JP4953464B2 - 酸化鉄系吸着剤の製造方法及びそれを用いるモリブデン含有排水の浄化方法 - Google Patents

酸化鉄系吸着剤の製造方法及びそれを用いるモリブデン含有排水の浄化方法 Download PDF

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本発明は、モリブデンの酸素酸イオンを含有する排水処理に好適に使用できる酸化鉄系吸着剤の製造方法及びモリブデン含有排水の浄化方法に関する。
より詳しくは、pH2以下の酸性の排水中に含有されるモリブデンの酸素酸イオンを分離するのに好適な酸化鉄系吸着剤の製造方法、及びそれを用いるpH2以下の酸性の排水からモリブデンの酸素酸イオンを分離するのに好適なモリブデン含有排水の浄化方法に関する。
近年、科学技術の発展に伴って多種多様な化学物質が製造・使用されており、このような物質には人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすものも多く存在している。
そこで、日本では平成5年3月に水質環境基準が改訂され、要監視項目が付け加えられ、重金属類としてモリブデン、アンチモン、及びニッケル等が新たに指定された。
これらモリブデン、アンチモン等に代表され、クロム、セレン、ヒ素等をも含む重金属陰イオン、すなわち重金属の酸素酸イオンを排水から除去する実用可能な手法の確立が急務であり、各種提案がなされている。
特開平9−323079号公報 特開平11−19661号公報 特開2000−117265号公報 特開2003−103265号公報 特開2003−62458号公報 特開2003−334542号公報 特開2005−270933号公報
本発明者は、それら重金属陰イオンの中でも、今回はモリブデンに着目し、その陰イオンを含有する排水からモリブデンを好適に分離することができる技術を開発すべく鋭意検討を開始した。
そのモリブデン陰イオン、すなわちモリブデンの酸素酸イオンを含有する排水には、半導体製造工場、ステンレス製造工場あるいは電子部品製造工場等から排出されるモリブデン陰イオン含有排水があり、その排水処理には既に数種のものが提案されている。
それには、(1)モリブデン陰イオンを含有する排水にジチオカルバミン酸ナトリウム及び活性炭を添加し、かつ排水をpH5以下に調整する方法(特許文献1)、あるいは(2)モリブデン陰イオンを含有する排水に硫化物処理剤を添加して硫黄イオンをまず遊離し、次いで水溶性金属化合物を添加して排水中のモリブデンを難溶性固体化合物に転化する方法(特許文献2)等がある。
さらに、(3)反応槽中のモリブデン含有排水に第2鉄イオンを添加し、添加後酸又はアルカリ剤でpHを4〜8として水酸化第2鉄を生成することによりモリブデンを共沈した懸濁物質を形成し、次いで固液分離して得られた固体(汚泥)の一部を反応槽に循環する方法(特許文献3)、あるいは(4)鉄を陽極として、低濃度のモリブデンを含有する酸性排水を電解して鉄イオンを溶出させ、その鉄イオンを鉄又は鉄化合物として陰極に析出させると同時にモリブデンも共析させ、その後pHを3.5〜5.5にした後、電解処理排水を固液分離し、分離後分離液にアルカリ物質を混合してpHを6〜8に調整し、再度固液分離して鉄化合物を除去する方法(特許文献4)等もある。
そして、これら方法はいずれも化学反応により固体物質を形成し、この固体物質を固液分離することにより排水中のモリブデン陰イオンを除去して浄化する技術であるが、これ以外の方法も既に提案されており、それは特定組成の吸着剤を用いることにより、砒素、モリブデンあるいはアンチモン等の重金属陰イオン含有水から重金属を分離するものであり、それにはゼオライト及び(PbO)x(FeO)y(Fe231-x-y・aH2O(式中0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦a≦10)で表される鉛化合物から成る重金属の吸着剤を用いるものがある(特許文献5)。
前記吸着剤は、ゼオライトに加えて鉛及び鉄の酸化物を含有する複雑な組成であるが、より単純な組成の鉄の水酸化物系物質からなる重金属分離用の吸着剤も既に提案されている。
それには鉄イオン溶液にアルカリを加えることにより得られる非晶質の水酸化鉄系の沈殿生成物からなる陰イオン吸着剤(特許文献6)あるいは前記沈殿生物を60〜100℃で乾燥させて得られた微結晶質の水酸化鉄系物質を合成樹脂粉末で加熱・焼成することにより得られる連通多孔性成形体に担持させた陰イオン吸着剤等がある(特許文献7)。
前記した水酸化鉄系物質の吸着剤は本発明者らが開発したものであり、その開発の際には重金属陰イオンの中でも主として砒素の分離に着目して開発したものである。
また、吸着剤による重金属陰イオンの分離は、吸着剤を充填したカラム内に重金属陰イオンを含有する排水を通液するだけで重金属陰イオンを分離できる簡便な処理であるのに対し、特許文献1ないし4に記載の方法は、いずれも化学反応による沈殿形成と、それに続く固液分離処理とを行うものであることから、吸着分離処理に比較し煩雑で多くの処理時間を要するものである。
吸着剤による重金属陰イオンの分離は、先のような長所を有することから、前記した水酸化鉄系物質の吸着剤を用いてモリブデン陰イオンを含有する排水、特に酸性排水から同陰イオンの分離を試みたところ、期待するほどの吸着性能を発揮することができなかったし、更には排水の酸性の度合いが高まるのに伴って吸着剤が溶解することもわかった。
しかしながら、吸着剤を利用する重金属陰イオンの分離には前記したとおりの長所があり、かつ水酸化鉄系物質の吸着剤は、前記したとおり特許文献5に記載の吸着剤に比し、組成が単純であるという利点もあるので、更に検討を進めることにした。
その結果、水酸化鉄系物質の吸着剤は、特許文献5の吸着剤のように鉛を含有しないものであることから、その溶出に伴う環境への悪影響を回避できる利点があることもわかった。
本発明者らは、水酸化鉄系物質の吸着剤は前記のとおりの利点あるいは長所を有することから、前記した問題を解消すべく、引き続き水酸化鉄系物質の吸着剤の範囲において研究開発に鋭意努め、その結果開発に成功したのが本発明である。
すなわち、本発明者らは、従前の研究においては水酸化物鉄系物質は100℃を超えて乾燥した場合には特許文献7の段落[0015]に記載のとおり水酸化物鉄系物質の結晶化が進行し、重金属陰イオンの吸着には不適と考えていた。
しかしながら、水酸化鉄系物質の吸着剤に関し、その長所を生かすべく各種視点から鋭意検討を進めたところ、意外にも300℃を超えた特定の範囲の温度で熱処理して水酸化物鉄系物質を焼結した場合には、強い酸性下の排水中でも吸着剤が溶解することもなく、かつ重金属陰イオン、特にモリブデン陰イオンの分離には極めて優れた吸着性能を発現することを見出した。
したがって、本発明はこの新たな知見に基づいて開発に成功したものであり、pH2以下の酸性の排水中に含有されるモリブデンの酸素酸イオンを分離するのに好適な酸化鉄系吸着剤の製造方法、及びそれを用いるpH2以下の酸性の排水からモリブデンの酸素酸イオンを分離するのに好適なモリブデン含有排水の浄化方法を提供することを発明の解決すべき課題、すなわち目的とするものである。
本発明は、前記課題を達成するための酸化鉄系吸着剤の製造方法、及びそれを用いるモリブデン含有排水の浄化方法を提供するものであり、前者の酸化鉄系吸着剤の製造方法は、第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に300〜700℃で焼成することを特徴とするものである。
また、好ましくは、その酸化鉄系吸着剤の製造方法は、第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に300〜700℃で焼成することを特徴とし、その吸着剤はモリブデンの酸素酸イオン分離用のものであり、より好ましくは、第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に400〜600℃で焼成することを特徴とし、その吸着剤はpH2以下の酸性中のモリブデンの酸素酸イオン分離用のものである。
そして、後者のモリブデン含有排水の浄化方法は、第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に300〜700℃で焼成した酸化鉄系吸着剤をカラム内に充填し、該カラム内にモリブデンの酸素酸イオンを含有する排水を通液して接触させることによりモリブデンの酸素酸イオンを分離することを特徴とするものである。
また、その浄化方法は、好ましくは第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に400〜600℃で焼成した酸化鉄系吸着剤をカラム内に充填し、該カラム内にpH2以下のモリブデンの酸素酸イオンを含有する排水を通液して接触させることによりモリブデンの酸素酸イオンを分離することを特徴とするものである。
本発明の酸化鉄系吸着剤の製造方法及びモリブデン含有排水の浄化方法は以下のとおりの卓越した作用効果を奏することができる。
(1)本発明の製造方法で製造した酸化鉄系吸着剤は300℃以上、好ましくは400℃以上の高温で焼結したものであり、それは100℃以下で乾燥した水酸化鉄系吸着剤に比し吸着性能に優れており、特にモリブデン陰イオンの吸着分離性能に優れている。
(2)前記酸化鉄系吸着剤は、酸性溶液、特にpH2以下の酸性溶液中でも溶解することなく安定して優れた吸着性能を発現することができる。
(3)特に前記酸化鉄系吸着剤は、特許文献4に記載の自動車の前照灯用等に使用するタングステンフィラメントの製造時等に発生する低濃度のモリブデンを含有する強酸性排水の浄化処理に好適に使用できる。
さらに、本発明は以下のとおりの卓越した作用効果を奏することができる。
(4)特許文献1ないし4に記載のモリブデン陰イオンの分離のように化学反応により固体物質を形成し、この固体物質を更に固液分離する方法に比し、吸着剤が充填されているカラム内に重金属陰イオンを含有する排水を通液するだけで排水処理ができ、排水の浄化処理が簡便である。
(5)特許文献5に記載の吸着剤のように複雑な組成でなく、かつ吸着剤は鉛を含有するものでもないから、簡便な組成であり、かつ吸着処理中あるいは処理後に鉛を溶出することもないので環境への悪影響を懸念する必要もない。
以下において、本発明について発明を実施するための最良の形態を含む実施の形態に関し詳述するが、本発明は、この実施の形態によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明者は、前記したとおり第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に300〜700℃で焼成することを特徴とする酸化鉄系吸着剤の製造方法及びその酸化鉄系吸着剤を用いたモリブデン含有排水の浄化方法である。
すなわち、第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に300〜700℃で焼成した酸化鉄系吸着剤をカラム内に充填し、該カラム内にモリブデンの酸素酸イオンを含有する排水を通液して接触させることによりモリブデンの酸素酸イオンを分離することを特徴とするモリブデン含有排水の浄化方法である。
本発明の酸化鉄系吸着剤の製造方法において用いる第2鉄イオンを含有する溶液については、水に溶解して第2鉄イオンを形成する化合物であれば特に制限されることなく各種化合物が使用でき、それには硫酸第2鉄、硝酸第2鉄、塩化第2鉄、あるいはポリ硫酸第2鉄等が例示でき、アルカリについても同様に水に溶解して塩基性を示す化合物であれば特に制限されることなく各種化合物が使用でき、それには水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩が例示できる。
第2鉄イオンを含有する溶液とアルカリ剤とを混合する際には、第2鉄イオンを含有する溶液に固体のアルカリ剤を混合しても良いが、アルカリ剤を予め水に溶解して水溶液化した後に混合するのが反応性の点でよく、その際の濃度は10〜30%程度がよい。その混合の際には、第2鉄イオンを含有する溶液中にアルカリ剤を添加するのがよいが、逆にアルカリ剤水溶液液中に第2鉄イオンを含有する溶液を添加することにより混合することもできる。なお、中和後のpHは6〜8程度にするのがよい。
中和により形成された沈殿物の乾燥は、特に制限されることなく各種乾燥機が使用でき、それには熱風式乾燥機、通風型乾燥機、噴霧乾燥機あるいは気流乾燥機等が例示できる。沈殿物はそのまま乾燥してもよいが、予め固液分離した後乾燥する方が沈殿物中の水分量が低く、エネルギー効率に優れているので、乾燥は固液分離後行うのがよい。
その際の固液分離には各種固液分離手段が特段制限されことなく使用でき、それには真空脱水機、遠心脱水機あるいはフィルタープレス等が例示できる。
乾燥後は得られた水酸化第2鉄粉を焼結することになるが、その際の熱処理温度は300〜700℃とすることが必要であり、この温度範囲で熱処理することにより水酸化第2鉄粉は焼結し結晶構造を有する酸化第2鉄系の化合物となり、重金属陰イオンの吸着性能に優れた吸着剤が得られる。また400〜600℃の温度範囲で熱処理することにより、より結晶の高い酸化第2鉄系の化合物の焼結物となり、より重金属陰イオンの吸着性能に優れた吸着剤が得られる。
本発明の製造方法により製造された酸化鉄系吸着剤は、モリブデン陰イオンの吸着分離に好適に使用でき、優れた吸着性能を発現することは前記したとおりであるが、モリブデン以外の重金属陰イオンも勿論吸着することができるので、モリブデン以外の重金属陰イオンを含有する排水の浄化処理にも勿論使用できる。
なお、本発明の製造方法により製造された酸化鉄系吸着剤は、カラム内に充填し、該カラム内に重金属陰イオンを含有する排水を通液して接触させることにより重金属陰イオンを分離でき、それが好ましい排水処理ではあり、本発明の浄化方法ではそれを採用しているが、他の手法により重金属陰イオンを含有する排水と吸着剤を接触させても勿論重金属は分離できる。
[吸着剤の製造方法]
塩化第2鉄の6水和物(FeCl3・6H2O)の結晶を25℃にて、Fe3+濃度1mol/Lとなるように純水に溶解し、これに25%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を一定の速度で滴下し、pHを7に調整した。得られた懸濁液を純水で洗浄しながら濾過して沈殿物を得た。この沈殿物を70℃で72時間乾燥した後、めのう乳鉢中で粉砕して微細粉を得た。得られた微細粉末を200℃〜800℃の範囲において100℃間隔で各各温度にて個別に約1時間熱処理し、各熱処理温度にて焼成物を作成した。
[吸着性能試験]
(1)試験方法
陰イオンの形態のMoを10mg/Lで含むHNO3溶液(HNO3:630g/L)1Lに対して、前記した所定の各温度で熱処理した焼成物を10gづつ添加し、室温にてマグネチックスタラーで2.5時間攪拌した。その後メンブランフィルターで濾過を行い、各濾液についてICP−MSにてMo濃度の分析を行った。
(2)試験結果
各熱処理温度にて得られた各焼成物による、Moの吸着率及びMo吸着後のHNO3溶液中のMoの残留濃度を図1に図示する。
図1の結果から、焼成温度300〜700℃の範囲で得られた各焼成物からなる各吸着剤は、Mo陰イオンの吸着率が80%以上と高く、300℃未満及び700℃以上ではMo陰イオンの吸着率が急激に低下することがわかる。また、焼成温度400〜600℃の範囲の温度で得られた各焼成物からなる各吸着剤は、Mo陰イオンの吸着率がより一層高いことがわかる。
[吸着剤の耐酸性試験(溶解試験)]
(1)試験方法
陰イオン形態のMoを10mg/Lで含む水溶液を硫酸又は塩酸を添加してpH0.5〜3の酸性側に調整して各種pHの試験液を調製し、調製した各種pHの試験液1Lに各種温度で1時間熱処理して得られた焼成物10gを添加して、室温にてマグネチックスタラーで2時間攪拌した。その後メンブランフィルターで濾過を行い、各濾液についてICP−MSにてFe濃度の分析を行った。
(2)試験結果
その結果得られた各種pHの試験液による、各熱処理温度において得られた各焼成物に対する溶解試験の結果を図2に図示する。
図2の結果から、熱処理温度300℃及び500℃の焼成物からなる吸着剤は、試験液がpH0.6〜0.9の強酸性であっても吸着剤はほとんど溶解しないことがわかる。
熱処理温度70℃及び200℃においては、吸着剤が約10〜20%程度溶解することが確認できる。
[吸着剤の結晶構造調査]
70℃、300℃、500℃及び700℃の各温度で熱処理して得られた焼成物等について、X線回折試験を行った。得られた結果は図3に図示する。
図3によれば、300℃以上の温度で熱処理された焼成物についてはヘマタイト(Fe23)の結晶構造がわずかに形成されている事実が確認できる程度であったが、500℃及び700℃においてはヘマタイトの結晶構造が多く形成されていることが確認できる。
700℃の温度で熱処理して得られた焼成物のX線回折試験結果は、前記したとおり500℃で得られた焼成物の場合とほぼ同様である。
しかしながら、その700℃の温度で熱処理して得られた焼成物は、図1によれば300℃で得られた、わずかに結晶構造がみられる焼成物と同程度の吸着性能しかなく、500℃で得られた焼成物に比較し、吸着性能は劣ることになるものの、その理由については現在のまでのところ解明するまでには至っていない。
各熱処理温度において得られた各焼成物による、Moの吸着率及びMo吸着後のHNO3溶液中のMoの残留濃度を図示する。 各種pHの試験液による、各熱処理温度において得られた各焼成物に対する溶解試験の結果を図示する。 各温度で熱処理して得られた焼成物等についてX線回折試験を行った結果を図示する。

Claims (4)

  1. 第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に300〜700℃で焼成することを特徴とする、モリブデンの酸素酸イオン分離用の酸化鉄系吸着剤の製造方法。
  2. 第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に400〜600℃で焼成することを特徴とする、pH2以下の酸性中のモリブデンの酸素酸イオン分離用の酸化鉄系吸着剤の製造方法。
  3. 第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に300〜700℃で焼成した酸化鉄系吸着剤をカラム内に充填し、該カラム内にモリブデンの酸素酸イオンを含有する排水を通液して接触させることによりモリブデンの酸素酸イオンを分離することを特徴とするモリブデン含有排水の浄化方法。
  4. 第2鉄イオンを含有する溶液にアルカリ剤を混合し中和して沈殿を形成し、得られた沈殿生成物を60〜100℃で乾燥して水酸化第2鉄粉を得、この水酸化第2鉄粉を更に400〜600℃で焼成した酸化鉄系吸着剤をカラム内に充填し、該カラム内にpH2以下のモリブデンの酸素酸イオンを含有する排水を通液して接触させることによりモリブデンの酸素酸イオンを分離することを特徴とするモリブデン含有排水の浄化方法。
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