JP4955460B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話機等の電子機器に関する。
近年、電子機器としての携帯電話機を利用して音楽を聴く機会が増えている。例えば、携帯電話機にイヤホーンを接続して音楽を聴くことに加えて、携帯電話機に配置されるスピーカから音を放音させて音楽を聴く機会が増えている。このような携帯電話機には、スピーカから発せられる音の音質を所望の音質に調整することができるイコライザが内蔵されている。また、携帯電話機を携帯した状態で音楽を聴くことに加え、室内で該携帯電話機に収納されるバッテリを充電するための置き台としてのクレードルに載置した状態で音楽を聴く機会も増えている。
ここで、携帯電話機(通信機器本体)から発せられる音を再生する機能を有するクレードル装置が提案されている(例えば、特許文献1)。携帯電話機(通信機器本体)側の再生装置に出力されていた音声信号をクレードル側の再生装置に出力することで、再生を切り替えることができる。この場合において、携帯電話機側におけるスピーカ等の再生装置と、クレードル側におけるスピーカ等の再生装置とはその出力特性が異なるため、再生の切り替え前と切り替え後では異なる音質の音が発せられるという問題があった。
一方、音声信号の周波数特性をイコライザにより調整することで、スピーカから発せられる音の音質を調整する技術が知られている。例えば、近設される他のシートにおける音響出力(音声信号)の影響を考慮しつつシートスピーカごとに適切な音響環境を提供するため、イコライザにより音響信号の周波数特性を調整することを特徴とするシートスピーカシステムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−32351号公報 特開2007−065038号公報
ここで、上述のように、再生切り替え前の携帯電話機側におけるスピーカ等の再生装置から発せられる音の音質と、再生切り替え後のクレードル側におけるスピーカ等の再生装置から発せられる音の音質とが異なるため、ユーザ等の聴者に対して違和感を与える場合があった。
本発明は、発音手段を有する置き台に載置可能な周波数調整手段を有する電子機器であって、周波数調整手段で周波数特性を調整した音声信号を置き台に出力することで、電子機器から発せられる音の音質と置き台から発せられる音の音質との差異を小さくした電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、音声信号に基づいて所定の音を発する置き台側発音手段を有する置き台に載置可能な電子機器であって、前記音声データを第1音声信号に変換する変換手段と、前記第1音声信号に基づいて所定の音を発する電子機器側発音手段と、前記第1音声信号の周波数特性を調整して第2音声信号を出力する周波数調整手段と、前記第2音声信号を前記置き台側に出力する外部出力手段と、を備え、前記周波数調整手段は、前記第2音声信号に基づいて前記置き台側発音手段から発せられる音の音質と前記第1音声信号に基づいて前記電子機器側発音手段から発せられる音の音質とが近似するよう前記第1音声信号の周波数特性を調整する電子機器に関する。
前記周波数調整手段は、前記第2音声信号に基づいて前記置き台側発音手段から発せられる音の音質と前記第1音声信号に基づいて前記電子機器側発音手段から発せられる音の音質とが略同一になるよう前記第1音声信号の周波数特性を調整することが好ましい。
また、前記周波数調整手段は、前記第1音声信号における低音域の出力を小さくするよう前記第1音声信号の周波数特性を調整することが好ましい。
また、前記外部出力手段により前記置き台側発音手段に前記第2音声信号が出力された後、前記周波数調整手段は、前記第1音声信号の周波数特性を更に調整して前記第2音声信号とは異なる周波数特性の第3音声信号を出力することが好ましい。
また、前記周波数調整手段は、前記第2音声信号から前記第3音声信号への変更が段階的又は連続的経時的になるよう前記第1音声信号の周波数特性を調整することが好ましい。
また、周波数特性補正データを記憶する記憶手段を更に備え、前記周波数調整手段は、前記記憶手段に記憶される前記周波数特性補正データに基づいて、前記第1音声信号の周波数特性を調整することが好ましい。
また、該電子機器が載置された置き台の種類を識別する識別手段と、を更に備え、前記記憶手段は、1又は複数種類の置き台に対応した周波数特性補正データを記憶し、前記識別手段により該電子機器が載置された置き台の種類が識別された場合、前記周波数調整手段は、前記記憶手段に記憶され前記検知手段により識別される置き台の種類に対応した前記周波数特性補正データに基づいて、前記第1音声信号の周波数特性を調整することが好ましい。
また、該電子機器が前記置き台に載置されたことを検知可能な検知手段を更に備え、前記検知手段により該電子機器が前記置き台に載置されたことが検知された場合、前記周波数調整手段は、前記第1音声信号の周波数特性を調整して前記第2音声信号を出力し、前記電子機器側発音手段は、前記第1音声信号に基づいた音の発生を停止し、前記外部出力手段は、前記置き台側への前記第2音声信号の出力を開始することが好ましい。
本発明によれば、発音手段を有する置き台に載置可能な周波数調整手段を有する電子機器であって、周波数調整手段で周波数特性を調整した音声信号を置き台に出力することで、電子機器から発せられる音の音質と置き台から発せられる音の音質との差異を小さくした電子機器を提供することができる。
また、本発明によれば、発音手段を有する置き台に載置可能な周波数調整手段を有する電子機器であって、周波数調整手段で周波数特性を調整した音声信号を置き台に出力することで、音の出力が電子機器側から置き台側へ切り替わる際における音質の変化による違和感を抑制する電子機器を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下、電子機器として携帯電話機について説明するが、本発明の電子機器はこれに限定されるものではなく、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。また、置き台として充電用の置き台について説明するが、本発明の置き台はこれに限定されるものではなく、充電機能を有しないものであってもよい。
図1により、音響システムS1における基本構造について説明する。図1は音響システムS1の斜視図を示す。
図1に示すように、本実施形態における音響システムS1は、電子機器としての携帯電話機1と、充電用の置き台900とを備える。携帯電話機1は、置き台900に載置可能である。具体的には、携帯電話機1は、長手方向が水平方向を向くようにして短手方向の側面における一方が置き台900に当接するようにして載置される。以下に、携帯電話機1及び置き台900における詳細な構造について説明する。
図2から図4により、電子機器としての携帯電話機1における基本構造を説明する。図2は、携帯電話機1を開いた状態(第1開状態)における正面図を示す。また、図3(A)は、携帯電話機1を開いた状態における左側面図を示し、図3(B)は、携帯電話機1を開いた状態における右側面図を示す。また、図4は、携帯電話機1を開いた状態における背面図を示す。
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3とを備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは2軸ヒンジ機構を備える連結部4を介して連結され、該携帯電話機1を開状態及び閉状態に変形可能とすると共に、開状態及び閉状態それぞれにおいて表示部側筐体3を表状態と裏状態とに切り替えることができる。
ここで、閉状態とは、両筐体が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体が互いに重ならないように配置された状態をいう。そして、開状態における表状態とは、後述する表示部側筐体3における表面3Aに配置されるディスプレイ30と、操作部側筐体2における表面2Aに配置される操作キー群11とが同じ側を向くように配置された状態であり、開状態における裏状態とは、表示部側筐体3におけるディスプレイ30と操作部側筐体2における操作キー群11とが反対側を向くように配置された状態をいう。また、閉状態における表状態とは、表示部側筐体3におけるディスプレイ30が操作部側筐体2における操作キー群11に対向するように配置された状態であり、閉状態における裏状態とは、表示部側筐体3におけるディスプレイ30が操作部側筐体2における操作キー群11と対向せずに表出した状態である。
操作部側筐体2は、外面がフロントケース2aとリアケース2bにより構成される。この操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。ここで、操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するためのテンキー等の入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。また、音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側とは反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や表裏状態等の変形状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーが使用者により押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
操作部側筐体2における一方の側面には、図3(A)に示すように、外部機器(例えば、ホスト装置)とデータの送受信を行うためのインターフェース16と、ヘッドホン/マイク端子17と、着脱可能な外部メモリのインターフェース18と、バッテリを充電するための充電端子群19とが設けられている。なお、インターフェース16、ヘッドホン端子/マイク端子17及びインターフェース18は、不使用時において着脱可能な防塵対策用のキャップで覆われている。また、充電端子群19は、充電端子19aと、グランド端子19bと、外部出力手段としての音声信号出力端子19c及び19dと、後述するCPU821からの制御データを出力する制御データ出力端子19eとにより構成される。ここで、検知手段及び識別手段としてのセンサ827により、携帯電話機1が置き台900に載置されたことが検知されると共に、置き台900の種類が識別される。
操作部側筐体2における他方の側面には、図3(B)に示すように、一対のサイドキー20と、撮像時に使用される操作キー21と、電波の受信角度を調整可能な放送波受信用のアンテナ22とが配置される。このサイドキー20には、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や表裏状態等の変形状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。ここで、上述と同様に、サイドキー20が使用者により押圧されることで、携帯電話機1においてサイドキー20に割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
操作部側筐体2のリアケース2bには、図4に示すように、被写体を撮像するカメラ部23と、被写体に光を照射するライト部24とが露出して配置される。このカメラ部23とライト部24とは、操作部側筐体2における連結部4側に配置される。また、操作部側筐体2におけるリアケース2bには、バッテリ収容部92にバッテリ90を装着するための開口92aが形成されると共に、該開口92aを塞ぐようにバッテリリッド25が配置される。
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、図2から図4に示すように、2軸ヒンジ機構を備える連結部4を介して連結される。連結部4における一方の面(裏面)には、図4に示すように、副操作キー群33が該携帯電話機1の幅方向(短手方向)において一列に並んで配置される。副操作キー群33は、第1キー33aと、第2キー33bと、第3キー33cとにより構成される。第2キーは、第1部33bxと、第2部33byとを有する。この副操作キー群33を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や表裏状態等の変形状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーが使用者により押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。例えば、音楽再生モードである場合には、副操作キー群を構成する各キーは、楽曲選定のための順送りキーや逆送りキーとして機能し、楽曲が再生された状態では早送りや巻き戻しキーとして機能する。具体的な割り当ては、第1キー33aには再生、第2キー33bには順送り(第1部33bx)及び逆送り(第2部33by)、第3キー33cには停止の機能が割り当てられる。楽曲が再生された状態では、第1キー33aは再生(停止状態からの再開を含む)、第2キーは早送り(第1部33bx)及び巻き戻し(第2部33by)、第3キーは停止の機能が割り当てられる。
表示部側筐体3は、外面がフロントケース3aとリアケース3bにより構成される。表示部側筐体3におけるフロントケース3aには、各種情報を表示するための所定形状のディスプレイ30と、通話の相手側における音声を出力する音声出力部31とが露出するように配置される。ディスプレイ30には、各種文字情報のほか、TV画像や写真画像等の画像情報が表示される。ここで、音声出力部31は、表示部側筐体3の長手方向における連結部4とは反対の外端部側に配置される。つまり、音声出力部31は、携帯電話機1が開状態において他方の端部側に配置される。
また、表示部側筐体3のリアケース3bには、各種情報を表示するためのサブディスプレイ32が露出して配置される。サブディスプレイ32には、主に楽曲情報等の文字情報が表示される。ディスプレイ30及びサブディスプレイ32それぞれは、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
次いで、図5から図7により、連結部4の構造及び携帯電話機1における変形状態について説明する。図5は、図1に示される状態から携帯電話機1の表示部側筐体3を連結部4の開閉軸Xを中心に折り畳んだ状態における正面図を示す。図6は、図1に示される状態から携帯電話機1の表示部側筐体3を、連結部4の回動軸Yを中心にして所定角度回動した状態の斜視図を示す。図7は、図5に示される状態から表示部側筐体3を回動軸Yを中心に180度回転させた状態の斜視図を示す。
連結部4は、一方端4a側において開閉連結部材により操作部側筐体2の上端部と連結されており、他方端4b側において回動連結部材により表示部側筐体3の下端部と連結されている。
連結部4の一方端4aには、該連結部4における表面から垂直に突出するように形成される凸形状の開閉部4cが形成される。そして、操作部側筐体2の上端部には、この凸形状の開閉部4cが挿嵌される凹形状の切り欠き部5が形成される。
この開閉部4cの開閉軸X方向における両側それぞれには、孔部Aが形成される。また、操作部側筐体2の切り欠き部5における両内側面には、孔部Bが形成される。そして、凸形状の開閉部4cが、凹形状の切り欠き部5に挿嵌された状態において、孔部Aと孔部Bとは互いに近接して対向するよう配置されると共に、孔部Aと孔部Bとの双方に円筒状の開閉連結部材が挿通される。これにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、開閉可能に連結される。ここで、円筒状の開閉部材における一方は、操作部側筐体2内部からの配線が挿通可能に中空状に形成される。
なお、開閉部4cは、操作部側筐体2の上端部に挿嵌される形状であればよく、特に凸形状に限られず、また、操作部側筐体2の上端部の形状も凹形状に限られない。
また、連結部4の他方端4b側と表示部側筐体3の下端部とは、回動連結部材により回動自在に連結される。連結部4における表示部側筐体3側の側面には、孔部Cが形成される。また、表示部側筐体3における連結部4側の側面には、孔部Dが形成される。そして、孔部Cと孔部Dとの双方に回動連結部材が挿通されることで、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが回動軸Yを中心に回動可能に連結される。つまり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、表示部側筐体3の表裏状態を切り替え可能に連結される。
携帯電話機1は、上述したように、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが連結部4により開閉及び回動可能に連結される。これにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを、開閉軸Xを中心にして開閉させたり、回動軸Yを中心にして回動をさせたりすることで携帯電話機1を様々な状態に変形させることができる。
例えば、図5に示す操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに重なる状態である閉状態(第1閉状態)の携帯電話機1を、操作部側筐体2及び表示部側筐体3それぞれにおける開閉軸Xと反対側の端部が、互いに離間するよう開閉軸Xを中心にして開くように変形させることで、図2から図4に示す操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに重ならない開状態(第1開状態)にすることができる。
逆に、開状態(第1開状態)の携帯電話機1を、操作部側筐体2及び表示部側筐体3それぞれの開閉軸Xと反対側の端部が、互いに近づくよう開閉軸Xを中心にして閉じるように変形させることで、図5に示す閉状態(第1閉状態)にすることができる。
また、図6に示すように、表示部側筐体3を、回動軸Yを中心に回動させることができる。更には、表示部側筐体3を図6の状態から更に回動軸Yを中心に回転させることで、表示部側筐体3における表裏状態を切り替えることができる。具体的には、図2から図4に示す表示部側筐体3における表面3Aに配置されるディスプレイ30と、操作部側筐体2における表面2Aに配置される操作キー群11とが同じ側を向く開状態(第1開状態)から、表示部側筐体3が回動軸Yを中心に180度回転されることで、表示部側筐体3における表面3Aに配置されるディスプレイ30と、操作部側筐体2における表面2Aに配置される操作キー群とが反対側を向く開状態(第2開状態)にすることができる。
そして、第2開状態における表示部側筐体3を開閉軸Xを中心にして閉じるよう変形させることで、携帯電話機1を図7に示す閉状態(第2閉状態)にすることができる。つまり、携帯電話機1は、図5に示す表示部側筐体3におけるディスプレイ30が、操作部側筐体2における操作キー群11に対向するよう配置された閉状態(第1閉状態)から、図7に示す表示部側筐体3におけるディスプレイ30が、操作部側筐体2に対向せずに表出した状態である閉状態(第2閉状態、ターンクローズ状態)に変形させることができる。
ここで、図4から図7に示すように、連結部4には、携帯電話機1(電子機器)側発音手段としての第1スピーカ800Aと第2スピーカ800Bとが収納配置される。第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bは、連結部4における携帯電話機1の幅方向における両側にそれぞれ収納配置される。
そして、連結部4の前記幅方向における側面であって、第1スピーカ800A側の側面には第1スピーカ孔810Aが形成され、第2スピーカ800B側の側面には第2スピーカ孔810Bが形成される。第1スピーカ孔810Aは、第1スピーカ800Aからの音を外部に放音させ、第2スピーカ孔810Bは、第2スピーカ800Bからの音を外部に放音させる。
この第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bそれぞれから異なる2つの音声チャンネルの音を再生することでステレオフォニック再生が可能である。この場合、携帯電話機1は、図2及び図5に示すように、長手方向が垂直方向と平行になるよう配置(縦にして)して第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bそれぞれから異なる2つの音声チャンネルの音を再生させる。つまり、携帯電話機1を第1スピーカ800Aと第2スピーカ800Bとが水平方向に並ぶように配置してステレオフォニック再生する。
ここで、第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bそれぞれは、後述するメモリ823から出力される音声データが変換手段としてのデコーダ825により複合された音声信号に基づいて所定の音を発する。第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bからの放音状態は、CPU821により制御される。
なお、本実施形態においては、連結部4により折り畳み可能な携帯電話機1の説明をしているが、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(リボルバ)式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。
続いて、図8及び図9により、操作部側筐体2及び連結部4の内部構造について説明する。図8は、操作部側筐体2の分解斜視図を示す。また、図9は、表示部側筐体3及び連結部4の部分分解図を示す。
操作部側筐体2は、図8に示すように、フロントケース2aと、上述した操作キー群11を構成するキーシート40と、キースイッチが配置されるフレキシブルプリント配線基板50と、シールドケース60と、基準電位パターン層及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板70と、アンテナ部80と、リアケース2bと、を備える。また、バッテリ90は、リアケース2bの外側から装脱可能に収容される。
フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置されると共に、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キーシート40と、フレキシブルプリント配線基板50と、シールドケース60と、回路基板70と、アンテナ部80とが、フロントケース2a側からこの順番で収納配置される。
回路基板70における第1の面72には、図示しない各種電子部品及び基準電位パターン層が形成される。また、回路基板70における第2の面73には、各種電子部品が配置される。具体的には、第2の面73には、図示しないカメラ部23やライト部24が連結部4側の端部に偏って配置されると共に、図示しない音声入力部12が連結部4側の端部に偏って配置される。なお、カメラ部23やライト部24は、リアケース2bに所定の形状で穿孔されている穿孔部2cを介して外部に露出される。更に、回路基板70には、後述するCPU821、メモリ823、センサ827等が実装される。
シールドケース60は、薄型の直方体における一の広い面が開口した形状を有する金属製の部材である。シールドケース60は、平板部42と、平板部42における一方の面に略垂直に形成されるリブ44とを有する。リブ44は、回路基板70における第1の面72に実装される各種電子部品のうち最も高さのある電子部品の高さと同等又はそれよりも十分に高くなるよう形成される。なお、シールドケース60は、金属により形成する以外に、骨格を樹脂により形成し、その表面に金属性の導体膜を形成したものでもよい。
ここで、リブ44は、平板部42の周縁及び内側に上述した基準電位パターン層に対応するよう形成される。具体的には、基準電位パターン層が形成される第1の面72と、シールドケース60におけるリブ44が形成される面である裏面とが向かい合うようにして配置された場合において、リブ44の底面が基準電位パターン層上に配置されるよう形成される。
シールドケース60は、リブ44(底面)により、回路基板70における第1の面72に形成される基準電位パターン層と導通する。これにより、シールドケース60は、基準電位パターン層と電気的に導通して同じ大きさの電位を有するようになる。また、シールドケース60は、外部からのノイズが回路基板70の第1の面72に配置される不図示の各種電子部品に作用するのを防ぐと共に、第1の面72に形成される高周波回路等から放出されるノイズを吸収する。ここで、シールドケース60と回路基板70との間に配置される図示しない導通部材を配置することで電気的に導通させてもよい。また、シールドケース60は、後述する各種キーの押圧操作に対する剛性確保のための補強部材としても機能する。
フレキシブルプリント配線基板50は、フロントケース2a側の面に複数のキースイッチ51、52、53を有している。フレキシブルプリント配線基板50のキースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する構造になっている。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、フレキシブルプリント配線基板50の表面に印刷された不図示の電気回路に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通する。なお、フレキシブルプリント配線基板50は、複数の絶縁フィルムの間に配線を挟み込んだものである。
キーシート40は、シリコンゴム製のシート41の表面に操作キー群11が接着剤により貼り付けられて構成される。キーシート40における操作キー群11を構成する機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15は、フレキシブルプリント配線基板50におけるキースイッチ51、52、53と対向する位置に配置されると共に、後述するフロントケース2aに形成されるキー孔45から露出するように配置される。
フロントケース2aには、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3のディスプレイ30と対向する内側面に、キー孔45が複数形成される。複数のキー孔45それぞれからは、キーシート40上に形成される機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15の押圧面が露出する。この露出した操作キー群11を構成する機能設定操作キー13、入力操作キー14及び決定操作キー15の押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチ51、52、53それぞれにおけるメタルドーム(椀状形状)の頂点が押圧され、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
アンテナ部80は、基台上に所定形状のアンテナエレメントが配置されることにより構成される。アンテナ部80は、携帯電話機1における連結部4側と反対の端部側に配置される。このアンテナ部80のアンテナエレメントは、帯状の板金により形成される。また、アンテナ部80は、不図示の給電端子を介して回路基板70から給電される。これにより、アンテナエレメントは、給電端子を介して回路基板70から給電されると共に、回路基板70のRFモジュール等と接続される。
バッテリ90は、リアケース2bに形成された開口92aを介してバッテリ収容部92に着脱可能に収容される。バッテリ収容部92は、リアケース2bと回路基板70における第2の面73の一部とにより形成される。そして、バッテリ90が収容された状態において、開口92aを塞ぐようにバッテリリッド25を配置することで、バッテリ90の脱落を抑制することができる。
図9に示すように、連結部4には、第1スピーカ800Aと、第2スピーカ800Bとが収納配置される。第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bは、携帯電話機1における幅方向の両側に配置される。具体的には、第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bは、第1スピーカ800Aと第2スピーカ800Bとをつなぐ第1直線Z1が携帯電話機1における幅方向と平行になるように配置される。
また、第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bは、所定の配線を介して回路基板70と接続される。第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bは、回路基板70上に実装されるCPU821から制御データの出力を受けると共に、メモリ823に記憶された音声データがデコーダ825により複合処理されて出力された第1音声信号の出力を受けて所定の音を発する。なお、後述するイコライザ834により第1音声信号における周波数特性が調整された音声信号が第2音声信号である。また、イコライザ834により第1音声信号における周波数特性が調整され第2音声信号とは異なる音声信号が第3音声信号である。
続けて、図10により、置き台900について説明する。図10は、置き台900の正面図を示す。
図10に示すように、置き台900は、携帯電話機1が載置される載置部901と、載置部901の底面を構成する載置面902から突出するように配置される給電端子群911と、載置面902から置き台900の底面903に連通し、置き台900の内部に拡がる空間部950と、置き台側発音手段としての第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bと、第1置き台側スピーカ孔920A及び第2置き台側スピーカ孔920Bとを備える。また、置き台900は、不図示のコンセントに連結される充電用のコード990を備える。
載置部901は、置き台900の上面904から一側面905にわたって形成される垂直方向に窪んだ領域であり、携帯電話機1を長手方向が水平方向と平行になるよう横向きにした状態で該携帯電話機1を載置可能な領域である。
給電端子群911は、給電端子911aと、グランド端子911bと、音声信号入力端子911c、911dと、制御データ入力端子911eとにより構成される。給電端子群911は、携帯電話機1が載置された状態で、充電端子群19と電気的に接続される。具体的には、携帯電話機1が載置された状態で、給電端子911aと充電端子19aとが電気的に接続され、グランド端子911bとグランド端子19bとが電気的に接続され、音声信号入力端子911cと音声信号出力端子19cとが接続され、音声信号入力端子911dと音声信号出力端子19dとが接続され、制御データ入力端子911eと制御データ出力端子19eとが接続される。これにより、給電端子911aから充電端子19aを介してバッテリ90に電力が充電される。また、グランド端子19bとグランド端子911bとが電気的に導通することで、静電気による悪影響が低減される。また、音声信号出力端子19cから出力された右用の第2音声信号が音声信号入力端子911cを介して第1置き台側スピーカ910Aに出力される。また、音声信号出力端子19dから出力された左用の第2音声信号が音声信号入力端子911dを介して第2置き台側スピーカ910Bに出力される。また、制御データ出力端子19eから出力された制御データが制御データ入力端子911eを介して置き台900に出力される。制御データ出力端子19eからは、置き台900内に配置される不図示の増幅器をON/OFFする等の制御信号が置き台900に出力される。ここで、制御データには、後述する周波数特性補正データとしての第1補正パラメータが含まれる。
第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bは、置き台900の水平方向における両側に互いに離間して配置される。第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bは、該第1置き台側スピーカ910Aと第2置き台側スピーカ910Bとをつなぐ直線ZBを後述する平面Pに投影した第2直線Z2が水平方向と平行になるよう配置される。
第1置き台側スピーカ孔920A及び第2置き台側スピーカ孔920Bそれぞれは、第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bそれぞれの図12における前側に配置される壁部921に形成される。第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bそれぞれから発せられた音は、第1置き台側スピーカ孔920A及び第2置き台側スピーカ孔920Bそれぞれから外部空間に放音される。そして、第1置き台側スピーカ910Aから第1チャンネルの音が放音され、第2置き台側スピーカ910Bから第2チャンネルの音が放音されることで、所定のステレオフォニック再生の音響空間が形成される。
空間部950は、載置面902に形成される第1開口951と底面903に形成される第2開口952とをつなぐように形成される。空間部950は、共振管として機能する。第1開口951は、携帯電話機1が載置された状態における第1スピーカ孔810Aに近接する位置に形成される。第2開口952は、底面903における所定の位置に形成される。ここで、第2開口952は外部空間に露出していれば位置は特に限定されず、側面や背面に形成されていてもよい。そして、載置部901に携帯電話機1が載置された状態で楽曲が再生された場合、第1スピーカ800Aから発せられた音声が第1スピーカ孔810Aから放音され、この放音された音声が第1開口951を介して空間部950に伝搬される。空間部950に伝搬された音声は、共振しながら第2開口953から外部空間に放音される。
続けて、図11により、音響システムS1の構成について説明する。図11は、音響システムS1の構成を説明するブロック図を示す。図11に示すように、音響システムS1は、携帯電話機1と置き台900とを有する。
携帯電話機1は、操作キー群11、33と、CPU821と、記憶手段としてのメモリ823と、変換手段としてのデコーダ825と、検知手段及び識別手段としてのセンサ827と、第1音調整部831と、第2音調整部833と、切り替え部835と、第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bと、外部出力手段としての音声信号出力端子19c、19dと、制御データ出力端子19eと、を備える。ここで、後述の通り、メモリ823には、音声データが記憶されると共に、複数種類の置き台に対応した周波数特性補正データとしての第1補正パラメータが記憶される。また、第2音調整部833には、音声信号の周波数特性を調整可能な周波数調整手段としてのイコライザ834が含まれる。
置き台900は、水平方向に離間して配置される第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bと、携帯電話機1側から出力される第2音声信号が入力される音声信号入力端子911c、911dと、CPU821から出力される制御データが入力される制御データ入力端子911eと、を備える。
音響システムS1は、携帯電話機1が置き台900に載置された状態において、音声信号出力端子19c、19dと音声信号入力端子911c、911dとが電気的に接続されると共に、制御データ出力端子19eと制御データ入力端子911eとが電気的に接続される。また、音響システムS1は、携帯電話機1が置き台900に載置された状態において、図11において図示しない充電端子19aと給電端子911aとが電気的に接続される。以下に、各構成要素について説明する。
操作キー群11、33は、楽曲の選択や楽曲の音量を指定することが可能であると共に、再生中の楽曲の早送りや逆戻しが可能である。
メモリ823は、エンコードされた楽曲の音声データを記憶する。メモリ823は、CPU821からの指示に基づいて、エンコードされた音声データをデコーダ825に出力する。また、メモリ823は、複数種類の置き台に対応した周波数特性補正データとしての第1補正パラメータを記憶する。第1補正パラメータは、置き台の種類を示す識別信号ごとに関連付けて記憶される。この第1補正パラメータは、CPU821からの指示に基づいて、イコライザ834に出力される。
第1補正パラメータは、後述のイコライザ834における第1音声信号の周波数特性を補正す際に用いられる。第1補正パラメータは、第1音声信号に基づいて電子機器側発音手段としての第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bから発せられる音の音質と、第2音声信号に基づいて置き台側発音手段としての第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから発せられる音の音質とが近似するように、具体的には略同じになるように設定される。第1補正パラメータは、例えば、第1音声信号に基づいて第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bから発せられる音の音質と、第2音声信号に基づいて第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから発せられる音の音質とを測定し、その差分を算出して設定することができる。
ここで、第1補正パラメータの設定について、図14に示すグラフにより更に説明する。図14は、携帯電話機1側のスピーカにおける周波数特性と置き台900側のスピーカにおける周波数特性とを示すグラフである。図14に示す曲線Rは携帯電話機1から出力される音の周波数特性であり、曲線Sは置き台900から出力される音の周波数特性である。第1補正パラメータとして、所定の周波数における曲線Sと曲線Tとの差分Txを設定することができる。ここで、曲線Sと曲線Tとの差分が大きい低音域を補正できるよう第1補正パラメータを設定することが好ましい。
メモリ823は、更に、第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから発せられる音の音質が好ましい音質になるよう第1音声信号の周波数特性を調整するための第2補正パラメータを記憶する。イコライザ834により第2補正パラメータに基づいて第1音声信号の周波数特性が調整されて第3音信号が出力される。
変換手段としてのデコーダ825は、メモリ823から出力された音声データを復号処理して第1音声信号に変換する。この第1音声信号は、切り替え部835に出力される。第1音声信号は、第1音調整部831又は第2音調整部833に出力される。第1音調整部831に出力された第1音声信号は、第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bから所定の音として出力される。第2音調整部833に出力された第1音声信号は、イコライザ834により周波数特性が調整され、第2音声信号として出力される。第2音声信号は、外部出力手段としての音声信号出力端子19c、19d及び音声信号入力端子911c、911dを介して、第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから所定の音として出力される。
CPU821は、メモリ823、デコーダ825、切り替え部835、第1音調整部831及び第2音調整部833に対して所定の制御データを出力する。制御データとして、各スピーカで放音される音の大きさを設定する音量設定値のデータや、切り替え部835における音声データ等の出力先を指定するデータや、各スピーカにより発音される音の音域を指定する音域設定値のデータや、記憶手段としてのメモリ823から出力された周波数特性補正データとしての第1補正パラメータ等を例示できる。
CPU821は、センサ827からの検知信号及び識別信号を受信した場合、所定の制御データを出力する。具体的には、CPU821は、検知信号を受信した場合、イコライザ834に対して第1補正パラメータに基づいて第1音声信号における周波数特性を補正させる指示を含む制御データを出力する。更に、CPU821は、検知信号を受信した場合、切り替え部835に対して第1音声信号の出力先を第1スピーカ800A及び第2スピーカ800B側の第1音調整部831から第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910B側の第2音調整部833に切り替える指示を含む制御データを出力する。そして、CPU821は、識別信号を受信した場合、メモリ823に対して識別信号により特定される置き台の種類に対応した補正パラメータをイコライザ834に出力させる指示を含む制御データを出力する。この制御データを受信したイコライザ834は、メモリ823から出力された第1補正パラメータに基づいて、第1音声信号の周波数特性を調整する。イコライザ834は、第1音声信号とは異なる周波数特性である第2音声信号を出力する。この第2音声信号は、音声信号出力端子19c、19d及び音声信号入力端子911c、911dを介して、置き台900側に出力される。置き台側発音手段としての第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bは、第2音声信号に基づいて音を発する。
更に、CPU821は、第2音声信号に基づいて第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから音声が出力された後、メモリ823に対し、第2補正パラメータをイコライザ834に出力させる指示を含む制御データを出力する。ここで、CPU821は、イコライザ834に対し、第2音声信号の周波数特性を所定時間かけて徐々に第3音声信号に変えさせる指示を含む制御データを出力する。これにより、第2音声信号に基づいて第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから発せられる音の音質が、第3音声信号に基づいて発せられる好ましい音質に徐々に変化する。ここで、音質が徐々に変化するとは、CPU821から出力されるデータがデジタルデータであるため、音質が段階的に変化していくことをいうが、この段階の変化量が小さければ、連続的に変化していくと考えてよい。
切り替え部835は、CPU821からの指示に基づいて、第1音調整部831及び/又は第2音調整部833に第1音声信号や制御データを出力する。携帯電話機1が置き台900に載置されていない状態において、切り替え部835は、第1音調整部831に第1音声信号を出力させる。そして、携帯電話機1が置き台900に載置された状態において、切り替え部835は、CPU821からの指示に基づいて第2音調整部833に第1音声信号を出力する。具体的には、切り替え部835は、第1音声信号の出力先を第1スピーカ800A及び第2スピーカ800B(携帯電話機1)側から、第1音声信号の出力先を第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910B(置き台900)側に切り替える。
第1音調整部831は、第1音声信号と制御データとに基づいて所定の音質である音を第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bに放音させる。具体的には、音声データに基づいた楽曲を、制御データに含まれる音量設定値に基づいた音量で第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bに放音させる。切り替え部835により第1音声信号が第2音調整部833へ出力されるよう切り替えられた場合、第1音調整部831は、第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bからの放音を停止させる。
第2音調整部833は、イコライザ834を含んで構成される。
イコライザ834は、切り替え部835からの第1音声信号における周波数特性を調整する。具体的には、イコライザ834は、メモリ823から出力される周波数特性補正データとしての第1補正パラメータ又は第2補正パラメータに基づいて、第1音声信号の周波数特性を調整する。
イコライザ834は、第1音声信号の周波数特性を第1補正パラメータに基づいて調整して第2音声信号を出力する。具体的には、イコライザ834は、メモリ823から出力される置き台900の種類に対応した第1補正パラメータに基づいて第1音声信号の周波数特性を調整する。詳細には、イコライザ834は、第1音声信号における低音域の出力が小さくなるよう周波数特性を調整する。つまり、同じ音声信号でも置き台900側の第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bが、携帯電話機1側の第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bに比べて低音域が強く出力されるため、第2音声信号における低音域の出力を予め小さくしている。ここで、低音域とは20Hzから700Hz、中音域とは700Hzから5KHz、高音域とは5KHzから20KHzをいう。もっとも、これらの数値は一例であり、各音域の範囲が上記数値と異なる場合もある。
また、イコライザ834は、第1音声信号の周波数特性を第2補正パラメータに基づいて調整して第3音声信号を出力する。具体的には、イコライザ834は、メモリ823から出力される置き台900の種類に対応した第2補正パラメータに基づいて第1音声信号の周波数特性を調整する。ここで、イコライザ834は、第2音声信号から急に第3音声信号に変えるのではなく、CPU821からの指示に基づいて第2音声信号から徐々に第3音声信号に変えるよう第1音声信号の周波数特性を徐々に変更する。
第2音調整部833は、第2音声信号と制御データとに基づいて所定の音質である音を第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから放音させる。この第2音声信号に基づいて第2音調整部833から出力されて第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから発せられる音の音質は、第1音声信号に基づいて第1音調整部831から出力されて第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bから発せられる音の音質と略同じである。
第2音調整部833は、第3音声信号と制御データとに基づいて所定の音質である音を第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから放音させる。この第3音声信号に基づいて第2音調整部833から出力されて第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから発せられる音の音質は、好ましい音響空間を形成する音質である。ここで、上述のように、第2音声信号から第3音声信号への変更が経時的であるので、第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから発せられる音は、携帯電話機1側から発せられていた音と略同じ音質から好ましい音響空間を形成する音質に経時的に変更される。
センサ827は、携帯電話機1が置き台900に載置されたことを検知すると共に、置き台900の種類を識別する。
センサ827は、充電端子19aを介して給電端子911aから所定の電力が供給されたことを検知して、携帯電話機1が置き台900に載置されたことを検知する。センサ827は、携帯電話機1が置き台900に載置されたことを検知した場合、CPU821に対してその旨を知らせる検知信号を出力する。
また、センサ827は、制御データにおける携帯電話機1側と置き台900との電圧差を検出することで置き台900の種類を識別する。センサ827は、置き台900の種類を識別した場合、置き台900の種類を示す識別信号をCPU821に出力する。
続けて、図12及び図13により、音響システムS1の動作について説明する。図12は、音響システムS1における各態様を説明する正面図を示す。図13は、音響システムS1の動作における一態様を説明するフロー図を示す。
まず、図2に示す状態で、操作キー群11によりディスプレイ30に表示される楽曲リストから所定の楽曲を選択して再生を指示する(ST1)。これにより、第1音声信号に基づいて第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bから所定の音質で楽曲が放音される(ST2)。
次いで、携帯電話機1を図5及び図12(a)に示す第1閉状態になるよう折り畳んだ状態で第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bからの放音を継続する(ST3)。具体的には、第1スピーカ800Aと第2スピーカ800Bとをつなぐ直線ZAを該直線ZAと平行な所定の平面P(図12(a)(b)における正面と平行な面)に投影した第1直線Z1が水平方向ZXに平行になるような状態で再生を継続する。この状態において、第1スピーカ800Aから発せられる第1チャンネルの音は第1スピーカ孔810Aから外部に放音され、第2スピーカ800Bからの第2チャンネルの音は第2スピーカ孔810Bから外部に放音され、ステレオフォニック再生としての音響空間が形成される。
続いて、図12(b)に示すように、携帯電話機1を第1直線が垂直方向ZYに平行になるよう横向きにして置き台900に載置する(ST4)。このように携帯電話機1が置き台900に載置された状態において、第1直線Z1は直線ZBを平面Pに投影した第2直線Z2と直交する。
携帯電話機1が置き台900に載置されることで、充電端子群19と給電端子群911とが電気的に接続される(ST5)。そして、センサ827は、携帯電話機1が置き台900に載置されたことを検知すると共に、置き台900の種類を識別する(ST6)。センサ827は、CPU821に対して、検知信号と識別信号とを出力する。
CPU821は、切り替え部835に第1音声信号の出力先を第1音調整部831から第2音調整部833に切り替えるよう指示する(ST7)。
また、CPU821は、メモリ823に対し第1補正パラメータをイコライザ834に出力することを指示する(ST8)。具体的には、CPU821は、識別信号により特定される置き台900の種類に対応した第1補正パラメータをイコライザ834に出力することを指示する。
また、CPU821は、イコライザ834に対して第1補正パラメータに基づいて第1音声信号の周波数特性を調整するよう指示する(ST9)。つまり、CPU821は、イコライザ834に対して第1パラメータに基づいて第1音声信号の周波数特性を調整して第2音声信号を出力することを指示する。
切り替え部835は、第1音声信号の出力先を第1音調整部831から第2音調整部833に切り替える(ST10)。そして、第2音調整部833に含まれるイコライザ834は、第1補正パラメータに基づいて第1音声信号の周波数特性を補正して第2音声信号を出力する(ST11)。
この第2音声信号における右用信号が音声信号出力端子19cと音声信号入力端子911cとを介して第1置き台側スピーカ910Aに入力される。また、この第2音声信号における左用信号が音声信号出力端子19dと音声信号入力端子911dとを介して第2置き台側スピーカ910Bに入力される。そして、第1置き台側スピーカ910B、第2音声信号に基づいて放音する(ST12)。ここで、第1置き台側スピーカ910Bにより第2音声信号に基づいて放音される音の音質は、第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bにより第1音声信号に基づいて放音される音の音質と略同じである。これにより、ユーザ等の聴者が音質の変化による違和感を感じることなく音声の出力を携帯電話機1側から置き台900側に切り替えることができる。
CPU821は、メモリ823に対し第2補正パラメータをイコライザ834に出力することを指示する(ST13)。具体的には、CPU821は、識別信号により特定される置き台900の種類に対応した第2補正パラメータをイコライザ834に出力することを指示する。
また、CPU821は、イコライザ834に対して第1補正パラメータによる周波数特性の調整から第2補正パラメータによる周波数特性の調整への変更を経時的に行うよう指示する(ST14)。つまり、CPU821は、イコライザ834に対して該イコライザ834から出力される音声信号を第2音声信号から第3音声信号に変更するよう指示すると共に、第2音声信号から第3音声信号への変更を経時的に行うよう指示する。
これにより、第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから放音される音の音質が経時的に変化する(ST15)。そして、所定時間経過後、第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bは、第3音声信号に基づいて好適な音響空間を形成する音質の音で構成される楽曲を放音する。
本実施形態によれば、携帯電話機1側から置き台900側に発音を切り替える場合において、携帯電話機1側の第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bから発せられる音の音と、置き台900側の第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから放音される音の音質とを近似させることができるので、ユーザ等の聴者に違和感を感じさせることなく携帯電話機1側から置き台900側に発音の切り替えをすることができる。
また、本実施形態によれば、ユーザ等の聴者に違和感を感じさせることなく携帯電話機1側から置き台900側に発音を切り替えた後、置き台900側の第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから発せられる音の音質を好ましい音響空間を形成することができる音質に変えることができる。ここで、この音質の変更を経時的、すなわち段階的又は連続的に行うことができるので、ユーザ等の聴者に違和感を感じさせることなく好適な音響空間を形成することができる。つまり、本実施形態によれば、ユーザ等の聴者に違和感を感じさせることなく携帯電話機1側から置き台900側に発音を切り替えると共に、好ましい音響空間を形成することができる。
以上、本形態の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。本実施形態において、メモリ823はセンサ827からの識別信号により特定される置き台900の種類に対応した第1補正パラメータを出力するが、これに限定されず、携帯電話機1が載置可能な置き台900が1種類である場合には、携帯電話機1が載置された場合に自動的に第1補正パラメータを出力するように構成してもよい。
また、本実施形態において、第1補正パラメータ及び第2補正パラメータは、メモリ823に記憶されているが、これに限定されず、置き台900側に記憶されていてもよい。この第1補正パラメータ及び第2補正パラメータは、メモリ823に予め記憶されているとしてもよいし、外部記憶媒体から読み取ったり、ネットワーク上からダウンロードしてメモリ823に記憶するとしてもよい。そして、携帯電話機1が置き台900に載置された場合、第1補正パラメータが置き台900側から携帯電話機1側のイコライザ834に出力されるよう構成されてもよい。
また、本実施形態において、携帯電話機1が載置された場合には、第1音声信号の出力先を第1音調整部831から第2音調整部833に変更するが、これに限定されず、第1音声信号の出力先を第1音調整部831と第2音調整部833との双方になる期間を有するようにして切り替えてもよい。この期間においても、第1音声信号に基づいて携帯電話機1側の第1スピーカ800A及び第2スピーカ800Bから発せられる音の音質と、第2音声信号に基づいて置き台900側の第1置き台側スピーカ910A及び第2置き台側スピーカ910Bから放音される音の音質とが近似するので、ユーザ等の聴者に違和感を感じさせることを抑制できる。
また、本実施形態において、周波数調整手段としてイコライザを用いているが、これに限定されず、音声信号の周波数特性を調整できる他の装置やプログラムを用いてもよい。
音響システムS1の斜視図を示す。 携帯電話機1を開いた状態(第1開状態)における正面図を示す。 (A)携帯電話機1を開いた状態における左側面図を示し、(B)携帯電話機1を開いた状態における右側面図を示す。 携帯電話機1を開いた状態における背面図を示す。 図1に示される状態から携帯電話機1の表示部側筐体3を連結部4の開閉軸Xを中心に折り畳んだ状態における正面図を示す。 図1に示される状態から携帯電話機1の表示部側筐体3を、連結部4の回動軸Yを中心にして所定角度回動した状態の斜視図を示す。 図5に示される状態から表示部側筐体3を回動軸Yを中心に180度回転させた状態の斜視図を示す。 操作部側筐体2の分解斜視図を示す。 表示部側筐体3及び連結部4の部分分解図を示す。 置き台900の正面図を示す。 音響システムS1の構成を説明するブロック図を示す。 音響システムS1における各態様を説明する正面図を示す。 音響システムS1の動作における一態様を説明するフロー図を示す。 携帯電話機1側のスピーカにおける周波数特性と置き台900側のスピーカにおける周波数特性とを示すグラフである。
符号の説明
S1 音響システム
1 携帯電話機
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
11 操作キー群
19 充電端子群
800A 第1スピーカ
800B 第2スピーカ
821 CPU
823 メモリ
825 デコーダ
827 センサ
831 第1音調整部
833 第2音調整部
834 イコライザ
900 置き台
910A 第1置き台側スピーカ
910B 第2置き台側スピーカ

Claims (8)

  1. 音声信号に基づいて所定の音を発する置き台側発音手段を有する置き台に載置可能な電子機器であって、
    音声データを第1音声信号に変換する変換手段と、
    前記第1音声信号に基づいて所定の音を発する電子機器側発音手段と、
    前記第1音声信号の周波数特性を調整して第2音声信号を出力する周波数調整手段と、
    前記第2音声信号を前記置き台側に出力する外部出力手段と、を備え、
    前記周波数調整手段は、前記第2音声信号に基づいて前記置き台側発音手段から発せられる音の音質と前記第1音声信号に基づいて前記電子機器側発音手段から発せられる音の音質とが近似するよう前記第1音声信号の周波数特性を調整する電子機器。
  2. 前記周波数調整手段は、前記第2音声信号に基づいて前記置き台側発音手段から発せられる音の音質と前記第1音声信号に基づいて前記電子機器側発音手段から発せられる音の音質とが略同一になるよう前記第1音声信号の周波数特性を調整する
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記周波数調整手段は、前記第1音声信号における低音域の出力を小さくするよう前記第1音声信号の周波数特性を調整する請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記外部出力手段により前記置き台側発音手段に前記第2音声信号が出力された後、
    前記周波数調整手段は、前記第1音声信号の周波数特性を更に調整して前記第2音声信号とは異なる周波数特性の第3音声信号を出力する請求項1から3のいずれかに記載の電子機器。
  5. 前記周波数調整手段は、前記第2音声信号から前記第3音声信号への変更が段階的又は連続的になるよう前記第1音声信号の周波数特性を調整する請求項4に記載の電子機器。
  6. 周波数特性補正データを記憶する記憶手段を更に備え、
    前記周波数調整手段は、前記記憶手段に記憶される前記周波数特性補正データに基づいて、前記第1音声信号の周波数特性を調整する請求項1から5のいずれかに記載の電子機器。
  7. 該電子機器が載置された置き台の種類を識別する識別手段と、を更に備え、
    前記記憶手段は、1又は複数種類の置き台に対応した周波数特性補正データを記憶し、
    前記識別手段により該電子機器が載置された置き台の種類が識別された場合、
    前記周波数調整手段は、前記記憶手段に記憶され前記識別手段により識別される置き台の種類に対応した前記周波数特性補正データに基づいて、前記第1音声信号の周波数特性を調整する請求項6に記載の電子機器。
  8. 該電子機器が前記置き台に載置されたことを検知可能な検知手段を更に備え、
    前記検知手段により該電子機器が前記置き台に載置されたことが検知された場合、
    前記周波数調整手段は、前記第1音声信号の周波数特性を調整して前記第2音声信号を出力し、
    前記電子機器側発音手段は、前記第1音声信号に基づいた音の発生を停止し、
    前記外部出力手段は、前記置き台側への前記第2音声信号の出力を開始する請求項1から7のいずれかに記載の電子機器。
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