトフローレート(MFR)は、水素等の連鎖移動剤、プロセス等で制御される。これらの制御は当業者にとって、周知の慣用手段である。
[高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(C)]
本発明の高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(C)とは、(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10分の、高圧ラジカル重合法によるエチレン単独重合体(低密度ポリエチレン樹脂)、エチレン・ビニルエステル共重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体等が挙げられ、これら低密度ポリエチレン樹脂等は公知の高圧ラジカル重合法により製造され、チューブラー法、オートクレーブ法のいずれの方法で製造してもよい。
上記低密度ポリエチレン樹脂では、密度0.91〜0.935g/cm、メルトフローレート0.05〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲のものが好適に使用される。
エチレン・ビニルエステル共重合体は、エチレンを主成分とし、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。これらの中でも特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好ましい。さらにビニルエステル含有量は3〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%の範囲で選択される。
エチレンとα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体の代表的な共重合体としては、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体等のエチレン・(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体;エチレン・無水マレイン酸・酢酸ビニル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・無水マレイン酸・アクリル酸エチル共重合体等の二元共重合体または多元共重合体等が挙げられる。
すなわち、これらのコモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル等を挙げることができる。この中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等のアルキルエステルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エステル含有量は3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。
[超低密度ポリエチレン樹脂(D)]
本発明に係る超低密度ポリエチレン樹脂(D)とは、(d1)密度0.86〜0.90g/cm未満、好ましくは0.87〜0.89g/cmの範囲、(d2)MFRが0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分の範囲のエチレンと炭素3〜12のα−オレフィン共重合体であり、結晶性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体、微結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。
[熱可塑性エラストマー(E)]
本発明の熱可塑性エラストマーとは、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられるが、これらの中でも、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーが、ライナー材料との相溶性、経済性等から好ましい。
ポリオレフィン系エラストマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂とEPR、EPDM、所望により超低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などのポリエチレン系樹脂あるいはオイル及び架橋剤の存在下で、動的に部分架橋や完全架橋して得られるポリオレフィン系エラストマー(TPO)を包含する。
また、ポリスチレン系エラストマーとしては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうちから1種または2種以上の芳香族ビニル化合物と、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ共役ジエン化合物とのブロック共重合体、及び/またはその水添物が挙げられる。
上記のポリスチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)等が挙げられる。上記ブロック共重合体の製造方法としては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法としては、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることができる。
上記水添物の具体例としては、スチレン−エチレン・ブテン共重合体(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体(SEP)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)等を挙げることができる。
他の好ましい熱可塑性エラストマーの例としてはポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体ゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。
(ii)官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の構成
本発明の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)は、前記官能基含有エチレン系ランダム共重合体及びグラフト化官能基含有ポリエチレン系樹脂を包含し、該グラフト化官能基含有ポリエチレン系樹脂の原材料として、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分のそれぞれ単独で変性されて(官能基が少なくとも1種含有されて)いてもよいが、(A)+(B)、(B)+(C)、(A)+(C)、(A)+(D)または(A)+(B)+(C)、(A)+(B)+(D)、(A)+(C)+(D)、(B)+(C)+(D)および(A)+(B)+(C)+(D)のいずれか1種のポリエチレン樹脂組成物として変性(以下、「官能基含有」ともいう。)させることもできる。これらの組成物は、変性時にドライブレンドしたり、または予めこれらを、ニーダー、ヘンシェルミキサーなどの周知の混合器で混合しておいて変性させてもよい。
また、(A)〜(D)の少なくとも1種がそれぞれ上記に記載した条件を満たさない場合は、接着力が低下し、所望の接着強度が得られない懸念が生じることから、好ましくない。
また、(A)、(B)及び(D)の少なくとも1種がシングルサイト系触媒で製造されたものであることが、接着力、機械的強度のバランスがよく好ましい。
また、官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の構成としては、(A)〜(D)を単独で用いるよりも、二種以上の混合物とするのが、経済性、作業性等から、好ましい。
特に好ましい組み合わせとしては(A)成分および/または(B)成分のシングルサイト系触媒で製造された変性品が望ましい。
(iii)官能基含有モノマー
本発明の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)においては、上記された官能基の中でも官能基(a)または官能基(b)を包含する不飽和カルボン酸またはその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種類のモノマーが好ましい。該不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、一塩基性不飽和カルボン酸、二塩基性不飽和カルボン酸、ならびに、これらの金属塩、アミド、イミド、エステルおよび無水物が挙げられる。一塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は、多くとも20個、好ましくは15個以下である。また二塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は、多くとも30個、好ましくは25個以下であり、この誘導体の炭素数は、多くとも30個、好ましくは25個以下である。これら不飽和カルボン酸およびその誘導体の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびその無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸およびその無水物、ならびにメタクリル酸グリシジルが好ましく、特に無水マレイン酸、5−ノルボルネン酸無水物が、ポリエチレン樹脂組成物の接着性能が優れることから好適である。
上記の含有量は、樹脂成分に対して、不飽和カルボン酸またはその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種類のモノマー量が、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。該含有量が、0.001重量部未満では本来の目的である接着性能に十分なものが得られず、10重量%より多い場合には未反応モノマーが増加するので好ましくない。また、エチレン等とのランダム共重合体の場合には、1〜30重量%、好ましくは2〜28重量%、より好ましくは3〜25重量%の範囲が望ましい。
(iv)ラジカル開始剤
本発明においてグラフト化変性に用いるラジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α‘−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジt−ブチルジパーオキシイソフタレート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、アセチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。
これらの中でも、半減期1分を得るための分解温度が、160〜200℃のものが好ましい。分解温度が低すぎると原料のポリエチレン系樹脂が押出機内で十分可塑化しないうちに分解反応が始まるため、反応率が低くなる上にゲルやフィッシュアイが多くなり、逆に分解温度が高すぎると、押出機内等で反応が完結せず、未反応の不飽和カルボン酸およびその誘導体の量が多くなる。
ラジカル開始剤の配合量は、通常1次変性時において、ポリエチレン樹脂を含む樹脂成分の合計100重量部に対して0.005〜0.5重量部、より好ましくは0.01〜0.3重量部の範囲で使われる。0.005重量部未満ではグラフト化反応が十分に行なわれず未反応モノマーが増加するので好ましくない。また、0.5重量部より多い場合には、ゲル、フィッシュアイが多発するため好ましくない。
本発明において、不飽和カルボン酸またはその誘導体モノマーとラジカル開始剤の比率は、通常、60/1〜10/1の範囲で使われる。ラジカル開始剤の量が少なすぎると未反応モノマーが増加するため好ましくない。逆にラジカル開始剤の量が過剰になると、ゲル、フィッシュアイが多発するため好ましくない。
(v)官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の製造方法
官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の製造方法は、樹脂(A)、(B)、(C)及び(D)の少なくとも1種のポリエチレン系樹脂、またはその組成物(以下ポリエチレン系樹脂等とも称す)100重量部に、不飽和カルボン酸またはその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種類の官能基含有モノマー0.05〜2.0重量部並びにラジカル開始剤0.005〜0.5重量部を加え、単軸押出機及び/または二軸押出機や単数または複数の反応器などを用いて溶融混練または溶媒中で変性(官能基含有)することにより達成される。
具体的には、押出機やバンバリーミキサー、ニーダーなどを用いる溶融混練法、適当な溶媒に溶解させる溶液法、適当な溶媒中に懸濁させるスラリー法、あるいはいわゆる気相グラフト法等が挙げられる。
処理温度としては、(A)〜(D)少なくとも1種のポリエチレン系樹脂等の劣化、不飽和カルボン酸やその誘導体の分解、使用する過酸化物の分解温度などを考慮して適宜選択されるが、前記の溶融混練法を例に挙げると、通常190〜350℃であり、とりわけ200〜300℃が好適である。
本発明に係る官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)を製造するにあたり、その性能を向上する目的で、特開昭62−10107号公報に記載のごとく既に公知の方法、例えば前記のグラフト変性時あるいは変性後にエポキシ化合物またはアミノ基もしくは水酸基などを含む多官能性化合物で処理する方法、さらに加熱や洗浄などによって未反応モノマー(不飽和カルボン酸やその誘導体)や副生する諸成分などを除去する方法を採用することができる。
上記不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーのグラフト量は高いほど望ましいが、一般的には0.001〜10重量%の範囲(グラフト量の測定法:赤外線分光光度計による)である。
上記ラジカル開始剤を用いて、ポリエチレン系樹脂等への反応は、グラフト化反応とポリエチレンの微架橋が同時に並行して起こるが、溶融混練時の樹脂温度を250℃以上とすることで、グラフト化反応が優先的に起こり、モノマーの高付加率を実現する。一方、樹脂温度が250℃未満ではポリエチレン樹脂等の微架橋が優先的に起こることでゲルや樹脂焼けが増加し、得られる官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の品質が低下する。また、樹脂温度が310℃を超えるとポリエチレン自体の劣化が加速されるため、ゲルや樹脂焼けなどが激増し、これも品質を低下させる。
また、このような高温で反応を行なうため、押出機や反応器などの内部への空気の混入はできるだけ抑える必要があり、また溶融混練では、押出機内などでの樹脂の長時間滞留も避けなければならない。このため、原料樹脂投入口付近での窒素フィードを行なうことは、極めて好ましい。
本発明の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の製造においては、ポリオレフィン系樹脂材料を複数次にわたって変性することが好ましく、それにより比較的に高価なモノマーである、不飽和カルボン酸及びその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種の変性モノマーの変性率を充分に高めて経済性を向上させ、比較的に少量の変性モノマーにて高い変性率を達成することを実現し、接着性能が非常に優れて、未反応官能基含有モノマーが残留せず、ゲルや樹脂焼けなども生じない、高品質の官能基含有ポリオレフィン樹脂(X)を製造することができる。
このような溶融混練での変性方法で得られるグラフト変性率(測定法:赤外線分光光度計による)は、一般的に0.2〜2.5重量%程度の範囲であり、最終次の変性ポリエチレン系樹脂(A)のグラフト変性率での上限は高いほど望ましいが、一般的には0.55重量〜3重量%の範囲である。しかし、特にこの範囲に限定されるものではなく、より高い変性率にすることが望ましい。
(vi)未変性ポリエチレン系樹脂(Y)の構成
本発明に係る未変性ポリエチレン系樹脂(Y)は、(a1)密度0.94〜0.97g/cm、(a2)メルトフローレート0.01〜100g/10分を有する高密度ポリエチレン樹脂(A)、(b1)密度0.90〜0.94g/cm未満、(b2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(B)、(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10分の高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂(C)及び、(d1)密度0.86〜0.90g/cm未満、(d2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の超低密度ポリエチレン系樹脂(D)及び熱可塑性エラストマー(E)から選択される少なくとも1種の未変性ポリエチレン系樹脂である。
上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分は、上記の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)で使用した樹脂と同じものでもよいが、(A+B)、(A+C)、(A+D)、(A+E)、(B+C)、(B+D)、(B+E)、(C+D)、(D+E)、(A+B+C),(A+B+D)、(A+B+E)、(A+C+D)、(A+C+E)、(B+C+D)、(B+C+E)、(B+D+E)、(C+D+E)、(A+B+C+D)、(A+B+C+E)、(A+C+D+E)、(B+C+D+E)、(A+B+C+D+E)等の少なくとも1種の未変性ポリエチレン系樹脂、その組成物とを混合してもよい。
上記(Y)成分は必須ではないが、上記(X)成分が単独の場合には、成形時に過度の樹脂劣化や、ゲル等が惹起する場合も起こり得るという弊害が生じる懸念があることやMFR、密度の調節、耐熱性、機械的特性、剛性、柔軟性等の機能の調節等が容易にできる、あるいは経済的であるということから上記の(Y)成分を使用することが好ましい。
また、上記官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)または未変性ポリエチレン系樹脂(Y)に使用される(A)、(B)及び(D)の少なくとも1種がシングルサイト系触媒で製造されたものであることが、低分子量成分が少なく、官能基含有時の樹脂劣化、ゲルの発生を抑制すること、機械的強度、接着強度等の性能を向上させることからも好ましい。
(vii)接着性樹脂(Z)の調整
本発明の接着性樹脂(Z)は、合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器1の内側の肩部7と該口金部材3の一端に形成された円盤部8とを、ガス漏れを抑止するために、この接着性樹脂(Z)4を介して溶着するのに用いられるものであり、前記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を含有する下記(A)〜(D)から選択された少なくとも1種の官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)0.5〜100重量%と、下記(A)〜(E)から選ばれる少なくとも1種の未変性ポリエチレン系樹脂(Y)0〜99.5重量%とからなる、(z1)密度0.86〜0.97g/cm、(z2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の接着性樹脂(Z)である。
(A):(a1)密度0.94〜0.97g/cm、(a2)メルトフローレート0.01〜100g/10分を有する高密度ポリエチレン樹脂
(B):(b1)密度0.90〜0.94g/cm未満、(b2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
(C):(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10分の高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂
(D):(d1)密度0.86〜0.90g/cm未満、(d2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の超低密度ポリエチレン樹脂
(E):熱可塑性エラストマー
より具体的には、官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)の(A)、(B)、(C)および(D)の1種から選択された樹脂あるいはそれらの樹脂組成物、例えば(A)+(B)、(B)+(C)、(A)+(C)、(A)+(D)または(A)+(B)+(C)、(A)+(B)+(D)、(A)+(C)+(D)、(B)+(C)+(D)および(A)+(B)+(C)+(D)のいずれか1種の官能基含有ポリエチレン系樹脂組成物(X´)と、未変性ポリエチレン系樹脂(Y)の(A)〜(E)の1種又はそれらの少なくとも1種の未変性ポリエチレン樹脂組成物(Y´)とを混合してなることを特徴とするものである。
これらの中でも接着性、耐熱性、強度、易成形性の点から、好ましい組み合わせは、樹脂(B)の変性ポリエチレン系樹脂と未変性高密度ポリエチレン系樹脂及び未変性直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂の未変性ポリエチレン系樹脂である。特に好ましい配合比は、樹脂(B)の変性直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂10〜30重量%と未変性ポリエチレン系樹脂(樹脂A/樹脂B=0〜30重量%/100〜70重量%)90〜70重量%の割合で配合された組成物である。
上記官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)と未変性ポリエチレン系樹脂(Y)との配合割合(X)/(Y)は、100〜0.5/0〜99.5重量%、好ましくは95〜5/5〜95重量%、より好ましくは80〜20/20〜80重量%の範囲で選択されることが望ましい。該接着性樹脂(Z)の(z1)密度は0.86〜0.97g/cm、好ましくは0.90〜0.96g/cm、より好ましくは0.91〜0.95の範囲である。密度が0.86g/cm未満では、機械的強度や接着強度が低下する惧れが生じ、0.97g/cmを超える場合は、工業的に大量生産が難しく、また、耐久性が低下する惧れが生じる。
(z2)メルトフローレートは、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分、より好ましくは0.1〜40g/10分の範囲である。MFRが0.01g/10分未満では成形加工性に難点が生じ、100g/10分を超える場合では衝撃強度等の強度が低下する惧れを生じる。
本発明の接着性樹脂は、上述の性状を満足するものであり、初期接着強度や、高圧ガスを充填、排出する際の、内側の合成樹脂製ライナー材が収縮、膨張などや、温度変化への対応性、これらが繰り返される経時変化、耐内容物への抵抗性等の耐久性が優れるものであり、これらの接着性樹脂は、それ自体で合成樹脂製ライナー材として使用してもよく、他の熱可塑性樹脂に配合して、接着能を付与しても良い。
特にブロー成形によれば、押出ダイスを用いて一工程で中空容器と口金部材との接着または溶着が可能であり、生産スピード等の向上と、均一な塗膜が形成され、かつ接着強度等の性能が発揮されるので好ましい。
また、本発明において、合成樹脂製ライナー材と口金部材を接着させる場合には、口金部材と接着性樹脂入りライナー材との接着強度をより強固にするために該口金部材の一部または全面に、上述の粗面化処理や下地処理剤などの表面処理を行っておくことが望ましい。
またさらに、射出成形法では口金部材に線刻および/または溝部を設け、合成樹脂性ライナー材を線刻および/または溝部に埋没させて口金部材と一体化させた中空容器も提供可能である。
(ii)熱可塑性樹脂
また、本発明における、合成樹脂製ライナー材の態様は、接着性樹脂100〜0.5重量%、熱可塑性樹脂0〜99.5重量%の配合物で構成され、接着能を有するものである。
上記接着性樹脂と熱可塑性樹脂との配合比は、好ましくは接着性樹脂5〜95重量%/熱可塑性樹脂95〜5重量%、より好ましくは接着性樹脂90〜10重量%/熱可塑性樹脂10〜90重量%である。該接着性樹脂の配合量が0.5重量%未満では接着能が発揮されない可能性が生じ、熱可塑性樹脂が5重量%未満では、熱可塑性樹脂の特性が発揮されないことになり、熱可塑性樹脂を選択した意味を持たない。
特に、合成樹脂製ライナー材としては、接着性樹脂と熱可塑性樹脂とは同種の樹脂材料が好ましく、このような組み合わせを選択することにより、初期接着強度や、高圧ガスを充填、排出する際の、内側の合成樹脂製ライナー材1が収縮、膨張などや、温度変化への対応性、これらが繰り返される経時変化、耐内容物への抵抗性等の耐久性が優れるものとなる。
本発明の熱可塑性樹脂の具体例としては、高密度ポリエチレン樹脂、架橋ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等ポリエステル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等のエンジニアリングプラスチック及び相溶化剤を配合した樹脂(ポリマーアロイ)等が挙げられる。
これらの中でもポリオレフィン系樹脂が、剛性、低温衝撃性等の機械的強度、ガスバリア性、加工性、作業性、経済性等のバランスに優れる点から最も好ましい。
さらに、これらの中でもポリエチレン系樹脂が、ガスバリア性、加工性、作業性、経済性等の観点から最も好ましい。
(iii)合成樹脂製ライナー材用樹脂の調整
上記合成樹脂製ライナー材は、単層材、積層材、複合材のいずれで構成されていてもよい。これら合成樹脂製ライナー材の複合材や積層材としては、例えば、高密度ポリエチレン樹脂に、エンジニアリングプラスチック、金属部材、無機充填剤が分散された複合材などが挙げられる。また積層材では、少なくともポリオレフィン系樹脂主材層/バリア層/ポリオレフィン系樹脂主材層を含む多層構造からなる積層体としてもよい。
本発明の合成樹脂製ライナー材はそれ自身接着能を有しているため、中間層にバリヤ層を設けるだけで多層化が可能である。
該多層化の方法としては多層ブロー、サンドイッチ射出成形法等で行うことができる。
上記合成樹脂製ライナー材として好ましいポリエチレン系樹脂を用いる場合においては、密度が、0.920〜0.970g/cm、好ましくは、0.930〜0.960g/cm、さらに好ましくは、0.940〜0.950g/cmの範囲であることが望ましい。
上記密度が0.920g/cm未満では、剛性が不足しタンク口部強度の剛性が不足し、密度が0.970g/cmを超えるものは耐久性が低下する惧れが生じる。
また、上記ポリエチレン系樹脂においては、ハイロードメルトフローレート:HLMFR(JIS K6922−1(1997)、条件D(温度190℃、荷重211.8Nにて測定)が2〜70g/10分、好ましくは、3〜60g/10分、さらに好ましくは、4〜50g/10分であるものが望ましい。このような範囲であると、特に多層ブロー成形によって、合成樹脂製ライナー材と接着剤とを同時に押出す際に層乱れがなく、表面層が良くなることから好ましい。
上記HLMFRが2g/10分未満では、樹脂圧力が上昇し押出特性が低下し、70g/10分を超える場合では、衝撃性、耐久性が不足する惧れが生じる。
上記エンジニアリングプラスチックとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12などの各種ポリアミド(PA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)などの水酸基含有各種樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリブチレンテレフタラート(PBT)などの各種ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂やポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などが挙げられる。
また、上記金属部材としては、鉄、アルミニウム、銅、錫、亜鉛、ニッケル、チタンなどの金属類や、これらを含む各種合金が挙げられる。
また、無機充填剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、雲母などが挙げられるが、中でも平均粒径が0.5〜10μmの板状晶構造を持つ微粉末タルクや微粉末雲母が好適である。
また、積層構造の合成樹脂製ライナー材としては、上記のポリオレフィン系樹脂主材層/バリア層/ポリオレフィン系樹脂主材層の2種3層構造、ポリオレフィン系樹脂主材層/バリア層/接着性樹脂層/リグラインド層/ポリオレフィン系樹脂主材層の4種5層構造の積層体などの三層以上の積層体が挙げられる。
前記バリア材層に好適に使用される材料としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等が挙げられる。
これらの合成樹脂製ライナー材を用いて容器とする場合には、ブロー成形法、射出成形法、回転成形法、圧縮成形法などの成形法によって製造することができる。中でも、ブロー成形法によるのが好適である。
(2)補強材
図1に示すように、補強材層2を形成する補強材は、合成樹脂ライナー材から形成される中空容器1の外層を覆い、圧力容器10の耐圧性能を向上させる役割を担うものであり、アルミニウム、チタン、軽合金等の軽量の金属材で構成しても良いが、成形加工性、軽量化等を考慮した場合においては、繊維強化プラスチック(FRP:fiber reinforced plastics)あるいは繊維強化金属複合材料(FRM:fiber reinforced metal)で構成するのが好適である。すなわち、内側壁を構成する合成樹脂製ライナー材をブロー成形等で成形された筒状の容器の外周壁を覆うようにFRP製の外側壁を形成するためには、上記内側の筒状容器の外周壁に、フィラメントワインディング法やテープワインディング法等によって、ヘリカル巻層、フープ巻層、レーベル巻層など、樹脂を含浸させた補強繊維束の巻層を形成し、ついで樹脂を加熱して溶融または硬化させて成形することによって外側壁の補強材とすることができる。外側壁の強度は、巻層を形成する補強繊維の種類、巻付ける形態、巻付ける厚さ、樹脂の種類、樹脂の厚さなどを種々組合わせることにより、目的に合った好適な範囲の補強材とすることができる。また、織物などのような連続した補強材に熱硬化性樹脂を含浸させて成形するプリプレグ法等他の方法で形成しても良い。
巻層を形成するための補強繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、有機高弾性率繊維(例えばポリアラミド繊維)、無機繊維(金属繊維、ウイスカ、ボロン繊維、チラノ繊維)などが挙げられ、これらは1種類でも2種類以上を併用することもできる。
これらの補強繊維は、比強度、比弾性率に優れ、ワインディング時の糸切れや毛羽の発生がほとんどなく、生産性の向上、耐衝撃性能の低下防止などの観点から、炭素繊維が特に好ましい。
補強材の形成用樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドなどのエンジニアリングプラスチック、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、強度等の性能や経済性等の観点から一般的に熱硬化性樹脂が好ましい。
(3)口金部材
本発明の口金部材3は、高圧ガスの充填、排出用のノズル取付けのために設置されるものであって、一例としては、一端が円盤部8の形状を具備し、圧力容器10の内側の合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器1と、その外側の耐圧性の補強材層2で構成される円筒状の圧力容器の少なくとも一端に設けられ、該容器の合成樹脂製ライナー材の内側の半球状の肩部7に、口金部材3の円盤部8が埋設するようにインサートされている。また、口金部材には好ましくは予め粗面化や下地処理剤あるいは、線刻または溝を設け、該合成樹脂製ライナー材と接着または溶着される。
口金部材3の材料は、金属、樹脂いずれであってもよい。金属としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタンの合金、これらの複合材料、およびクロム・モリブデン合金等が挙げられる。樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリオキシベンジレン、ポリスルホンなどの高剛性で耐熱性に優れたものが挙げられる。口金部材の材料は、これら例示したものに限定されるものではないが金属材料、特に軽量、機械的強度が高く、耐圧性で、比較的安価なアルミニウム、その合金などが好ましい。
内側の中空容器1の肩部7に接着される口金部材の円盤部8は、合成樹脂製ライナー材との接着力を高めるために、その表面が粗面化、あるいは下地処理剤をもって、処理されていることが望ましい。表面の粗面化法としては、サンドブラスト法、ショットブラスト法、グリッドブラスト法などにより、波型形状、三角波形状など任意の形状の粗面とすることができる。該表面の粗さ(JIS B0601:2001に準拠)は、1000μm以下、好ましくは560μm以下、さらに好ましくは0.01〜100μmの範囲で選択されることが望ましい。
(4)下地処理剤
本発明の口金部材の下地処理剤としては、特開昭59−132977号公報等に開示されるような陽極酸化処理法、特開平5−9746号公報のような三価クロム処理、あるいは特開平5−51765号公報等に開示されている、水和酸化処理、クロメート処理、交流電解処理、樹脂塗料の塗布等の一般的な処理方法でもよいが、特に特開2006−40595号公報に開示されるように、キトサン及びキトサン誘導体からなる群より選ばれた1種または2種以上のキトサン類と、Ti、Hf、Mo、W、Se、Ce、Fe、Cu、Zn、V及び3価Crからなる群より選ばれた1種または2種以上の金属を含む金属化合物とを含有してなる下地処理剤で前記口金部材の表面を処理することによって形成された皮膜であることが好ましい。特に分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する有機化合物と金属化合物とを含有している下地処理剤が好ましい。
前記キトサンは、例えばカニやエビ等の甲殻類から抽出される天然高分子キチンを60〜100モル%脱アセチル化することで得られる。また、キトサン誘導体は、例えばキトサンに存在する水酸基又は/及びアミノ基に対して、カルボキシル化、グルコール化、トシル化、硫酸化、リン酸化、エーテル化、アルキル化などして得られた化合物である。中でも、前記キトサン類としては、キトサン、カルボキシメチルキトサン、カチオン化キトサン、ヒドロキシアルキルキトサン及びこれらの酸との塩からなる群より選ばれた1種または2種以上のキトサン類を用いるのが好ましい。
前記分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する有機化合物としては、特に限定されないが、例えば酢酸、蓚酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、メリト酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、セバチン酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、エチレンジアミンテトラカルボン酸、トリメリット酸等が挙げられる。
前記金属化合物としては、Ti、Hf、Mo、W、Se、Ce、Fe、Cu、Zn、V及び3価Crからなる群より選ばれた1種または2種以上の金属を含む金属化合物としては、特に限定されるものではないが、例えばこれら金属の金属酸化物、水酸化物、錯体化合物、有機酸塩、無機酸塩などが挙げられる。中でも、3価Crを含む金属化合物を用いるのが好ましく、この場合には、高温条件下での耐電解液性をより向上させることができるし、成形性も向上させることができる。前記3価Crを含む金属化合物としては、例えば硫酸クロム、硝酸クロム、フッ化クロム、蓚酸クロム、酢酸クロム等が挙げられる。
3.圧力容器の製造方法
以下に本発明の圧力容器の製造方法について具体的に詳述する。
本発明に係る圧力容器は、前述の通り、図1に例示されるように、内側の合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器1(内側壁)と、該中空容器1の外層を補強材で被覆してなる外側の耐圧性の補強材層2(外側壁)とで構成され、該容器の少なくとも一方の端部に、高圧ガスの充填、排出用のノズル取付けのための口金部材3が装着されてなる。本発明に係る圧力容器は、例えば好ましい態様としては、合成樹脂製ライナー材を形成する、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンとエンジニアリングプラスチックとのポリマーアロイ等のポリオレフィン系樹脂に官能基含有ポリエチレン系樹脂(X)からなる接着性樹脂(Z)を配合された樹脂ペレットをブロー成形等で、押出ダイから溶融パリソンとして押出し、合成樹脂製ライナー材から形成される中空容器1の内側の肩部7と該口金部材3の一端に形成された円盤部8とを、直接、強固に接着または溶着し、口金部材付中空容器1を形成し、次いで該中空容器1の外側にカーボンファイバー、ガラス繊維等で巻回して補強材層2とし、圧力容器10を形成するものである。
本発明の圧力容器の製造方法において、合成樹脂製ライナーの製造方法は、ブロー成形法に限定されるものではなく、射出成形、回転成形、圧縮成形等によって製造しても良いが、製造時に口金部が一体化でき、製造工程が簡単で、製造コストも安く、経済的であるため、ブロー成形法を採用することが好ましい。
図2は本発明の好ましい製造方法の一例である多層ブロー成形法の主要部の断面図を示したものである。
図2において、支持台15に係属する支持部14の上下に、好ましくは予め表面処理または下地処理した前記の口金部材3が支持され、ブロー成形機(図示せず)の押出機のダイス11から接着性樹脂を配合した高密度ポリエチレン樹脂などのようなポリオレフィン系樹脂で構成されるライナー材1を円筒状のパリソン12(a,b)として押出し、金型13(a,b)間に口金部材3の円盤部8を囲うようにパリソンを垂下させる。次いで、まだ十分パリソン12(a,b)がやわらかい状態で該金型13(a,b)を型閉めし、該パリソン12(a,b)を縮径し、口金部材3の首部をパリソン12(a,b)と同時にピンチし、空気等でブローアップしてパリソン12(a,b)を膨張させて金型13(a,b)壁に押圧して中空容器1を形成する。一方、ライナー材の肩部7と、口金部材3の円盤状部8とは内圧により、口金部材3(ロッド)がライナー材の肩部7に押圧されて密着し、溶融状態の合成樹脂製ライナーと口金部材とが融着されて圧力容器が作製される。次いで中空容器1の外周を、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた、カーボンファイバー糸や束、ガラス繊維糸や束等の繊維糸、束、マット等により、被覆して、硬化させて繊維強化材(CFRP、GFRP等)層2を形成して、圧力容器10を製造するものである。
本発明の圧力容器の製造方法において、合成樹脂製ライナーで形成される中空容器の製造方法は、上記ブロー成形法に限定されるものではなく、射出成形、回転成形、圧縮成形等によって製造しても良いが、前述の通り、製造時に中空容器の形成と同時に口金部材が一体化でき、製造工程が簡単で、作業性、作業効率がよく、製造コストも安く、経済的であるため、ブロー成形法を採用することが好ましい。
4.圧力容器の用途
本発明に係る圧力容器は、これに充填されるガスの種類は制限されるものではなく、天然ガス、液化石油ガス、窒素、酸素、水素、ヘリウムガス、アルゴンガス、ロケット燃料などが挙げられ、口金部材と合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器との接着力が高く、気密性が優れるなどの点からいずれにも好適に使用できる圧力容器である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら実施例によって制約をうけるものではない。なお、実施例および比較例において、物性の評価は次の通りである。
1.測定法
(1)密度(単位:g/cm):JIS K6760に準拠して測定した。
(2)メルトフローレート=MFR(単位:g/10分):JIS K6922−1(1997)、条件D(温度190℃、荷重21.18N)に準拠して測定した。
(3)ハイロードメルトフローレート=HLMFR(単位:g/10分):JIS K6922−1(1997)、条件D(温度190℃、荷重211.8N)に準拠して測定した。
(4)接着強度:テンシロンを用いて、テンシロンの引張速度50mm/分、長さ5cm、180度剥離で接着強度を測定した(測定値は5点の平均値)。
(5)落下衝撃テスト:
1)補強材/ライナー材:圧力容器を、常温で肩部を下にして高さ3mのところから斜め落下させた後の容器の状態を観察した。
2)口金部材/ライナー材:圧力容器を、−40℃で、口金部を下向きにして高さ3mのところから落下させた後の容器の状態を観察した。
(6)ガス漏れテスト:圧力容器10に30MPaの水素ガスを充填し、室温で、30日間放置後のタンク内圧力の経時変化による(○:ガス漏れなし、×:ガス漏れあり)。
2.原料
[変性ポリエチレン樹脂(X)の製造]
(1)変性ポリエチレン樹脂(X1)の製造
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.924g/cm、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)製)からなる粉末状のポリエチレン系樹脂(B)100重量部に、無水マレイン酸0.8部および2,5−ジメチル−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.02部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練し、MFR4g/10分、密度0.925g/cm、グラフトモノマー量が0.5重量%の変性ポリエチレン系樹脂(X1)を得た。
(2)変性ポリエチレン樹脂(X2)の製造
高密度ポリエチレン樹脂(密度:0.958g/cm、MFR:20g/10分、銘柄:HS490P、日本ポリエチレン(株)製)80重量部と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.921g/cm、MFR:16g/10分、銘柄:US370G、日本ポリエチレン(株)製)20重量部からなる粉末状のポリエチレン系樹脂(A+B)100重量部に、無水マレイン酸0.8部および2,5−ジメチル−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.02部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練し、MFR8g/10分、密度0.950g/cm、グラフトモノマー量0.5重量%の変性ポリエチレン系樹脂(X2)を得た。
(3)変性ポリエチレン樹脂(X3)の製造
シングルサイト系ポリエチレン樹脂(密度:0.930g/cm、MFR:3g/10分、銘柄:NW584N、日本ポリエチレン(株)製)からなる粉末状のポリエチレン系樹脂(B)100重量部に、無水マレイン酸0.6部および2,5−ジメチル−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.02部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練し、MFR2g/10分、密度0.930g/cm、グラフト化率0.4重量%の変性ポリエチレン系樹脂(X3)を得た。
3.実施例
<実施例1>
[接着性樹脂入りライナー材の製造]
官能基含有ポリエチレン系樹脂(X1)20重量%と高密度ポリエチレン樹脂(商品名:ノバテックHD HB111R、日本ポリエチレン(株)製、密度=0.945g/cm、ハイロードメルトフローレート(190℃、荷重:211.8N)=6g/10分)80重量%を、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練後、ペレタイズして、接着性樹脂入り高密度ポリエチレン製ライナー材用ペレットを作製した。
[圧力容器の製造]
図2に示すように、アルミニウム製口金部材3を支持台15に係属する支持部14の上下にインサートし、口金部材3を設置して、(株)日本製鋼所製NB150連続多層中空成形機を用い、下記条件で、多層ブロー成形機(図示せず)のダイス11から上記接着性樹脂入り高密度ポリエチレン樹脂製ライナー材として、筒状のパリソン12(a,b)を押出し、金型13(a,b)間に垂下させ、まだ十分パリソンがやわらかい状態で該金型13(a,b)を型閉めし、該パリソン12(a,b)を縮径し、口金部材料3の首部をパリソン12と同時にピンチして、空気をブローしてパリソン12を金型13壁に押圧してライナー材から形成された中空容器1を形成する。一方、高密度ポリエチレン樹脂製ライナー材から形成される中空容器1の肩部7と、口金部材3とが内圧により口金部材3(ロッド)が高密度ポリエチレン樹脂製ライナー材の内側の肩部7に押圧して、融着され、容積30リットルの中空容器1を作製した。次いで中空容器1の外周を、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含浸させた、カーボンファイバー束を被覆巻回した後、加熱押圧して、中空容器外層のとエポキシ樹脂を含浸させたカーボンファイバー繊維強化材2(CFRP)を融着し、エポキシ樹脂を硬化させて補強材層を形成し、圧力容器10を製造した。この圧力容器10を用いて、落下衝撃テスト及びガス漏れの有無(5点平均)を確認した結果を表1に示した。
[ブロー成形条件]
成形温度210℃、ブロー圧力1.4MPa、金型温度20℃、吹込時間130secの条件で、外層側から接着性樹脂入り高密度ポリエチレン樹脂層/ガスバリヤ−層(EVOH層)/接着性樹脂入り高密度ポリエチレン樹脂層(最内層)の2種3層(層厚:(外層)2.5mm/0.15mm/2.5mm(内層))の円筒状の耐圧容器を製造した。
<層構成>
[内外の接着性樹脂入り高密度ポリエチレン樹脂層]
商品名:ノバテックHD HB111R、日本ポリエチレン(株)製、密度=0.945g/cm、ハイロードメルトフローレート(190℃、荷重:211.8N)=6g/10分と官能基含有ポリエチレン(X)の混合物
、日本ポリエチレン(株)製、密度0.933g/cm、MFR0.6g/10分。
[ガスバリア層]
エチレン−ビニルアルコール共重合体層(EVOH層)、商品名:エバールF101B(株)クラレ製
<比較例1>
実施例1における接着性樹脂を使用しない以外は実施例1と同様にして圧力容器を製造し、評価した結果を表1に示した。
<実施例2>
[接着性樹脂入りライナー材の製造]
官能基含有ポリエチレン系樹脂(X1)2重量%と高密度ポリエチレン樹脂(商品名:ノバテックHD HB111R、日本ポリエチレン(株)製、密度=0.945g/cm、ハイロードメルトフローレート(190℃、荷重:211.8N)=6g/10分)98重量%を、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練後、ペレタイズして、接着性樹脂入り高密度ポリエチレン製ライナー材用ペレットを作製した。
[圧力容器の製造]
実施例1と同様にして圧力容器を製造し、評価した結果を表1に示した。
Figure 0004961204
<実施例3>
[接着性樹脂入りライナー材の製造]
官能基含有ポリエチレン樹脂(X2)20重量%と高密度ポリエチレン樹脂(商品名:ノバテックHD HB111R、日本ポリエチレン(株)製、密度=0.945g/cm、ハイロードメルトフローレート(190℃、荷重:211.8N)=6g/10分)98重量%を、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練後、ペレタイズして、接着性樹脂入り高密度ポリエチレン製ライナー材用ペレットを作製した。。
上記接着性樹脂入り高密度ポリエチレン製ライナー材用ペレットを用いて、実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表2に示した。
<実施例4>
[接着性樹脂入りライナー材の製造]
官能基含有ポリエチレン樹脂(X3)20重量%と高密度ポリエチレン樹脂(商品名:ノバテックHD HB111R、日本ポリエチレン(株)製、密度=0.945g/cm、ハイロードメルトフローレート(190℃、荷重:211.8N)=6g/10分)98重量%を、ヘンシェルミキサーで混合した後、モダンマシナリー(株)製50mm単軸押出機を用いて、スクリュー回転数50rpm、樹脂温度280℃の条件で溶融混練後、ペレタイズして、接着性樹脂入り高密度ポリエチレン製ライナー材用ペレットを作製した。。
上記接着性樹脂入り高密度ポリエチレン製ライナー材用ペレットを用いて、実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表2に示した。
<実施例5>
予め口金部材の円盤部に以下の下地処理剤で処理した口金部材を用いた外は実施例3と同様にして圧力容器を作製し、評価した結果を表2に示した。
[口金部材の下地処理]
水500質量部、グリセリル化キトサン10質量部、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸10質量部を混合した液を4時間撹拌することによってグリセリル化キトサンを十分に溶解させた。得られた溶解液にフッ化クロム(3価Cr)5質量部を添加して、下地処理剤を得た。次いで、アルミニウム製の口金部材の円盤部に前記下地処理剤をロールコーターで塗布した後、200℃で30秒間加熱乾燥することによって、下地処理層(皮膜)を形成せしめた。
<実施例6>
官能基含有ポリエチレン(X)としてエチレン−無水マレイン酸(MAH)−メチルアクリレート(MA)のランダム三元共重合体(密度=0.94g/cm、MFR=8、MAH=3重量%、MA=10重量%、日本ポリエチレン(株)社製 ETと称す)20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.924g/cm、MFR:9g/10分、銘柄:Z50MG、日本ポリエチレン(株)製 (B2))80重量%を実施例1と同様にして、表2に示したような性状を有する接着性樹脂(Z5)ペレットを作製した。上記接着性樹脂(Z5)を用いて、実施例1と同様に圧力容器を製造し、評価した結果を表2に示した。
Figure 0004961204
4.評価結果
実施例1〜6にみられるように、本発明のようにライナー材に直接接着性樹脂を配合することにより、簡単な工程でライナー材と口金部材との強固の接着ができる。
また、実施例5に示されるように口金部材に下地処理剤を施すことにより、飛躍的に接着強度が向上した。
比較例1では、官能基含有接着性樹脂がなく、ライナー材と口金部材との接着強度が不十分であった。
本発明の圧力容器およびその製造方法により、合成樹脂製ライナー材で形成される中空容器と口金部との接着力を向上させ、気密シール性が高められた圧力容器及びその圧力容器を簡単な工程で経済的に製造できる製造方法を提供できることから、家庭用液化石油ガス容器、自動車用液化石油ガス容器、圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)、酸素や窒素などを保管する産業用圧力容器、燃料電池用水素タンク等として使用できる樹脂製の圧力容器等に特に好適に用いることができるため、その工業的価値は極めて大きい。
図1は、本発明の圧力容器の一例の一部切欠断面図である。 図2は、本発明の好ましい製造方法の一例であるブロー成形法の主要部の断面図である。
符号の説明
1 中空容器
2 補強材層
3、3´ 口金部材
5 外側口金部
6 Oリング
7 中空容器(ライナー材)の肩部
8 口金の円盤部
10 圧力容器
11 押出しダイス
12a パリソンa
12b パリソンb
13a 金型a
13b 金型b
14 支持部
15 支持台

Claims (9)

  1. 合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器と、該中空容器の外層に設けられた補強材で形成された補強材層とを有し、かつ少なくとも1つの口金部材を有する圧力容器であって、
    該合成樹脂製ライナー材は、密度が0.920〜0.970g/cm 接着性樹脂5〜95重量%及び密度が0.920〜0.970g/cm の熱可塑性樹脂5〜95重量%とを含んでなり、
    前記接着性樹脂が、接着性樹脂全体の重量を基準として、下記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を含有する下記(A)〜(D)から選択された少なくとも1種のポリエチレン系樹脂(X)0.5〜100重量%と、官能基を含有しない下記(A)〜(E)から選ばれる少なくとも1種の未変性ポリエチレン系樹脂(Y)0〜99.5重量%とからなる、(z1)密度0.86〜0.97g/cm、(z2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の接着樹脂(Z)である圧力容器。
    [官能基]
    (a)カルボン酸基またはカルボン酸無水物基
    (b)エポキシ基
    (c)ヒドロキシル基
    (d)アミノ基
    (e)シリル基
    (A):(a1)密度0.94〜0.97g/cm、(a2)メルトフローレート0.01〜100g/10分を有する高密度ポリエチレン樹脂
    (B):(b1)密度0.90〜0.94g/cm未満、(b2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
    (C):(c1)メルトフローレート0.01〜100g/10分の高圧ラジカル法ポリエチレン系樹脂
    (D):(d1)密度0.86〜0.90g/cm未満、(d2)メルトフローレート0.01〜100g/10分の超低密度ポリエチレン樹脂
    (E):熱可塑性エラストマー
  2. 前記(A)、(B)または(D)が、シングルサイト系触媒で製造されたポリエチレン樹脂である請求項に記載の圧力容器。
  3. 前記接着性樹脂が、前記(a)〜(e)の少なくとも1種の官能基を、接着性樹脂全体の重量を基準として、0.001〜30重量%含有する請求項1または2に記載の圧力容器。
  4. 前記合成樹脂製ライナー材は、樹脂内に、エンジニアリングプラスチック、金属部材及び無機充填剤の少なくとも1種が分散された合成樹脂材料である請求項1〜のいずれか1項に記載の圧力容器。
  5. 前記合成樹脂製ライナー材は、少なくとも熱可塑性樹脂層/接着層/バリア層を含む積層体である請求項1〜のいずれか1項に記載の圧力容器。
  6. 前記補強材が、繊維強化材である請求項1〜のいずれか一項に記載の圧力容器。
  7. 合成樹脂製ライナー材で形成された中空容器と、該中空容器の外層に設けられた補強材で形成された補強材層とを有し、かつ少なくとも1つの口金部材を有する圧力容器の製造方法であって、該合成樹脂製ライナー材を、接着性樹脂および熱可塑性樹脂で形成する、請求項1〜のいずれか一項に記載の圧力容器の製造方法。
  8. 前記中空容器を、前記合成樹脂製ライナー材をブロー成形することにより形成する請求項に記載の圧力容器の製造方法。
  9. 口金部材を、予め下地処理剤で処理する請求項7または8に記載の圧力容器の製造方法。
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