JP4956623B2 - 可変形薄膜を有する洗浄器を備えた充填装置 - Google Patents

可変形薄膜を有する洗浄器を備えた充填装置 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は洗浄器を備えた充填装置に関し、特に、瓶やポットなどの中空容器を食料品で充填するための複数の充填用注ぎ口を備えた回転式装置に関する。
この種の回転式充填装置は通常、回転台と、保持システムと、計測手段とを備えている。回転台は充填する製品の入ったタンクと複数の充填部とを担持し、各充填部は上記タンクに接続された充填用注ぎ口を備えている。また、該保持システムによって、充填用注ぎ口の下方に容器が保持できる。さらに、計測手段によって決まった量の製品が各容器に供給・充填される。
上記装置は一般に液体状の洗浄剤で定期的に洗浄すべきであり、その際には充填する製品の代わりにその洗浄剤を装置内で循環させて、製品の残留物、埃などの異物、および/または存在可能性のある生物的汚染物質や細菌的汚染物質を一切除去すべきである。
洗浄剤の消費量を抑えるためには、充填用注ぎ口から出てくる洗浄剤を回収できるようにする洗浄器を設ければいいことが知られており、こうすることで洗浄剤を閉回路のようにリサイクルするのである。
こういった洗浄器は、チューブまたは受器などの複数の可動型収集部材を備えていてもよい。各収集部材は、上方にある作業位置と下方にある待機位置との間で鉛直方向に移動可能である。該作業位置において、上記収集部材は充填用注ぎ口に密着して、その噴出部から供給される洗浄剤を回収する。一方で待機位置では、上記チューブが充填用注ぎ口と離れ、容器が充填できるようになる。収集部材は、鉛直方向の並進運動によって上記2つの位置の間ですべての収集部材を移動させるために、静止枠上に可動に設置された同一の環状連結管に接続されている。
上記収集部材は充填用注ぎ口の円筒部に一体的に押圧取り付けされていてもよく、これにより、ワイパー封止部が確実に密閉されるように設けられている。当該回収用チューブがワイパー封止部を有するとともに、注ぎ口に押圧取り付けされているので、上記装置が高さの異なる充填用注ぎ口を多数備えていても確実に密閉できる。しかしながら、当該装置の煩雑な構成は旧来の容器の保持システムにはうまく適合しないこともある。
充填用注ぎ口の円錐状の外面に対して、または該注ぎ口の吐出用開口部の周囲に位置する下側の環状の縁に対して当接可能なO−リングを上端部に備えた収集部材を設けることもできる。実際のところ、充填用注ぎ口間の高さの違いがO−リングが押しつぶされる分より大きくなることは避けられないように、O−リングを使ったこのような密着性は充填用注ぎ口を数多く備えた装置には不適切である。
別の種類の洗浄器では、各充填用注ぎ口は、その充填用注ぎ口の吐出用開口部の周囲に固定式収集部材を備えている。これは上記充填用注ぎ口の吐出用開口部の下方に設けられた通路開口部と、上記洗浄剤を排出・リサイクルするための、収集部材の内部空間に通じる排出ダクトとを構成する。このように、洗浄器は、充填用注ぎ口の下方に設置された容器が充填可能となるように、封止部材が充填用注ぎ口と離れる待機位置と、洗浄動作が実施されるように、上記封止部材が収集部材の通路開口部を密閉し得る作業位置との間を移動可能な封止部材を備えている。
接続移動システムを使って封止部材を鉛直方向上向きの並進運動で作業位置まで移動させるには、上記したのと同じ煩雑性という課題がある。さらに、注ぎ口の高さが完全には揃っていない場合には上記したのと同じ密閉性という問題もある。各封止部材ごとに個別の移動システムを備える充填装置もあり、こういった装置の場合、作業位置と待機位置との間の移動は充填用注ぎ口の軸に垂直な軸の周りで回転することで実現される。これら個別の移動システムは特に煩雑であり、しかもこのような回転運動をさせるためには、貴重な空間の一部を、充填用注ぎ口の下方およびその周囲に割かなくてはならない。
本発明の目標は、前記の短所を少なくとも一つ解消し、特に、洗浄動作中に良好な密封を可能にし、および/または煩雑さを低減する洗浄器付きの充填装置を提案することである。
上記の目標を達成するために、本発明の目的は以下に詳細する容器充填装置である。容器充填装置は、充填液体貯蔵手段に接続された充填用注ぎ口を有する少なくとも1つの充填部、および洗浄器を備え、
上記洗浄器は、1つの充填部に対して、
充填用注ぎ口の吐出用開口部を囲み、充填用注ぎ口の吐出用開口部の下方に配置された通路開口部を構成する固定式収集部材と、
充填用注ぎ口の下方に設置された容器が充填可能となるように、封止部材が充填用注ぎ口から離間する充填用注ぎ口待機位置と、洗浄動作が実施されるように、上記封止部材が収集部材の通路開口部を密閉し得る作業位置との間を移動可能な封止部材と、
上記封止部材をその作業位置と待機位置との間で移動させるための移動手段とを備えている。上記容器充填装置は、上記封止部材がホルダ上に載置された弾性を有する可変形薄膜を備え、ホルダと弾性を有する可変形薄膜とが密閉性変形室を形成し、上記ホルダが移動手段によって作業位置に移動した場合に上記密閉性変形室は加圧流体を入れて可変形薄膜を変形させることが可能であり、通路開口部を確実に封止することを特徴とする。
したがって、本発明によれば、上記封止部材が可変形薄膜を備え、この可変形薄膜は膨張変形して収集部材に当接し通路開口部を封止できる。膨張可能な可変形薄膜を有する封止装置によって、洗浄動作中に通路開口部を確実に密閉することができる。この効果は、上記容器充填装置が複数の充填用注ぎ口を備えることで充填用注ぎ口間の高さの違いを効率よく補償し、そうすることで、封止部材を様々な位置に移動させるための共通移動手段を使用できるようにする場合に特に顕著である。
一実施形態によれば、上記可変形薄膜がホルダ板の上面に載置され、該ホルダ板が、可変形薄膜の下方で開口する加圧流体が供給可能な供給経路を有する。さらに、上記可変形薄膜(好ましくは円形)が載置用フランジによってホルダ板の窪みの中に載置され、上記薄膜が好ましくは上記窪みの対応する溝に収納された周辺隆起部を有すると有利である。
ある特徴によれば、上記収集部材は上記通路開口部を規定する下縁(好ましくは円形)を有し、変形室加圧中には上記可変形薄膜が上記下縁を押圧することができる。一実施形態では、上記収集部材が充填用注ぎ口と一体形成され、ほぼ円筒裾の形状を成している。好適な一実施形態によれば、収集部材が、充填用注ぎ口によって供給された洗浄剤を回収するための、収集部材の内部空間に通じる横方向ダクト開口部を有している。
別の特徴によれば、上記移動手段は、上記可変形薄膜が噴出部の長軸をほぼ中心にして位置するように、充填用注ぎ口の長軸に平行に少なくとも1回の鉛直方向下向きの並進運動し、次に上記充填用注ぎ口の長軸に垂直に水平方向に移動することによって、可変形薄膜のホルダを待機位置から作業位置まで移動させることができる。待機位置において、ホルダ上の薄膜によって形成されている封止部材は充填用注ぎ口の隣に通路開口部にかぶさるように配置され、その2つの位置の間の移動は鉛直方向の移動と水平方向の移動とを組み合わせて行われる。このような移動をするには充填用注ぎ口の下方に空間がほとんど不必要で、特に、瓶保持システムによって邪魔されることなく移動ができる。この単純な移動の組み合わせによって、特に装置に複数の充填用注ぎ口が設けられている場合に、単純な共通移動手段を使用して封止部材アセンブリを上記位置間で移動させることが可能になる。
上記水平方向の運動の後、好ましくは、充填用注ぎ口のほぼ軸に従って鉛直方向上向きの並進運動をして可変形薄膜のホルダを作業位置まで動かす。
一実施形態によれば、上記容器充填装置が複数の充填部を備え、待機位置にあるホルダ上の可変形薄膜が充填用注ぎ口の間に配置されている。さらに、可変形薄膜のホルダが好ましくはその待機位置と作業位置との間を共通移動手段によって同時に移動する。
一実施形態によれば、上記容器充填装置が回転式であり、上記充填部が回転式ホルダの下方に一定角度の間隔で配置され、鉛直方向の並進運動と回転移動を行う手段によってホルダ上の可変形薄膜が回転式ホルダの下方に取り付けられたリング上に一定角度の間隔で載置され、上記水平方向の運動が、回転式ホルダの回転軸を中心とした、2つの隣接する充填用注ぎ口の間のピッチの半分に対応する角度の回転運動からなる。
ホルダ板の待機位置において収集部材を備えた充填用注ぎ口が通過できるように、上記可変形薄膜のホルダがリングに(例えばリングの円筒壁の内側で)取り付けられた環状のホルダ板から形成されてもよく、該ホルダ板は1つ以上の部分または要素からなり、上記ホルダ板が可変形薄膜間に開口部を有している。
ある特定の一実施形態では、リングが内側でホルダ板を担持し、また、半径方向外向きに延びる少なくとも2つの設置用脚部を有し、上記各脚部は回転台車上に鉛直方向ジャックで取り付けられ、該回転台車は回転式ホルダに固定された水平方向の案内レール上に滑動可能に載置され、回転式ホルダと回転台車との間に載置された少なくとも1つのジャックが上記リングを確実に回転移動させる。
一実施形態によれば、前記充填液体貯蔵手段は上記容器充填装置の不可欠な部分であり、回転式貯蔵タンク(例えば環状)からなり、前記回転式ホルダがタンクの底面壁から形成され、上記充填用注ぎ口はこの底面壁上に直接載置されている。
別の一実施形態によれば、充填部が環状の板形状の回転式ホルダに取り付けられ、また、いわゆるクモ型供給システムを通してオフセット貯蔵タンクに接続されている。
上記容器充填装置が、待機位置と作業位置とにおいてリングの中心の位置を決めるための中心位置決め手段を備えていることが有利である。該中心位置決め手段は、例えば、案内レール上のストッパーから形成、および/または設置用脚部と協調するタンクに固定された止め具から形成されている。
各充填部が、容器の首部分と協働できる少なくとも1つの保持部材(例えば、容器をその首部分で掴むことのできるクリップ型保持部材)を有する容器ホルダ手段を備え、ホルダ上の上記可変形薄膜が保持部材と収集部材との間を通過してもよい。
本発明、ならびに他の目的、詳細、特性、および長所は、いま好ましいと考えられる本発明の特定の実施形態についての以下の詳細な説明と下の添付参照図面によって十分理解されるであろう。
洗浄器を備えた本発明の回転式充填装置の斜視図である。 図1の洗浄器の封止部材のリングの斜視図である。 図2のA部分の詳細を描いた拡大図である。 図2のリングの一部を拡大して描いた、非膨張状態または非変形状態にある封止部材の供給経路のそばを通る半径方向の切断面に関する断面図である。 作業位置と、膨張状態における充填用注ぎ口と、それに関連する封止部材との模式的な部分断面図である。 図6Aおよび図6Bはどちらも図1の充填装置の部分的斜視図であり、封止部材が待機位置にある状態を示している。なお図6Aにはタンクを図示していない。 図7Aおよび図7Bは、図6Aおよび図6Bに対応した図であり、封止部材が第1の下方位置と第2の下方位置との間の下方中間位置にある状態を示している。 図8Aおよび図8Bは、図6Aおよび図6Bに対応した図であり、封止部材が作業位置にある状態を示している。 充填部の模式的な断面図であり、封止部材は待機位置にある。 図9に対応した図であり、封止部材は下方中間位置にある。
上述の図は、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック製の瓶に、水、牛乳、フルーツジュースなどの液体を充填する用途に特化させた、本発明に関する洗浄器を備えた回転式充填装置1を示している。もちろん本発明は、任意の種類の製品を任意の種類の容器に充填するのに使用してかまわない。
図1、図5および図9に図示するように、回転式装置1は回転台11を備え、該回転台11は鉛直方向の回転軸を中心にして回転できるように図示しない静止枠に載置されるようになっている。回転台は円筒状の充填液体タンク2と、回転軸の周りに一定角度の間隔で配置された複数の充填部3とを担持している。各充填部3は、充填用タンクと、流動的な接続をする吐出用開口部321を有する注ぎ口(充填用ノズル)32と、充填用注ぎ口の下方で容器を保持するための容器B(ここでは瓶)のホルダ手段31とを備えている。本実施形態では、回転台は環状のタンク2からなり、注ぎ口は直接回転式ホルダ21(ここでは充填用タンク2の底面壁からなる)の下方に鉛直方向に載置されている。なお、各注ぎ口の吐出用開口部321は下を向いている。
長軸Cを有する各充填用注ぎ口32は、タンクに密着するよう、その底面壁の円形開口部の凹凸に合わせてフランジ322aを設けた上方円筒部322を備えている。この上方部の延長部分が下方先細部323であり、先端は円形の吐出用開口部321となっている。
各充填用注ぎ口32は、吐出用開口部で該注ぎ口を囲むように注ぎ口に固定された収集部材4が設けられている。この構造が、充填用注ぎ口32の長軸Cに関して吐出用開口部321に垂直な方向に配置された円形の通路開口部41を構成している。この通路開口部は吐出用開口部より直径が大きく、充填動作中に瓶の首部分が通り抜けられるようになっている。各収集部材4は、上記収集部材の内部の空間に通じている横方向排出ダクト42を備えている。排出ダクト42は、タンクの軸に対して半径方向に配置され、また、弾力性のあるダクトなどで連結管に接続されているのが有利である。なお、この連結管はタンクの底面壁の下方に載置され、また、閉回路のように洗浄剤をタンクへ送ってリサイクルするポンプ付き経路でタンクに接続されている。
本実施形態では、上記充填用注ぎ口と収集部材とが一体形成されていて、外観は単純な円筒形状をしている。上記注ぎ口の上方部322の円筒壁は先細部323を越えて延びて裾を形成し、上記収集部材を構成している。また、各収集部材4の下縁43(ここでは円形)が通路開口部41を規定している。
図9に図示するように、容器Bを保持するホルダ手段31は、その容器Bが瓶である場合、タンク中央の中空部分に配置されたリング34上に一定角度の間隔で載置され、このリングは例えばタンクの内部円筒壁23に固定されている。各ホルダ手段は、瓶をその首部分の付け根に位置するフランジ部の下で掴むことのできる保持部材311(例えばクリップ)と、瓶を下から支えるスタンド312と、瓶の円筒壁に接触する中間楔形部材313とを備えている。クリップは、例えば、基板311b上に回転できるように載置された2つの対向するレバー311aからなっている。このレバーは、瓶を留める位置でばねによって弾性的に付勢され、また、弾性的に互いに離れさせて瓶の出し入れができるようになっている。クリップは、前記リング34上に載置されたステム314aの自由端で基板によって取り付けられている。クリップ基板上に載置されて鉛直方向に伸びるステム315が、その下端で上記スタンド312を担持している。さらに、ステム315は中間楔形部材313も担持している。
いわゆる計測手段は、上記充填用注ぎ口の下方に運び込まれた各瓶に決まった量の製品を供給するために各充填用注ぎ口と連携している。これらの計測手段は、例えば重量計測型であり、充填用注ぎ口内に載置され、図示しないジャックで開閉制御される検査バルブ33を備えている。このジャックはタンクの上方部に配置され、ステム134aに関連付けられている重量計測システム134によってサーボ制御される。本発明の装置は、容積計測型または流量計測型などの他の計測手段を備えていてもよいし、容器の充填レベルを検出するようにしてもよい。
上記装置は空き瓶取り込みシステム(例えばコンベヤーベルト)と取り出しシステム(例えば該コンベヤーベルトの下流部分)とをさらに備えていてもよく、こうすることで充填済みの瓶が取り出せるようになる。
洗浄器は、前記収集部材とともに、収集部材の通路開口部41を封止できる複数の可動型封止部材5を備えている。図2と図3に図示するように、これらの封止部材5は、タンク2上に移動可能に載置された共通のリング6が担持する複数の円形可変形薄膜51を備えている。このリングは、タンクの回転中に充填用注ぎ口によって定義される円より直径が大きい鉛直円筒壁61を備えている。この円筒壁は水平な環状板形状のホルダ62を担持し、さらに、円筒壁の下縁から内向きに延び、かつ、脚部63が半径方向外向きに延びている。この薄膜はホルダ板の上面62a上に、充填用注ぎ口間のピッチに対応する薄膜間のピッチにしたがって、また、この充填用注ぎ口が定義する円に対応する円にしたがって一定角度の間隔で載置されている。ホルダ板は薄膜と薄膜との間を、注ぎ口が鉛直に通り抜けられるだけの充分な寸法の開口部64を定義する切り欠き部を構成している(一例を以下で記載する)。このように、ホルダ板は洗浄動作用の薄膜と充填動作用の開口部とを交互に構成している。図示した実施形態では、ホルダ板の内側円形縁62bが凹部と凸部を交互に形成し、それぞれが上記開口部64とホルダ板の上面62a上の薄膜を載置する領域とを規定している。ただしホルダ板はこれに限定されるものではなく、円形の内縁を構成してもよく、開口部はホルダ板を円形に切り抜いて形成してもよい。
図4と図5に図示するように、各薄膜はホルダ板の円形の窪み621の中に密着して載置されていて、ねじ66(例えば3つのねじ)でホルダ板に固定されている環状の載置用フランジ65によってその窪みの中で保持されている。この薄膜と窪みの底面とが変形室67を形成する。窪みの中での薄膜の配置と密封性を確実に良好にするために、薄膜は、窪みのうち対応する環状溝621aに収納された周辺隆起部511に挿入されている。上記薄膜を窪みの底面に対してわずかに離すために、この溝は窪みの底面に設けられた環状のリブ621bによって規定されている。したがって、薄膜はこの環状のリブ上で窪みの底面からある距離だけ離れて拡がっている。
変形室67は、窪みの底面に通じている供給経路68から加圧流体の供給を受けてもよい。各供給経路は第1の鉛直穴681から構成され、この鉛直穴681は上記窪みの中心から形成されるとともに、上記環状板の外側円形縁62cから形成された第2の水平穴682に通じている。この第2の穴の片方の端は適当なプラグ69で封止されている。さらに、円筒壁61の上縁61aからその厚さ方向に形成された第3の鉛直穴683が第2の穴に対して開口し、流体はリングのこの上縁から供給される。
リングをタンク上に載置しやすくするために、該リングは互いに組み合わせられて円筒を構成する多数の部分からなり、各部分がホルダ板の環状部分を担持している。本実施形態において上記充填装置は15個の充填部を備えている。また、リングは上記の3つの設置用脚部によって互いに組み合わせられた3つの部分からなっており、各リング部分は5つの薄膜が載置された環状部分を担持している。各リング部分の上縁には、上記変形室の供給経路の鉛直穴683が開いた環状溝611が設けられているのが有利である。溝は封止部材が設けられた蓋70で密閉されている。この溝を加圧流体経路と結べば、同じリング部分のすべての変形室を同時に加圧することができるようになる。なお、この溝と加圧流体経路との接続は、例えば、蓋まで接続され、かつ圧縮空気経路にバルブシステムによって接続されている図示しない弾力のあるダクトによって実現できる。構成はこれに限定されるものではなく、変形室への供給はリングの下側から行ってもよく、各供給経路は窪みの周辺部とホルダ板の下面に形成された溝とで通じており、次に円形の外側縁62cで通じている。
各薄膜は、シリコーン系、EPDMニトリルEPTまたはEPDMなどのエラストマー系材料からなっており、各薄膜と窪み621は収集部材より直径が大きい。上記変形室が加圧されると、薄膜は図5に示すように膨張し外側へ向かって変形する。
リングはタンクの下方にその底面壁と平行に載置され、設置用脚部63を介してタンクの回転軸を中心として位置が決められており、その脚部とタンクとの間には、回転運動および鉛直方向の並進運動の際に位置を変えるための移動システムが挟まれている。図1に示したように、リングの直径はタンクの直径より短い。また、リングの設置用脚部はタンクの外壁22を越えて延びている。リングの各脚部は昇降型鉛直方向ジャック81によって回転台車82に接続されている。回転台車82はタンクに水平に固定した円弧状案内レール83上に滑動可能に載置されている。タンクに対する、タンクの軸を中心としたリングの回転移動は少なくとも1つのいわゆる回転ジャック84が複数の上記回転台車の一つの上で動作していることによって実現される。特に図6Aと図6Bによれば、上記案内レール83はタンクの外壁に対してある距離をおいて平行に、2つの正方形831の間に固定されている。この正方形831は、前記回転式ホルダ21を構成するタンクの底面壁に、複数の腕部の一つによって取り付けられている。回転台車は一般に、4つのディアポロ独楽形状の車輪832を片面上に担持する矩形の固定用板からなっており、車輪832は上側の一対と下側の一対とに分けられ、上記固定用板はこの二対の車輪の間に上記レールを設置することによって載置されている。昇降型ジャック81は、固定用板の残りの面上にジャックの円筒部によって鉛直方向に固定されており、その自由端は上記設置用脚部に取り付けられている。回転ジャックの円筒部はタンクの底面壁に固定された腕部の端部に回転できるように取り付けられ、ジャック本体を外側へオフセットする。また、その自由端は回転台車に(例えば固定用板の上縁に)回転できるように取り付けられている。
図6A、図6B、図9に示す環状の板、つまり、リングのいわゆる上方待機位置では、収集部材に囲まれた上記充填用注ぎ口がホルダ板の開口部に配置され、収集部材4の下縁43がホルダ板の少し下方に位置している。こうすることで、薄膜は注ぎ口の間に埋め込まれて、タンクの底面壁に直接面している。昇降型ジャックは待機位置に位置し、3つの回転台車はそれぞれ、上記案内レールの正方形の一つに固定された直線状のストッパー86を備えた中心位置決め手段に当接している。中心位置決め手段は、さらに、フランジによってタンクの底面壁に載置されて円筒状の筐体631に挿入されている(図2と図7を参照)3つの鉛直止め具87を備えている。筐体631は、回転してリングを上方待機位置に押し込められるようにリング脚部の上面に設けられている。また、これらの止め具は、リングを上方待機位置に持ち上げている間、鉛直ストッパーとしても働く。
リングを作業位置へ動かして可変形薄膜51で通路開口部41を封止できるようにするために、上記昇降型ジャックは、まず、上方待機位置から第1の下方位置まで鉛直方向下向きの並進運動をリングの下方へ向かって実行するように制御され、ここで、薄膜は注ぎ口の下方、具体的には収集部材4の下縁43の下方に配置されている。次にリングは、2つの隣接する充填用注ぎ口間のピッチの半分に対応する角度で右回りに回転してリングを薄膜が注ぎ口の下方に配置される第2の下方位置へ動かす。図7Aと図7Bに、第1の下方位置と第2の下方位置との間で回転移動中のリングの中間位置を示す。リングを第2の下方位置に描いた図10に示すように、リングの下方位置は、容器を保持するためのホルダ手段31(具体的にはクリップ)と収集部材4の下縁43との間をホルダ板が通過できるように規定されている。上記回転変位中、収集部材の下縁は薄膜の載置用フランジ65の直上を触れることなく通過する。フランジを固定するためのねじ66は、上記回転中に収集部材がねじ山の間を通過するように配置されている。この第2の下方位置において、各薄膜は注ぎ口の長軸C(図5参照)をほぼ中心にして位置し、上記回転台車はレールの左側ストッパー88に当接している。左側ストッパー88も上述した中心位置決め手段(図8Aと図8Bを参照)の一部である。三つ目の動きとして、図5、図8A、図8Bに示すように、昇降型ジャックが後退し、いまある第2の下方位置から作業位置までリングをわずかに持ち上げる。作業位置において、下縁43は固定フランジの上面の下方に配置されている。この作業位置は理論上の薄膜の位置として規定されていて、薄膜は収集部材の下縁の真下に配置される。しかしながら、数十分の一ミリメートルの隙間が注ぎ口間に存在する可能性があり、この隙間によっては、収集部材の下縁に接する薄膜が発生することがありえる。鉛直洗浄ストッパーとしての別の3つの止め具89も、リングが作業位置にあるときにその自由端で脚部の上面に当接するように、タンクの底面壁に載置されている。これらの止め具89も、作業位置においてリングの回転の中心を決めるために、リング脚部の円筒状の筐体631に部分的に挿入されていてもよい。
この作業位置において、加圧流体を変形室に注入して、図5に示すように収集部材4の下縁43に当接し、こうすることで通路開口部を密閉するように薄膜を膨張させてもよい。
例えば、収集部材の下縁と、リングが作業位置にあって非膨張状態の薄膜との間の上記理論上の距離は、1mmから3mm未満、例えば2mm程度であり、注ぎ口間の高さの違いは最大で±1mmである。変形室内の圧力は0.5バールから6バール未満であり、薄膜の鉛直方向の変形は対峙する注ぎ口が存在しない場合は3mmから7mm未満である。この鉛直方向の変形は充填用注ぎ口間の高さの違いより大きく、薄膜がすべて注ぎ口の収集部材に当接するように規定されていて、変形室内の戻り圧力が良好な密封性を得るのに充分な負荷を確実にかけている。
洗浄動作が一旦終了すると、供給経路を外部に開放することで変形室を大気圧に戻して薄膜を収縮させる。さらに、先述の手順を逆の順序で実行することでリングは上方待機位置に動かされる。つまり、作業位置から第2の下方位置まで鉛直方向下向きに並進運動し、続いて第1の下方位置までピッチの半分だけ左回りに回転し、そして鉛直方向の並進運動によって上向きに変位して上方待機位置に到達する。
容器充填動作中、リングは上方待機位置で保持されてタンクと共に回転する。装置を洗浄するために洗浄剤を充填液体タンクに入れ、好ましくはタンクの回転を停止させる。次にジャックを作動させることでリングは作業位置まで動かされ、変形室は加圧されて薄膜を膨張させ、こうしてすべての収集部材が封止される。注ぎ口の検査バルブは、洗浄剤を注ぎ口内で循環させて排出ダクト42を通じて回収できるように制御されて開放位置に入れられる。前述のように、排出チューブは洗浄剤をリサイクルできるように、連結管を通してタンクに接続されている。薄膜は洗浄剤で洗浄動作をする間中、加圧下におかれることになる。
上記に限定されるものではなく、リングの作業位置への移動は、鉛直方向下向きの並進運動とそれに続く半ピッチの回転だけで、つまりこの後の付加的な鉛直方向上向きの並進運動は行わないで実行してもよい。作業位置は前記第2の下方位置に対応し、こうすることで、薄膜は変形室の加圧中に充分に変形して収集部材に押しつけられ、収集部材を確実に密閉する。
また、実施形態によれば、上記薄膜は環状であり、加圧流体を供給可能な環状の窪みの中に載置されていてもよい。こうすることで、注ぎ口の形状によれば、膨張状態にある薄膜が噴出部の先細部と接触することをこの薄膜形状によって防止でき、特に吐出用開口部が封止できる。薄膜は上記に限定されるものではなく、円形でもよい。ただし、低弾性の中央円形部は高弾性の環状部分に囲まれていて、収集部材の円形縁にしたがって中心位置が決まる薄膜の環状部分が加圧中に中央部より大きく変形するようになっている。
本発明は具体的な実施形態に関して記載したが、それに限定されるものではなく、上述の手段の技術的等価物やその組み合わせも本発明の技術的範囲に含まれる。


Claims (14)

  1. 容器(B)を充填するための容器充填装置(1)であって、
    充填液体貯蔵手段に接続された充填用注ぎ口を有する少なくとも1つの充填部、および洗浄器を備え、
    上記洗浄器は、1つの充填部に対して、
    充填用注ぎ口の吐出用開口部を囲み、充填用注ぎ口の吐出用開口部の下方に配置された通路開口部を構成する固定式収集部材と、
    充填用注ぎ口の下方に設置された容器が充填可能となるように、封止部材が充填用注ぎ口から離間する待機位置と、洗浄動作が実施されるように、上記封止部材が収集部材の通路開口部を密閉し得る作業位置との間を移動可能な封止部材と、
    上記封止部材をその作業位置と待機位置との間で移動させるための移動手段とを備え、
    上記封止部材(5)はホルダ(62)上に載置された弾性を有する可変形薄膜(51)を備え、ホルダ(62)と弾性を有する可変形薄膜(51)とが密閉性変形室(67)を形成し、上記ホルダが移動手段(81−84)によって作業位置に移動した場合に、上記密閉性変形室(67)は可変形薄膜を変形させて通路開口部を確実に封止するために、加圧流体を入れることのできる、容器充填装置(1)。
  2. 上記可変形薄膜(51)はホルダ板(62)の上面(62a)に載置され、該ホルダ板は、可変形薄膜の下方で開口するとともに、加圧流体が供給可能な供給経路(68)と適合される、請求項1に記載の容器充填装置。
  3. 上記可変形薄膜(51)が載置用フランジ(65)によってホルダ板の窪み(621)の中に載置され、上記薄膜は上記窪みの対応する溝(621a)に収納された周辺隆起部(511)を有する、請求項2に記載の容器充填装置。
  4. 上記収集部材(4)が上記通路開口部(41)を規定する下縁(43)を有し、変形室(67)の加圧中には上記可変形薄膜(51)が上記下縁を押圧することのできる、請求項1から3のいずれか一つに記載の容器充填装置。
  5. 上記収集部材(4)が充填用注ぎ口(32)と一体形成され、ほぼ円筒裾の形状を成している、請求項4に記載の容器充填装置。
  6. 移動手段(81−84)は、上記可変形薄膜が噴出部の長軸をほぼ中心に位置するように、充填用注ぎ口(32)の長軸(C)に平行に少なくとも1回の鉛直方向下向きの並進運動し、次に上記充填用注ぎ口の長軸に垂直に水平方向に運動することによって、可変形薄膜(51)のホルダ(62)を待機位置から作業位置まで移動させることができる、請求項1から5のいずれか一つに記載の容器充填装置。
  7. 上記水平方向の運動の後、充填用注ぎ口(32)のほぼ長軸(C)に従って、鉛直方向上向きの並進運動をして可変形薄膜(51)のホルダ(62)を作業位置まで動かす、請求項6に記載の容器充填装置。
  8. 複数の充填部(3)を備え、待機位置にあるホルダ(62)上の可変形薄膜(51)が充填用注ぎ口(32)の間に配置されている、請求項6または7のいずれか一つに記載の容器充填装置。
  9. 可変形薄膜(52)のホルダ(62)が、その待機位置と作業位置との間を共通移動手段(81−84)によって同時に移動する、請求項8に記載の容器充填装置。
  10. 上記容器充填装置が回転式であり、上記充填部(3)が回転式ホルダ(21)の下方に一定角度の間隔で配置され、鉛直方向の並進運動と回転移動を行う手段(81−84)によってホルダ(62)上の可変形薄膜(51)が上記回転式ホルダの下方に取り付けられたリング(6)上に一定角度の間隔で載置され、上記水平方向の運動が、回転台の回転軸を中心とした、2つの隣接する充填用注ぎ口の間のピッチの半分に対応する角度の回転運動からなる、請求項9に記載の容器充填装置。
  11. ホルダ板の待機位置において収集部材(4)を備えた充填用注ぎ口(32)が通過できるように、上記可変形薄膜のホルダ(62)がリング(6)に取り付けられた環状のホルダ板(62)から形成され、上記ホルダ板が可変形薄膜間に開口部(64)を有している、請求項10に記載の容器充填装置。
  12. リング(6)が内側でホルダ板(62)を担持し、また、半径方向外向きに延びる少なくとも2つの設置用脚部(63)を有し、上記各脚部は回転台車(82)上に鉛直方向ジャック(81)で取り付けられ、該回転台車(82)は回転式ホルダ(21)に固定された水平方向の案内レール(83)上に滑動可能に載置され、上記回転式ホルダと回転台車との間に載置された少なくとも1つのジャック(84)が上記リングを確実に回転移動させる、請求項10または11のいずれか一つに記載の容器充填装置。
  13. 上記容器充填装置が、待機位置と作業位置とにおいてリング(6)の中心の位置を決めるための中心位置決め手段(86−88)を備えている、請求項10から12のいずれか一つに記載の容器充填装置。
  14. 各充填部(3)が、容器(B)の首部分と協働できる少なくとも1つの保持部材(311)を有する、容器(B)を保持するためのホルダ手段(31)を備え、ホルダ(62)上の上記可変形薄膜(51)が上記保持部材と収集部材(4)との間を通過する、請求項1から13のいずれか一つに記載の容器充填装置。
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