以下、本発明をその一種であるパチンコ球(遊技球)を遊技媒体とするパチンコ式スロットマシンに具体化した一実施形態を図1〜図28に基づき説明する。以下の説明では、パチンコ球を遊技媒体とするパチンコ式スロットマシンを、単に「スロットマシン」という。スロットマシンは、「パチスロ機(回胴式遊技機)」と称される遊技機と同様のゲーム性を有し、遊技媒体としてメダルに代えてパチンコ球を用いるものである。なお、パチスロ機は、遊技者が賭数を設定した後、スタートレバーを操作して図柄変動ゲームを開始させるとともにストップボタンの操作により図柄を停止させ、その停止した図柄の組み合わせが遊技球の払出条件を充足させる賞態様を形成した場合に遊技媒体であるメダルを遊技者に付与するゲーム性を有する。また、パチスロ機及び本実施形態のスロットマシンは、図柄変動ゲームが開始してから賞として付与される遊技媒体の払出しが完了するまでを一遊技単位として図柄変動ゲームが行われる。また、以下の説明において「上」、「下」、「左」、「右」、「前(表)」、「後(裏)」は、特に断らない限り、遊技場に設置した状態のスロットマシンを遊技者側から見た場合(図1の状態)の「上」、「下」、「左」、「右」、「前(表)」、「後(裏)」を示すものとする。
図1には、本実施形態のスロットマシン10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠(内枠)12(図3及び図4参照)が開閉可能に組み付けられている。外枠11は、パチンコ遊技機の外枠と同一サイズの枠とされている。また、中枠12の前面側には、前枠(前面扉)13が開閉可能に組み付けられている。前枠13の右方には、当該前枠13の裏面に設けられた施錠装置(図示しない)によって中枠12及び前枠13を開閉不能に施錠するための上ドアキー14が設けられている。中枠12は、上ドアキー14に挿入したキーを反時計回り方向に回動操作することにより開放できるようになっているとともに、前枠13は、上ドアキー14に挿入したキーを時計回り方向に回動操作することにより開放できるようになっている。また、前枠13の右方であって、上ドアキー14の下部には、異常状態解除手段としての下ドアキー15が設けられており、当該下ドアキー15に挿入したキーを時計回り方向に回動操作することにより各種異常状態(エラー)の解除をすることができるようになっている。また、スロットマシン10の左方側には、当該スロットマシン10を遊技場の島設備に設置した際にカードユニット16が並設されるようになっている。カードユニット16は、遊技球の貸出しに利用される装置であって、プリペイドカードを挿入するカード挿入口16aが設けられている。
次に、前枠13の前面側の構成を図1にしたがって説明する。
前枠13の前面上部には、上部パネル17が設けられているとともに、当該上部パネル17には、賞態様を形成する図柄の組み合わせと当該図柄の組み合わせの入賞時に払出される賞球数などが表記されている。また、上部パネル17の下方には、遊技状態に応じた各種の演出表示を行う演出表示器18が設けられている。演出表示器18は、例えば、液晶ディスプレイで構成されている。また、演出表示器18の左右両側には、前枠13の裏面側に装着されるスピーカ19(図2に示す)から出力される各種の演出効果音を放音するためのスピーカ口20が設けられている。また、上部パネル17の左右及びスピーカ口20の左右には、各種の演出効果光を発する右上部ランプR1と、左上部ランプR2と、枠右ランプR3と、枠左ランプR4が設けられている。
前枠13の前面中央には、下部パネル21が設けられているとともに、当該下部パネル21には、中枠12に装着される図柄表示装置(表示装置)22を透視可能な透視窓23が設けられている。透視窓23は、ガラス板から構成されている。図柄表示装置22は、各種の図柄が印刷された投光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール22Lと、中リール22Cと、右リール22Rとから構成されている(図1及び図3参照)。各リール22L,22C,22Rは、各々に対応して設けられたステッピングモータ(図示しない)により独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リール22L,22C,22Rが回転することによって透視窓23には各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。そして、各リール22L,22C,22Rの回転が停止した場合、透視窓23には、各リール22L,22C,22Rのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示されるようになっている。このため、透視窓23は、各リール22L,22C,22Rにおいて3つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。そして、スロットマシン10には、透視窓23から透視可能な図柄の表示領域において、複数(本実施形態では5本)の入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5が形成されている。
下部パネル21には、各種の遊技情報を表示(報知)する複数の表示用LEDが設けられている。具体的に言えば、透視窓23の左方には、デジタル表示用LED24と、取込球数表示用LED25と、取込可能表示用LED26と、再遊技表示用LED27と、遊技開始表示用LED28と、ウェイト表示用LED29とが設けられている。また、透視窓23の右方には、不足報知手段としての取込不足表示用LED30aと、獲得球数表示用LED30bが設けられている。
デジタル表示用LED24は、7セグメントLEDで構成されており、ボーナスゲーム(ビッグボーナスやレギュラーボーナス)中の払出球数などを表示する。取込球数表示用LED25は、3つのLEDから構成されており、図柄変動ゲームの賭数を設定するために機内に取り込んだ遊技球の球数に応じて1BET(本実施形態では5球)毎にLEDが1つ点灯する。取込可能表示用LED26は、図柄変動ゲームの賭数を設定可能な状態である時に点灯し、最大の賭数(MAXBET)が設定された場合や図柄変動ゲームが開始された場合に消灯する。再遊技表示用LED27は、図柄変動ゲームにおいてリプレイ役(賭数を設定せずに次回の図柄変動ゲームを開始させることができる状態を付与する役)が入賞した場合に点灯する。遊技開始表示用LED28は、図柄変動ゲームを開始させることが可能な状態である時に点灯し、図柄変動ゲームが開始された場合に消灯する。
ウェイト表示用LED29は、ウェイト中にスタート操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、ゲームがあまり速く進行し過ぎてしまうことを規制するために設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リール22L,22C,22Rが始動するように設定されている。したがって、十分な時間間隔を空けて図柄変動ゲームを進行する場合にはスタート操作時に図柄変動ゲームの進行が規制されることはないが、短時間で図柄変動ゲームを進行しようとする場合にはウェイトタイムによって図柄変動ゲームの進行が一時的に規制され、ウェイトタイムが経過するまでの間、リールの始動待ち状態となる。スロットマシン10では、前回の図柄変動ゲームでリールの回転が開始した時点を基準として、例えば4.1秒の最短遊技時間が設定されており、前回の図柄変動ゲームでリールの回転が開始された時点から4.1秒が経過する前に、今回のスタート操作が検出された場合、最短遊技時間が経過した後にリールの回転が開始される。
取込不足表示用LED30aは、賭数を設定する際に、当該賭数に対応して機内に取り込むべき遊技球の個数が不足している場合に点滅する。獲得球数表示用LED30bは、7セグメントLEDで構成されており、図柄変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与される賞球数が表示される。また、獲得球数表示用LED30bは、不正に遊技球の取り込みが行われた時にはこれを報知し、取込情報通知手段として機能する。
下部パネル21の右側下部には、度数表示用LED31と、球貸ボタン32と、返却ボタン33と、球貸可能表示用LED34とが設けられている。度数表示用LED31は、7セグメントLEDで構成されており、カードユニット16のカード挿入口16aに挿入されたプリペイドカードから読み出された度数を表示する。球貸ボタン32は、度数表示用LED31に表示された度数、すなわちカードユニット16に挿入されたプリペイドカードより読み出された遊技用有価価値としての度数を使用して遊技球の球貸しを行う際に押圧するボタンである。返却ボタン33は、カードユニット16に挿入中のプリペイドカードを返却する際に押圧するボタンである。球貸可能表示用LED34は、球貸しが可能な状態である時に点灯する。
前枠13の前面であって、下部パネル21の直下には、遊技球を貯留する上皿35が機前方に向かって突設されているとともに、上皿35の下方には、遊技球を貯留する下皿36が機前方に向かって突設されている。上皿35の左方には、遊技球を上皿35に払出すための上払出口37が設けられているとともに、下皿36の中央には、遊技球を下皿36に払出すための下払出口38が設けられている。
上皿35の上面35aの右側には、取込指示手段としての1BETボタン39が設けられているとともに、上面35aの左側には、取込指示手段としてのMAXBETボタン40が設けられている。1BETボタン39は、上皿35に貯留されている遊技球から最小単位の賭数である1BET分(5球分)を図柄変動ゲームの賭数として賭ける際に押圧するボタンである。MAXBETボタン40は、上皿35に貯留されている遊技球から1回の図柄変動ゲームにおいて許容される賭数の最大数(本実施例では3BET分)を図柄変動ゲームの賭数として賭ける際に押圧するボタンである。また、1BETボタン39の内部には、1BETボタンLED41が内蔵されているとともに、MAXBETボタン40の内部には、MAXBETボタンLED42が内蔵されている。1BETボタンLED41及びMAXBETボタンLED42は、ボタンの操作が受付可能である場合に点灯し、受付不可である場合に消灯する。
上皿35の前面35bの左側には、図柄変動ゲームを開始する際に操作する開始操作手段としてのスタートレバー43が設けられている。そして、スロットマシン10では、賭数の設定終了後(遊技開始表示用LED28の点灯後)にスタートレバー43を操作することにより、各リール22L,22C,22Rの回転が開始されるようになっている。
上皿35の前面35bの中央には、ストップボタン(停止ボタン)44L,44C,44Rが設けられている。ストップボタン44L、44C、44Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リール22L、22C、22Rに対応して3個のストップボタンがある。ストップボタン44Lの内部にはストップボタンLED45Lが内蔵されているとともに、ストップボタン44Cの内部にはストップボタンLED45Cが内蔵されており、さらにストップボタン44Rの内部にはストップボタンLED45Rが内蔵されている。ストップボタンLED45L,45C,45Rは、対応するストップボタン44L、44C、44Rの操作が受付可能である場合に青色に点灯し、操作が受付不可である場合に赤色に点灯する。
上皿35の前面35bの右側には、上皿35に貯留された遊技球(図2に示す取込装置100に入った遊技球を含む)を下皿36に排出するための上皿球抜きボタン46が設けられている。また、下皿36の前面36aには、下皿36に貯留された遊技球を外部に排出するための下皿球抜きレバー47が設けられている。また、前枠13の左側下部には、精算スイッチ48が設けられている。精算スイッチ48は、機内に取り込まれた遊技球が5球又は10球の場合に遊技球の払戻しをするときに使用するスイッチである。
次に、前枠13の後面側の構成を図2にしたがって説明する。
前枠13の後面上部には、サブ制御基板50と、演出表示制御基板51とが装着されている。サブ制御基板50は、スピーカ19の出力態様と、各ランプR1〜R4の発光態様を制御する。また、演出表示制御基板51は、サブ制御基板50に接続されており、演出表示器18の表示内容を制御する。また、前枠13の後面であって、透視窓23の下方(図2において左下方)には、球貸操作基板52が装着されている。球貸操作基板52には、度数表示用LED31と、球貸ボタン32と、返却ボタン33と、球貸可能表示用LED34とが実装されている。また、球貸操作基板52の下方には、機内に遊技球を取り込むための取込装置100が装着されている。
前枠13の後面であって、図2において右側には、上皿35に形成された上払出口37(図1に示す)と連通する遊技球払出口通路上54が形成されている。また、遊技球払出口通路上54の下方には、上皿35が満杯になることによって溢れた遊技球が下皿36に流下する際に通過する遊技球払出口通路下55が形成されている。また、前枠13の後面には、遊技球払出口通路下55と下皿36の下払出口38とを連通する払出通路56が形成されている。遊技球払出口通路下55を通過した遊技球(上皿35の満杯時に溢れた遊技球)は、払出通路56を流下した後、下払出口38を介して下皿36に払出される。また、前枠13の後面であって、図2において左側(取込装置100の下方)には、取込装置100の動作により機内に取り込まれた遊技球を島設備に設置したアウト球タンクに排出するための遊技球内部排出通路57が形成されている。また、取込装置100の下方には、当該取込装置100の球抜き口113(図7及び図8に示す)と払出通路56とを連通する返却通路58が形成されている。上皿35の上皿球抜きボタン46(図1に示す)が操作された場合には、当該上皿35の遊技球が取込装置100の取込排出口を介して返却通路58に排出されるとともに当該返却通路58を流下し、払出通路56を介して下皿36に排出される。
次に、中枠12の前面側の構成を図3にしたがって説明する。
中枠12の前面上部には、貸し球及び賞球の払出しを制御する払出制御基板59が装着されている。また、中枠12の中央には、左リール22Lと、中リール22Cと、右リール22Rとから構成される図柄表示装置22が装着されている。また、中枠12の左側には、前枠13の遊技球払出口通路上54と連通する遊技球内部払出口上60と、前枠13の遊技球払出口通路下55と連通する遊技球内部払出口下61とが設けられている。また、中枠12の下部には、前枠13の遊技球内部排出通路57と連通する遊技球排出口62が当該中枠12の内部を貫通するように形成されている。
次に、中枠12の後面側の構成を図4にしたがって説明する。
中枠12の後面上部には、スロットマシン10が設置される島設備から補給される遊技球が貯留される遊技球補給タンク63が設けられている。図4において遊技球補給タンク63の右側下方には、樋部材64が上下方向に延設されているとともに、当該樋部材64には遊技球補給タンク63に連設するように第1遊技球補給通路65と第2遊技球補給通路66が形成されている。第1遊技球補給通路65と第2遊技球補給通路66は、前後方向に2条形成されているとともに、遊技球補給タンク63からカーブを描く形状で、かつスロットマシン10の下方に向かって延設されている。また、樋部材64には、第1遊技球補給通路65の下流端(下流側口)に連設するように払出装置としての第1払出装置67が設けられているとともに、第2遊技球補給通路66の下流端(下流側口)に連設するように払出装置としての第2払出装置68が設けられている。第1払出装置67及び第2払出装置68は、遊技球補給タンク63に貯留された遊技球を機外(上皿35又は下皿36)に払出す装置である。本実施形態のスロットマシン10では、同一構成をなす2台(複数台)の払出装置(第1払出装置67と第2払出装置68)が設けられている。第1払出装置67と第2払出装置68は、中枠12の後面であって、図4において右側中段に、2台の払出装置が前後方向に並設されている。
また、第1遊技球補給通路65と第2遊技球補給通路66には、球抜きレバー69が設けられている。また、樋部材64には、球抜きレバー69の操作によって遊技球補給タンク63及び各遊技球補給通路65,66の一部に貯留された遊技球を島設備に設置されたアウト球タンクに排出する球抜き通路70が形成されている。球抜き通路70の下流側には、当該球抜き通路70を流下した遊技球を排出する樋排出口70aが形成されている。なお、本実施形態のスロットマシン10では、1つの球抜きレバー69で各遊技球補給通路65,66を球抜きできるようになっている。また、第1遊技球補給通路65の上流側には、当該第1遊技球補給通路65における遊技球の有無を検出する第1球切れセンサ71が設けられているとともに、第2遊技球補給通路66の上流側には、当該第2遊技球補給通路66における遊技球の有無を検出する第2球切れセンサ72が設けられている。
また、樋部材64には、第1払出装置67及び第2払出装置68の下方に連設するように球排出通路73(図6に示す)が設けられているとともに、当該球排出通路73の下方に連設するように遊技球内部払出口上60及び遊技球内部払出口下61を有する球受け部74(図6に示す)が設けられている。また、球受け部74には、満杯センサ75が設けられている。満杯センサ75は、下皿36(払出通路56を含む)が遊技球で満杯になったか否かを検出する。
ここで、第1払出装置67と第2払出装置68の構成を図5にしたがって説明する。
第1払出装置67は、第1遊技球補給通路65から流下供給される遊技球を1球ずつ整列状態で下流側の球排出通路73へ排出する第1球通路67aを備えている。第1球通路67aの途中には、当該第1球通路67aの遊技球の存在を確認する第1上センサ67bと第1払出装置67から排出される遊技球を検出する媒体検出手段としての第1下センサ67cとが所定間隔をおいて配設されているとともに、第1上センサ67bと第1下センサ67cの間で第1球通路67a内に臨むようにして外周部に第1球受け部67dが凹設された爪車式の第1球送りスプロケット67eが回転自在に支持されている。
また、第1球送りスプロケット67eの第1球受け部67dには、第1ばね67fにより図5において時計方向へ回動付勢された第1ストッパ67gの先端が係合されているとともに、第1ストッパ67gの近傍には払出制御基板59からの制御信号を受けて励磁(ON)・消磁(OFF)作動する第1払出ソレノイド67hが配設されている。第1ストッパ67gは、第1払出ソレノイド67hの励磁又は消磁により揺動し、第1球送りスプロケット67eの回転又は回転規制を行う。
図5(a)は、払出動作停止時の第1払出装置67を示す図である。図5(a)の状態では、第1球送りスプロケット67eに第1ストッパ67gが係合することにより、第1球送りスプロケット67eの回転が規制されているため、遊技球の払出しは行われない。また、図5(a)の状態で第1上センサ67bは、遊技球を検出する。図5(b)は、払出動作開始時の第1払出装置67を示す図である。図5(b)の状態では、第1払出ソレノイド67hがONされることによって第1球送りスプロケット67eの規制状態が解除されるため、第1上センサ67bにより検出していた遊技球の重さにより、第1球送りスプロケット67eが回転して遊技球が払出される。図5(c)は、払出動作中の第1払出装置67を示す図である。図5(c)の状態では、第1払出ソレノイド67hが所定時間経過後にOFFされ、当該OFFととも第1ストッパ67gが第1球送りスプロケット67eに係合し、第1球送りスプロケット67eの回転が停止する。図5(d)は、払出動作終了時の第1払出装置67を示す図であり、払出動作終了時の第1払出装置67は図5(a)に示す払出動作停止時と同じ状態となる。そして、図5(a)の状態から図5(d)の状態になると、1球の遊技球の払出しが完了する。
第2払出装置68の構成は、前述した第1払出装置67の構成と同一構成である。このため、第2払出装置68の構成は、前述の説明中における「第1球通路67a」を「第2球通路68a」に、「第1上センサ67b」を「第1上センサ68b」に、「第1下センサ67c」を「第2下センサ68c」に、「第1球受け部67d」を「第2球受け部68d」に夫々読み替えることで説明される。また、第2払出装置68の構成は、前述の説明中における「第1球送りスプロケット67e」を「第2球送りスプロケット68e」に、「第1ばね67f」を「第2ばね68f」に、「第1ストッパ67g」を「第2ストッパ68g」に、「第1払出ソレノイド67h」を「第2払出ソレノイド68h」に夫々読み替えることで説明される。そして、本実施形態では、第1球送りスプロケット67e(第2球送りスプロケット68e)と、第1ばね67f(第2ばね68f)と、第1ストッパ67g(第2ストッパ68g)と、第1払出ソレノイド67h(第2払出ソレノイド68h)とにより、遊技球を1個ずつ払出し可能な媒体払出手段が構成されている。また、本実施形態では、図5(b)に示すように第1払出ソレノイド67hがONされた状態が1球の遊技球の払出しを許容する払出許容状態となる。また、本実施形態では、図5(a)又は図5(d)に示すように第1払出ソレノイド67hがOFFされた状態が1球の遊技球の払出しを規制する払出規制状態となる。
図6(a)に示すように、遊技球補給タンク63内に貯留された遊技球は、第1遊技球補給通路65及び第2遊技球補給通路66において均一に2条に分流されるとともに、左右方向にカーブを描くように転動した後、第1払出装置67及び第2払出装置68に供給される。そして、第1払出装置67からは、第1球送りスプロケット67eの回転により送り出された遊技球が第1下センサ67cで検出された後、球排出通路73を介して球受け部74の遊技球内部払出口上60に向かって排出される。また、第2払出装置68からは、第2球送りスプロケット68eの回転により送り出された遊技球が第2下センサ68cで検出された後、球排出通路73を介して球受け部74に排出される。そして、球受け部74に払出された遊技球は、遊技球内部払出口上60から遊技球払出口通路上54(図2に示す)を通過し、上払出口37(図1に示す)をとおって上皿35に払出される。なお、貸し球としての遊技球及び賞球としての遊技球は、いずれも同じ経路を辿って上皿35に払出される。
また、図6(b)に示すように、上皿35が遊技球で満杯になった場合には、球受け部74に排出された遊技球が溢れ球となり、遊技球内部払出口下61に排出される。そして、溢れ球は、遊技球内部払出口下61から遊技球払出口通路下55(図2に示す)を通過し、払出通路56をとおって下払出口38(図1に示す)から下皿36に払出される。また、図6(c)に示すように、球抜きレバー69が操作された場合、遊技球は、球抜き通路70を流下し、樋排出口70aから島設備に設置されたアウト球タンクに排出される。
また、図4に示すように中枠12の後面上部であって、遊技球補給タンク63の下方には、スロットマシン10全体を制御するメイン制御基板76が装着されている。また、中枠12の後面中央であって、図2において図柄表示装置22の右方には、スロットマシン10の各種構成部材(各種基板や演出装置など)に電源を供給する電源基板77が装着されている。また、電源基板77の右方には、カードユニット16が接続されるカードユニット接続端子板78が装着されている。また、図柄表示装置22の下方には、遊技球排出口62(図3に示す)を有する遊技球排出通路79が形成されている。
次に、遊技者が遊技(ゲーム)を行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
遊技を開始させる場合は、対応するカードユニット16のカード挿入口16aにプリペイドカードを挿入する。これに基づき挿入されたプリペイドカードから読み出された度数が度数表示用LED31に表示される。この状態で球貸ボタン32を操作すると、プリペイドカードから読み出されて度数表示用LED31に表示されている度数のうち所定の貸出単位分(本実施例では2度)が減算され、その減算された度数に該当する球数(50球)の遊技球が第1払出装置67及び第2払出装置68によって上皿35に払出される。
賭数の設定が可能な状態においては、1BETボタンLED41及びMAXBETボタンLED42が点灯するようになっており、この状態において1BETボタン39及びMAXBETボタン40の操作が受付可能となる。そして、賭数を設定するには、1BETボタン39又はMAXBETボタン40を押圧する。1BETボタン39が押圧された場合には、上皿35に貯留された遊技球から、1BET分の球数(本実施例では5球)の遊技球が取込装置100の動作によって機内に取り込まれて1BET分の賭数が設定される。一方、MAXBETボタン40が押圧された場合には、上皿35に貯留された遊技球から、本実施形態で1回の図柄変動ゲームにおいて許容される賭数の最大数に該当する3BET分の球数(本実施例では15球)の遊技球が取込装置100の動作によって機内に取り込まれて3BET分の賭数が設定される。
本実施形態のスロットマシン10では、図1に示すように5本の入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5を定めている。そして、遊技者により1BETボタン39が押圧されると、賭数が1BETに設定されるとともに中段の横1列の入賞ラインL1が有効とされ、この入賞ラインL1が有効となった旨を示す取込球数表示用LED25が左から1個点灯する。入賞ラインが有効になるとは、当該入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが有効となることで、有効な入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に賞球が払出される。また、遊技者により1BETボタン39が続けて押圧されると、賭数が2BETに設定されるとともに上段、中段及び下段の横3列の入賞ラインL1,L2,L3が有効とされ、これらの入賞ラインL1〜L3が有効となった旨を示す取込球数表示用LED25が左から2個まで点灯する。さらに、遊技者により1BETボタン39が続けて押圧されるか、又はMAXBETボタン40が押圧されると、賭数が3BETに設定されるとともに上段、中段及び下段の横3列の入賞ラインL1〜L3に加えて斜め対角線上の2つの入賞ラインL4,L5が有効とされ、これらの入賞ラインL1〜L5が有効となった旨を示す取込球数表示用LED25が全部点灯する。なお、賭数が最大数である3BETに設定された場合には、それを越える賭数を設定することはできないため、取込可能表示用LED26、1BETボタンLED41及びMAXBETボタンLED42は消灯する。
上記のように少なくとも最小数である1BETの賭数が設定された時点でスタートレバー43の操作が受付可能な状態、すなわち、図柄変動ゲームが開始可能な状態となる。また、スタートレバー43の操作が受付可能な状態になった旨を示す遊技開始表示用LED28が点灯する。そして、遊技開始表示用LED28が点灯している状態、すなわち賭数が1BET以上設定されており、図柄変動ゲームを開始可能な状態でスタートレバー43を操作すれば、図柄表示装置22の各リール22L、22C、22Rが回転し、透視窓23には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リール22L、22C、22Rの回転が開始されてから所定時間が経過すると、各ストップボタン44L,44C,44Rの操作が受付可能になり、これら各ストップボタン44L,44C,44Rの操作が受付可能になった旨を示す各ストップボタンLED45L,45C,45Rが青色に点灯する。そして、各ストップボタンLED45L,45C,45Rが青色に点灯している状態で遊技者がいずれかのストップボタン44L,44C,44Rを押圧すれば、対応するストップボタンLED45L,45C,45Rが赤色に点灯するとともに、対応するリール22L、22C、22Rの回転が停止され、透視窓23からは対応する列の上段、中段及び下段に図柄が表示される。なお、遊技者がストップボタン44L,44C,44Rを押圧しない場合には、予め定めた時間(例えば30秒)が経過した時点で各リール22L,22C,22Rが自動的に順次停止する。
そして、全てのリール22L、22C、22Rが停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定めた賞態様を形成する図柄の組み合わせが表示された場合は入賞となり、入賞した賞態様に応じた個数の遊技球が遊技者に対して付与される。賞球は、第1払出装置67及び第2払出装置68の作動により、機内から払出される。また、付与された賞球数は、獲得球数表示用LED30bに表示される。また、特に予め定められた特別図柄の組み合わせが表示されて大当り入賞した場合等にあっては、通常遊技状態とは異なり、遊技者にとって有利な、すなわち大量の賞球を獲得できる特別遊技状態が発生し、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームが遊技者に対して遊技価値として付与される。
ここで、ビッグボーナスは、当該ビッグボーナスが作動することとなる図柄が有効とされた入賞ラインL1〜L5の何れかに表示された場合に行う特別遊技をいう。ビッグボーナスが作動することとなる図柄が有効とされた入賞ラインL1〜L5の何れかに表示された場合、ビッグボーナス開始演出を行ったあと、レギュラーボーナスを作動させる。ここで、レギュラーボーナスは、レギュラーボーナス終了条件を満たした場合に作動を終了する。レギュラーボーナス終了条件とは、12回の遊技を行った場合、6回の入賞があった場合、又はビッグボーナス終了条件が成立した場合のいずれかとする。また、ビッグボーナス終了条件とは、当該ビッグボーナスの作動開始からの遊技球払出球数が1575球を超えた場合となっている。そして、レギュラーボーナスの作動を終了させてなおビッグボーナス終了条件が成立していない場合は、所定時間経過後にレギュラーボーナスを再び作動させる。そして、レギュラーボーナス作動中においてビッグボーナス終了条件が成立した場合は、ビッグボーナス終了演出を行ったあと、ビッグボーナスの作動を終了させる。なお、レギュラーボーナスとは、当該レギュラーボーナスが作動することとなる図柄が有効ライン上に表示された場合に行う特別遊技をいう。レギュラーボーナスが作動することとなる図柄が有効とされた入賞ラインL1〜L5の何れかに表示された場合、レギュラーボーナス開始演出を行ったあと、12回の遊技を行った場合、又は6回の入賞があった場合に作動を終了する。なお、レギュラーボーナス中は、図柄抽選が特定の図柄の組み合わせだけ表示可能とされ、特定の図柄組み合わせのうちのある図柄組み合わせの当選確率が高くなっている。
遊技球が取り込まれた状態で精算スイッチ48を操作すると、取り込まれた遊技球と同数の遊技球が第1払出装置67及び第2払出装置68の作動によって上払出口37から上皿35へ払出される。なお、上皿35が満杯の状態である場合、遊技球は下払出口38から下皿36へ払出される。また、上皿35から下皿36への返却に関しては、上皿球抜きボタン46を操作することにより行われる。
次に、本実施形態のスロットマシンに搭載された取込装置100の具体的な構成について図7に基づいて説明する。
図7に示すように、取込装置100は、前面開口した略矩形状のベース部材101と、ベース部材101に揺動可能に配設される樋形状の遊技球収容部材102と、ベース部材101の開口側を覆蓋保護するカバー部材103とを備えている。
ベース部材101の上面には、遊技球収容部材102と連結される軸体(図示せず)を有するソレノイド104が設けられている。また、ベース部材101の内部には、遊技球の有無を検出し得る収容検出手段としての収容検出センサ105〜109の発光部105a〜109aが縦一列に配置されているとともに、発光部105a〜109aの左方には、遊技球収容部材102の揺動位置を検出する位置検出手段としての位置検出センサ110が配置されている。なお、位置検出センサ110は後述する位置検出片110a(図8(a)参照)の有無を被接触で検出するフォトセンサである。また、ベース部材101の図7における底部左方には、遊技球が通過可能な大きさに形成された第1排出口111が設けられるとともに、底部右方には、第2排出口112が設けられている。また、第1排出口111と第2排出口112との間には、取込装置100に収容されている遊技球を下皿36に返却する球抜き口113が設けられている。第1排出口111には、通過した遊技球を検出する取込検出手段としての第1取込検出センサ(第1取込検出器)114が設けられるとともに、第2排出口112には、取込検出手段としての第2取込検出センサ(第2取込検出器)115が設けられている。そして、ベース部材101の図7における右側側面には、後述する閉塞部材124を軸支する軸受け部116a、116bが上下に2箇所形成されている。
遊技球収容部材102の上面には、ソレノイド104の軸体が挿入可能な軸受け孔部117が形成されている。また、遊技球収容部材102は、1BET分(本実施形態では5球)の遊技球を収容可能な第1遊技球収容部118と、第2遊技球収容部119が設けられている。図7において、第1遊技球収容部118は、上側を第1球入口118aとし、下側を第1球出口118bとしている。また、第2遊技球収容部119は、上側を第2球入口119aとし、下側を第2球出口119bとしている。第1遊技球収容部118及び第2遊技球収容部119は、遊技球が通過可能な幅の半円弧形状の溝であり、溝の長手方向における長さは遊技球の直径5球分に相当している。第1遊技球収容部118には、遊技球収容部材102をベース部材101に組み付けた状態において、発光部105a〜109aと対向可能な位置に、発光部105a〜109aからの光が通過可能な大きさに形成された光通過孔120a〜120eが形成されている。第2遊技球収容部119には、遊技球収容部材102をベース部材101に組み付けた状態において、発光部105a〜109aと対向可能な位置に、光通過孔121a〜121eが形成されている。また、図8(a)に示すように、遊技球収容部材102の裏面上方には、位置検出センサ110により検出される被検出部としての位置検出片110aが突設されている。
カバー部材103の上方には、上皿35から流入されてきた遊技球を搬送する遊技球搬送路122が図における左方から右下方向へと曲げられる態様で設けられるとともに、遊技球搬送路122は、遊技球が通過可能な流入部としての流入口123と連通している。流入口123は、取込装置100を組み立てた際に、遊技球収容部材102の左右何れかの揺動状態において、各遊技球収容部の第1球入口118a又は第2球入口119aと対向し得る位置に形成されている。また、カバー部材103の図における手前側には、収容検出センサ105〜109の受光部105b〜109bが、発光部105a〜109aと対向する位置に設けられている。
閉塞部材124は、正面視逆L字の平板状に形成されている。そして、閉塞部材124には、当該閉塞部材124をベース部材101に組み付けた際に球抜き口113を閉塞し得る移動規制板124aが設けられている。また、閉塞部材124には、当該閉塞部材124をベース部材101に組み付ける際に軸受け部116a,116bに軸支される一対の軸部124b,124cを有する作用部124dが設けられている。閉塞部材124は、軸受け部116a,116bに軸部124b,124cが軸支されることにより、ベース部材101に対して揺動可能に組み付けられる。
次に、取込装置100における遊技球の動きについて図8を参照して説明する。図8は、図7で示したカバー部材103から、遊技球収容部材102と対向する部分を取り除いた場合の断面図である。
図8(a)は、遊技球収容部材102が、ベース部材101の軸体を中心として右に揺動した状態を示している。このとき、遊技球収容部材102は、第1遊技球収容部118の第1球入口118aと流入口123とが連通しているとともに、第2遊技球収容部119の第2球出口119bと第2排出口112とが連通している。また、第1球出口118bと球抜き口113との間には、移動規制板124aが位置しており、第1球出口118bと球抜き口113との連通は妨げられている。つまり、遊技球収容部材102が図8(a)に示す状態である時には、第1遊技球収容部118が流入口123からの遊技球を受け入れて収容する収容位置に存在しており、第2遊技球収容部119が遊技球を排出する排出位置に存在している。
そして、図8(b)に示すように、遊技球が、遊技球搬送路122を経由して、流入口123から第1遊技球収容部118に流入すると、遊技球は移動規制板124aにより取込装置100からの排出が妨げられているので、第1遊技球収容部118に1BET分収容される。このとき、収容検出センサ105〜109の発光部105a〜109aから出る光は5球の遊技球により遮られるため、受光部105b〜109bは光を検出しない。そのため、収容検出センサ105〜109は、夫々遊技球が第1遊技球収容部118に有ることを検出している状態、すなわち、オンになりメイン制御基板76に検出信号を入力する。
図8(c)は、遊技球収容部材102が、ソレノイド104の作動により、図8(a)の状態からベース部材101の軸体を中心として左に揺動した状態を示している。このとき、遊技球収容部材102は、第2遊技球収容部119の第2球入口119aと流入口123とが連通しているとともに、第1遊技球収容部118の第1球出口118bと第1排出口111とが連通している。また、第2球出口119bと球抜き口113との間には、移動規制板124aが位置しており、第2球出口119bと球抜き口113との連通は妨げられている。つまり、遊技球収容部材102が図8(c)に示す状態である時には、第2遊技球収容部119が流入口123からの遊技球を受け入れて収容する収容位置に存在しており、第1遊技球収容部118が遊技球を排出する排出位置に存在している。
図8(c)の状態において、第1遊技球収容部118に収容された5個の遊技球は、図8(d)に示すように、第1球出口118bから第1排出口111を通過して機内に取り込まれる。このとき、第1遊技球収容部118に収容された遊技球は、第1排出口111から排出される毎に当該第1排出口111に設けられた第1取込検出センサ114で検出される。第1取込検出センサ114は、遊技球を検出する毎に、検出信号をメイン制御基板76に出力する。一方、第2遊技球収容部119に流入口123を通過した遊技球が第2球入口119aから流入して1BET分収容される。
取込装置100は、遊技球が収容された遊技球収容部が収容位置から排出位置に動作することにより、1BET分の遊技球を排出する。この取込装置100の動作により、1BET分の遊技球が機内に取り込まれたことになる。したがって、取込装置100は、収容位置に存在する遊技球収容部が排出位置に揺動する動作を3回行うことにより、3BET分の遊技球を機内に排出し得ることになる。なお、収容位置に存在する遊技球収容部に収容された遊技球は、待機状態(取込準備状態)とされており、この状態においては機内へ取り込まれていないことになる。待機状態において上皿球抜きボタン46を操作すると、第1遊技球収容部118が収容位置にある場合には、閉塞部材124が揺動することに伴って、移動規制板124aが第1球出口118bと球抜き口113の間から離間する。また、待機状態において上皿球抜きボタン46を操作すると、第2遊技球収容部119が収容位置にある場合には、閉塞部材124が揺動することに伴って、移動規制板124aが第2球出口119bと球抜き口113の間から離間する。そして、球抜き口113の閉塞状態が解除されることにより、収容位置に存在する遊技球収容部に収容された遊技球を、返却通路58から下皿36に返却することができる。
次に、スロットマシン10の制御構成(電気的構成)を図9にしたがって説明する。
スロットマシン10に搭載された各種基板のうち、メイン制御基板76によって遊技状態の制御と遊技球の取込制御が実行されるとともに、サブ制御基板50によって遊技状態に応じた演出制御等が実行され、さらに払出制御基板59によって球貸し及び賞球の発生による遊技球の払出制御が実行される。電源基板77には、スロットマシン10の外部から電源が供給される。そして、電源基板77には、サブ制御基板50、払出制御基板59、メイン制御基板76及びカードユニット接続端子板78が接続されており、これらの各基板50,59,76,78は電源基板77を介して電源が供給されるようになっている。メイン制御基板76には、図柄表示装置22を構成する各リール22L,22C,22R、サブ制御基板50、払出制御基板59が接続されている。また、メイン制御基板76には、下部パネル21に設けられた各種表示用LED24〜30a,30bが接続されている。また、メイン制御基板76には、1BETボタン39と、MAXBETボタン40と、スタートレバー43と、各ストップボタン44L,44C,44Rと、精算スイッチ48とが接続されている。また、メイン制御基板76には、取込装置100における収容検出センサ105〜109、位置検出センサ110、取込検出センサ114,115、ソレノイド104が接続されている。
サブ制御基板50には、演出表示制御基板51を介して演出表示器18が接続されている。また、サブ制御基板50には、スピーカ19や、各種ランプR1〜R4が接続されている。
払出制御基板59には、第1払出装置67(第1上センサ67a、第1下センサ67b、第1払出ソレノイド67h)と、第2払出装置68(第2上センサ68a、第2下センサ68b、第2払出ソレノイド68h)と、第1球切れセンサ71と、第2球切れセンサ72と、満杯センサ75とが接続されている。また、払出制御基板59には、カードユニット接続端子板78が接続されているとともに、当該カードユニット接続端子板78には、球貸操作基板52(度数表示用LED31、球貸ボタン32、返却ボタン33、球貸可能表示用LED34)が接続されている。また、カードユニット接続端子板78には、スロットマシン10に並設されるカードユニット16が信号ケーブルを介して各種信号を送受可能に接続されるようになっている。
メイン制御基板76には、制御動作を所定の手順で実行することのできるメインCPU(Central Processing Unit )76aと、メインCPU76aの制御プログラムを格納するメインROM(Read Only Memory)76bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるメインRAM(Random Access Memory)76cと、メインCPU76aと外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート(図示しない)とが設けられている。
また、メイン制御基板76には、初期リセット回路と、クロック発生回路と、パルス分周回路(割込パルス発生回路)と、乱数発生回路とが設けられている。これらの回路は、何れも図示していない。初期リセット回路は、電源投入時にメインCPU76aにリセットパルスを与える。クロック発生回路は、メインCPU76aにクロック信号を与える。パルス分周回路は、クロック発生回路からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にメインCPU76aに与える。乱数発生回路は、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生する。さらに、メイン制御基板76には、何れも図示しない入力回路やモータ回路等が設けられている。
メインRAM76cには、各表示用LED24〜30a,30bに表示するべき情報、賭数、内部当選フラグ等、遊技に必要な情報が記憶されるとともに、必要に応じて読み出されるようになっている。
メインROM76bには、メインCPU76aの制御プログラムに加えて、各遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態)別に入賞図柄の組み合わせ、獲得遊技球の球数、対応する内部当選フラグ等が定められた入賞判定テーブルと、各遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態)別並びに各入賞役別の内部当選確率が内部抽選処理において読み込んだ内部抽選用乱数値の割り当て範囲として定められた内部当選確率テーブル、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームの作動終了条件が記憶されている。
さらに、メインROM76bには、各リール22L、22C、22Rの図柄番号毎に、各リール22L、22C、22Rの停止操作がなされてから該当するリールが停止するまでに移動する図柄のコマ数が、遊技状態、当選番号、停止操作回胴、及び停止順番に基づいて選択される停止位置テーブルが記憶されている。 メイン制御基板76からサブ制御基板50へは、出力バッファを介してメインCPU76aが制御する遊技状態を特定可能な各種コマンドが出力される。出力バッファは、メイン制御基板76の内部から外部への信号の出力を許容するがメイン制御基板76の外部から内部へ信号が入力されることを阻止するように機能する。このため、メイン制御基板76とサブ制御基板50との間において、メイン制御基板76からサブ制御基板50への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介してメイン制御基板76に不正信号を入力させて不正な制御動作を行わせる不正行為を防止できる。
メイン制御基板76のメインCPU76aから払出制御基板59へは、出力バッファを介してパチンコ球の払出の指示とその際の払出球数を示す払出制御コマンドが出力される。一方、払出制御基板59からメイン制御基板76のメインCPU76aに対しては、払出制御基板59の状態を表す払出状態コマンドが、入力バッファを介して入力される。
スタートレバー43の検出信号は、メイン制御基板76に搭載された入力回路を介してメインCPU76aに入力される。メインCPU76aは、スタートレバー43の検出信号を受け、モータ回路を介して回胴モータ信号を出力する。回胴モータ信号は、各リール22L、22C、22R別に設けられた各ステッピングモータ(図示しない)に入力される。これにより、各リール22L、22C、22Rが回転し始める。
また、メインCPU76aは、スタートレバー43の検出信号が入力されたタイミングで乱数発生回路から1個の乱数を読み込む。そして、メインCPU76aは、その読み込んだ乱数と、メインROM76b内に格納されている内部当選確率テーブルとを参照して、入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選処理を実行し、入賞の発生を許容するか否かを入賞役別に決定し、その決定結果をメインRAM76cに記憶させる。これにより、スタート操作がされたタイミングとほぼ等しいタイミングで、内部抽選処理が実施され、入賞役の当選の有無が決定される。その後、メインCPU76aは、入賞役別の当選結果に応じて各リール22L,22C,22Rを制御する。
また、各ストップボタン44L、44C、44Rから出力されたストップボタン信号は、メイン制御基板76に搭載された入力回路を介してメインCPU76aに入力される。ストップボタン信号を入力したメインCPU76aは、モータ回路を介してストップボタン信号に対応するステッピングモータを停止させるための回胴モータ信号を出力する。
また、1BETボタン39及びMAXBETボタン40から出力されたBET信号は、メイン制御基板76に搭載された入力回路を介してメインCPU76aに入力される。そして、メインCPU76aは、遊技球の取り込み可能な状態においてBET信号を入力することにより、取込装置100を制御し、機内に遊技球を取り込むとともに賭数を設定する。また、メインCPU76aは、遊技状態や払出状態に応じて、各表示用LED24〜30a,30bの点灯を制御する。
また、取込装置100に設けられている収容検出センサ105〜109が何れかの遊技球収容部にて遊技球を5球検知すると、収容検出センサ105〜109からメイン制御基板76へ検出信号を送信する。メイン制御基板76は、検出信号によって遊技球収容部にて遊技球を5球検知した状態が26.2682ms以上継続していることによって、取込装置100からスロットマシン10へと遊技球が取り込み可能な状態である取込準備状態に制御する。なお、メイン制御基板76は、収容検出センサ105〜109が、遊技球5球を検知している状態が26.2682ms未満の場合には、取込装置100が遊技球の取込受付不可の状態に制御する。
遊技球が取込準備状態において、1BETボタン39、またはMAXBETボタン40が押圧されることによりメイン制御基板76に対してBET信号を送信する。ここで、メイン制御基板76は位置検出信号を受信してソレノイド104を左右何れかの方向に作動させるかを決定し、取込装置100に対してソレノイド信号を送信してソレノイド104によって遊技球収容部材102を揺動させて、取込準備球を第1排出口111又は第2排出口112からスロットマシン10に取り込む。そして、取込装置100の第1排出口111及び第2排出口112に設けられた第1取込検出センサ114又第2取込検出センサ115によって遊技球を検知して取込検出センサ信号をメイン制御基板76に送信する。メイン制御基板76は、取込検出センサ信号を受けることで賭数を設定する。また、MAXBETボタン40が押圧されたときのように連続して遊技球を取り込む場合には、上記の処理を複数回実行することで行う。
また、メイン制御基板76は、第1取込検出センサ114又は第2取込検出センサ115で遊技球を検出する時間(計測監視時間)を管理している。具体的には、1回の遊技球取込動作を開始してから1876.3ms経過しても、第1取込検出センサ114又は第2取込検出センサ115が排出位置に存在する遊技球収容部の遊技球(規定遊技球数である5球の遊技球)を検出できない場合にはエラーとなる。
サブ制御基板50には、何れも図示しないサブCPU、サブROM及びサブRAMと、各スピーカ19から音を出力させるためのスピーカ駆動回路と、各ランプR1〜R4を点灯又は点滅させるための発光駆動回路とが搭載されている。サブRAMには、メイン制御基板76から送信される各種コマンドに基づく遊技状態等、遊技に伴う演出に必要な情報が記憶される。サブROMには、メイン制御基板76から送信される各種コマンドの内容を特定可能なデータが格納されたコマンドテーブルが記憶されているとともに、メイン制御基板76から送信されるコマンドに対応して各部の制御パターンを定めた制御パターンテーブルが記憶されている。サブCPUは、メイン制御基板76よりコマンドを受信した場合に、受信したコマンドにより特定される遊技状態並びにその時点で設定されている演出パターンに応じた制御パターンを抽出し、この抽出した制御パターンに応じて演出表示器18、スピーカ19、及び各ランプR1〜R4を制御する。
払出制御基板59には、払出CPU59aと、制御プログラムを格納する払出ROM59bと、必要なデータの書き込み及び書き出しができる払出RAM59cとが設けられている。
また、払出制御基板59には、払出制御基板59に接続された各種センサからの信号を入力する信号入力回路と、第1払出装置67の第1払出ソレノイド67h及び第2払出装置68の第2払出ソレノイド68hを駆動する払出装置駆動回路とが設けられている。また、払出制御基板59には、メイン制御基板76からの制御コマンド(払出制御コマンド、初期化要求コマンド、復帰要求コマンド)を入力するコマンド入力回路と、メイン制御基板76に対して制御コマンド(払出状態コマンド)を出力するコマンド出力回路とが設けられている。また、払出制御基板59には、カードユニット16との信号の入出力を行う入出力回路が設けられている。
払出制御コマンドは、遊技球の払出数を指定するコマンドであり、払出CPU59aは、払出制御コマンドを受信することで、当該受信した払出制御コマンドに対応する払出球数に相当する遊技球の払出処理を行う。初期化要求コマンドは、払出RAM59cの初期化を指示するコマンドであり、電源投入時にメイン制御基板76から出力される。復帰要求コマンドは、電源断時の状態への復帰を指示するコマンドであり、電源復帰時にメイン制御基板76から出力される。払出状態コマンドは、払出状態をメイン制御基板76に対して通知するためのコマンドである。
また、払出制御基板59には、払出状態を表示するための払出状態表示用LED80が設けられているとともに、球貸し状態を表示するための球貸表示用LED81が設けられている。これらの表示用LED80,81は、何れも図10に図示している。また、払出RAM59cには、未払出球数や、払出制御に必要な情報が記憶されるとともに、必要に応じて読み出されるようになっている。また、払出ROM59bには、メイン制御基板76から送信される払出制御コマンドにより指示される払出球数が登録されたコマンドテーブルが記憶されている。
図10には、払出制御基板59に入出力される信号(コマンドを含む)を示している。
図10に示すように、払出制御基板59には、電源基板77から電源処理の開始を指示する電断信号が入力される。また、払出制御基板59は、メイン制御基板76との間において、各種コマンド(払出制御コマンド、初期化要求コマンド、復帰要求コマンド)を入力する一方で、払出状態コマンドを出力する。
本実施形態では、払出状態コマンドにより9種類の状態を示すようになっている。具体的に言えば、電源投入時の初期設定によるリセット状態と、エラー(払出異常状態)が生じていない通常状態と、メイン制御基板76からのコマンドを正常に受信した正常応答状態と、メイン制御基板76からのコマンドを正常に受信できなかった異常応答状態と、下皿36が満杯である満杯エラー状態とを示す。また、第1遊技球補給通路65の第1球切れセンサ71又は第2遊技球補給通路66の第2球切れセンサ72のいずれかが球切れを検知した球切れエラー状態と、払出し又は貸出し処理により払出装置が作動している遊技球払出し状態と、カードユニット16が接続されているカードユニット接続状態と、カードユニット16が接続されていないカードユニット未接続状態とを示す。
また、本実施形態のスロットマシン10では、最大払出球数が「75(球)」に定められている。このため、本実施形態では、払出制御コマンドとして、1球から75球までの範囲内で1球ずつの遊技球の払出しを指定可能なように75種類の払出制御コマンドが用意されている。具体的に言えば、遊技球を1球払出すことを指定する払出数1球指定コマンド、遊技球を2球払出すことを指定する払出数2球コマンド、・・(途中、省略)・・・、遊技球を74球払出すことを指定する払出数74球コマンド、遊技球を75球払出すことを指定する払出数75球コマンドというように75種類の払出制御コマンドが用意されている。
また、払出制御基板59は、第1球切れセンサ71が球切れを検出した場合に第1球切れセンサ信号を入力するとともに、第2球切れセンサ72が球切れを検出した場合に第2球切れセンサ信号を入力する。また、払出制御基板59は、満杯センサ75が満杯状態を検出した場合に満杯センサ信号を入力する。また、払出制御基板59は、7セグメントLEDからなる払出状態表示用LED80に対し、払出状態の表示を指示する7セグデータ信号を出力する。また、払出制御基板59は、球貸し時において球貸表示用LED81に対し、球貸出し状態の表示を指示する球貸中LED信号を出力する。
また、払出制御基板59は、第1払出装置67との間において、第1払出ソレノイド67hの駆動を指示する第1ソレノイド信号を出力する一方で、第1上センサ67bが遊技球を検出した場合に第1上センサ信号を入力するとともに第1下センサ67cが遊技球を検出した場合に第1下センサ信号を入力する。また、払出制御基板59は、第2払出装置68との間において、第2払出ソレノイド68hの駆動を指示する第2ソレノイド信号を出力する一方で、第2上センサ68bが遊技球を検出した場合に第2上センサ信号を入力するとともに第2下センサ68cが遊技球を検出した場合に第2下センサ信号を入力する。なお、第1払出装置67の第1下センサ67c及び第2払出装置68の第2下センサ68cは、遊技球の払出し時に限らず遊技球を検出すると第1下センサ信号及び第2下センサ信号を出力し、払出制御基板59は遊技球の払出し時に限らず第1下センサ信号及び第2下センサ信号を常時受け付ける。
また、払出制御基板59は、カードユニット接続端子板78を経由し、カードユニット16との間において、払出が可能である旨を示す台READY信号(PRDY)と、1単位(1度数分の25球)に該当する球貸の払出しが完了した旨を示す台端末貸出完了信号(EXS)を出力する。一方、払出制御基板59は、カードユニット16が接続されている旨を示すカードユニット接続確認信号(VL)と、球貸処理中である旨を示すカードユニットREADY信号(BRDY)と、1単位に該当する球貸の払出要求を示す台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)とをカードユニット16から入力する。
また、球貸操作基板52は、カードユニット接続端子板78を経由し、カードユニット16との間において、球貸ボタン32や返却ボタン33の操作信号を出力するとともに、カードユニット16に挿入されたプリペイドカードの度数表示を指示する度数表示信号をカードユニット16から入力する。この度数表示信号に基づき、度数表示用LED31には、カードユニット16に挿入したプリペイドカードの度数表示が行われる。
図11には、球貸しに伴う払出制御基板59の払出CPU59aとカードユニット16との信号の通信状況を示すタイミングチャートが示されている。なお、図11において、t1〜t10は、経過時間を示している。第1払出装置67及び第2払出装置68が払出しを実施可能な状態であり、かつ払出しを行っていない状態においては、図11に示すように、カードユニット16に出力されるPRDY信号はONとされる一方でEXS信号はOFFとされており、カードユニット16から入力されるBRDY信号及びBRQ信号はOFFとされている(A)。
この状態で球貸ボタン32が操作され、カードユニット16が球貸ボタン32のON(操作)を検出すると、球貸処理要求を示すBRDY信号をONとし(B)、続いて球貸要求を示すBRQ信号をONとする(C)。次いで、カードユニット16が球貸動作の開始を示すEXS信号のONを出力すると(D)、BRQ信号をOFFとする(E)。次いで、カードユニット16が球貸動作の完了を示すEXS信号をOFFとすると(F)、再びBRQ信号をONとする(G)。そして、BRQ信号のON/OFF制御を球貸度数分(本実施例では2度数分)繰返し実施し、最後に行ったBRQ信号のON/OFF制御の終了後にEXS信号をOFFとすると(J)、球貸処理要求の終了を示すためにBRDY信号をOFFとし(K)、球貸ボタン32の操作に伴う処理を終了する。また、払出CPU59aでは、BRDY信号のONを検出している状態で、球貸要求を示すBRQ信号のONを検出すると(C)、EXS信号をONとし(D)、第1払出ソレノイド67h及び第2払出ソレノイド68hを駆動して1回の球貸要求に基づく25球の遊技球の払出しを実施し、その後にEXS信号をOFFとする(F)制御を行う。すなわち、カードユニット16からBRDY信号のONを検出している状態で、BRQ信号のONが検出される毎に25球の球貸の払出が実施される。なお、本実施形態では、一回の球貸操作に基づいて球貸の1単位(1度数)に相当する25球の遊技球が払出される処理が2回繰返し実施されて、50球の遊技球が払出されるようになっている。
そして、本実施形態のスロットマシン10において、第1払出装置67及び第2払出装置68の払出動作には、メインCPU76aから受信した払出制御コマンドにより指定された球数分の遊技球を払出す賞球の払出制御と、カードユニット接続端子板78を介してカードユニット16からのBRQ信号を受けて遊技球を払出す貸し球の払出制御がある。そして、賞球及び貸し球の払出しは、残り球数が0でなければ、0になるまで払出しを行う。
以下、本実施形態において払出CPU59aが実行する払出制御の具体的な処理内容を図12〜図23のフローチャートにしたがって説明する。
図12は、払出メイン処理を示すとともに、図13は、払出割込み処理を示す。払出CPU59aは、払出メイン処理を繰り返し実行し、当該払出メイン処理の実行中に予め定めた時間経過すると割込みが許可されている限りにおいて、実行中の払出メイン処理の処理を中断し、払出割込み処理を実行する。そして、払出CPU59aは、払出割込み処理の終了後、払出メイン処理を中断した処理から再開する。図14は、払出割込み処理のサブルーチンとして実行する払出球及び貸出球検出に係る処理を示す。図15〜図17は、払出メイン処理のサブルーチンとして実行する払出し及び貸出処理を示す。図18は、払出し及び貸出処理で実行される払出通路エラー処理を示すとともに、図19〜図22は、払出し及び貸出処理で実行される下センサエラー処理を示し、さらに図23は、下センサエラー処理で実行される遊技球一球払出処理を示す。
最初に、図10にしたがって払出メイン処理を説明する。
払出メイン処理(HM01)において払出CPU59aは、カードユニット16と通信中であるか否かを判定する(ステップHM02)。この判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、ステップHM04に移行する。一方、払出CPU59aは、ステップHM02の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される動作状態フラグを確認し、払出しあり又は払出し中であるか否かを判定する(ステップHM03)。ステップHM03の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aはステップH001に移行するとともに、ステップHM03の判定結果が否定の場合、払出CPU59aはステップHM04に移行する。
ステップHM04に移行した払出CPU59aは、カードユニット16と接続中であるか否か(カードユニット16が接続されているか否か)を判定し、この判定結果が否定の場合にはステップHM02の処理に戻る。一方、ステップHM04の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、カードユニット処理を行う(ステップHM05)。カードユニット処理において払出CPU59aは、BRDY信号とBRQ信号を監視し、球貸要求を受け付ける。また、払出CPU59aは、球貸ボタン32が操作された場合、カードユニット処理において球貸要求に基づく遊技球数(25球)を貸出球数としてセットするとともに、貸出ありフラグをセットする。
次に、払出CPU59aは、貸出しがあるか否かを判定する(ステップHM06)。この判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップHM02の処理に戻る。一方、ステップHM06の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、ステップH001に移行し、遊技球を貸出す処理である払出し及び貸出処理(図15〜図23に示す)を実行する。そして、払出CPU59aは、ステップH001の払出し及び貸出処理を終了すると、ステップHM02の処理に戻り、払出メイン処理を繰り返し実行する。
次に、図13にしたがって払出割込み処理を説明する。本実施形態では、払出割込み処理を0.4(ms)の周期で行うようになっている。
払出割込み処理(ステップHI01)において払出CPU59aは、払出割込み処理で使用するレジスタを退避する(ステップHI02)。次に、払出CPU59aは、メインCPU76aからの払出制御コマンド、払出制御基板59に接続されている各種センサ(第1上センサ67bや第1下センサ67cなど)からの信号、及びカードユニット16からの信号が入力される入力ポートを読み込む処理を行う(ステップHI03)。次に、払出CPU59aは、第1球切れセンサ71及び第2球切れセンサ72のチェックを行うとともに(ステップHI04)、満杯センサ75のチェックを行う(ステップHI05)。次に、払出CPU59aは、コマンド処理を行い(ステップHI06)、当該コマンド処理においてステップHI03で入力した払出制御コマンドを解析し、その解析結果に応じた処理を行う。この処理において、払出球数のセットと払出ありフラグのセットが行われる。次に、払出CPU59aは、カードユニット通信制御を行い(ステップHI07)、カードユニット16に対する送信処理を行う。
続いて、払出CPU59aは、動作状態フラグが貸出中又は払出中であるか否かを判定する(ステップHI08)。この判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、図14に示す払出球及び貸出球検出処理を行い(ステップHI09)、当該払出球及び貸出球検出処理の終了後、ステップHI10に移行する。一方、ステップHI08の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップHI10に移行する。ステップHI10に移行した払出CPU59aは、各出力ポートに対応した出力データを出力ポートから出力する処理(I/Oポート出力)を行う。次に、払出CPU59aは、ステップHI11で退避したレジスタを復帰させるとともにステップHI12で割込み処理を終了し、割込む前に行っていた処理(払出メイン処理に係る処理)に復帰する。
次に、図14にしたがって払出割込み処理のステップHI09で実行される払出球及び貸出球検出処理を説明する。この処理は、第1払出装置67の第1下センサ67c及び第2払出装置68の第2下センサ68cを用いて払出した又は貸出した遊技球を検出する処理である。
払出球及び貸出球検出処理(HI09)において払出CPU59aは、第1払出装置67の第1下センサ67cを遊技球が通過したか否か(第1下センサ67cが遊技球を検出したか否か)判定する(ステップHI201)。ステップHI201にて払出CPU59aは、第1下センサ67cからの第1上センサ信号の入力状態に応じて前記判定を行う。ステップHI201の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップHI205に移行する。一方、ステップHI201の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第1下センサ通過フラグを払出RAM59cにセットする(ステップHI202)。続いて、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される残り球数カウンタを1減算(−1)し(ステップHI203)、残り球数カウンタが0か否かを判定することで払出しが終了したか否かを判定する(ステップHI204)。そして、払出CPU59aは、ステップHI204の判定結果が肯定の場合にはステップHI209に移行する一方で、ステップHI204の判定結果が否定の場合にはステップHI205に移行する。
ステップHI205に移行した払出CPU59aは、第2払出装置68の第2下センサ68cを遊技球が通過したか否か(第2下センサ68cが遊技球を検出したか否か)判定する。ステップHI205にて払出CPU59aは、第2下センサ68cからの第2上センサ信号の入力状態に応じて前記判定を行う。ステップHI205の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、払出球及び貸出球検出処理を終了し、払出割込み処理のステップHI10に戻る。一方、ステップHI205の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第2下センサ通過フラグを払出RAM59cにセットする(ステップHI206)。続いて、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される残り球数カウンタを1減算(−1)し(ステップHI207)、残り球数カウンタが0か否かを判定することで払出しが終了したか否かを判定する(ステップHI208)。そして、払出CPU59aは、ステップHI208の判定結果が肯定の場合にはステップHI209に移行する一方で、ステップHI208の判定結果が否定の場合には払出球及び貸出球検出処理を終了し、払出割込み処理のステップHI10に戻る。
ステップHI209に移行した払出CPU59aは、動作状態フラグが貸出中であるか否かを判定する。ステップHI209の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップHI210で払出RAM59cに設定されている払出しありフラグをクリアするとともに、ステップHI211で払出RAM59cに設定されている払出し中フラグをクリアする。その後、払出CPU59aは、払出球及び貸出球検出処理を終了し、払出割込み処理のステップHI10に戻る。一方、ステップHI209の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、ステップHI212で払出RAM59cに設定されている貸出しありフラグをクリアするとともに、ステップHI213で払出RAM59cに設定されている貸出し中フラグをクリアする。その後、払出CPU59aは、払出球及び貸出球検出処理を終了し、払出割込み処理のステップHI10に戻る。
次に、図15にしたがって払出メイン処理のステップH001で実行される払出し及び貸出処理を説明する。
払出し及び貸出処理(H001)において払出CPU59aは、貸出しがあるか否かを判定する(ステップH002)。この判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、下皿36が満杯状態であるか否かを判定する(ステップH003)。ステップH003にて払出CPU59aは、満杯センサ75からの満杯センサ信号の入力状態に応じて前記判定を行う。ステップH003の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH005に移行する。一方、ステップH003の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、下皿満杯エラー処理を行う(ステップH004)。ステップH004にて払出CPU59aは、エラー状態を払出状態表示用LED80に表示するための処理(7セグデータ信号の出力)や、満杯エラー状態を示す払出状態制御コマンドをメインCPU76aに出力するための処理を行う。その後、払出CPU59aは、ステップH005に移行する。
次に、ステップH005に移行した払出CPU59aは、球切れ状態であるか否かを判定する。ステップH005にて払出CPU59aは、第1球切れセンサ71からの第1球切れセンサ信号及び第2球切れセンサ72からの第2球切れセンサ信号の各入力状態に応じて前記判定を行う。ステップH005の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH007に移行する。一方、ステップH005の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、球切れエラー処理を行う(ステップH006)。ステップH006にて払出CPU59aは、エラー状態を払出状態表示用LED80に表示するための処理(7セグデータ信号の出力)や、球切れエラー状態を示す払出状態制御コマンドをメインCPU76aに出力するための処理を行う。そして、払出CPU59aは、ステップH007に移行する。
次に、ステップH007に移行した払出CPU59aは、払出状態表示用LED80に払出状態を表示するための要求を払出RAM59cにセットする。続いて、払出CPU59aは、ステップH008で動作状態フラグとして払出中フラグを払出RAM59cにセットするとともに、ステップH009で賞球として払出すべき遊技球の個数を示す払出球数を払出RAM59cから読み出し、その後にステップH013に移行する。
ステップH002の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、ステップH010で動作状態フラグとして球貸出し中フラグを払出RAM59cにセットするとともに、ステップH011で球貸中LED信号を出力し、球貸表示用LED81を点灯させる。次に、払出CPU59aは、ステップH012で貸し球として払出すべき遊技球の個数を示す貸出球数を払出RAM59cから読み出し、ステップH013に移行する。
ステップH013に移行した払出CPU59aは、ステップH012で読み出した貸出球数、又はステップH009で読み出した払出球数を、払出RAM59cに設定される残り球数カウンタにセットする。次に、払出CPU59aは、貸し球又は賞球の払出し時に第1払出装置67と第2払出装置68を使用することを払出RAM59cにセットする(ステップH014)。次に、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される休止時間タイマにセットする休止時間として「30(ms)」を払出RAM59cに保存する(ステップH015)。そして、払出CPU59aは、図16のステップH016に移行する。
ステップH016に移行した払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される監視タイマの値をセットする。本実施形態では、ステップH016にて「4(sec)」をセットする。次に、払出CPU59aは、前回の払出し制御時に下センサ(第1下センサ67c、第2下センサ68c)エラーがあったか否か(エラーが発生したか否か)を判定する(ステップH017)。ステップH017にて払出CPU59aは、図19〜図23に示す下センサエラー処理のステップH126(図20)で払出RAM59cにセットされる下センサフラグの設定状態を参照し、前記判定を行う。ステップH017の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH019に移行する。一方、ステップH017の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、図19〜図23に示す下センサエラー処理を実行し(ステップH018)、当該処理の終了後、ステップH019に移行する。本実施形態では、ステップH017において払出CPU59aが前回の払出し時に異常があったか否かを判定しており、ステップH017を実行する払出CPU59aが前回異常判定手段として機能する。
ステップH019に移行した払出CPU59aは、残り球数カウンタの値を確認し、当該値が「7」以下であるか否かを判定する。ステップH019の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、払出RAM59cにセットされている下センサ通過フラグをクリアする(ステップH020)。下センサ通過フラグは、図14の払出球及び貸出球検出処理のステップHI202とステップHI206でセットされるフラグである。次に、払出CPU59aは、監視タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップH021)。ステップH021の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH025に移行する。一方、ステップH021の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、ステップH022で図18に示す払出通路エラー処理を行う。
ここで、図18にしたがって払出通路エラー処理を説明する。
払出通路エラー処理(H022)にて払出CPU59aは、第1払出装置67の第1払出ソレノイド67h及び第2払出装置68の第2払出ソレノイド68hをOFFする(ステップH050)。次に、払出CPU59aは、払出状態表示用LED80に払出通路エラーが発生した状態を表示するための要求を払出RAM59cにセットする(ステップH051)。次に、払出CPU59aは、ステップH051でセットしたエラーに対応する表示を指示する7セグデータ信号を払出状態表示用LED80に出力し、エラー表示させる(ステップH052)。次に、払出CPU59aは、メインCPU76aにエラー状態を通知するための要求を払出RAM59cにセットする(ステップH053)。次に、払出CPU59aは、球切れ状態であるか否かを判定する(ステップH054)。ステップH054にて払出CPU59aは、第1球切れセンサ71からの第1球切れセンサ信号及び第2球切れセンサ72からの第2球切れセンサ信号の各入力状態に応じて前記判定を行う。ステップH054の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、ステップH054の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップH054の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、払出し可能であるか否かを判定する(ステップH055)。ステップH055にて払出CPU59aは、満杯センサ75からの満杯センサ信号の入力状態、第1払出装置67の第1上センサ67bからの第1上センサ信号の入力状態、及び第2払出装置68の第2上センサ68bからの第2上センサ信号の入力状態に応じて前記判定を行う。ステップH055の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH053の処理に戻り、当該ステップH053からの処理を実行する。一方、ステップH055の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、払出通路エラーが解消されたので、払出通路エラー処理を終了し、払出し及び貸出処理のステップH016に戻る。払出CPU59aは、払出しが可能となる迄の間、すなわち払出通路エラーが解消される迄の間、払出通路エラー処理を繰り返す。この払出通路エラーは、払出装置(第1払出装置67、第2払出装置68)に遊技球が供給されない状態であるときに生じ得るエラーである。払出装置(第1払出装置67、第2払出装置68)に遊技球が供給されない状態とは、例えば、第1遊技球補給通路65又は第2遊技球補給通路66において球詰まりが発生した場合、第1払出装置67の第1上センサ67b又は第2払出装置68の第2上センサ68bが遊技球を検出しない場合などが該当し得る。
図16に示す払出し及び貸出処理の説明に戻り、ステップH021を否定判定し、ステップH025に移行した払出CPU59aは、第1払出装置67及び第2払出装置68内に遊技球があるか否かを判定する。ステップH025で払出CPU59aは、第1払出装置67の第1上センサ67bからの第1上センサ信号の入力状態、及び第2払出装置68の第2上センサ68bからの第2上センサ信号の入力状態に応じて前記判定を行う。ステップH025の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH020の処理に戻る。一方、ステップH025の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、払出装置のソレノイドをONするための処理を行う(ステップH026)。ステップH026にて払出CPU59aは、貸し球又は賞球の払出し時に使用する払出装置として払出RAM59cにセットされている払出装置のソレノイドをONする。例えば、ステップH014の処理にて貸し球又は賞球の払出し時に使用する払出装置として第1払出装置67と第2払出装置68がセットされている場合、払出CPU59aは、ステップH026にて第1払出ソレノイド67hと第2払出ソレノイド68hをONする。続いて、払出CPU59aは、ステップH026でONするソレノイドのON時間タイマに時間T1(本実施形態では「10(ms)」)をセットする(ステップH027)。これにより、ソレノイドは、時間T1(10ms)の間、ONする。そして、払出CPU59aは、ソレノイドのON時間が終了したか否かを判定する(ステップH028)。
ステップH028の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ON時間が経過する迄の間、ステップH028の処理を繰り返す。一方、ステップH028の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第1払出ソレノイド67h及び第2払出ソレノイド68hをOFFする(ステップH029)。そして、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される休止時間タイマに休止時間をセットする(ステップH030)。ステップH030で休止時間タイマにセットされる休止時間は、ステップH015、ステップH045又はステップH046で払出RAM59cに保存される休止時間の値である。次に、払出CPU59aは、ステップH030で休止時間をセットした後、休止時間タイマの値が「0」になったか否かを判定する(ステップH031)。ステップH031の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH031の処理に戻る。すなわち、払出CPU59aは、1球の払出しに係る動作の終了後、休止時間が経過する迄の間、待機状態となる。一方、ステップH031の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第1下センサ67c及び第2下センサ68cを遊技球が通過したか否か(第1下センサ67c及び第2下センサ68cが遊技球を検出したか否か)を判定する(ステップH032)。ステップH032にて払出CPU59aは、図14に示す払出球及び貸出球検出処理のステップHI202及びステップHI206でセットされる第1下センサ通過フラグ及び第2下センサ通過フラグに基づいて前記判定を行う。ステップH032の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、ステップH019の処理に戻る。一方、ステップH032の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、図19〜図23に示す下センサエラー処理を実行し(ステップH033)、当該下センサエラー処理の終了後、ステップH019の処理に戻る。
ステップH019の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、図17に示す払出し及び貸出処理のステップH041に移行する。ステップH041に移行した払出CPU59aは、残り球数カウンタの値が「7」以下であるので、貸し球又は賞球の払出し時に第1払出装置67のみを使用することを払出RAM59cにセットする。次に、払出CPU59aは、残り球数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップH043)。ステップH043の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、残り球数カウンタの値が「1」であるか否かを判定する(ステップH044)。ステップH044の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、休止時間タイマにセットする休止時間として「85(ms)」を払出RAM59cに保存する(ステップH045)。その後、払出CPU59aは、図16に示す払出し及び貸出処理のステップH020に戻る。一方、ステップH044の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、休止時間タイマにセットする休止時間として「140(ms)」を払出RAM59cに保存する(ステップH046)。その後、払出CPU59aは、図16に示す払出し及び貸出処理のステップH020に戻る。一方、ステップH043の判定結果が肯定の場合、ステップH011で点灯させた球貸表示用LED81を消灯させる(ステップH047)。その後、払出CPU59aは、払出メイン処理に戻り、ステップHM02からの処理を実行する。
以上説明した本実施形態の払出し及び貸出処理によれば、貸し球又は賞球の払出し時には、第1払出装置67と第2払出装置68が選択して使用されるとともに、払出された遊技球が第1下センサ67c又は第2下センサ68cを通過するごとに残り球数が減算される。図24には、貸し球の払出し時及び賞球の払出し時における第1払出装置67と第2払出装置68の動作態様を示している。そして、本実施形態の払出し及び貸出処理(特に、ステップH013以降の処理)では、図24に示すように、残り球数が8球以上あるときには第1払出装置67及び第2払出装置68の両方を使用し、第1払出ソレノイド67h及び第2払出ソレノイド68hをON/OFFすることによりそれぞれ1球ずつ払出される。また、残り球数が7球以下になった場合には、第2払出装置68の使用を停止し、第1払出装置67のみを使用して残りの遊技球を払出す。
また、残り球数に応じて休止時間を設定し、その休止時間経過後、かつ第1上センサ67b及び第2上センサ68bがONしているときに、第1払出ソレノイド67h及び第2払出ソレノイド68hをONする。また、第1払出ソレノイド67h及び第2払出ソレノイド68hは、ONしてから時間T1(10ms)を経過したときにOFFする。図24に示す「T1」は、第1払出ソレノイド67h及び第2払出ソレノイド68hのON時間であるとともに、「T2,T3,T4」は休止時間である。T2は、払出し及び貸出処理のステップH015で保存される休止時間である。T3は、払出し及び貸出処理のステップH045で保存される休止時間である。T4は、払出し及び貸出処理のステップH046で保存される休止時間である。このように残り球数が少なくなるにしたがって段階的に払出装置の動作間隔を長くしている。これにより余剰払出が行われにくくなっている。本実施形態では、制御プログラムにしたがって図15〜図17の払出し及び貸出処理を実行する払出CPU59aが、所定数の遊技媒体が払出されるように第1払出装置67及び第2払出装置68を動作させる払出制御手段として機能する。
次に、図19〜図23にしたがって払出し及び貸出処理のステップH018(図16)とステップH033(図16)で実行される下センサエラー処理を説明する。本実施形態において下センサエラー処理は、払出し及び貸出処理にて下センサエラーが発生した場合(ステップH032を否定判定)又は前回の払出し時に下センサエラーが発生している場合(ステップH017を肯定判定)に実行する処理である。すなわち、下センサエラー処理は、払出装置の下センサが故障しているか否か(払出装置が故障しているか否か)の異常判定(ステップH033の下センサエラー処理)を行うために実行する場合と前回の払出し時にエラーが発生し、今回の払出し時でも引き続き払出装置の下センサが故障しているか否かを検査(ステップH018の下センサエラー処理)するために実行する場合とがある。
下センサエラー処理(H018,H033)にて払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される非通過下センサ検査回数に所定の検査回数をセットする(ステップH101)。本実施形態では、検査回数として「3(回)」を非通過下センサ検査回数にセットする。次に、払出CPU59aは、第1下センサ67c及び第2下センサ68cの何れも非通過であるか否かを判定する(ステップH102)。ステップH102にて払出CPU59aは、図14に示す払出球及び貸出球検出処理のステップHI202及びステップHI206でセットされる第1下センサ通過フラグ及び第2下センサ通過フラグに基づいて前記判定を行う。ステップH102の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、図21に示す下センサエラー処理のステップH130に移行する。一方、ステップH102の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、第2下センサ68cに遊技球が通過しているか否か(第2下センサ68cが遊技球を検出しているか否か)を判定する(ステップH103)。ステップH103の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第1下センサ67cに遊技球が非通過であることから、第1下センサ非通過フラグを払出RAM59cにセットする(ステップH104)。次に、払出CPU59aは、第1下センサ67cのエラーであることを払出状態表示用LED80に表示するための表示値(本実施形態では「8」)を払出RAM59cにセットする(ステップH105)。次に、払出CPU59aは、ステップH106にて検査を行う払出装置が第1払出装置67であることを払出RAM59cにセットするとともに、ステップH107にて払出しを行う払出装置が第2払出装置68であることを払出RAM59cにセットする。その後、払出CPU59aは、ステップH112に移行する。
一方、ステップH103の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、第2下センサ68cに遊技球が非通過であることから、第2下センサ非通過フラグを払出RAM59cにセットする(ステップH108)。次に、払出CPU59aは、第2下センサ68cのエラーであることを払出状態表示用LED80に表示するための表示値(本実施形態では「9」)を払出RAM59cにセットする(ステップH109)。次に、払出CPU59aは、ステップH110にて検査を行う払出装置が第2払出装置68であることを払出RAM59cにセットするとともに、ステップH111にて払出しを行う払出装置が第1払出装置67であることを払出RAM59cにセットする。その後、払出CPU59aは、ステップH112に移行する。
ステップH112に移行した払出CPU59aは、図23に示す遊技球一球払出処理を実行する。遊技球一球払出処理は、遊技球を一球払出すための処理である。
ここで、図23にしたがって遊技球一球払出処理を説明する。
遊技球一球払出処理(H112,H123,H132,H138,H152)にて払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される休止時間タイマにセットする休止時間として「30(ms)」を払出RAM59cに保存する(ステップH180)。次に、払出CPU59aは、払出装置のソレノイドをONするための処理を行う(ステップH181)。ステップH181にて払出CPU59aは、検査を行う払出装置として払出RAM59cにセットされている払出装置のソレノイドをONする。例えば、ステップH106にて検査を行う払出装置として第1払出装置67がセットされている場合、払出CPU59aは、ステップH181にて第1払出ソレノイド67hをONする。続いて、払出CPU59aは、ステップH181でONするソレノイドのON時間タイマに時間T1(本実施形態では「10(ms)」)をセットする(ステップH182)。これにより、ソレノイドは、時間T1(10ms)の間、ONする。そして、払出CPU59aは、ソレノイドのON時間が終了したか否かを判定する(ステップH183)。
ステップH183の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ON時間が経過する迄の間、ステップH183の処理を繰り返す。一方、ステップH183の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、ステップH181でONしたソレノイドをOFFするための処理を行う(ステップH184)。そして、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される休止時間タイマに休止時間をセットする(ステップH185)。ステップH185で休止時間タイマにセットされる休止時間は、ステップH180で払出RAM59cに保存される休止時間の値である。次に、払出CPU59aは、ステップH185で休止時間をセットした後、休止時間タイマの値が「0」になったか否かを判定する(ステップH186)。ステップH186の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH186の処理に戻る。一方、ステップH186の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、下センサエラー処理に戻る。
図19に示す下センサエラー処理の説明に戻り、ステップH112で遊技球一球払出処理を実行し、当該処理を終了した払出CPU59aは、ステップH113に移行して検査を行う払出装置の下センサに遊技球が通過したか否かを判定する。ステップH113にて払出CPU59aは、ステップH106で検査を行う払出装置として第1払出装置67をセットした場合には第1下センサ67cに遊技球が通過したか否かを判定し、ステップH110で検査を行う払出装置として第2払出装置68をセットした場合には第2下センサ68cに遊技球が通過したか否かを判定する。払出CPU59aは、下センサからの下センサ信号を入力した場合に1球の遊技球の払出しが完了したことを認識し、下センサからの下センサ信号を入力していない場合に払出しが完了していないことを認識する。
ステップH113の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、下センサに遊技球が通過したことによりエラーが解消されているので、検査を終了し、図20に示す下センサエラー処理のステップH114に移行し、下センサエラーフラグをクリアして下センサエラー処理を終了する。そして、払出し及び貸出処理に戻る。一方、ステップH113の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される非通過下センサ検査回数を1減算(−1)し、当該検査回数が終了したか否か(減算後の検査回数が「0」であるか否か)を判定する(ステップH115)。ステップH115の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、検査を繰り返し実行することから、ステップH112に戻り、遊技球一球払出処理を再度実行する。一方、ステップH115の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、検査の結果、下センサのエラーが解消されなかったので、検査を終了し、ステップH116に移行する。
ステップH116に移行した払出CPU59aは、払出状態表示用LED80に下センサエラー(検査を行った下センサのエラー)を表示するための要求を払出RAM59cにセットするとともに、エラーに対応する表示を指示する7セグデータ信号を払出状態表示用LED80に出力し、エラー表示させる(ステップH116)。次に、払出CPU59aは、下皿36が満杯状態であるか否かを判定する(ステップH117)。ステップH117にて払出CPU59aは、満杯センサ75からの満杯センサ信号の入力状態に応じて前記判定を行う。ステップH117の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH119(図20)に移行する。一方、ステップH117の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、下皿満杯エラー処理を行う(ステップH118)。ステップH118にて払出CPU59aは、エラー状態を払出状態表示用LED80に表示するための処理(7セグデータ信号の出力)や、満杯エラー状態を示す払出状態コマンドをメインCPU76aに出力するための処理を行う。その後、払出CPU59aは、ステップH119(図20)に移行する。
次に、ステップH119に移行した払出CPU59aは、球切れ状態であるか否かを判定する。ステップH119にて払出CPU59aは、第1球切れセンサ71からの第1球切れセンサ信号及び第2球切れセンサ72からの第2球切れセンサ信号の各入力状態に応じて前記判定を行う。ステップH119の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH121に移行する。一方、ステップH119の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、球切れエラー処理を行う(ステップH120)。ステップH120にて払出CPU59aは、エラー状態を払出状態表示用LED80に表示するための処理(7セグデータ信号の出力)や、球切れエラー状態を示す払出状態制御コマンドをメインCPU76aに出力するための処理を行う。その後、払出CPU59aは、ステップH121に移行する。
ステップH121に移行した払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される動作状態フラグを確認し、払出しあり又は払出し中であるか否かを判定する。ステップH121の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH123に移行する。一方、ステップH121の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、払出状態表示用LED80に払出状態を表示するための要求を払出RAM59cにセットする(ステップH122)。その後、払出CPU59aは、ステップH123に移行する。
ステップH123にて払出CPU59aは、図23に示す遊技球一球払出処理を実行する。ステップH123で実行する遊技球一球払出処理では、図19に示す下センサエラー処理のステップH107又はステップH111の何れかで払出しを行う払出装置としてセットした払出装置を用いて行う。すなわち、払出CPU59aは、ステップH107で第2払出装置68をセットしている場合には当該第2払出装置68を対象としてステップH123の遊技球一球払出処理を行う一方で、ステップH111で第1払出装置67をセットしている場合には当該第1払出装置67を対象としてステップH123の遊技球一球払出処理を行う。このため、ステップH123の遊技球一球払出処理では、下センサエラーが発生した払出装置の動作を停止させる一方で、下センサエラーが発生していない払出装置を動作させることになるので、当該処理の結果として1球の遊技球が払出されることとなる。すなわち、下センサエラーが発生していない払出装置を用いて遊技球の払出しを継続させる。なお、ステップH123の遊技球一球払出処理は、動作対象となる払出装置がステップH112で実行する遊技球一球払出処理と異なるのみであり、処理内容自体は同一であることから、その重複する説明は省略する。
そして、ステップH123の遊技球一球払出処理を終了した払出CPU59aは、次の球払出しまでの時間を払出RAM59cに設定されるタイマにセットする(ステップH124)。本実施形態では、ステップH124にてタイマの値に「30(sec)」をセットする。このセット時間は、下センサエラーが発生していない通常時にセットされる休止時間(T2,T3,T4)に比して極めて長い時間となる。例えば、休止時間T2(30ms)に対しては1000倍の時間となる。このため、下センサエラーが発生した場合には、下センサエラーが発生していない時に比して1球の遊技球の払出しに係る時間が遅延されることとなる。換言すれば、払出装置の払出ソレノイドをOFF状態に制御する時間が長くなる。
次に、払出CPU59aは、残り球数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップH125)。ステップH125の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、次の球払出しまでの時間、すなわち、ステップH124でタイマにセットした時間が経過したか否かを判定する(ステップH127)。ステップH127の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、ステップH127の処理に戻る。すなわち、払出CPU59aは、1球の払出しに係る動作の終了後、ステップH125でセットした時間が経過する迄の間、待機状態となる。一方、ステップH127の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、図19の下センサエラー処理のステップH116に移行し、次の遊技球の払出しを行う。
ステップH125の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、全ての遊技球の払出し完了後、今回の払出しにおいて下センサエラーが発生したことから、下センサエラーフラグを払出CPU59aにセットする(ステップH126)。その後、払出CPU59aは、下センサエラー処理を終了し、払出し及び貸出処理に戻る。なお、払出CPU59aは、ステップH113(図19)の判定結果が肯定の場合にステップH114に移行した場合、下センサエラーフラグをクリアした後、下センサエラー処理を終了し、払出し及び貸出処理に戻る。この場合、払出CPU59aは、ステップH112の遊技球一球払出処理の結果、下センサエラーが解消していることが判断できたので、ステップH114で下センサフラグをクリアする。
一方、ステップH102(図19)の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、図21に示す下センサエラー処理のステップH130に移行し、当該ステップH130にて第1下センサ非通過フラグと第2下センサ非通過フラグを払出RAM59cにセットする。次に、払出CPU59aは、検査を行う払出装置が第1払出装置67であることを払出RAM59cにセットする(ステップH131)。次に、払出CPU59aは、図23に示す遊技球一球払出処理を行う(ステップH132)。ステップH132の遊技球一球払出処理は、ステップH112(図19)と同様に検査を行う払出装置を対象として行われる。ステップH132では、第1払出装置67を対象として検査を行う。そして、ステップH132の遊技球一球払出処理の終了後、払出CPU59aは、第1払出装置67の第1下センサ67cに遊技球が通過したか否かを判定する(ステップH133)。ステップH133の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第1下センサ67cに遊技球が通過したことにより、当該第1下センサ67cに係るエラーは解消されているので、第1払出装置67の検査を終了する。そして、払出CPU59aは、第2払出装置68の検査を実行するためにステップH150に移行する。
ステップH133の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される非通過下センサ検査回数を1減算(−1)し、当該検査回数が終了したか否か(減算後の検査回数が「0」であるか否か)を判定する(ステップH135)。ステップH135の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、検査を繰り返し実行することから、ステップH132に戻り、遊技球一球払出処理を再度実行する。一方、ステップH135の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、検査の結果、第1下センサ67cのエラーが解消されなかったので、第1払出装置67の検査を終了する。そして、払出CPU59aは、第2払出装置68の検査を実行するためにステップH136に移行する。
ステップH136に移行した払出CPU59aは、ステップH101(図19)と同様に非通過下センサ検査回数に所定の検査回数(本実施形態では「3(回)」)をセットする(ステップH136)。次に、払出CPU59aは、検査を行う払出装置が第2払出装置68であることを払出RAM59cにセットする(ステップH137)。次に、払出CPU59aは、図23に示す遊技球一球払出処理を行う(ステップH138)。ステップH138の遊技球一球払出処理は、ステップH112(図19)と同様に検査を行う払出装置を対象として行われる。ステップH137では、第2払出装置68を対象として検査を行う。そして、ステップH138の遊技球一球払出処理の終了後、払出CPU59aは、第2払出装置68の第2下センサ68cに遊技球が通過したか否かを判定する(ステップH139)。ステップH139の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第2下センサ68cに遊技球が通過したことにより、当該第2下センサ68cに係るエラーは解消されているので、第2払出装置68の検査を終了する。そして、払出CPU59aは、エラーの処理を行うためにステップH160(図22)に移行する。なお、ステップH139の判定結果が肯定となる場合、検査の結果は、第1払出装置67(第1下センサ67c)の方に故障が発生しているが、第2払出装置68(第2下センサ68c)は正常であるという結果となる。
図22のステップH160に移行した払出CPU59aは、第1下センサ67cに遊技球が非通過であることから、第1下センサ非通過フラグを払出RAM59cにセットする。次に、払出CPU59aは、第1下センサ67cのエラーであることを払出状態表示用LED80に表示するための表示値(本実施形態では「8」)を払出RAM59cにセットする(ステップH161)。次に、払出CPU59aは、払出しを行う払出装置が第2払出装置68であることを払出RAM59cにセットする(ステップH162)。その後、払出RAM59cは、ステップH116(図19)に移行し、当該ステップH116からの処理を実行する。この結果、遊技球は、第2払出装置68を使用して払出されることになる。また、この場合、遊技球は、ステップH124,H125,H127(図20)の処理により、通常時に比して1球の遊技球の払出しに係る時間が遅延される。
一方、ステップH139の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される非通過下センサ検査回数を1減算(−1)し、当該検査回数が終了したか否か(減算後の検査回数が「0」であるか否か)を判定する(ステップH140)。ステップH140の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、検査を繰り返し実行することから、ステップH138に戻り、遊技球一球払出処理を再度実行する。一方、ステップH140の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、払出しを行う払出装置が第1払出装置67であることを払出RAM59cにセットする(ステップH141)。なお、ステップH140の判定結果が肯定となる場合、検査の結果は、第1払出装置67(第1下センサ67c)及び第2払出装置68(第2下センサ68c)の何れも故障が発生しているという結果となる。しかし、遊技球の払出しを停止させることはできないので、本実施形態では、ステップH140の判定結果が肯定となった場合、ステップH141の処理を実行している。次に、払出CPU59aは、第1下センサ67cと第2下センサ68cの両方がエラーであることを払出状態表示用LED80に表示するための表示値(本実施形態では「A」)を払出RAM59cにセットする(ステップH142)。その後、払出CPU59aは、ステップH116(図19)に移行し、当該ステップH116からの処理を実行する。
ステップH133の判定結果が肯定となった場合、払出CPU59aは、ステップH150に移行し、ステップH101(図19)と同様に非通過下センサ検査回数に所定の検査回数(本実施形態では「3(回)」)をセットする。次に、払出CPU59aは、検査を行う払出装置が第2払出装置68であることを払出RAM59cにセットする(ステップH151)。次に、払出CPU59aは、図23に示す遊技球一球払出処理を行う(ステップH152)。ステップH152の遊技球一球払出処理は、ステップH112(図19)と同様に検査を行う払出装置を対象として行われる。ステップH152では、第2払出装置68を対象として検査を行う。そして、ステップH152の遊技球一球払出処理の終了後、払出CPU59aは、第2払出装置68の第2下センサ68cに遊技球が通過したか否かを判定する(ステップH153)。ステップH153の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第2下センサ68cに遊技球が通過したことにより、当該第2下センサ68cに係るエラーは解消されているので、第2払出装置68の検査を終了する。そして、払出CPU59aは、ステップH114(図20)の処理を実行し、下センサエラーフラグをクリアする。すなわち、ステップH153の判定結果が肯定となる場合、検査の結果は、第1払出装置67(第1下センサ67c)及び第2払出装置68(第2下センサ68c)の何れも故障していないという結果となる。したがって、払出CPU59aは、ステップH114の終了後、下センサエラー処理を終了し、払出し及び貸出処理に戻る。
一方、ステップH153の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、払出RAM59cに設定される非通過下センサ検査回数を1減算(−1)し、当該検査回数が終了したか否か(減算後の検査回数が「0」であるか否か)を判定する(ステップH154)。ステップH154の判定結果が否定の場合、払出CPU59aは、検査を繰り返し実行することから、ステップH152に戻り、遊技球一球払出処理を再度実行する。一方、ステップH154の判定結果が肯定の場合、払出CPU59aは、第2下センサ68cに遊技球が非通過であることから、第2下センサ非通過フラグを払出RAM59cにセットする(ステップH155)。なお、ステップH154の判定結果が肯定となる場合、検査の結果は、第1払出装置67(第1下センサ67c)は正常であるが、第2払出装置68(第2下センサ68c)の方に故障が発生しているという結果となる。
次に、払出CPU59aは、第2下センサ68cのエラーであることを払出状態表示用LED80に表示するための表示値(本実施形態では「9」)を払出RAM59cにセットする(ステップH156)。次に、払出CPU59aは、払出しを行う払出装置が第1払出装置67であることを払出RAM59cセットする(ステップH157)。その後、払出RAM59cは、ステップH116(図19)に移行し、当該ステップH116からの処理を実行する。この結果、遊技球は、第1払出装置67を使用して払出されることになる。また、この場合、遊技球は、ステップH124,H125,H127(図20)の処理により、通常時に比して1球の遊技球の払出しに係る時間が遅延される。
本実施形態では、制御プログラムにしたがって下センサエラー処理を実行する払出CPU59aが、異常判定手段として機能する(ステップH101〜H113、H115、H130〜H133、H135〜H142、H150〜H157及びH160〜H162の処理)。また、本実施形態では、払出し及び貸出処理のステップH017を肯定判定した場合、ステップH018で下センサエラー処理を実行し、当該ステップH018の下センサエラー処理の実行に際してはステップH019〜H031に係る通常の払出し動作を実行させることなく行っている。そして、払出CPU59aは、ステップH018の下センサエラー処理を前回の払出し時に異常が発生したことに伴う払出装置の検査として実行し、検査実行手段として機能する(ステップH101〜H113、H115、H130〜H133、H135〜H142、H150〜H157及びH160〜H162の処理)。なお、払出CPU59aは、異常判定を行う場合と検査を行う場合において、異なる契機(ステップH017を肯定判定又はステップH032を否定判定)で下センサエラー処理を実行するが、当該下センサエラー処理は同一の処理内容で行う。また、本実施形態では、払出CPU59aが、異常発生時の払出装置を制御する払出制御手段として機能する(ステップH123〜ステップH127(但し、ステップH126を除く)の処理)。また、本実施形態では、下センサエラー処理において異常の発生が確認された場合に、払出CPU59aがステップH126にて下センサエラーフラグを払出RAM59cにセットしており、当該払出RAM59cが異常判定の結果及び検査の結果を記憶する記憶手段として機能する。
次に、遊技球の取り込みに係る制御を図25〜図28にしたがって説明する。
図25に示すように、取込処理が実行されると、まず始めに、メインCPU76aは3ユニット取込要求データをメインRAM76cにセットする(ステップS190)。3ユニット取込要求データには、取込要求フラグに設定する値のデータが含まれており、ここでは取込要求フラグは「3」にセットされる。続いて、メインCPU76aは、MAXBETボタン40からのON入力があるか否かを判定する(ステップS191)。ステップS191の判定結果が肯定の場合、メインCPU76aはステップS194に移行し、取込準備フラグが設定されているか否かを判定する。当該取込準備フラグは、メイン制御とは別の周期で実行されるインターバル処理において設定されるフラグである。より具体的には、メインCPU76aは、インターバル処理毎に、収容検出センサ105〜109の検出結果に基づき、前記収容位置に存在する前記遊技球収容部において前記規定遊技球数(5球)の遊技球が所定の確認時間(26.2682ms)の間、連続して検出されているか否かの判定を繰り返し実行し、当該判定結果が肯定の場合、取込準備フラグを設定する。当該取込準備フラグが設定されている状態が、取込準備状態に相当する。
一方、ステップ191の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、ステップS192に移行し、1ユニット取込要求データをメインRAM76cにセットする。1ユニット取込要求データには、取込要求フラグに設定する値のデータが含まれており、ここでは取込要求フラグは「1」にセットされる。なお、1ユニット取込要求データと3ユニット取込要求データはメインRAM76cにおける同一の記憶領域に記憶される情報であるため、ステップS192の処理においては3ユニット取込要求データが1ユニット取込要求データに書き換えられることとなる。続いて、メインCPU76aは、1BETボタン39からのON入力があるか否かを判定する(ステップS193)。ステップS193の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは取込処理を終了する。一方、ステップS193の判定結果が肯定の場合、メインCPU76aはステップS194に移行し、取込準備フラグが設定されているか否かを判定する。
ステップS194の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、ステップS195に移行し、取込不足表示用LED30aを点滅させる。ここで、本実施形態におけるスロットマシン10は、取込不足表示用LED30aに加え、スピーカ19によっても取り込み遊技球の不足を遊技者に通知している。そこで、メインCPU76aは、スピーカ19による通知を行うための制御コマンドをサブ制御基板50に出力するためのサブ制御コマンド設定の処理を行う(ステップS196)。そして、メインCPU76aは、取込処理を終了する。
一方、ステップS194の判定結果が肯定である場合、メインCPU76aは、取込可能表示用LED26を消灯させる(ステップS197)。取込可能表示用LED26は、賭数が最大に設定された時点で消灯し、賭数が設定されていない状態かつ取り込みが可能な状態においては点灯している。続いて、メインCPU76aは、ソレノイド右シフトデータをメインRAM76cにセットする(ステップS198)。ソレノイド右シフトデータは、遊技球収容部材102が右方向すなわち、図8(a)の状態に移動するようソレノイド104を制御するための制御コマンドである。続いて、メインCPU76aは、第2取込検出センサカウント要求データと、第1取込検出センサ異常監視要求データをメインRAM76cにセットする(ステップS199)。第2取込検出センサカウント要求データは、第2取込検出センサ115からの検出信号を有効として、第2取込検出センサ115からの検出信号をもとに取り込んだ遊技球の個数としてカウントすることを示すデータである。また、第1取込検出センサ異常監視要求データは、第1取込検出センサからの検出信号の入力があった場合、獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示することを示すデータである。
続いて、メインCPU76aは、ソレノイド104が左方向に停止しているか判定する(ステップS200)。より具体的には、ソレノイド104が左方向に停止している場合は、図8(c)に示すように、遊技球収容部材102は左方向に存在しており、この時、位置検出センサ110は、遊技球収容部材102に設けられた位置検出片110aを検出している。すなわち、メインCPU76aは、位置検出センサ110が位置検出片110aを検出している場合、ソレノイド104が左方向に停止していると判定する。一方、ソレノイド104が右方向に停止している場合は、図8(a)に示すように、遊技球収容部材102は右方向に存在しており、この時、位置検出センサ110は、遊技球収容部材102に設けられた位置検出片110aを検出していない。すなわち、メインCPU76aは、位置検出センサ110が位置検出片110aを検出していない場合、ソレノイド104が右方向に停止していると判定する。
ステップS200の判定結果が肯定の場合、メインCPU76aは、ステップS203に移行する。一方、ステップS200における判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、ソレノイド左シフトデータをメインRAM76cにセットする(ステップS201)。ソレノイド左シフトデータは、遊技球収容部材102が左方向すなわち、図8(c)の状態に移動するようにソレノイド104を制御するための制御コマンドである。続いて、メインCPU76aは、第1取込検出センサカウント要求データと、第2取込検出センサ異常監視要求データをメインRAM76cにセットする(ステップS202)。第1取込検出センサカウント要求データは、第1取込検出センサ114からの検出信号を有効として、第1取込検出センサ114からの検出信号をもとに取り込んだ遊技球の個数としてカウントすることを示すデータである。また、第2取込検出センサ異常監視要求データは、第2取込検出センサからの検出信号の入力があった場合、獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示することを示すデータである。すなわち、メインCPU76aは、遊技球収容部材102が左側にある場合には、右側に移動するようソレノイド104を制御し、遊技球収容部材102が右側にある場合には、左側に移動するようソレノイド104を制御する。続いて、メインCPU76aは、ステップS203に移行する。なお、ソレノイド右シフトデータとソレノイド左シフトデータとはメインRAM76cにおける同一の記憶領域に記憶される情報であるため、ステップS201の処理においてはソレノイド右シフトデータがソレノイド左シフトデータに書き換えられることとなる。また、第2取込検出センサカウント要求データと第1取込検出センサカウント要求データとはメインRAM76cにおける同一の記憶領域に記憶される情報であるため、ステップS202の処理においては第2取込検出センサカウント要求データは第1取込検出センサカウント要求データに書き換えられることとなる。また、第1取込検出センサ異常監視要求データと第2取込検出センサ異常監視要求データとはメインRAM76cにおける同一の記憶領域に記憶される情報であるため、ステップS202の処理においては第1取込検出センサ異常監視要求データは第2取込検出センサ異常監視要求データに書き換えられることとなる。
一方、ステップS203に移行したメインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されているソレノイド制御回数の値に「2」をセットする。当該ソレノイド制御回数は、1回の取込動作(1BET分の取込動作)においてソレノイド104を動作させる最大回数を示すものである。続いて、メインCPU76aは、ステップS199又はステップS202においてセットされた異常要求監視データを異常監視要求フラグとしてメインRAM76cにセットする(ステップS204)。すなわち、遊技球収容部材102が左方向に検出された場合、第1取込検出センサ異常検出監視要求データがセットされ、一方、遊技球収容部材102が右方向に検出された場合、第2取込検出センサ異常検出監視要求データがセットされる。
続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されている取込球数カウントデータを「0」にリセットする(ステップS205)。取込球数カウントデータは、有効となっている取込検出センサにより検出された遊技球の個数をカウントしたカウント値である。ここでは、前回取込処理が実行された時にカウントされているデータが残っているため、その値を予め定めた初期値である「0」にリセットし、次の取込処理が行えるようにしている。続いて、メインCPU76aは、ソレノイド作動時間をメインRAM76cにセットする(ステップS206)。当該ソレノイド作動時間は、ソレノイド104が一回の制御で動作している最大時間を表しており、ソレノイド作動時間が経過するとソレノイド104はオフされる。このソレノイド作動時間の値は、取込処理が正常に行われていれば、有効となっている取込検出センサからの検出信号が規定遊技球数と同数カウントされる迄に要する時間より長く設定されている。
続いて、図26に示すように、メインCPU76aは、メインRAM76cにソレノイド出力データをセットする(ステップS207)。続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに取込遊技球カウント時間をセットし、その後時間をカウントする(ステップS208)。当該取込遊技球カウント時間は、この時間が継続している間は、メインCPU76aが有効となっている取込検出センサ(第1取込検出センサ114又は第2取込検出センサ115)からの検出信号の入力を取込球数カウントデータとしてカウントする時間であって計測監視時間である。続いて、メインCPU76aは、ステップS206において設定したソレノイド作動時間が終了したか否かを判定する(ステップS209)。
ステップS209の判定結果が肯定の場合、メインCPU76aは、ソレノイド104をオフする(ステップS210)。続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されているソレノイド制御回数を1減算して(ステップS211)、ステップS212に移行する。一方、ステップS209の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、ステップS210、ステップS211の処理を行わずにステップS212に移行する。
ステップS212に移行したメインCPU76aは、取込遊技球カウント時間が終了したか否かを判定する。ステップS212の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、ステップS213に移行し、第1取込検出センサ114からの検出信号をカウントしているか否かを判定する。すなわち、メインCPU76aは、メインRAM76cに第2取込検出センサカウント要求データと第1取込検出センサカウント要求データのいずれが記憶されているかを判定し、検出信号の入力が有効となっている取込検出センサを判定している。
ステップS213の判定結果が肯定の場合、すなわち、第1取込検出センサ114からの検出信号の入力が有効となっている場合、メインCPU76aは、ステップS216(図27に示す)に移行し、第1取込検出センサ114がオンとなって検出信号が入力されているか否かを判定する。ステップS216の判定結果が肯定の場合、すなわち、検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されている取込球数カウントを1加算し(ステップS217)、ステップS218に移行する。一方、ステップS216の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、ステップS209からの処理を再度行う。
ステップS213の判定結果が否定の場合、すなわち、第2取込検出センサ115からの検出信号の入力が有効となっている場合、ステップS214に移行し、メインCPU76aは、第2取込検出センサ115がオンとなって検出信号が入力されているか否かを判定する。ステップS214の判定結果が肯定の場合、すなわち、検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されている取込球数カウントを1加算し(ステップS215)、ステップS218に移行する(図27に示す)。一方、ステップS214の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、ステップS209からの処理を再度行う。
続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されている取込球数カウントデータの値を調べ、取込球が規定遊技球数の5球確認されているか否かを判定する(ステップS218)。ステップS218の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、ステップS209からの処理を再度行う。一方、ステップS218の判定結果が肯定の場合、すなわち、5球の遊技球が機内へ取り込まれたのが確認された場合、メインCPU76aは、ソレノイド104をオフする(ステップS219)。続いて、メインCPU76aは、取込検出センサの異常監視を開始してよい時期か否かを判定する(ステップS220)。ステップS220の判定結果が肯定の場合、ステップS222に移行する。一方、ステップS220の判定結果が否定の場合、ステップS221に移行し、メインCPU76aは、5球の遊技球が通過済みか否かを判定する。ステップS221の判定結果が肯定の場合、ステップS222に移行する。一方、メインCPU76aは、ステップS221の判定結果が否定の場合、再度ステップS220の判定を行う。ステップS222では、取り込み球数をカウントした取込検出センサ114又は取込検出センサ115の一方に対して、異常監視を行うように制御するための取込センサ異常監視フラグをセットする。つまり、取り込み球数をカウントしていない他方の取込検出センサは、ステップS204において異常監視が既に開始されているため、このステップS222の処理を行うことにより第1取込検出センサ114及び第2取込検出センサ115が共に異常監視を行うようになる。
続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されているユニット値を1加算する(ステップS223)。続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されているユニット値が3になったか否かを判定する(ステップS224)。すなわち、メインCPU76aは、機内に最大賭数に相当する遊技球が取り込まれたか否かを判定する。ステップS224の判定結果が肯定の場合、ステップS233(図28に示す)に移行し、メインCPU76aは、取込可能表示用LED26を消灯させる(ステップS233)。続いて、メインCPU76aはメインRAM76cに記憶されている取込要求フラグの値をクリアし(ステップS234)、取込処理を終了する。
一方、ステップS224の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されている取込要求フラグの値を1減算する(ステップS225)。続いて、メインCPU76aは、取込動作を終了させるか否か、すなわち、メインRAM76cに記憶された取込要求フラグの値が0であるか否かを判定する(ステップS226)。ステップS226の判定結果が肯定の場合、メインCPU76aは取込処理を終了する。一方、ステップS226の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、メインRAM76cに取込準備フラグ監視時間をセットする(ステップS227)。当該取込準備フラグ監視時間は、MAXBETボタン40が操作された場合で、最初に規定遊技球数の遊技球が機内へ取り込まれた以降に、この時間の継続中前記取込準備フラグが設定されているかを常時監視する時間である。続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに取込準備フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS228)。ステップS228の判定結果が肯定の場合、メインCPU76aは、ステップS198からの処理を再度行う(図25に示す)。一方、ステップS228の判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、取込準備フラグ監視時間が経過する迄、ステップS228の判定を繰り返す(ステップS229)。一方、取込準備フラグ監視時間が経過した場合で、取込準備フラグが設定されていないときは、ステップS230に移行し(図28に示す)、メインCPU76aは、取込不足表示用LED30aを点滅させる(ステップS230)。続いて、メインCPU76aは、スピーカ19による通知を行うための制御コマンドをサブ制御基板50に出力するための取込不足出力要求をメインRAM76cにセットし(ステップS231)、これらセットした制御コマンドをサブ制御基板50に対し出力するサブ制御コマンド設定を行う(ステップS232)。続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されている取込要求フラグの値をクリアして(ステップS234)、取込処理を終了する。
次に、ステップS212の判定結果が肯定となった場合、すなわち、遊技球収容部には規定遊技球数の遊技球が収容されているにも関わらず、機内に規定遊技球数の遊技球が取り込まれたことが検出されなかった場合のエラー処理に係る制御の流れについて順次説明する。
本実施形態では、第1遊技球収容部118又は第2遊技球収容部119に規定遊技球数の遊技球が検出されているもと、第1取込検出センサ114又は第2取込検出センサ115で規定遊技球数の遊技球が検出されたことを条件に賭数を設定し、この条件が満たされない場合には、異常状態(エラー状態)が生起されるようになっている。さらに、異常状態が生起された場合、その時点で機内に取り込んだ個数分の遊技球が遊技者に返却(補償)されるようになっている。
すなわち、図26に示すように、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されているソレノイド制御回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。通常、ステップS212において判定した取込遊技カウント時間が終了している場合、それ以前にカウントが始まっているソレノイド作動時間も終了しており、ステップS211の処理を経てソレノイド制御回数が減算されている。このため、最初にステップS235の判定が行われる時には、ソレノイド制御回数の値は「1」となっており、ステップS235の判定結果は否定となり、メインCPU76aは、ステップS206(図25に示す)からの処理を再度行う。一方、2回目にステップS235の判定が行われる時には、ソレノイド制御回数の値は「0」となっており、ステップS235の判定結果は肯定となり、ステップS236に移行し、メインCPU76aは、以下一連のエラー処理を実行する。
メインCPU76aは、獲得球数表示用LED30bに表示されている遊技者が賞球として獲得した遊技球数を示す獲得球数表示を退避させる(ステップS236)。続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cにエラー表示である「E3」をセットし獲得球数表示用LED30bに出力する(ステップS237)。ここで、本実施形態のスロットマシン10においては、各ランプR1〜R4においてもエラーである旨を通知している。メインCPU76aは、各ランプR1〜R4で通知するための制御コマンドを作成するためにエラー番号をセットする(ステップS238)。そして、これらセットしたデータをサブ制御基板50に出力する制御コマンド(エラー表示開始時の出力要求)としてセットし(ステップS239)、サブ制御コマンド設定を行ってサブ制御基板50に制御コマンドを出力する(ステップS240)。
続いて、メインCPU76aは、エラーが解除されたか否かの判定を繰り返す(ステップS241)。エラーは、エラー解除用の鍵を、下ドアキー15に差し込んで時計回りに回すことにより解除される。エラーが解除されて、ステップS241の判定結果が肯定となった場合、メインCPU76aは、エラー表示終了時の出力要求をメインRAM76cにセットし(ステップS242)、サブ制御コマンド設定を行ってサブ制御基板50に制御コマンドを出力する(ステップS243)。そして、メインCPU76aは、退避させていた獲得球数表示用LED30bに表示されていた遊技者が賞球として獲得した遊技球数を示す獲得球数表示を再度7セグメントLEDに表示させる(ステップS244)。
続いて、ステップS245(図28に示す)に移行し、メインCPU76aは、取込確認済み遊技球が有るか否かを判定する。すなわち、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されている取込球数カウントデータの値を調べ、これが「0」でないか否かを判定する。ステップS245の判定結果が肯定の場合、すなわち、1以上の遊技球の取り込みが確認されていた場合、メインCPU76aは、取込球数カウントデータの値を払戻し個数としてメインRAM76cにセットする(ステップS246)。続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶した払戻し個数の遊技球が遊技者に払い戻される(返却される)よう払出制御基板59を介して、第1払出装置67及び第2払出装置68を制御する(ステップS247)。続いて、メインCPU76aは、メインRAM76cに記憶されている払戻し個数の値をクリアし(ステップS248)、次いで、取込要求フラグの値をクリアして(ステップS249)、取込処理を終了する。本実施形態では、制御プログラムにしたがって図25〜図28の取込処理を実行するメインCPU76aと、第1払出装置67及び第2払出装置68を動作させる払出CPU59aが制御手段として機能する。
以上に説明した取込処理に係る制御の流れに基づいて、1BETボタン39及びMAXBETボタン40が操作された時の制御を説明する。なお、このときの説明は、取込装置100の遊技球収容部材102が右方向に存在する時から制御が行われることとする。
1BETボタン39が操作された場合、ステップS191の判定結果は否定となり、ステップS193の判定結果が肯定となるため、1ユニット取込要求データがセットされる。次いで、図8(b)に示すように、5球の遊技球が第1遊技球収容部118に収容されると取込準備フラグが別の処理においてセットされてステップS194の判定結果が肯定となる。次いで、遊技球収容部材102は右方向に存在することから、ステップS200の判定結果は否定となり、メインRAM76cには遊技球収容部材102を左方向に揺動させるデータがセットされる。また、このとき遊技球は第1排出口111から機内へ取り込まれるため、第1取込検出センサ114からの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aはこれを有効として、取込球数カウントデータとしてカウントする。一方、第2取込検出センサ115からの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示する。
そして、遊技球が正常に機内に取り込まれ、第1取込検出センサ114からの検出信号の入力が5回あった場合、ステップS218の判定結果が肯定となり、メインCPU76aは、ソレノイド104の作動をオフする。この時点において、5球の遊技球の機内への取り込みが終わり遊技球の取り込みを行っていないため、メインCPU76aは、ステップS222において取込センサ異常監視要求フラグをセットする。この状態では、第1取込検出センサ114及び第2取込検出センサ115のいずれかからの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示させる。
次いで、ステップS224の判定において、メインRAM76cの取込要求フラグには「1」(1ユニット)がセットされているため、判定結果は否定となり、ステップS225で取込要求フラグの値が「1」から「0」に減算される。そして、ステップS226の判定において、取込要求フラグの値が「0」であるため、判定結果は肯定となり、取込処理が終了される。なお、取込処理の終了後、再度1BETボタン39が押された場合、メインRAM76cの取込要求フラグには「1」(1ユニット)がセットされた状態で取込処理が開始される。そして、3回目の1BETボタン39が押された場合の取込処理の終了時、メインRAM76cの取込要求フラグには「3」(3ユニット)がセットされているため、ステップS224の判定結果が肯定となり、取込可能表示用LED26を消灯させてから取込処理が終了する。
一方、MAXBETボタン40が操作された場合、ステップS191の判定結果は肯定となるため、ステップS190における3ユニット取込要求データがセットされたままの状態である。次いで、図8(b)に示すように、5球の遊技球が第1遊技球収容部118に収容されると取込準備フラグが別の処理においてセットされてステップS194の判定結果が肯定となる。次いで、遊技球収容部材102は右方向に存在することから、ステップS200の判定結果は否定となり、メインRAM76cには遊技球収容部材102を左方向に揺動させるデータがセットされる。また、このとき遊技球は第1排出口111から機内へ取り込まれるため、第1取込検出センサ114からの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、これを有効として取込球数カウントデータとしてカウントする。一方、第2取込検出センサ115からの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示させる。
そして、遊技球が正常に機内に取り込まれ、第1取込検出センサ114からの検出信号の入力が5回あった場合、ステップS218の判定結果が肯定となり、メインCPU76aは、ソレノイド104の作動をオフする。この時点においては、5球の遊技球の取り込みが終わり遊技球の取り込みを行っていないため、メインCPU76aは、ステップS222において取込センサ異常監視要求フラグをセットする。この状態では、第1取込検出センサ114及び第2取込検出センサ115のいずれかから検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示する。
次いで、ステップS224の判定において、メインRAM76cの取込要求フラグには「1」(1ユニット)がセットされているため、判定結果は否定となり、ステップS225においてセットされている取込要求フラグの値が「3」から「2」に減算される。そして、ステップS226の判定において、取込要求フラグの値が「2」になっていることにより判定結果は否定となる。このとき、図8(d)に示すように、第2遊技球収容部119には、遊技球が流入してくるため、5球の遊技球が第2遊技球収容部119に収容されると取込準備フラグが別の処理においてセットされてステップS228の判定結果が肯定となる。
そのため、メインCPU76aはステップS198からの処理を再度行うことになり、ステップS200の判定は、遊技球収容部材102が左方向に存在することから、判定結果が肯定となり、メインRAM76cにはステップS198における遊技球収容部材102を右方向に揺動させるデータがセットされたままの状態である。また、このとき遊技球は第2排出口112から機内へ取り込まれるため、第2取込検出センサ115からの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、これを有効として取込球数カウントデータとしてカウントする。一方、第1取込検出センサ114からの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示させる。また、ステップS205の処理において「5」が設定されている取込球数カウントデータを「0」にする。
そして、遊技球が正常に機内に取り込まれ、第2取込検出センサ115からの検出信号の入力が5回あった場合、ステップS218における判定結果が肯定となり、メインCPU76aは、ソレノイド104の作動をオフする。この時点において、5球の遊技球の取り込みが終わり遊技球の取り込みを行っていないため、メインCPU76aは、ステップS222で取込センサ異常監視要求フラグをセットする。この状態では、第1取込検出センサ114及び第2取込検出センサ115のいずれかから検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示させる。
次いで、ステップS224の判定において、メインRAM76cの取込要求フラグには「2」(2ユニット)がこの時点ではセットされているため、判定結果は否定となり、ステップS225においてセットされている取込要求フラグの値が「2」から「1」に減算される。そして、ステップS226の判定において、取込要求フラグの値が「1」になっていることにより判定結果は否定となる。このとき、図8(b)に示すように、第1遊技球収容部118には、遊技球が流入してくるため、5球の遊技球が第2遊技球収容部119に収容されると取込準備フラグが別の処理においてセットされてステップS228の判定結果が肯定となる。
そのため、メインCPU76aはステップS198からの処理を再度行うことになり、ステップS200の判定は、遊技球収容部材102が右方向に存在することから、判定結果が否定となり、メインRAM76cには遊技球収容部材102を左方向に揺動させるデータがセットされる。また、このとき遊技球は第1排出口111から機内へ取り込まれるため、第1取込検出センサ114からの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、これを有効として取込球数カウントデータとしてカウントする。一方、第2取込検出センサ115からの検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示する。また、ステップS205の処理において「5」が設定されている取込球数カウントデータを「0」にする。
そして、遊技球が正常に機内に取り込まれ、第1取込検出センサ114からの検出信号の入力が5回あった場合、ステップS218における判定結果が肯定となり、メインCPU76aは、ソレノイド104の作動をオフする。この時点においては、5球の遊技球の取り込みが終わり遊技球の取り込みを行っていないため、メインCPU76aは、ステップS222において取込センサ異常監視要求フラグをセットする。この状態では、第1取込検出センサ114及び第2取込検出センサ115のいずれかから検出信号の入力があった場合、メインCPU76aは、獲得球数表示用LED30bにエラーを通知する情報を表示させる。次いで、ステップS224の判定において、メインRAM76cの取込要求フラグには「3」(3ユニット)がセットされているため、判定結果は肯定となり、取込可能表示用LED26を点滅させてから取込処理を終了する。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)遊技球の機内への取り込みの動作と、取り込み準備の動作を同時に行わせることができるようにした。また、取込装置100では、ソレノイド104のオン・オフを切り替える制御のみで規定遊技球数(本実施形態では5球)の遊技球を一度に機内へ取り込むことができる。このため、遊技球の機内への取り込みに係る動作効率を向上させることができる。また、1球毎に遊技球の取り込み制御を行い、規定遊技球数に達するまで遊技球を取り込む構成の取込装置に比して、遊技球の取り込みに係る制御を簡素化することができる。また、取り込み準備状態が生起され、遊技球の機内への取り込み時、第1取込検出センサ114と、第2取込検出センサの検出結果からカウントした遊技球数が規定遊技球数に達しない場合、該カウントした遊技球数と同数の遊技球が第1払出装置67と、第2払出装置68から遊技者に払出されるようにした。したがって、遊技球の取り込みに係る制御を簡素化するとともに、規定遊技球数の遊技球を取り込めなかった場合において遊技者が不利益を被ることを抑制することができる。
(2)第1遊技球収容部118又は第2遊技球収容部119にあたかも遊技球が存在しているかの如く、収容検出センサ105〜109に誤認識させ、遊技球を取り込ませることなく賭数を設定する不正行為を行う遊技者も存在する。このため、収容検出センサ105〜109により遊技球が第1遊技球収容部118又は第2遊技球収容部119に収容されていることが検出されていたとしても、第1取込検出センサ114と、第2取込検出センサ115で遊技球が検出されない場合には、異常状態(エラー状態)を生起させるようにした。そして、異常状態は、下ドアキー15に専用のキーを挿入し、当該キーを時計回り方向に回動操作されることで解除されるとともに、遊技店の店員のみが操作できるようにした。すなわち、前記不正行為が頻繁に行われる場合、異常状態も頻繁に生起されることとなり、該異常状態の生起に伴い、遊技店の店員は、前記専用のキーによる回動操作を頻繁に行うこととなる。したがって、頻繁な前記専用のキーによる回動操作によって遊技する遊技者に対し、遊技店の店員に不信感を持たせ、前記不正行為の防止に寄与することができる。
(3)また、異常状態が生起された場合、当該異常状態の生起後において遊技者は、遊技を開始させることができない状態となる。すなわち、不正行為により異常状態が生起された場合においても、該異常状態の生起後、遊技を継続することができないため、不正行為により遊技が行われるのを防止することができる。
(4)球詰りなどの原因により、第1取込検出センサ114と、第2取込検出センサ115の検出結果が規定遊技球数未満とされ、遊技者に遊技球が返却される場合、機内に取り込まれた遊技球の全てが払い出されるわけでなく、機内に取り込んだ遊技球のうち賭数として設定されていない分のみ払い出されるようにした。すなわち、遊技者に返却する遊技球を最小限にし、遊技(図柄変動ゲーム)を行える状態へ迅速に復旧することができる。
(5)また、遊技球が遊技者に返却される場合でも、一度設定された賭数は、そのまま維持されている。このため、例えば、既に2の賭数が設定されている場合、BETボタン39を一度操作するのみで遊技(図柄変動ゲーム)が行える状態に移行することができる。すなわち、何度も何度もBETボタン39を操作しなくてはいけないという煩わしさを解消することができる。
(6)計測監視時間を設定することにより、1BETボタン39又はMAXBETボタン40の操作から計測監視時間が経過し、且つ第1取込検出センサ114又は第2取込検出センサ115の検出結果のカウントが規定遊技球数に達していない場合、該カウントした遊技球の個数分の遊技球が遊技者に返却される。このため、最大でも計測監視時間が経過した場合、次のゲームを行う準備を行うことができる。すなわち、ゲームを円滑に進めることができる。
(7)MAXBETボタン40が操作されて最大賭数が設定された場合には、MAXBETボタン40が操作された時の遊技球の取込が行われた以降、すなわち、6球目以降の取込処理においては、最大賭数に相当する個数の遊技球が機内へ取り込まれた否か判定し、当該判定結果が否定の場合には、取込準備フラグがセットされるごとに、遊技球収容部材102が揺動するようソレノイド104を制御することとした。そのため、6球目以降の取り込みにおいても、遊技球が遊技球収容部に収容されたことを確認してから実際に機内に遊技球を取り込むこととしたため、確実に規定遊技球数の遊技球を機内へ取り込ませることが可能となる。また、一方の遊技球収容部から遊技球を機内に取り込ませると同時に他方の遊技球収容部において遊技球が収容されるよう構成したので、取込動作を効率よく短時間で行うことが可能となる。
(8)取込監視フラグ監視時間が終了しても、取込準備フラグがセットされていない場合、取込不足表示用LED30aを点滅させて遊技球の不足を報知することにした。そのため、遊技者は取込不足表示用LED30aの点滅から遊技球の不足を容易に認識することができる。
(9)第1排出口111から機内へと取り込まれた遊技球は第1取込検出センサ114により検出され、第2排出口112から機内へと取り込まれた遊技球は第2取込検出センサ115により検出されることとした。そのため、位置検出センサ110により検出された遊技球収容部材102の位置に基づいたソレノイド104の作動によって遊技球収容部材102が揺動した場合に、遊技球が排出される排出口に対応した取込検出センサにより遊技球が検出されることによって、遊技球収容部材102が正常に揺動されたことを確認することができる。
(10)第1遊技球収容部118が排出位置にある場合には、第1取込検出センサ114の検出信号をもとに遊技球の個数がカウントされる。また、第2遊技球収容部119が排出位置にある場合には、第2取込検出センサ115の検出信号をもとに遊技球の個数がカウントされる。従って、意図された遊技球の取込経路とは異なる経路からの遊技球の取り込みがカウントされることがなく、遊技球の取込個数を正確にカウントすることができる。また、不正行為による賭数の設定を防止することもできる。
(11)1BETボタン39又はMAXBETボタン40が操作されてから賭数に応じた個数の遊技球が取り込まれる迄の取込処理中は以下のように制御を行う。すなわち、排出位置に第1遊技球収容部118が存在する場合に前記第2取込検出センサ115の検出信号を入力したとき、及び排出位置に第2遊技球収容部119が存在する場合に前記第1取込検出センサ114の検出信号を入力したときには、検出信号を入力した旨を獲得球数表示用LED30bに表示させることとした。従って、遊技球の取込処理中に、意図した遊技球の取込動作とは違った動作が行われ、不具合が発生したことを判別することができる。
(12)取込処理中以外は、第1取込検出センサ114及び第2取込検出センサ115からの検出信号の入力を常時監視し、入力があった場合は、検出信号を入力した旨を獲得球数表示用LED30bに表示させることとした。そのため、1BETボタン39又はMAXBETボタン40が操作されていないにも拘らず機内に遊技球が取り込まれるという不具合を判別することができる。また、電波を使用した不正行為も判別することができる。
(13)位置検出片110aが位置検出センサ110に接触することがないため、長期に亘って取込装置100を使用したとしても、位置検出片110aが位置検出センサ110と接触することで位置検出センサ110に不具合が生じてしまうのを防止することができる。
(14)賭数に相当する遊技球が機内へ取り込まれた場合、又は賭数に相当する遊技球が機内へ取り込まれず遊技者に返却された場合、取り込んだ遊技球としてカウントされた遊技球のカウント値を「0」にリセットすることとした。従って、1回の遊技球の取込動作の終了後、前記カウント値を「0」にリセットし、次の取込処理が行えるようにした。この結果、遊技が実行されるために必要な遊技球の個数を正確に機内へ取り込むことができる。
(15)遊技球の払出しに関する異常(本実施形態では下センサエラー)が発生した場合には、異常が発生した払出装置の動作を停止させる一方で、他の払出装置によって継続して遊技媒体を払出させるので、異常発生時の稼働率の低下を抑制し得る。すなわち、遊技を中断させることなく継続させることが可能である。例えば、実施形態においては、第1払出装置67の第1下センサ67cに下センサエラーが発生している場合、他の払出装置となる第2払出装置68を用いて遊技球の払出しを行う。その一方で、異常が発生した場合には、1球の遊技球の払出しに係る時間を遅延させることにより(下センサエラー処理のステップH123〜H125,H127の処理)、異常状態の速やかな解消に対する措置を遊技者に促すことができる。すなわち、異常発生後は、その異常状態を解消しないまま遊技を継続させることが可能であるが、遊技間隔が長くなるので、遊技者にとっては不利な状態(賞態様を獲得するチャンスが減少する)で遊技を行うことになる。したがって、異常状態の速やかな解消に対する措置を遊技者に促すことができる。
(16)スロットマシン10は、払出し完了を以って1回の遊技が終了し、次の遊技を開始させることができるように構成されている。このように構成した場合には、異常発生後に1球の遊技媒体の払出しに係る時間を遅延させることで、結果的に次の遊技を開始させることができる状態になるまでの時間が長くなることとなる。したがって、異常状態の速やかな解消に対する措置を遊技者に促すことができる。
(17)払出装置の払出ソレノイドを複数回(本実施形態では3回)動作させても当該払出装置の下センサが検出信号(第1下センサ信号又は第2下センサ信号)を入力しなかった場合に、異常と判定するようにした。このため、異常判定の判定精度を向上させることができる。また、異常と判定する場合の条件を回数で管理しているため、払出制御基板59(払出CPU59a)は通常の払出し動作時と同様に払出ソレノイドを動作させれば良く、制御負担を増加させることもない。
(18)第1下センサ67c及び第2下センサ68cからの検出信号(第1下センサ信号及び第2下センサ信号)を常時受け付けるように構成したので、常時、払出装置(第1払出装置67及び第2払出装置68)からの遊技球の払出し状態を監視することができる。すなわち、下センサエラーの発生によって払出装置の動作は停止しても、第1下センサ67c及び第2下センサ68cは遊技球を検出した場合に検出信号を出力し、払出CPU59aは当該検出信号を受け付ける。したがって、不正行為などの早期発見にも貢献することができる。
(19)異常状態(下センサエラー)の発生後は、払出ソレノイドをOFF(払出規制状態)に制御する時間、つまりON(払出許容状態)から次のON(払出許容状態)に制御する間隔を長くすることにより、1球の遊技媒体の払出しに係る時間を確実に、かつ容易に遅延させることができる。
(20)前回の賞態様の成立時(前回の払出し時)に遊技球の払出しに関する異常(本実施形態では下センサエラー)が発生した否かを判定する(払出し及び貸出処理のステップH017(図16))。そして、この判定は、異常判定(払出し及び貸出処理のステップH032(図16))よりも先に行う。このため、今回の賞態様の成立時(今回の払出し時)には、前回の賞態様の成立時に異常が発生した払出装置を用いて通常の払出しを行わせなくて済み、余剰な遊技球の払出しを抑制し、遊技場の不利益に繋がらないようにすることができる。
(21)また、前回の賞態様の成立時に遊技球の払出しに関する異常が発生していた場合(ステップH017(図16)を肯定判定)には、払出装置に異常が発生するか否かの検査を行うようにした。実施形態では、払出し及び貸出処理のステップH018の下センサエラー処理を実行し、検査を行う。このため、異常が解消する機会を与えることができ、異常状態の解消に貢献できる。
(22)異常が発生した場合には、遊技球の払出し終了後に異常が発生した旨を記憶するので(下センサエラー処理のステップH126(図20))、次回の賞態様の成立時には、異常判定を行うことなく、前回の賞態様の成立時に異常が発生したか否かを判定することができる。また、検査を行うことができる。したがって、処理プログラム経路の短縮化を図ることができ、処理速度の向上に貢献できる。
(23)異常判定の処理内容(ステップH033(図16)の下センサエラー処理)と前回の払出し時に異常が発生した場合に実行する検査の処理内容(ステップH018(図16)の下センサエラー処理)とを同一処理内容とした。このため、処理プログラムの簡素化を図ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、遊技者が操作可能な異常状態解除手段としての異常解除用スイッチなどを設け、遊技者が異常状態を解除可能な構成にしても良い。この場合、遊技者は、異常状態が生起された場合、自分で前記異常解除用スイッチを操作することで異常状態を解除することとなる。このため、不正行為などにより異常状態が頻繁に生起される場合、異常解除スイッチの操作も頻繁に行われることとなる。したがって、異常解除スイッチを頻繁に操作する遊技者に対し、遊技店の店員に不信感を抱かせることができる。すなわち、不正行為の防止に寄与することができる。
・本実施形態では、複数の賭数を指示するMAXBETボタン40が操作されることで実行される遊技球の取込動作において、異常状態が生起された場合、前記MAXBETボタン40の操作により機内へ取り込んだ遊技球の全てを遊技者に返却しても良い。例えば、MAXBETボタン40が操作され、12個の遊技球を機内へ取り込んだ時点で異常状態が生起された場合、2の賭数に相当する遊技球(10個)を機内に取り込んでいるが、取り込んだ12個の遊技球が遊技者に返却されることとなる。また、1BETボタン39を複数回(2回又は3回)操作されることで実行される遊技球の取込動作において、上記と同様に異常状態が生起された場合、前記複数回の1BETボタン39の操作により機内へ取り込んだ遊技球の全てを遊技者に返却しても良い。
・本実施形態では、計測監視時間を設定しなくても良い。この場合、取込準備状態からの取込動作で、規定遊技球数の遊技球を機内へ取り込めなかった場合、遊技(ゲーム)が行われない状態が継続することとなる。この状態において、異常状態を解除する(専用のキーを下ドアキー15に挿入して時計回り方向に回す)ことで遊技者に遊技球が返却され、遊技を行うことができる状態に復帰するようにしても良い。異常状態となった場合、遊技者自らが遊技が開始されないことを遊技店の店員に知らせることで、該店員により異常状態が解除されるようにする。すなわち、異常状態を解除する操作が行われない限り遊技を行える状態に復帰しないようになっている。したがって、異常状態が生起された場合、必ず遊技店の店員が異常状態を確認することができ、不正行為の防止にも寄与することができる。
・本実施形態では、取込装置100を前枠13の裏側において遊技球収容部材102が上下に延在するよう配設したが、遊技球収容部材102が傾斜するように配設しても良い。
・遊技球収容部において規定遊技球数の遊技球が検出されなかった場合に、取込不足表示用LED30aを点滅させるようにしたが、これをどちらの遊技球収容部で不足が起こっているのかを通知可能な構成に変更しても良い。
・規定遊技球数を5球に設定したが、所要に応じて遊技球収容部の長さを変更するとともに、収容検出センサの数を増減させることで、任意数の規定遊技球数を設定可能である。例えば、遊技価値として1BETに対する規定遊技球数が6球となる場合でも、遊技球収容部として6球の遊技球を収容できる長さに変更することで、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
・遊技球収容部材102を揺動することで、遊技球収容部材102を移動させるよう構成したが、これに限らず、遊技球収容部材102を平行移動させて移動させるよう変更しても良い。
・メイン制御基板76が取込処理に係る制御を行うこととしたが、別途取込処理用の制御基板を設けるように変更しても良い。
・下センサエラー発生後、正常な払出装置を用いて遊技球を払出す場合の払出し間隔(ステップH124)は、変更しても良い。
・払出装置の台数は変更しても良い。例えば、3台や4台であっても良い。また、払出装置の具体的な構成は実施形態に限らず、変更しても良い。
・下センサエラー処理では、検査回数として「3(回)」をセットしたが、セットする回数は変更しても良い。例えば、2回や4回でも良い。
・本実施形態では、スロットマシン10に具体化したが、パチンコ遊技機やアレンジボール遊技球に具体化しても良い。なお、アレンジボール遊技機は、所定個数(例えば、16球)の遊技球が発射されることを一遊技単位として遊技が行われる。
・スロットマシン10にはカードユニット16を並設したが、球貸し装置(サンド)が並設されても良い。このような環境下で遊技場に設置される場合、球貸しに係る処理は不要となるので、実施形態で説明した球貸しに係る処理を省略してスロットマシン10を構成しても良い。
・下センサエラー処理のステップH126では、下センサエラーが発生した場合にエラーが発生した旨を示す下センサフラグをセットしているが、下センサエラー発生した場合にエラーが発生した払出装置を特定する情報をセットしても良い。そして、ステップH017の処理が肯定の場合には、検査を行うことなく、異常発生の払出装置の動作を停止し、正常な払出装置を遅延動作させて遊技球を払出すようにしても良い。
・払出し及び貸出処理のステップH017,H018を省略しても良い。すなわち、払出し時においては遊技球の払出しを通常通りに行い、ステップH032が否定判定された場合に下センサエラー処理(異常判定)を実行するようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(ア)複数種類の図柄を変動させて図柄変動ゲームを表示する表示装置と、遊技媒体としての遊技球が貯留される球皿と、前記図柄変動ゲームの賭数を設定する際に遊技者によって操作され、当該賭数に応じた遊技球の機内への取り込みを指示する取込指示手段と、前記球皿から流入された遊技球を一の賭数に対応させて定めた規定遊技球数単位で機内に取り込む取込装置と、前記取込装置を動作させる制御手段と、前記図柄変動ゲームを開始させる開始操作手段とを備え、前記取込指示手段の操作によって前記図柄変動ゲームの賭数を設定し、前記取込装置の動作により前記賭数に応じた遊技球を前記規定遊技球数単位で機内へ取り込んだ後、前記開始操作手段の操作を契機に前記図柄変動ゲームを開始させ、当該ゲームで停止表示された図柄が予め定めた賞態様を形成した場合に遊技球を遊技者に対し払い出す払出装置から賞球が払い出される遊技機において、前記取込装置は、前記球皿と連通する流入部と、当該流入部と連通可能な球入口から前記規定遊技球数の遊技球を収容可能な第1遊技球収容部及び第2遊技球収容部が設けられた遊技球収容部材と、当該第1遊技球収容部の球出口と連通可能な第1排出口と、前記第2遊技球収容部の球出口と連通可能な第2排出口と、前記第1遊技球収容部及び前記第2遊技球収容部に収容された遊技球の有無を検出し得る収容検出手段と、前記遊技球収容部材を、前記球入口と前記流入部とが連通して前記流入部からの遊技球を受け入れて収容する収容位置、及び前記球出口と前記排出口とが連通して遊技球を排出する排出位置との間で揺動させるソレノイドと、前記遊技球収容部材の揺動位置を検出する位置検出手段と、前記第1排出口及び前記第2排出口を通過する遊技球を検出する取込検出手段とを備え、前記遊技球収容部材は、前記第1遊技球収容部が前記収容位置に存在するときには前記第2遊技球収容部が前記排出位置に存在する一方で、前記第1遊技球収容部が前記排出位置に存在するときには前記第2遊技球収容部が前記収容位置に存在するように揺動し、前記制御手段は、前記収容検出手段の検出結果に基づき、前記収容位置に存在する遊技球収容部において前記規定遊技球数の遊技球が検出されているか否かを判定し、当該判定結果が肯定の場合には、機内への遊技球の取り込み準備が完了したことを示す取込準備状態を生起させ、前記取込指示手段の操作時に前記取込準備状態が生起されている場合には、前記位置検出手段により検出される前記遊技球収容部材の位置に基づいて前記ソレノイドを制御し、前記収容位置に存在する前記遊技球収容部材を前記排出位置に揺動させることにより遊技球を機内へと取り込ませ、前記遊技球の機内への取り込み時には、前記取込検出手段により検出された遊技球の個数をカウントし、当該カウントした遊技球の個数が前記規定遊技球数未満である場合、前記カウントした遊技球の個数と同数の遊技球を払出すように前記払出装置を制御することを特徴とする遊技機。
(イ)遊技機には、遊技球の取り込みに関して発生した異常状態を解除する異常状態解除手段が設けられており、前記制御手段は、前記取込検出手段の検出結果からカウントした遊技球の個数が前記規定遊技球数未満である場合に前記異常状態を生起させ、前記異常状態解除手段の操作により、前記異常状態が解除された場合、前記カウントした値を予め定めた初期値にリセットするとともに、前記カウントした遊技球の個数と同数の遊技球を払い出すように前記払出装置を制御することを特徴とする技術的思想(ア)に記載の遊技機。
(ウ)前記制御手段は、前記取込指示手段の操作によって複数の賭数が指示された場合、前記カウントした遊技球の個数が前記規定遊技球数に達する毎に、一の賭数を設定するとともに前記カウントした遊技球の個数を予め定めた初期値にリセットすることを特徴とする技術的思想(ア)又は(イ)に記載の遊技機。
(エ)前記取込検出手段により検出された遊技球の個数をカウントする計測監視時間を設定し、前記制御手段は、前記計測監視時間内に前記取込検出手段で検出された遊技球の個数をカウントすることを特徴とする技術的思想(ア)〜(ウ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(オ)前記取込指示手段は、前記図柄変動ゲームにおける最大賭数を一度の操作で指示可能であるとともに、前記制御手段は、前記取込指示手段の操作によって最大賭数が指示され当該取込指示手段の操作時に前記規定遊技球数の遊技球を前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記第1遊技球収容部又は第2遊技球収容部のいずれか一方の遊技球収容部から機内へ取り込んだ以降、前記最大賭数に相当する個数の遊技球が機内へ取り込まれたか否か判定し、当該判定結果が否定の場合には、前記取込準備状態が生起されるごとに、前記位置検出手段により検出される前記遊技球収容部材の位置に基づいて前記ソレノイドを制御し、前記収容位置に存在する他方の前記遊技球収容部を前記排出位置に切替えるよう揺動させることにより遊技球を第1遊技球収容部及び第2遊技球収容部から交互に機内へと取り込ませ、前記取込検出手段により検出された遊技球の個数をカウントすることを特徴とする技術的思想(ア)〜(エ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(カ)遊技者に遊技球の不足を報知する不足報知手段を備え、前記制御手段は、前記収容位置に存在する前記遊技球収容部を切替えた時点から予め定めた不足報知時間が経過した時点において、前記取込準備状態が生起されていない場合、前記不足報知手段に報知を実行させることを特徴とする技術的思想(オ)に記載の遊技機。
(キ)前記取込検出手段は、前記第1排出口から機内へと取り込まれた遊技球を検出する第1取込検出器と、前記第2排出口から機内へと取り込まれた遊技球を検出する第2取込検出器とからなることを特徴とする技術的思想(イ)〜(カ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ク)前記制御手段は、前記取込指示手段が操作されてから前記賭数に応じた個数の遊技球が取り込まれる迄の取込処理中、前記排出位置に前記第1遊技球収容部が存在する場合には前記第1取込検出器が出力する検出信号を有効とする一方で、前記排出位置に前記第2遊技球収容部が存在する場合には前記第2取込検出器が出力する検出信号を有効とし、当該検出信号をもとに遊技球の個数をカウントすることを特徴とする技術的思想(キ)に記載の遊技機。
(ケ)遊技球の取り込みに関する情報を通知する取込情報通知手段を備え、前記制御手段は、前記取込指示手段が操作されてから前記賭数に応じた個数の遊技球が取り込まれる迄の取込処理中、前記排出位置に第1遊技球収容部が存在する場合に前記第2取込検出器の検出信号を入力したとき、及び前記排出位置に前記第2遊技球収容部が存在する場合に前記第1取込検出器の検出信号を入力したときには、当該検出信号を入力した旨を前記取込情報通知手段に通知させることを特徴とする技術的思想(キ)又は(ク)に記載の遊技機。
(コ)遊技球の取り込みに関する情報を通知する取込情報通知手段を備え、前記制御手段は、前記取込指示手段が操作されてから前記賭数に応じた個数の遊技球が取り込まれる迄の取込処理を実行していない時には前記取込検出手段の検出状態を監視し、当該取込検出手段の検出信号を入力した場合には当該検出信号を入力した旨を前記取込情報通知手段に通知させることを特徴とする技術的思想(ク)又は(ケ)に記載の遊技機。
(サ)前記位置検出手段は、非接触型のフォトセンサであり、前記遊技球収容部材には、当該位置検出手段に検出される被検出部が設けられていることを特徴とする技術的思想(ア)〜(コ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(シ)複数台の前記払出装置と、前記賞態様の成立に伴って前記所定数の遊技媒体が払出されるように前記複数台の払出装置を動作させる払出制御手段と、前記複数台の払出装置の動作状態を監視し、前記遊技媒体の払出しに関する払出異常が発生したか否かの払出異常判定を行う異常判定手段とを備え、前記払出制御手段は、前記遊技媒体の払出し中に前記払出異常判定手段の判定結果が肯定となった場合、前記払出異常が発生した払出装置の動作を停止させる一方で、他の払出装置の動作によって前記遊技媒体の払出しを継続させるとともに、前記遊技媒体の払出しを前記他の払出装置の動作によって継続させる場合には払出異常未発生時に比して一の遊技媒体の払出しに係る時間を遅延させるように前記他の払出装置の動作を制御することを特徴とする技術的思想(イ)〜(サ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ス)前記遊技機は、予め定めた一遊技単位の遊技中に前記賞態様が成立した場合、前記払出装置が前記所定数の遊技媒体を払出すことにより1回の遊技を終了させるとともに、次の遊技を開始させることが可能な状態とされることを特徴とする技術的思想(シ)に記載の遊技機。
(セ)前記払出装置は、前記払出制御手段が出力する制御信号に基づき一の遊技媒体の払出しを許容する払出許容状態と前記払出しを規制する払出規制状態の何れか一方の状態に制御される媒体払出手段と、当該媒体払出手段が払出許容状態になったことにより前記払出装置から払出される遊技媒体を検出し、検出信号を前記払出制御手段に出力する媒体検出手段とを備え、前記払出制御手段は、前記媒体払出手段を前記払出許容状態に動作させた後、前記媒体検出手段からの検出信号を入力することにより一の遊技媒体の払出しが完了したことを認識する一方で、前記媒体払出手段を前記払出許容状態に動作させた後、前記媒体検出手段からの検出信号を入力していない場合には一の遊技媒体の払出しが完了していないことを認識するとともに、前記媒体払出手段を前記払出許容状態に再び動作させる構成とされており、前記払出異常判定手段は、前記払出制御手段が前記検出信号を入力しなかったことにより前記媒体払出手段を前記払出許容状態に複数回動作させても、前記払出制御手段が前記媒体検出手段からの検出信号を入力しなかった場合、前記払出異常判定を肯定判定することを特徴とする技術的思想(シ)又は(ス)に記載の遊技機。
(ソ)前記払出制御手段は、前記払出装置に払出異常が発生したか否かに拘わらず、前記媒体検出手段からの検出信号を常時受け付けることを特徴とする技術的思想(セ)に記載の遊技機。
(タ)前記払出制御手段は、前記遊技媒体の払出しを前記他の払出装置の動作によって継続させる場合、当該他の払出装置の有する前記媒体払出手段を前記払出規制状態に制御する時間を、前記異常未発生時に前記媒体払出手段を前記払出規制状態に制御する時間よりも長くすることを特徴とする技術的思想(セ)又は(ソ)に記載の遊技機。