JP4959866B2 - ケーキの連続造粒方法及びその装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、石灰工場から排出されるフィルタープレスケーキのように、乾粉を水分調整して造ったケーキに、混練、造粒及び整形処理等を施して、所定の大きささの粒子に造粒するか、又は分散させる技術であって、当該処理を連続的に且つ量産可能とすることにより効率的に、しかも低コストでこれを行なうことができる方法及びそれを実施するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この発明で対象とするケーキとしては、上述したように、各種産業の排液処理工程での副生物を脱水処理して成形されたケーキ、例えば、石灰工場から排出されるフィルタープレスケーキがある。このケーキは、その主な構成物質は固有の粒径分布をもつ粒状体と水分との混合物であって、所定形状を呈している。このような物理的性状を有する副生ケーキは、通常、所要の処理が施された後に、原料資源等として再利用されたり、あるいは廃棄物として処分される。そこで通常、当該ケーキを再利用したり、あるいは廃棄処分するのに適した形態に加工することが行なわれている。このようなケーキの加工処理される形態として多くの場合、所定粒径のものに造粒したり、あるいは分散させたりして、原料や廃棄物等として望ましい形態、搬送やハンドリング上望ましい形態、埋め戻しや路床盤骨材等に有効な形態、あるいはまた埋め立てに有利な形態に、できるだけ低コストで行なうことが要請される。
【0003】
例えば、石灰石の粉砕工程で発生した石灰石粉の湿式処理で分離された石灰石ケーキを、製鉄所における鉄鉱石粉の焼結工程で副原料として使用する場合には、石灰石ケーキを処理して所定の粒径範囲に造粒したものであれば有効に用いられる。また、石灰石ケーキは、所定の粒径範囲の粒状体に造粒して、石灰石焼成に際し、ロータリーキルン用焼成原石として利用する。一方、砕石処理工程における砕石水洗排水のシックナースラッジをフィルタープレスで脱水したケーキを有効利用する場合、例えば、路盤材の強化材として使用する場合には、所定の粒径以下の粒子に分散させたものが求められる。このように、ケーキの種類と利用形態又は処理形態により、これを所定粒径範囲の粒子に造粒したり、あるいは分散させたりする技術が必要となる。
【0004】
このような要請に対して、例えば、特開昭53−62716号公報には、石灰分を回収利用する方法として、石灰石ケーキと乾燥した石灰石粉とにバインダーとして生石灰粉を添加し、特定の皿型混合機(例えば、特許第571632号に開示されたもの)を用いることにより、粒子相互間にシアリングをさせると共に、造粒作用を付与して所定の粒度に仕上げる技術が開示されている。なお、特開昭53−137897号公報には、石灰石を原料として石灰を焼成する一連の工程の一部において、副生した石灰石ケーキと石灰石粉と生石灰粉とを混合造粒機(同号公報、第3図中、符号27)で処理するとの記載があるが、当該混合造粒機についての開示はされていない。ケーキを混合造粒する装置に関する開示としての上記特定の皿型混合機は、逆流混合原理に基づき原料を混合造粒するものである(以下、「先行技術1」という)。
【0005】
なお、参考として、残土の解砕混合に適した装置としての回転打撃解砕機が、例えば特開平9−99245号公報に開示されている。これは箱型ケーシング内に、揺動自在の羽根を軸外周部と軸方向とに分割して配列した駆動ローターを二つ左右に並べて逆方向に回転させ、それらの下方に別の同様のローターを一つ備えたものである(以下、「先行技術2」という)。
【0006】
上記の通り、ケーキの混練、造粒及び整形処理に関する開示技術は比較的少ないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような方法では、次のような問題がある。
【0008】
石灰石ケーキや生コンスラッジその他のスラッジから造られたケーキには水分が相当量含まれているので、これをほぐすために、先行技術2の回転打撃解砕機で処理しても、ケーキが容易に形状変形して力が分散し、ケーキに対する動力伝達効率が低く、ケーキをほぐすためには問題がある。
【0009】
一方、先行技術1の特定の皿型混合機においては、その運転方法が原料投入、撹拌、及び排出の各操作が別々にあり、バッチ運転となるのでケーキの処理効率が低く、大量処理をする必要がある場合には問題がある。また、本体内部に生石灰等の乾燥剤又は固化剤を添加すると、強固なスケールが生成しやすく、駆動部の過負荷をきたし、設備効率が低下し、運転の維持管理に手間がかかる。
【0010】
以上のように、先行技術の方法においては種々の問題点がある。そこで、この発明は、上記問題を解決するために、ケーキのような物理特性を有する物質に対して、混練、造粒あるいは整形処理を効率的に施すために適切な動力伝達手段を開発すると共に、当該動力伝達の適切な条件を見出すことを課題とした。こうして、この発明の目的は、当該課題を解決することにより、ケーキの混練、造粒及び整形処理を効率よく、連続的に行ない、所定粒度の造粒体を得、また所定粒度の分散粒子を得ることができる処理方法及びその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した観点から鋭意研究を重ねた結果、下記知見を得た。
【0012】
1.石灰工場から排出されるフィルタープレスケーキを混練、造粒及び整形処理して連続的に造粒ないし分散するために、連続移動床式コンベア上にケーキをおき、チョッパーによるケーキのせん断と流動との複合作用によりこれを緻密に凝集した粒子に分散させ、ケーキを構成している粒子との結合水を結合粒子表面に滲み出させ、次いで、チョッパーの直接駆動力によるせん断と、当該チョッパーの間接駆動力による流動とのバランスにより、造粒が促進される。ここにおいて、成長した結合粒子は、チョッパーの単位長当たりによるせん断効果が小さく、反面流動性が高くなり、より一層粒子は成長する。これに対して小さな結合粒子に対してはせん断効果が大きく、成長する結合粒子の供給源となる。そして、上記造粒過程で得られた、表面に水分が滲み出た結合粒子に粉末生石灰を添加することにより、その生石灰粒子表面に消石灰の薄膜を形成させ、造粒物を乾燥させると共にこれに強度を付与し、且つその流動性を高めることができる。こうして粒子の整形が促進される。
【0013】
2.上記処理工程における作用・効果を効率的に進行させるためには、コンベア上のケーキ層に対して、チョッパー駆動力を効率的に伝達することが重要である。その方法として、チョッパーの運動方向をケーキ層の移動方向に対して逆向きとし、ケーキ層の全厚(全高)がチョッパー全長で処理されるようにし、且つ、チョッパーで処理されたケーキが再度繰り返しできるだけ多数回にわたり処理されるチャンスが与えられるように、ケーキとチョッパーとの関係が満たされるように、処理装置を構成すべきである。
【0014】
3.そして、上記工程を安定して操業するためには、チョッパー処理中のケーキに含有される水分を適切な範囲内に管理することが重要である。原始ケーキ中の水分は、その構成粒子の粒度及び粒子形状に影響されるプレス脱水率、及びケーキ特性により影響され、更に、一次処理後のケーキにあっては、その際に添加される生石灰等の水分調整剤の添加量により影響される。こうした要因によりある含有率の水分を有するケーキは、その水分含有率が適正な場合には、ケーキの構成粒子の粒径分布及び粒子形状に依存した固有のチョッパー駆動力を示し、処理ケーキの流動性を高め、造粒を促進する。しかしながら、上記水分含有率が高過ぎる場合には、粒子結合が過剰に進み、ケーキが団塊になり、チョッパー駆動機構の負荷が過大となる。逆にその水分含有率が低すぎる場合には、造粒が進まず、むしろ分散が進んで上記負荷は低下する。
【0015】
本発明者等は、上記知見をもとに更に検討を重ね、この発明をした。その要旨は次の通りである。
【0016】
請求項1記載のケーキの連続造粒方法は、石灰工場から排出されるフィルタープレスケーキに、混練、造粒及び整形処理を施して、連続的に前記ケーキを粒子に加工する造粒方法であって、下記工程(イ)〜(ニ)を含むことに特徴を有するものである。即ち、
工程(イ):前記ケーキを連続移動床式コンベアに装入する。
工程(ロ):前記コンベア上に装入され、前記コンベアによって移動されつつある前記ケーキ層を、前記コンベアの上方に配設された複数の回転チョッパーにより、混練し、分散し、そして造粒する。
工程(ハ):前記複数の回転チョッパーは、長さ方向が前記ケーキの移動方向に対して直角方向に軸芯が向いているローター軸の周囲に、当該ローター軸の方向に対して直角に固定された状態で前記ローターの回転と共に、前記コンベアの移動方向と逆方向に回転することにより、前記ケーキ層に対して動力を伝達する。
工程(ニ):造粒すべき粒子の径の調整は、目標値に応じて当該チョッパーの周速を制御することにより行なう。
【0017】
請求項2記載のケーキの連続造粒分散装置は、石灰工場から排出されるフィルタープレスケーキに、混練、造粒及び整形処理を施して、連続的に前記ケーキを粒子に加工する造粒分散装置であって、層状に装入された前記ケーキを移動させる連続移動床式コンベアと、前記コンベアの上方に配設された複数の回転チョッパーであって、長さ方向が前記コンベアの移動方向に対して直角方向に軸芯が向いているローター軸の周囲に、当該ローター軸の方向に対して直角に固定された状態で前記ローターの回転と共に、前記コンベアの移動方向と逆方向に回転可能なチョッパーと、造粒すべき粒子の径の調整を、その目標値に応じて当該チョッパーの周速を制御することにより行う制御機構とを備えていることに特徴を有するものである。
【0020】
【実施の形態】
本発明の実施の形態を、図を参照しながら説明する。
【0021】
図1に、本発明の方法の実施に使用する、ケーキの連続造粒分散装置の長さ方向の概略垂直断面図を示し、そして図2に、図1中のAA線断面矢視図を示す。1はコンベアベルト、2はローラー、3はチョッパー、4はローター、そして5はケーキである。
【0022】
コンベアベルト1上に原料ホッパー6から原料のケーキ5を層状に装入する。原料のケーキは通常、単一種類のケーキを使用する。ケーキの種類としては、石灰石の洗浄排水からシックナースラッジをつくり、これをフィルタープレスで脱水したケーキ、あるいは砕石の洗浄排水からシックナースラッジをつくり、これをフィルタープレスで脱水したケーキ等を使用する。但し、原料のケーキ5を原料ホッパー6へ装入する前に、必要に応じてケーキの含有水分を所定範囲に調整しておく。コンベアベルト1を駆動ローラー2’で所定の速度で移動させつつ、コンベアベルト1の上方に設けられたチョッパー3を、ローター4を介して回転させる。ローター4はその長さ方向がコンベアベルト1の移動方向に直角に設けられており、チョッパー3の回転方向はコンベアベルト1の移動方向と逆方向にする。
【0023】
チョッパー3はローター4の周囲に、その円周方向に所定の角度をずらして設ける。図3は、チョッパーとローターの全体概略図の例である。同図の(a)はローター4の長さ方向の側面図、そして(b)は(a)のBB線断面矢視図である。チョッパー3の半径、各チョッパー3の間隔d、取付けの円周方向ずれ角度、及びローター4長さ方向のチョッパー3の取付け範囲A、並びに、各ローター4の間隔、及びローター4の取付け基数、回転数等を、ケーキ層の厚さ、ケーキの種類と造粒製品又は分散製品の粒径分布との組合せ等、及び生産計画に応じて適宜決める。
【0024】
コンベアベルト上のケーキは、チョッパーの回転により切り込まれ、混練作用、造粒作用、次いで粒子の整形作用を受け、目標とする粒径分布の粒子に造粒された製品が製造される。混練、造粒及び整形作用のメカニズムは前述した知見の通りであり、上記製品を安定して製造するためには、特に、ケーキがコンベアベルトに装入された時点から、整形作用が完了するまでのケーキ中の水分の管理が重要である。従って、ケーキ中の結合粒子からの水分の滲み出しの状態、水分過多の場合に発生するケーキの団塊化によるローター動力値の上昇、水分過少の場合に発生する造粒化の阻害によるローター動力値の低下を検知し、これらの状況に応じて製造ラインにおける水分含有量の調整をする。そこで、上記水分含有量調整に必要な付帯装置として、コンベアベルトの長さ方向の適当な中間位置に、例えば水分低減用の粉末生石灰添加装置を設ける。造粒製品の粒径制御のためには、上記水分含有量の管理と共に、チョッパーの周速、及びチョッパーによる原料処理の通過回数(以下、「チョッパー処理回数」という)が重要である。そして、このチョッパーの回転力を原料に対して如何に効率よく伝達するかが重要である。
【0025】
なお、チョッパーの周速は、チョッパーの回転数によって決まる。即ち、原料の物性が既知の場合には、予めチョッパーの回転数を固定しておく。一方、原料の物性が未知の場合には、制御機構によってチョッパーの回転数を、例えば、次のようにして制御する。ケーキの水分、粒度、量、性状、構成成分および目標粒度等のデータと最適チョッパー回転数との関係を予め過去の実績等に基づいて求めておく。制御機構は、前述の関係に基づいて最適チョッパー回転数を決定する。
【0026】
そこで、例えば、コンベアベルト上方をライン方向に移動し得るクレーンに粉末生石灰切出し用のフレコン受ホッパーを装着し、その切出し用ロータリバルブ操作と、チョッパーの周速と、コンベアベルトの移動速度と、チョッパー処理回数とを、上記水分含有量及びローター動力値により制御するのが望ましい。また、図1及び2に示したように、チョッパー3設置位置の直後の上方に衝突板7を設け、これにより後方へ跳ね飛ばされるケーキを受け止め、下方に落下させ、もとのチョッパーにより部分再処理して処理効率を上げること、飛散原料の周囲への付着の防止とこれによるコンベアベルトの移動抵抗増加の防止のために、コンベアベルト側部にスカート8を設けること、及びコンベアベルトの上方に原料の飛散防止の防塵シートをもうけることが効果的である。
【0027】
上記装置は、原料の水分含有量、チョッパーの周速、チョッパー処理回数、及びコンベアベルトの移動速度等を適切に調整することにより、ケーキを所定粒径以下の粒子に分散させるための、ケーキの連続分散装置として使用することもできる。
【0028】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明する。図1〜図3に示した装置に準じた装置を用いて、下記実施例1及び実施例2を試験した。
【0029】
(1)実施例1
石灰石水洗排水のシックナースラッジを、フィルタープレスで脱水したケーキを原料として、これより造粒品を製造する試験を行なった。この造粒品は、製鉄所における高炉原料である焼結鉱の副原料の一部として石灰成分の利用に供されるものである。従って、粒径分布が所定の範囲に入っていることが要求される。
【0030】
表1に、試験で使用した原料ケーキを構成する粉石灰石の粒子径分布及び水分含有率を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
構成粒子径は実質的に600μ以下である。この原料ケーキの一次処理として、生石灰を添加して水分含有率を22.8wt.%に下げた。これを幅750mmのコンベアベルト上に、ケーキ層厚200mm、ケーキ幅約500mmで装入した。チョッパーの半径110mm、チョッパーのローター周囲方向のずれ角度90°、各チョッパー間の間隔9mm、チョッパーのローター長さ方向の取付け範囲を470mmとした。このようなチョッパーを取付けたローターを600mmピッチで5基設けた。コンベアベルトを移動速度1.2m/minで移動させながら、チョッパーをコンベアベルトの移動方向と逆方向に回転させ、混練、造粒及び整形の各工程を順次経由させた。
【0033】
各工程におけるチョッパーの回転数及び周速を、表2に示す。なお、チョッパー処理回数は、各工程共それぞれ5回とし、造粒及び整形工程に対しては、前工程で、半成品がコンベアベルト上でその始端から終端に至ったところで半成品を一旦ホッパーに払い受け、次いでコンベアベルト始端の原料ホッパーからコンベアベルト上に再装入した。但し、造粒工程終了後の半成品に生石灰を5.3wt.%添加して水分含有率を下げる2次処理を施した後に、整形工程に入った。こうして得られた造粒品の粒径分布、強度及び水分含有率を、表3に示す。造粒品の粒径分布、強度共に、高炉原料である焼結鉱の副原料への利用品として望ましいものであった。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
(2)実施例2
砕石水洗排水のシックナースラッジを、フィルタープレスで脱水したケーキを原料として、これより分散品を製造する試験を行なった。この分散品は、路盤材と混合することにより、従来、廃棄処分していたケーキを製品として有効利用するものであり、粒径分布を所定値以下にして路盤材内の隙間に入れ、強度を向上させ、路盤の品質を安定化させるのに使用する。
【0037】
表4に、試験で使用した原料ケーキ塊の粒子径分布及び水分含有率を示す。構成粒子径は実質的に20mm以上である。
【0038】
【表4】
【0039】
この原料ケーキを、乾式にて分散させるためには、原料ケーキの水分を半成品段階での分散処理物が互いに再結合しないような表面水分レベルに仕上がるように事前調整することが必要である。そのために、上記フィルタープレスケーキに粉末生石灰を3wt.%添加し、別途ローダーで混合した。これを、実施例1と同様、幅750mmのコンベアベルト上に、ケーキ層厚200mm、ケーキ幅約500mmで装入した。チョッパー設備は実施例1とまったく同じで、チョッパーの半径110mm、チョッパーのローター周囲方向のずれ角度90°、各チョッパー間の間隔9mm、チョッパーのローター長さ方向の取付け範囲を470mmとした。このようなチョッパーを取付けたローターを600mmピッチで5基設けた。但し、始端側の2基のみを使用し、残3基はフリーパスとした。即ち、分散工程を3次に分け、第1次、第2次、第3次共に、チョッパー処理回数2回を1サイクルとし、3サイクルの分散工程を経由させたものである。コンベアベルトの移動速度を1.2m/minとし、チョッパーをコンベアベルトの移動方向と逆方向に回転させた。
【0040】
チョッパーの回転数及び周速を、表5に示す。なお、第1次〜第3次のいずれの分散工程においても、2回のチョッパー処理後、半成品が終端に至ったところでこれを一旦ホッパーに払い受け、次いでコンベアベルト始端の原料ホッパーからコンベアベルト上に再装入した。こうして得られた分散製品の粒径分布を、表6に示す。分散製品の粒径分布は、大半が10mm以下の細粒となっており、路盤材の強化材として利用できるものである。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、産業排液処理工程や各種乾粉処理工程において発生する各種のケーキを、緻密に凝集した粒子であって、所定の粒径、その他の物性を備えた粒状体に造粒したり、分散させたりする処理工程を、連続的に安定して操業することができる。そして下記のような種々の効果が得られる。
1.各種ケーキの構成物質を資源の有効活用のために再利用することが可能となる。
2.連続工程によりケーキを処理して造粒あるいは分散させることが可能になり、生産能力が上がり、品質管理も容易になる。
3.連続移動床コンベアを採用することにより、常にコンベア上表面がチョッパーで掻き取られるので、その表面でのスケール生成を防止することができる。
【0044】
4.ベルトに付着したスケールは、コンベアリターン部にクリーナーを設けておくことにより完全に除去できる。
【0045】
5.連続工程であるから、従来のバッチ工程と比較すると設備が簡素化され、設備費が低減され、また工程制御もしやすい。
【0046】
6.設備の大型化が容易であり、大量処理が可能である。
【0047】
7.処理品の形態が球状になるので、タンク内等での取扱い性が向上する。
【0048】
このように多大な効果が発揮され、効率的に、しかも低コストで、各種ケーキから目標とする特性を満たす粒状体を連続的に造粒する方法、及び連続的に分散させる方法、並びにそのための装置を提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施に使用する、ケーキの粒状体連続造粒装置の長さ方向の概略垂直断面図である。
【図2】図1中のAA線断面矢視図である。
【図3】図1中のチョッパーとローターの全体概略図の例であり、(a)はローターの長さ方向の側面図、(b)は(a)のBB線断面矢視図である。
【符号の説明】
1 コンベアベルト
2 ローラー
3 チョッパー
4 ローター
5 ケーキ
6 原料ホッパー
7 衝突板
8 スカート
9 防塵シート
10 造粒品
Claims (2)
- 石灰工場から排出されるフィルタープレスケーキに、混練、造粒及び整形処理を施して、連続的に前記ケーキを粒子に加工する造粒方法であって、下記工程(イ)〜(ニ)を含むことを特徴とする、ケーキの連続造粒方法。
工程(イ):前記ケーキを連続移動床式コンベアに装入する。
工程(ロ):前記コンベア上に装入され、前記コンベアによって移動されつつある前記ケーキ層を、前記コンベアの上方に配設された複数の回転チョッパーにより、混練し、分散し、そして造粒する。
工程(ハ):前記複数の回転チョッパーは、長さ方向が前記ケーキの移動方向に対して直角方向に軸芯が向いているローター軸の周囲に、当該ローター軸の方向に対して直角に固定された状態で前記ローターの回転と共に、前記コンベアの移動方向と逆方向に回転することにより、前記ケーキ層に対して動力を伝達する。
工程(ニ):造粒すべき粒子の径の調整は、その目標値に応じて当該チョッパーの周速を制御することにより行なう。 - 石灰工場から排出されるフィルタープレスケーキに、混練、造粒及び整形処理を施して、連続的に前記ケーキを粒子に加工する造粒分散装置であって、層状に装入された前記ケーキを移動させる連続移動床式コンベアと、前記コンベアの上方に配設された複数の回転チョッパーであって、長さ方向が前記コンベアの移動方向に対して直角方向に軸芯が向いているローター軸の周囲に、当該ローター軸の方向に対して直角に固定された状態で前記ローターの回転と共に、前記コンベアの移動方向と逆方向に回転可能なチョッパーと、造粒すべき粒子の径の調整を、その目標値に応じて当該チョッパーの周速を制御することにより行う制御機構とを備えていることを特徴とする、ケーキの連続造粒分散装置。
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