JP4960067B2 - 特有の複数の空洞を有するイーストドーナツ - Google Patents

特有の複数の空洞を有するイーストドーナツ Download PDF

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Description

本発明は、従来にない特有の複数の空洞を有するイーストドーナツ類およびその製造方法に関する。
ドーナツは大別すると、強力粉や中力粉を多く使用して製パンの場合と同様にイースト発酵により生地を膨らませたイーストドーナツ類と、主に薄力粉を使用してベーキングパウダーや卵白、起泡剤によって生地を膨らませたケーキドーナツ類に分かれる。イーストドーナツはパンに近い食感と発酵による風味を有する。イーストドーナツ類の製法にはベーキングパウダー0.4〜2重量部を配合する製法も知られている。イーストドーナツの形態としては、最も多く作られているのがリング状のアメリカンドーナツであり、その他の形としては球形や長円形、シェル状、ツイスト、渦巻き状がある。またアンドーナツやカレーパンのように包餡タイプのイーストドーナツ類もある。
通常、イーストドーナツ類は、原材料及び水を混捏し調製したイーストドーナツ生地を、1次発酵、分割、成形、ベンチタイム、ホイロという工程を経て油ちょうを行う。イースト配合量は、直捏法の場合3.5〜5重量部、中種法の場合3重量部程度である。1次発酵の時間はフロアタイムとも呼ばれるが、一般に45分〜90分の間である。ホイロ時間とも呼ばれるが、一般に30〜45分である。そこで、分割、成形、ベンチタイムと併せると混捏後の作業時間は90分以上かかる。そこで、時間を短縮する方法として、混捏後1次発酵を取らずに分割、成形を行い、ベンチタイム、ホイロ、油ちょうと行うノータイム法という方法も行われることもあり、この場合の発酵時間はホイロ時間として30〜45分である。
また、特許文献1はイーストドーナツの製造方法において、生地の発酵後ガス抜きを行い、次いで該ガス抜き生地を圧力式カッターで分割・成形し、ホイロ工程を経ることなしに直ちに油ちょうを行うことを特徴とするイーストドーナツの製造方法である。この発明においてはイーストを5から6重量部使用し、1次発酵時間を60分から110分取っている。
空洞のあるイーストドーナツ類の製造方法として、パン生地にカプセル形態をした油脂もしくはマイクロスフィア形態にした油脂を内包させたものを常法により焼成することを特徴とした内部に空洞を形成したパン類(特許文献2)、パン生地の内部に起泡させたクリームを内包せしめ焼成することを特徴とする空洞パンの製造法(特許文献3)、パン類の内部に空洞が散在し、各空洞の内表面及びその周囲に油脂浸潤部が形成されていることを特徴とするパン類(特許文献4)が知られている。
いずれも油ちょう後に液体になる固形物をパン生地中に練りこみ、その固形物が油ちょう時に液体となって内相中に溶け込むために固形物のあった場所に空洞ができるというものである。そこで、空洞周囲には加熱後に変形し硬化したゼラチンカプセルや一旦溶解後再固化した油脂等が残こる。特許文献1ないし3は餡を詰めるための大きな空洞を作るものであり、特許文献4はバターを塗ったような状態のパンを製造するものである。
特開平1−206944号公報 特開昭60−24143号公報 特開2004−329105号公報 特開平6−233649号公報
本発明者らは、発酵を抑制することによって、複数の空洞を有するパンを製造する方法として、これまでに複数の空洞を有するフランスパン類およびその製造方法について別途特許出願をしている(特願2005−289032号)。これは、生地の熟成は充分に行うがイーストによる生地の発酵を抑制し、実質的にイーストの発酵による生地膨張を生じない状態で焼成を行う方法で、複数の空洞を有するフランスパン類を製造するものである。
イーストドーナツ類の内相については、勢い良く伸展した薄く艶のある気泡膜と適度に細かく均一な楕円形の気泡を有し、目詰まりなく、部分的に大きな穴がないものが良いとされ、空洞や大きな穴開きのあるものはよくないとされてきた。そこで、わざわざ大きな穴開きのあるイーストドーナツ類を作ろうという検討は行われてこなかった。内相の穴は、気泡、ガス泡などとも呼ばれるが、本発明においては、これらの穴を制御し、特定のもの(以下に定義している。)を空洞と呼ぶこととする。したがって、本発明の空洞は、同じ空洞という表現を使用しているが、特許文献3ないし5の空洞とは異なるものである。
ドーナツに多くのバリエーションが求められている中で、これまでに提供されていない新しい内相、新しい食感のイーストドーナツが求められていた。そこで、本発明においては、新規なイーストドーナツ類を提供することを目的とする。すなわち、本発明は、長径5mm以上の概楕円形の空洞断面を20個/100cm以上有し、かつ風味、食感が良好なイーストドーナツ類を提供することを目的とする。また、本発明は、長径7mm以上の概楕円形の空洞断面を30個/100cm以上有し、かつ風味、食感が良好なイーストドーナツ類を提供することを目的とする。
本発明は、イースト発酵による発酵膨張率を27〜70%に調節して膨らませた生地を用いて油ちょうする方法で製造された、水平二分割したときの一方の断面において長径5mm以上の概楕円形の空洞断面を20個/100cm以上有することを特徴とするイーストドーナツ類を要旨とする。
また、本発明は、イースト発酵による発酵膨張率を30〜47%に調節して膨らませた生地を用いて油ちょうする方法で製造された、水平二分割したときの一方の断面において長径7mm以上の概楕円形の空洞断面を30個/100cm以上有することを特徴とするイーストドーナツ類を要旨とする。
本発明によれば、内相に特有の複数の空洞を有し、風味、食感が良好なイーストドーナツを提供することができる。また、本発明のイーストドーナツは、吸油を少なく、しわ、つぶれができにくく、もちっとした食感を有する。
本発明のイーストドーナツにおいて長径mm以上の概楕円形の空洞断面を20個/100cm以上有し、もちっとした食感で、ドーナツ表面の油滲みが少なく、しわ、つぶれができにくいイーストドーナツの提供ができるようになった。また、本発明のイーストドーナツにおいて長径mm以上の概楕円形の空洞断面を30個/100cm以上有し、もちっとした食感で、ドーナツ表面の油滲みが少なく、しわ、つぶれができにくいイーストドーナツの提供ができるようになった。
本発明のイーストドーナツは、水平二分割したときの一方の断面において長径5mm以上の概楕円形の空洞断面を20個/100cm以上、好ましくは長径7mm以上の概楕円形の空洞断面を30個/100cm以上含むことを特徴とする。イースト発酵による発酵膨張率を30〜70%、好ましくは30〜47%に調節して膨らませた生地を用いて油ちょうする方法で製造できる。
<イーストドーナツ類の空洞の特徴>
一般にイーストドーナツ類は、油ちょうしたときに、すぐに膨張して油面に浮かぶ。このときの特徴で、イーストドーナツ類の形状を3つに分類することができる。
一つは、もっとも典型的なトーラス(立体環)様の形状のイーストドーナツ類(以下「イーストドーナツ」と呼ぶ。)に代表される油ちょう可能な面が2つ存在する形状のものである。油ちょう時に最初に油と接触する側の面をイーストドーナツの下面、空気に接触する側を上面と呼ぶこととする。一定時間油ちょうした後、ひっくり返して一定時間揚げて完成する。その場合、油中に沈まずに揚げ色がつかない部分が出ることが多い。その部分はホワイトラインと呼ばれることがあるが、本発明ではイーストドーナツにおけるホワイトラインは、色が白いか否かを問わずドーナツの上面もしくは下面を油面に浮かべたときの油と気相の界面が生地と接する2本の線の中線を中心とする上下に5mm幅の領域と定義する。
二つ目は、重心が偏っておりある特定の側面が常に下を向くため、油ちょうする面が1つしか存在しない形状のもの(以下、「偏重心ドーナツ」と呼ぶ。)である。例えば、棒状のドーナツは、油ちょうするとどちらかに緩やかに曲がり、ひっくり返すことができなくなる。このようなドーナツは、火を通すためには油に沈めたり、油を掛けながら油ちょうする必要がある。偏重心ドーナツにおいても仮想的に油面との接触面を想定して、そこから上面に向かって10ミリをイーストドーナツに倣いホワイトラインと定義する。
三つ目は、球状または該球状の形状で、油ちょうされる面が特定されないもの(以下、「全方性ドーナツ」と呼ぶ。)である。特定の面がないので、上下は存在しない。転がしながら油ちょうするか、軽く油ちょうしたあとに網などで沈めて油ちょうする。
本発明のイーストドーナツ類は、このように、3つの形状に分類されるが、イースト発酵して油ちょうしたものであれば特に限定されない。
本発明のイーストドーナツまたは偏重心ドーナツの空洞は、ホワイトラインに沿って二分割したとき、図1左、図2(ホイロ30分)下に見られるような複数のゆがんだ楕円形(角のとれた多角形と言えるが以下「概楕円形」と呼ぶ。)が観察される。このような概楕円形で、任意の周上の2点距離を計測したときに、最も長いところを長径と呼ぶこととする。
一方、本発明のイーストドーナツを垂直に切断すると、図1真中、図2(ホイロ30分)上のように、ゆがんだ楕円形の多くが、水平二分割面に垂直方向に伸びているのが観察される。このような通常のイーストドーナツの内相に見られる気泡と明らかに区別される空間を以下空洞と呼ぶこととする。このような空洞の横断面がゆがんだ楕円形で、垂直方向に上下に伸びている空洞を有するイーストドーナツは、失敗作のドーナツなどでたまたま穴があく場合と明らかに異なり、これまでに知られていないものと考える。
生地膨張率を通常よりも低く調節することで油ちょう時に大きな空洞ができるメカニズムは、二酸化炭素やアルコールが充分生成していないことから、油ちょう時に通常の細かい気泡が生じ難く、一方で下面から生地が加熱され、内部で水が水蒸気となって上面に向かって膨張して大きな空洞が複数生じるものと考える。生地が不均一ではあるが適度に発酵している、グルテンが適度に強いなど気泡膜が脆くならない程度にバランスのとれた状態となっていることも重要であると考える。
本発明の全方性ドーナツにおいては、回転させながら油ちょうすると、中心に向かって膨張する。概略重心を通る面で任意に分割(以下単純分割という。)したとき、概楕円形の空洞が同心円方向にほぼ等間隔に並ぶ。網で挟むなど回転させないように油ちょうすることで下面から上面に伸びた空洞となる。
<イーストドーナツの単位面積あたりの空洞の計数方法>
本発明のイーストドーナツまたは偏重心ドーナツの空洞を、ホワイトラインに沿って二分割することを水平二分割と定義する。これは、イーストドーナツは、包丁で切断する場合はホワイトラインの中心線で正確に分割することはできないので、幅1cm程度のホワイトラインをはみ出さないように分割すれば、空洞数を計数にあたり問題がないことを意味する。イーストドーナツを形状に応じて水平二分割あるいは単純分割したときに生じる、一方の空洞断面の概楕円形の長径が、特定の大きさより大きいものを計数する。単位面積あたりの空洞の数は、切断面の断面積で除して求める。具体的な方法としては、空洞断面の長径は直接目視により定規で計数してもよいし、スキャナで取り込んで印刷した紙上でトレース用の方眼紙や定規を用いて計数してもよい。コンピューターが利用できる場合は、画像処理により計数することもできる。
切断面の断面積についてはスキャナで取り込んで紙上でトレース用の方眼紙や定規を用いて測定してもよい。コンピューターが利用できる場合は、画像処理により測定することもできる。
本発明のイーストドーナツは発酵を生地膨張率が30%から70%望ましくは30から47%となるように調節することで製造することができる。
生地膨張率が30%未満の状態では、空洞は形成されるもののイーストドーナツ自体の膨らみが小さく、ソフトな食感は得られないことがある。生地膨張率が70%を超えると、内相のきめが細かくなり、もち感は完全に失われ通常のイーストドーナツの食感となっていく。
生地膨張率は、生地膨張率試験を行うことにより測定する。何度かイーストドーナツを試作することで試行錯誤により発酵条件を決めることもできるが、生地膨張率試験をおこなうことで容易に条件を設定するのが望ましいと思われる。初めに一度だけ発酵条件を決めれば、以降製造条件を変更する必要はない。
[生地膨張率試験]
油ちょう直前における生地膨張率の測定
測定開始時の生地の体積を体積測定機で測定する。その装置としては、SELNAC VM−150((株)アステックス社)などがある。この時の体積をVとする。特定条件(温度、時間)発酵をとる。測定開始からt分後、直ちに体積測定機で体積を測定し、この時の体積をVtとする。生地膨張率を下記の式により計算する。ここで、体積測定機の代わりに、メスシリンダー中で発酵させてV、Vtを測定することも可能である。
[式1]
生地膨張率(%)= (Vt−V)/V0×100
ここでV:測定開始時の生地の体積
Vt:t分後の生地の体積
本発明においては、通常のイーストドーナツでは考えられないような低発酵の状態で製造することに特徴がある。安定して本発明のドーナツを製造するためには発酵を特定の調節する必要がある。発酵調節のための条件は、以下に示す発酵による生地の膨張率を特定の範囲となるようにイースト量、発酵温度、発酵時間を特定することで決めることができる。配合の影響は少ないが、発酵抑制作用のある物質を添加したり、糖質を高濃度に添加するなど高浸透圧とした場合など特殊な配合条件では影響を受ける可能性がある。何れの配合であるにせよ、選択するイーストの種類、工程で使用される発酵装置、作業環境にあわせて適宜設定することができる。発酵は、ノータイム法など一度だけ行う方法があり、その場合は、式1の結果を発酵膨張率として決定できる。一般的には、一次発酵、ホイロをとる。その場合には、それぞれの条件で生地膨張率を求めて、本発明の生地の発酵膨張率は次式より求めることができる。なお、発酵を調節するためにベンチタイムなどの影響は小さい。
[式2]
発酵膨張率(%)=(100+一次発酵の生地膨張率)×(100+ホイロの生地膨張率)/100−100
一般的な製造では、発酵温度が一定であるので、例えば、イースト量を通常の添加量の2分の1〜3分の1の所定量添加して、ミキシング、捏上温度を固定して、発酵膨張率を求めて発酵時間を決めれば容易に発酵条件を設定することができる。
本発明のイーストドーナツ類の製造方法の、具体例について記載する。
本発明のイーストドーナツ類の原材料は、通常使用されているものであれば特に限定されない。すなわち、小麦粉を主原料とし、これに卵、糖類、油脂、脱脂粉乳、食塩、イースト、等が例示される。
主原料である小麦粉は、通常用いられているものであればいずれでもよい。強力粉、中力粉、薄力粉あるいはその他の穀粉を適当量混合して使用することができる。
卵は、通常の全卵を添加することが好ましいが、冷凍卵、乾燥卵、液卵などを用いてもよい。食塩等についても、一般にイーストドーナツ類に用いられているものであるならば、種類を問わず利用可能である。
本発明における糖類は、上白糖、グラニュー糖などのショ糖の他、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、糖アルコール、澱粉加水分解物等の1種ないし2種以上を使用することができる。
本発明で用いる油脂は、動物性、植物性のいずれでもよく、例えばバター、マーガリン、ショートニング、ラード、精製ラード、精製ヘッドや、大豆油、なたね油、コーン油、綿実油、パーム油およびこれらの水素添加油脂、エステル交換油なども使用することができる。
脱脂粉乳についても、牛乳、練乳などの乳製品を用いても良い。
イーストは生イースト、ドライイースト、インスタントドライイーストなど特に限定されない。イーストの種類や保存の状態によって生地膨張率が変化するよく管理されたものを選定するのがよい。
また、必要に応じて、α化澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉などの澱粉類、ナッツ類、香料、香辛料、乳化剤等を配合することができる。
ミキシシングと捏上温度は、一般におこなわれている条件であれば特に限定されないが、捏上温度は、後の発酵に影響を及ぼすので、品質のバラツキを抑える上で、ジャケットを特定の温度(±1.0℃望ましくは±0.5℃程度)で固定しておこなうのが望ましい。
本発明のイーストドーナツ類は、原材料及び、水を混捏し調製したイーストドーナツ生地を、1次発酵、分割、成形及び包餡、ベンチタイム、ホイロ(2次発酵)という一般のイーストドーナツ類製造工程において、発酵を調節することにより、製造することができる。
発酵の調節は、1次発酵開始からホイロ後までの間の生地膨張率が30%から70%望ましくは30%から47%となるようにする。発酵の調節方法としては、イーストの配合量を減らす、発酵しにくい種類のイーストを使用する、糖の配合量を減らす、発酵しにくい種類の糖を使用する、発酵時間を短縮する、発酵温度を下げる、脱脂粉乳など発酵を抑制するものを添加するなどがあるが、これらを単独もしくは組み合わせて行うことができる。
発酵温度27〜29℃においては、標準的な生イースト添加量を1〜2重量%とした場合には、1次発酵時間を10〜40分、ホイロ時間を20分〜40分となる。
分割のサイズも特に限定されないが、典型的には1個あたり、20g〜100g、好ましくは、60g〜80gごとに生地を分割するとよい。
成形方法は特に限定されない。ただし、ツイストのようにひねり、ねじれ、交差などがあると、油ちょう時に膨張によって生地が圧迫され、空洞がうまく形成されにくい可能性がある。そこで、球形、楕円体、リング型、棒状などのようにひねり、ねじれ、交差などのない形状のほうが好ましい。
油ちょうは常法により行えばよく、例えば温度160〜200℃にて1分〜5分、より好ましくは170〜190℃で3〜5分油ちょうすることにより本発明のイーストドーナツ類を得られる。品質のバラツキを抑えるために、特定の温度でおこなうのが望ましい。油ちょう方法としては、ドーナツを完全に沈めて行う潜行法を用いても良い。
以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(製造条件)
配合は表1の配合表に従った。表2の工程表に示すとおり、フレッシュバターを除く材料を配合し、低速で1分、中速で4分混捏し、さらにフレッシュバターを添加して低速で1分、高速で4〜5分混捏した。捏上温度は27℃とした。フロアタイムを28℃で所定の時間とった後、分割して、ベンチタイムを常温にて10分とった。リング成形後28℃で所定の時間ホイロを行なった後、180℃で1分40秒フライし、反転して更に1分40秒間フライしてイーストドーナツを製造した。
(試験)
生地膨張率とイーストドーナツの空洞形成の関係について調べるため、イースト量(0.5重量部,1重量部,1.5重量部,2重量部、3重量部,4重量部)、1次発酵(5,10,20,30,40,60分)および2次発酵(5,10,20,30,40,50分)と変化させて試験を行った。
(評価)
イーストドーナツ製造後、2〜3時間放置したのち、体積「油ちょう後のイーストドーナツの体積」を表3の基準、官能検査を表4の基準により行った。イーストドーナツの空洞の評価は、ドーナツを水平二分割し、長径の長さごとに空洞を計数した。100cm2面積あたり空洞の数は5つのイーストドーナツについてそれぞれ計数し断面積で除しその平均値を求めた。
一次発酵と、ホイロにおける生地膨張率は、それぞれの一次発酵直前、あるいは、ホイロ開始直前の生地の体積をV、所定時間後の生地の体積Vtを体積測定機(SELNAC VM−150(株)アスチックス社)で測定し前述の式1に従って一次発酵膨張率とホイロ膨張率を求め、式2に従って発酵膨張率を求めた。
それらの結果を表5に示した
表5の試験5,7,9の実物写真を図2,図3に示した。図2中、上段は、垂直断面である。下段は、水平2分割断面である。
表5および図2,3のこれらの結果から、発酵膨張率で16〜70%に調節することにより、長径5mm以上の空洞を20個以上有するイーストドーナツ類が得られることが分かる。
5および図2,3のこれらの結果から、発酵膨張率で16〜70%に調節することにより、長径5mm以上の空洞を20個以上有するイーストドーナツが得られることが分かる。また、発酵膨張率で30〜70%に調節することにより、油ちょう後の体積が充分である長径5mm以上の空洞を20個以上、長径6mm以上の空洞を17個以上、長径7mm以上の空洞を13個以上、長径8mm以上の空洞を10個以上有するイーストドーナツが得られることが分かる。さらに、発酵膨張率で30〜47%に調節することにより、油ちょう後の体積が充分である長径5mm以上の空洞を56個以上、長径6mm以上の空洞を48個以上、長径7mm以上の空洞を47個以上、長径8mm以上の空洞を31個以上有するイーストドーナツが得られることが分かる。これらのイーストドーナツはこのように発酵を調節することにより、複数の空洞を有するイーストドーナツが得られることが分かる。
加えて、驚くべきことに、発酵膨張率で30〜70%調節されたイーストドーナツの発酵終了後の生地は、体積が小さいにもかかわらず油ちょう後、充分に膨張する。発酵膨張率で30〜47%に調節されたイーストドーナツの生地においては、室温に冷却した後の体積が、参考例に示したような通常のイーストドーナツと比べて、遜色ない大きさとなる。
一次発酵膨張率は11.3%、ホイロ膨張率は30.6%、発酵膨張率は45.4%の設定でイーストドーナツを製造した。具体的な配合および製造条件は表7、表8の通りである。その他は実施例1と同様に製造、評価を行った。
この結果もちっとした食感のイーストドーナツが得られた。100cm2面積あたり空洞の数は表9の通りであった。
試験17,18,19の水平2分割断面を図4に示した。生地の重量が20、100gおけるイーストドーナツの空洞を標準的な大きさである60gと比較すると、空洞は、20gと小さいと長径の分布が小さい方向へ、100gと大きいと長径の分布が大きい方向にシフトする傾向がある。
一次発酵膨張率は10.9%、ホイロ膨張率は29.4%、発酵膨張率は43.5%の設定で全方性ドーナツを製造した。具体的な配合、および、製造条件は表10、表11の通りである。この結果、もちっとした食感のイーストドーナツが得られ、5mm以上、または、7mm以上の平均の100cm2面積あたり空洞の数は、それぞれ126個、73.5個であった。水平2分割、中心からの垂直分割の実物写真を図5、図6に示した。
本発明の最適実施例をコントロール(参考例)と対比して示す図面に代わる写真である。 表5の試験5,7,9の実物を示す図面に代わる写真である。上段は、垂直断面、下段は、水平2分割断面である。 図2の実物の外形を示す図面に代わる写真である。 実施例2の水平2分割断面を示す図面に代わる写真である。 実施例3の水平2分割断面を示す図面に代わる写真である。 実施例3の縦断面を示す図面に代わる写真である。

Claims (2)

  1. イースト発酵による発酵膨張率を30〜70%に調節して膨らませた生地を用いて油ちょうする方法で製造された、水平二分割したときの一方の断面において長径5mm以上の概楕円形の空洞断面を20個/100cm以上有することを特徴とするイーストドーナツ。
  2. 生地の発酵膨張率を30〜47%に調節し、水平二分割したときの一方の断面において長径7mm以上の概楕円形の空洞断面を30個/100cm以上有することを特徴とする請求項1のイーストドーナツ。
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