JP4958178B2 - 空調システム - Google Patents
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Description
しかし、上述した従来技術に係る吸収式冷凍機(特許文献1、特許文献2)では、太陽熱集熱パネルとの組み合わせは考慮されておらず、天候或いは日射量により大きく変動する熱源である太陽熱を利用するという観点では、システムや制御を設計してはいない。
そのため、太陽熱集熱パネルと吸収式冷凍機とを組み合わせた空調システムにおいて、吸収式冷凍機、太陽熱集熱パネル、両者を接続する機構、システム全体の制御が適正に構築されていないと、太陽熱集熱パネルで集熱した太陽熱が浪費或いは無駄使いされてしまったり、システム内を流れる熱媒体が過熱により沸騰してしまったり、熱媒体が凍結してしまう等の問題を起こしてしまう。
また、貯湯槽と太陽熱集熱パネルを組み合わせたシステムにおいて、太陽熱集熱パネルを介装した回路を流れる熱媒体の凍結を防止する技術も存在する(特許文献4参照)。
同様なシステムにおいて、太陽熱集熱パネルやラインの一部が蓄熱槽よりも低く設置されており、太陽熱集熱パネルやラインから熱媒体を抜く際に蓄熱槽内の熱媒体が流出するのを防止する技術も存在する(特許文献5参照)。
さらに、貯湯槽と太陽熱集熱パネルを組み合わせたシステムにおいて、太陽熱集熱パネルを介装した回路を流れる熱媒体を循環させるポンプを停止した後、再起動した際に、当該熱媒体が高温である場合に配管や熱交換器、ポンプ等の機器がいわゆる「ヒートショック状態」となり、当該機器類を破損してしまうことを防止する技術も存在する(特許文献9参照)。
そのため、太陽熱の集熱を開始してから、吸収式冷凍機で利用可能となるまで長時間が必要であり、吸収式冷凍機による空調について太陽熱を効果的に利用することが困難である。
また、係る従来技術(特許文献3〜特許文献9)は、太陽熱利用という観点から適正なシステム、制御を行なうものではなく、太陽熱利用に適したシステム、制御の提供という要請に応えることが出来ない。
太陽熱回路(L)における第1の熱交換器(2)よりも太陽熱集熱器(3:太陽熱集熱パネル:コレクタ)の出口(3o)側の領域を流れる熱媒体の温度(T 1 )を計測する第1の温度センサ(St1)と、貯湯槽(4)上方の領域における熱媒体の温度(T 2 )を計測する第2の温度センサ(St2)と、太陽熱回路(L)における分岐回路(LB1)との分岐点(B1)より第1の熱交換器(2)側の領域を流れる熱媒体の温度(T 3 )を計測する第3の温度センサ(St3)とを備え、前記制御装置(10)は、吸収式冷凍機(1)が起動して第1のポンプ(P1)が作動した後、第1の温度センサ(St1)で計測した熱媒体温度(T 1 )が吸収冷凍機(1)を流れる吸収溶液を加熱することが出来るしきい値(T 0 )以下であり、第2の温度センサ(St2)で計測した貯湯槽(4)内の熱媒体温度(T 2 )が第3の温度センサ(St3)で計測した熱媒体温度(T 3 )以下の場合には第2のポンプ(P2)を停止し、太陽熱回路(L)を流れる熱媒体が分岐回路(LB1)へ流入しない状態に流路切換装置(三方弁Vb)を制御する機能を有している。
その結果、分岐回路(LB1)及び貯湯槽(4)内の熱媒体以外の熱媒体のみを当該しきい値温度(T0)より高温に加熱すれば良く、分岐回路(LB1)及び貯湯槽(4)内の熱媒体加熱のための時間が不要となるので、起動時における熱媒体加熱のための時間を短縮化することが出来る。
そして、太陽熱利用という観点から適正なシステム、制御を行なうことが可能となり、以って、太陽熱利用に適したシステム、制御を提供することが出来る。
また、太陽熱の集熱状況、太陽熱回路(L)内を循環する熱媒体の温度、貯湯槽(4)内の熱媒体温度等に基づいて、分岐回路(LB1)における第2のポンプ(P2)の作動・停止を適正に制御することが出来るので、熱媒体を分岐回路(LB1)で余計に搬送させてしまうことが防止される。
そして、第1のポンプ(P1)、第2のポンプ(P2)の作動、停止を適正に制御することにより、消費動力の節約が可能である。
(請求項3により)その様な制御を実行すれば、吸収式冷凍機(1)の熱利用特性を最大化して、集熱可能な温度まで昇温させることが出来る。
図1において、全体を符号100で示す空調システムは、太陽熱集熱器(太陽熱集熱パネル、集熱パネル)3を介装した太陽熱回路Lと、吸収式冷凍機1と、制御手段であるコントロールユニット10を有している。
太陽熱回路Lを流れる熱媒体としては、例えば温水、或いは、不凍液を混入した温水を用いることが出来る。しかし、熱媒体としては、これに限定されるものではない。
なお図1において、太陽熱回路Lに付された矢印は、熱媒体の流れの向きを示している。
図1において、吸収冷凍機1に太陽熱を投入する第1の熱交換器2は、太陽熱回路Lにおいて、吸収式冷凍機1の入口1iと出口1oとの間に位置している。
暖房熱交換器5において、太陽熱回路Lを流れる熱媒体と、図示しない暖房負荷に連通する暖房温水ラインLhを流れる温水とが、熱交換を行なうように構成されている。
空調システム100が冷房運転を行なっている場合には、コントロールユニット10は、三方弁Va及びVcを切換制御して、太陽熱回路Lを太陽熱熱交換器2に連通し、三方弁Vcを切換制御して、太陽熱回路Lが暖房熱交換器5をバイパスする様にせしめる。
一方、空調システム100が暖房運転を行なっている場合には、コントロールユニット10は、三方弁Va及びVcを切換制御して、太陽熱回路Lを暖房熱交換器5と連通し、三方弁Vaを切換制御して、太陽熱回路Lが太陽熱熱交換器2をバイパスする様にせしめている。
太陽熱回路Lにおいて、太陽熱集熱パネル3の出口3oと第3の分岐点B3との間の領域には、圧力センサ7、膨張タンク8、リリースバルブ9が介装されている。
ここで、膨張タンク8は、太陽熱回路Lを流れる熱媒体の膨張に対処するために回想されており、リリースバルブ9は、太陽熱回路L内の圧力が上昇した場合に当該圧力を逃がすために介装されている。
吸収冷凍機1の出口1oと三方弁Vaの間の領域には温度センサSt12が介装されており、三方弁Vaと分岐点B2との間の領域には温度センサSt13が介装されている。
三方弁Vcと分岐点B1との間の領域には温度センサSt3(第3の温度センサ)が介装され、太陽熱集熱パネル3の入口3i側には温度センサSt5(第5の温度センサ)が介装されている。
太陽熱集熱パネル3の表面には温度センサSt6(第6の温度センサ)が設けられ、太陽熱集熱パネル3の出口3oと圧力センサ7との間の領域には温度センサSt4(第4の温度センサ)が介装されている。
暖房温水ラインLhにおける第2の熱交換器5の出口側(図示しない暖房負荷に温水を供給する側)には温度センサSt51が介装され、第2の熱交換器5の入口側(図示しない暖房負荷から温水が送られる側)には温水温度センサSt52が介装されており、暖房温水ラインLhを流れる温水温度を計測している。
また、第2の熱交換器5の入口側には流量計Sfが介装されており、暖房温水ラインLhを流れる温水の流量を計測している。
それと共に、吸収式冷凍機1内を循環する吸収溶液が保有する熱量が、太陽熱熱交換器2において、太陽熱回路Lを循環する熱媒体に逆流しない様に制御している。
「熱の逆流」が生じると判断された場合には、コントロールユニット10は、太陽熱回路Lを循環する熱媒体が太陽熱熱交換器2をバイパスしてラインLB3を流れる様に、三方弁Vaを切り換える。
成層タイプの貯湯槽4を介装した第1の分岐回路LB1は、分岐点B1で太陽熱回路Lから分岐しており、三方弁Vbで太陽熱回路Lと合流している。そして、分岐回路LB1と貯湯槽4とは、開閉弁V1〜V4を介装した4本のラインLb1、Lb2、Lb3、Lb4で接続されている。
係る蓄熱の際には、開閉弁V1、V4を開放して、開閉弁V2、V3を閉鎖する。これにより、加熱された熱媒体はラインLb1を介して貯湯槽4の上方に流入する。そして、貯湯槽4の下方領域に存在する低温の熱媒体が、ラインLb4、三方弁Vbのポートcを介して、太陽熱回路Lに流入する。
ラインLb1を介して貯湯槽4の上方に高温の熱媒体が流入し、貯湯槽4の下方の低温の熱媒体はラインLb4を介して貯湯槽4から流出することにより、貯湯槽4の上方領域が高温で下方領域が低温の成層状態が維持されたまま、貯湯槽4内の熱媒体の温度が上昇し、以って、貯湯槽4内で蓄熱がされる。
この場合は、太陽熱集熱パネル3で熱媒体が加熱されないので、吸収式冷凍機1側に熱量を投入した後の(太陽熱回路Lを循環している)熱媒体の温度(T3)は低い。一方、貯湯槽4は蓄熱がされているため、少なくとも、貯湯槽4上方領域の熱媒体温度(T2)は高温となっている。すなわち、T2>T3である。
一方、貯湯槽4内の熱媒体は、少なくとも貯湯槽4上方領域における熱媒体温度は比較的高温となっているので、開閉弁V3を開放して、貯湯槽4上方領域における比較的高温な熱媒体をラインLb3経由で太陽熱回路Lに流入させている。ここで、貯湯槽4の下方領域における熱媒体温度は低温であるため、開閉弁V4を閉鎖して、低温熱媒体が太陽熱回路Lに流入しない様にしている。
コントロールユニット10は、暖房熱交換器5において、太陽熱回路Lを流れる熱媒体が保有する熱量が暖房温水ラインLhを流れる温水に投入される様にせしめると共に、暖房温水ラインLhを流れる温水が保有する熱量が、暖房熱交換器5を介して太陽熱回路Lを循環する熱媒体に逆流しない様にするため、三方弁Vcの切換制御を行なっている。
「熱の逆流」が生じると判断された場合には、コントロールユニット10は、太陽熱回路Lを循環する熱媒体が暖房熱交換器5をバイパスする様に、三方弁Vcを切り換える。
また、空調システム100は、日射不足等で太陽熱集熱パネル3における集熱ができない場合には、熱媒体循環ポンプP1、P2を停止させるように構成されている(図6、図7を参照して後述)。その場合、日射が回復し、太陽熱集熱パネル3での集熱が可能になった場合は、熱媒体循環ポンプP1、P2を再開するように構成されている(図6、図7を参照して後述)。
そして空調システム100は、吸収式冷凍機1の停止時でも、太陽熱集熱パネルで集熱可能な条件が整っていれば、貯湯槽4への蓄熱を目的として、集熱運転が可能なように構成されている(図9、図10を参照して後述)。
また、空調システム100は、熱媒体循環ポンプP1、P2の停止時に、熱媒体ラインの凍結を回避するように構成されている(図11を参照して後述)。
図2のステップS1では、吸収冷凍機1を起動する。ここで、ステップS1以前の段階では、ポンプP1、P2は停止しており、開閉弁V1、V4は閉鎖しており、開閉弁V2、V3は開放している。
そしてステップS2では、太陽熱回路Lの第1のポンプP1を作動させる。ステップS2を実行するに先立って、図12で後述するヒートショックを防止するための制御を行なう。また、図6のステップS66から、ステップS2に進む場合が存在する。
ステップS3では所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間が経過するまでは待機する(ステップS3がNOのループ)。所定時間が経過後したならば(ステップS3のYES)、第1の温度センサSt1で計測した太陽熱回路Lの熱媒体温度T1がしきい値T0を超えているか否かを判断する(ステップS4)。ここで、しきい値T0は、太陽熱回路Lを流れる熱媒体温度であって、当該熱媒体が保有する熱量が吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5で利用可能な最低温度を意味している。換言すれば、しきい値T0は、吸収冷凍機1側或いは暖房熱交換器5側で太陽熱受け入れ可能な限界値(最低値)を示している。
一方、熱媒体温度T1がしきい値T0以下であれば(ステップS4がNO)、ステップS15に進み、図6で示す日射不足判定制御を行なう。そして、ステップS5に進む。
ここで、図3のステップS34からステップS2に進む場合が存在する。
一方、貯湯槽4の上方領域における熱媒体温度T2が太陽熱回路Lにおける分岐点B1直前の熱媒体温度T3以下であれば(ステップS5がNO)、貯湯槽4の蓄熱量が不十分であると判断して、ステップS4以降を繰り返す(ステップS5がNOのループ)。
ここで、許容最高値T2MAXは、貯湯槽4内の高温の熱媒体を、太陽熱回路Lを循環している低温の熱媒体と混合することなく、そのまま太陽熱回路Lに流入させると、太陽熱回路L及び/又は集熱パネル3が危険な温度(しきい値温度:例えば85℃)である。
貯湯槽4の上方の熱媒体温度T2が許容最高値T2MAXよりも低温であれば(ステップS7がYES)ステップS8に進み、貯湯槽4の上方の熱媒体温度T2が許容最高値T2MAX以上であれば(ステップS7がNO)ステップS9に進む。
ステップS9(貯湯槽4の上方の熱媒体温度T2が許容最高値T2MAX以上:ステップS7がNO)では、太陽熱回路Lを流れる熱媒体の温度T1がしきい値(吸収式冷凍機側で太陽熱を受け入れ可能な温度)T0と等しくなる様に、三方弁Vbを比例制御する。換言すれば、三方弁Vbのポートc及びポートdとを部分的にポートeに連通せしめ、貯湯槽4から流出する許容最高値T2MAX以上の高温の熱媒体と、太陽熱回路Lを流れるしきい値T0以下の低温の熱媒体とを混合して、混合された熱媒体温度がT0となる様に、三方弁Vbを比例制御するのである。そしてステップS10に進む。
熱媒体温度T2が熱媒体温度T3よりも高温であれば(ステップS10がYES)、ステップS11に進む。
一方、貯湯槽4の上方領域における熱媒体温度T2が太陽熱回路Lにおける分岐点B1直前の熱媒体温度T3以下であれば(ステップS10がNO)、貯湯槽4の熱が利用できないと判断して、分岐回路LB1中のポンプP2を停止させる。そして、三方弁Vbを制御して、太陽熱回路Lの熱媒体が貯湯槽4側或いは分岐回路LB1側に流入しない様に、ポートdとポートeとを連通して、分岐回路LB1側のポートcを封鎖する(ステップS13)。そしてステップS4に戻る。
一方、ステップS5〜S10の制御を実行した後においても、太陽熱回路Lを流れる熱媒体温度T1がしきい値T0以下のままであれば(ステップS11がNO)、ステップS17に進み、図6で示す日射不足判定制御を行った後、ステップS10に戻る。
その結果、太陽熱回路Lの熱媒体の内、分岐回路LB1及び貯湯槽4内の熱媒体以外の熱媒体のみをしきい値温度T0より高温に加熱すれば、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5に太陽熱を投入することが出来て、分岐回路LB1及び貯湯槽4内の熱媒体加熱のための時間が不要となる。すなわち、起動時における熱媒体加熱のための時間を短縮化することが出来、太陽熱の有効利用が促進される。
なお、図示の実施形態における起動制御としては、図2を参照して上述した制御に加えて、図14を参照して後述する制御も可能である。
主として図3を参照しつつ、係る温水入口温度最適制御について説明する。
図3において「スタート」の状態となるのは、図2で示す起動制御において、ステップS14或いはステップS16に進んだ場合である。係る場合においては、太陽熱回路Lを流れる熱媒体温度T1(温度センサSt1で計測される熱媒体温度)がしきい値T0よりも高温であり、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5を作動して、三方弁Vaにより太陽熱を吸収式冷凍機1に投入し、或いは、三方弁Vcにより太陽熱を暖房熱交換器5に投入している。
三方弁Vaを切換制御した後、所定時間を経過したならば(ステップS21がYES)、ステップS35に進み、図5で示す過熱防止制御を行なう。そして、ステップS22に進む。
ここで、余裕代ΔT0は例えば5℃である
ステップS23では、太陽熱回路Lの熱媒体温度T1が、しきい値T0よりも高温であるか否かを判断する。熱媒体温度T1が、しきい値T0よりも高温であれば(ステップS23がYES)、ステップS35に戻り、図5で示す過熱防止制御を繰り返す。
一方、太陽熱回路Lの熱媒体温度T1が、しきい値T0以下であれば(ステップS23がNO)、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5に太陽熱を投入することが出来ない状態であるので、ステップS34で、図2のステップS15に進む。
ステップS26では、三方弁Vbを比例制御して、太陽熱回路Lを流れる比較的高温の熱媒体と、貯湯槽4下方領域に貯留された比較的低温の熱媒体とを混合して、太陽熱回路Lの熱媒体温度T1が温度「T0+ΔT0」となるようにせしめる(T1=T0+ΔT0)。そしてステップS27に進み、太陽熱回路Lの熱媒体の温度T1がしきい値T0を上回っているか否かを判断する。
太陽熱回路Lの熱媒体温度T1がしきい値T0以下であれば(ステップS27がNO)、ステップS28に進む。熱媒体温度T1がしきい値T0を上回っていれば(ステップS27がYES)、ステップS36に進み、図5で示す過熱防止制御を行って、ステップS26に戻る。
ステップS28がYESの場合には、熱媒体温度T1がしきい値T0以下で、且つ、貯湯槽4の上方領域における熱媒体温度T2が分岐点B1直前の熱媒体温度T3よりも高温なので、太陽熱回路Lを流れる熱媒体の熱量は吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5には投入できないが、貯湯槽4の熱は吸収式冷凍機1に投入出来ると判断して、ステップS29に進む。
第2の温度センサSt2で計測した貯湯槽4の上方領域における熱媒体温度T2が、太陽熱回路Lにおける分岐点B1直前の熱媒体温度T3以下であれば(ステップS28がNO)、太陽熱回路Lを流れる熱媒体の熱量も、貯湯槽4の熱も、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5には投入出来ないと判断して、ステップS33まで進む。
ステップS30では、三方弁Vbを切換制御して、太陽熱回路Lの熱媒体温度T1が温度「T0+ΔT0」となるように比例制御する(T1=T0+ΔT0)。ステップS30における比例制御は、分岐回路LB1側からの熱媒体流量が0%の場合や、100%の場合を包含し得る。そしてステップS31に進む。
第1の温度センサSt1で計測した太陽熱回路Lの熱媒体温度T1が、温度「T0+ΔT0」よりも高温であれば(ステップS31がYES)、ステップS37に進み、図5で示す過熱防止制御を行って、ステップS25まで戻り、再びステップS25以下を繰り返す。
また、太陽熱集熱パネル3における集熱量と、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5で投入するべき熱量とのアンバランスが吸収されて、空調システム100の効率向上が図られる。
太陽熱を吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5で利用する場合における運転制御である点では、図4で示す制御は図3で示す制御と同様である。しかし、図4で示す制御では、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5に太陽熱を投入するべく、太陽熱回路Lを循環する熱媒体温度T1を、温度「T0+ΔT0」とする制御(温水入口温度最適制御)は行なっていない。
図4の制御は、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5における太陽熱利用の促進を優先しており、太陽熱パネル3で可能な限り高温で太陽熱の集熱を行っているケースを想定している。
三方弁Va或いは三方弁Vcを切換制御した後、所定時間を経過したならば(ステップS41がYES)、ステップS42に進み、図5で示す過熱防止制御を行なう。そして、ステップS43に進む。
ステップS43では、太陽熱回路Lの温度T1がしきい値T0よりも高温であるか否かを判断する。
太陽熱回路Lの温度T1がしきい値T0以下であれば(ステップS43がNO)、吸収冷凍機1或いは暖房熱交換器5に太陽熱を投入出来ないと判断して、ステップS44に進む。そして、図2のステップS15へ進む。
図5で示す制御では、日射量が増加して、太陽熱収集パネル3で熱媒体が昇温し過ぎた場合に、可能な限り空調システム100の運転を継続している。それと共に、限界に達した場合には、空調システム100の安全のため、直ちに停止する。これにより、熱媒体が過熱状態となり、太陽熱回路Lを構成する各種機器が破損することを防止している。
熱媒体温度T4が許容最高温度T4MAXよりも高温であれば(ステップS51がYES)、貯湯槽4に蓄熱するべく、ステップS52に進む。
一方、熱媒体温度T4が許容最高温度T4MAX以下であれば(ステップS51がNO)、過熱防止制御は不要であると判断して、「エンド」に進み、図5の過熱防止制御を終了する。その結果、図3で示す制御では、ステップS36からステップS26に進み、ステップS37からステップS25に進む。或いは、図4で示す制御では、ステップS42からステップS43に進む。
ここで、太陽熱集熱パネル3における集熱量が多く、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5で必要とする以上の太陽熱が集熱できた場合には、余剰の太陽熱を積極的に貯湯槽4で蓄熱するべく、ステップS53で、より多くの熱媒体が蓄熱槽4を経由するように、三方弁Vbを比例制御する。すなわち、太陽熱集熱パネル3直後の熱媒体温度T4が、許容最高温度T4MAXよりいくらか低い温度「T4MAX−ΔT4MAX」となるように、三方弁Vbを比例制御する。係る比例制御により、より多量の熱媒体が貯湯槽を通過して、その保有する熱量を貯湯槽4内に蓄熱するので、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5で必要とする以上の太陽熱が集熱できた場合に、余剰の太陽熱が貯湯槽4内に蓄熱されることになる。
係る安全限界温度「T4MAX+ΔT4MAX3」において、例えば、T4MAXは92℃であり、ΔT4MAX3は3℃である。すなわち、許容最高温度T4MAXを若干上回る温度(安全限界温度「T4MAX+ΔT4MAX3」)は、例えば95℃である。
一方、集熱パネル3出口直後の熱媒体温度T4が安全限界温度「T4MAX+ΔT4MAX3」以下であれば(ステップS54がNO)、空調システム100の運転が未だに可能であると判断して、ステップS56に進む。
係る温度「T4MAX−ΔT4MAX2」は、太陽熱集熱パネル3直後の熱媒体温度であって、三方弁Vbを比例制御して、太陽熱回路Lを流れる熱媒体と、貯湯槽4の下方領域から流出する熱媒体とを混合しなくても、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5に投入された太陽熱が有効利用されないという事態が生じない温度(しきい値温度)として設定されている。
前記熱媒体温度T4がしきい値温度「T4MAX−ΔT4MAX2」以上の温度であれば(ステップS56がNO)、ステップS53まで戻り、ステップS53以降を繰り返す。
そして、熱媒体温度が太陽熱回路Lの機器を破損する程度まで上昇したならば、直ちに空調システム100を安全停止させて、機器の損傷を回避することができる。
図6の制御では、日射不足等が原因で集熱パネル3による集熱量が減少した際に、ポンプP1、P2を停止させ、その後に日射量が回復した際には、ポンプP1、P2の運転を再開している。
一方、温度差「T4−T5」の値がしきい値ΔT5以上であれば(ステップS61がNO)、日射量は不足しておらず、太陽熱集熱パネル3で熱媒体が十分に加熱されていると判断して、「エンド」に進み、図6の制御を終了する。そして、図2におけるステップS15からステップS6に進み、或いは、ステップS17からステップS10に進む。
温度差「T4−T5」の値がしきい値ΔT5以上であれば(ステップS63がNO)、「エンド」に進み、図6の制御を終了する。そして、図2におけるステップS15からステップS6に進み、或いは、ステップS17からステップS10に進む。
ここで、温度差「T4−T5」は、空調で実際に使用される太陽熱エネルギ(=太陽熱集熱パネルにおける集熱量×冷房或いは暖房変換効率)に比例する。そして、係る太陽熱エネルギがポンプP1動力よりも小さい場合には、日射量が不足しており、太陽熱が利用できないと判断して、ポンプP1の運転を中止する。一方、太陽熱エネルギがポンプP1動力以上であれば、太陽熱が利用可能と判断してポンプP1を運転する。その様な見地から、前記しきい値ΔT5は定められている。
なお、ステップS65で判断パラメータとされる温度は、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6に限定されるものではない。例えば、第4の温度センサSt4によって計測される太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T4を、ステップS65における判断パラメータとして用いることも出来る。もちろん、その他の温度を判断パラメータとすることも可能である。
一方、表面温度T6がしきい値温度T6STD以下であれば(ステップS65がNO)、日射は回復し邸内と判断して、ステップS65がNOのループを繰り返す。
ただし、図7で示す制御は、日射量が回復したか否かを判断する手順が、図6で示す制御とは異なっている。
図7のステップS75において、一定時間t2のカウントを開始し、一定時間t2が経過したなら(ステップS76がYES)、ステップS77で一定時間t2をリセットする。ここで、一定時間t2は、日射量が回復するのに十分な時間として、適宜設定される。
図7の図7のステップS75以下における日射量が回復したか否かの判断を行なう制御は、例えば太陽熱集熱パネル3の表面に温度センサSt6を取り付けることが出来ないため、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6をパラメータとする制御が出来ない場合に行なわれ、一時的にポンプP1を駆動して、太陽熱集熱パネルの出口温度T4と入口温度T5の温度差「T4−T5」によって、日射量の回復を判定している。
太陽熱集熱パネルの出口温度T4と、入口温度T5の温度差「T4−T5」がしきい値ΔT4−1よりも大きければ(ステップS80がYES)、日射量が回復して、太陽熱集熱パネル3で熱媒体が十分に加熱可能であると判断して、「エンド」に進み、日射量の不足判断及び回復判断に係る制御を終了する。そして、図2におけるステップS15からステップS6に進み、或いは、ステップS17からステップS10に進む。
ここで、温度差「T4−T5」は、空調で実際に使用される太陽熱エネルギ(=太陽熱集熱パネルにおける集熱量×冷房或いは暖房変換効率)に比例する。そして、係る太陽熱エネルギがポンプP1動力よりも小さい場合には、日射量が不足しており、太陽熱が利用できないと判断して、ポンプP1の運転を中止する。一方、太陽熱エネルギがポンプP1動力以上であれば、太陽熱が利用可能と判断してポンプP1を運転する。その様な見地から、前記しきい値ΔT4−1は定められている。
図8のステップS91において、吸収冷凍機1或いは暖房熱交換器5の停止信号が発信される。
ステップS92では、三方弁Va或いは三方弁Vcを閉鎖するのに必要な時間(ステップS92における「所定時間」)が経過したか否かを判断し、所定時間が経過したなら(ステップS92がYES)、ステップS93において、ポンプP1およびP2を停止させる。そして、三方弁Vbを制御して、太陽熱回路Lの分岐点B1よりも集熱パネル3側の領域には、貯湯槽4からの熱媒体が流れないようにする。すなわち、太陽熱回路Lの分岐点B1よりも集熱パネル3側の領域には、太陽熱回路Lの分岐点B1よりも吸収冷凍機1側の領域を流れた熱媒体が100%流れるようにせしめる。
ここで、開閉弁V1、V4を閉鎖して、開閉弁V2、V3を開放するのが、開閉バルブV1〜V4における吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5が停止中のノーマルポジションである。
図9で示す制御では、日射量が不足している場合には、蓄熱を中止する。
ここで、しきい値T6STDは、十分な日射が存在するか否かを判断するためのパラメータ、換言すれば貯湯槽4で蓄熱出来るか否かを判断するためのパラメータであり、太陽熱集熱パネル3の表面温度である。
なお、ステップS101で判断パラメータとされる温度は、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6に限定されるものではない。例えば、第4の温度センサSt4によって計測される太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T4を、ステップS101における判断パラメータとして用いることも出来る。もちろん、その他の温度を判断パラメータとすることも可能である。
一方、熱媒体温度T4が温度「T4MAX+ΔT4MAX3」以下であれば(ステップS103がNO)、熱媒体が過熱状態となることはなく、危険はないと判断して、ステップS105に進む。
一方、温度差「T4−T5」の値がしきい値ΔT5よりも小さければ(ステップS105がYES)、日射量が不足しており、熱媒体は集熱パネル3により加熱されていないと判断して、ステップS106に進む。
温度差「T4−T5」の値がしきい値ΔT5未満であれば(ステップS107がYES)、日射量は回復していないと判断して、ステップS108に進む。
一方、温度差「T4−T5」の値がしきい値ΔT5以上であれば(ステップS107がNO)、日射量が回復したと判断して、ステップS103以降を繰り返す。
太陽熱集熱パネル3の表面温度T6がしきい値温度T6STDよりも高温であれば(ステップS108がYES)、日射量が回復していると判断して、ステップS103以降を繰り返す。
一方、表面温度T6がしきい値T6STD以下であれば(ステップS108がNO)、ステップS109に進む。
なお、ステップS108で判断パラメータとされる温度は、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6に限定されるものではない。例えば、第4の温度センサSt4によって計測される太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T4を、ステップS108における判断パラメータとして用いることも出来る。もちろん、その他の温度を判断パラメータとすることも可能である。
ステップS109終了後における開閉弁V1〜V4のポジションは、吸収式冷凍機1が停止中のノーマルポジションである。
ただし、図10で示す制御は、日射量が回復したか否かを判断する手順が、図9で示す制御とは異なっている。
図10のステップS120以降は、図9の制御とは異なっている。
図10のステップS120において、所定経過時間t2のカウントを開始し、所定経過時間t2が経過したなら(ステップS121がYES)、ステップS122で、所定経過時間t2をリセットする。ここで所定経過時間t2は、日射量が回復するのに十分な時間として設定されている。
ステップS123では太陽熱回路LのポンプP1を作動させる。そして、所定時間(温水が太陽熱回路Lを2順以上循環する以上の時間)が経過したか否かを判断する(ステップS124)。所定時間(温水が太陽熱回路Lを2順以上循環する以上の時間)が経過したならば(ステップS124がYES)、ステップS125に進む。
一方、太陽熱集熱パネルの出口温度T4と入口温度T5の温度差「T4−T5」がしきい値ΔT4−1以下であれば(ステップS125がNO)、日射量は回復しておらず、太陽熱集熱パネル3により熱媒体を加熱することが出来ないと判断して、ポンプP1を停止し(ステップS126)、ステップS120以下を繰り返す。
換言すれば、係る制御により、日射量と吸収冷凍機1或いは暖房熱交換器5に連通した冷暖房負荷とが同期していないことによる太陽熱量のアンバランスを吸収し、空調システムの効率を向上させることが出来る。
なお、図9、図10の制御は、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5が停止している場合における制御であって、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5が作動を開始すれば、直ちに図2の起動ルーチンに戻る。
図11のステップS131において、コントロールユニット10は、太陽熱集熱パネル3直後の熱媒体温度T4が最低許容値T4MINよりも低温であるか否かを判断する。
ここで、最低許容値T4MINは、太陽熱集熱パネル3直後の熱媒体温度がこの温度よりも低温であると、太陽熱回路L中の熱媒体が凍結する可能性がある温度である。集熱パネル3の種類によって相違する。
一方、太陽熱集熱パネル3直後の熱媒体温度T4が最低許容値T4MIN以上であれば(ステップS131がNO)、ステップS132で、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6が表面温度最低許容値T6MINよりも低温であるか否かを判断する。表面温度最低許容値T6MINは、太陽熱集熱パネル3の表面温度であって、この温度よりも低温であると、太陽熱回路L中の熱媒体が凍結する可能性がある温度である
一方、表面温度T6が表面温度最低許容値T6MIN以上であれば(ステップS132がNO)、熱媒体が凍結する恐れはないと判断して、ステップS131に戻る。
ステップS133では、熱媒体が凍結する可能性があるため、ポンプP1を起動して熱媒体を循環させて、熱媒体の凍結を防止する。それと共に、熱媒体全体の熱容量を大きくするため、ポンプP2も起動する。そして、三方弁Vbを切換制御して、太陽熱回路Lの熱媒体を分岐点B1で、100%分岐回路LB1側に流し、ステップS134に進む。
ステップS134では、コントロールユニット10は、太陽熱集熱パネル3直後の熱媒体の温度T4が最低許容温度T4MINに余裕代ΔT4MINを加えた温度「T4MIN+ΔT4MIN」よりも高温であるか否かを判断する。
ステップS135(太陽熱集熱パネル3直後の熱媒体の温度T4が温度「T4MIN+ΔT4MIN」よりも高温:ステップS134がYES)では、コントロールユニット10は、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6が、最低許容値T6MINに余裕代ΔT6MINを加えた温度「最低許容値T6MIN+ΔT6MIN」よりも高温であるか否かを判断する。
一方、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6が温度「最低許容値T6MIN+ΔT6MIN」以下であれば(ステップS135がNO)、未だに熱媒体が凍結する可能性があると判断して、ステップS134以降を繰り返す。
太陽熱回路L内に循環する熱媒体の凍結を防止することにより、太陽熱回路L及び太陽熱回路Lに介装された各種機器類の破損を回避できる。
日射量が多い状態では太陽熱回路L内、特に太陽熱集熱パネル3は高温に熱せられており、吸収式冷凍機1或いは暖房熱交換器5が起動した後(図2のステップS1)、直ちに熱媒体を流すと、熱媒体が瞬時に蒸発して圧力が爆発的に増加し、太陽熱回路L内の各種機器を破損してしまう(いわゆる「ヒートショック」の)恐れがある。
図12は、吸収式冷凍機1及び暖房熱交換器5の起動信号が発生した場合(ステップS1)に、上述した「ヒートショック」を未然に防止するための制御(ヒートショック防止制御)を示している。
図12では明示していないが、熱媒ポンプP1が停止していることが前提である。
ここで、図12では制御パラメータとして、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6と、太陽熱集熱パネル3の出口側領域における熱媒体温度T4とが示されているが、これは例示であり、太陽熱回路Lの過熱状態が判定できる温度であれば、T6、T4には限定されない。
ここで、図12では、温度T6としきい値T6MAXとの比較(ステップS142)、温度T4としきい値T4MAXとの比較(ステップS143)の順番となっているが、太陽熱回路Lの過熱状態が判定できる温度とそのしきい値とを比較する順番は任意である。
また、温度T6としきい値T6MAXとの比較、温度T4としきい値T4MAXとの比較を同時に実行しても良い。
ステップS144を介してステップS141に戻るループにおいては、ヒートショックを起こす可能性があると判断して、熱媒ポンプP1を作動せず、熱媒体を太陽熱回路Lには流さない。
温度T6、T4が何れもしきい値以下の温度であれば(ステップS142、S143が共にNO)、ヒートショックの恐れはないと判断して、熱媒ポンプP1を直ちに作動する(ステップS21)。そして、図2のステップS2に進む。
停電には、停電している時間が瞬時である「瞬停」と、停電している時間が短時間である「短時間停電」と、「短時間停電以上の長い時間に亘る停電」の3種類がある。
上記3種類の停電している時間の長さ関係は、
「 瞬停<短時間停電<短時間停電以上の長い時間に亘る停電 」である。
そして「短時間停電」とは、停電により太陽熱回路Lにおける熱媒体の循環が停止された際に、復電後、直ちに熱媒体を循環しても、ヒートショックが生じない程度の時間の停電を意味している。
ステップS152では、コントロールユニット10は、停電が瞬停か否かを判断する。吸収式冷凍機1を冷房運転していた際に瞬停が起こった場合(ステップS152がYES)には、復電から復帰した後、瞬停前と同じ状態で運転が再開される(ステップS157)。
停電が「短時間停電」に該当する場合、すなわち、停電の時間が、空調システム100が運転を再開した際にヒートショック等の問題が生じない程度の短時間である場合(ステップS153がYES)、停電から復帰した際には、熱媒ポンプP1の運転を直ちに再開する(ステップS158)。
そのため、ステップS154において、空調システムの種類毎に定められた運転再開のシーケンスに従って、運転を再開する。
そのため、ステップS155では、短時間停電であるか否かを判断し、短時間停電に該当する場合には(ステップS155がYES)ヒートショックの問題は生じないので、復電後、直ちに停電前と同じ状態で暖房運転を再開する(ステップS156)。
そのため、ステップS154に進み、空調システム100の種類毎に定められた運転再開のシーケンスに従って、運転の再開を行ない、制御を終了する。
「瞬停」と「短時間停電」とを判断することが出来ない場合には、ステップS152、ステップS153では、「NO」と判断する。
吸収冷凍機1或いは暖房負荷の起動直後は、強い日射が期待できない場合が存在する。図14の制御は、係る場合において、太陽熱回路Lを循環する熱媒体温度を昇温するに際して、熱媒体循環ポンプP1を連続運転するよりも、断続的な運転或いは間欠運転を行なっている。以って、ポンプP1の駆動動力或いは熱媒体の搬送動力を節約しつつ、熱媒体温度を吸収冷凍機1側或いは暖房熱交換器5側で受け入れ可能な温度であるしきい値T0まで昇温させるのである。
出口直後の熱媒体温度T4がしきい値T0よりも高温であれば(ステップS162がYES)、ステップS163に進み、熱媒体循環ポンプP1を作動する。
出口直後の熱媒体温度T4がしきい値T0以下であれば(ステップS162がNO)、ステップS162を繰り返す(ステップS162がNOのループ)。
ここで、ステップS162でしきい値T0と比較するパラメータとしては、太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T4に限定される訳ではない。例えば、熱媒体温度T4に代えて、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6を計測して、しきい値T0と比較しても良い。
所定時間が経過したならば(ステップS164がYES)、ステップS165に進み、再び太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T4を計測し、しきい値T0よりも高温であるか否かを判定する。ステップS165においても、太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T4に代えて太陽熱集熱パネル3の表面温度T6を計測し、しきい値T0と比較しても良い。
太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T4(或いは、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6)がしきい値T0よりも高温であれば(ステップS165がYES)、ステップS166に進み、再び所定時間が経過したか否かが判断される。所定時間が経過していなければ(ステップS165がNO)、ステップS165、S166を繰り返す(ステップS165がNOのループ)。
すなわち、熱媒体循環ポンプP1に着目すれば、太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T4(或いは、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6)がしきい値T0よりも高温となった場合(ステップS162がYES)に作動するが、所定時間経過した後、熱媒体温度T4(或いは、太陽熱集熱パネル3の表面温度T6)がしきい値T0以下になると停止する。従って、太陽熱回路Lを循環する熱媒体全体がしきい値T0よりも高温になるまでは、ポンプP1は作動と停止とを繰り返す(断続的或いは間欠的に運転する)ことになる。
2・・・太陽熱熱交換器(第1の熱交換器)
3・・・太陽熱集熱器/太陽熱集熱パネル
4・・・貯湯槽
5・・・第2の熱交換器
7・・・圧力センサ
8・・・膨張タンク
9・・・リリース弁
10・・・コントロールユニット
B1・・・第1の分岐点
L・・・太陽熱回路
LB1・・・第1の分岐回路
Lh・・・暖房温水ライン
P1・・・第1のポンプ
V1、V2、V3、V4・・・開閉弁
Vb・・・三方弁
Claims (5)
- 太陽熱回路(L)と、吸収式冷凍機(1)と、吸収式冷凍機(1)内を循環する吸収溶液と太陽熱回路(L)を循環する熱媒体とが熱交換を行なう第1の熱交換器(2)と、制御装置(10)を備え、太陽熱回路(L)には太陽熱集熱器(3)及び太陽熱回路内で熱媒体を循環させるための第1のポンプ(P1)を介装しており、太陽熱回路(L)から分岐(B1)して合流(Vb)する分岐回路(LB1)を設け、分岐回路(LB1)には成層タイプの貯湯槽(貯湯槽4)及び分岐回路(LB1)内で熱媒体を流過させる第2のポンプ(P2)が介装されており、前記制御装置(10)は、貯湯槽(4)内の成層状態を保持しつつ、貯湯槽(4)内に太陽熱を蓄熱し或いは貯湯槽(4)内に蓄熱された熱量を太陽熱回路(L)に放出する機能と、太陽熱回路(L)を循環する熱媒体が貯湯槽(4)を経由し或いは経由しない様に熱媒体の流れを切り換える機能とを有しており、分岐回路(LB1)と太陽熱回路(L)との合流点には、流量を調節し且つ流路を切り換える流路切換装置(Vb)が配置されており、分岐回路(LB1)は第1の開閉弁(V1)を介装した第1の分岐ライン(Lb1)と第2の開閉弁(V2)を介装した第2の分岐ライン(Lb2)とに分岐しており、第1の分岐ライン(Lb1)は貯湯槽(4)の上方の領域に連通し、第2の分岐ライン(Lb2)は貯湯槽(4)の下方の領域に連通しており、貯湯槽(4)と太陽熱回路(L)との合流点(Vb)との間には第3の開閉弁(V3)を介装した第3の分岐ライン(Lb3)と第4の開閉弁(V4)を介装した第4の分岐ライン(Lb4)とが設けられ、貯湯槽(4)の上方の領域は第3の分岐ライン(Lb3)を介して太陽熱回路(L)との合流点(Vb)に連通し、貯湯槽(4)の下方の領域は第4の分岐ライン(Lb4)を介して太陽熱回路(L)との合流点(Vb)に連通しており、前記制御装置(10)は、太陽熱回路(L)を流れる熱媒体の温度と貯湯槽(4)内の熱媒体の温度とに基づいて、第1の開閉弁〜第4の開閉弁(V1〜V4)の開閉制御と、第2のポンプ(P2)の作動・停止制御と、流路切換装置(Vb)の切換制御を行なう機能を有しており、さらに前記制御装置(10)は、太陽熱回路(L)を流れる熱媒体が保有する熱量を貯湯槽(4)内に蓄熱する場合には、第1の開閉弁(V1)及び第4の開閉弁(V4)を開放し、第2の開閉弁(V2)及び第3の開閉弁(V3)を閉鎖し、貯湯槽(4)内に蓄熱された熱量を太陽熱回路(L)に供給する場合には、第2の開閉弁(V2)及び第3の開閉弁(V3)を開放し、第1の開閉弁(V1)及び第4の開閉弁(V4)を閉鎖する機能を有しており、太陽熱回路(L)における第1の熱交換器(2)よりも太陽熱集熱器の出口(3o)側の領域を流れる熱媒体の温度(T 1 )を計測する第1の温度センサ(St1)と、貯湯槽(4)上方の領域における熱媒体の温度(T 2 )を計測する第2の温度センサ(St2)と、太陽熱回路(L)における分岐回路(LB1)との分岐点(B1)より第1の熱交換器(2)側の領域を流れる熱媒体の温度(T 3 )を計測する第3の温度センサ(St3)とを備え、前記制御装置(10)は、吸収式冷凍機(1)が起動して第1のポンプ(P1)が作動した後、第1の温度センサ(St1)で計測した熱媒体温度(T 1 )が吸収冷凍機(1)を流れる吸収溶液を加熱することが出来るしきい値(T 0 )以下であり、第2の温度センサ(St2)で計測した貯湯槽(4)内の熱媒体温度(T 2 )が第3の温度センサ(St3)で計測した熱媒体温度(T 3 )以下の場合には第2のポンプ(P2)を停止し、太陽熱回路(L)を流れる熱媒体が分岐回路(LB1)へ流入しない状態に流路切換装置(Vb)を制御する機能を有していることを特徴とする空調システム。
- 前記制御装置(10)は、第1の温度センサ(St1)で計測した熱媒体温度(T1)が吸収冷凍機(1)を流れる吸収溶液を加熱することが出来るしきい値(T0)以下であり、第2の温度センサ(St2)で計測した貯湯槽(4)内の熱媒体温度(T2)が第3の温度センサ(St3)で計測した熱媒体温度(T3)よりも高温である場合には第2のポンプ(P2)を作動し、流路切換装置(Vb)を制御して太陽熱回路(L)を流れる熱媒体が貯湯槽(4)を経由する流量を比例制御し、第1の温度センサ(St1)で計測した熱媒体温度(T1)が吸収冷凍機(1)を流れる吸収溶液を加熱することが出来るしきい値(T0)となる様に制御する機能を有する請求項1の空調システム。
- 第1の熱交換器(2)よりも太陽熱集熱器の出口(3o)側の領域を流れる熱媒体の温度(T1)を計測する第1の温度センサ(St1)を備え、前記制御装置(10)は、第1の温度センサ(St1)で計測した熱媒体温度(T1)が、吸収冷凍機(1)を流れる吸収溶液を加熱することが出来るしきい値(T0)に所定温度(ΔT0)を加えた温度(T0+ΔT0)よりも高温である場合に、流路切換装置(Vb)を制御して太陽熱回路(L)を流れる熱媒体が貯湯槽(4)を経由する流量を比例制御し、第1の温度センサ(St1)で計測した熱媒体温度(T1)が吸収冷凍機(1)を流れる吸収溶液を加熱することが出来るしきい値(T0)よりも所定温度(ΔT0)だけ高温となる様に制御する機能を有している請求項1又は2のいづれかの空調システム。
- 太陽熱回路(L)から分岐(B2)して第2の熱交換器(5)を経由して太陽熱回路(L)に合流(Vc)する第2の分岐回路(LB2H)が介装されており、第2の熱交換器(5)は太陽熱回路(L)を流れる熱媒体と温水ライン(Lh)を流れる温水とが熱交換を行なう機能を有しており、温水ライン(Lh)は暖房負荷に連通している請求項1〜3の何れか1項の空調システム。
- 前記制御装置(10)は、冷房運転を行なっている場合には太陽熱回路(L)を第1の熱交換器(2)と連通するが、第2の熱交換器(5)はバイパスさせる機能と、暖房運転を行なっている場合には太陽熱回路(L)を第2の熱交換器(5)と連通するが、第1の熱交換器(2)はバイパスさせる機能とを有している請求項4の空調システム。
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