(無線通信ネットワークの概略構成)
図1は、本実施形態に係る無線通信端末を含む移動体通信システムの全体概略構成を示している。図1に示すように、無線通信ネットワーク1上には、無線通信端末100A,100Bとの間において無線通信を実行する基地局200A〜200Bが配置されている。
また、無線通信端末100A、100Bは、回線交換方式ではなく、IPパケット通信を用いてテレビ電話を行うテレビ電話機能を具備しており、無線通信端末100A、100B間でテレビ電話を行っている。
テレビ電話では、無線通信端末100Aは、アップリンクUL1とダウンリンクDL1とを介して、音声データA(自端末側音声データ)と映像データA(自端末側映像データ)とを無線通信端末100Bに送信する。一方、無線通信端末100Bも、アップリンクUL2とダウンリンクDL2とを介して、音声データBと映像データBとを無線通信端末100Aに送信する。
また、無線通信端末100Aは、無線通信端末100Bから音声データB(相手端末側音声データ)と映像データB(相手端末側映像データ)とを受信し、音声データBに基づいて音声を出力し、映像データBに基づいて映像を表示する。同様に、無線通信端末100Bは、無線通信端末100Aから音声データAと映像データAとを受信し、音声データAに基づいて音声を出力し、映像データAに基づいて映像を表示する。
また、無線通信ネットワーク1には、SIP(session initiation protocol、RFC3261など)に従って、無線通信端末100A,100Bの呼制御等を行うSIPサーバー300が接続されている。具体的には、SIPサーバー300は、無線通信端末100Aが音声データAと映像データAとを無線通信端末100Bに送信するための伝送路、つまり、アップリンクUL1とダウンリンクDL1とから成る伝送路(以下、伝送路Aという)と、無線通信端末100Bが音声データBと映像データBとを無線通信端末100Aに送信するための伝送路、つまり、アップリンクUL2とダウンリンクDL1とから成る伝送路(以下、伝送路Bという)を設定する。
なお、無線通信端末100A、100Bとの呼制御は、複数のSIPサーバー300を介して行われてもよい。
(無線通信端末の構成)
図2を参照し、無線通信端末100Aの構成について説明する。
図2に示すように、無線通信端末100Aは、送受信部110と、QoS制御部120と、検出部130と、テレビ電話機能部140と、表示部150と、撮像部160と、音声処理部170とを具備する。
なお、無線通信端末100Aとテレビ電話を行う無線通信端末100Bも同様の構成を有する。
以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、無線通信端末100Aは、無線通信端末100Aとしての機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した論理ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい。
送受信部110は、無線通信端末100Bへの音声データAと映像データAとを基地局200Aに送信し、無線通信端末100Bからの音声データBと映像データBとを基地局200Aから受信する。
また、送受信部110は、無線通信端末100BへのアップリンクUL1のQoS情報とダウンリンクDL2のQoS情報を基地局200Aに送信し、無線通信端末100Bから送信されたダウンリンクDL1のQoS情報とアップリンクUL2のQoS情報を基地局200Aから受信する。
QoS制御部120は、基地局200Aとの間でQoSネゴシエーションを行う。具体的には、QoS制御部120は、基地局200Aとの間のアップリンクUL1及びダウンリンクDL2において、確保可能な帯域幅や、データの遅延状態等を取得する。また、QoS制御部120は、取得した確保可能な帯域幅やデータの遅延状態等に基づいて、アップリンクUL1及びダウンリンクDL2のQoS情報を生成する。
具体的には、QoS制御部120は、アップリンクUL1において、確保可能な帯域幅や、データの遅延状態等に基づいて、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示すQoS情報又は音声データAのみを無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示すQoS情報を生成する。
例えば、図3に示すようにアップリンクUL1において確保可能な帯域幅(転送速度)が変化する場合、QoS制御部120は、以下のように、QoS情報を生成する。
すなわち、テレビ電話の開始時点T0においては、アップリンクUL1において確保可能な帯域幅(転送速度)は、音声データAを送信するために必要な帯域幅を満たすが、音声データAと映像データAの両方を送信するために必要な帯域幅を満たしていない。かかる場合、QoS制御部120は、アップリンクUL1において、音声データAのみを無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示すQoS情報を生成する。
一方、テレビ電話中の時点T1において、アップリンクUL1において確保可能な帯域幅(転送速度)は、音声データAと映像データAの両方を送信するために必要な帯域幅を満たす。かかる場合、QoS制御部120は、アップリンクUL1において、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示すQoS情報を生成する。
同様に、QoS制御部120は、ダウンリンクDL2において、確保可能な帯域幅や、データの遅延状態等に基づいて、音声データBと映像データBの両方を基地局200Aから受信可能であることを示すQoS情報、又は音声データBのみを基地局200Aから受信可能であることを示すQoS情報を生成する。
検出部130は、QoS制御部120によって生成されたアップリンクUL1のQoS情報と、送受信部110によって受信したダウンリンクDL1のQoS情報とに基づいて、伝送路A(すなわち、アップリンクUL1及びダウンリンクDL1)の伝送品質を検出する。
具体的には、アップリンクUL1のQoS情報が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示し、かつダウンリンクDL1のQoS情報が音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能であることを示す場合、検出部130は、伝送路Aの伝送品質が、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していると判断する。
また、アップリンクUL1のQoS情報が音声データAのみを無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示すか、又はダウンリンクDL1のQoS情報が音声データAのみを基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能であることを示す場合、検出部130は、伝送路Aの伝送品質が、音声データAのみならば無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していると判断する。
すなわち、検出部130は、テレビ電話を開始する際に、伝送路Aの伝送品質が、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信することが不可能で、かつ音声データAのみならば無線通信端末100Bに送信可能であるレベル(伝送品質レベル)を検出する。
なお、検出部130は、QoS制御部120によって生成されたダウンリンクDL2のQoS情報と、送受信部110によって受信したアップリンクUL2のQoS情報とに基づいて、伝送路B(すなわち、アップリンクUL2、ダウンリンクDL2)の伝送品質が、音声データBと映像データBの両方を伝送可能なレベルに達しているか、それとも、音声データBのみならば伝送可能なレベルに達しているか、あるいは、音声データBのみも伝送可能なレベルに達していないかを判断する。
テレビ電話機能部140は、無線通信端末100の各機能ブロックを制御し、テレビ電話を行う。
テレビ電話機能部140は、SIPにしたがって、無線通信端末100Bとテレビ電話を行うための呼制御を行う。なお、テレビ電話機能部140は、無線通信端末100Bとの呼制御の際に、SIPのメッセージによってQoS制御部120によって生成されたQoS情報を無線通信端末100Bに送信するように制御してもよい。
また、テレビ電話機能部140は、送受信部110による音声データAと映像データAの無線通信端末100Bへの送信を制御する。
具体的には、テレビ電話機能部140は、検出部130により伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を送信可能なレベルに達していると判断された場合、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信するように送受信部110に指示する。
一方、テレビ電話機能部140は、検出部130により伝送路Aの伝送品質が音声データAのみならば送信可能なレベルに達していると判断された場合、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信するように送受信部110に指示する。
なお、検出部130により、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を送信可能なレベルに達していると判断された場合であっても、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を送信可能なレベルに達していないと判断された場合、テレビ電話機能部140は、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信するように送受信部110に指示してもよい。
また、テレビ電話機能部140は、送受信部110によって受信した映像データBに基づく映像Bと、撮像部160による撮像によって取得した映像データAに基づく映像Aの表示部150上への表示を制御する。
具体的には、テレビ電話機能部140は、検出部130により、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を送信可能なレベルに達していると判断された場合、映像データBに基づく映像B(相手画像)と映像データAに基づく映像A(自画像)とを表示するように表示部150に指示する。
一方、テレビ電話機能部140は、検出部130により、伝送路Aの伝送品質が音声データAのみならば送信可能なレベルに達していると判断された場合、映像データBに基づく映像B(相手画像)のみを表示し、映像データAに基づく映像A(自画像)の表示を非表示とするように表示部150に指示する。
なお、テレビ電話機能部140は、伝送路Aの伝送品質が音声データAのみならば送信可能なレベルに達していると判断された場合、又は、伝送路Bの伝送品質が音声データBのみならば送信可能なレベルに達していると判断された場合、映像データAに基づく映像A(自画像)および映像データBに基づく映像B(相手画像)の両方を非表示とするように表示部150に指示してもよい。
また、テレビ電話機能部140は、送受信部110によって受信した音声データBに基づく音声の出力を音声処理部170によって実行する。
表示部150は、小型の表示機によって構成され、様々な情報を表示する。具体的には、表示部150は、テレビ電話機能部140の指示によって、送受信部110が受信した映像データBに基づく映像Bとともに、撮像部160による撮像によって取得した映像データAに基づく映像Aを表示する(図6(a)参照)。
撮像部160は、カメラによって構成され、被写体を撮像する。なお、映像データAは、撮像部160による撮像によって取得される。
音声処理部170は、マイクやスピーカによって構成され、音声の取得や、音声の出力を行う。具体的には、音声処理部170は、音声データAに変換される音声を取得し、音声データBに基づく音声を出力する。
(移動体通信システムの動作例1)
以下、図4乃至図8を参照し、本実施形態に係る移動体通信システムの無線通信端末がテレビ電話を行う動作について説明する。
具体的には、伝送路Aにおいて無線通信端末100Aが音声データAのみを送信する例(すなわち、(1)アップリンクUL1の伝送品質が音声データAのみを無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能なレベルである場合、又は(2)ダウンリンクDL1の伝送品質が音声データAのみを基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能なレベルである場合)について説明する。
(1)アップリンクUL1の伝送品質が音声データAのみを無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能なレベルである場合
図4に示すように、ステップS110において、無線通信端末100Aは、無線通信端末100B宛の“INVITE”メッセージを基地局200Aに対して送信する。
ステップS111において、基地局200Aは、SIPサーバー300(図示なし)を介して、受信した無線通信端末100B宛の“INVITE”メッセージを基地局200Bに送信する。
ステップS112において、基地局200Bは、無線通信端末100Aより受信した無線通信端末100B宛の“INVITE”メッセージを無線通信端末100Bに送信する。
ステップS120aにおいて、無線通信端末100Aは、QoSネゴシエーションを行う。
具体的には、無線通信端末100Aは、アップリンクUL1において音声データAのみを基地局200Aに送信可能であることを示すQoS情報を生成する。同様に、無線通信端末100Aは、ダウンリンクDL2において音声データBと映像データBの両方を基地局200Aから受信可能であることを示すQoS情報を生成する。
ステップS120bにおいて、無線通信端末100Bも、QoSネゴシエーションを行う。
具体的には、無線通信端末100Bは、アップリンクUL2において音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信可能であることを示すQoS情報を生成する。同様に、無線通信端末100Bは、ダウンリンクDL1において音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信可能であることを示すQoS情報を生成する。
ステップS130〜S132において、無線通信端末100Bは、ステップS120bにおいて生成されたダウンリンクDL1及びアップリンクUL2のQoS情報を基地局200B、基地局200Aを介して無線通信端末100Aに通知する。かかるQoS情報は、SIPのメッセージのSDP(セッション記述プロトコル)によって、無線通信端末100Aに通知されてもよい。
なお、図4のQoS情報(DL1・UL2=音声・映像)は、無線通信端末100BがダウンリンクDL1によって音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信可能、かつアップリンクUL2によって音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信可能であることを示す。
ステップS140〜S142において、無線通信端末100Aは、ステップS120aにおいて生成したアップリンクUL1及びダウンリンクDL2のQoS情報を基地局200A、基地局200Bを介して無線通信端末100Bに通知する。QoS情報は、SIPのメッセージのSDPによって、無線通信端末100Bに通知してもよい。
なお、図4のQoS情報(UL1=音声、DL2=音声・映像)は、無線通信端末100AがアップリンクUL1によって音声データAのみを基地局200Aに送信可能、かつダウンリンクDL2によって音声データBと映像データBの両方を基地局200Aから受信可能であることを示す。
ステップS150aにおいて、無線通信端末100Aは、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信することを決定する。
具体的には、無線通信端末100Aは、図5に示すフローに従って、伝送路Aへの送信制御処理を行う。
図5に示すように、ステップS210において、無線通信端末100Aは、伝送路Aの伝送品質が音声データAを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達しているか否かを判定する。すなわち、アップリンクUL1のQoS情報が音声データAを無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示し、かつダウンリンクDL1のQoS情報が音声データAを基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能であることを示しているか否かを判定する。
伝送路Aの伝送品質が音声データAを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していないと判断された場合(ステップS210でNO)、ステップS220において、無線通信端末100Aは、テレビ電話を終了することを決定する。
伝送路Aの伝送品質が音声データAを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していると判断された場合(ステップS210でYES)、ステップS230において、無線通信端末100Aは、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能な伝送品質なレベルに達しているか否かを判定する。すなわち、アップリンクUL1のQoS情報が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示し、かつダウンリンクDL1のQoS情報が音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能であることを示しているか否かを判定する。
伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していないと判断された場合(ステップS230でNO)、ステップS240において、無線通信端末100Aは、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信することを決定する。
伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していると判断された場合(ステップS230でYES)、ステップS250において、無線通信端末100Aは、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信することを決定する。
図4のステップS150bにおいて、無線通信端末100Bは、音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Aへ送信することを決定する。
具体的には、無線通信端末100Bは、上述の図5に示すフローに従って、アップリンクUL2及びダウンリンクDL2のQoS情報に基づいて、伝送路Bへの送信制御処理を行う。
ステップS160において、無線通信端末100Aは、映像データAを送信せずに、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信し、無線通信端末100Bは、音声データAのみを受信する。
ステップS170において、無線通信端末100Bは、音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Aに送信し、無線通信端末100Aは、音声データBと映像データBの両方を受信する。
ステップS180aにおいて、図6(a)に示すように、無線通信端末100Aは、映像データAに基づく映像Aを非表示とする。一方、無線通信端末100Aは、無線通信端末Bから受信した映像データBに基づく映像Bを表示する。これにより、無線通信端末100Aのユーザは、自画像(映像データAに基づく映像A)が、相手端末(無線通信端末100B)に送信されていないことを知ることができる。
ステップS180bにおいて、無線通信端末100Bは、図6(b)に示すように、映像データBに基づく映像Bを表示する。一方、映像Aを表示すべき領域には、映像データAの受信ができないため、音声のみの通信を実行している旨を表示する。
(2)ダウンリンクDL1の伝送品質が音声データAのみを基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能なレベルである場合
図7は、ダウンリンクDL1の伝送品質が音声データAのみを基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能なレベルである場合の動作シーケンス図である。なお、図4のシーケンス図と同様のステップ(ステップS310〜S312)については説明を省略する。
ステップS320aにおいて、無線通信端末100Aは、アップリンクUL1において音声データAと映像データAの両方を基地局200Aに送信可能であることを示すQoS情報を生成する。同様に、無線通信端末100Aは、ダウンリンクDL2において音声データBと映像データBの両方を基地局200Aから受信可能であることを示すQoS情報を生成する。
ステップS320bにおいて、無線通信端末100Bも、QoSネゴシエーションを行う。
具体的には、無線通信端末100Bは、アップリンクUL2において音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信可能であることを示すQoS情報を生成する。同様に、無線通信端末100Bは、ダウンリンクDL1において音声データAのみを基地局200Bから受信可能であることを示すQoS情報を生成する。
ステップS330〜S332については、図4のステップ130〜S132と同様のため説明を省略する。なお、図7のQoS情報(DL1=音声、UL2=音声・映像)は、無線通信端末100BがダウンリンクDL1によって音声データAのみを基地局200Bから受信可能、かつアップリンクUL2によって音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信可能であることを示す。
ステップS340〜S342については、図4のステップ140〜S142と同様のため説明を省略する。なお、図7のQoS情報(UL1・DL2=音声・映像)は、無線通信端末100AがアップリンクUL1によって音声データAと映像データAの両方を基地局200Aに送信可能、かつダウンリンクDL2によって音声データBと映像データBの両方を基地局200Aから受信可能であることを示す。
ステップS350aにおいて、無線通信端末100Aは、図5に示すフローに従って伝送路Aへの送信制御処理を行い、音声データAのみを無線通信端末100Bへ送信することを決定する。
ステップS350bにおいて、無線通信端末100Bは、図5に示すフローに従って伝送路Bへの送信制御処理を行い、音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Aへ送信することを決定する。
ステップS360〜S380については、図4のステップ160〜S180と同様のため説明を省略する。
以上、無線通信端末100Aが音声データAのみを送信する例について説明したが、無線通信端末100Bが音声データBのみを送信する例(すなわち、アップリンクUL2の伝送品質が音声データBのみを無線通信端末100Bから基地局200Bに送信可能なレベルである場合、又はダウンリンクDL2の伝送品質が音声データBのみを基地局200Aから無線通信端末100Aに送信可能なレベルである場合)についても上述のシーケンス(図4、図7)とフロー(図5)に従って動作する。
なお、無線通信端末100Bが音声データBのみを送信する場合、図8(a)に示すように、無線通信端末100Aは、映像Bを表示すべき領域には、映像データBの受信ができないため、音声のみの通信を実行している旨を表示する。映像データBに基づく映像Bの表示を行うことができない。このため、図8(b)に示すように、無線通信端末100Bのユーザは、自画像(映像B)が相手端末(無線通信端末100A)に送信されていないことを知ることができる。
(変更例1)
本実施形態の変更例1では、無線通信端末100Aが、無線通信端末100Bから映像データBを受信しても、映像データBに基づく映像Bを非表示とする例について説明する。
すなわち、無線通信端末100Aは、伝送路Aの伝送品質に応じて、音声データAのみを送信する場合、音声データBと映像データBの両方の受信が可能であっても、映像データBに基づく映像Bを非表示とする。
具体的には、図4に示す動作シーケンス図のステップS180aにおいて、無線通信端末100Aは、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を伝送可能なレベルに達していても、図10(a)に示すように、映像データBに基づく映像Bを非表示とする。
なお、同様に、無線通信端末100Bは、伝送路Bの伝送品質に応じてB音声データBのみを送信する場合、音声データAと映像データAの両方を伝送可能なレベルに達していても、図10(b)に示すように、映像データAに基づく映像Aを非表示とする。
(変更例2)
本実施形態の変更例2では、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を伝送可能なレベルに達していない場合、伝送路Aの伝送品質が音声データA及び映像データAの両方を伝送可能なレベルに達していても、無線通信端末100Aが音声データAのみを送信する例について説明する。
具体的には、図4の動作シーケンスのステップS150aにおいて、無線通信端末100Aは、図9に示すフローに従って伝送路Aへの送信制御処理を行い、音声データAのみを無線通信端末100Bへ送信することを決定する。
なお、ステップS410〜S420については、図5のステップS210〜S220と同様のため、説明を省略する。
図9に示すように、ステップS430において、無線通信端末100Aは、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達しているか否かを判断するとともに、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Bから受信可能なレベルに達しているか否かを判定する。すなわち、アップリンクUL1のQoS情報が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示し、かつダウンリンクDL1のQoS情報が音声データAと映像データAの両方を基地局200Aから無線通信端末100Aに送信可能であることを示すとともに、アップリンクUL2のQoS情報が音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Bから基地局200Bに送信可能であることを示し、かつダウンリンクDL2のQoS情報が音声データBと映像データBの両方を基地局200Aから無線通信端末100Aに送信可能であることを示すか否かを判定する。
無線通信端末100Aは、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していない場合、又は伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Bから受信可能なレベルに達していない場合(ステップS430でNO)、ステップS440において、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信することを決定する。
無線通信端末100Aは、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達し、かつ伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Bから受信可能なレベルに達している場合(ステップS430でYES)、ステップS450において、無線通信端末100Aは、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信することを決定する。
なお、同様に、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を送信可能なレベルに達していても、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を送信可能なレベルに達していない場合、図4の動作シーケンスのステップS150bにおいて、無線通信端末100Bは、上述の図9に示すフローに従って伝送路Bへの送信制御処理を行い、音声データBのみを無線通信端末100Aへ送信することを決定する。
図10に本変更例における無線通信端末100A及び100Bの表示の一例を示す。
(変更例3)
本実施形態の変更例3では、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を送信可能なレベルに達していない場合、無線通信端末100Aが、映像データAを優先して無線通信端末100Bに送信する例について説明する。
具体的には、図4の動作シーケンスのステップS150aにおいて、無線通信端末100Aは、図11に示すフローに従って伝送路Aへの送信制御処理を行い、映像データAを優先して無線通信端末100Bへ送信することを決定する。
図11に示すように、ステップS510において、無線通信端末100Aは、伝送路Aにより映像データAを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達しているか否かを判定する。すなわち、アップリンクUL1のQoS情報が映像データAを無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能であることを示し、かつダウンリンクDL1のQoS情報が映像データAを基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能であることを示しているか否かを判定する。
伝送路Aの伝送品質が映像データAを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していない場合(ステップS510のNO)、ステップS520において、上述のようにアップリンクUL1のQoS情報とダウンリンクDL1のQoS情報とに基づいて、無線通信端末100Aは、伝送路Aの伝送品質が音声データAのみを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達しているか否かを判定する。
伝送路Aの伝送品質が音声データAのみを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していない場合(ステップS520のNO)、ステップS530において、無線通信端末100Aは、テレビ電話を終了することを決定する。
伝送路Aの伝送品質が音声データAのみを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達している場合(ステップS520のYES)、ステップS540において、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信することを決定する。
伝送路Aの伝送品質が映像データAを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達している場合(ステップS510のYES)、ステップS550において、無線通信端末100Aは、アップリンクUL1のQoS情報とダウンリンクDL1のQoS情報とに基づいて、伝送路Aの伝送品質が映像データAと音声データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達しているか否かを判定する。
伝送路Aの伝送品質が映像データAと音声データAとを無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していない場合(ステップS550のNO)、ステップS560において、無線通信端末100Aは、映像データAのみを無線通信端末100Bに送信することを決定する。
伝送路Aの伝送品質が映像データAと音声データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達している場合(ステップS550のYES)、ステップS570において、無線通信端末100Aは、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信することを決定する。
なお、同様に、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Aに送信可能なレベルに達していない場合、図4の動作シーケンスのステップS150bにおいて、無線通信端末100Bは、図11に示すフローに従って伝送路Bへの送信制御処理を行い、映像データBを音声データBに優先して無線通信端末100Aへ送信することを決定する。
(移動体通信システムの動作例2)
以下、無線通信端末100Aが伝送路Aに音声データAのみを送信し、無線通信端末100Bが伝送路Bに音声データBと映像データBの両方を送信して通話を開始した場合において、通話途中で伝送路Aの伝送品質が音声データA及び映像データAの両方を伝送可能なレベルに達した場合に、無線通信端末100Aが映像データA及び音声データAの両方の送信を開始する例について説明する。
具体的には、図4の動作シーケンスのステップS150a、若しくは、図7の動作シーケンスのステップS350aにおいて、無線通信端末100Aは、図5若しくは図9に示すフローに従って伝送路Aへの送信制御処理を行い、音声データAのみを無線通信端末100Bへ送信することを決定し、無線通信端末100Bとの通話を開始した場合について説明する。
図13は、本実施形態における無線通信端末100Aの通話中の送信制御処理のフローを示し、図14は、本実施形態における無線通信端末100Bの通話中の送信制御処理のフローを示す。
図13のステップS701において、無線通信端末100Aは、無線通信端末100Bとの通話を開始したか否かを判定し、通話を開始したと判定した場合には、ステップS702においてタイマーを起動する。なお、特に図示しないが、無線通信端末100Aは、例えばテレビ電話機能部140内にタイマー機能を有する。以降、無線通信端末100Aは、ステップS703のループを通話が終了まで繰り返す。
ステップS704において、無線通信端末100Aは、起動したタイマーがT(任意の正の数)秒経過したか否かを判定し、T秒が経過した場合(ステップS704でYES)、基地局200Aとの間でQoSネゴシエーションを実行する(ステップS705)。基地局200Aとの間のQoSネゴシエーションの結果、音声データAと映像データAの両方を基地局200Aに送信可能か否かを判定し、送信可能と判定した場合には(ステップS706でYES)、ステップS708において、音声データAと映像データAの両方を基地局200Aに送信可能であることを示すQoS情報を無線通信端末100Bに送信する。ステップS709において、無線通信端末100BからQoS情報を受信したか否か判定し、無線通信端末100BからQoS情報を受信した場合(ステップS709でYES)、無線通信端末100Bが基地局200Bから音声データAと映像データAの両方を受信可能か否か判定する(ステップS710)。ステップ710において、無線通信端末100Bが音声データAと映像データAの両方を受信可能であると判定した場合には(ステップS710でYES)、無線通信端末100Aは、ステップS711において、音声データAと映像データAの両方を伝送路Aへ送信することを決定する。なお、無線通信端末100Aは、ステップS706において、音声データAと映像データAの両方を基地局200Aに送信可能でないと判定した場合、若しくは、ステップS710において無線通信端末100Bが音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信可能でないと判定した場合には、ステップS707においてタイマーを0に初期化して再度ループの処理を繰り返す。
図14において、無線通信端末100Bは、無線通信端末100Aとの通話が開始されたか否かを判定し(ステップS1101)、通話が開始されたと判定した場合には(ステップS1101でYES)、ステップS1002のループを通話が終了するまで繰り返す。
ステップS1103において、無線通信端末100Bは、無線通信端末100AからQoS情報を受信したか否か判定し、無線通信端末100AからのQoS情報を受信した場合(ステップS1103でYES)、基地局200Bとの間でQoSネゴシエーションを実行する(ステップS1104)。無線通信端末100Bは、基地局200Bとの間のQoSネゴシエーションの結果、音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信可能であるか否かを判定し、受信可能であると判定した場合には(ステップS1105でYES)、音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信可能であることを示すQoS情報を無線通信端末100Aに送信する(ステップS1107)。なお、無線通信端末100Bは、ステップS1105において、音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信不可能である、または、音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信不可能であると判定した場合には(ステップS1105でNO)、音声データBのみを無線通信端末100Aに送信可能であることを示すQoS情報を無線通信端末100Aに送信する。
図12は、本実施形態におけるテレビ電話中の動作シーケンスの一例を示す図である。
図12に示すように、ステップS600において、無線通信端末100Aは、無線基地局200Aとの間でQoSネゴシエーションを行い、生成したアップリンクUL1及びダウンリンクDL2のQoS情報(UL1・DL2=音声・映像)を、ステップS610〜ステップS612において、基地局200A、基地局200Bを介して無線通信端末100Bに通知する。
無線通信端末100Bは、無線通信端末100AからQoS情報を受信すると、無線基地局200Bとの間でQoSネゴシエーションを行い(ステップS620)、生成したアップリンクUL2及びダウンリンクDL1のQoS情報(DL1・UL2=音声・映像)を、ステップS630〜ステップS632において、基地局200B、基地局200Aを介して無線通信端末100Aに通知する。
ステップS640aにおいて、無線通信端末100Aは、伝送路A(UL1とDL1とから成る伝送路)の伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達したと判断し、音声データAのみを送信していた状態から、音声データAと映像データAの両方を送信する状態に送信状態を切り替えることを決定する。
また、ステップS640bにおいて、無線通信端末100Bは、伝送路A(UL1とDL1とから成る伝送路)の伝送品質が音声データAと映像データAの両方を受信可能なレベルに達したと判断する。
ステップS650において、無線通信端末100Aは、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bへ送信し、無線通信端末100Bは、音声データAと映像データAの両方を受信する。
ステップS660において、無線通信端末100Bは、音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Aへ送信し、無線通信端末100Aは、音声データBと映像データBの両方を受信する。
ステップS670aにおいて、図18(a)に示すように、無線通信端末100Aは、映像データAに基づく映像Aと無線通信端末100Bより受信した映像データBに基づく映像Bを表示する。
ステップS670bにおいて、図18(b)に示すように、無線通信端末100Bは、映像データBに基づく映像Bと無線通信端末100Aより受信した映像データAに基づく映像Aを表示する。
これにより、無線通信端末100Aが音声データAのみを送信して映像データAの送信が可能なレベルに達した場合に、QoS情報を無線通信端末100Bに送信することで、音声と映像による通話が可能となる。
なお、上述の動作例は、図4および図7のテレビ電話開始時の動作シーケンスにおいて、無線通信端末100Bが音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Aに送信することを決定して無線通信端末100Aとのテレビ電話を開始した場合を例に説明したが、(変更例2)で示したように、テレビ電話開始時に、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を送信可能であっても、伝送路Aの伝送品質が音声データAのみしか送信可能でないため、無線通信端末100Bが音声データBのみを無線通信端末100Aに送信することを決定した場合にも、もちろん適用できる。
その場合、図12のステップS640bにおいて、無線通信端末100Bは、伝送路A(UL1とDL1とから成る伝送路)の伝送品質が音声データAと映像データAの両方を受信可能なレベルに達したと判断し、音声データBのみを送信していた状態から、音声データBと映像データBの両方を送信する状態に送信状態を切り替えることを決定する。
次に、伝送路Aが音声データAのみを送信し、伝送路Bが音声データBのみを送信することにより、無線通信端末100Aと無線通信端末100Bとの間でテレビ電話が開始された場合に、通話途中で伝送路Aの伝送品質が音声データAおよび映像データAの両方を伝送可能なレベルに達し、伝送路Bの伝送品質が音声データBおよび映像データBの両方を伝送可能なレベルに達した場合の動作について説明する。
図15は、テレビ電話開始時の動作シーケンス図の一例であり、伝送路Aが音声データAのみを無線通信端末100Aから無線通信端末100Bに送信可能なレベルであり、かつ、伝送路Bが音声データBのみを無線通信端末100Bから無線通信端末100Aに送信可能なレベルの場合の動作シーケンスを示している。即ち、図15では、アップリンクUL1の伝送品質が音声データAのみを無線通信端末100Aから基地局200Aに送信可能なレベルであり、ダウンリンクDL2の伝送品質が音声データBのみを基地局200Aから無線通信端末100Aに送信可能なレベルにある場合を示しているが、ダウンリンクDL1の伝送品質が音声データAのみを基地局200Bから無線通信端末100Bに送信可能なレベルであり、アップリンクUL2の伝送品質が音声データBのみを無線通信端末100Bから基地局200Bに送信可能なレベルである場合も、同様のシーケンスとなる。
なお、図4のシーケンス図と同様のステップ(ステップS810〜S820)については説明を省略する。
ステップS830〜S832において、無線通信端末100Bは、ステップS820bにおいて生成されたダウンリンクDL1及びアップリンクUL2のQoS情報(DL1・UL2=音声・映像)を基地局200B、基地局200Aを介して無線通信端末100Aに通知する。
ステップS840〜S842において、無線通信端末100Aは、ステップS820aにおいて生成したアップリンクUL1及びダウンリンクDL2のQoS情報(DL1・UL2=音声のみ)を基地局200A、基地局200Bを介して無線通信端末100Bに通知する。
ステップS850aにおいて、無線通信端末100Aは、図9に示すフローに従って伝送路Aへの送信制御処理を行い、音声データAのみを無線通信端末100Bへ送信することを決定する。
ステップS850bにおいて、無線通信端末100Bは、図9に示すフローに従って伝送路Bへの送信制御処理を行い、音声データBのみを無線通信端末100Aへ送信することを決定する。
ステップS860において、無線通信端末100Aは、映像データAを送信せずに、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信し、無線通信端末100Bは、音声データAのみを受信する。
ステップS870において、無線通信端末100Bは、映像データBを送信せずに、音声データBのみを無線通信端末100Aに送信し、無線通信端末100Aは、音声データBのみを受信する。
図16は、本実施形態における無線通信端末100Aの通話中の送信制御処理のフローを示し、図17は、本実施形態における無線通信端末100Bの通話中の送信制御処理のフローを示す。
なお、図16のフローチャートにおいて、図13のフローチャートと同様のステップ(ステップS701〜S705)については説明を省略する。
ステップS906において、無線通信端末100Aは、基地局200Aとの間のQoSネゴシエーションの結果、音声データAと映像データAの両方を基地局200Aに送信可能で、かつ、音声データBと映像データBの両方を基地局200から受信可能か否かを判定し、可能と判定した場合には(ステップS906でYES)、ステップS908において、音声データAと映像データAの両方を基地局200Aに送信可能であり、かつ、音声データBと映像データBの両方を基地局200Aから受信可能であることを示すQoS情報を無線通信端末100Bに送信する。また、無線通信端末100Aは、ステップS909において、無線通信端末100BからQoS情報を受信したか否か判定し、無線通信端末100BからQoS情報を受信した場合(ステップS909でYES)、無線通信端末100Bが音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信可能で、かつ、基基地局200Bから音声データAと映像データAの両方を受信可能であるか否か判定する(ステップS910)。ステップ910において、無線通信端末100Bが音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信可能で、かつ、基基地局200Bから音声データAと映像データAの両方を受信可能であると判定した場合には(ステップS910でYES)、無線通信端末100Aは、ステップS911において、音声データAと映像データAの両方を伝送路Aへ送信することを決定する。なお、無線通信端末100Aは、ステップS906において、音声データAと映像データAの両方を送信可能でない、または、音声データBと映像データBの両方を受信可能でないと判定した場合、若しくは、ステップS910において無線通信端末100Bが音声データBと映像データBの両方を送信可能でない、または、音声データAと映像データAの両方を受信可能でないと判定した場合には、ステップS907においてタイマーを0に初期化して再度ループの処理を繰り返す。
図17において、無線通信端末100Bは、無線通信端末100Aとの通話が開始されたか否かを判定し(ステップS1001)、通話が開始されたと判定した場合には(ステップS1001でYES)、ステップS1002のループを通話が終了するまで繰り返す。
ステップS1003において、無線通信端末100Bは、無線通信端末100AからQoS情報を受信したか否か判定し、無線通信端末100AからのQoS情報を受信した場合(ステップA1003でYES)、基地局200Bとの間でQoSネゴシエーションを実行する(ステップS1004)。無線通信端末100Bは、基地局200Bとの間のQoSネゴシエーションの結果、音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信可能で、かつ、音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信可能であるか否かを判定し、可能であると判定した場合には(ステップS1005でYES)、音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信可能で、かつ、音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信可能であることを示すQoS情報を無線通信端末100Aに送信し(ステップS1007)、ステップS1008において、音声データBと映像データBの両方を伝送路Bへ送信することを決定する。なお、無線通信端末100Bは、ステップS1005において、音声データBと映像データBの両方を基地局200Bに送信不可能である、または、音声データAと映像データAの両方を基地局200Bから受信不可能であると判定した場合には(ステップS1005でNO)、音声データBのみを無線通信端末100Aに送信可能であることを示すQoS情報を無線通信端末100Aに送信する。
これにより、無線通信端末100Aが音声データAのみを送信して映像データAの送信が可能なレベルに達した場合に、QoS情報を無線通信端末100Bに送信することで、音声と映像による通話が可能となる。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係る無線通信端末100Aによれば、テレビ電話を開始する際に、伝送路A(音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信する伝送路)の伝送品質が、音声データA(自端末側音声データ)と映像データA(自端末側映像データ)とを無線通信端末100B(相手端末)に送信可能なレベルに達していない場合であっても、音声データAのみであれば無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していれば、テレビ電話の一環として、音声データAのみを無線通信端末100Bに送信する。したがって、確保可能な帯域幅が変動し易い場合であっても、無線通信端末100Bとテレビ電話通信を行う機会を向上させることができる。
本実施形態に係る無線通信端末100Aによれば、テレビ電話の開始時に、伝送路Aの伝送品質が、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していない場合であっても、テレビ電話の開始後に、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達した時点で、映像データAの送信を開始することが可能であるため、テレビ電話を用いて無線通信端末100Bと通信を行う機会を向上させることができる。
本実施形態に係る無線通信端末100Aによれば、伝送路Aの伝送品質が、音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していない場合であっても、音声データAのみであれば無線通信端末100Bへ送信可能なレベルに達している場合、テレビ電話機能部140は、撮像部160により撮像された映像データAに基づいて表示部150に表示される映像Aを非表示とすることによって、無線通信端末100Aのユーザは、自画像(映像A)が相手端末(無線通信端末100B)に送信されていないことを知ることができる。
本実施形態に係る無線通信端末100Aによれば、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Bから受信可能なレベルを満たしており、音声データBおよび映像データBの両方を無線通信端末100Bから受信しているにもかかわらず、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達しておらず音声データAのみを無線通信端末100Bに送信している場合、受信した映像データBに基づいて表示部150に表示される映像Bを非表示とする。これにより、無線通信端末100Bのユーザは無線通信端末100A側の映像Aを見ることができないのに、無線通信端末100Aのユーザのみが無線通信端末100B側の映像Bを見ることができるという不公平感を解消することができる。
本実施形態に係る無線通信端末100Aによれば、伝送路Bの伝送品質が音声データBと映像データBの両方を無線通信端末100Bから受信可能なレベルに達していない場合、伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達していても、音声データAのみを無線通信端末Bに送信する。これにより、無線通信端末100Aのユーザが無線通信端末100B側の映像Bを見ることができない場合、無線通信端末100Bのユーザのみが、無線通信端末100A側の映像Aを見ることができるという不公平感を解消することができる。
本実施携帯に係る無線通信端末100Aによれば、通話開始時には伝送路Aの伝送品質が音声データAと映像データAの両方を無線通信端末100Bに送信可能なレベルに達しておらず、音声データAのみを送信することによってテレビ電話を開始した場合でも、通話途中に、伝送路Aの伝送品質が音声データA及び映像データAの両方を送信可能な状態となれば、映像データAの送信を開始、即ち、音声データA及び映像データAの両方の伝送路Aへの送信を開始する。これにより、テレビ電話開始時に帯域が確保できず、音声のみによる通話を開始した場合でも、帯域が確保でき次第、映像と音声とによるテレビ電話を実行できるので、テレビ電話を用いた通信を行う機会を向上させることができる。
(その他の実施形態)
なお、本実施形態では、通信プロトコルとしてSIPを用いる場合について説明したが、本発明は、かかる場合に限定されることはなく、本実施形態の動作を実現することができる他の通信プロトコルがあれば、当該他の通信プロトコルを用いた場合にも適用可能である。
また、無線通信端末100Aは、伝送路Aにおいて音声データAと映像データAとの無線通信端末100Bへの送信を一度開始した場合、伝送路Aの伝送品質が悪化しても、音声データAと映像データAとの送信を継続するように構成してもよい。
以上、本発明の一例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は、適宜設計変更可能である。また、各実施形態の構成及び各変更例の構成もそれぞれ組み合わせることが可能である。また、各実施形態及び各変更例の作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、各実施形態及び各変更例に記載されたものに限定されるものではない。
1…無線通信ネットワーク、100A,100B…無線通信端末、110…送受信部、120…QoS制御部、130…検出部、140…テレビ電話機能部、150…表示部、160…撮像部、170…音声処理部、200A〜200B…基地局、300…SIPサーバー