JP4993384B2 - 空調システム - Google Patents
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Description
しかし、上述した従来技術に係る吸収式冷凍機(特許文献1、特許文献2)では、太陽熱集熱パネルとの組み合わせは考慮されておらず、天候或いは日射量により大きく変動する熱源である太陽熱を利用するという観点では、システムや制御を設計してはいない。
そのため、太陽熱集熱パネルと吸収式冷凍機とを組み合わせた空調システムにおいて、吸収式冷凍機、太陽熱集熱パネル、両者を接続する機構、システム全体の制御が適正に構築されていないと、太陽熱集熱パネルで集熱した太陽熱が浪費或いは無駄使いされたり、システム内を流れる熱媒体が過熱により沸騰したり、熱媒体が凍結してしまう等の問題を起こしてしまう。
また、貯湯槽と太陽熱集熱パネルを組み合わせたシステムにおいて、太陽熱集熱パネルを介装した回路を流れる熱媒体の凍結を防止する技術も存在する(特許文献4参照)。
同様なシステムにおいて、太陽熱集熱パネルやラインの一部が蓄熱槽よりも低く設置されており、太陽熱集熱パネルやラインから熱媒体を抜く際に蓄熱槽内の熱媒体が流出するのを防止する技術も存在する(特許文献5参照)。
さらに、貯湯槽と太陽熱集熱パネルを組み合わせたシステムにおいて、太陽熱集熱パネルを介装した回路を流れる熱媒体を循環させるポンプを停止した後、再起動した際に、当該熱媒体が高温である場合に配管や熱交換器、ポンプ等の機器がいわゆる「ヒートショック状態」となり、当該機器類を破損してしまうことを防止する技術も存在する(特許文献9参照)。
そのため、太陽熱の集熱を開始してから、吸収式冷凍機で利用可能となるまで長時間が必要であり、吸収式冷凍機による空調について太陽熱を効果的に利用することが困難である。
また、係る従来技術(特許文献3〜特許文献9)は、太陽熱利用という観点から適正なシステム、制御を行なうものではなく、太陽熱利用に適したシステム、制御の提供という要請に応えることが出来ない。
本発明の実施に際して、太陽熱回路(L)は、太陽熱集熱器(3)及び太陽熱回路(L)内で熱媒体を循環させるためのポンプ(P1)とを介装している前記領域(ユニットU)を、複数、並列に配置することが出来る様に構成されている。
これに対して、上述する構成を具備する本発明によれば、冷暖房負荷(例えば、吸収式冷凍機1に連通する冷房負荷、及び/又は、暖房熱交換器5に連通する暖房負荷)が停止している場合にはポンプ(P1)を停止する様に構成されているので、冷房負荷或いは暖房負荷が存在せず、冷暖房負荷が停止している場合には、太陽熱回路(L)内を熱媒体は循環しない。そのため、太陽熱集熱パネル(3)で集熱した太陽熱が浪費或いは無駄使いされてしまうことが防止される。
さらに本発明によれば、太陽熱回路(L)内を循環する熱媒体が過熱状態になるのを防止する様に構成されているので、システム内を流れる熱媒体は過熱状態にはならず、太陽熱回路(L)内の圧力は急上昇しないので、太陽熱回路(L)内の機器を破損してしまうことはない。
当該タンク(落水タンク4)に太陽熱集熱器(3)を流れる熱媒体を移動すれば、熱媒体の凍結や、過熱によって太陽熱集熱器(3)内の機器が損傷する恐れは無くなる。
図1において、全体を符号100で示す空調システムは、太陽熱集熱器(太陽熱集熱パネル、集熱パネル)3を介装した太陽熱回路Lと、吸収式冷凍機1と、制御手段であるコントロールユニット10を有している。換言すれば、太陽熱回路Lは、例えば吸収式冷凍機1の太陽熱熱交換器2に連通しており、太陽熱回路Lを流れる熱媒体が太陽熱集熱パネル3と熱交換器2を循環するように構成されている。
図1において、太陽熱回路L上に付された矢印は、熱媒体の流れの向きを示している。
太陽熱回路Lを流れる熱媒体は、通常は水(温水)であるが、係る水に不凍液を混合する場合を考慮して、図示の実施形態では「熱媒体」と表現する。
もちろん、熱媒体は水以外の各種流体が適用可能である。
太陽熱回路Lにおいて、熱媒体ポンプP1の吸入側には分岐点B1が形成されている。また、太陽熱回路Lにおいて、熱媒体ポンプP1の吐出側と太陽熱集熱パネル3の入口3iとの間の領域には、合流点G1が形成されている。そして、分岐点B1と合流点G1とは、分岐回路LB1によって接続されている。
熱媒体ポンプP1には、電力メータMeを介装した電力ラインLe(例えば、商用電源に連通している電力ライン)を介して、駆動用の電力が供給される。
分岐回路LB1において、落水タンク4と合流点G1との間の領域には、開閉弁V1が介装されている。また、分岐点B1と落水タンク4との間の領域には、開閉弁V2と熱媒体ポンプP2が介装されている。熱媒体ポンプP2は、落水タンク4内に熱媒体が貯蔵されている場合において、貯蔵されている熱媒体を太陽熱回路L側に移動させる作用を奏する。
落水タンク4は、例えば日射が強すぎて太陽熱集熱パネル3内の熱媒体が許容限界温度以上まで加熱されてしまう場合等に、当該熱媒体を収容するためのタンクである。換言すれば、落水タンク4は、太陽熱回路Lの機器の破損を防止する作用を奏する。
落水タンク4への熱媒体の移動については、後述する。
太陽熱回路Lにおいて、分岐点B2と太陽熱集熱パネル3の入口3iとの間には、開閉弁V3が介装されている。
例えば、複数のユニットUの何れかをメンテナンスする場合に、メンテナンスするべきユニットUにおける開閉弁V7、V8を閉鎖することにより、当該ユニット内における熱媒体の循環を停止するのに用いられる。なお、開閉弁V8は、接続箇所JAと分岐点B1との間に介装されている。
接続箇所JBから分岐点B4の間の領域には、開閉弁V5が介装され、分岐点B4と分岐点B5との間の領域には三方弁Vaが介装されており、三方弁Vaはポートd、c、eを有している。
分岐点B4と三方弁Vaのポートdは、太陽熱熱交換器2をバイパスするバイパスラインLB3によって連通されている。
三方弁Vaの切換制御については後述する。
暖房熱交換器5には、図示しない暖房負荷に連通する暖房温水ラインLhが連通しており、太陽熱回路Lを循環する熱媒体と、暖房温水ラインLhを流れる温水とで熱交換が行われる。
三方弁Vbの切換制御に関しても後述する。
バイパス回路LB6は、メンテナンス等により、太陽熱回路Lと、吸収式冷凍機1及び/又は暖房熱交換器5を分離するべき場合に、熱媒体が吸収式冷凍機1及び/又は暖房熱交換器5をバイパスする経路となる。熱媒体が吸収式冷凍機1及び/又は暖房熱交換器5をバイパスするべき場合には、開閉弁V5を閉鎖して、開閉弁V6を開放する。
ただし、通常の運転に際して、熱媒体はバイパス回路LB内を流過しないので、図1ではバイパス回路LB6は点線で表現されている。
ラジエータ6には図示しない電動ファンが装備され、日射量が多く、太陽熱回路Lを流れる熱媒体が過熱状態となった場合に、三方弁Vcを分岐回路LB5側に切り換えて、過熱状態となった熱媒体をラジエータ6で冷却する。なお、図示しない電動ファンには、電力ラインLe(例えば、商用電源に接続)から電力が投入される。
図1においては、第1の温度センサSt1は、合流点G1と分岐点B2の間の領域に介装されているが、係る位置はあくまでも例示である。太陽熱集熱パネルの入口3i側における熱媒体温度T1を計測する位置(第1の温度センサSt1の位置)としては、太陽熱集熱パネル3の入口3i直前の位置が望ましい。
太陽熱集熱パネル3の表面には第3の温度センサSt3が介装されており、第3の温度センサSt3は、集熱パネルの表面温度T3を計測する
太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mには第4の温度センサSt4が介装されており、第4の温度センサSt4は、出口マニホルドでの熱媒体の温度T4を計測する。
開閉弁V5と分岐点B4との間には温度センサSt11が介装され、吸収式冷凍機の出口1oと三方弁Vaとの間の領域には温度センサSt12が介装され、三方弁Vaと分岐点B5との間には温度センサSt13が介装されている。
太陽熱回路Lにおいて、合流点G3と分岐点B6との間には温度センサSt16が介装され、三方弁Vcと接続箇所JAとの間の領域には温度センサSt19が介装されている。
分岐回路LB5において、ラジエータ6入口側には温度センサSt17が介装され、ラジエータ6出口側には温度センサSt18が介装されている。
熱媒体ポンプP1、開閉弁V1〜V8及び三方弁Va、Vb、Vcは、制御信号ラインSoによってコントロールユニット10と接続されている。
空調システム100が冷房運転を行なっている場合には、コントロールユニット10は、三方弁Va及びVbを切換制御して、太陽熱回路Lを太陽熱熱交換器2に連通し、三方弁Vcを切換制御して、太陽熱回路Lが暖房熱交換器5をバイパスする様にせしめる。
一方、空調システム100が暖房運転を行なっている場合には、コントロールユニット10は、三方弁Va及びVbを切換制御して、太陽熱回路Lを暖房熱交換器5と連通し、三方弁Vaを切換制御して、太陽熱回路Lが太陽熱熱交換器2をバイパスする様にせしめている。
例えば、日射量が少ない等の理由により、太陽熱回路Lを流れる熱媒体の温度が低い場合には、コントロールユニット10は、吸収式冷凍機1内を循環する吸収溶液が保有する熱量が、太陽熱熱交換器2を介して太陽熱回路Lを循環する熱媒体に逆流してしまうことを防止するため、熱媒体が太陽熱熱交換器2をバイパスする様に、三方弁Vaを切換制御する。
そして、熱媒体温度が高く、太陽熱が吸収式冷凍機1に投入可能であると判断された場合には、コントロールユニット10は、太陽熱回路Lを循環する熱媒体が熱交換器2を流れる様に、三方弁Vaを切換制御する。さらに、熱媒体温度T11、T12、T13の何れかが、吸収式冷凍機1の吸収溶液温度よりも低温にならない様に、三方弁Vaを比例制御しても良い。
熱媒体温度が低く、「熱の逆流」が生じると判断された場合には、太陽熱回路Lを循環する熱媒体が熱交換器2をバイパスする様に、三方弁Vaを切換制御する。
日射量が少ない等の理由により、太陽熱回路Lを流れる熱媒体の温度が低い場合には、コントロールユニット10は、暖房温水ラインLhを流れる温水が保有する熱量が、太陽熱熱交換器2を介して太陽熱回路Lを循環する熱媒体に逆流してしまうことを防止するため、熱媒体が暖房熱交換器5をバイパスする様に、三方弁Vaを切換制御する。
熱媒体温度T13或いはT15が十分に高く、太陽熱を暖房熱交換器5に投入して暖房負荷側で利用可能であると判断された場合には、コントロールユニット10は、太陽熱回路Lを循環する熱媒体が暖房熱交換器5側を流れる様に、三方弁Vbを切換制御する。さらに、熱媒体温度が、ラインLhを流れる温水温度T51、T52よりも低温にならない様に、三方弁Vbを比例制御しても良い。
一方、暖房温水ラインLhを流れる温水から太陽熱回路Lを流れる熱媒体に「熱の逆流」が生じると判断された場合には、コントロールユニット10は三方弁Vbを切換制御して、熱媒体が暖房熱交換器5をバイパスする様にせしめる。
ここで、図2で示す制御は、図1で示す空調システムにおける起動時の制御と、通常運転時の制御との双方を示している。
以下、図2を参照して、起動時及び通常運転時の制御について説明する。
空調システム100が停止していた間に、例えば日射量が多ければ、太陽熱回路L内は昇温しており、特に太陽熱集熱パネル3は高温に加熱されている。その様な状態で太陽熱回路L内に熱媒体を流すと、熱媒体が瞬時に蒸発して太陽熱回路L内の圧力が爆発的に上昇し、太陽熱回路L内の各種機器を破損してしまう(いわゆる「ヒートショック」の)恐れがある。
図3で示す制御において、ヒートショックを起こす心配が無い場合には、太陽熱回路L内で熱媒体を循環させる。そして、図2のステップS3に進み熱媒体循環ポンプP1を作動して、ステップS4に進む。
次に、ステップS5では、日射量が多過ぎて(日射が強過ぎて)、太陽熱回路Lを循環する熱媒体が過熱状態となってしまうか否かの判断及び制御(過熱防止判断)を行なう。過熱防止判断の詳細については、図4を参照して後述する。
ステップS5の過熱防止判断を実行したならば、ステップS6に進む。
しかしながら、日射が強過ぎて太陽熱回路を循環する熱媒体が過熱状態となってしまうか否かの判断(過熱防止判断:図4)を行なった後に、日射が不足するか否かの判断(日射不足判断:図5或いは図6)を行なっても良い。また、日射が不足するか否かの判断(日射不足判断:図5或いは図6)と、日射が強過ぎて太陽熱回路を循環する熱媒体が過熱状態となってしまうか否かの判断(過熱防止判断:図4)とを、同時に行なうことも可能である。
吸収式冷凍機1或いは暖房負荷において停止信号が発生していなければ(ステップS6がNO)、空調システム100の運転が続行されると判断して、ステップS4に戻り、日射が不足するか否かの判断(日射不足判断:図5或いは図6)と、日射が強過ぎて太陽熱回路を循環する熱媒体が過熱状態となってしまうか否かの判断(過熱防止判断:図4)とを実行する(ステップS6がNOのループ)。
空調システム100の起動及び運転制御は図2を参照して上述した制御に限定されるものではない。例えば、図10〜図14を参照して後述する起動及び運転制御を行なうことも可能である。
以下、図2〜図9を参照して説明する各種制御において、ユニットUが複数、並列に配置されている場合は、熱媒体ポンプP1の制御については、係る複数のポンプが制御対象とされる。
上述したように、日射量が多い状態では太陽熱回路L内、特に太陽熱集熱パネル3は高温に熱せられており、吸収式冷凍機1及び暖房熱交換器5が起動した後(図2のステップS1がYES)、直ちに熱媒体を流すと、熱媒体が瞬時に蒸発して圧力が爆発的に増加して、太陽熱回路L内の各種機器を損傷してしまう恐れがある。その様な事態、いわゆる「ヒートショック」を防止するために、図3の制御は実行される。
そして、温度T3としきい値T3MAX(太陽熱集熱パネル3の表面温度におけるヒートショックを起こすしきい値)とを比較し(ステップS12)、温度T4としきい値T4MAX(太陽熱集熱パネル3の出口マニホルド3mにおける熱媒体温度についての、ヒートショックを起こすしきい値)とを比較し(ステップS13)、温度T2としきい値T2MAX(太陽熱集熱パネル3を出た直後の熱媒体温度におけるヒートショックを起こすしきい値)とを比較する(ステップS14)。
また、温度T3としきい値T3MAXとの比較、温度T4としきい値T4MAXとの比較、温度T2としきい値T2MAXとの比較を同時に実行しても良い。さらに、温度T3としきい値T3MAXとの比較、温度T4としきい値T4MAXとの比較、温度T2としきい値T2MAXとの比較の全てを行なうのではなく、その一部のみを行なっても良い。
ステップS15を介してステップS11に戻るループにおいては、ヒートショックを起こす可能性があると判断して、熱媒体ポンプP1及び/又はP2を作動せず、熱媒体は太陽熱回路L内を循環しない。
ステップS16では、空調システム100が停止する直前の制御サイクルであって、空調システム100が停止する直前の制御サイクルにおいて、太陽熱集熱パネル3の熱媒体を落水タンク4内に移動していたか(落水タンク4内に熱媒体を落としていたか)否かを判断する。
直前の制御サイクルで熱媒体を落水タンク4内に移動していない場合には(ステップS16がNO)、ヒートショックを起こす可能性がなく(ステップS12〜S14が全てNO)、太陽熱集熱パネル3内には熱媒体が充填されているので、ステップS22に進む。
開閉弁V1を閉鎖して、開閉弁V2を開放しているので、落水タンク4内の熱媒体は熱媒体ポンプP2の吸込側に吸い込まれ、熱媒体ポンプP2から吐出されて太陽熱集熱パネル3内に充填される。
落水タンク4内の熱媒体の所定量が太陽熱集熱パネル3内に移動すれば(いわゆる「水張り」の完了:ステップS19がYES)、開閉弁V2を閉鎖する(ステップS20)。
或いは、図示しない水張り用のタイマーを設け、水張り開始から所定時間が経過したならば、「水張りが完了した」と判断することも可能である。
ここで、図2で示す制御ではなく、図10(図13、図14も同様)で示す制御においては、図10(図13、図14)に戻り、ステップS133以降の制御を行なう。
日射が強過ぎる場合や、吸収式冷凍機1や暖房熱交換器5で冷房負荷或いは暖房負荷側に投入される(太陽熱回路Lを循環する)熱媒体の熱量が少ない場合には、太陽熱回路Lを循環する熱媒体が過熱状態となってしまう恐れがある。
図4で示す過熱防止判断の制御では、太陽熱回路Lを循環する熱媒体が過熱状態になるか否かを判断し(過熱防止判断)、必要な措置を実行する。
さらに、図10(図13、図14も同様)において図4の過熱防止判断の制御を行なっている場合には、ステップS39では、図10(図13、図14)に戻る。そして、ステップS138、S139、S145以降の制御を実行する。
ラジエータ6で熱媒体を冷却した後、太陽熱集熱パネル3の出口直後における熱媒体温度T2が第3のしきい値T2MAX3未満であるか否かを判断する。
ここで、第1のしきい値T2MAX1は第3のしきい値T2MAX3よりも高温に設定されている(T2MAX3<T2MAX1)。
さらに、図10(図13、図14も同様)において図4の過熱防止判断の制御を行なっている場合には、ステップS39では、図10(図13、図14)に戻る。そして、ステップS138、S139、S145以降の制御を実行する。
ここで、第2のしきい値T2MAX2は第1のしきい値T2MAX1よりも高温に設定されている(T2MAX1<T2MAX2)。
従って、 T2MAX3<T2MAX1<T2MAX2 である。
一方、温度T2が第2のしきい値T2MAX2よりも高温の場合は(ステップS35がYES)、過熱状態が限界に達したと判断して、安全に停止するためのシーケンスの実行を開始する(ステップS36)。
そして、熱媒体ポンプP1を停止させ(ステップS37)、ラジエータ6を停止し、太陽熱回路Lを流れる熱媒体がラジエータ6をバイパスする様に、三方弁Vbを切換制御して(ステップS40)、過熱防止判断の制御を終了する。
係る安全停止シーケンスによれば、例えば、熱媒体を落水タンク4内に移動して、太陽熱集熱パネル3内には熱媒体が残存しないようにする場合がある。ただし、太陽熱集熱パネル3の種類によっては、熱媒体を落水タンク4内に移動する必要がない場合も存在する。
以下、図5を参照して、日射不足判断の制御を説明する。
図5のステップS41において、温度センサSt1により太陽熱集熱パネル3入口側の熱媒体温度T1を計測し、温度センサSt2により太陽熱集熱パネル3出口側の熱媒体温度T2を計測する。そして、時間t1のカウントを開始する(ステップS42)。
温度差「T2−T1」がしきい値ΔT2−1a未満であり、日射不足と判断された場合(ステップS43がYES)には、図4で示す「過熱防止判断」の制御を実行する(ステップS44)。
一方、温度差「T2−T1」がしきい値ΔT2−1a以上でありであり、日射不足ではないと判断される場合(ステップS43がNO)には、ステップS52に進んで時間t1のリセットを行ない、図2(図11、図12)のステップS4の「日射不足判断」に進み、図2のステップS4「日射不足判断」以降の制御を実行する(ステップS53)。
ステップS45において、時間t1が一定時間が経過したならば(ステップS45がYES)、再び、温度差「T2−T1」がしきい値ΔT2−1a未満か否か、すなわち、日射不足であるか否かを判断する(ステップS46)。
温度差「T2−T1」がしきい値ΔT2−1a未満であり、日照不足と判断される場合には(ステップS46がYES)、時間t1をリセットして(ステップS47)、ステップS48に進む。
ここで、日射不足か否かを判断するパラメータは温度差「T2−T1」に限定される訳ではなく、太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T2、太陽熱集熱パネル3の表面温度T3、太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mにおける熱媒体温度T4を判断のパラメータとして用いることも可能である。
一方、温度差「T2−T1」がしきい値ΔT2−1a以上であり、日射不足ではないと判断される場合には(ステップS46がNO)、時間t1をリセットして(ステップS52)、ステップS53まで進む。
ステップS53では図2(図11、図12を含む)に戻り、ステップS5以降の制御を実行する。
先ず、ステップS49で、温度センサSt2で太陽熱集熱パネル3出口側における熱媒体温度T2を計測する。
ステップS50において、被加熱側或いは熱利用側の温度「T0+ΔT01」を考慮することにより、熱利用の可否までも判断して、日射回復後の運転再開を行なうことが可能になる。
ステップS51では熱媒体ポンプP1を作動し、ステップS53に進む。ステップS53では図2(図11、図12を含む)に戻り、ステップS5以降の制御を実行する。
熱媒体温度T2が温度「T0+ΔT01」以下であれば(ステップS50がNO)、ステップS49に戻る。
但し、図6の制御は、日射不足と判断された後、太陽熱を冷房或いは暖房に利用できる程度まで日射量が回復したか否かを判断する態様が、図5とは異なっている。
以下、図6に基づいて、主として図5の制御とは異なる部分について説明する。
図6の制御は、太陽熱集熱パネル3の表面に温度センサSt3を取り付けることが困難であり、太陽熱集熱パネル3の表面温度T3が計測できない場合にも実行することが出来る。
係る状態において、太陽熱集熱パネル3の表面温度T3が計測できない場合には、先ず、時間t2のカウントを開始し(ステップS69)、時間t2について所定時間が経過したならば(ステップS70がYES)、時間t2をリセットして(ステップS71)、熱媒体ポンプP1を作動させる(ステップS72)。熱媒体ポンプP1は一定時間、例えば、熱媒体が太陽熱回路L内を2巡する時間以上作動される(ステップS73がNOのループ)。熱媒体ポンプP1は一定時間作動したならば(ステップS73がYES)、太陽熱集熱パネル3の出口側温度T2と入口側の温度T1を、センサSt1、St2によって計測する(ステップS74)。
太陽熱集熱パネル3の出口側温度T2と入口側の温度T1の温度差「T2−T1」がしきい値ΔT2−1bよりも大きければ(ステップS75がYES)、ステップS79に進む。
太陽熱集熱パネル3の出口側温度T2と入口側の温度T1の温度差「T2−T1」がしきい値ΔT2−1b以下であれば(ステップS75がNO)、日射量は回復していないと判断して、熱媒体ポンプP1を停止し(ステップS76)、ステップS69〜S75を繰り返す。
上述したように、温度「T0」は、被加熱側(冷房時であれば吸収溶液温度、暖房時であれば暖房負荷)におけるしきい値温度であり、熱媒体温度が利用可能な温度であるか否かの判断基準となる。温度「ΔT01」は、太陽熱集熱パネル3出口側における熱媒体温度T2と、しきい値T0(熱媒体温度が利用可能な温度であるか否かの判断基準となる被加熱側における温度)との温度差であり、太陽熱回路Lにおける熱放散等を考慮した余裕代である。
ステップS79において、被加熱側或いは熱利用側の温度「T0+ΔT01」を考慮することにより、熱利用の可否までも判断して、日射回復後の運転再開を行なうことが可能になる。
一方、太陽熱集熱パネル3の出口側温度T2が温度「T0+ΔT01」以下であれば(ステップS78がNO)、日射量は回復していないと判断して、熱媒体ポンプP1を停止し(ステップS76)、ステップS69〜S75を繰り返す。
ここで、ステップS75では、太陽熱集熱パネル3の出口側温度T2と入口側の温度T1の温度差「T2−T1」により太陽熱を冷房或いは暖房に利用できる程度まで日射量が回復したか否かを判断したが、太陽熱集熱パネル3の出口側温度T2と被加熱側の温度(例えば、冷房時であれば吸収溶液温度、暖房時であれば温水ラインLhの温水温度T52)との温度差等によって係る判断(日射量回復の判断)を行なっても良い。
上述したように、吸収式冷凍機1が停止しており、暖房負荷についても停止している場合には、熱媒体ポンプP1は停止しており、太陽熱回路L内では熱媒体は流れない。熱媒体が流れていない状態で、日射量が多くなると、特に太陽熱集熱パネル3内の熱媒体が過熱して、蒸発して圧力が急上昇してしまう可能性がある。
図7は、その様な事態を防止するための制御である。
ここで、しきい値T3MAXは、太陽熱集熱パネル表面温度T3がその温度(T3MAX)よりも高温になると、熱媒体が過熱して蒸発してしまう恐れがある温度として、設定されている。
パネル表面温度T3がしきい値T3MAXよりも高温になった場合(ステップSがYES)、太陽熱集熱パネル3の種類毎に異なる停止シーケンス(熱媒体が太陽熱集熱パネル内で過熱して、蒸発するのを防止するために必要な手順)を実行する(ステップS83)。
一方、表面温度T3が、しきい値T3MAX以下の場合(ステップSがNO)、ステップS81、S82を繰り返す(ステップSがNOのループ)。
寒冷地等においては、吸収式冷凍機1の停止時に熱媒体ポンプP1が停止していると、熱媒体が凍結してしまう恐れがある。
この場合、熱媒体を落水タンク4内に移動することも考えられるが、気候の激変により急に寒くなった場合や、太陽熱集熱パネル3の種類によっては、落水タンク4に熱媒体を落水させずに、凍結防止を行なわざるを得ない場合がある。図8は、係る場合における凍結防止制御を示している。
以下、図8を参照して、凍結防止制御を説明する。
なお、図8を参照する説明では、太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mにおける熱媒体温度T4をバロメータとしている。
一方、太陽熱集熱パネル3の表面温度T3がしきい値温度T3MIN以上であれば(ステップS92がNO)、ステップS93に進む。
温度T4がしきい値T4MINより低温であれば(ステップS93がYES)、熱媒体が凍結する恐れがあると判断して、ステップS94に進む。
太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mにおける熱媒体温度T4がしきい値T4MIN以上であれば(ステップS93がNO)、熱媒体が凍結する恐れがないと判断して、ステップS91に戻り、ステップS91以降を繰り返す。
太陽熱集熱パネル3の表面温度T3がしきい値「T3MIN+ΔT3MIN」よりも高温であれば(ステップS95がYES)、ステップS96に進む。一方、温度T3がしきい値「T3MIN+ΔT3MIN」以下であれば(ステップS95がNO)、熱媒体が流れていないと凍結する可能性があると判断して、ステップS95を繰り返し、ポンプP1を作動し続ける(ステップS95がNOのループ)。
ステップS96では、太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mの熱媒体温度T4が余裕代ΔT4MINを加算したしきい値(最低許容値:T4MIN+ΔT4MIN)よりも高温か否かを判断する。
温度T4がしきい値「T4MIN+ΔT4MIN」以下であれば(ステップS96がNO)、熱媒体が流れていないと凍結する可能性があると判断して、ステップS95、ステップS96を繰り返し、ポンプP1を作動し続ける(ステップS96がNOのループ)。
ここで、図示の実施形態にかかる空調システム100における停電には、停電している時間が瞬時である「瞬停」と、停電している時間が短時間である「短時間停電」と、「短時間停電以上の長い時間に亘る停電」の3種類がある。
上記3種類の停電している時間の長さ関係は、
「瞬停<短時間停電<短時間停電以上の長い時間に亘る停電」である。
そして「短時間停電」とは、停電により太陽熱回路Lにおける熱媒体の循環が停止された際に、復電後、直ちに熱媒体を循環しても、ヒートショックが生じない程度の時間の停電を意味している。
ステップS102では、コントロールユニット10は、停電が瞬停か否かを判断する。吸収式冷凍機1を冷房運転していた際に瞬停が起こった場合(ステップS102がYES)には、復電した後、ポンプP1を作動して(ステップS120)、瞬停前と同じ状態で運転が再開される(ステップS121)。
停電が「短時間停電」に該当する場合、すなわち、停電の時間が、空調システム100が運転を再開した際にヒートショック等の問題が生じない程度の短時間である場合(ステップS103がYES)、復電した際には、熱媒体ポンプP1の運転を直ちに再開し(ステップS122)、一定時間が経過するまでポンプP1を運転して(ステップS123)、ポンプP1を停止する(ステップS124)。吸収式冷凍機1において、吸収溶液が希釈された後に停止せしめるためである。
そのため、熱媒体ポンプP1を停止した後(ステップS110)、ステップS111において、空調システムの種類毎に定められた運転停止のシーケンスに従って、運転を停止する。
そのため、ステップS105では、瞬停であるか否かを判断すること無く、短時間停電であるか否かを判断する。短時間停電に該当する場合には(ステップS105がYES)ヒートショックの問題は生じないので、復電後、直ちに停電前と同じ状態で暖房運転を再開する(ステップS109)。
そのため、熱媒体ポンプP1を停止した後(ステップS110)、ステップS111に進み、空調システム100の種類毎に定められた運転停止のシーケンスに従って、運転を停止し、制御を終了する。
「瞬停」と「短時間停電」とを判断することが出来ない場合には、ステップS102、ステップS103では、「NO」と判断する。その様に判断すれば、吸収式冷凍機1で晶析する恐れがなく、ポンプP1の運転再開時にヒートショックを起こすことも無いからである。
吸収冷凍機1或いは暖房負荷で利用可能な熱量と比較して、一般的に太陽熱は少ない熱量しか得られない場合が多い。そのため、熱媒体循環ポンプP1を連続運転することは、いわゆる「エネルギー・ロス」が大きくなってしまう。これに対して、図10の制御では、係るエネルギー・ロスを抑制するため、ポンプP1を間欠的に運転して、太陽熱回路L内を循環する熱媒体を段階的に加熱・昇温しており、熱媒体温度が利用可能な温度となるまで昇温したならば、吸収冷凍機1側或いは暖房熱交換器5側で熱利用している。そして、ポンプP1を間欠的に運転することにより、ポンプP1を連続運転する場合に比較して、ポンプP1の駆動動力或いは熱媒体の搬送動力を節約している。
そして、冷房時には、係る被加熱側における温度としては、吸収冷凍機1において、図1では図示しない吸収溶液循環系における吸収溶液温度(例えば、太陽熱熱交換器2で熱交換された後の稀溶液温度)がしきい値となる。
一方、暖房時については、例えば、図1で暖房熱交換器5に連通する暖房温水ラインLhを流れる温水温度(温度センサSt52で計測される温水温度)がしきい値になる。
そしてステップS133に進み、温度センサSt2で太陽熱集熱パネル3出口側における熱媒体温度T2を計測し、熱媒体温度T2が温度「T0+ΔT01」よりも高温であるか否かを判断する。ここで、温度「ΔT01」は、太陽熱集熱パネル3出口側における熱媒体温度T2と、上述したしきい値T0(熱媒体温度が利用可能な温度であるか否かの判断基準となる被加熱側における温度)との温度差であり、太陽熱回路Lにおける熱放散等を考慮した余裕代である。温度ΔT01としては、使用条件、天候、空調システムの仕様等によりケース・バイ・ケースで設定されるべきであるが、例えば5℃に設定することが出来る。
一方、熱媒体温度T2が温度「T0+ΔT01」以下であれば(ステップS133がNO)、ステップS113を繰り返す(ステップS133がNOのループ)。
なお、温度「T0+ΔT01」と比較される温度としては、太陽熱集熱パネル3出口側における熱媒体温度T2のみならず、温度センサSt3で計測される太陽熱集熱パネル3の表面温度T3であっても良く、或いは、第4の温度センサSt4で計測される出口マニホルドにおける熱媒体温度T4であっても良い。
ここで、温度「ΔT02」(第2の余裕代)は、吸収式冷凍機1或いは図示しない暖房負荷(熱利用機器)直前の温度(冷房時は吸収式冷凍機1直前の熱媒体温度T11、暖房時は暖房熱交換器5直前の熱媒体温度T13)と、吸収式冷凍機1或いは図示しない暖房負荷(熱利用機器)のしきい値温度T0との温度差であり、吸収式冷凍機1或いは図示しない暖房負荷で安定した太陽熱利用をするための余裕代である。
温度ΔT02は、使用条件、天候、空調システムの仕様等によりケース・バイ・ケースで設定されるべきであるが、温度ΔT01よりも低温であることが望ましく、例えば3℃に設定することが出来る。
同様に、温度センサSt13は、ポンプP1が作動している場合において、三方弁Vbの動作時間に対応する距離だけ、三方弁Vbよりも上流側(ポンプP1の吐出側:太陽熱集熱パネル3側)の位置を流れる熱媒体温度を計測するように構成されているのが好ましい。
ステップS137では、冷房時であれば、三方弁Vaを熱利用機器側である吸収式冷凍機1側に切り換えて、太陽熱回路Lを流れる熱媒体を吸収式冷凍機1へ流す。暖房時であれば、三方弁Vbを暖房熱交換器5側に切り換えて、熱媒体を暖房熱交換器5へ流す。
そしてステップS138に進み、再び、冷房時は温度センサSt11により熱媒体温度T11(吸収式冷凍機1直前の熱媒体温度)を計測し、暖房時は温度センサSt13で熱媒体温度T13(暖房熱交換器5直前の熱媒体温度)を計測して、熱利用機器入口温水温度「T0+ΔT02」よりも高温であるか否かを判断する。すなわち、熱利用機器に熱媒体が流れた場合でも、熱媒体温度T11或いはT13が熱利用機器入口温水温度「T0+ΔT02」よりも高温であるか否かを判断する。
熱媒体温度T11或いはT13が熱利用機器入口温水温度「T0+ΔT02」より高温であれば(ステップS138がYES)、ステップS140に進み、図4で説明した過熱防止判断の制御を実行し、ステップS138に戻る(ステップS138がYESのループ)。
ステップS139(ステップS138がNO)では、所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過する以前の段階(ステップS139がNO)では、ステップS142に進み、図4で説明した過熱防止判断の制御を実行し、ステップS139に戻る(ステップS139がNOのループ)。
所定時間が経過したならば(ステップS139がYES)、ステップS141に進み、もう一度、熱媒体温度T11或いはT13が熱利用機器入口温水温度「T0+ΔT02」よりも高温であるか否かを判断する。
ステップS141において、熱媒体温度T11或いはT13が熱利用機器入口温水温度「T0+ΔT02」より高温であれば(ステップS141がYES)、ステップS138に戻る。一方、熱媒体温度T11或いはT13が熱利用機器入口温水温度「T0+ΔT02」以下であれば、ステップS143に進む。
そしてステップS145では、ポンプP1を停止してステップS6に進む。ステップS6〜S8から制御の終了までは、図2の制御と同様である。但し、ステップS6において、吸収冷凍機1及び暖房負荷から停止信号が出ていない場合(ステップS6がNO)には、ステップS133に以降を繰り返す。
通常、吸収冷凍機1や暖房負荷は、図示しないタイマ等により、毎日、定時に運転が開始される。一方、太陽熱集熱パネル3は、その様なタイマ等とは無関係に,太陽熱を集熱する。そのため、季節によっては、吸収冷凍機1や暖房負荷が運転を開始する以前の段階で、太陽熱集熱パネル3が過熱状態となってしまう恐れが存在する。
図11は、その様な事態を防止する制御である。
図11の制御では、吸収冷凍機1或いは暖房負荷が運転される予定の平日モードと、吸収冷凍機1或いは暖房負荷が運転されない予定の休日モードとを予め定義しておく。そしてステップS151では、その定義に従って、平日モードであるか、休日モードであるのかを判断する。
休日モードの運転であれば(ステップS151が「休日」)、ステップS152に進み、図7で説明した制御を実行する。
ここで、ステップS153の判断パラメータとなるのは太陽熱集熱パネル3の表面温度T3に限定されるものではない。例えば、太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mにおける熱媒体温度T4や、太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T2を、判断パラメータとして用いることも出来る。もちろん、その他の太陽熱集熱パネルの温度を判断パラメータとすることが可能である。
一方、太陽熱集熱パネルの表面温度T3がしきい値T3Pよりも低温であれば(ステップS153がNO)、ステップS154をバイパスして、ステップS1に進むので、吸収冷凍機1或いは暖房負荷が実際に運転信号(起動信号)を発生していない限りは、ステップS1は「起動信号は無い」と判断して(ステップS1がNO)、ステップS153に戻る。
上述したように、図11のステップS1〜S8については、図2と同様である。
図12の制御も、季節によっては、吸収冷凍機1や暖房負荷が運転を開始する以前の段階で、太陽熱集熱パネル3が過熱状態となってしまうことを防止している。
図12の制御では、図11の制御におけるステップS154とステップS1に相当する工程が存在しない。そして、図12の制御におけるステップS161〜S163は、図11の制御におけるステップS151〜S153に相当する。
図11で述べたように、太陽熱集熱パネル3の表面温度T3に代えて、例えば、太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mにおける熱媒体温度T4や、太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T2、その他の太陽熱集熱パネルの温度を判断パラメータとすることが出来る。
図12のステップS2〜S8については、図2と同様である。
図13は図10の第1変形例を示している。
図13のステップS171〜S174は、図11のステップS151〜S154と同様である。
すなわち、図13においては、ステップS171で、平日モードであるか、休日モードであるのかを判断し、休日モードの運転であれば(ステップS171が「休日」)、ステップS172に進み、図7で説明した制御を実行する。
ここで、太陽熱集熱パネル3の表面温度T3に代えて、例えば、太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mにおける熱媒体温度T4や、太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T2を判断パラメータとすることが可能である。
一方、太陽熱集熱パネルの表面温度T3がしきい値T3Pよりも低温であれば(ステップS173がNO)、ステップS174をバイパスして、ステップS131に進むので、吸収冷凍機1或いは暖房負荷が実際に運転信号(起動信号)を発生していない限りは、ステップS131は「起動信号は無い」と判断して(ステップS131がNO)、ステップS173に戻る。
図13のステップS131〜S145、S6〜S8については、図10と同様である。
図14の制御では、図13の制御におけるステップS174とステップS131に相当する工程が存在しない。そして、図14の制御におけるステップS181〜S183は、図11の制御におけるステップS171〜S173に相当する。
平日モードの運転であれば(ステップS181が「平日」)、ステップS183に進み、太陽熱集熱パネルの表面温度T3を計測し、計測された温度がしきい値T3P以上の温度であるか否かを判断する。太陽熱集熱パネル3の表面温度T3に代えて、例えば、太陽熱集熱パネル出口マニホルド3mにおける熱媒体温度T4や、太陽熱集熱パネル3における出口直後の熱媒体温度T2、その他の太陽熱集熱パネルの温度を判断パラメータとすることが可能である。
図14のステップS132〜S145、S6〜S8については、図10と同様である。
ここで、日射量は冷房負荷或いは暖房負荷とは無関係に増減するので、太陽熱集熱パネル3で集熱した太陽熱が浪費され或いは無駄使いされることがあり、また、システム内を流れる熱媒体が過熱により沸騰する場合がある。
これに対して、図示の実施形態によれば、上述した通り、冷房負荷或いは暖房負荷がなく、吸収式冷凍機1及び/又は暖房負荷に連通する暖房熱交換器5が停止している場合には、熱媒体ポンプP1は停止し、太陽熱回路L内で熱媒体は循環しない。そのため、太陽熱集熱パネル3で集熱した太陽熱が浪費或いは無駄使いされてしまうことが防止される。
すなわち、冷暖房負荷(例えば、吸収式冷凍機1に連通する冷房負荷、及び/又は、暖房熱交換器5に連通する暖房負荷)で太陽熱を利用することが出来ない場合には、太陽熱回路L内で熱媒体を循環する必要がないので、係る場合に、図示の実施形態では熱媒体ポンプP1を停止している。その結果、太陽熱回路L内で熱媒体を循環させるのに必要なエネルギが節約され、無駄な動力を節約することが出来る。
落水タンク4内に太陽熱集熱パネル3内を流れる熱媒体を移動すれば、熱媒体の凍結や、熱媒体の過熱により太陽熱集熱パネル3内の機器が損傷する恐れは無くなる。
2・・・吸収液再生用の熱交換器
3・・・太陽熱集熱器/太陽熱集熱パネル(集熱パネル)
4・・・落水タンク
5・・・暖房熱交換器
6・・・ラジエータ
8・・・膨張タンク
9・・・圧力開放弁
10・・・制御手段/コントロールユニット
B1・・・分岐点
G1・・・合流点
L・・・太陽熱回路
LB1・・・第1の分岐回路
P1・・・熱媒体ポンプ
V1、V2、V3、V4・・・開閉弁
Vb・・・三方弁
Claims (1)
- 太陽熱回路(L)と、冷暖房負荷側と太陽熱回路(L)側とで熱交換を行なう熱交換器(2、5)と、制御装置(10)を備え、太陽熱回路(L)には、太陽熱集熱器(3)及び太陽熱回路(L)内で熱媒体を循環させるためのポンプ(P1)とを介装している領域(U)が設けられており、太陽熱回路(L)から分岐して合流する分岐回路(LB1)を設け、分岐回路(LB1)には太陽熱集熱器(3)を流れる熱媒体を貯蔵可能なタンク(4)が介装されており、前記制御装置(10)は、冷暖房負荷が停止している場合にはポンプ(P1)を停止する機能と、太陽熱回路(L)内を循環する熱媒体が過熱状態になるのを防止する機能と、太陽熱集熱器(3)への日射量が不足した際にはポンプ(P1)を停止する機能と、停電の際に、空調負荷の運転状況と停電時間によって、復電した際に、停電前と同じ状態で運転を再開し、熱媒体を循環させるためのポンプ(P1)を一定時間作動してから停止し、或いは、太陽熱集熱器(3)の種類毎に定められた運転停止手順に従ってシステム全体の運転を停止する機能とを有することを特徴とする空調システム。
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