JP4952900B2 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタに蓄えられるエネルギーは、キャパシタに印加される電圧の2乗に比例する。このため、理論的には、キャパシタへの印加電圧を大きくすれば、キャパシタの貯蔵エネルギーを高めることができる。
しかし、従来の有機系電解液を用いた電気二重層キャパシタでは、2.5V程度以上の比較的高い電圧を印加すると、正負極ともに反応電位に達して電解液の分解が生じ、キャパシタの耐久性や、サイクル特性が低下するなどの問題があった。
この点に鑑み、正負の分極性電極の静電容量比を適正範囲に制御することで、正負極それぞれの反応電位(分解電位)に到達しない範囲内でキャパシタの定格電圧を高める方法が検討されている。
例えば、特許文献1(特公平6−65206号公報)には、正負の分極性電極の静電容量を、電位−電流特性の0電位を基準にして正負極の反応電位比の逆比に合わせることで、電圧印加時に、正負極の反応電位に到達する時間が同じになるようにした電気二重層キャパシタが開示されている。
特許文献2(特開平8−107047号公報)には、正負の分極性電極に用いる活性炭の比表面積と、活性炭の重量比とを適正な範囲に制御した電気二重層キャパシタが開示されている。
特許文献3(特開平9−92583号公報)には、正負の分極性電極の目付け比を制御することにより、正負極それぞれに不可逆電流が発生する電位に応じて正負の分極性電極の静電容量比を決定した電気二重層キャパシタが開示されている。
特許文献4(特開平10−270293号公報)には、正負の分極性電極の面積を変えるなどにより、正負各極の静電容量を異ならせた電気二重層キャパシタが開示されている。
特許文献5(特開2000−188244号公報)には、分極性電極として使用する正極と負極との静電容量比が少なくとも1.5倍以上である電気二重層キャパシタが開示されている。
特許文献6(特開2003−289022号公報)には、正負の分極性電極の固体体積あるいは重量の配分の最適化を行った電気二重層キャパシタが開示されている。
ところで、従来の有機系電解液を用いた電気二重層キャパシタは、高電圧印加時に正極側が反応電位に先に到達することが知られている。
このため、上記特許文献1〜6のキャパシタにおいても、正極側活性炭の目付量を負極側のそれよりも大きくすることで、正極の静電容量を高めて正極分極電位を小さくし、結果として、正極側反応電位への到達を遅らせるという手法が採用されている。
しかし、正負極電位の制御は一過性であって、正負の分極性電極の静電容量比や、目付量比を正極過多にするだけで、必ずしも耐久性やサイクル特性に優れたキャパシタが得られるわけではない。
また、特許文献7(特開平11−67608号公報参照)には、正負の分極性電極の活性炭として、それぞれ細孔径分布の異なるものを用いた電気二重層キャパシタが開示されている。
しかし、この技術では、用いられる電解質との関連性等の記載が無く、正負の細孔径分布の組み合わせと、キャパシタ特性について具体的に示唆するものではないうえに、正負各極に用いられる活性炭の目付量は同じである。
いずれにしても、3V程度の高い電圧を印加して連続充電した場合に、容量低下および内部抵抗上昇が顕著に抑制された、耐久性に優れた電気二重層キャパシタは、現在のところ知られていない。
特公平6−65206号公報 特開平8−107047号公報 特開平9−92583号公報 特開平10−270293号公報 特開2000−188244号公報 特開2003−289022号公報 特開平11−67608号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高電圧を印加した状態で連続充電した場合であっても、容量維持率が高く、かつ、内部抵抗上昇率が低い、耐久性に優れた電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、正の分極性電極の静電容量と負の分極性電極の静電容量との比を所定の範囲に制御するとともに、正極側活性炭と負極側活性炭との質量比を所定の範囲に制御することで、高電圧を印加した状態で連続充電した場合であっても、容量維持率が高く、かつ、内部抵抗上昇率が低いという、極めて耐久性に優れた電気二重層キャパシタが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 一対の集電体と、この一対の集電体の一方に設けられ、質量W+の活性炭を含んで構成された静電容量C+を有する正の分極性電極と、前記一対の集電体の他方に設けられ、質量W-の活性炭を含んで構成された静電容量C-を有する負の分極性電極と、これら正負の分極性電極間に介在するセパレータと、少なくとも前記正負の分極性電極およびセパレータに含浸する有機系電解液とを備え、前記正の分極性電極の静電容量C+と、前記負の分極性電極の静電容量C-とが、C-/C+=0.7〜1.0を満たし、かつ、前記正の分極性電極に含まれる活性炭の質量W+と、前記負の分極性電極に含まれる活性炭の質量W-とが、W-/W+=1.1〜2.0を満たすことを特徴とする電気二重層キャパシタ、
2. 前記正の分極性電極に含まれる活性炭の質量W+と、前記負の分極性電極に含まれる活性炭の質量W-とが、W-/W+=1.2〜2.0を満たす1の電気二重層キャパシタ、
3. 温度70℃の恒温槽中で、設定電圧3.0V、保持時間1000時間の定電圧充電を行った後の、静電容量維持率が78.9%以上であり、かつ、25℃における内部抵抗上昇率が7.0倍以下である1または2の電気二重層キャパシタ、
4. 前記有機系電解液が、少なくとも式(1)で示されるイオン液体を含む1〜3のいずれかの電気二重層キャパシタ、
Figure 0004952900
〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が、Xとともに環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは前記アルコキシアルキル基である。Xは窒素原子またはリン原子を示し、Yは一価のアニオンを示す。〕
5. 前記有機系電解液が、非水系有機溶媒を含む1〜4のいずれかの電気二重層キャパシタ、
6. 前記負の分極性電極に含まれる活性炭が、MP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが4.0×10-10〜1.0×10-9mの範囲内の水蒸気賦活活性炭を主成分とする1〜5のいずれかの電気二重層キャパシタ、
7. 前記正の分極性電極に含まれる活性炭が、アルカリ賦活活性炭を主成分とする1〜6のいずれかの電気二重層キャパシタ
を提供する。
本発明によれば、高電圧を印加した状態で連続充電した場合であっても、容量維持率が高く、かつ、内部抵抗上昇率が低いという極めて耐久性に優れた電気二重層キャパシタを得ることができる。また、本発明の電気二重層キャパシタは、低温環境下での内部抵抗も低く、大電流充放電特性にも優れている。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る電気二重層キャパシタは、一対の集電体と、この一対の集電体の一方に設けられ、質量W+の活性炭を含んで構成された静電容量C+を有する正の分極性電極と、一対の集電体の他方に設けられ、質量W-の活性炭を含んで構成された静電容量C-を有する負の分極性電極と、これら正負の分極性電極間に介在するセパレータと、少なくとも正負の分極性電極およびセパレータに含浸する有機系電解液とを備え、正の分極性電極の静電容量C+と、負の分極性電極の静電容量C-とが、C-/C+=0.6〜1.0を満たし、かつ、正の分極性電極に含まれる活性炭の質量W+と、負の分極性電極に含まれる活性炭の質量W-とが、W-/W+=1.1〜2.0を満たす。
本発明のキャパシタにおいて、正負の分極性電極の静電容量比C-/C+が0.6〜1.0の範囲を外れると、高電圧を印加した状態での連続充電後の静電容量維持率が低下したり、内部抵抗が上昇したりするなど、キャパシタの耐久性が不十分となる。好ましくはC-/C+=0.67〜0.97、さらに好ましくは0.70〜0.95である。
なお、正の分極性電極の静電容量C+と、負の分極性電極の静電容量C-とは、電気二重層キャパシタに、Ag/Ag+イオン参照極等の参照極を組み込み、一時間率に相当する電流値で定格電圧から0Vまで定電流放電を行った際の、正負ごとの放電曲線の傾きから算出する。
また、本発明のキャパシタでは、正負の分極性電極に用いられる活性炭の質量比W-/W+が1.1〜2.0の範囲を外れても、十分な耐久性を有するキャパシタを得ることができない。好ましくはW-/W+=1.2〜1.9、さらに好ましくは1.3〜1.8である。
なお、正の分極性電極に含まれる活性炭質量W+と、負の分極性電極に含まれる活性炭質量W-とは、電気二重層キャパシタに含まれる、正負それぞれの分極性電極中に含まれる活性炭質量の総量を表し、集電体の両面に形成された最外層の分極性電極中の活性炭もこれに含まれる。
[負の分極性電極に用いられる活性炭]
負の分極性電極の活性炭(以下、負極活性炭という)としては、電気二重層キャパシタに一般に用いられる活性炭を任意に選択して使用できるが、水蒸気賦活により得られ、かつMP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが4.0×10-10〜1.0×10-9m(4.0〜10Å)の範囲内にある活性炭を主成分とするものが好ましい。このピークが4.0×10-10m未満であると、大電流充放電特性が低下するとともに、低温下での充放電特性が悪くなる虞がある。一方、1.0×10-9mを超えると、活性炭の比表面積を大きく保つことが困難で、比表面積が小さくなって静電容量が低下する虞がある。
特に、上記ピークが、4.5×10-10〜9.0×10-10m(4.5〜9.0Å)の範囲内であることが好ましく、5.0×10-10〜8.0×10-10m(5.0〜8.0Å)の範囲内であることがより好ましい。
なお、「主成分」とは、当該活性炭が、50質量%超含まれることを意味するが、上述の大電流充放電特性などを考慮すると、当該活性炭が60質量%以上、好ましくは80質量%以上含まれることが好ましく、さらには全て(100質量%)が当該活性炭であることが最適である。
なお、MP(Micropore)法とは、具体的には、DE BOERの式(文献1)を用いて相対圧から吸着層の厚みを算出し、吸着層の厚みと沸点−195.8℃における窒素ガスの吸着量との相関図(t−プロット)を作成し、この相関図の各点での接線の傾きの変化量から区間毎の表面積を算出し、この表面積の変化量から細孔容積を求める方法である(文献2)。
文献1:J.C.P.BROEKHOFF,J.H.DE BOER,[J.CATALYSIS] 9,15(1967)
文献2:R.SH.MIKHAIL,S.BRUNAUER,E.E.BODOR,[JOURNAL OF COLLOID AND INTERFACE SCIENCE]26,45−53(1968)
負極活性炭の原料としては、特に限定されるものではないが、水蒸気賦活により得られ、かつMP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布を上記範囲内とし得るものが好ましい。このような活性炭原料の具体例としては、ヤシ殻、コーヒー豆、竹、木屑、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、コークス、メソフェーズカーボン、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等種々の原料を用いることができるが、ヤシ殻、フェノール樹脂等の難黒鉛化性カーボン由来のものが、分極性電極の調製に適しており、得られるキャパシタの耐久性が向上する。
また、本発明の負極活性炭は、BET比表面積1500〜2500m2/g、全細孔容積0.8〜1.5mL/g、分極性電極に用いる際の50%粒径3.0〜15.0μmのものが好適である。
BET比表面積が1500m2/g未満であると、十分な静電容量が得られない虞があり、2500m2/gを超えると、得られる分極性電極の密度が低下する虞がある。より好ましいBET比表面積の範囲は、1700〜2200m2/g、特に、1800〜2100m2/gである。
全細孔容積が0.8mL/g未満であると、十分な静電容量を得ることができない虞があり、1.5mL/gを超えると、メソ孔やマクロ孔が増大して得られる分極性電極の密度が低下する結果、容積あたりの静電容量が低減する虞がある。
分極性電極に用いる際の50%粒径が3.0μm未満であると、分極性電極の密度が低下する虞があり、15.0μmを超えると、電極抵抗が増大する虞がある。より好ましい50%粒径の範囲は、5.0〜13.0μm、特に、7.0〜11.0μmである。
[正の分極性電極に用いられる活性炭]
正の分極性電極の活性炭(以下、正極活性炭という)としては、電気二重層キャパシタに一般に用いられる活性炭を任意に選択して使用できるが、アルカリ賦活により得られる活性炭を主成分とするものが、静電容量密度が大きく、キャパシタの出力密度、エネルギー密度を高くできることから好ましい。
なお、この場合も「主成分」とは、当該活性炭が、50質量%超含まれることを意味するが、上述のキャパシタのエネルギー密度の向上などを考慮すると、当該活性炭が60質量%以上、好ましくは80質量%以上含まれることが好ましく、さらには全て(100質量%)が当該活性炭であることが最適である。
正極活性炭の原料としては、特に限定されるものではないが、アルカリ賦活により活性炭が得られるものが好ましく、例えば、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、コークス、メソフェーズカーボン、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等の種々の原料を用いることができる。
また、本発明の正極活性炭は、BET比表面積1800〜2500m2/g、全細孔容積0.8〜1.5mL/g、分極性電極に用いる際の50%粒径3.0〜15.0μmのものが好適である。
BET比表面積が1800m2/g未満であると、十分な静電容量が得られない虞があり、2500m2/gを超えると、得られる分極性電極の密度が低下する虞がある。より好ましいBET比表面積の範囲は、1900〜2400m2/g、特に2000〜2300m2/gである。
全細孔容積が0.8mL/g未満であると、十分な静電容量を得ることができない虞があり、1.5mL/gを超えると、メソ孔やマクロ孔が増大して得られる分極性電極の密度が低下する結果、容積あたりの静電容量が低減する虞がある。
分極性電極に用いる際の50%粒径が3.0μm未満であると、分極性電極の密度が低下する虞があり、15.0μmを超えると、電極抵抗が増大する虞がある。より好ましい50%粒径の範囲は、5.0〜13.0μm、特に7.0〜11.0μmである。
[分極性電極]
本発明の電気二重層キャパシタの分極性電極は、上述した活性炭とバインダとを混合分散した状態で、集電体の両面または片面に塗布などの方法によって形成される。この際、正負の分極性電極に用いる活性炭を選定し、さらに各分極性電極中の活性炭質量を調製することで、上述の(C-/C+)および(W-/W+)を適正な範囲に制御する。
分極性電極の電極密度は特に制限はないが、0.4〜0.6g/cm3が好ましく、0.45〜0.57g/cm3がより好ましい。電極密度が0.4g/cm3より小さいと、キャパシタのエネルギー密度が小さくなる虞があり、0.6g/cm3より大きいと、電解液の存在する空間が少なくなり、大電流充放電特性が低下する虞がある。なお、電極密度とは、分極性電極の乾燥時質量を、分極性電極の面積、厚みから算出した見かけ体積で割り返した数値である。
また、集電体上に形成された片面の分極性電極の厚みは、20〜200μmが好ましく、より好ましくは30〜150μm、さらに好ましくは40〜120μmである。
集電体としては、電気二重層キャパシタに一般に用いられるものを任意に選択して使用できるが、アルミニウム箔、特に表面をエッチング処理したアルミニウム箔を用いることが好ましい。また、負の集電体に関しては、上記に加えて、銅箔、ニッケル箔または表面が銅めっき膜もしくはニッケルめっき膜にて形成された金属箔を用いても構わない。
上記集電体を構成する箔の形状としては、一般的な箔状、孔が形成されたメッシュ状、立体的な網目状等の各種形状を適宜採用できる。また、集電体の厚みは、通常、10〜200μm程度であるが、集電体の導電性および強度等を考慮すると、15〜100μmが好ましく、20〜70μmがより好ましい。
バインダとしては、公知の種々のバインダを使用することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、分極性電極の塗工性、集電体への結着力、耐久末期の電極抵抗から、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミドが好ましい。
これらのバインダの添加量は、活性炭100質量部に対して、0.5〜20質量部、特に、1〜10質量部であることが好ましい。
本発明の分極性電極には導電剤を添加することもできる。導電剤としては、分極性電極に導電性を付与できるものであれば特に限定はなく、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、カーボンナノチューブ等のナノカーボン材料、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、酸化ルテニウム、並びにアルミニウム,チタン,ニッケル等の金属ファイバおよび金属微粒子などが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックの一種であるケッチェンブラック、アセチレンブラックが好ましい。
導電剤の平均粒径は、特に限定されるものではなく、通常、10nm〜10μm、好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜40nmであり、特に、活性炭の平均粒径の1/5000〜1/2、特に1/1000〜1/10であることが好ましい。
また、その添加量も、特に限定されるものではないが、静電容量および導電性付与効果等を考慮すると、活性炭100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
なお、活性炭、バインダ、および必要に応じて添加される導電剤からなる分極性電極用組成物の調製法には、特に制限はなく、例えば、活性炭、導電剤およびバインダを、バインダが可溶の溶媒の存在下で混合して溶液状に調製する方法が挙げられる。
[セパレータ]
本発明の電気二重層キャパシタのセパレータとしては、電気二重層キャパシタ用のセパレータとして一般に用いられているものが挙げられ、例えば、ガラス繊維、ポリオレフィン、ポリアミドイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、セルロース系材料などから構成されるものが挙げられる。具体的には、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等からなる多孔体フィルム;ポリオレフィン,ポリエステルの不織布;ガラス繊維シート;セルロース紙等を使用することができる。絶縁性の無機微粒子や無機フィラーを含むものを用いてもよい。なお、電解液中のイオン量が大きい場合は、セルロース系以外の材料からなるセパレータを用いることが好ましい。
なお、本発明の電気二重層キャパシタは、正の分極性電極の空隙容積をV+、負の分極性電極の空隙容積をV-、セパレータの空隙容積をVsとした場合に、(V++V-)/Vsが、2.0〜4.0を満たすことが好ましく、2.5〜3.5を満たすことが好ましく、V-/V+が、1.0〜2.5を満たすことが好ましく、1.3〜2.0を満たすことがより好ましい。
空隙容積を上記の範囲に調節することで、高電圧印加時の耐久性、大電流充放電特性、およびサイクル特性などをより一層高めることができる。
[有機系電解液]
本発明の電気二重層キャパシタの有機系電解液は、一般式(1)で示されるイオン液体のみか、電解質(イオン液体でもよい)を非水系有機溶媒に溶解させたものからなる。
Figure 0004952900
〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が、Xとともに環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは前記アルコキシアルキル基である。Xは窒素原子またはリン原子を示し、Yは一価のアニオンを示す。〕
ここで、炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。R′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシまたはエトキシメチル基、メトキシまたはエトキシエチル基、メトキシまたはエトキシプロピル基、メトキシまたはエトキシブチル基が挙げられる。
また、R1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成している化合物としては、Xに窒素原子を採用した場合には、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環等を有する4級アンモニウム塩、一方、Xにリン原子を採用した場合には、ペンタメチレンホスフィン(ホスホリナン)環等を有する4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
好ましいカチオンとしては、ジエチル(2−メトキシエチル)メチルアンモニウムカチオン、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムカチオンが挙げられる。
イオン液体を構成するアニオンとしては、特に限定されるものではなく、BF4 -、CF3BF3 -、C25BF3 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、AlCl4 -、HSO4 -、ClO4 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3CO2 -、(CF3SO22-、Cl-、Br-、I-等のアニオンを用いることができる。
好ましいイオン液体としては、ジエチル(2−メトキシエチル)メチルアンモニウムテトラフルオロボレート、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、ジエチル(2−メトキシエチル)メチルアンモニウムトリフルオロメチルトリフルオロボレート、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムトリフルオロメチルトリフルオロボレート、ジエチル(2−メトキシエチル)メチルアンモニウムペンタフルオロエチルトリフルオロボレート、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムトリフルオロメチルペンタフルオロエチルトリフルオロボレート等が挙げられる。なお、イオン液体は、1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
非水系有機溶媒としては、電解質の溶解能を有し、分子径が小さく、電気二重層キャパシタの作動電圧範囲で安定なものであれば、特に限定はないが、誘電率が大きく、電気化学的安定範囲が広いものであるとともに、使用温度範囲が広く安全性に優れているものが好ましい。
具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、アセトニトリル、スルホラン、メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソランなどが挙げられ、これらの溶媒の中から1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、特に、−20℃以下という極低温においても電解質塩の溶解性が高く、電気的性能に優れ、かつ、高温下での使用時に引火点が比較的高いという点から、プロピレンカーボネートを用いることが好ましい。
なお、本発明の電気二重層キャパシタに用いられる有機系電解液には、界面活性剤、分解抑制剤、脱水剤、ハロゲン除去剤、難燃剤等の一般的に有機系電解液に用いられる各種添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は、特に限定されるものではないが、有機系電解液に対し、通常、20質量%以下とされる。
電解質としては、上記式(1)で示されるイオン液体、特開平11−54375号公報に記載されているようなその他のイオン液体、または通常電気二重層キャパシタ用の結晶性電解質として知られている各種電解質を使用することができるが、イオン液体の場合、耐電圧、溶媒への溶解性、イオン伝導度から上記式(1)のイオン液体が好適である。
この場合、上記式(1)で示されるイオン液体は、キャパシタの低温特性を考慮すると、融点が25℃以下であることが好ましい。なお、式(1)で示される好適なイオン液体は上述のとおりである。
また、結晶性電解質としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム等の四級アンモニウムのBF4塩、PF6塩、ClO4塩、CF3SO3塩、N(CF3SO22塩等が挙げられ、陽イオン径が陰イオン径よりも大きい塩が好ましい。
本発明において、有機系電解液の電解質濃度は0.9〜1.8モル/Lが好ましく、1.0〜1.5モル/Lがより好ましく、1.1〜1.3モル/Lがより一層好ましい。電解質濃度が、0.9〜1.8モル/Lの範囲外であると、電解液のイオン伝導が小さくなり、大電流放電時、特に低温下での大電流放電時の直流抵抗が増大する場合がある。
[電気二重層キャパシタ]
本発明の電気二重層キャパシタの構造および形態は、一対の集電体、正負の各分極性電極、これら電極間に介在するセパレータ、並びに少なくとも正負各分極性電極およびセパレータに含浸する有機系電解液を備えて構成されるものであれば、特に限定されるものではなく、図1に示されるようないわゆる積層型のキャパシタや、コイン型のキャパシタなど、公知の種々の構造を採用できる。
本発明の電気二重層キャパシタの実施の一形態を、図1,2を参照しつつ説明すると、電気二重層キャパシタ1は、外装容器10と、この外装容器10内に収納された電極群11と、少なくともこの電極群11に含浸する有機系電解液(図示省略)とを備えて構成されている。
なお、有機系電解液は少なくとも電極群に含浸していればよく、例えば、有機系電解液が、電極群がこれに浸る程度に外装容器内に満たされていてもよい。
電極群11は、図2に示されるように、正の分極性電極構造体11Aおよび負の分極性電極構造体11Bが、セパレータ11Cを介して複数枚積層されたものである。正の分極性電極構造体11Aは、正の集電体111の両面に正の分極性電極112が積層されて構成され、負の分極性電極構造体11Bは、負の集電体113の両面に負の分極性電極114が積層されて構成されている。
この場合、電極構造体の積層枚数は、多ければ多いほど内部抵抗が低減できて有利であるが、電極群体積に占める集電体とセパレータとの体積割合が増加し、体積出力密度が減少するので、所望の内部抵抗に合わせて積層数の上限を決定すればよい。正負の電極構造体の枚数は、同数でもよく、どちらかが1枚多くてもよいが、正負合計で5枚以上、好ましくは7枚以上、さらに好ましくは9枚以上である。電極群の最外層に位置する電極構造体は、同数であれば正負両極となり、どちらかが1枚多い場合は、多い方の電極構造体が最外層となる。
特に、本発明の電気二重層キャパシタでは、最外層の電極構造体が負の分極性電極、つまり負の電極構造体が1枚多くなるように積層することが、耐久性の面から好ましい。
また、電極群11を構成する正の分極性電極構造体11Aおよび負の分極性電極構造体11Bには、外装容器10の内部から外部へ延出する正の電流取出端子12Aおよび負の電流取出端子12Bがそれぞれ接合されている。これら電流取出端子12A,12Bは、外装容器10の外部へ引き出された状態で、外装容器10の封止部10Bにて外装容器10に固定されている。なお、正の分極性電極構造体11Aは、正の電流取出端子12Aによって並列に接続され、負の分極性電極構造体11B、負の電流取出端子12Bによって同じく並列に接続されている。このように、正負の分極性電極構造体11A,11Bを、それぞれ並列に接続した構造の方が、内部抵抗の低減という点から有利であるが、帯状の分極性電極構造体を、セパレータを介して捲回させた構造を採用しても構わない。また、予め小単位に積層された電極群を、所望の静電容量になるように、電極群単位を並列に接続することもできる。
さらに、本実施形態においては、外装容器10には、その封止部10Bの下部近傍かつ2つの電流取出端子11A,11B間に容器10内外を連通する円形の開口部位10Aが形成されており、この開口部位10Aを容器10の内側から覆うように略円形の弁機構13が取り付けられている。
弁機構13は、略円形の板状樹脂弾性体のほぼ中心にニードルで孔13Aが形成されたもので、熱溶着により外装容器10に固着されている。孔13Aは、通常の状態では、樹脂弾性体の弾性により閉塞しているが、容器10の内圧が上昇すると、同じく樹脂弾性体の弾性により開き、容器10の内部に溜まったガス等を放出する。
以上説明した本発明の電気二重層キャパシタは、一つの電槽で区切られたセルの静電容量が100〜10000F、好ましくは150〜5000F、さらに好ましくは200〜2000Fの大容量キャパシタであり、電気自動車、電動工具等の大電流を必要とする大電流蓄電デバイスとして好適に使用することができる。また、本発明の電気二重層キャパシタに許容される上限電圧(定格電圧)は、2.7V以上、特に3.0V以上とすることが可能である。
なお、携帯電話、ノート型パソコンや携帯用端末等のメモリーバックアップ電源用途、携帯電話、携帯用音響機器等の電源、パソコン等の瞬時停電対策用電源、太陽光発電、風力発電等と組み合わせることによるロードレベリング電源等の種々の小電流用キャパシタとして用いることももちろん可能である。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[参考例1]
(1)正の電極構造体の作製
活性炭マックスソーブMSP20(関西熱化学(株)製、BET比表面積:2300m2/g、細孔容積:1.07ml/g、50%粒径:9.5μm)と、導電剤(HS−100、電気化学工業(株)製)と、バインダであるPVDF(アルドリッチ社製、重量平均分子量:534,000)とを85:8:7の質量組成になるように、塗工溶媒であるN−メチルピロリドン(以下NMP)中で混合し、正の分極性電極用塗工液を調製した。
得られた塗工液を、正の集電体111であるエッチドアルミ箔(30CB、日本蓄電器工業(株)製)の両面に塗工した後、ロールプレスで圧延し、さらにNMPを乾燥除去して正の分極性電極112を形成し、正の分極性電極構造体11Aを得た。この電極構造体11Aにおける分極性電極112のみかけ面積は130cm2、電極密度は0.54g/cm3、集電体の片面に形成された分極性電極の厚みは65μmであった。
なお、BET比表面積および細孔容積は、窒素ガス吸着法により算出した値であり、50%粒径は、日機装(株)製レーザー回折式粒度分布測定装置マイクロトラックHRAを用いて測定した値である。
(2)負の電極構造体の作製
活性炭LPY039(日本エンバイロケミカルズ(株)製、MP法におけるピーク細孔半径:4.1×10-10m、比表面積:1900m2/g、細孔容積:0.90ml/g、50%:粒径10.3μm)と、導電剤(HS−100、電気化学工業(株)製)と、バインダであるPVDF(アルドリッチ社製、重量平均分子量:534,000)とを85:7:8の質量組成になるように、塗工溶媒であるN−メチルピロリドン(以下NMP)中で混合し、負の分極性電極用塗工液を調製した。
得られた塗工液を、負の集電体113であるエッチドアルミ箔(30CB、日本蓄電器工業(株)製)の両面に塗工した後、ロールプレスで圧延し、さらにNMPを乾燥除去して負の分極性電極114を形成し、負の分極性電極構造体11Bを得た。この電極構造体11Bにおける分極性電極114のみかけ面積は130cm2、電極密度は0.50g/cm3、集電体の片面に形成された分極性電極の厚みは75μmであった。
なお、ピーク細孔半径は、上記BET測定結果に基づいてMP法により算出した値である。
(3)電気二重層キャパシタの作製
正の分極性電極構造体11A 9枚と、負の分極性電極構造体11B 10枚とを、セパレータ11C(NI040A、日本板硝子(株)製、空隙率79.0%、厚さ40μm)を介して交互に積層し(セパレータ枚数は最外層を含めて20枚)、正負ごとにまとめてアルミ製の電流取出し端子12A,12Bと溶接して電極群11を得た。
次に電極群11をアルミラミネート(大日本印刷(株)製、外層:6−ナイロン/厚25μm、ガス遮断層:軟質アルミニウム/厚40μm、内層:ポリプロピレン+変性ポリプロピレン/30+15μm)からなる弁13のついた外装容器10に挿入し、有機系電解液38mlを注入して含浸させた後、外装容器10を封止部10Bにて熱融着して図1に示される電気二重層キャパシタ1を得た。有機系電解液としては、電解質であるジエチル(2−メトキシエチル)メチルアンモニウムテトラフルオロボレート(イオン液体、DEME−BF4)を、電解液溶媒である炭酸プロピレン(以下PC)に1.3モル/Lになるように溶解させたものを使用した。また、電解液の含浸は、25℃、10kPa以下の減圧下で12時間以上静置する条件で行った。
[参考例2]
集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを85μmにし、有機系電解液を39ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例1]
集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを90μmにし、有機系電解液を41ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例2]
集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを100μmにし、有機系電解液を42ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例3]
集電体の片面に形成された正の分極性電極の厚みを60μmにし、同じく負の分極性電極の厚みを105μmにし、有機系電解液を43ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例4]
集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを110μmにし、有機系電解液を44ml注入した以外は、実施例3と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例5]
集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを113μmにした以外は、実施例3と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例6]
負の分極性電極の活性炭として、活性炭RP25(クラレコール、クラレケミカル(株)製、MP法におけるピーク細孔半径:4.7×10-10m、BET比表面積:2500m2/g、細孔容積:1.30ml/g、50%粒径:7.5μm)を用い、集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを80μmにし、DEME−BF4濃度1.1モル/LのPC溶液を40ml注入した以外は、実施例3と同様にして電気二重層キャパシタを得た。負の分極性電極の電極密度は0.52g/cm3であった。
[実施例7]
負の分極性電極の活性炭として、活性炭YP20(クラレコール、クラレケミカル(株)製、MP法におけるピーク細孔半径:4.3×10-10m、BET比表面積:2100m2/g、細孔容積:1.06ml/g、50%粒径:5.5μm)を用い、集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを100μmにし、DEME−BF4濃度1.1モル/LのPC溶液を45ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。負の分極性電極の電極密度は0.50g/cm3であった。
[実施例8]
正負の分極性電極の活性炭として活性炭YP20を用い、集電体の片面に形成された正の分極性電極の厚みを70μmに、同じく負の分極性電極の厚みを85μmにし、DEME−BF4濃度1.1モル/LのPC溶液を44ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。正負の分極性電極の電極密度は0.50g/cm3であった。
[実施例9]
正負の分極性電極のバインダとしてポリアミドイミド(バイロマックス、東洋紡績(株)製、固形分濃度:20%、溶剤:NMP、溶液粘度:46.5dPa・s)を用い、セパレータとしてポリエステル不織布(空隙率62.0%、厚さ35μm)を用い、有機系電解液としてN−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート(イオン液体、PROME−BF4)濃度0.9モル/LのPC溶液を用い、この電解液を43ml注入した以外は、実施例2と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例10]
セパレータとしてセパレータNI040Aを用い、有機系電解液としてPROME−BF4濃度1.5モル/LのPC溶液を用いた以外は、実施例9と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例11]
集電体の片面に形成された正の分極性電極の厚みを110μm、同じく負の分極性電極の厚みを170μmとし、正の電極構造体5枚および負の電極構造体6枚を、セパレータNI040Aを介して交互に積層し(セパレータ枚数は最外層を含めて12枚)、DEME−BF4濃度1.1モル/LのPC溶液を38ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。分極性電極の電極密度は、正0.54g/cm3、負0.50g/cm3であった。
[実施例12]
有機系電解液としてDEME−BF4濃度1.1モル/LのPC溶液を用いた以外は、実施例2と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例13]
集電体の片面に形成された正の分極性電極の厚みを45μmに、同じく負の分極性電極の厚みを70μmにし、正の電極構造体13枚と負の電極構造体14枚を、セパレータNI040Aを介して交互に積層し(セパレータ枚数は最外層を含めて28枚)、有機系電解液としてDEME−BF4濃度1.1モル/LのPC溶液を用い、この電解液を47ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。分極性電極の電極密度は、正0.54g/cm3、負0.50g/cm3であった。
[実施例14]
セパレータNI040Aを2枚介して正負の電極構造体を交互に積層し、有機系電解液として、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(以下TEA−BF4)濃度1.2モル/LのPC溶液を用い、この電解液を52ml注入した以外は、実施例2と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例15]
セパレータとしてポリアミドイミド多孔体フィルム(空隙率65.0%、厚さ40μm)を用い、有機系電解液としてTEA−BF4濃度1.2モル/LのPC溶液を用い、この電解液を41ml注入した以外は、実施例2と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例16]
正の電極構造体17枚と負の電極構造体18枚を、セパレータNI040Aを介して交互に積層し(セパレータ枚数は最外層を含めて36枚)、有機系電解液としてPROME−BF4濃度1.1モル/LのPC溶液を用い、この電解液を78ml注入した以外は、実施例2と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[実施例17]
分極性電極の見かけ面積を33cm2にし、有機系電解液を20ml注入した以外は、実施例16と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[比較例1]
集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを65μmにし、有機系電解液を36ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[比較例2]
集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを130μmにし、有機系電解液を49ml注入した以外は、参考例1と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[比較例3]
集電体の片面に形成された負の分極性電極の厚みを60μmにし、有機系電解液を36ml注入した以外は、実施例8と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
[比較例4]
集電体の片面に形成された正の分極性電極の厚みを65μmに、同じく負の分極性電極の厚みを100μmにし、有機系電解液を43ml注入した以外は、実施例8と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
上記各実施例および比較例の電気二重層キャパシタの構成について表1にまとめて示す。
なお、表1において、正負の分極性電極の静電容量C+、C-は電気二重層キャパシタに、Ag/Ag+イオン参照極等の参照極を組み込み、一時間率に相当する電流値で定格電圧から0Vまで定電流放電を行った際の、正負ごとの放電曲線から算出した。セパレータの空隙容積Vsおよび正負の分極性電極の空隙容積V+、V-は、各実施例および比較例で用いたものと同じセパレータおよび正負分極性電極に、電気二重層キャパシタの作製時の条件と同じ条件で電解液を十分に含浸させた後、含浸した電解液の質量と、電解液の比重とから求めた。セパレータの空隙率は、セパレータの見かけ体積と空隙容積Vsとから求めた。キャパシタの全空孔体積Vpは、セパレータ、および正負の分極性電極の空隙容積の和(Vs+V++V-)である。
Figure 0004952900
上記各実施例および比較例で得られた各キャパシタについて、下記試験を行った。結果を表2に示す。
[初期特性]
製造後の静電容量および内部抵抗(25℃、−30℃)を測定した。
一時間率の電流値で3.0Vまで定電流充電を行い、そのまま30分間、定電圧充電を行い、続いて、一時間率の電流値で3.0Vから0Vまで定電流放電した時の全放電エネルギー量から静電容量を算出した。
内部抵抗は、一時間率の電流値で3.0Vまで定電流充電を行い、そのまま30分間、定電圧充電を行い、次に3.0Vから1/30時間率の電流値で定電流放電させた放電カーブの、放電後5〜10秒の間の近似直線と0秒Y軸との交点から直流抵抗を求めた。低温時の内部抵抗を測定する場合は、キャパシタを−30℃の恒温槽で6時間放置した後、同様にして測定した。
[耐久性試験]
温度70℃の恒温槽中で、設定電圧3.0V、保持時間1000時間の定電圧充電を行い、耐久性試験後の静電容量と内部抵抗(25℃)を、上記と同様の方法で測定し、初期値と比較した。
[大電流サイクル試験]
実施例2,9,10,12,14および15で得られた各キャパシタについて、耐久性試験として、25℃環境下、下限電圧1.5V、上限電圧3.0V、40Aの充放電電流値、定電圧、休止無しで10000サイクルの大電流サイクル試験を行った。耐久性試験前後の静電容量を比較した。
なお、静電容量および内部抵抗の測定時や、耐久性試験時には、キャパシタの積層方向に0.1MPaの応力を加えて試験を行った。
Figure 0004952900

*キャパシタの定格電圧:3V
表2に示されるように各実施例で得られた電気二重層キャパシタは、各比較例の電気二重層キャパシタに比べ、連続充電後の静電容量維持率が高く、かつ、内部抵抗の増加率が低く、3.0Vという高電圧下で連続充電しても耐久性に優れていることがわかる。また、40Aサイクル充放電試験の結果から、大電流充放電時のサイクル特性にも優れていることがわかる。
本発明の一実施形態に係る電気二重層キャパシタを示す一部切り欠き斜視図である。 上記実施形態における電極群を示す一部拡大断面図である。
符号の説明
1 電気二重層キャパシタ
10 外装容器
11 電極群
11A 正の電極構造体
11B 負の電極構造体
11C セパレータ
111 正の集電体(一対の集電体)
112 正の分極性電極
113 負の集電体(一対の集電体)
114 負の分極性電極

Claims (7)

  1. 一対の集電体と、この一対の集電体の一方に設けられ、質量W+の活性炭を含んで構成された静電容量C+を有する正の分極性電極と、前記一対の集電体の他方に設けられ、質量W-の活性炭を含んで構成された静電容量C-を有する負の分極性電極と、これら正負の分極性電極間に介在するセパレータと、少なくとも前記正負の分極性電極およびセパレータに含浸する有機系電解液とを備え、
    前記正の分極性電極の静電容量C+と、前記負の分極性電極の静電容量C-とが、C-/C+=0.7〜1.0を満たし、かつ、
    前記正の分極性電極に含まれる活性炭の質量W+と、前記負の分極性電極に含まれる活性炭の質量W-とが、W-/W+=1.1〜2.0を満たすことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 前記正の分極性電極に含まれる活性炭の質量W+と、前記負の分極性電極に含まれる活性炭の質量W-とが、W-/W+=1.2〜2.0を満たす請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 温度70℃の恒温槽中で、設定電圧3.0V、保持時間1000時間の定電圧充電を行った後の静電容量維持率が78.9%以上であり、25℃における内部抵抗上昇率が7.0倍以下である請求項1または2記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 前記有機系電解液が、少なくとも式(1)で示されるイオン液体を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の電気二重層キャパシタ。
    Figure 0004952900
    〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が、Xとともに環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは前記アルコキシアルキル基である。Xは窒素原子またはリン原子を示し、Yは一価のアニオンを示す。〕
  5. 前記有機系電解液が、非水系有機溶媒を含む請求項1〜4のいずれか1項記載の電気二重層キャパシタ。
  6. 前記負の分極性電極に含まれる活性炭が、MP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが4.0×10-10〜1.0×10-9mの範囲内の水蒸気賦活活性炭を主成分とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電気二重層キャパシタ。
  7. 前記正の分極性電極に含まれる活性炭が、アルカリ賦活活性炭を主成分とする請求項1〜6のいずれか1項記載の電気二重層キャパシタ。
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