本発明の実施例について、図1〜図60を引用して説明する。
まず、図1を引用し、洗濯乾燥機の概要について説明する。
洗濯乾燥機の外枠1は、洗濯水を貯留する外槽2を内置する。外槽2は外枠1に防振支持される。洗浄したり、乾燥したりされる洗濯物を収納する洗濯脱水槽(内槽)3は、外槽2内に回転自在に支持される。
洗濯物を撹拌して洗う撹拌翼4は、内槽3に回動自在に内置される。洗濯運転時、および乾燥運転時には、撹拌翼4は正転/逆転が繰り返される。脱水運転時には、撹拌翼4は内槽3と一緒に高速回転し、内槽3内の洗濯物に含まれる水分が脱水される。
洗濯乾燥用駆動モータ10は、撹拌翼4、および内槽3の回転駆動を行う。洗濯乾燥用駆動モータ10は、DCブラシレスモータを使用する。このDCブラシレスモータは、ベクトル制御が行なわれる。
外蓋5は外枠1の上部に備わるトップカバー6に開閉自在に設けられる。外槽2の上部には、内蓋34が開閉自在に設けられる。外蓋5、および内蓋34を開いて内槽3内に洗濯物の出し入れを行う。
トップカバー6は、前側に給水ボックス(図示せず)を有する。給水ボックスは、水道水,風呂水を外槽2に供給する。洗剤、仕上剤の投入装置35は、トップカバー6の前側に備える。洗剤、仕上剤の投入は投入ホース36により、外槽2と内槽3の間に注がれる。
給水弁7はトップカバー6の後部に設けられる。給水弁7の流入接続部8は、トップカバー6を貫いて上方に突き出す。この突き出た流入接続部8に水道ホース(図示せず)が接続される。給水弁7の吐出口側は、ここに接続される給水ホース30を介して先の給水ボックスに連通接続される。給水ボックス7の落し口は、外槽2と内槽3の間に向けられている。
風呂水を吸い上げる風呂水ポンプ(図示せず)もトップカバー6の後部に内置される。風呂水ポンプは、風呂まで延びる吸込ホースが接続される。吸込ホースの先には、後述する風呂水を除菌する風呂水除菌装置が備えられる。
乾燥機構9は、内槽3内の洗濯物を乾かす乾燥用空気の循環送風や除湿を行う。この乾燥機構9は大部分が乾燥用空気循環路で占められる。
乾燥用空気循環路は、外槽2の底部に連通するように接続される底部循環路20,底部循環路20から上る除湿用縦通路21,除湿用縦通路21の上側に連通するように接続される温風ユニット22を有する。温風ユニット22は、詳しくは後述するが、送風ファン、ヒータ24する。温風ユニット22の吸込側は、除湿用縦通路21の上側に接続され、排出側は戻り接続循環路25が連通するように接続される。
戻り接続循環路25は、上部蛇腹ホース23を有し、この上部蛇腹ホース23を介して外槽2の上部に連通するように接続される。底部循環路20も下部蛇腹ホース26を有し、この下部蛇腹ホース26を介して外槽2の底部に連通するように接続される。
除湿用縦通路21は、後述する除湿領域を内置する。除湿領域は除湿用縦通路21内に縦に延びるように存在する。この除湿領域に供給する風呂水や水道水で除湿用縦通路21を上昇する乾燥用空気が冷却され、乾燥用空気中に含まれる水分が奪取される。
温風ユニット22の送風ファン29により、乾燥用空気循環路を通じる乾燥用空気が内
槽3内を流通し、内槽3内の洗濯物を乾かす。温風ユニット22のヒータにより、除湿領域8で水分の抜けた乾燥用空気は再加熱されて内槽3を流れるので、洗濯物の水分を除去する。この水分除去が乾燥用空気の循環で繰り替えされることにより、洗濯物は良く乾燥されるようになる。
下部蛇腹ホース26が外槽2の底落込部31は、下部連通管41を介して洗濯水排水路42と洗濯水循環水路43に連通する。洗濯水排水路42には排水弁44を介して下部連通管41が連通し、洗濯水循環水路43には循環ポンプ45および異物除去トラップ32を介して下部連通管41が連通する。
洗濯運転時や乾燥運転時には、排水弁44は閉じて置く。洗濯水を排水する排水時や乾燥運転時には、排水弁44を開いて外槽2に溜まっていた洗濯水やすすぎ水を洗濯乾燥機の外部に排水する。
循環ポンプ45の吸込側は、異物除去トラップ32に連通するようにつながれる。循環ポンプ45の吐出側は洗濯水循環水路43に連通するようにつながれる。洗濯水循環水路43の先方につながる洗濯水循環水縦水路46は、外槽2の外側面に沿って上昇し、内槽3の上側まで延び、内槽3の上側に設けて洗濯糸くず除去装置33に連通するように接続される。
外槽2に溜まる洗濯水や濯ぎ水は、循環ポンプ45で吸い上げられ、洗濯水循環水縦水路46を流れて洗濯糸くず除去装置33から内槽3に散布するように注がれる。この循環ポンプ45による散布注水が続く下で、洗濯や濯ぎが行われるので、少ない水量で良く洗濯・すすぎが行われる。
水位センサ47は、外槽2に溜まる洗濯水や濯ぎ水の水位を検知する。外槽2に底部近傍にエアートラップ50を設け、このエアートラップに連通するように接続したエアーチューブ49を設ける。このエアーチューブ49の上端に水位センサ47が連通するように接続される。外槽2内の水位変動を水位センサ47が感知して水位検知が行われる。
次に本発明の個々の特徴に関し、図を引用して説明する。
まず、図4〜図11を引用して乾燥機構、除湿手段、およびリント除去について説明を加える。
乾燥機構9の大部分を占められる乾燥用空気循環路は除湿用縦通路21を有する。この除湿用縦通路21は、図5に示すように、除湿領域70に除湿手段に含まれる冷却フィン72を有する。除湿領域70は、除湿用縦通路21の途中から上部に亘る範囲に及ぶ。除湿領域70の下端は、洗濯水が高水位(洗濯量が多いとき)のレベルである。
除湿手段の冷却フィン72は、ステンレスやアルミなどの熱伝導性の良い金属材料で形成される。また、冷却フィンは除湿用縦通路21と同じ合成樹脂で一体に形成することも可能である。冷却フィン72は除湿用縦通路21の内壁面より突き出すように立設される。この冷却フィン72に除湿用縦通路21を下から上に向かって流れる乾燥用空気が触れながら上昇し、除湿が行われる。
冷却水の供給接続口80は、除湿用縦通路21に設けられる。この供給接続口80には、水道水や風呂水ポンプが吸い上げる風呂水ポンプを供給する冷却水供給チューブが接続される。冷却水は供給接続口80を通り、冷却フィン72を伝わりながら除湿用縦通路21を下る。ここに下から除湿用縦通路21を上る乾燥用空気は冷却水や冷却フィン72に触れて冷却され、乾燥用空気中に含まれる水分が奪取される。
洗浄水の供給接続口81は、冷却水の供給接続口80に隣接して設けられる。この供給接続口81には、水道水や風呂水ポンプが吸い上げる風呂水ポンプを供給する洗浄水冷却水供給チューブが接続される。洗浄水は洗浄水供給接続口81を通り、冷却フィン72を伝わりながら除湿用縦通路21を下る。冷却フィン72や除湿用縦通路21の内壁面に付着する糸くずや布くず等は、洗浄水により流されて除去される。
消泡ノズル82は除湿用縦通路21の上部に設けられる。消泡ノズル82の先端が斜め下向きになるように置かれる。消泡ノズル82には消泡水供給チューブ83が接続される。消泡水供給チューブ83は、図示されていないが、洗濯水循環水縦水路46に連通するように接続される。洗濯運転やすすぎ運転中に消泡ノズル82より、消泡水が散布される。
この消泡水により、洗濯運転やすすぎ運転中に除湿用縦通路21を上る洗剤泡は消される。除湿用縦通路21を増えながら上昇する洗剤泡は消去される。
除湿用縦通路21は、横断面が長方形の形状を有する。除湿用縦通路21を前後方向の幅が狭く、横方向の幅が広い形状にしたのは、除湿用縦通路21の配置箇所に関係する。除湿用縦通路21は、洗濯乾燥機の後側で、外槽2と外枠1の間に置かれる。洗濯乾燥機の後側は外槽2と外枠1間のスペース幅が狭いので、除湿用縦通路21は、上記の形状になるのである。
なお、外枠1は四角形をしているが、4隅には外槽2を垂下する吊棒が置かれるので、除湿用縦通路21は洗濯乾燥機の後側に配置するようになる。
上記形状の除湿用縦通路21は、上方に拡張風路部84を有する。拡張風路部84は除湿用縦通路21の丈2/3程度より上方部位が横方向の幅を一方に拡張して形成する。除湿用縦通路21の上端横方向幅は、下端横方向幅の2倍程度である。また、拡張風路部84は上方に向かって横幅を拡大する傾斜形状になっている。
除湿用縦通路21の上端は、拡張風路部84の方部位に乾燥用空気が流れ出る乾燥用空気出口86を有し、拡張風路部84を除く他の部位に冷却水の流下部85を有する。冷却水供給接続口80から供給される冷却水は、流下部85から流れ落ち、冷却フィン72を伝わって除湿用縦通路21を下る。
乾燥用空気は、除湿用縦通路21を下から上り、拡張風路部84のところで冷却水との接触から離脱し、温風ユニット22や後述する乾燥フィルタに向かって流れて行く。
拡張風路部84により、温風ユニット22や乾燥フィルタに冷却水の水滴が流入するのを抑えることができる。
すなわち、拡張風路部84を設けないで、冷却水の流下部85に乾燥用空気出口86を設けると、流下部85から流下して冷却フィン72で飛び跳ねた冷却水の水滴が乾燥用空気に乗って温風ユニット22や乾燥フィルタのところに流入する可能性がある。
しかし、拡張風路部84を設けることにより、除湿用縦通路21を下から上って来る乾燥用空気は、拡張風路部84のところで冷却水との接触から離脱する。このため、乾燥用空気は流下部85から流下する冷却水が冷却フィン72で飛び跳ねるところを通過する前に逸れてしまう。
また、除湿用縦通路21の流路断面積は、拡張風路部84の存在するところは下方の拡張風路部84が存在しないところに比べ格段に大きい。このため、乾燥用空気の流れは一段と緩やかになり、冷却水の水滴を運ぶ勢いがなくなる。
このように、拡張風路部84を設けることにより、乾燥用空気が冷却水の水滴を乗せて運ぶことがなくなるので、冷却水の水滴が温風ユニット22や乾燥フィルタのところに流入するのを抑えることができる。
また、洗濯運転やすすぎ運転中に、消泡ノズル82により消泡が不十分で洗剤泡が除湿用縦通路21を上昇しても除湿用縦通路21は、拡張風路部84のところで流路断面積が拡大するため、ここで洗剤泡の上昇は抑えられる。これにより、洗剤泡が温風ユニット22や乾燥フィルタに流入する不具合が未然に防がれる。
除湿用縦通路21は、図5、図7に示すように、リント除去窓90を有する。このリント除去用窓90は、外枠1に対面する拡張風路部84に設ける。窓用蓋91はリント除去用窓90に着脱自在に備える。止ネジ92により、窓用蓋91は締め付け固定される。
外枠1は、図8、図9、図10、図11に示すように、リント除去窓90と対面する位置に外窓93を有する。外用蓋94は外窓93に着脱自在に備える。外止ネジ95により、外用蓋94は締め付け固定される。外窓93の外回りは、図9に示すように、窓用蓋91の外周りよりも大きい。
乾燥運転では、乾燥用空気が除湿用縦通路21を循環する。乾燥用空気に乗って循環する糸くず等のリントは後述する乾燥フイルタで捕集されるが、乾燥用空気の流れが緩やかになる拡張風路部84内にも溜まる。
この拡張風路部84内に溜まったリントは、除去するのが望ましい。外止ネジ95を緩め、外用蓋94を外し、止ネジ92を緩め、窓用蓋91を外す。そして、外窓93、リント除去窓90から手を入れて拡張風路部84内に溜まるリントを除去する。窓用蓋91を取り付け、止ネジ92を締め付け、外窓93を取り付け、外止ネジ95を締め付けることにより、拡張風路部84内に溜まったリントの除去に係るメンテナンスは済まされる。
このように、拡張風路部84内に溜まるリントの除去は、外用蓋94、窓用蓋91を外すことにより、洗濯乾燥機の外枠1の外側から簡単にできるので、メンテナンスがし易い。また、外窓93の外回りが窓用蓋91の外周りよりも大きいので、窓用蓋91を外窓93を通じて外枠1の外に取り出すことができる。窓用蓋91を完全に外してリントの除去掃除ができるので掃除がし易い。
乾燥フィルタ(乾燥フィルタ装置)に関し、図15〜図21を引用して説明する。
乾燥フィルタ(乾燥フィルタ装置)100は、乾燥機構9の乾燥用空気循環路に介在するように設けられる。乾燥フィルタ(乾燥フィルタ装置)100は乾燥用空気循環路を流通する乾燥用空気が運ぶリントを捕集除去する乾燥リント除去手段として機能する。除湿用縦通路21の乾燥用空気出口86と温風ユニット22の上流側(吸込側)の間に乾燥フィルタ装置100は置かれる。
乾燥フィルタ装置100は、図15に示すように、本体枠体101と、本体枠体101に引き出し/押し込み自在の乾燥フィルタ枠体102を有する。乾燥フィルタ枠体102は、前側枠部103とフィルタ枠部104を有する。フィルタ枠部104は、後部に乾燥用空気が流入する流入口106、上面にリントを捕集するフィルタ107を有する。
前側枠部103の前面パネル108は、下部に切り欠き形状の取っ手109を有する。この取っ手109を掴み、乾燥フィルタ枠体102を本体枠体101に出し入れする。
乾燥フィルタ枠体102は、前側枠部103の両側面に抜け止手段110を設ける。抜け止手段110で、本体枠体101に押し込装着された乾燥フィルタ枠体102が抜け出ないように保持される。
抜け止手段110は、図16、図17、図18、図20に示すように、ゴムで作られる滑り止部材111、押しピン112、固定部材113を有する。滑り止部材111は、前側に球状の頭部114、後側外周に環状の鍔115、後側から前側に向かって窪む凹116を有する。
固定部材113は、中央に押しピン112の後部を受け止める受止部117、外周側に一対の係止爪118を有する。
前側枠部103は、図17、図21に示すように、両側面に滑り止部材111の頭部114が嵌め込まれる貫通穴119、固定部材113の係止爪118が係合する一対の係合溝120を有する。一対の係合溝120は貫通穴119を中心として配置形成され、円弧形状をしている。
係合溝120は、図21に示すように、貫通溝部と非貫通溝部を有する。貫通溝部は、固定部材113の係止爪118が挿入できる程度の大きさにしている。残る非貫通溝部に係止爪118を係合させる。非貫通溝部の溝深さは、係合した係止爪118が係合溝120から露出させない程度、あるいは露出しても僅かになる程度が望ましい(図18)。
抜け止手段110の組み立ては、図19に示すように、前側枠部103の内側からする。滑り止部材111を頭部114から貫通穴119に挿入する。続いて、押しピン112を滑り止部材111の凹116に挿入した後に固定部材113の取り付けをする。固定部材113は、係止爪118を係合溝120の貫通溝部に挿入後、捩じるように回すことにより係止爪118が係合溝120の非貫通溝部に乗り上がるよう係合して取り付けが行われる。
さて、乾燥フィルタ枠体102が本体枠体101に押し込み装着された状態では、乾燥フィルタ枠体102の側面より突き出た滑り止部材111が本体枠体101の内壁面に押し付けられる。滑り止部材111はゴムの弾性変形で頭部114を歪めて押し付けられる。この弾性変形によるゴムの摩擦力で、滑り止め作用が強く働き、乾燥フィルタ枠体102が本体枠体101から抜け出ないように保持される。
また、滑り止部材111は、押しピン112により内側から押されているので、頭部114が本体枠体101の内壁面に強く押し付けられ、強い摩擦による滑り止め作用が維持される。このため、洗濯乾燥機の運転振動等で、乾燥フィルタ枠体102の装着が緩んだり外れることが生じない。
更に、乾燥フィルタ枠体102の装着保持は、滑り止部材111の摩擦による滑り止め作用による。このてめ、乾燥フィルタ枠体102の引き出し/押し込み操作により乾燥フィルタ枠体102は脱着されるので、回動操作が伴う機械的なクランプ機構と違い、脱着操作が容易である。
また、抜け止手段110は、滑り止部材111、押しピン112を挿入し、固定部材113の係止爪118を係合溝120に挿入して捩じるだけで組み立つので、組み立てが簡単である。
更にまた、係合溝120に係合した係止爪118は、係合溝120から露出させない程度、あるいは露出しても僅かになる程度である。このため、滑り止部材111の頭部114が歪みつぶれたとしても係止爪118が本体枠体101の内壁面に当接することがなく、滑り止部材111の頭部114による強い摩擦の滑り止め作用は維持される。
なお、上記実施例は、抜け止手段110を乾燥フィルタ枠体102に設け、抜け止手段110の滑り止部材111を本体枠体101の内壁面に摺接させる構成であるが、抜け止手段110を本体枠体101に置き換えることも可能である。つまり、滑り止部材111が本体枠体101と乾燥フィルタ枠体102が対面移動する一方の対向面(例えば、本体枠体101の内壁面)に摺接する構成ですれば乾燥フィルタ枠体102の抜け止めを実現できる。
温風ユニットに関し、図12、図13、図14を引用して説明する。
温風ユニット22は、表側ユニットケース200と、裏側ユニットケース201と、送風ファン202、加熱用のヒータ24を有する。表側ユニットケース200と裏側ユニットケース201を合わせてユニットケースが形成される。このユニットケースの内部に送風ファン202、加熱用のヒータ24が置かれる。このヒータ24はPTCサーミスタを使用する。棒状に長いPTCサーミスタのヒータ24は、全体に亘って均一に発熱し、多数のフィンに触れて流通する送風ファン202からの送風を加熱する。
表側ユニットケース200と裏側ユニットケース201は、送風ファン202を内置するケーシング部204と、ヒータ24を内置するヒータ室205を有する。送風ファン202はターボ形ファンでP矢印方向に高速回転する。ターボ形ファンの翼212は、円弧形状を有し、12枚の翼212は等ピッチに配置される。送風ファン202は、電動機で駆動する。送風ファン202と電動機を併せて電動送風機と言う。
表側ユニットケース200は、吸込口206と、排出口207を有する。吸込口206は、送風ファン202の吸い込み側中央に対向するようにケーシング部204の中央に位置する。排出口207は、ヒータ24の下流側になるヒータ室205の位置に配置する。吸込口206は、乾燥フィルタ(乾燥フィルタ装置)100を介して除湿用縦通路21に連通する。排出口207は乾燥用空気循環路の接続循環路25に連通される。
ケーシング部204は、吐出口208を有する。吐出口208は送風ファン202の回転方向に対し、後側になる後側端部209と先側に先側端部(ノーズ部)210を有する。後側端部209は送風ファン202の外周に近接する。後側端部209は送風ファン202の外周より離間する。このため、ケーシング部204内周と送風ファン202外周との隙間は、後側端部209からノーズ部210に向かって徐々に拡大するインボリュートの形状になる。
送風ファン202の回転により吐出口208から吐出する流量分布は、後側端部209が多く、ノーズ部210が少なく不均一の状態になる。そこで、流量分布を均一に近づけるために、後側端部209側にはノーズ部210に向けて吐出口208を狭めるように突き出す隆起部211を設けた。隆起部211は、後側端部209とヒータ24の一端部の間に位置し、後側端部209に対向する中央が高く隆起する形状にしている。
このように、吐出口208には、ノーズ部210の反対側に位置する後側端部209にノーズ部210に向けて吐出口208を狭めるように突き出す隆起部211を設けることにより、ヒータ24への送風分布は、後側端部209もノーズ部210も均一に近づけられるため、ヒータ24の加熱範囲が全体的に均され、乾燥空気の加熱が良く行われる。
静電気除去に関し、図22〜図28を引用して説明する。
外槽2の上端縁部に取り付け支持される外槽上カバー300は、リング状のカバー部301と、半円状のカバー部302を有する。リング状のカバー部301は、後部を除き、外槽2と内槽3の前部上側を覆う。半円状のカバー部302は、外槽2と内槽3の後部上側を覆う。リング状のカバー部301は、内周側が大きく開口する洗濯物の出入口303になっている。この出入口303は、前記内蓋34により開け閉めされる。
リング状のカバー部301と半円状のカバー部302は、SPS(合成樹脂)材料を用いて一体に形成される。従来はカバー部301とカバー部302をステンレス鋼鈑によるプレス製品で形成していた。それをSPS(合成樹脂)材料の成形品にしたので、生産性が格段に向上し、重量の低減化にもなった。また、SPS(合成樹脂)材料は成形性に優れ、かつ耐熱性に優れているので乾燥運転の高温度に耐える。
内蓋34は、外槽上カバー300にヒンジ304で開閉自在に支持される。内蓋34は、ステンレス鋼鈑で作られた補強フレーム305、合成樹脂で形成した蓋カバー306、耐熱ガラスで作られた透明窓307を有する。蓋カバー306と補強フレーム305は、ネジ308で締め付け締結され、透明窓307は蓋カバー306と補強フレーム305に挟持される。
金属(ステンレス)または電気を通す材料で作られた静電気除去用のリード部材309の一端は、図26、図28に示すように、蓋カバー306のボス部310にネジ317で締結される補強フレーム305と一緒に友締めされる。リード部材309の他端はリード用ボス部311にリード用ネジ312で締め付け締結する。リード用ネジ312は、金属(ステンレス)または電気を通す材料を用いる。
薄板小片の導電ゴム部材313は、外槽上カバー300のヒンジ304が配置された近傍に設ける。図25、図27に示す如く、導電ゴム部材313、およびリード用ネジ312はヒンジ304に備わる回動軸314の近傍に設ける。このため、図27、図28に示す如く、内蓋34が開かれているときにはリード用ネジ312は導電ゴム部材313から離間している。それが内蓋34を閉じることにより、図25、図26に示す如く、リード用ネジ312の頭部が導電ゴム部材313に当接して電気的に接続される。
金属(ステンレス)または電気を通す材料で作られた外部用のリード部材315の一端は導電ゴム部材313に接続され、導電ゴム部材313と一緒に外槽上カバー300に固定される。リード部材315の他端には接続ターミナル316が設けられ、この接続ターミナル316を経て外枠1にアースされる。
乾燥運転中に撹拌翼4で撹拌され、内槽3内を動き回り、静電気を帯びた洗濯物が内蓋34に接触すると、その静電気は内蓋34,リード部材309,リード用ネジ312,導電ゴム部材313,リード部材315を経由して外枠1に放電される。
こうした放電により、乾燥運転中に帯びる洗濯物の静電気は除電されるので、乾燥運転後に洗濯物を取り出す際の電気ショックを解消できる。
上記の除電機構は、内蓋34に設けられたリード部材309を止めるリード用ネジ312をヒンジ304の回動軸314の近傍に設け、内蓋34の開閉に応じてリード用ネジ312の頭部が接離する導電ゴム部材313を外槽上カバー300に設けた構成を有する。この構成は、内蓋側と外槽上カバー側をリード線で接続したものと違い、内蓋の開け閉めに伴うリード線の繰り返し屈曲による損傷が生じない。またリード用ネジ312、および導電ゴム部材313がヒンジ304の回動軸314の近傍に設けるので、ヒンジ304から離れたところに設けるものと違って外部に露出しない。このため、洗濯物の出し入れに際し、洗濯物がリード用ネジ312や導電ゴム部材313に触れて損傷する恐れがない。
風呂水除菌装置に関し、図29〜図32を引用して説明する。
風呂水除菌装置400は、風呂水ポンプ(図示せず)から延びる吸込ホースの先端に接続される。洗濯乾燥機には、風呂水除菌装置400を通じて風呂水が吸い込まれので、除菌された風呂水による清潔な洗濯ができる。
風呂水除菌装置400は、除菌カセット401、上流側異物除去フィルタ402、下流側異物除去フィルタ403、吸込キャップ404、フィルタ押さえ405、本体錘406を有する。本体錘406は水に沈む重い材料で作られ、後部には吸込ホースが、前側には吸込キャップ404がねじ込み結合される。そして、吸込キャップ404内に除菌カセット401、上流側異物除去フィルタ402、下流側異物除去フィルタ403、フィルタ押さえ405が収まる。
除菌カセット401は、合成樹脂で作られる円筒体407と、円筒体407の内部に詰まる粒状の殺菌剤(図示せず)と、粒状の殺菌剤を閉じ込める合成樹脂のカセット蓋408を有する。円筒体407は、内側中央に多数の通水孔(粒状の殺菌剤の粒径より小さい通水孔)をもつ仕切部409を有する。
この仕切部409で円筒体407の内部は軸方向に二つの室に分けられる。仕切部409は円筒体407と一体に形成される。仕切部409は、多数の通水孔(粒状の殺菌剤の粒径より小さい通水孔)を有する。
二つの室には仕切部409から円筒体407の口縁部近傍まで延びる複数の支柱410が設けられる。また、複数の支柱410は、仕切部409の中央に1本、周囲に4本設けられる。これ以上の本数を設けることも可能である。
カセット蓋408は多数の通水孔(粒状の殺菌剤の粒径より小さい通水孔)を有し、外周が円筒体407の内側に嵌る。カセット蓋408は嵌め込まると複数の支柱410の先端で受け止められる。またカセット蓋408は簡単に脱落しないようにカセット蓋の係合手段により止められる。
除菌カセット401で、実施的な除菌カセットになるところは、粒状の殺菌剤が充填され、カセット蓋408と仕切部409で区画されたところになる。カセット蓋408の外面側が除菌カセットに風呂水が流入する除菌カセットの上流側端面になる。仕切部409の外面側が除菌カセットから除菌された風呂水が流出する除菌カセットの下流側端面になる。
さて、吸込キャップ404の通水孔を通り、風呂水除菌装置400内に入った風呂水は、上流側異物除去フィルタ402で異物され、除菌カセット401の粒状の殺菌剤で除菌される。そして、下流側異物除去フィルタ403で更に異物の除去された異物のない除菌された風呂水を洗濯乾燥機に提供できる。
上流側異物除去フィルタ402は、カセット蓋408と吸込キャップ404の前側内部との間に挟まるように置かれるので、その状態が保たれる。そのため、位置ずれがしないので上流側異物除去フィルタ402による異物除去は良く行われる。
下流側異物除去フィルタ403は、複数の支柱410とフィルタ押さえ405との間に挟まるように置かれるので、その状態が保たれる。そのため、位置ずれがしないので下流側異物除去フィルタ403による異物除去は良く行われる。
また、下流側異物除去フィルタ403は粒状の殺菌剤の捕捉機能をも有する。除菌カセット401から粒状の殺菌剤が流出したときは、その粒状の殺菌剤は下流側異物除去フィルタ403により捕捉される。粒状の殺菌剤は多種類である。金属、ガラス等の粒子で、銀イオンの吸着、含入、混入等で形成される。
これらの硬質な粒子の殺菌剤が除菌カセット401から流出しても下流側異物除去フィルタ403で捕捉され、風呂水ポンプに備わるランナーの破損はまぬがれる。
また、下流側異物除去フィルタ403の異物除去細孔は上流側異物除去フィルタ402の異物除去細孔よりも小さい。このため上流側異物除去フィルタ402で、除去されなかった細かな異物を除去できる。
粒状の殺菌剤の除菌効果が低下したら、粒状の殺菌剤の詰め替えをする。除菌カセット401のカセット蓋408は係合手段によって係止されている。このため、除菌カセット401を風呂水除菌装置400から抜き外す/取り付けでカセット蓋408が簡単に脱落することがなく、脱着作業が容易である。
また、粒状の殺菌剤の詰め替えで、カセット蓋408を取り付ける際に、嵌め込んだカセット蓋408が複数の支柱410の先端で受け止められる位置で、係合手段により係合が行われので組み立て易い。
更に風呂水除菌装置の除菌効能、および流通性に関し、図29、図60を引用して述べる。
除菌カセット401である円筒体407の径Φ1は38mm程度である。除菌カセット401内を通過して除菌された風呂水が流れて行く下流側通路に連なる細い流路の径Φ2は12mm程度である。細い流路の径Φ2は吸込ホースにつながる。
除菌カセット401の上流側端面であるカセット蓋408の外側面と上流側異物除去フィルタ402とが対面する対面隙間である上流側隙間の長さD1は5mm程度である。除菌カセット401の下流側端面である仕切部409の外側面と下流側異物除去フィルタ403とが対面する対面隙間である下流側隙間の長さD2は15mm程度である。除菌カセット401で除菌された風呂水が流れて行く下流側通路は途中から除々に細くなり、先細りが止まったところで径Φ2の細い流路に連通するようにつながる。
前記下流側通路が細くなり始める位置から除菌カセット401の下流側端面までの長さD3は、30mm程度である。除菌カセット401の上流側端面(カセット蓋408の外側面)から下流側端面(仕切部409の外側面)までの長さD4は、15mm程度である。
除菌カセット401の下流側端面(仕切部409の外側面)から下流側異物除去フィルタ403の上流側端面までの長さD2は、15mm程度である。前記下流側通路が細くなり始める位置から下流側異物除去フィルタ403の下流側端面までの長さD5は10mm程度である。前記下流側通路が細くなって行く範囲の長さD6は、10mm程度である。
除菌カセット401の上流側端面と上流側異物除去フィルタ402との対向面に幅の長さD1(5mm程度)の隙間を設けたのは、風呂水除菌装置400や吸込ホースの残水を抜くためである。
除菌カセット401の下流側端面と下流側異物除去フィルタ403との対向面に幅の長さD2(15mm程度)の隙間を設けたのも、風呂水除菌装置400や吸込ホースの残水を抜くためである。
除菌カセット401と上下流側異物除去フィルタを近づけ過ぎると、その間に水膜が生成されて空気の流通が遮断されて風呂水除菌装置400に残る水抜きができなくなる。そこで、除菌カセット401と上下流側異物除去フィルタの間に水膜の生成を絶つ程度の間隙を設けることで、空気の流通が遮断されなくなり、残水を抜くことができる。
風呂水除菌装置400に残水が滞留していると、除菌カセット401内の殺菌剤から殺菌成分が溶け出してしまうので、除菌効能の低下が早まる。また、溶け出した高濃度の殺菌成分が洗濯中の衣類に付着すると、生地を変色する恐れがある。風呂水除菌装置400に残る水抜きをすることにより、除菌効能の早期低下、衣類の変色を不具合を解消できる。なお、残水を抜く効果は、上下流側異物除去フィルタ側の隙間の確保がより有効である。また、カセット蓋408は、図32に示すように、外周縁部に多数の通水孔が設けられた外側面よりも前側に立ち上がる環状リングを有する。この環状リングにより上流側異物除去フィルタ402が受け止められてカセット蓋408の外側面(除菌カセット401の上流側端面)との間に間隙を保つことができる。こうした簡単な構成により間隙を保つことが実現できる。
図60は、流通性を示すグラフである。
このグラフは、除菌カセット401の上流側端面から下流側端面までの長さD4が15mmのもとで、下流側通路が細くなり始める位置から除菌カセット401の下流側端面までの長さD3を0mm〜30mmの範囲で変化させて除菌カセット401を流れる毎分単位の水量を示した。この9L/分の流通量は、除菌カセットを備えない従来の風呂水給水具(ストレーナ)と同等の値である。
このグラフから長さD3を長さD4(15mm)よりも短くすると、除菌カセット401を流通する水量が低下することが見られる。風呂水は風呂水除菌装置400を介して洗濯機に給水するので、除菌カセット401の流通量が低下すると洗濯およびすすぎの給水時間が長くなる。
そこで、長さD3と長さD4の関係を(D3>D4またはD3=D4)にすることで、風呂水を除菌する除菌カセット401を備えても、従来の風呂水給水具(ストレーナ)と同等なる流通量を確保できる。これにより、洗濯およびすすぎの給水時間を延ばすことなく風呂水の除菌ができる風呂水除菌装置を提供できる。
洗濯糸くず除去装置、異物捕集トラップ、シャワー洗浄に関し、図33〜図43、図2、図3を引用して説明する。
洗濯糸くず除去装置33は、図1〜図3、および図33〜図36に示すように、内槽3の上側に、すなわち、外槽上カバー300のカバー部302の下面に備え。洗濯糸くず除去装置33は、図37〜図41に示すように、洗濯糸くず捕集ケース500と、洗濯糸くず捕集ケース500を保持する保持ケース501を有する。
保持ケース501をカバー部302の下面にネジ止めすることにより、洗濯糸くず除去装置33は、図36に示すよう外槽上カバー300に固定される。保持ケース501は、図37に示すように止ネジを通すネジボス部502を有する。
洗濯糸くず捕集ケース500は、保持ケース501に着脱自在に装着される。引き出しのように、洗濯糸くず捕集ケース500を前後にスライドさせて保持ケース501に脱着自在に装着される。
洗濯糸くず捕集ケース500は、図37、図38に示すように、底部503から立ち上がる周壁504を有する。洗濯糸くず捕集かご505は、周壁504内に着脱自在に置かれる。かご蓋506は洗濯糸くず捕集かご505に着脱自在である。保持ケース501は垂下する蓋押さえリブ507を有する。
リブ507の下端は、かご蓋506の上面に摺動自在に当接する。かご蓋506は洗濯糸くず捕集ケース500を保持ケース501に装着した際にリブ507で上から押さえ付けられるで、洗濯動作の振動や循環洗濯水の流入によって外れてしまうことはない。
保持ケース501は循環洗濯水を注入する注入口508を有する。注入口508から注がれる循環洗濯水は、洗濯糸くず捕集かご505を通ってシャワー口509より内槽3に注がれる。注入口508から流入する循環洗濯水は、かご蓋506に設けた流入口510を有する。
シャワー口509は、円形で下向きに一つ設けられている。円形をしたシャワー口509の径は19mm程度で、30mm〜10mm程度が望ましい。
リブ507は、注入口508から流入する循環洗濯水を流入口510に導く堰にもなる。流入口510以外への循環洗濯水の流出は、リブ507で堰止めされるので、循環洗濯水に含まれる糸くずは良く行われる。かご蓋506は、リブ507の下端が嵌る溝が存在するので、堰止めは更に良好に行われる。
保持ケース501は、下面に前記周壁504に対向するように設けたシールパッキング511を有する(図27に示す)。周壁504の上端がシールパッキング511に密着して水の流れを封ずるので、洗濯糸くず捕集ケース500に注がれる循環洗濯水は、他に漏れることなく、シャワー口509に導くことができる。
シャワー口509は、円形の周壁504で囲われたシャワー流入室540の中央底部に設けられる。シャワー流入室540は側部に流入口541を有する。流入口541の幅は円形をしてシャワー流入室540に比べ狭く、シャワー流入室540の径の1/4程度である。流入口541の向きは、シャワー口509の中心に対して偏心させてシャワー流入室540の内周壁面の接線方向に沿うようになる。流入口541の上流になる導入水路542は、流入口541に向かって狭まる形状を有する。
シャワー流入室540に流入する洗濯水は、流入口541がシャワー流入室540の内周壁面の接線方向にしているので、シャワー流入室540内で旋回する。しかも、導入水路542が流入口541に向かって狭まっているので、流れの速い旋回流になる。
洗濯糸くず捕集ケース500は、図33〜図37、図39〜図41に示すように前側にハンドル512を有する。ハンドル512は、回動自在に洗濯糸くず捕集ケース500に支持されている。ハンドル512の両端には、溝の係合部513が設ける。保持ケース501は、前側に、ハンドル512の両端に対向する一対の突出リブ514を有する。この突出リブ514に前記溝の係合部513を係止する係止部515を設ける。
ハンドル512は、中央が洗濯糸くず捕集ケース500の前側に回動支持されているが、中央からずれた偏った位置に回動支点を設けることも可能である。
この係合部513と係止部515で構成されるハンドル係合手段は、ハンドル512の捩じり回しにより、係合・離係が行われる。係合は、ハンドル512を時計方向に回すことにより、図40に示すように係合部513と係止部515が係合する。反時計方向にハンドル512を回すことにより、図41に示すように係合部513が係止部515から離脱して離係される。
つまり、ハンドル512は、図33に示す水平の状態ではハンドル係合手段が係合し、図34、図35に示す傾斜した状態ではハンドル係合手段が離係する。
洗濯糸くず捕集ケース500の掃除は、ハンドル512を捩じ回して係合部513と係止部515の係合によるハンドル係合手段の係合を離係し、洗濯糸くず捕集ケース500を保持ケース501から外して行う。掃除をし終えたら、洗濯糸くず捕集ケース500を保持ケース501に取り付ける。そして、ハンドル512を捩じ回して係合部513と係止部515を係合させ、ハンドル係合手段の係合を行うことにより、洗濯糸くず捕集ケース500の装着は完了する。
斯かる洗濯糸くず捕集ケース500のハンドル512は、洗濯乾燥機の運転中に、捩じ回されないように拘束されるので、洗濯糸くず捕集ケース500が外れないようになっている。
内蓋34は、前述したように、外槽上カバー300のカバー部302にヒンジ304で開閉自在に支持される。ヒンジ304に自在に後部側を支点として内蓋34は、前側を上げ下げするように開閉回動をする。この内蓋34の後側下方近傍に位置するように洗濯糸くず捕集ケース500のハンドル512が設けられる(図33〜図36に示す)。
内蓋34が閉められると、図36に示すように、内蓋34の後側下面がハンドル512の上面に接する程度に近接する。内蓋34の後側下面の近接でハンドル512の捩じ回り作動が拘束される。この捩じ回り作動の拘束により、ハンドル係合手段の係合は離係されない。このため、洗濯乾燥機の運転中に内槽3で動きまわる洗濯物がハンドル512に衝突してもハンドル係合手段の係合が離係されず、洗濯糸くず捕集ケース500の自然な脱落が防止される。
内蓋34の開放により、図33〜図35に示すように、ハンドル512の捩じ回り拘束は解かれるので、ハンドル係合手段の係合を離係し、洗濯糸くず捕集ケース500を外して掃除を行うことができる。
ハンドル512の捩じ回り拘束は、内蓋34の開閉動作との関連で構築される捩じり回り拘束機構(捩じ回り拘束手段)によって齎されるもので、複雑な機械機構を用いるものに比べ、至って簡単な構成であり、内蓋34の開閉だけでハンドル512の捩じ回りを拘束・解除できる使い勝手の良いものでもある。
なお、上記実施例では、前側が上下に作動するように後側を回動支点にして外槽上カバー300に回動自在支持され、洗濯物の出入口303を開け閉めする内蓋34と、外槽上カバー300の下面に設けられ、洗濯糸くず捕集ケース500が保持ケース501に出し入れ自在に保持されている洗濯糸くず除去装置33を有する洗濯機である。
この洗濯機にあって、洗濯糸くず除去装置33は、中央を回動支点として洗濯糸くず捕集ケース500に捩じ回し自在に支持され、捩じ回し作動により保持ケース501に係合・離係が行われるハンドル512を有し、ハンドル512は内蓋34を閉じると内蓋34が接近して前記捩じ回し作動を拘束し、内蓋34を開くと前記拘束が解かれる内蓋34との関係位置に設けた構成になっている。
内蓋34を閉じると内蓋34が接近して前記捩じ回し作動を拘束し、内蓋34を開くと前記拘束が解かれるように内蓋34との関係位置に設けた構成を踏襲するならば、洗濯糸くず除去装置33の配置位置、内蓋34が回動支持される支点位置は適宜選択できる。
異物除去トラップ、循環ポンプは、図42、図43に示される。
異物除去トラップ32は、トラップ外ケース520と、トラップ内ケース521を有する。
トラップ外ケース520の流入口522は下部連通管41に連通している。トラップ外ケース520の排出口523は循環ポンプ45に連通している。
トラップ内ケース521は、トラップ外ケース520内に差し込まれる異物除去トラップ部524と前側に設けた摘部525を有する。摘部525を掴んで、トラップ内ケース521をトラップ外ケース520に出し入れする。トラップ内ケース521には捩じり回しで装着、離脱ができるバヨネット式着脱機構が設けられている。トラップ外ケース520の前側出入口には、シールパッキングが備えられ、装着されるトラップ内ケース521との接合部からの漏水防止が図られている。
トラップ内ケース521の異物除去トラップ部524は、後部に導入口をもち、前側周部に小孔526をもつ筒形をしている。導入口から異物除去トラップ部524内に流入する異物は、出口が前側周部に設けた小孔526であるのでトラップされる。このため、循環ポンプ45には異物を除去した洗濯水が給水され、循環ポンプ45を異物から保護する。
循環ポンプ45は、ポンプケーシング527とポンプランナー5229を備える遠心ポンプ部と、駆動用の電動機530を有する。ポンプケーシング527の吸込口528は異物除去トラップ32に連通している。ポンプケーシング527の吐出口535は洗濯水循環水路43に連通する。
電動機530は回転数が変えられるDCインバータ駆動の可変速電動機を用いる。電動機530の速度変化で、ポンプランナー529の回転数が変わり、循環する洗濯水量が変えられる。
図2、図3は、シャワー洗浄を示す。
シャワー洗浄は、撹拌翼4で洗濯物を撹拌洗いしながら洗濯物の上から洗濯水をシャワーしながら洗う。節水で洗濯水の水面に露出する洗濯物に、洗濯水のシャワーをしながら撹拌洗いすることにより、斑のない良好な洗いができる。
図2は洗濯量が多いときのシャワー洗浄を示すもので、循環ポンプ45の運転速度を上げて洗濯水の供給量を多くすることにより、シャワー口509(図37に示す)から内槽3に散布されるシャワー531の広がりが大きくなる。このシャワー531は薄膜の円錐形状をした大きな広がりで、内槽3の外周付近に存在する洗濯物に洗濯水が散布される。
この薄膜円錐形状のシャワーは、前述したように、シャワー口509から流出するシャワーは流れの速い旋回流により生成される。このため、循環ポンプ45から供給される供給水量に応じてシャワーの広がりは変る。
したがって、循環ポンプ45の運転速度を下げて洗濯水の供給量を少なくすると、図3に示すようにシャワー532の広がりは小さくなる。シャワー532による小さな広がりでは、内槽3の中央部に存在する洗濯物に洗濯水が散布される。
広がりの大きなシャワー531は電動機530を2800rpmで運転したとき、小さな広がりのシャワー532は電動機530を1600rpmで運転したときである。
このシャワー洗浄は、シャワー口509に供給する洗濯水の供給量を変えることで、内槽3の中央部から内槽3の外周付近に及ぶ広範囲に亘って洗濯水が散布できる。また、一つの円形なるシャワー口509から流すので如雨露と違って糸くずの詰りが生じない。
しかし、薄膜円錐形状のシャワーであるため、円錐の輪郭に以外のところには洗濯水が散布されない。
そこで、洗濯運転中に行うシャワー洗浄が内槽3の内底に存在する洗濯物全体に満遍なく、均一に洗濯水が散布されるようにした。
すなわち、内槽3の中央部から外周にかけての洗濯水の散布移動が休むことなく、繰り返されるようにすることにより、内槽3の内底に存在する洗濯物全体へ洗濯水の散布を満遍なく、均一にすることができる。
図59は洗濯水の散布を満遍なく、均一に行う実施例を示すもので、この波形の運転パターンは循環ポンプの回転数が常に変化していることを示している。循環ポンプの回転数は、高い方が2800RPM、低い方が1600RPMである。高い回転数(2800RPM)ではシャワー口509に供給する洗濯水の供給水量が多い。逆に低い回転数(1600RPM)ではシャワー口509に供給する洗濯水の供給水量が少なくなる。
この高低の回転数変化に伴う供給水量の増減が3秒間隔の切り替えで繰り返される。この高低回転数の切り替えは、電動機530の運転制御で行う。高い回転数(2800RPM)、低い回転数(1600RPM)に停留する時間は、短いことが望ましく、長くても1秒以下である。こうすることで、シャワー口509に供給する供給水量の増減が休みなく続き、内槽3の中央部から外周にかけての洗濯水の散布移動が休みなく繰り返えされ、内槽3の内底に存在する洗濯物全体へ洗濯水の散布を満遍なく、均一にすることができる。
電動機530の運転制御は高低回転数の切り替えであるので、複雑な運転制御、制御装置を必要せず、簡単な制御装置にすることができる。
電動機530、ポンプランナーの慣性、循環ポンプ内に存在する水の抵抗があるので、循環ポンプの回転数変化は高低回転数の切り替えに即応せず、図示された傾斜勾配の回転数変化を辿る。このため、単なる高低回転数の切り替える簡単な制御装置で満遍なく、均一に洗濯水を散布することが実現できるのである。
図59に示した実施例では、高い回転数(2800RPM)、低い回転数(1600RPM)、3秒間隔の切り替え繰り返すによる運転の制御であるが、内槽の大きさ(径サイズ)、循環ポンプ、電動機の容量等により、その数値は適宜に求める。必要な条件は、内槽の底部全体にゆきわたる洗濯水の散布を満遍なく、均一にするために、シャワー口509に供給する供給水量の増減を休みなく続け、内槽の中央部から外周にかけての洗濯水の散布移動を休みなく、繰り返えすことである。
洗濯乾燥機の制御回路、操作パネル、洗濯運転の概要に関し、図44〜図46を引用して説明する。
図44に示す制御回路は、マイクロコンピュータを主要部とする主制御回路600と、負荷駆動制御回路601と、電源回路602と、オートオフリレー603を有し、商用交流電源604より給電される。
主制御回路600、負荷駆動制御回路601、および電源回路602には、オートオフリレー603を介して電力が供給される。電源回路602は、交流を直流に変換して主制御回路600に供給する。
負荷駆動制御回路601には、給水弁7、ソフト仕上剤弁605、洗剤溶かし弁606、冷却水弁607、排水弁44、洗濯乾燥用駆動モータ10、クラッチ608、蓋ロック機構609、電動送風機610、循環ポンプ45、ヒータ24等の各種機器が接続される。負荷駆動制御回路601は、主制御回路600の指示のもとで、各種機器の通電を制御する。
主制御回路600には、各種の操作スイッチ612、水位センサ47、温度センサ613、蓋開閉センサ614、不揮発記憶手段615、音声発生IC616、液晶等の表示部617、エラー報知のブザー618が接続される。
主制御回路600は、各種の操作スイッチ612、各種センサ、および不揮発記憶手段615と情報を交信し、負荷駆動制御回路601や音声発生IC616を制御する。表示部617にエラーを含む各種情報の表示や、エラー発生時にブザー618の鳴動を主制御回路600は指示する。
各種の操作スイッチ612は、洗濯や乾燥に係る運転情報を入力するもので、図45、図1に示す操作パネル611に配置されたコース設定スイッチ620と、洗いスイッチ621と、すすぎスイッチ622と、脱水スイッチ623と、乾燥スイッチ624と、スタート/一時停止スイッチ625と、音声スイッチ626と、省エネ用スイッチ629と、略電源(入)スイッチ627と、電源(切)スイッチ628を含む。また操作パネル611には、操作パネル611が配置される。
スタート/一時停止スイッチ625は、後述するエラー報知を止めるエラー解除スイッチを兼ねている。エラー報知中にエラー解除スイッチが押されると、エラー発生を報知するブザー618の鳴動や表示部617のヘラー表示が解除される。
音声スイッチ626に操作される音声発生IC616には、スピーカ630が接続され、スピーカ630から洗濯乾燥運転に関する情報が音声で提供される。
音声発生手段の音声発生IC616は、音声ROM640と、D/A変換器641と、AMP642を有する。スピーカ630が発声する音声の内容は、音声ROM640に構築され、音声発生IC616が主制御回路600の指示のもとで音声の提供をする。
図46に示す洗濯運転の運転動作は、洗い工程650と、すすぎ1工程651と、すすぎ2工程652と、最終脱水工程653の順で進行し、洗濯の運転終了に至る。この後、乾燥運転に進むが、ここでは省略する。
洗い工程650は、布量計測のステップ6501、洗い給水のステップ6502、洗い撹拌のステップ6503を含む。すすぎ1工程651は、すすぎ1排水のステップ6510、すすぎ1脱水のステップ6511、すすぎ1給水のステップ6512、すすぎ1撹拌のステップ6513を含む。
すすぎ1脱水のステップ6510で、内槽3の回転によるアンバランス発生量が規定値を越えると、すすぎ1撹拌のステップ6513にスキップする。ここで脱水を中断し、撹拌が注水に変更される。
すすぎ2工程652は、すすぎ2排水のステップ6521、すすぎ2脱水のステップ6522、すすぎ2給水のステップ6523、すすぎ2撹拌のステップ6524を含む。すすぎ2脱水のステップ6522で、内槽3の回転によるアンバランス発生量が規定値を越えると、すすぎ2撹拌のステップ6524にスキップする。ここで脱水を中断し、撹拌が注水に変更される。
最終脱水工程653は、最終排水のステップ6530、最終脱水のステップ6531を含む。最終脱水のステップ6531で、内槽3の回転によるアンバランス発生量が規定値を越えると、すすぎ2排水のステップ6521にスキップする。ここで脱水を中断し、すすぎ2工程652、および最終脱水工程653をやり直す。
洗濯運転の最初に実行する洗い工程650での布量計測に関し、図50〜図54を引用して説明する。
布量計測に係る布量判定で求められた布量(洗濯物量)に応じて算定された洗剤量、洗濯水量で洗濯する。この布量判定は、洗濯物が乾いている乾布状態でするので、湿布が混在していると乾布した布量よりも多く判定してしまい、洗剤量・洗濯水量が無駄なる。
そこで、湿布が存在していても誤りなく布量が判定でき、洗剤・洗濯水を無駄に使わない洗濯乾燥機を提供するものである。
図51は、洗濯乾燥用駆動モータ10のq軸電流(ベクトル制御)の計測値と、洗濯物量(布量)との関係を示す。
白丸は、湿布を含む洗濯物量に対するq軸電流積算値である。黒丸は、湿布を含まない乾布だけの洗濯物量に対するq軸電流積算値である。洗濯物が乾布だけときはq軸電流積算値のばらつき変化が少ないのに対し、洗濯物に湿布が混在するときはq軸電流積算値のばらつき変化が大きい。
図52は、図51に示した測定値を集計して変化する変動幅と洗濯物量との関係を(乾布だけ)と(湿布混在)との対比で示した。変動幅が20以下では乾布であり、20以上では湿布混在である。変動幅により、乾布だけと湿布混在を判定できる。
図53に示す布量判定テーブル(a)と、図54に示す布量判定テーブル(b)により布量に応じた使用する洗濯水の水量が設定される。また洗剤量も設定される。
布量判定テーブル(a)は乾布だけなので、判定された布量(洗濯物量)に対応する水量が設置される。
布量判定テーブル(b)は湿布混在であるので、点線表示の丸印に対応する布量から点線なしの丸印に対応する布量に洗濯物量を下げる。こうして混在する湿布に含まれる水分量を見込んで減算した布量(乾布した洗濯物量)に対応する水量が設置する。これにより、乾布だけよりも洗濯物量を多く計測されてしまう湿布混在の洗濯物でも、含まれ水分で多く計測された分量を差し引いて水量が設置されるので、洗濯水・洗剤の無駄な使用を抑えることができる。
図50は、布量判定のフローを示す。
布量判定開始のステップ660に続く、測定回数のステップ661では、N回数設定され、洗濯乾燥用駆動モータが駆動開始する(ステップ662)。q軸電流の取り込み(ステップ663)、洗濯乾燥用駆動モータの駆動停止(ステップ664)、N=N−1(ステップ665)、N=0(ステップ666)、変動幅Hの算出(ステップ667)の順で推移する。
そして、変動幅Hが20以下か以上が判定され(ステップ668)、以下のときは布量テーブルaが判定される(ステップ669)。以上のときは布量テーブルbが判定される(ステップ670)。それぞれの布量テーブルに基き、布量判定処理(ステップ671)を、経て布量判定終了(ステップ672)に至る。
乾燥運転にかかる標準運転、省エネルギー運転(省エネ運転)に関し、図55〜図58、図44、図45を引用して説明する。
乾燥運転の標準運転は、図56の(A)に示すような運転が行われる。省エネ運転は、図56の(B)に示すような運転が行われる。標準運転では、ヒータ45(図44)の発熱量が大きい(強)の加熱乾燥運転を行い、乾燥完了後に送風だけのクーリング運転を経て終了する。省エネ運転では、ヒータ45の発熱量が大きい(強)の加熱乾燥運転を行い、乾燥が近づいて来たらヒータ45の発熱量が小さい(弱)の弱加熱乾燥運転に切り換えられ、乾燥完了後に送風だけのクーリング運転を経て終了する。
図57は、標準運転での消費電力と運転時間の関係を示す。図58は、省エネ運転での消費電力と運転時間の関係を示す。標準運転と省エネ運転は運転時間ではほぼ同じであるが、電力消費ではヒータ45の発熱量を途中で半分に落とす省エネ運転の方が節電効果を期待できる。
省エネ運転では乾燥が近づいて来たところで、弱加熱乾燥運転に切り換えられても十分に加熱された洗濯乾燥機の余熱が加勢して標準運転と変わらない乾燥が行われので、標準運転に近い運転時間で乾燥ができるものと思われる。
図55は省エネ運転のフローを示す。
乾燥開始のステップ680に続く、電動送風機610(ON)・ヒータ24(強)(ON)のステップ681で、加熱乾燥運転が行なわれる。冷却水の(ON)(ステップ682)で流下部85(図5に示す)から冷却水が流下し、乾燥用空気の除湿が行われる。初期温度検知(ステップ683)、温度検知(ステップ684)、乾燥度算出(ステップ685)が逐次行われ、温度・乾燥度が乾燥に近づいく判定値D1以上(ステップ686)になったらヒータ24(弱)に切り換える(ステップ687)。
引き続き、温度検知(ステップ688)、乾燥度算出(ステップ689)が逐次行われ、温度・乾燥度が乾燥完了の判定値D2以上(ステップ690)になったらヒータ24(OFF)に切り換え(ステップ691)、電動送風機610(OFF)・冷却水(OFF)のステップ692を踏んで、乾燥終了(ステップ693)に至る。
上記の省エネ乾燥運転は、図45に示す操作パネル611に設けた省エネ用スイッチ629で設定する。省エネ乾燥運転、標準乾燥運転は省エネ用スイッチ629を含む各種スイッチで選択できるので、洗濯物量、洗濯物の種類に応じて適宜できる。
洗濯乾燥機の運転に係わる音声による音声ガイド、表示、およびエラー発生時の報知に関し、図47〜図49、図44、図45を引用して説明する。
図47に運転開始処理に関するフローを示す。
各種の操作スイッチ612(図45に示す)を押し、洗濯乾燥のコースや運転動作を含めた運転内容の初期設定が行われ(ステップ700)、スタート/一時停止スイッチ625を押して運転がスタートする(ステップ701)。運転スタートに際し、音声スイッチ626が押されて発音許可状態(ステップ702)になっていると、音声発生IC616が作動し、スピーカ630(図44)から運転を開始する音声のガイドが聞かされ(ステップ703)、運転動作に進む(ステップ704)。
このように運転スタートに際し、運転開始される旨の音声によるガイドが入るので、使い慣れのしないユーザにとっても洗濯操作がし易い。
ステップ701で、スタート否の待機時に設定内容変更の入力が行われ(ステップ705)、発音許可状態になっているときには(ステップ706)、その変更された設定内容が音声によりガイドされる(ステップ707)。
このように洗濯乾燥運転の設定内容が音声でガイドされるので、これから運転に入る洗濯乾燥の内容を聞き取りで確認できる。その周りが多少暗く、表示部617(図45に示す)の表示情報が見え難くても設定内容を音声ガイドで的確に把握できる。
図49は、洗濯乾燥運転でのエラー処理に関するフローを示す。
エラー処理では、まず、エラー報知状態の有無が判定される(ステップ720)。このステップ720で、エラー報知状態が無のときにはエラー解除処理(ステップ721)が行われてリターンに至る。
ステップ720で、エラー報知状態が有りにもかかわらずブザー鳴動中(ステップ722)にならないときは、発音許可状態の有無が判定される(ステップ723)。このステップ722で、発音許可状態が有りのときはエラー内容と対処方法が音声で告げられ(ステップ724)、前述したステップ721を経てリターンに至る。
ステップ722でブザーが鳴動し、スタート/一時停止スイッチ625の操作によりエラー解除キー(ステップ725)が行われると、ブザーの鳴動停止が行われ(ステップ726)、ステップ723(発音許可状態の有無)へと進む。
ステップ725でエラー解除キーが実行されないときには、音声スイッチ626の操作による音声キー(ステップ727)が入ることにより、ステップ726(ブザー鳴動停止)へと進む。ステップ727で音声キーが入らなくとも、所定時間が経過してブザー鳴動時間終了(ステップ728)に達すると、ステップ726(ブザー鳴動停止)へと進む。
また、ステップ723で発音許可状態が無でもエラーが発生したときには、必ずステップ724に則った音声によるエラー内容と対処方法が告げられるようにしている。
すなわち、エラー発生によりブザーが鳴動し、スタート/一時停止スイッチ625が押されると、ブザーの鳴動が停止し、引継ぎステップ724での音声によるエラー内容と対処方法が聞かされる。スタート/一時停止スイッチ625が押されなくても、ブザー鳴動する所定時間が経過すると、ブザー鳴動停止し、音声によるエラー内容と対処方法が告げられようにしている。
また、エラー報知のブザー鳴動が止んだもとで、音声によるエラー内容が告げられるの聞き取り易く、エラー内容の把握が速やかに行われる。
なお、音声発生手段でエラー内容を告げる際にブザー鳴動は止められるが、表示部617に示したエラー表示は継続させることも止めることも可能である。
エラー発生時の音声ガイドの内容は、次のような項目である。
(1).(1)‐1「原因」・(1)‐2「状態」の説明
(2).その対処方法の説明
(3).電源を切らなくても運転が再開する旨の説明
*処置を施すことで運転再開ができる場合
(4).その後、工程が(継続できる・できない)の説明
上記の内容に基く、音声ガイドの具体例を下記に示す。
「〔(1)‐1〕洗濯物の片寄りが起きたため、〔(1)‐2〕脱水運転を中断
しています。
〔(3)〕一時停止ボタンを押してから、〔(2)〕外蓋/内蓋を開け、洗濯
物の片寄りを直してください。〔(4)〕スタートボタンを押すと運転を始め
ます。」
このようなエラー発生に対処したブザーによる鳴動、表示部の報知に加え、音声によるエラー内容と対処方法を告げることにより、エラーを解消する対応が迅速に行なわれる。殊に音声ガイドを求める音声スイッチ626の押し忘れがあっても、エラー発生に対処する音声による知らせが、ブザーによる鳴動、表示部の報知に加えで告げられるので、洗濯乾燥機の使い勝手さらに向上する。
なお、ステップ723で、発音許可状態が否の場合には、音声ガイドは一切実行されない。これは、音声ガイドが行われないように音声ガイドを無効にする設定した場合である。この音声ガイド無効が設定されると、ブザーの鳴動・エラー報知中に、スタート/一時停止スイッチ625または音声スイッチ626をオンしても音声ガイドは行われない。
図48は、エラー情報読み込みを含めた運転開始処理のフローである。
このフローで、後半のステップ700以降は、図47で説明した運転開始処理に関するフローと同じ内容であるので、共通の符号を付して説明は省略する。
さて、まず不揮発記憶手段615(図44に示す)より、エラー情報の読み込みをする(ステップ730)。続いてエラー有無が判定され(ステップ731)、エラー無のときはステップ700へと進む。
ステップ731でエラー有のときは、発音許可状態の有無が判定される(ステップ732)。ステップ732で発音許可状態が有りのときは、音声によるエラー内容と対処方法が告げられる(ステップ733)。そして、エラー解除キー受付(ステップ734)が行われると、エラー表示と音声発音を停止し(ステップ735)、ステップ700へと進む。
エラー解除キー受付(ステップ734)が行われなときは、音声によるエラー内容と対処方法を告げるアナウンスが繰り替えされる。このアナウンスの繰り返しを数回したら、ステップ700へと進むようにすることも可能である。
ステップ732で発音許可状態が無のときは、表示部にエラーの表示をする(736)。またブザーの鳴動も必要に応じて加える。そして、ステップ734へと進む。