JP4955258B2 - 非空気圧タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は構造的に支持された (structurally supported) 非空気圧タイヤ(non-pneumatic tire)またはタイヤ/ホイール組合体 (tire/wheel combination) に関するものである。
本発明は特に、空気タイヤと同様な性能を有し、空気タイヤの代わりとして使用可能な、タイヤ構造部材によって荷重を支持する非空気圧タイヤに関するものである。
空気タイヤは荷重支持能、接地衝撃吸収能および力伝達能(加速、停止、方向転換)を有し、それによって多くの車両、特に自転車、オートバイ、自動車、トラックに好んで採用されている。また、これらの能力は自動車、その他のモーター車両の開発に大きく貢献した。空気タイヤの衝撃吸収能力は医療機器や電子機器の運搬用カート、その他の用途でも有用である。
従来の非空気圧タイヤ、例えばソリッドタイヤ、スプリングタイヤ、クッションタイヤ等は空気タイヤの優れた性能を有していない。特に、ソリッドタイヤおよびクッションタイヤは接地部分の圧縮によって荷重を支持する。この形式のタイヤは重くて、堅く、空気タイヤの衝撃吸収能力はない。従来の非空気圧タイヤは弾性を高くすると空気タイヤの有する荷重支持能または耐久性が悪くなる。従って、公知の非空気圧タイヤで空気タイヤの代りに広く使用されたものは、特殊なもの以外には無かった。
空気タイヤと同様な動作特性を有する非空気圧タイヤ/ホイールは従来法の上記の種々の欠点を克服するもので、開発が求められている。
本発明の構造的に支持される非空気圧タイヤは、タイヤに加わる荷重を支持する補強された環状バンドと、この補強された環状バンドとホイールまたはハブとの間で張力によって荷重力を伝達する複数のウェブスポークとを有する。本明細書ではタイヤまたはタイヤホイールは、空気タイヤの機構とは違って、内部空気圧力無しに、単に構造的特性だけによって荷重を支持するための構造体を意味する。
本発明の1つの有用な実施例では、本発明のタイヤまたはタイヤホイールは外側環状バンドと、補強されたこの環状バンドから放射方向内側かつ環状バンドを横断する方向へ延びた、最大幅がWで、放射方向高さがNの複数のウェブスポークと、これら複数のウェブスポークをホイールに連結する手段とを有する。ウェブスポークの横方向プロフィル(断面形状)は、各ウェブスポークが外側環状バンドと上記の複数のウェブスポークをホイールに連結する手段との間の最小中間幅を有するような形状である。複数のウェブスポークは環状バンドを横断する方向にカッタウェイ断面(cutaway section)を有する。このカッタウェイ断面のプロフィルは高さがHCで、最大深さDが放射方向高さNの5%以上且つ最大幅Wの30%以下である。このプロフィルはプロフィルの放射方向最外側部および放射方向最内側部の位置でプロフィルの接線と水平線とが成す角度αが少なくとも10°である。プロフィルの最小曲率半径RRはスポークの高さNの少なくとも20%である。環状バンドはさらに、剪断層の放射方向内側に接着される少なくとも1つの第1のメンブレンと、この剪断層の放射方向外側に接着される少なくとも1つの第2のメンブレンとを含むことができ、各メンブレンは剪断層の剪断弾性率より大きな縦方向引張り弾性係数を有する。
上記の特定プロフィルはスポーク自体の設計パラメータの関数である。重要な幾何学的要素はスポークの放射方向最外側部および放射方向最内側部の位置における水平線とのタンジェント角、プロフィルの最大横方向深さおよびプロフィルの最小曲率半径である。横方向プロフィルのこれら幾何学的要素は下記段階を含む方法で求められる:
(a) ウェブスポークの幅Wと高さN、放射方向オフセットQおよびプロフィルの横方向深さDを特定し、その際に深さDは放射方向高さNの5%以上且つ幅Wの30%以下とにし、
(b) プロフィルと水平線との交点との間のタンジェントとして定義されるタンジェント角度αの値を計算で求め、
(c) 得られたタンジェント角度αの計算値を所定最小値と比較し、計算値または最小値の大きい方の値に角度αを設定し、
(d) 横方向プロフィルの最小曲率半径RRを計算で求め、
(e) 得られた半径の計算値を所定の最小値と比較し、
(f) この計算値が最小値よりも大きい場合は半径RRを大きい方の計算値に設定する。
上記の段階によって計算された最小半径値が最小基準以下である場合には、計算された半径RRが最小値よりも大きくなるまで角度αの値を減らし、(c)〜(f)の段階を繰り返して上記方法をさらに繰り返すことができる。
本発明の構造的に支持されたタイヤは加圧空気を収容する空洞がないので、内部の空気圧を保持するためにホイールリムに対するシールを形成する必要がない。従って、構造的に支持されたタイヤは空気タイヤ業界でいうホイールを必要としない。説明のために「ホイール」および「ハブ」とはタイヤを支持しかつ車軸に取付けられる任意の装置または構造物を意味し、本明細書では同じ意味で使われる。
本発明では、補強された環状バンドがエラストマー剪断層を有し、このエラストマー剪断層の放射方向内側には少なくとも1つの第1のメンブレンが接着され、このエラストマー剪断層の放射方向外側には少なくとも1つの第2のメンブレンが接着される。各メンブレンは剪断層の剪断弾性率より大きな縦方向引張り弾性係数を有し、外部から荷重が加わった時に地面と接触したトレッド部分が基本的に円形から地面と一致する形へ変形する。一方、各メンブレンの長さは実質的に一定に維持される。各メンブレンの相対移動は剪断層内の剪断力によって起る。各メンブレンはエラストマー被覆層中に実質的に伸びないコード補強材を埋め込んだ層を重ねたものから成るのが好ましい。
剪断層は天然ゴムまたは合成ゴム、ポリウレタン、発泡ゴムおよびポリウレタン、セグメント化コポリエステルおよびナイロンのブロックコポリマー等のエラストマー材料で形成される。剪断層材料は約3MPa〜約10MPaの剪断弾性率を有するのが好ましい。環状バンドは外部からの荷重によって通常の円形から地面などの接触面と一致する形に曲がる特性を有する。
ウェブスポークはホイールと環状バンドとの間で張力によって荷重力を伝達するように作用し、特に車両の重量を支持する機能を有する(他の機能もある)。車両を支持する力は環状バンドの地面接触部分に結合していないウェブスポーク内の張力によって生じる。ホイールまたはハブはタイヤ上部から吊り下げられているといえる。ウェブスポークは引張り有効放射方向スティフネスが高く、圧縮有効放射方向スティフネスが低いのが好ましい。圧縮スティフネスが低いことによって、環状バンドの地面接触部分に取付けられたウェブスポークは曲がることができ、地面の衝撃を吸収し、環状バンドを地面の凸凹に良く順応させることができる。
ウェブスポークはさらに加速、停止および方向転換で要求される力を伝達する。ウェブスポークの配置および向きは所望の機能が得られるように選択できる。例えば、比較的小さい周方向の力が生じるような用途では、ウェブスポークを回転軸線に対して平行かつ放射状に配置することができる。周方向のスティフネスを与えるために回転軸線に直角なウェブスポークを軸線に整合したウェブスポークと交互に配置して追加することができる。別の変形例では、周方向と軸線方向の両方にスティフネスを与えるためにタイヤ軸線に対して斜めのウェブスポークを配置する。
トレッドの地面接触部分のウェブスポークの座屈を容易にするために、ウェブスポークを湾曲させることができる。変形例として、成型中にウェブスポークに予備応力を加えて特定の方向に曲がるようにすることもできる。
本発明は添付図面を参照した以下の説明からよりよく理解できよう。
「赤道面」とはタイヤの回転軸線に直角なタイヤ構造を2つに分ける面を意味する。
「子午線面」とはタイヤの回転軸線を含む、タイヤを通る面を意味する。
エラストマー材料の「モジュラス、弾性率」とはASTM 規格の試験方法D412で測定した10%伸びでの引張り弾性率を意味する。
メンブレンの「モジュラス、弾性率」とは円周方向での1%伸びでの引張り弾性率にメンブレンの有効厚さを掛けたものを意味する。このモジュラスは下記[式1]で計算できる(従来タイヤのスチールベルト材料に対する式)。このモジュラスはダッシュ(')を付けて表すことにする。
エラストマー材料の「剪断モジュラス、弾性率」とは弾性剪断弾性率を意味し、エラストマー材料の場合の上記定義の引張り弾性率の3分の1に等しいと定義される。
「ヒステリシス」とは運転時の歪み、温度、周波数で測定した動的損失のタンジェント(tanΔ)を意味する。運転条件は特定の用途によって異なる(例えばゴルフカートとスポーツカーでは要求される荷重および速度が違う)ので、歪み、温度、周波数を特定の用途に合わせなければならないということは当業者には理解できよう。
[図1]は本発明の構造的に支持された弾性タイヤの赤道面での図である。「構造的に支持された」とは気体の膨張圧の支持なしにタイヤの構造要素のみによってタイヤが荷重を支持するということを意味する。以下に開示の構造的に支持された弾性タイヤの各構造は互いに類似した基本要素(成分)を利用する。従って、各変形例の図面では同じ参照番号を用いてある。図を明瞭にするために、図面の縮尺は正確ではなく、各要素の寸法は拡大、縮小してある。
[図1]に示したタイヤ100は地面と接触するトレッド部分105と、このトレッド部分105の放射方向内側に配置された補強された環状バンド110と、この環状バンドを横断して横断方向に延び且つこの環状バンドから放射方向内側へ向って延びたウェブスポーク150と、このウェブスポークの放射方向内側端部の所にある取付けバンド160とを有している。タイヤ100はこの取付けバンド160を介してホイール10またはハブに固定される。「横断方向に延びた」とはウェブスポーク150が軸線方向に整合しているか、タイヤの軸線に対して斜めであることを指している。「放射方向内側へ向かって延びた」とはウェブスポーク150がタイヤ軸線に対して放射方向面内にあるか、放射方向面に対して斜めであることを意味する。以下で説明するように、第2の複数のウェブスポークを赤道面に配置することもできる。
[図2]はタイヤ100とホイール10の赤道面での断面図である。補強された環状バンド110はエラストマーの剪断層120と、このエラストマー剪断層120の放射方向最内側に接着された第1メンブレン130と、エラストマー剪断層120の放射方向最外側に接着された第2メンブレン140とから成る。第1および第2のメンブレン130、140の引張りスティフネスは剪断層120の剪断スティフネスより高く、補強された環状バンド110が荷重下で剪断変形するようになっている。
補強された環状バンド110はタイヤに加わる荷重を支持する。[図1]および[図5]に示すように、タイヤ回転軸線Xに加わる荷重Lはウェブスポーク150中の張力によって環状バンド110へ伝達される。環状バンド110はアーチと同様な役目をし、荷重支持部材の役目をするのに十分なタイヤ赤道面内での周方向圧縮スティフネスおよび縦方向曲げスティフネスを与える。荷重下では地面との接触面Cでバンドの剪断変形を含めた機構によって環状バンドが変形する。剪断変形能力によって空気タイヤと同じように作用する柔軟な接地面Cが与えられ、空気タイヤと同様な有利な結果が得られる。
[図3]および[図4]を参照することで堅い環状バンド122(荷重下で実質的に剪断変形しない均質な材料、例えば金属リングから成る)と比較した本発明の環状バンド110の剪断機構の利点が理解できよう。すなわち、[図3]の堅い環状バンド122では平衡力条件および曲モーメント条件を満足させる圧力分布は、接触面の両端部の一対の集中力([図3]にはその一つが示してある)に集中したものになる。一方、本発明の構造の場合には環状バンドが[図4]に示すように剪断層120と内側補強層130と外側補強層140とからなり、剪断変形するので、接触領域における圧力分布Sが実質的に均一になる。
本発明の環状バンドで好ましい結果が得られるのは接触面長全体でより均一な接地圧Sになる場合である。これによって空気タイヤと同じようになり、他の非空気圧タイヤよりもタイヤ機能が向上する。
典型的なソリッドタイヤまたはクッションタイヤでは接触面でのタイヤ構造の圧縮によって荷重が支持され、耐荷重力は接触面に存在する材料の量と種類によって制限される。ある種のスプリングタイヤでは弾性ばね部材を介してハブまたはホイールに連結された堅い外側リングによってタイヤに加わる荷重を支持する。堅い外側リングは剪断機構を有しておらず、従って、既に述べたように、堅いリングによって接触面の両端部に接地反作用が集中するため、力を地面に伝達し、地面の衝撃を吸収するタイヤの能力が低下する。
剪断層120は剪断弾性率が約3〜約20MPaのエラストマー材料から成る層から成る。この剪断層120での使用に適した材料には天然ゴムおよび合成ゴム、ポリウレタン、発泡ゴムおよびポリウレタン、セグメント化されたコポリエステルおよびナイロンのブロックコポリマーが含まれる。
荷重下で繰返し回転すると、剪断層120の変形によってヒステリシス損が生じ、タイヤに熱が蓄積される。従って、剪断層のヒステリシスは使用する材料の許容運転温度以下が維持されるようにしなければならない。従来のタイヤ材料(例えばゴム)を用いる場合、例えば、剪断層のヒステリシスは連続使用するタイヤでタイヤ運転温度が約130℃以下に維持されるようにしなければならない。
トレッド部分105は溝が無くても、複数の縦方向トレッド溝107([図2]の実施例のように縦方向のトレッドリブ109を形成する溝等)を有していてもよい。図ではトレッド部分105は端部から担部まで平らになっている。この平らなトレッドは自動車とその類似車両には適しているが、自転車、オートバイおよび二輪自動車では丸みがついたトレッドを用いることができる。任意のトレッドパターンを用いることができるということは当業者には理解できよう。
好ましい実施例では、第1メンブレン130および第2メンブレン140はエラストマー被覆層中に実質的に伸びないコード補強材を埋め込んだものから成る。弾性材料で作られたタイヤの場合にはこれらのメンブレン130および140は硬化したエラストマー材料によって剪断層120に接着される。メンブレン130および140を化学的または機械的に接着する等の他の任意の固定方法で剪断層120に接着しても本発明の範囲を逸脱するものではない。
メンブレン130、140の補強要素は従来タイヤのベルト補強材として使用されている任意の材料、例えばスチール、アラミドのモノフィラメントまたはコードや、その他の高モジュラス織布で作ることができる。図示した実施例のタイヤの場合、この補強材は直径が0.28mmの4本のスチールワイヤコード(4 x 0.28)である。
好ましい実施例では、第1メンブレンが2つの補強層131、132を有し、第2メンブレン140も2つの補強層141、142を有する。
図示した本発明の全ての変形例では各メンブレンがコード補強層を有しているが、環状バンドに要求される引張りスティフネス、曲げスティフネスおよび圧縮座屈抵抗特性の要求条件を満たす任意の材料をこれらメンブレンで使うことができる。メンブレン構造は種々変更でき、例えば均一材料(例えば薄い金属シート)にしたり、繊維補強されたマトリックスにしたり、ディスクリートな補強要素を有する層等にすることができる。
第1の好ましい実施例では、第1メンブレン130の層131はタイヤ赤道面に対して約10〜約45°の角度をなす基本的に互いに平行なコードを有する。各層のコードは互いに反対方向を向いている。同様に、外側メンブレン140も赤道面に対して約10〜約45°の角度を成す基本的に互いに平行なコードを含む層141および142を有する。しかし、メンブレン内の互いに対を成す2つの層のコードが互に等しい角度で逆方向を向いている必要は必ずしもなく、例えば、互いに対を成す2つの層のコードをタイヤ赤道面に対して非対称にすることもできる。
別の実施例では、メンブレンの少なくとも1つの層のコードをタイヤ赤道面に対して0°またはほぼ0°の角度で配置してメンブレンの引張りスティフネスを高くすることができる。
各層131、132および141、142のコードは一般に約3〜20MPaの剪断弾性率を有するエラストマーの被覆層中に埋め込まれている。この被覆層の剪断弾性率をエラストマー剪断層120の剪断弾性率とほぼ同じにして、環状バンドの変形が主としてエラストマー剪断層120内での剪断変形によって行われるようにするのが好ましい。
荷重下での環状バンドの変形状態は、エラストマー剪断層120の剪断弾性率Gと、メンブレン130および140の縦方向有効弾性係数E'membraneとの関係を規定することによってコントロールできる。
従来タイヤのベルト材料を用い、補強コードを赤道面に対して少なくとも10°の角度で配置したメンブレンの有効弾性係数E'membraneは下記式で求めることができる:
Figure 0004955258
(ここで、
Erubber=エラストマー被覆材料の引張り弾性係数、
P=コード方向に対して直角に測定したコード間隔(コード中心間距離)、
D=コード直径、
ν=エラストマー被覆材料のポアソン比、
α=赤道面に対するコード角度、
t=互いに隣接する層内のケ−ブル間のゴム厚さ)
補強コードが赤道面に対して10°以下の角度で配置されたメンブレンの引張り弾性係数E'membraneは下記式で求めることができる:
E'membrane=Ecable * V * tmembrane (2)
(ここで、
Ecable=ケーブルの弾性係数、
V=メンブレン内のケーブルの容積分率
tmembrane=メンブレンの厚さ)
均一材料または繊維等で補強されたマトリックスを有するメンブレンの弾性係数はこの材料またはマトリックスの弾性係数である。
E'membraneはメンブレンの弾性係数にメンブレンの有効厚さをかけたものである。E'membrane/Gの比が相対的に低いときの荷重下での環状バンドの変形が均質バンドの変形に近くなり、[図3]に示す不均一接地圧が生じる。逆に、このE'membrane/Gの比が十分に大きいときの荷重下での環状バンドの変形は主として剪断層の剪断変形になり、メンブレンの縦方向圧縮または収縮はほとんどなく、従って、[図4]に示すような実質的に一様な接地圧になる。
本発明では、エラストマー剪断層の剪断弾性率Gに対するメンブレンの縦方向弾性係数E'membraneの上記比が少なくとも約100:1、好ましくは少なくとも約1000:1である。
[図2]に示したタイヤのトレッド部分105、第1のメンブレン130および第2のメンブレン140の横方向プロフィルは平らである。環状バンドの接触領域「C」([図1])の部分の歪みは第2のメンブレン140に対しては圧縮歪みである。タイヤの垂直撓みが増加すると、接触長さ「C」が増加し、第2のメンブレン140の圧縮応力が限界座屈応力を超え、メンブレンの縦方向座屈が起こる。この座屈現象によって接触領域の縦方向部分の接地圧が低下する。このメンブレンの座屈が避けられる場合には接地領域全体で均一な接地圧が得られる。断面が湾曲したメンブレンは接触面での座屈により強く抵抗するので荷重下で座屈が起こる場合に好ましい。
メンブレンの縦方向弾性係数E'membraneとエラストマー剪断層の剪断弾性率Gとの上記条件が満たされ且つ環状バンドが実質的にエラストマー剪断層の剪断によって変形したときに一つの有利な関係ができ、各用途にあった剪断弾性率Gの値と剪断層厚さhを求めることができ:
Figure 0004955258
(ここで、
Peff=接地圧
G =層120の剪断弾性率
h =層120の厚さ
R =第2のメンブレンの回転軸線に対する放射方向位置)
PeffとRはタイヤの使用用途に従って選択される設計パラメ−タである。式(3)は剪断層の弾性剪断弾性率と剪断層の放射方向厚さとの積が、接地圧と第2のメンブレンの放射方向最外側位置との積にほぼ等しいということを示している。[図13]は広範囲の接地圧でのこの関係を視覚的に図示したもので、種々の用途での剪断層の特性曲線を見積る場合に利用できる。
[図5]を参照すると、ウェブスポーク150は放射方向の長さNと、一般に環状バンド110の軸線方向幅に対応する軸線方向の幅Wと、他の寸法に対して直角方向の厚さとを有するほぼシート状要素である。厚さは長さNまたはWよりはるかに小さく、好ましくはタイヤの半径Rの約1〜5%である。そうすることによって[図1]に示されるようにウェブスポークが圧縮下で曲がることができる。ウェブスポークを薄くすることによってほとんど圧縮抵抗なしに接触面で曲がり、荷重支持に有意な圧縮力を与えなくなる。
ウェブスポークの厚さが大きくなると、ウェブスポークがある程度の圧縮荷重支持力を接地面に与える。しかし、ウェブスポーク全体としての主な荷重伝達作用は引張りである。車両の特定の要求条件を満たすようにウェブスポーク厚さは選択することができる。
[図6]を参照する。本発明の好ましい実施例のウェブスポーク150では、第1メンブレン130 と取付けバンド160との間の中間部分において横方向のプロフィルを実質的に狭くしたウェブスポークを用いると有利な結果が得られる。好ましいスポーク150は全幅がWで、放射方向長さがNである。好ましいウェブスポークは環状バンドに対して横方向にカッタウェイ断面(cutaway section)を有する。カッタウェイ断面でのスポークの幅はスポークの軸線方向外側から軸線方向深さDだけインセットされて、短くなっている。各スポークの横方向プロフィルは複数の幾何学的パラメータと拘束力との関数である。拘束力に従う幾何形状を得るための方法は一回または複数回繰り返す必要があることが経験から分かっている。しかし、過度な実験をしなくても解が得られる。
カッタウェイによってスポークの放射方向の全高Nへ伸ばすことができる。設計および製造を容易にするために、スポーク150の放射方向外側部および放射方向内側部の位置に隣接してほぼ一定幅の小さな領域を設けるのが有利である。この領域はスポーク高さNの10%以下の放射方向オフセット距離Qで規定される。[図6]に示す実施例ではこのオフセット距離はスポーク150の放射方向外側部および放射方向内側部の位置で等しい。しかし、これは単に便宜上のものでしかなく、オフセットQをスポークの上と下で異なるようにすることができる。従って、スポーク150のカッタウェイ断面の放射方向高さはわずかに減り、スポークの高さNから上下のオフセットQの和を引いたものと定義される高さHCを有する。[図6]の実施例では、上下のオフセットは等しい。従って、HC=N−2Q。
上記プロフィルを有する部分の軸線方向最小深さDは高さNの少なくとも5%でなけれなばらず且つスポーク幅Wの30%以下でなければならない。上記プロフィルを有する部分の軸線方向最大深さDの好ましい値を得るための実験式は下記のようなスポーク高さNとオフセットQとの関数である:
Figure 0004955258
ただし、予測深さは常にスポーク幅Wの30%以下となるようにする。オフセットQはゼロにすることもできる。
プロフィルは特定形状に限定されるものではなく、円弧の一部、放物線アーチまたはブレンド半径(混成角度、blending radius)によって接合された直線セグメントの組合体で形成できる。後者の形状が[図6]に示した変形例であり、スポークの中間の高さに関して対称である。直線セグメントはオフセット距離Qの放射方向高さでプロフィルの接線と水平線と角度αを成す。直線セグメントは、スポークの高さNの少なくとも20%である最小値を有するブレンド半径RRによって接合されている。選択された深さDおよびタンジェント角度αが、頂点に集まる直線セグメントになることで、スポーク性能に悪影響を与える可能性があるカッタウェイ断面の幾何形状を避けるためにはブレンド半径の制約が必要である。
第1に角度αを計算し、次に2つの直線セグメントを接合することになるブレンド半径RRを求めて横方向プロフィルを決定する。角度αは下記のようなスポーク幾何形状から特定するのが好ましいということが分かっている:
Figure 0004955258
ただし、αの最小値は少なくとも10°でなければならない。
αが求まったら、下記の関係式からブレンド半径RRの好ましい値を計算できる:
Figure 0004955258
選択した深さDの値およびαの計算値によって予測されたブレンド半径RRの値が許容可能な最小値以下である場合には、許容可能なRRの値が得られるまでαの値を徐々に小さくして上記操作を繰り返すことができる。最小値の・・・以上のαの値で解が得られない場合には、深さDを減らして上記のプロセスを繰り返すことができる。
カッタウェイ断面の形状の一変形例を[図6]の左側に示すような放物線部分として示してある。この変形例では、放物線がAA、BB、CCの記号が付けられた点を通り、AA点およびCC点でのタンジェント角度αは上記のように定義される。BB点は深さDの好ましい値を定義する。すなわち
Figure 0004955258
カッタウェイパラメータすなわちHC、タンジェント角度αおよび深さDから放物線が決定されると、ブレンド半径RRが定まる。放物線形状は頂点に収束できないので、得られるブレンド半径RRの値はウェブスポーク150の正確な動作を保証するのに十分な大きさであると考えられる。
現在の好ましい実施例では、ウェブスポーク150は引張り弾性係数が高い材料すなわち引張り弾性係数が約10〜100Mpaの材料で作られる。ウェブスポークは必要に応じて補強できる。さらに、ウェブスポーク材料は30%歪みを与えた後に初めの長さに戻る弾性挙動を示し、かつ、4%歪みを与えたときに一定の応力を示さなければならない。さらに、材料のタンジェントΔが、関連した運転条件で0.1を越えないのが望ましい。これらの要求条件を満足する市販のゴムまたはポリウレタン材料を見つけることができる。本発明者はクロンプトン社のユニロイヤルケミカル部門(コネチカット州、ミドルベリー)のVibrathane B836(商標)ウレタンがウェブスポークに適していることを発見した。
[図2]を参照すると、本発明の一実施例では、ウェブスポーク150が放射方向内側取付けバンド160によって互いに連結されている。このバンド160はタイヤを取付けるためのホイールまたはハブ10を取り囲んでいる。ウェブスポーク150はそれらの放射方向外側端部で境界バンド170によって互いに連結されている。この境界バンド170はウェブスポーク150を環状バンド110に連結している。ウェブスポーク、取付けバンド160および境界バンド170を単一な材料からユニットとして成型するのが便利である。
環状バンド110およびハブまたはホイール10の構造材料および取付け方法によっては、変形例として、別体の取付けバンド160または境界バンド170を無くして、ウェブスポークを環状バンドおよびホイールに直接接着することもできる。例えば、環状バンドまたはホイールまたはハブのいずれかが同一材料またはコンパチブルな材料で形成されている場合には、ウェブスポークを環状バンドまたはホイールと一体に形成または成型することによって一段階でタイヤを製造することができる。この場合には取付けバンド160および/または境界バンド170をホイールまたは環状バンドの一部として一体に形成する。さらに、例えばホイールの溝と係合する各ウェブスポークの内側端部に拡大部分を設けて、ウェブスポーク150をホイールに機械的に連結することもできる。
[図1]〜[図6]を参照することで本発明のタイヤが外部から加わる荷重を支持する方法を理解することができる。環状バンド110の非接地部分である領域Aはアーチと同様な役目をし、ウェブスポーク150には張力Tが加わる。車両(図示せず)からハブまたはホイール10に伝達されてタイヤに加わる荷重Lは基本的に領域Aのアーチから吊り下げられる。移行領域Bおよび接触領域Cのウェブスポークには張力が加わらない。好ましい実施例では、ウェブスポークは相対的に薄く、有意な垂直荷重支持力を与えないようになっている。アーチとして作用する環状バンド110の部分はタイヤの回転とともに常に変化するが、この機構を理解するのにアーチの概念が役立つことは理解できよう。
引張りスティフネスは高いが圧縮スティフネスが低いウェブスポークを用いることによって、実質的に引張り荷重支持のみが得られる。接地領域での座屈を容易にするために、ウェブスポークを湾曲させることができる。変形例では、ウェブスポークに曲率を持たせて成型した後、冷却中に熱収縮によってまっすぐにして、座屈性を与えることができる。
ウェブスポーク150は、例えばホイールにトルクが加わるときに、環状バンド110とホイール10との間の捩れに耐えなければならない。さらに、ウェブスポーク150は例えば方向転換またはコーナリングのときに横方向撓みに耐えなければならない。放射方向−軸線方向面にある、すなわち放射方向と軸線方向の両方に整合したウェブスポーク150は軸線方向の力に対する抵抗力は大きいが、特に放射方向に延びた場合に、周方向のトルクに抵抗するのが難しいことは理解できよう。ある種の車両および用途、例えば、発生する加速力が比較的小さい車両および用途では、比較的短いスポークを放射方向に整合させたウェブスポーク集合体が適している。
大きなトルクが予想される用途では、[図7]〜[図9]に示すような配置、構造が適している。[図7]ではウェブスポーク150が2本ずつ中心で接合されてXを形成し、軸線方向から見てXを繰返すパターンで配置される。[図8]ではウェブスポークが放射方向に対してジグザグパターンに配置される。[図9]のウェブスポークは隣接するウェブスポークがジグザグパターンの軸線方向に対して反対に向くように配置される。これらの変形例では各向きが放射方向と周方向の両方の力に抵抗する成分を与え、従って、放射方向と横方向の力に抵抗する成分を保持しながら、トルクに対する抵抗力を加える。方向付けの角度は使用するウェブスポークの数および隣接する2本のウェブスポークの間隔に応じて選択することができる。
他の配置にすることもできる。[図10]に示すように、ウェブスポークを放射方向に見て山形またはV字型に配置することができる。別の変形例では、[図11]に示すように、隣接するウェブスポークの向きを軸線方向に整合したスポーク150と周方向に整合したスポーク15との間でに交互に変える。しかし、[図10]および[図11]の変形例は接触領域でのウェブスポークの座屈を受けとめるのが難しいため、[図7]〜[図9]の配置ほどは好ましくない。
ウェブスポークの配置をいろいろ変えることによって、タイヤの垂直方向、横方向および捩れスティフネスを接地圧とは独立して、さらに、互いに独立して調整することができる。
垂直方向スティフネスは荷重下のタイヤの撓み耐久性に大きく影響する。タイヤの垂直方向スティフネスは地面と接触していないタイヤ部分の反作用(タイヤの「逆撓み、counterdeflect」)に強く影響される。[図12]はこの現象を誇張して図示したものである。タイヤに荷重Lが加わると、fの量だけ撓み、接地面内の部分が地面の形に変形し、接地面積はCになる。なお、[図12]では説明のために標準フレームをタイヤの軸線Xが一定位置に維持されるように軸線から地面を上方へ移動させて示してある点に注意されたい。タイヤは弾性体であり、垂直撓みfは荷重Lに比例するので、タイヤの垂直スティフネスKvを求めることができる。メンブレン(図示せず)によって拘束された環状バンド110(概念図)は一定の長さを維持しようとするので、接触していないタイヤ部分がシフトする、すなわち、図の破線で示すように接触面Cから離れて逆に撓む(counterdeflects)。逆撓み量λも荷重Lに比例するので、逆撓みスティフネスKλも求めることができる。この逆撓みスティフネスKλは主として周方向圧縮スティフネスと、接地していないウェブスポークが荷重を受けた時の状態とに関係し、環状バンドの横方向および縦方向曲げが多少関係している。
この逆撓みは軸線を固定し、接触面でのタイヤの撓みfと接触面と反対側のトレッド面の撓みとを測定することによって荷重F下のタイヤから直接正確に測定することができる。逆撓みスティフネスは荷重Fをこの逆撓み量λで割ることで得られる。
実際には、逆撓みスティフネスKλがタイヤの垂直スティフネス(従って、タイヤの車軸の荷重下の撓み)を実質的にコントロールする。[図12]から分かるように、逆撓みスティフネスKλが接触面長さを決定する。逆撓みスティフネスが小さいときには環状バンド110は荷重下で垂直に移動し、その撓みで耐荷力が減る。従って、逆撓みスティフネスが大きいタイヤは相対的に逆撓みが少なく、接触面が長くなる。
[図14]はタイヤの垂直スティフネスと逆撓みスティフネスKλとの関係を視覚的に示している。[図14]は、垂直方向スティフネスと本発明で得られる接地圧とは無関係であるということを示している。これは空気タイヤでは得られない設計上の自由度である。一般に、収縮した空気タイヤの単位接触幅当たりの逆撓みスティフネスは0.1DaN/mm2以下であるのに対して、本発明タイヤの単位接触幅当たりの逆撓みスティフネスは約0.1DaN/mm2以上である。
[図14]と[図13]とを組み合せて用いることによって、各用途にあった出発設計パラメ−タを選択することができる。[図13]を用いて接地圧、垂直方向荷重および接触面を選択することで、タイヤの垂直スティフネス特性を[図14]を用いて決定することができる。設計者は[図13]で得られる逆撓みスティフネスKλの近似目標値を用い、公知の解析ツール、例えば有限要素解析法を用いてスティフネスを達成するための構造を求めることができる。その後の作業(タイヤの製造およびテスト)で設計パラメ−タを確認する。
例えば、乗用車用のタイヤを設計する場合には、設計者は接地圧Peffを1.5〜2.5DaN/cm2にし、タイヤ寸法の半径Rを約335mmに選択することができる。これらの値をかけ合わせることによって50.25〜83.75DaN/cmの「剪断層ファクタ」を求めることができ、これを用いて剪断層材料の厚さと剪断弾性率とを求めることができる。この場合、約3MPa〜約10MPaの剪断弾性率で、エラストマー剪断層の厚さhは少なくとも5mm、好ましくは約10mm〜約20mmである。
さらに、空気タイヤではタイヤの接地圧とタイヤのスティフネスがタイヤ圧に関係しているが、本発明ではこれらが互いに独立している。従って、接地圧Pは高いが、スティフネスが比較的低いタイヤを設計することができる。これは荷重支持能力を維持した、重量と回転抵抗が小さいタイヤを製造するのに有利である。
逆撓みスティフネスKλは種々の方法で変更できる。このスティフネスを調整するのに用いることができる設計パラメ−タにはウェブスポークモジュラス、ウェブスポーク長さ、ウェブスポーク曲率、ウェブ厚さ、環状バンドのメンブレンの圧縮モジュラス、剪断層の厚さ、タイヤ直径および環状バンドの幅が含まれる。
垂直方向スティフネスを調整することによって所定のタイヤの荷重支持能力を最適化することができる。あるいは、垂直方向スティフネスを調整して環状バンドの厚さを薄くして、接地圧を下げたり、垂直方向スティフネスを所定レベルに維持した状態でタイヤ重量を下げることができる。
本発明タイヤの垂直スティフネスは環状バンドおよびサイドウォール部分に加わる求心力効果によっても影響される。この求心力は回転時にタイヤ速度が増加すると生じる。従来のラジアルタイヤでは求心力はタイヤ運転温度を増加させるが、これとは対照的に、本発明タイヤではこの同じ力から全く予想外の有利な結果が得られる。本発明タイヤが荷重下で回転すると、求心力によって環状バンドは周方向に膨張しようとし、ウェブスポークにさらに引張り応力を誘導する。放射方向に堅い(スティフな)ウェブスポークはタイヤの非接触部分([図1]の領域A)でこの求心力に抵抗し、それによって全体として上向きの合力が生じ、タイヤの有効垂直スティフネスが増加し、静止状態(非回転時)に対するタイヤの放射方向撓みが低下する。この結果は引張り時のサイドウォール部分の有効スティフネスに対するタイヤ赤道面でのバンドの縦方向スティフネス(2E'membrane)の比が100:1以下のときに有意になる。
上記本明細書の内容から、上記以外の多数の変形例が当業者には可能であるということは理解できよう。特許請求の範囲の定義に入る変形例およびその他の変形例は本発明の範囲に入るものである。
荷重下にある本発明のタイヤの赤道面での概念図。 本発明のタイヤを子午線面で切った断面図。 剪断変形を示さない対照例の均質バンドの場合の接地反作用を図示した概念図。 本発明の環状バンドの場合の接地反作用を図示した概念図。 荷重支持機構を説明するために所定の基準寸法を示す、荷重が加わった本発明タイヤの子午線面での概念図。 子午線面で切ったウェブスポークの横方向プロフィルを示す本発明タイヤの概念図 ウェブスポークのXパターン配置を示す赤道面で見た断面図。 ウェブスポークのジグザグパターン配置を示す赤道面で見た図。 ウェブスポークの斜軸パターン配置を回転軸線へ向かって放射方向から見た図。 ウェブスポークの山形配置を回転軸線へ向かって放射方向から見た図。 ウェブスポークが周方向と軸線方向に交互に整合した配置を回転軸線へ向かって放射方向から見た図。 タイヤ赤道面で見た逆撓みスティフネスの概念図。 本発明タイヤの接触面、接地圧および垂直方向荷重の関係を視覚的に示した図。 本発明タイヤの接地圧、垂直方向スティフネスおよび逆撓みスティフネスの関係を視覚的に示した図。

Claims (19)

  1. 構造的に支持されたタイヤであって、
    外側環状バンドと、この外側環状バンドから放射方向内側かつ横断方向へ向って延びた最大幅と放射方向高さとを有する複数のウェブスポークと、これら複数のウェブスポークをホイールに連結する手段とを有し、
    環状バンドは、剪断層と、この剪断層の放射方向内側に接着された少なくとも1つの第1のメンブレンと、剪断層の放射方向外側に接着された少なくとも1つの第2のメンブレンとを含み、各メンブレンは剪断層の剪断弾性率より大きな縦方向引張り弾性係数を有し、
    上記の複数のウェブスポークがバンドを横断する方向にカッタウェイ断面(cutaway section)を有し、このカッタウェイ断面のプロフィル(断面形状)は一定のカッタウェイ断面高さと、前記ウェブスポークの放射方向高さの5%以上且つ前記ウェブスポークの最大幅の30%以下のカッタウェイ断面最大深さを有し、
    上記プロフィルは、プロフィルの放射方向最外側部および放射方向最内側部の位置でプロフィルの接線と水平線とが形成するタンジェント角度αが少なくとも10度であり、
    プロフィルの最小曲率半径は前記ウェブスポークの放射方向高さ少なくとも20%であることを特徴とするタイヤ。
  2. カッタウェイ断面が外側環状バンドおよび上記のウェブスポークをホイールに連結する手段から放射方向にオフセットしており、この放射方向オフセットが上記高さ10%以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記のカッタウェイ断面最大深さが下記式の値以下である請求項2に記載のタイヤ:
    Figure 0004955258
    (ここで、Nは上記の高さに等しく、Qは上記のラジアルオフセットである)
  4. 上記タンジェント角度が10°以上でかつ下記式の値以下である請求項1に記載のタイヤ:
    Figure 0004955258
    (ここで、HCは上記カッタウェイ断面のラジアル高さに等しく、Dは上記深さである)
  5. 上記半径RRが上記放射方向高さNの20%以上かつ下記式の値以下である請求項1に記載のタイヤ:
    Figure 0004955258
    (ここで、HCは上記カッタウェイ断面のラジアル高さに等しく、Dは上記深さであり、αはタンジェント角度を表す)
  6. 環状バンドの放射方向外側に配置されたトレッド部をさらに含む請求項1に記載のタイヤ。
  7. 複数のウェブスポークをホイールに連結する手段がウェブスポークの放射方向内側端部を互いに連結する取付けバンドからなる請求項1に記載のタイヤ。
  8. 複数のウェブスポークがウェブスポークの放射方向外側端部を互いに連結する放射方向外側バンドをさらに有する請求項1に記載のタイヤ。
  9. 各ウェブスポークが軸線方向に互いに平行な方向を向いている請求項1に記載のタイヤ。
  10. 剪断層の剪断弾性率に対するメンブレンの一つの縦方向引張り弾性係数の比が少なくとも100:1である請求項1に記載のタイヤ。
  11. 剪断層の剪断弾性率と剪断層の放射方向厚さとの積が接地圧と第2のメンブレンの最外側の放射方向位置との積にほぼ等しい請求項1に記載のタイヤ。
  12. 第1および第2のメンブレンの各々が少なくとも剪断層の剪断弾性率に等しい剪断弾性率を有するエラストマーの被覆層中に埋め込まれた実質的に伸びないコード補強材の層から成る請求項1に記載のタイヤ。
  13. 上記カッタウェイが、上記プロフィルの放射方向最外側および放射方向最内側の位置で少なくとも10°のタンジェント角度αを有する放物線によって規定され、上記放物線が最大深さに対応する軸線方向位置を通る請求項1に記載のタイヤ。
  14. 下記の段階を含むウェブスポークの横方向プロフィルの決定方法:
    (a) ウェブスポークの幅および高さ、放射方向オフセットおよびプロフィルのカッタウェイ断面の横方向深さを特定し、その際に深さは放射方向高さの5%以上且つ幅の30%以下とし、
    (b) プロフィルの接線と水平線とによって規定されるタンジェント角度αを計算で求め、
    (c) 計算で得られたタンジェント角度αの値を所定最小値と比較し、計算値または最小値の大きい方の値に角度を設定し、
    (d) 横方向プロフィルの最小曲率半径を計算で求め、
    (e) 得られた計算値を所定最小半径値と比較し、
    (f) 計算値が最小値よりも大きい場合は半径を大きい方の計算値に設定する。
  15. 角度αの計算値が下記式の値に等しい請求項14に記載の方法:
    Figure 0004955258
    (ここで、HCは上記カッタウェイ断面のラジアル高さに等しく、Dは上記深さである)
  16. 上記最小曲率半径値がウェブスポークの放射方向高さNの20%である請求項14に記載の方法。
  17. 上記半径が放射方向高さの少なくとも20%以上でかつ下記式の値以下である請求項14に記載の方法:
    Figure 0004955258
    (ここで、HCは上記カッタウェイ断面のラジアル高さに等しく、Dは上記深さであり、αはタンジェント角度を表す)
  18. 上記タンジェント角度αの最小値が10°である請求項14に記載の方法。
  19. 上記半径が最小値より小さい場合、 (c)〜(f)の段階を繰り返して、前記タンジェント角度αの値を減らす請求項14に記載の方法。
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