JP4956387B2 - 角度変換器 - Google Patents
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Description
本発明は、基本的にスエーデン特許7714010−1に記載されている様な従来公知の容量性技術(capacitive technology)に基づく製造が容易で安価な角度変換器に関する。図1の第1のディスク1はスケールを形成する1組の電極2が設けられる。第1のディスク1の上に位置し、それから狭い空隙で分離されている第2のディスク4には第2の1組の電極3が設けられ、各電極3には交流電圧が供給される。交流電圧の供給されるディスクは本明細書において以下しばしば“固定子”と表示する。第1のディスク1の電極の1つは適当な変位位置において第2のディスク4の電極の1つまたは2つとコンデンサを形成し、それにより第2のディスクの電極に印加された交流電圧が第1のディスク1の電極2の1つに転送される。第1、第2のディスクの何れの電極がコンデンサを形成するかは、両ディスクの相対的変位により決められる。このように、第1のディスクに転送される信号もまたディスク1、2の相対的位置に依存するので、両ディスク間の変位の大きさを決めるのに使用できる。
スエーデン特許7714010−1に記載の技術は、相対的観点から見て相当に低い分解能と精密度をもった長い測定スケールの製造を意図したものである。高い分解能の角度変換器に必要な高い精密度を得るためには、測定システムを形成する電極の間隔の精密度に極めて高い要求を置かねばならない。同様に、図2において回転子電極2を担持するディスク1と固定子電極を担持するディスク4の間の軸に平行な距離が一定であることに、厳密な要求が置かれる。もしこの距離が全ての電極組について同一でなければ、電極は信号に関して異なるウエイトが与えられることになり、誤差値となる。回転子ディスクと固定子ディスクの間の距離が変化する原因としては、例えば図10に示される回転子ディスク1の軸方向ぐらつき、あるいは図12に示される回転子板1の平坦性の欠陥がある。そのような誤差の他の原因には、回転子ディスクと固定子ディスクの間の貧弱な平行性、すなわち図1のディスク1と4の間、または図4のディスク1と4の間の図4aに示されるような貧弱な平行性がある。回転子ディスク1と固定子ディスク4の取り付けには、2つのディスクの回転の中心が同じ位置にあることが保証されねばならない。上記に記載の全ての場合に、図5、図6に示される形式の誤差が発生し、図7に示されるようにスケール間隔の1周期にわたる周期的な誤差となる。
従って本発明の目的は、上述の製造と取付けにおける要求を解消または最小化し、しかも非常に正確な角度の測定能力を与えることのできる角度変換器を得ることである。
2.回転子ディスク1の半径方向ぐらつきによる、図2の回転子ディスク1と固定子ディスク4の間の動的半径方向誤差。
3.必要な組み立て許容誤差による傾きで起こる、図2の回転子1と固定子4の間の空隙の静的距離誤差及び平行性誤差。
4.図10のような、可動ディスク1の回転の間の半径方向ぐらつきにより起こる回転子と固定子の間の空隙の動的距離誤差及び平行性誤差。
5.図12のような、可動ディスク1の回転の間のその欠陥的形状により起こる回転子と固定子の間の空隙の動的距離誤差及び平行性誤差。
6.回転子と固定子のディスク製造に使用される光学的マスタにより起こる回転子と固定子の電極の幾何学的配列における組立間隔誤差。
固定子ディスクの半径方向ぐらつき、または半径方向変位の影響を避ける1つの方法は、例えば図2の角度変換器に、ディスク4に既に配置されている固定子電極と同一であるが第1のディスク4に対して相対的に180°変位している第2の組の固定子電極を設けることである。図3はそのような構成を示す。図は電極2をもった回転子ディスク1を示す。さらに固定子ディスク4は固定子電極3を備え、またディスク4と直径方向で反対側に電極3’をもった第2の固定子ディスク4’が配置される。2つの固定子ディスクは実際には図3に示されるように1つの共通固定子ディスク5に統合される。ディスク5の回転の中心に対して相対的にディスク1の回転の中心が、例えば矢印の方向に一定の静的変位を生じた場合は、ディスク4により回転子ディスク1に励起される信号は角度変位を示すがそれは非常に小さいことが分かった。何故なら、固定子電極と実際の回転の中心の距離が小さく、それは固定子電極間の有効角度が大きくなったことを意味するからである。均等的に、ディスク4’により回転子ディスク1に励起される信号は角運動を大きく示し過ぎる。2つの隣接する電極間の有効角度の正の変化と負の変化は一般には大きさが同じではないが、その差はもし半径方向の移動が小さければ無視できる。2つのディスク4と4’から励起される信号は加算されるとき、誤差の合計は互いに打消す。
図4は前面から、及び矢印aの方向から見たシステムを示す。図4aの如く、回転子1と固定子4の間に静的平行性の誤差のある場合、楔型空隙が回転子1と固定子4の間に形成される。この状態が図5にさらに詳細に示され、そこでは送信機電極の4つの群R−S−T−Uを含む固定子が示され、システムの運動方向の傾きはΔである。
軸方向ぐらつきの一般的形において、回転子1と固定子4の両者の回転軸に対する相対的な角度は90°に等しくない。これは図18、19に誇張した形で示される。図18においてシステムの回転の共通軸に対して相対的に、回転子ディスクは角度誤差αをもち、固定子ディスク4は角度誤差βをもつ。システムは固定子ディスクに対する相対的な1つの角度位置において図18に示す位置をとる。回転子が180°回転すると、システムは図19に示す位置を取る。
a=d−r(sin α+sin β)
であり、最大距離bは、
b=d+r(sin α+sin β)
である。360°にわたる平均値は(a+b)/2で、これは“a”と“b”を図面から得られる値に置換すると“d”に等しい。
組立の間隔誤差は回転子と固定子の電極の幾何学的配列で起こりうる。例えば、これらは回転子と固定子の製造に用いる光学マスタから起こり得る。回転子電極間または固定子電極間の間隔の組織的誤差の場合、電極の誤差位置、電極1------電極nは単調な関数として増加する。完全な1回転の終わりに、電極1と電極nの間の最終間隔に、その前のn−1の間隔の間に累積された誤差と符号は逆であるが、同じ大きさの誤差を生じる。何故なら、1回転の間の全ての誤差の合計はゼロに等しいからである。好ましい実施例による回転子と固定子の電極は360°の完全な回転を含むので、幾何学的誤差の補償がこの場合にも働いて、その結果回転子ディスクに励起される信号の誤差の合計ゼロとなるであろう。
スエーデン特許7714010−1に記載されているスケールの幾何学的配列は、4つの供給位相が用いられ、固定子電極の幅は最大で回転子電極間の間隔の1/4である、という好ましい実施例の条件に基づいている。一般に、もし供給位相の数がΦならば、固定子電極の幅は最大で回転子電極の間隔の1/Φである。しかし理論的にそうであるように、固定子電極と回転子電極の間に正弦波形の伝達特性を得るためには、固定子電極は正弦形状であるのみならず、4つの供給位相を備える好ましい実施例においてその幅は回転子電極間の間隔の半分でなければならない。
絶対角度位置を決めるため、半径方向に向かい正弦波形の形をもった別の1組の電極が使用され、“精密(fine)電極”とは異なる半径位置に配置される。1つの好ましい実施例が図22に示され、4つの供給電極3を含み、位相R−S−T−Uの電気信号を供給され、システムの固定子ディスク上に置かれる。4つの送信機電極は本発明の目的に従って差動幾何学的消去を実行するため360°にわたり分布される。図23は回転子ディスク上に配置され固定子電極からの信号を収集する単一の受信機電極2を示す。
位置は2つの回転子電極の間の間隔の1/2048の分解能をもった測定ユニットにおいて確実な評価技術を用いて決定される。1回転に126の回転子電極を含む回転子ディスクをもち、2048×126=258,048/回転の角度分解能、すなわち近似的に12秒の弧の分解能を達成する。1回転当たり1電極の絶対変換器のスケールをもって、1/2048の分解能が達成される。絶対変換器は“精密”変換器の126の位置の何れの1つが有効であるかを決定するのに使用される。従って、精密位置を決定するとき“粗”変換器と“精密”変換器の間に重複が存在し、それは分解能の1/126の冗長度を生じ、粗い計算機のほぼ16単位である。
“精密”スケールの126の位置の何れにその値が存在するかを計算するため、粗い計算機の値を16で割る。或る特定の原理に従って整数に丸めて、整数“p”を得る。さらに、計算機の“精密”スケールが例えば数1432を含むとする。原理的に次のようなアルゴリズムが全角度の絶対値を得るために使用される:
上記の例において、p=27とする:
=精密計算機の54,680単位
上述の全ての場合においてシステムの説明は、本発明の特徴である差動幾何学的配列(diferential geometry)の機能を説明することに向けられた。簡明にするため、固定子ディスク4に送信機電極3をもち、回転子ディスク1に受信電極2をもったシステムを本発明の原理に従った実施例の各種の変形についてスエーデン特許7714010−1により既知の技術に従って記載した。これは、図1でディスク4の供給電極3がスライダ(回転子電極)1の受信機電極2の単一システムと相互作用することを意味する。本発明の好ましい1実施例、図24において、相対的に電極の間隔の1/2だけ幾何学的に変位しているが、同じ平均半径をもっている2つのスケールが使用される。前述のように、供給位相R−S−T−Uは互いに90°位相が変位している。その結果、位相TはRに対して180°変位し、Uは同様にSに対して180°変位する。回転子電極の2つのシステムが、それら2つのシステムに共通の固定子上の送信機電極により励起されるとき、これは電極2に対して相対的に電極間隔の半分変位している電極2’の信号もまた互いに180°位相が変位することを意味する。その結果として、電極システム2、2’からの信号が公知の形式の電気的差動増幅機の入力に印加される。電極2、2’により反射された2つの信号は加算されて図1の単一スケールに較べて2倍の振幅となる。
1つまたは複数の接続された結合アームを含む測定または位置決め装置を使用するとき、もしその作動点におけるシステムの精度を維持せんとすると、アームの軸受上に従来型の角度変換器を使用するときは大きな負担が生じる。軸受けの貧弱な精度は図25に示されるような形式の確率的傾き、又は図26に示されるような半径方向変位を生じる。これにより結合アームシステム11の作動点が図25に示される傾き及び/又は図26に示される半径方向と軸方向変位に依存する余弦誤差(cosine error)を受けるようになる。
本発明による角度変換器に使用する完全な回転子ディスクが図30に示される。
回転子ディスクと相互作用し、固定子(送信機)電極を含む固定子ディスクが図34に示される。電極はこのディスク上に図17に示される原理及びそれと関連する記載に従って円形に配置される。図34は固定子ディスク4を示し、その表面上に送信機電極3と粗測定システムの送信機電極3’が配置される。固定子ディスクは回転子ディスクについて説明したのと同様の方法で製造される。図35は固定子ディスクの断面を高い尺度で示す。図35はまた送信機電極の順序を変えた幾何学的位置が前述の特許に記載された原理に従っていることを示し、さらに全電極グループに対する供給信号の位相位置を示している。角度変換器の1回転は整数組のそのようなグループを構成する。
ここに記載の原理の4−相の容量性システムの送信機電極はこれら電極間の間隔が(回転子(受信機)電極の間隔)/Φ、すなわち、この場合(回転子(受信機)電極の間隔)/4に等しくなければならない、という条件を満たさなければならない。これは、この実施例において送信機電極の間隔が1回転の1/81*1/4、すなわち1/324でなければならない、ことを意味している。
2.固定子は同じ数の各位相の送信機電極を含まなければならない。
3.例えば、同じ数の外向きの電極と内向きの電極の順列、配置により幾何学的対称を維持するか、またはそれを創らねばならない。
本発明により実施された角度変換器は変換器の取り付けられた機械要素の軸受けの欠陥により生じる角度の特定における誤りを除去するけれど、位置決めの精度は、その軸受けの遊びやぐらつきにより依然として全体のシステムに機械的、幾何学的に影響を受ける。たとえ角度位置が角度測定システムにより正しく読まれたとしても、図25、26に示される形式の機械システムの遊びにより依然として誤差が生じることがある。
Claims (14)
- 第1のディスク、円形に配列され半径方向に向く受信機電極(2)をもった回転子(1)と、第2のディスク、円形に配列され半径方向に向き前記受信機電極(2)と同じ半径に配置された送信機電極(3)をもった固定子(4)と、を備え、前記2つのディスク(1、4)上の前記受信機電極(2)と送信機電極(3)の間に固定の間隔をもつようにした角度変換器において、前記2つのディスク(1、4)は同心に配置され互いに相対的に回転可能であり、前記2つのディスク(1、4)は薄い空隙で分離されて前記回転子ディスク(1)と固定子ディスク(4)上の前記電極システムの間の容量的または誘導的結合を可能にし、さらに前記送信機電極(3)は隣接する電極に対して各々異なる位相の交流位相が供給され、供給される位相の数Φは2より大きく、送信機電極の間隔=受信機電極の間隔/Φ、であるものにおいて、前記回転子ディスク(1)と前記固定子ディスク(4)は、前記回転子の受信機電極(2)に等しい大きさで反対の極性の誤差信号を発生させることによって、電極パターンの不完全性または構成機械部品の不十分な誤差許容によって発生される誤差を単独に補償するための付加電極(13−18)を備えている、ことを特徴とする前記角度変換器。
- m個の受信機電極(2)が前記回転子(1)の全周辺に均等に分布され、ここにmは整数であり、またm*Φの送信機電極(3)が固定子(4)の全周辺に均等に分布されている、ことを特徴とする請求項1に記載の角度変換器。
- 前記送信機電極(3)がグループに分割され、各グループが少なくともΦの電極を含み、各電極は異なる位相の交流電圧が供給され、前記固定子(4)は送信機電極のそのような少なくとも3つのグループを含むことを特徴とする、請求項2に記載の角度変換器。
- 回転子ディスクの電極の数mは、1配列周期λ2にわたる回転子電極の数に等しいかまたはその整数倍である、ことを特徴とする請求項2または3に記載の角度変換器。
- mが偶数であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の角度変換器。
- 各グループがΦ個の電極を有するΦ個の連続固定子電極グループを含み、それら連続固定子電極グループは、それぞれ特有の信号供給形態を有し、該特有の信号供給形態が所定の配列周期λ2の後に繰り返されるように配列したことを特徴とする請求項4または5に記載の角度変換器。
- 回転子ディスク(1)と固定子ディスク(4)は、回転子ディスク(1)の角度位置を360°の完全な1回転内で直接測定するために粗測定電極を備えた、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の角度変換器。
- 更に、該システムの遊びから起こる、該角度変換機を保持する機械要素の、運動を測定するように配置された電極構造(13−17)を備えた、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の角度変換器。
- 前記運動が半径方向の運動であることを特徴とする請求項8に記載の角度変換器。
- 前記電極構造は、前記回転子ディスク(1)に組み込まれた受信機電極(17)と、前記固定子ディスク(4)に組み込まれ前記受信機電極(17)を励起する送信機電極(17)とを備えいる、ことを特徴とする請求項9に記載の角度変換器。
- 前記運動が軸方向の運動である、ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の角度変換器。
- 前記電極構造は、前記回転子ディスク(1)に組み込まれた受信機電極(14,15)と、前記固定子ディスク(4)に組み込まれ前記受信機電極(14,15)を励起する送信機電極(17)とを備えている、ことを特徴とする請求項9に記載の角度変換器。
- 前記回転子ディスク(1)上の前記受信機電極(14,15;17)は前記固定子電極(4)に組み込まれた前記送信機電極(18)からの信号を受信するようにした、ことを特徴とする請求項10または12に記載の角度変換器。
- 前記運動は組み込まれた静止部分(10)に対する角度誤差であることを特徴とする、請求項8から13のいずれか1項に記載の角度変換器。
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