JP4954558B2 - 金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法 - Google Patents

金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4954558B2
JP4954558B2 JP2006023203A JP2006023203A JP4954558B2 JP 4954558 B2 JP4954558 B2 JP 4954558B2 JP 2006023203 A JP2006023203 A JP 2006023203A JP 2006023203 A JP2006023203 A JP 2006023203A JP 4954558 B2 JP4954558 B2 JP 4954558B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
group
metal
acid
colloidal silica
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006023203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007207907A (ja
Inventor
信 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2006023203A priority Critical patent/JP4954558B2/ja
Priority to US11/657,593 priority patent/US20070176142A1/en
Priority to KR1020070008291A priority patent/KR20070078988A/ko
Priority to TW096103277A priority patent/TW200738854A/zh
Priority to EP07002005A priority patent/EP1813657A3/en
Publication of JP2007207907A publication Critical patent/JP2007207907A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4954558B2 publication Critical patent/JP4954558B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09GPOLISHING COMPOSITIONS; SKI WAXES
    • C09G1/00Polishing compositions
    • C09G1/02Polishing compositions containing abrasives or grinding agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は、半導体デバイスの製造工程において、化学的機械的な平坦化を行う際に用いられる金属用研磨液、及びそれを用いた研磨方法に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、小型化・高速化のため、近年配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)等の種々の技術が用いられてきている。
このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術であり、この技術を用いて、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨常盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウエハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨常盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基盤の表面を平坦化するものである。
CMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には、砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素、過硫酸)とが含まれる。基本的なメカニズムは、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられており、その方法は、例えば、非特許文献1に記載されている。
配線用の金属としては、従来からタングステン及びアルミニウムがインターコネクト構造体に汎用されてきた。しかしながら更なる高性能化を目指し、これらの金属より配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。この銅を配線する方法としては、例えば、特許文献2に記載されている、ダマシン法が知られている。また、コンタクトホールと配線用溝とを同時に層間絶縁膜に形成し、両者に金属を埋め込むデュアルダマシン法が広く用いられるようになってきた。銅金属の研磨においては、特に軟質の金属であるがため、益々高精度の研磨技術が要求されてきている。また、同時に、高生産性を発揮し得る高速金属研磨手段が求められている。
特に、昨今は半導体デバイスの小型・高速化のため、配線の微細化と積層化によるいっそうの高密度化・高集積化が求められており、配線部金属が過剰に研磨されて皿状に窪むディッシング現象の低減への要求がますます強くなりつつある。
本発明者がディッシング現象に対して研究を行ったところ、サイズの大きい砥粒を用いるとディッシングが大きくなるという結果が明らかとなった。この原因としては、主に砥粒の凝集と考えられる。この問題に対し、コロイダルシリカの表面をアルミニウムで被覆して粒子の凝集を少なくした砥粒を含む研磨液を用いることで、スクラッチ(研磨傷)を低減させる技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、本発明者が、この特許文献3に記載の技術を用いて、高速研磨とディッシングの低減との両立を試みたところ、未だ不十分であった。
米国特許4944836号明細書 特開平2−278822号公報 特開2003−197573号公報 ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)、1991年、第138巻、第11号、3460〜3464頁
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、被研磨体(ウエハ)を研磨する際に、高い研磨速度と低ディッシングとの両立を可能とする金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記に示す組成の金属用研磨液を用いることにより問題を解決できることを見出し、上記目的を達成するに至った。
(1) 1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のトリアゾール類、及び、配位数4の珪素原子を含むサイトを有するコロイダルシリカ表面にアルミニウムが存在し、且つ、該コロイダルシリカの表面原子置換率(導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数)が、0.1%以上5%以下であるコロイダルシリカを含有することを特徴とする金属用研磨液。
) 更に、少なくとも1種のアミノカルボン酸を含有することを特徴とする(1)に記載の金属用研磨液。
) pHが6.5〜8である(1)又は(2)に記載の金属用研磨液。
) (1)乃至()のいずれか1に記載の金属用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
) ()に記載の化学的機械的研磨方法を用いて研磨された金属膜を有する半導体集積回路を備えた半導体デバイス。
本発明によれば、被研磨体(ウエハ)を研磨する際に、高い研磨速度と低ディッシングとの両立を可能とする金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法を提供することができる。
<金属用研磨液>
本発明の金属用研磨液は、必須成分として、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のトリアゾール類、及び、配位数4の珪素原子を含むサイトを有するコロイダルシリカ表面にアルミニウムが存在し、且つ、該コロイダルシリカの表面原子置換率(導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数)が、0.1%以上5%以下であるコロイダルシリカを含有し、他に、有機酸や酸化剤などを含有することが好ましく、通常は、各成分を溶解してなる水溶液に、前記コロイダルシリカ(砥粒)を分散させてなるスラリーの形態をとる。
また、他の好ましい態様としては、上記金属用研磨液が、更に、少なくとも1種のアミノカルボン酸を含有することである。
上記金属用研磨液を構成する各成分については、以下に詳述するが、それぞれの成分は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において「金属用研磨液」とは、研磨に使用する組成(濃度)の研磨液のみならず、使用時に必要により希釈して用いる研磨濃縮液も本発明では特に断りのない限り、研磨液と称する。濃縮液は研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるもので、希釈倍率は一般的には1〜20体積倍である。
〔トリアゾール類〕
本発明の金属用研磨液は、被研磨体の金属表面に不動態膜を形成する化合物として、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のトリアゾール類を含有する。トリアゾール類であれば、分子内に、縮合環を有していてもよい。
トリアゾール類を構成する具体的な母核としては、1,2,3−トリアゾール、及び1,2,4−トリアゾールがより好ましく用いられる。
本発明で用いられるトリアゾール類は、上記の母核(複素環部分)に以下の置換基が導入された誘導体であってもよい。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていてもよいことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換又は無置換のアルキル基を意味する。
母核(複素環部分)に導入し得る置換基は、例えば、以下のものが挙げられる。
即ち、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えば、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
なお、活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、電子求引性基とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基を意味する。2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。
また、塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
本発明において用いられるトリアゾール類として好ましくは、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸等が好ましいものとして挙げられる。
本発明で用いるトリアゾール類は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、本発明で用いるトリアゾール類は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
本発明で用いるトリアゾール類の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の金属用研磨液。以降の「研磨に使用する際の金属用研磨液」も同意である。)1L中、0.0001〜1.0molが好ましく、より好ましくは0.0002〜0.1mol、更に好ましくは0.0002〜0.01molである。即ち、トリアゾール類の添加量は、ディッシング低減の点で0.0001mol以上が好ましく、高研磨速度維持の点で1.0mol以下が好ましい。
配位数4の珪素原子を含むサイトを有するコロイダルシリカ表面にアルミニウムが存在する表面の一部がアルミニウムで覆われたコロイダルシリカ〕
本発明の金属用研磨液は砥粒の少なくとも一部として、配位数4の珪素原子を含むサイトを有するコロイダルシリカ表面にアルミニウムが存在する表面の一部がアルミニウムで覆われたコロイダルシリカを含有する。以下、適宜、特定コロイダルシリカと称する。
本発明において「表面の一部がアルミニウムで覆われたコロイダルシリカ」とは、配位数4の珪素原子を含むサイトを有するコロイダルシリカ表面に、アルミニウムが存在している状態を意味するものであり、コロイダルシリカ表面に4個の酸素原子が配位したアルミニウム原子が結合し、アルミニウム原子が4配位の状態で固定された新たな表面が生成した状態のものであってもよく、また、コロイダルシリカ表面に存在する珪素原子が一旦引き抜かれて、アルミニウム原子と置き換わった新たな表面が生成した状態のものであってもよい。
特定コロイダルシリカの調製に用いられるコロイダルシリカとしては、粒子内部にアルカリ金属などの不純物を含有しない、アルコキシシランの加水分解により得たコロイダルシリカであることがより好ましい。一方、ケイ酸アルカリ水溶液からアルカリを除去する方法で製造したコロイダルシリカも用いることができるものの、この場合、粒子の内部に残留するアルカリ金属が徐々に溶出し、研磨性能に影響を及ぼす懸念がある。このような観点からは、前記アルコキシシランの加水分解により得られたものが原料としてはより好ましい。
原料となるコロイダルシリカの粒径は、砥粒の使用目的に応じて適宜選択されるが、一般的には10〜200nm程度である。
このような特定コロイダルシリカを得る方法としては、例えば、コロイダルシリカの分散液にアルミン酸ソーダ等のアルミン酸化合物を添加する方法を好適に用いることができる。この方法は、特許第3463328号公報、特開昭63−123807号公報に詳細に記載され、この記載を本発明に適用することができる。
また、その他の方法として、コロイダルシリカの分散液にアルミニウムアルコキシドを添加する方法が挙げられる。
ここで用いるアルミニウムアルコキシドはいかなるものでもよいが、好ましくは、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシドであり、特に好ましくはアルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシドである。
上記の方法により得られた特定コロイダルシリカは、4配位のアルミン酸イオンとコロイダルシリカ表面のシラノール基との反応によって生成したアルミノシリケイトサイトを有し、これが負の電荷を固定し、粒子に負の大きなゼータポテンシャルを与える。これにより、特定コロイダルシリカは、酸性においても分散性に優れるという特徴を有する。
したがって、前述の如き方法によって製造した特定コロイダルシリカには、アルミニウム原子が4個の酸素原子に配位された状態で存在することが重要である。
なお、本発明における特定コロイダルシリカ表面に存在する、4個の酸素原子が配位したアルミニウム原子は、例えば、ゼータ電位を測定することによって容易に確認することができる。
本発明における特定コロイダルシリカにおいて、アルミニウムで覆われた量としては、コロイダルシリカの表面原子置換率(導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数)で表される。この表面原子置換率は、0.1%以上5%以下である。
この表面原子置換率は、原料のコロイダルシリカの分散液に添加するアルミン酸化合物、アルミニウムアルコキシドなどの添加量(濃度)を制御することにより、適宜制御することができる。
ここで、特定コロイダルシリカの表面原子置換率(導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数)は、以下のようにして求めることができる。
まず、分散液中に添加したアルミニウム系化合物のうち、反応後に残存する未反応アルミニウム系化合物から消費されたアルミニウム系化合物の量を算出する。この消費されたアルミニウム系化合物が100%反応したと仮定し、コロイダルシリカ直径から換算される表面積、コロイダルシリカの比重2.2、及び単位表面積あたりのシラノール基数(5〜8個/nm2)から表面原子置換率を見積もることができる。実際の測定は、得られた特定コロイダルシリカ自体を元素分析し、アルミニウムが粒子内部に存在せず、表面に均一に薄くひろがると仮定し、上記コロイダルシリカの表面積/比重、及び、単位表面積あたりのシラノール基数を用いて求める。
本発明における特定コロイダルシリカの具体的な製造方法について下記に示す。
まず、コロイダルシリカを1〜50質量%の範囲で水に分散させ、該分散液のpHを7〜11に調整し、その後、室温近傍にて攪拌しながら、アルミン酸ナトリウム水溶液を添加し、そのまま0.5〜10時間攪拌する。
これにより得られたゾルを、イオン交換や限外濾過などにより不純物を除去して、特定コロイダルシリカを得ることができる。
得られた特定コロイダルシリカのサイズ(体積相当径)は、3mから200nmが好ましく、5nmから100nmが更に好ましく、10nmから60nmが特に好ましい。
なお、特定コロイダルシリカの粒径(体積相当径)は、動的光散乱法により測定した値を採用している。
また、本発明の金属用研磨液中の特定コロイダルシリカの含有量は、その効果を発現するために、研磨に使用する際の金属用研磨液の質量に対して、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.05質量%以上0.2質量%以下である。
本発明の金属用研磨液に含有される砥粒のうち、特定コロイダルシリカの含有割合は、好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。含有される砥粒の全てが特定コロイダルシリカであってもよい。
本発明の金属用研磨液に対し、特定コロイダルシリカ以外で砥粒として用いられるものとしては、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、セリア、アルミナ、チタニア等が好ましく、特に好ましくはコロイダルシリカである。これらのサイズは、特定コロイダルシリカと同等か、それ以上、また、2倍以下であることが好ましい。
〔酸化剤〕
本発明の金属用研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有することが好ましい。
具体的には、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、及び銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられるが、中でも、過酸化水素がより好ましく用いられる。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で高いCMP速度を確保する点で0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
〔有機酸〕
本発明に係る金属用研磨液は更に少なくとも1種の有機酸を含有することが好ましい。ここでいう有機酸は、金属の酸化剤ではなく、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。
有機酸の例として、例えば、有機酸、アミノ酸が挙げられる。
有機酸としては、水溶性のものが望ましい。以下の群から選ばれたものがより適している。
即ち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、アセドアミドイミノ二酢酸、ニトリロ三プロパン酸、ニトリロ三メチルホスホン酸、ジヒドロキシエチルグリシン、トリシン、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、又はそれらの混合物等が挙げられる。
また、アミノ酸としては、水溶性のものが好ましい。以下の群から選ばれたものがより適している。
即ち、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等が挙げられる。
本発明においては、上記の有機酸又はアミノ酸の中でも、特に以下のアミノカルボン酸を用いることが好ましい。
即ち、グリシン、イミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、n−メチルグリシン、ニトリロ三プロパン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、β−アラニン、グリシルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アセドアミドイミノ二酢酸、トリシン等である。
有機酸の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.005〜0.5molとすることが好ましく、0.01〜0.3molとすることがより好ましく、0.05〜0.3molとすることが特に好ましい。即ち、有機酸の添加量は、研磨速度向上の点で0.01mol以上が好ましく、ディッシングを悪化させない点で0.3mol以下が好ましい。
本発明の金属用研磨液において、上記有機酸は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、これらの有機酸は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
本発明の金属用研磨液は、更に他の成分を含有してもよく、例えば、界面活性剤、親水性ポリマー、及び、その他の添加剤を挙げることができる。
(界面活性剤/親水性ポリマー)
本発明の研磨液は、界面活性剤や親水性ポリマーを含有することが好ましい。
界面活性剤及び親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤や親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤も用いることもできる。
また、親水性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール等のポリグリコール類、ポリビニルアルコール、ポロビニルピロリドン、アルギン酸等の多糖類、ポリメタクリル酸等のカルボン酸含有ポリマー等が挙げられる。
なお、上記のものは、酸若しくはそのアンモニウム塩の方が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染がなく望ましい。上記例示化合物の中でもシクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
これらの界面活性剤や親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。
(pH調整剤)
本発明の金属用研磨液は、所定のpHとすべく、酸剤、アルカリ剤、又は緩衝剤を添加されることが好ましい。
酸剤としては、無機酸が用いられ、この無機酸としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸などが挙げられる。中でも硫酸が好ましい。
アルカリ剤及び緩衝剤としては、アンモニア、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩などを挙げることができる。
特に好ましいアルカリ剤としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
pH調整剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
研磨に使用する際の金属用研磨液のpHは、より好ましくは4〜9であり、特に6.5〜8が好ましい。この範囲において本発明の金属用研磨機は特に優れた効果を発揮する。
上記酸剤、アルカリ剤、緩衝剤を用いることで、本発明の金属用研磨液のpHを上記好ましい範囲に調整するものである。
〔キレート剤〕
本発明に係る金属用研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(即ち、硬水軟化剤)を含有していてもよい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物を用いることができ、必要に応じてこれらを2種以上併用してもよい。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加することが好ましい。
<化学的機械的研磨方法>
本発明の化学的機械的研磨方法は、本発明の金属用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする。
以下、この化学的機械的研磨方法について詳細に説明する。
(研磨装置)
まず、本発明の研磨方法を実施できる装置について説明する。
本発明に適用可能な研磨装置としては、被研磨面を有する被研磨体(半導体基板等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を備える一般的な研磨装置が使用でき、例えば、FREX300(荏原製作所)を用いることができる。
(研磨圧力)
本発明の研磨方法では、研磨圧力、即ち、被研磨面と前記研磨パッドとの接触圧力が3000〜250000Paで研磨を行うことが好ましく、6500〜14000Paで研磨を行うことがより好ましい。
(研磨定盤の回転数)
本発明の研磨方法では、研磨定盤の回転数が50〜200rpmで研磨を行うことが好ましく、60〜150rpmで研磨を行うことがより好ましい。
(研磨液供給方法)
本発明では対象金属を研磨する間、研磨定盤上の研磨パッドに金属用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
本発明の研磨方法には、濃縮された研磨液に水又は水溶液を加え希釈して用いることもできる。希釈方法としては、例えば、濃縮された研磨液を供給する配管と、水又は水溶液を供給する配管と、を途中で合流させて混合し、希釈された研磨液を研磨パッドに供給する方法などを挙げることができる。その場合の混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など、通常に行われている方法を用いることができる。
また、他の希釈方法としては、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とをそれぞれ独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法する方法も本発明に用いることができる。
更に、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨液と水又は水溶液を入れて混合し、所定の濃度に希釈した後に、その混合液を研磨パッドに供給する方法も、本発明に適用することができる。
これらの方法以外に、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨パッドに供給する方法も、本発明に用いることができる。この場合、酸化剤を含む成分と、本発明における有機酸を含有する成分と、に分割して供給することが好ましい。
具体的には、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、複素環化合物、砥粒、及び水を1つの構成成分(B)とすることが好ましく、それらを使用する際に水又は水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、3つの配管を研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合してもよく、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合して混合してもよい。例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に水又は水溶液の配管を結合することで研磨液を供給することも可能である。
また、上記の3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合して供給してもよいし、1つの容器に3つの構成成分を混合した後に、その混合液を研磨パッドに供給してもよい。更に、金属用研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
(研磨液の供給量)
本発明の研磨方法において、研磨液の研磨定盤上への供給量は50〜500ml/minとすることが好ましく、100〜300ml/minであることがより好ましい。
(研磨パッド)
本発明の研磨方法において用いられる研磨パッドは、特に制限はなく、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
本発明における研磨パッドは、更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
次に、本発明の研磨方法において研磨が施される被研磨体(基板、ウエハ)について説明する。
(配線金属材料)
本発明における被研磨体は、銅又は銅合金からなる配線を持つ基板(ウエハ)であることが好ましい。配線金属材料としては、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が適している。銅合金に含有される銀含量は、10質量%以下、更には1質量%以下で優れた効果を発揮し、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
(配線の太さ)
本発明における被研磨体は、例えば、DRAMデバイス系では、ハーフピッチで、好ましくは0.15μm以下、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下の配線を有することが好ましい。
一方、MPUデバイス系では、好ましくは0.12μm以下、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下の配線を有することが好ましい。
このような配線を有する被研磨体に対して、本発明に使用される研磨液は特に優れた効果を発揮する。
(バリア金属材料)
本発明における被研磨体において、銅配線と絶縁膜(層間絶縁膜を含む)との間には、銅の拡散を防ぐためのバリア層が設けられる。このバリア層を構成するバリア金属材料としては、低抵抗のメタル材料、例えば、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1〜10、比較例1〜4]
下記表1に示す研磨液101〜110、201〜204を調製し、研磨試験及び評価を行った。
(金属用研磨液の調製)
下記組成を混合し、各金属用研磨液を調整した。
・トリアゾール類:表1に示す化合物 ・・・0.3mmol/L(又は添加なし)
・砥粒:表1に記載のコロイダルシリカ ・・・1.5g/L
・有機酸:表1に示す化合物 ・・・0.24mol/L
酸化剤:過酸化水素 ・・・7g/L
純水を加えて全量を1000mLとし、また、アンモニア水と硫酸で調整してpH6.5とした。
(本実施例で使用されるコロイダルシリカ)
特定コロイダルシリカは、下記のようにして作製した、表面の一部がアルミニウムで覆われたコロイダルシリカであり、導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数=1%であった。また、特定コロイダルシリカのサイズ(体積相当径)は、前述の方法で測定したところ、45nmであった。
また、その他のコロイダルシリカとして、特定コロイダルシリカではない、つまり、表面の珪素原子がアルミニウム原子により置換されていないコロイダルシリカ(PL3:扶桑化学工業社製、体積平均粒径が40nm)を用いた。なお、表1中では、このコロイダルシリカを非特定コロイダルシリカと表記する。
(特定コロイダルシリカの作製)
サイズ(体積相当径)が40nmのコロイダルシリカの20質量%水分散物1000gに、アンモニア水を加えてpHを9.0に調整し、その後室温にて攪拌しながら、Al23濃度3.6質量%、Na2O/Al23モル比1.50のアルミン酸ナトリウム水溶液15.9gを、数分以内にゆっくり添加し0.5時間攪拌した。得られたゾルは、SUS製オートクレーブ装置に入れ、130℃4時間加熱後、水素型強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)を充填したカラムと、水酸基型強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムと、に空間速度1h-1で室温にて通液し、初留はカットした。
このようにして得られた特定コロイダルシリカの表面原子置換率(導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数)は以下のようにして求めた。
まず、分散液中に添加したアルミン酸ナトリウムのうち、反応後に残存する未反応アルミン酸ナトリウムから消費されたアルミン酸ナトリウムの量を算出した。この消費されたアルミン酸ナトリウムが100%反応したと仮定し、コロイダルシリカ直径から換算される表面積、コロイダルシリカの比重2.2、及び単位表面積あたりのシラノール基数(5〜8個/nm2)から、表面原子置換率を見積った。
(研磨試験)
以下の条件で研磨を行い、研磨速度及びディッシングの評価を行った。
・研磨装置:FREX300(荏原製作所)
・被研磨体(ウエハ):
(1)研磨速度算出用;シリコン基板上に厚み1μmのCu膜を形成した
直径300mmのブランケットウエハ
(2)ディッシング評価用;直径300mmの銅配線ウエハ(パターンウエハ)
(マスクパターン754CMP(ATDF社))
・研磨パッド:IC1400XY−K Groove(ロデール社製)
・研磨条件;
研磨圧力(被研磨面と前記研磨パッドとの接触圧力):10324Pa
研磨液供給速度:200ml/min
研磨定盤回転数:100rpm
研磨ヘッド回転数:50rpm
(評価方法)
研磨速度の算出:前記(1)のブランケットウエハを60秒間研磨し、ウエハ面上の均等間隔の49箇所に対し、研磨前後での金属膜厚を電気抵抗値から換算して求め、それらを研磨時間で割って求めた値の平均値を研磨速度とした。
ディッシングの評価:前記(2)のパターンウエハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの時間に加え、更にその時間の30%分だけ余分に研磨を行い、ラインアンドスペース部(ライン100μm、スペース100μm)の段差を、接触式段差計DektakV3201(Veeco社製)で測定した。
表1に、評価結果を示す。
Figure 0004954558
表1から明らかなように、本発明の金属用研磨液を用いた化学的機械的研磨方法(本発明の研磨方法)により、700nm/min以上の高い研磨速度と、低ディッシングと、が両立できることが分かった。特に、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、又はこれらの誘導体の時や、有機酸としてアミノカルボン酸を用いた場合に、ディッシングが少なく、本発明の顕著な効果が得られることが分かる。

Claims (5)

  1. 1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のトリアゾール類、及び、配位数4の珪素原子を含むサイトを有するコロイダルシリカ表面にアルミニウムが存在し、且つ、該コロイダルシリカの表面原子置換率(導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数)が、0.1%以上5%以下であるコロイダルシリカを含有することを特徴とする金属用研磨液。
  2. 更に、少なくとも1種のアミノカルボン酸を含有することを特徴とする請求項1に記載の金属用研磨液。
  3. pHが6.5〜8である請求項1又は請求項2に記載の金属用研磨液。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の金属用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
  5. 請求項に記載の化学的機械的研磨方法を用いて研磨された金属膜を有する半導体集積回路を備えた半導体デバイス。
JP2006023203A 2006-01-31 2006-01-31 金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法 Expired - Fee Related JP4954558B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006023203A JP4954558B2 (ja) 2006-01-31 2006-01-31 金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法
US11/657,593 US20070176142A1 (en) 2006-01-31 2007-01-25 Metal- polishing liquid and chemical-mechanical polishing method using the same
KR1020070008291A KR20070078988A (ko) 2006-01-31 2007-01-26 금속 연마액 및 이것을 사용한 화학 기계적 연마방법
TW096103277A TW200738854A (en) 2006-01-31 2007-01-30 Metal-polishing liquid and chemical-mechanical polishing method using the same
EP07002005A EP1813657A3 (en) 2006-01-31 2007-01-30 Metal-polishing liquid and chemical-mechanical polishing method using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006023203A JP4954558B2 (ja) 2006-01-31 2006-01-31 金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007207907A JP2007207907A (ja) 2007-08-16
JP4954558B2 true JP4954558B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=38487115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006023203A Expired - Fee Related JP4954558B2 (ja) 2006-01-31 2006-01-31 金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4954558B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109153889B (zh) * 2016-05-19 2021-10-29 东进世美肯株式会社 用于化学机械抛光的浆料组合物
CN117467410B (zh) * 2023-12-27 2024-04-23 甬江实验室 核壳结构的复合磨粒及其制备方法和cmp浆料

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003197573A (ja) * 2001-12-26 2003-07-11 Ekc Technology Kk メタル膜絶縁膜共存表面研磨用コロイダルシリカ
JP4649871B2 (ja) * 2003-05-12 2011-03-16 Jsr株式会社 化学機械研磨剤キットを用いた化学機械研磨方法
TWI244498B (en) * 2003-11-20 2005-12-01 Eternal Chemical Co Ltd Chemical mechanical abrasive slurry and method of using the same
US20050263407A1 (en) * 2004-05-28 2005-12-01 Cabot Microelectronics Corporation Electrochemical-mechanical polishing composition and method for using the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007207907A (ja) 2007-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI400325B (zh) 金屬用研磨液
JP5121273B2 (ja) 金属用研磨液及び研磨方法
JP5140469B2 (ja) 金属用研磨液、及び化学的機械的研磨方法
JP2007207908A (ja) バリア層用研磨液
JP5403924B2 (ja) 金属用研磨液、および化学的機械的研磨方法
JP2007273910A (ja) 研磨用組成液
US20070176142A1 (en) Metal- polishing liquid and chemical-mechanical polishing method using the same
JP4070622B2 (ja) 金属用研磨液及び研磨方法
JP2007258606A (ja) 化学的機械的研磨用研磨液
JP2009212473A (ja) 金属用研磨液、及び化学的機械的研磨方法
JP2008060460A (ja) 金属研磨方法
JP2008244316A (ja) 金属用研磨液及び研磨方法
JP2010045258A (ja) 金属用研磨液、及び化学的機械的研磨方法
JP2008235714A (ja) 金属用研磨液、及び化学的機械的研磨方法
JP4954558B2 (ja) 金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法
JP2009289887A (ja) 金属用研磨液、化学的機械的研磨方法、および新規化合物
JP2007194261A (ja) 研磨方法
JP2007220995A (ja) 金属用研磨液
JP2007208220A (ja) 金属用研磨組成物及びそれを用いた化学的機械的研磨方法
JP2007207909A (ja) 金属用研磨液、及びそれを用いた化学的機械的研磨方法
JP2009238930A (ja) 金属用研磨液、及び化学的機械的研磨方法
JP2007088302A (ja) 金属用研磨液及び化学的機械的研磨方法
JP2007207983A (ja) 研磨方法
JP2006093580A (ja) 化学的機械的研磨方法
JP5305606B2 (ja) 金属用研磨液及び研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees