JP2015191943A - リチウムイオンキャパシタ、蓄電モジュール及びリチウムイオンキャパシタ製造方法 - Google Patents

リチウムイオンキャパシタ、蓄電モジュール及びリチウムイオンキャパシタ製造方法 Download PDF

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和照 梅津
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Abstract

【課題】リチウムイオンキャパシタ、蓄電モジュール及びリチウムイオンキャパシタ製造方法を提供する。【解決手段】それぞれの面が対向するように積層された正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30、並びに、リチウム塩を含む電解液が、外装体内に密閉されたリチウムイオンキャパシタであって、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30の互いに向かい合った面と平行な面における単位面積である1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量が、0.14mol/m2以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオンキャパシタ、蓄電モジュール及びリチウムイオンキャパシタ製造方法に関する。
リチウムイオンキャパシタは、従来から携帯電話などの電気機器等の電源として使用されている。さらに、近年、リチウムイオンキャパシタは、ハイブリッド自動車、電気自動車及び建設機械などにおける高効率のエネルギー回生を目的として、高出力かつ高耐久性を有する蓄電デバイスとして使用が期待されている。
そのような中で、リチウムイオンキャパシタは、その更なる特性向上、例えばエネルギー密度の向上(高容量化)、出力密度の向上(高出力化)やサイクル特性の向上(サイクル寿命の向上)、高い安全性等が望まれている。
特に、ハイブリッド自動車、電気自動車及び建設機械の使用においては、効率的にエネルギーを回生するために高出力特性を有するリチウムイオンキャパシタが求められている。加えて、長期間充放電サイクルにおいても抵抗上昇が少なく性能の低下が少ないリチウムイオンキャパシタが求められている。
例えば、特許文献1には、負極活物質の面で格子間隔が100〜500nmである易黒鉛化性炭素を用いることで、サイクル特性が向上することが開示されている。
特許文献2には、負極活物質である黒鉛の90%体積累積径と10%体積累積径との差を7.0μm以下にすることで、サイクル特性が向上することが開示されている。
特許文献3には、電解液にイオン液体を含有させることで正極上での溶媒の還元分解を抑制し、サイクル特性が向上することが開示されている。
特開2009−130066号公報 特開2008−103596号公報 特開2012−142340号公報
しかしながら、リチウムイオンキャパシタにおける高負荷での充放電サイクルでは、速い電荷の移動に追従できないリチウムイオンが活物質中に蓄積してしまう場合がある。これにより、電解液中の塩濃度が低下してしまう。その結果、電気伝導度が低下し、抵抗上昇率が増加してしまうおそれがある。
上述の問題に鑑み、開示技術の実施形態の一例は、サイクル特性を向上させたリチウムイオンキャパシタ、蓄電モジュール及びリチウムイオンキャパシタ製造方法を提供することを目的とする。
開示技術の実施形態の一例に係るリチウムイオンキャパシタは、それぞれの面が対向するように積層された正極、負極及びセパレータ、並びに、リチウム塩を含む電解液が、外装体内に密閉されたリチウムイオンキャパシタであって、前記正極、前記負極及び前記セパレータの互いに向かい合った面と平行な面における単位面積である1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量が、0.14mol/m以上である。
開示技術の実施形態の一例によれば、サイクル特性を向上させたリチウムイオンキャパシタ、蓄電モジュール及びリチウムイオンキャパシタ製造方法を提供することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係るリチウムイオンキャパシタの構造を説明するための模式図である。 図2は、電極積層体の模式図である。 図3は、リチウムイオンキャパシタの側面図である。 図4は、蓄電モジュールの斜視図である。 図5は、リチウムイオンキャパシタの加圧による変形を説明するための図である。 図6は、実施形態に係る蓄電モジュールの製造のフローチャートである。 図7は、計算値A×B×(1−C)と抵抗上昇率及び時定数との関係を表した図である。
以下に、本願の開示するリチウムイオンキャパシタ、蓄電モジュール及びリチウムイオンキャパシタ製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本願の開示するリチウムイオンキャパシタ、蓄電モジュール及びリチウムイオンキャパシタ製造方法が限定されるものではない。
[実施形態]
(実施形態に係るリチウムイオンキャパシタの構成)
図1は、実施形態に係るリチウムイオンキャパシタの構造を説明するための模式図である。本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタは、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30を有している。
(正極側の構成)
正極電極体10は、正極集電体11、正極アンカー層12及び正極活物質層13を有している。
正極集電体11は、例えば、厚さ15μmのアルミニウム箔である。
(正極アンカー層の作製方法)
正極アンカー層12は、正極集電対11と正極活物質層13との接着強度を高めるために設けられている。ただし、正極アンカー層12を設けなくてもリチウムイオンキャパシタとして動作可能である。アンカー層が含有する導電性カーボンとしては、導電性を有する物質であればよい。導電性カーボンには、例えば、活性炭、難黒鉛性カーボンや、易黒鉛性カーボンといった炭素質材料を用いることができる。また、導電性カーボンには、例えば、ポリアセン系物質等のアモルファス材料及びケッチェンブラックやアセチレンブラックといったカーボンブラックなどを用いることもできる。さらに、導電性カーボンには、例えば、鱗片状黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、カーボンナノフォーン又は繊維状炭素質材料などを用いることができる。
正極アンカー層12は、以下の手順で作製した。平均粒径5μmのグラファイト14.0g、平均粒径40nmのカーボンブラック7.2g、カルボキシメチルセルロース4.3g、水74.5gを混合して、スラリーを得た。
次いで、得られたスラリーを、正極集電体11である厚さ15μmのアルミニウム箔の片面又は両面に塗布して乾燥させ、平均厚さ5μmの正極アンカー層12が付いたアンカー層付きアルミニウム箔を得た。
(正極電極体の作製方法)
正極電極体10の正極活物質層13に用いる正極活物質は、例えば活性炭が好ましい。そして、正極活物質は、高負荷での充放電サイクルにおける抵抗上昇を抑制する観点から、以下の3つの条件を満たすことが好ましい。
第1の条件として、BJH法で算出されたメソ孔量が、0.1cc/g以上、且つ0.8cc/g未満であることが好ましい。すなわち、正極活物質のメソ孔量を「V1」とすると、0.1≦V1<0.8を満たすことが好ましい。ここで、メソ孔量とは、直径が2nm以上で50nm以下の細孔の量である。
第2の条件として、MP法で算出されたマイクロ孔量が、0.5cc/g以上、且つ1.2cc/g未満であることが好ましい。すなわち、正極活物質のマイクロ孔量を「V2」とすると、0.5≦V2<1.2を満たすことが好ましい。ここで、マイクロ孔量とは、直径が2nm未満である細孔の量である。
第3の条件として、BET法で測定された比表面積が1500m/g以上、且つ3000m/g以下であることが好ましい。
そこで、正極電極体10の作製手順の一例を以下に説明する。まず、破砕されたヤシ殻炭化物を、小型炭化炉において、窒素中、500〔℃〕で3時間炭化処理する。処理後に得られた炭化物を賦活炉内へ投入する。さらに、1kg/hの水蒸気を予熱炉で加熱した状態で賦活炉内へ投入し、900℃まで8時間かけて賦活炉内の温度を昇温した後に、炭化物を取り出す。その後、取り出した炭化物を窒素雰囲気下で冷却し、活性炭を得る。
得られた活性炭を、10時間水洗浄した後に水切りする。その後、115℃に保持された電気乾燥機内で、活性炭を乾燥させた後に、ボールミルで1時間粉砕を行い、正極活物質である活性炭を得る。
ここで、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて上記手順で生成した正極活物質である活性炭の平均粒径を測定した。ここでは、レーザー回折式粒度分布測定装置として、「島津製作所社製のSALD−2000J」を用いた。その結果、活性炭1の粒度は4.2μmであった。
また、細孔分布測定装置で、窒素を吸着材として正極活物質である活性炭の細孔分布を測定した。ここでは、細孔分布測定装置として、ユアサアイオニクス社製の「AUTOSORB−1 AS−1−MP」を用いた。また、正極活物質である活性炭について比表面積をBET1点方により求めた。さらに、正極活物質である活性炭について、脱着側の等温線を用いて、メソ孔量はBJH法により求め、マイクロ孔量はMP法によりそれぞれ求めた。
その結果、活性炭1のBET比表面積は2360m/g、メソ孔量(V1)は0.52cc/gであり、マイクロ孔量(V2)は0.88cc/gであった。
これは、好適な正極活物質としての第1条件である0.1≦V1<0.8を満たしている。また、好適な正極活物質としての第2条件である0.5≦V2<1.2を満たしている。また、好適な正極活物質としての第3条件である比表面積が1500m/g以上、且つ3000m/g以下であることを満たしている。すなわち、ここで説明した手順で作製した正極活物質は、高負荷での充放電サイクルにおける抵抗上昇を抑制する物質として好ましい物質であるといえる。
活性炭1を80.8質量部、ケッチェンブラックを6.2質量部、PolyVinylidene DiFluoride(PVDF:ポリフッ化ビニデリン)を10質量部、PolyVinylPyrrolidone(PVP:ポリビニルピロリドン)を3.0質量部及びN-MethylPyrrolidone(NMP:N−メチルピロリドン)を混合してスラリーを得た。
次いで、得られたスラリーを片面又は両面アンカー層付きアルミニウム箔のアンカー層面に塗布し、乾燥させ、プレスして、正極活物質層13の厚さが55μmの片面正極電極体及び両面正極集電体である正極電極体10を得た。以下では、片面正極電極体である正極電極体10を、「片面正極電極体10A」といい、両面正極電極体である正極電極体10を、「両面正極電極体10B」という。また、片面正極電極体10Aと両面正極電極体10Bとを区別しない場合には、今まで通り正極電極体10という。
(負極側の構成)
負極20は、負極集電体21、負極アンカー層22及び負極活物質層23を有している。
負極集電体21は、例えば、厚さ20μmのエキスパンド銅箔である。
(負極アンカー層の作製方法)
負極アンカー層22は、負極集電体21と負極活物質層23との接着強度を高めるために設けられている。ただし、負極アンカー層22を設けなくてもリチウムイオンキャパシタとして動作可能である。負極アンカー層22が含有する導電性カーボンとしては、正極アンカー層12と同様に、導電性を有する物質であればよい。
負極アンカー層22は、以下の手順で作製した。平均粒径5μmのグラファイト14.0g、平均粒径40nmのカーボンブラック12.5g、カルボキシメチルセルロース5.4g、及び水120gを混合して、スラリーを得た。
次いで、得られたスラリーを、負極集電体21であるエキスパンド銅箔の両面に塗布して乾燥させ、平均厚さ5μmの負極アンカー層22が付いたアンカー層付き銅箔を得た。
(負極電極体の作製方法)
負極電極体20の負極活物質層23に用いる負極活物質は、例えばリチウムイオンを吸収及び放出可能な物質であることが好ましい。特に、負極活物質としては、グラファイト、難黒鉛化炭素材料(ハードカーボン)、又は活性炭の表面に炭素質材料を被着させた複合多孔質炭素材料が好ましい。そして、負極活物質は、高負荷での充放電サイクルにおける抵抗上昇を抑制する観点から、以下の2つの条件を満たすことが好ましい。
第1の条件として、BJH法で算出されたメソ孔量が、0.01cc/g以上、且つ0.10cc/g未満であることが好ましい。すなわち、正極活物質のメソ孔量を「Vm1」とすると、0.01≦Vm1<0.10を満たすことが好ましい。
第2の条件として、MP法で算出されたマイクロ孔量が、0.01cc/g以上、且つ0.30cc/g未満であることが好ましい。すなわち、正極活物質のマイクロ孔量を「Vm2」とすると、0.01≦Vm2<0.30を満たすことが好ましい。
そこで、負極電極体10の作製手順の一例を以下に説明する。まず始めに、比較対象として、処理前の市販のヤシ殻炭化物について説明する。市販のヤシ殻炭化物について細孔分布測定装置で、窒素を吸着剤として細孔分布を測定した。ここでは、細孔分布測定装置として、ユアサアイオニクス社製の「AUTOSORB−1 AS−1−MP」を使用した。また、同じヤシ殻炭化物について比表面積をBET1点方により求めた。さらに、同じヤシ殻炭化物について、脱着側の等温線を用いて、メソ孔量はBJH法により求め、マイクロ孔量はMP法によりそれぞれ求めた。
その結果、市販のヤシ殻炭化物は、BET比評面積が1.780m/g、メソ孔量が0.198cc/g、マイクロ孔量が0.695cc/g、及び平均細孔径が21.2Åであった。また、この場合、メソ孔量とマイクロ孔量の比は、0.29であった。
この市販のヤシ殻炭化物150gをステンレススチールメッシュ製のかごに入れ、軟化点が50℃の石炭系ピッチ270gを入れたステンレス製バットの上に載置し、電気炉内に設置して熱反応を行う。電気炉は、炉内有効寸法が300mm×300mm×300mmである。熱処理は窒素雰囲気下で、600℃まで8時間かけて電気炉内を昇温し、同温度で4時間保持することによって行う。
次に、自然冷却により電気炉内を60℃まで冷却する。その後、電気炉からヤシ殻炭化物を取り出し、負極活物質である複合多孔性材料を得た。
ここで、上記手順を用いて生成した複合多孔性材料を正極活物質である活性炭と同様に測定した。その結果、復号多孔性材料は、BET比表面積が262m/g、メソ孔量(Vm1)が0.1798cc/g、及びマイクロ孔量(Vm2)が0.0843cc/gであった。
これは、好適な負極活物質としての第1条件である0.01≦Vm1<0.10を満たしている。また、好適な負極活物質としての第2条件である0.01≦Vm2<0.30を満たしている。すなわち、ここで説明した手順で作製した負極活物質は、高負荷での充放電サイクルにおける抵抗上昇を抑制する物質として好ましい物質であるといえる。
次に、複合多孔性材料を83.4質量部、アセチレンブラックを8.3質量部、PVDFを8.3質量部及びNMPを混合してスラリーを得た。
次いで、得られたスラリーをアンカー層付きエキスパンド銅箔のアンカー層面に塗布し、乾燥させ、プレスして、負極活物質層23の厚さが60μmの両面負極電極体である負極電極体20を得た。
さらに、得られた両面負極電極体である負極電極体20の片面に、複合多孔性材料の単位重量あたり760mAh/gに相当するリチウム金属箔を貼り付けた。
(セパレータ)
セパレータ30は、例えばセルロース等を材料としている。そして、セパレータ30は、体積、密度及び材料の真密度は既知であり、例えばセパレータ20の製造メーカからそれらの情報を取得することができる。
(電極積層体の作製)
図2は、電極積層体の模式図である。得られた正極電極体10及び負極電極体20を100mm×100mmにカットする。そして、カットした両面正極電極体10Bを17枚とカットした負極電極体20を18枚とを交互に重ね、その両端部に片面正極電極体10Aを配置した。さらに、正極電極体10と負極電極体20との間に、それぞれセルロース製不織布セパレータであるセパレータ30を積層する。すなわち、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30を、計36枚積層する。
その後、正極電極体10と負極電極体20とに電極端子を接続して電極積層体を作製する。
(リチウムイオンキャパシタの組み立て)
図3は、リチウムイオンキャパシタの側面図である。作製した電極積層体をラミネートフィルムからなる外装体40内に挿入し、外装体内にリチウム塩を含む非プロトン系有機溶媒を含む電解液(「非水系電解液」とも呼ばれる。)を注入した後、外装体40を密閉し、非水系リチウム型蓄電素子の蓄電セルであるリチウムイオンキャパシタ1を作製する。
(蓄電モジュールの組み立て)
図4は、蓄電モジュールの斜視図である。蓄電モジュール100は、例えば、複数のリチウムイオンキャパシタ1をまとめて接続して一つの電池としたものである。ここで、リチウムイオンキャパシタ1の接続方法は特に制限は無く、直列に接続してもよいし、並列に接続してもよい。
そして、蓄電モジュール100は、複数のリチウムイオンキャパシタを固定するために、例えば、エンドプレート101でリチウムイオンキャパシタ1を挟む。この時、エンドプレート101がリチウムイオンキャパシタを挟み込む力により、図4に示す圧力Pがリチウムイオンキャパシタ1に加わる。圧力Pの加圧方向は、Y方向である。
ここで、エンドプレート101によりリチウムイオンキャパシタ1を挟む方法、すなわち加圧の方法はリチウムイオンキャパシタ1を固定できればどのような方法でもよい。例えば、2枚のエンドプレート101の間をバネで接続して、そのバネの応力でリチウムイオンキャパシタ1を加圧してもよい。また、2枚のエンドプレートの間を接続する板を設けて、その板にネジ止めすることでリチウムイオンキャパシタ1を加圧してもよい。
圧力Pがリチウムイオンキャパシタ1に加わることで、図5に示すように、リチウムイオンキャパシタ1は圧縮される。図5は、リチウムイオンキャパシタの加圧による変形を説明するための図である。図5の上段は加圧前のリチウムイオンキャパシタ1を表している。また、図5の下段は加圧後のリチウムイオンキャパシタ1を表している。ここでは、加圧前のリチウムイオンキャパシタ1の厚みをL1とし、加圧後のリチウムイオンキャパシタの厚みをL2としている。この場合、リチウムイオンキャパシタ1の厚みの変化の割合であるセル厚変化率をGとすると、G=L2/L1と表される。このセル厚変化率(G)は、蓄電モジュール100の組み立て時の加圧力によって変化する。
圧力Pは、蓄電モジュール100の構成にしたがって、予め算出することができる。
(電解液の濃度の算定)
以下では、蓄電モジュールを組み立てた場合に各リチウムイオンキャパシタ1にかかる圧力により、加圧方向に対するリチウムイオンキャパシタ1の変形量から算出される空孔量変化率(以下、単に「空孔量変化率」という。)を「C」とする。また、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30の1対向単位面積あたりに存在する空孔量の合計値(以下、単に「空孔量」という。)を「A〔L/m〕」とする。ここで、1対向単位面積とは、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30のそれぞれ向かい合う面と平行な面における1つの単位面積を指す。言い変えれば、1対向単位面積とは、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30のそれぞれ向かい合う面により形成される直方体の空間の断面における単位面積1つ分の大きさといえる。さらに、電解液中のリチウム塩濃度を「B〔L/m〕」とする。
そして、空孔量(A)と電解液中のリチウム塩濃度(B)との積(A×B)は、加圧しない場合の正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30の1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量にあたる。以下では、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30の1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量を、単に「1対向単位面積あたりのリチウム塩量」という。さらに、圧力を加えた場合の、1対向単位面積あたりのリチウム塩量を「I」とすると、I=A×B×(1−C)と表される。
ここで、高負荷での充放電サイクルでは、速い電荷の移動に追従できないリチウムイオンが正極活物質中及び負極活物質中に蓄積してしまう。そのため、電解液中の電気伝導度が低下し、リチウムイオンキャパシタ1の抵抗の上昇を招く。そこで、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)を、十分大きな値に保つことで、電解液中のリチウム塩濃度が極端に低下することを防ぎ、充放電サイクルにおける抵抗上昇を抑えることができる。
一方、電解液中のリチウム塩濃度(B)を極端に高くする、セパレータ30の厚みを大きくする、電極の嵩密度を低くすることなどによっても、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)を大きくすることができる。しかし、電解液の電気伝導度の低下や、電解抵抗液の増加によって、初期の抵抗の指標である時定数が増大してしまう。すなわち、充放電サイクルを行う前から抵抗の大きいリチウムイオンキャパシタとなってしまう。
そこで、本実施例では、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)の値を調整して好適な状態になるように、電解液中のリチウム塩濃度(B)の濃度を決定する。以下に、電解液中のリチウム塩濃度(B)の決定手順について説明する。
正極空孔量をDとし、負極空孔量をEとし、セパレータ空孔量をFとすると。空孔量(A)は、A=D+E+Fとして算出できる。
正極空孔量(D)は、正極活物質層13の空孔量である正極活物質空孔量をD1とし、正極アンカー層12の空孔量である正極アンカー層空孔量をD2とすると、D=D1+D2と表される。
正極活物質空孔量(D1)は、D1={1−(正極活物質層13の密度)/(正極活物質層13の真密度加重平均値)}×(正極活物質層13の厚み)と表すことができる。
負極空孔量(E)は、負極活物質層23の空孔量である負極活物質空孔量をE1とし、負極アンカー層22の空孔量である負極アンカー層空孔量をE2とすると、E=E1+E2と表される。
負極活物質空孔量(E1)は、E1={1−(負極活物質層23の密度)/(負極活物質層23の真密度加重平均値)}×(負極活物質層13の厚み)と表すことができる。
ここで、正極活物質層13及び負極活物質層23の真密度加重平均値は、それらを構成する要素の真密度の加重平均値として加算可能である。例えば、正極活物質層13について説明する。正極活物質層13に含まれる活物質、導電材、バインダー、増粘剤、その他添加剤などの構成要素のそれぞれに対し、電極中の構成比率と材料の真密度との積を算出し、それらを加算することで、正極活物質層13の真密度加重平均値は算出可能である。これは、負極活物質層23についても同様である。
また、正極活物質層13及び負極活物質層23の厚みとは、加圧前の厚みである。
また、正極アンカー層孔空量(D2)及び負極アンカー層孔空量(E2)も、同様に算出することができる。
これらにより、正極孔空量(D)及び負極孔空量(E)を算出することができる。
さらに、セパレータ空孔量(F)は、F={1−(セパレータ30の密度)/(セパレータ30の真密度)}×(セパレータ30の厚み)と表すことができる。ここで、セパレータ30の厚みとは加圧前の厚みである。
そして、上述したように、セパレータ30は、体積、密度及び材料の真密度は既知である。そこで、既知の値を用いることでセパレータ空孔量(F)も算出できる。
このように、正極空孔量(D)、負極空孔量(E)、セパレータ空孔量(F)は、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30の材料及びサイズが決定すれば求まるものである。作製するリチウムイオンキャパシタ1の容量に応じて、正極電極体10、不況電極体20及びセパレータ30の材料及びサイズを設計することができる。したがって、空孔量(A)は、作製しようとするリチウムイオンキャパシタ1の容量及び抵抗などの仕様を決定した段階で求めることができる。
リチウムキャパシタ1を加圧して電池モジュール100を作製する場合、加圧の程度に応じてリチウムイオンキャパシタ1が圧縮されるため、正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30に保持される電解液が外装体40内の余剰部へと押し出される。これにより、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が減少する。
そこで、加圧による1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)の変化を求めるために、加圧された場合の空孔量変化率を求める。ここで、空孔量変化率をCとする。空孔量変化率(C)は、空孔量(A)、セル厚み変化率(G)及び加圧前のリチウムイオンキャパシタ1の厚み(L1)から、C=G×L1/Aと表すことができる。
上述したように、作製する蓄電モジュール100の構成が決まれば、リチウムイオンキャパシタ1への加圧力は決定できる。したがって、リチウムイオンキャパシタ1の加圧後の厚み(L2)も算出することができる。したがって、空孔量変化率(C)は、作製しようとする蓄電モジュール100の構成を決定した段階で求めることができる。
ここで、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が、0.14mol/m以上であれば、高負荷での充放電サイクルにおいて、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率を4.0×10−6/cy以下に抑える事ができる。抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下であれば、長期間充放電サイクルを実施後のリチウムイオンキャパシタ1の性能は良好に維持できているといえる。そこで、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が、常に0.14mol/m以上であることが好ましい。
また、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が、0.20mol/m以下であれば、リチウムイオンキャパシタ1の時定数を2.6sec以下に抑える事ができる。時定数が2.6sec以下であれば、リチウムイオンキャパシタ1の使用前の状態の性能は、良好といえる。そこで、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が、常に0.20mol/m以下であることが好ましい。
このように、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)は、0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下となることが好ましい。1対向単位面積あたりのイオン量(I)がこの範囲に収まることで、充放電サイクルにおける抵抗上昇を抑える事ができ、且つ時定数の上昇も抑える事ができる。すなわち、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)は、0.14≦I≦0.20を満たすことが好ましい。
ここで、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)は、上述したように、空孔量(A)、電解液中のリチウム塩濃度(B)及び空孔量変化率(C)から、I=A×B×(1−C)と表される。
また、上述したように、空孔量(A)及び空孔量変化率(C)は、作製するリチウムイオン1の仕様及び蓄電モジュール100の構成が決まれば、求めることができる。
さらに、電解液中のリチウム塩濃度(B)は、リチウムイオンキャパシタの内部抵抗の観点から、1.0mol/L以上、且つ1.7mol/L未満であることが好ましい。
そこで、リチウム塩濃度(B)は、1.0mol/L以上、且つ1.7mol/L未満であり、さらに、予め算出した空孔量(A)及び空孔量変化率(C)に対して、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が0.14≦I≦0.20を満たす値とすることが好ましい。
電解液の電解質としては、LiPF、LiBF又はLiClOなどのリチウム塩を使用することが好ましい。非プロトン製有機溶媒には、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートもしくはジエチルカーボネートのような鎖状炭酸エステル、又は、エチレンカーボネートもしくはプロピレンカーボネートのような環状炭酸エステルからなる単一溶媒又は混合溶媒を用いることができる。
(蓄電モジュールの製造のフロー)
次に、図6を参照して、本実施形態に係る蓄電モジュール1の製造の流れについて説明する。図6は、実施形態に係る蓄電モジュールの製造のフローチャートである。
容量及び抵抗を含む作製するリチウムイオンキャパシタ1の仕様を決定し、決定した仕様にしたがって正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30の材料及びサイズを決定する(ステップS1)。
そして、決定した正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30の材料及びサイズにしたがって空孔量(A)を求める(ステップS2)。
リチウムイオンキャパシタ1を備えた蓄電モジュール100の構成を決定し、リチウムイオンキャパシタ1にかかる圧力Pを求める。圧力Pを用いて、リチウムイオンキャパシタ1の加圧後の厚み(L2)を求める。そして、空孔量(A)、加圧前の厚み(L1)及び加圧後の厚み(L2)から、空孔量変化率(C)を求める(ステップS3)。
そして、求めた空孔量(A)及び空孔量変化率(C)から、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I=A×B×(1−C))が0.14≦I≦0.20を満たす値になるように、リチウム塩濃度(B)を決定する(ステップS4)。
決定した材料及びサイズを基に、正極電極体10及び負極電極体20を作製する(ステップS5)。
作製した、正極電極体10、セパレータ30及び負極電極体20を交互に重ね合わせて、電極製層体を作製する(ステップS6)。
電極積層体を外装体40の中に配置し、求めたリチウム塩濃度(B)の電解液を注入し、外装体40を密閉してリチウムイオンキャパシタ1を作製する(ステップS7)。
その後、作製したリチウムイオンキャパシタ1を用いて、決定した構成にしたがい蓄電モジュール100を組み立てる(ステップS8)。これにより、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が0.14≦I≦0.20を満たす値になる。
以上に説明したように、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタは、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が0.14≦I≦0.20を満たすように作製されている。
また、以上では、集電体と活物質層との接着強度を高めるため、アンカー層を用いたが、アンカー層を配置しなくても1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が0.14≦I≦0.20を満たしていれば、同じ効果を有するリチウムイオンキャパシタを作製できる。
アンカー層が無い場合、正極空孔量(D)は、正極活物質層空孔量(D2)と等しくなる。また、負極空孔量(E)は、正極活物質層空孔量(E2)と等しくなる。すなわち、アンカー層が無い場合、正極空孔量(D)=正極活物質層空孔量(D2)、及び負極空孔量(E)=正極活物質層空孔量(E2)を用いて、1対向単位面積あたりのリチウム塩量(I)が求められる。
(実施例)
以下、以上で説明した手順を用いて作製したリチウムイオンキャパシタ1の実施例及び比較例との比較結果について説明する。
充放電サイクル試験の条件として、リチウムイオンキャパシタ1の電圧を2.6Vに調整し、正極面積あたりの充電量及び放電量を750J/m(具体的には、250kW/mで3秒間の充電及び放電を実行)、デューティを0.3とした。そして、槽内温度25℃の恒温槽内で、充電及び放電を繰り返す充放電サイクル試験を行った。
(抵抗上昇率[10−6/cy])
充放電サイクル試験中、50サイクル毎にJapan Electronics and Information Technology Industries Association(JEITA)規格(RC−2462 電気電子機器用リチウムイオンキャパシタの電気的特性の試験方法)に基づいて、リチウムイオンキャパシタ1の内部抵抗を測定した。サイクル開始前の抵抗値を基準とし、サイクル数に対して抵抗変化率の直線近似を行い、1サイクルあたりの変化率を抵抗上昇率[10−6/cy]とした。
(時定数[sec])
JEITA規格(RC−2462 電気電子機器用リチウムイオンキャパシタの電気的特性の試験方法)に基づいて、リチウムイオンキャパシタ1の静電容量[F]及び内部抵抗[Ω]を測定し、静電容量と内部抵抗の積を時定数[sec]とした。
(加圧力[Pa])
リチウムイオンキャパシタ1を加圧する際、加圧冶具による加重[N]を、加圧冶具と接触している部分の面積、つまり比加圧部分の面積[m]で除した値を加圧力[Pa]とした。
上述したように、加圧後のリチウム塩量(I)の値である計算値A×B×(1−C)が、0.14mol/m以上であれば、高負荷での充放電サイクルにおいて、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率を4.0×10−6/cy以下に抑える事ができる。そこで、計算値A×B×(1−C)を、0.14mol/m以上にすることが好ましい。
また、計算値A×B×(1−C)が、0.20mol/m以下であれば、リチウムイオンキャパシタ1の時定数を2.6sec以下に抑える事ができる。そこで、計算値A×B×(1−C)を、0.20mol/m以下にすることが好ましい。
各実施例及び比較例において、計算値A×B×(1−C)、抵抗上昇率及び時定数を求めた結果を表1に示す。
Figure 2015191943
(実施例1)
電解液として、LiPF6が1.2mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が4:1である混合溶媒を用い、加圧力を10kPaとした。セパレータ30として、密度が0.40g/cm、厚みが60μmのセルロース系のセパレータを用いた。リチウムイオンキャパシタ1の作製に用いた正極電極体10、負極電極体20及びセパレータ30の空孔量は表1に示す通りとした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.154mol/mである。また、抵抗上昇率は、2.2×10−6/cyである。また、時定数は2.0secである。
このように、実施例1の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。そして、実施例1では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例1のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(実施例2)
実施例2では、加圧力を30kPaとした以外は、実施例1と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.150mol/mである。また、抵抗上昇率は、2.5×10−6/cyである。また、時定数は2.0secである。
このように、加圧力を増加させても、実施例2の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。そして、実施例2では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例2のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(実施例3)
実施例3では、加圧力を50kPaとした以外は、実施例1と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.146mol/mである。また、抵抗上昇率は、2.3×10−6/cyである。また、時定数は2.0secである。
このように、実施例2よりもさらに加圧力を上げても、実施例3の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。そして、実施例3では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例3のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(比較例1)
比較例1では、加圧力を100kPaとした以外は、実施例1と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.135mol/mである。また、抵抗上昇率は、4.9×10−6/cyである。また、時定数は2.0secである。
このように、比較例1の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m未満になってしまっている。これは、実施例1と比較して加圧力が高すぎるためである。そして、比較例1では、時定数は2.6sec以下に抑えられているが、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率が4.0×10−6/cyを超えてしまっている。このように、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m未満となる場合、長期間充放電サイクルを実施すると、リチウムイオンキャパシタ1の性能が大幅に低下することが分かる。
(実施例4)
実施例4では、負極アンカー層22を設けていないこと以外は、実施例2と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.140mol/mである。また、抵抗上昇率は、3.4×10−6/cyである。また、時定数は2.0secである。
このように、負極アンカー層22を設けなくても、実施例4の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。そして、実施例4では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例4のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(実施例5)
実施例5では、電解液としてLiPFが1.5mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた。また、セパレータ30の密度を0.45g/cmとし、セパレータ30の厚みを35μmとした。それ以外は、実施例2と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.149mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.7×10−6/cyである。また、時定数は1.7secである。
このように、セパレータが有する空孔量を下げても、リチウム塩濃度を上げることにより、実施例5の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。そして、実施例5では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例5のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(実施例6)
実施例6では、電解液としてLiPFが1.7mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、実施例5と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.169mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.8×10−6/cyである。また、時定数は1.8secである。
このように、電解液のリチウム塩濃度を実施例5よりさらに上げても、実施例6の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。そして、実施例6では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例6のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(比較例2)
比較例2では、電解液としてLiPFが1.2mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、実施例5と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.119mol/mである。また、抵抗上昇率は、10.7×10−6/cyである。また、時定数は1.6secである。
このように、比較例2の計算値A×B×(1−C)は、0.14〔mol/m〕未満になってしまっている。これは、実施例5と比較して電解液のリチウム塩濃度が低すぎるためである。そして、比較例2では、時定数は2.6sec以下に抑えられているが、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率が4.0×10−6/cyを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が低く、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m未満となる場合、長期間充放電サイクルを実施すると、リチウムイオンキャパシタ1の性能が大幅に低下することが分かる。
(比較例3)
比較例3では、負極アンカー層22を設けた以外は、比較例2と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.130mol/mである。また、抵抗上昇率は、7.9×10−6/cyである。また、時定数は1.6secである。
このように、比較例3の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m未満になってしまっている。これは、実施例5と比較して電解液のリチウム塩濃度が低すぎるためである。そして、比較例3では、時定数は2.6sec以下に抑えられているが、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率が4.0×10−6/cyを超えてしまっている。このように、負極アンカー層を設けて空孔量を多くしても、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m未満となる場合、長期間充放電サイクルを実施すると、リチウムイオンキャパシタ1の性能が大幅に低下することが分かる。
(実施例7)
実施例7では、正極活物質として、メソ孔量(V1)が0.16cc/gであり、マイクロ孔量(V2)が1.01cc/gである活性炭を用いた。また、電解液としてLiPFが1.5mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた。また、セパレータ30として、密度が0.40g/cmであり厚みが60μmのセパレータを用いた。それ以外は、実施例2と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.168mol/mである。また、抵抗上昇率は、2.7×10−6/cyである。また、時定数は2.2secである。
このように、実施例7のように正極活物質を変更しても、電解液のリチウム塩濃度を上げ、さらに、厚みを増やすことで、計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。これにより、実施例7では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例7のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(比較例4)
比較例4では、電解液としてLiPFが1.2mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、実施例7と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.134mol/mである。また、抵抗上昇率は、8.7×10−6/cyである。また、時定数は2.0secである。
このように、比較例4の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m未満になってしまっている。これは、実施例7と比較して電解液のリチウム塩濃度が低すぎるためである。そして、比較例4では、時定数は2.6sec以下に抑えられているが、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率が4.0×10−6/cyを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が低く、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m未満となる場合、長期間充放電サイクルを実施すると、リチウムイオンキャパシタ1の性能が大幅に低下することが分かる。
(比較例5)
比較例5では、正極活物質層13にメソ孔量(V1)が0.19cc/gであり、マイクロ孔量(V2)が0.95cc/gである活性炭を用いた以外は、比較例4と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.132mol/mである。また、抵抗上昇率は、8.8×10−6/cyである。また、時定数は2.3secである。
このように、比較例5の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m未満になってしまっている。これは、空孔量が少ないためである。そして、比較例5では、時定数は2.6sec以下に抑えられているが、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率が4.0×10−6/cyを超えてしまっている。このように、空孔量が少ないため、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m未満となる場合、長期間充放電サイクルを実施すると、リチウムイオンキャパシタ1の性能が大幅に低下することが分かる。
(比較例6)
比較例6では、正極活物質層13にメソ孔量(V1)が0.12cc/gであり、マイクロ孔量(V2)が1.01cc/gである活性炭を用いた以外は、比較例4と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.133〔mol/m〕である。また、抵抗上昇率は、10.6×10−6/cyである。また、時定数は2.2secである。
このように、比較例6の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m未満になってしまっている。これは、空孔量が少ないためである。そして、比較例6では、時定数は2.6sec以下に抑えられているが、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率が4.0×10−6/cyを超えてしまっている。このように、空孔量が少ないため、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m未満となる場合、長期間充放電サイクルを実施すると、リチウムイオンキャパシタ1の性能が大幅に低下することが分かる。
(実施例8)
実施例8では、電解液としてLiPFが1.5mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.193mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.8×10−6/cyである。また、時定数は2.3secである。
電解液のリチウム塩濃度を上げても、実施例8では、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。これにより、実施例8では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例8のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(実施例9)
実施例9では、加圧力を30kPaとした以外は、実施例8と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.187mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.9×10−6/cyである。また、時定数は2.3secである。
電解液の加圧力を上げても、実施例9では、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。これにより、実施例9では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例7のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(実施例10)
実施例10では、電解液としてLiPFが1.5mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用い、加圧力を0kPaとした以外は、実施例1と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.143mol/mである。また、抵抗上昇率は、2.5×10−6/cyである。また、時定数は2.1secである。
電解液のリチウム塩濃度を上げ、且つ加圧力を弱めても、実施例10では、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。これにより、実施例10では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例7のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(実施例11)
実施例11では、電解液としてLiPFが1.3mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、実施例10と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.169mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.6×10−6/cyである。また、時定数は2.1secである。
電解液のリチウム塩濃度を実施例10よりさらに上げているが、実施例11では、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。これにより、実施例11では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例7のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(実施例12)
実施例12では、電解液としてLiPFの1.5mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、実施例10と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.195mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.2×10−6/cyである。また、時定数は2.3secである。
電解液のリチウム塩濃度を実施例11よりさらに上げているが、実施例12では、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m以上、且つ0.20mol/m以下に収まっている。これにより、実施例12では、時定数が2.6sec以下に抑えられ、且つ、長期間充放電サイクルを実施しても抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以下に抑えられている。すなわち、実施例7のリチウムイオンキャパシタ1は、使用前の良好な性能を長期間充放電サイクル後にも維持できているといえる。
(比較例7)
比較例7では、電解液としてLiPFが1.0mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、実施例10と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.130mol/mである。また、抵抗上昇率は、6.2×10−6/cyである。また、時定数は2.2secである。
このように、比較例7の計算値A×B×(1−C)は、0.14mol/m未満になってしまっている。これは、実施例10と比較して、電解液のリチウム塩濃度を低くしすぎたためである。そして、比較例7では、時定数は2.6sec以下に抑えられているが、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率が4.0×10−6/cyを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が低いため、計算値A×B×(1−C)が0.14mol/m未満となる場合、長期間充放電サイクルを実施すると、リチウムイオンキャパシタ1の性能が大幅に低下することが分かる。
(比較例8)
比較例8では、電解液としてLiPFが1.7mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、実施例10と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.221mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.4×10−6/cyである。また、時定数は2.8secである。
このように、比較例7の計算値A×B×(1−C)は、0.20mol/mを超えてしまっている。これは、実施例10と比較して電解液のリチウム塩濃度を高くしすぎたためである。そして、比較例8では、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率は4.0×10−6/cy以下に抑えられているが、時定数は2.6secを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が高いため、計算値A×B×(1−C)が0.20mol/mより大きくなる場合、使用前の状態でリチウムイオンキャパシタ1の性能が悪いことが分かる。
(比較例9)
比較例9では、加圧力を30kPaとした以外は、比較例8と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.212mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.6×10−6/cyである。また、時定数は2.8secである。
このように、比較例9の計算値A×B×(1−C)は、0.20mol/mより大きくなってしまっている。これは、実施例10と比較して電解液のリチウム塩濃度が高すぎるため、加圧力を高くしてもリチウム塩の量が減らないからである。そして、比較例9では、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率は4.0×10−6/cy以下に抑えられているが、時定数は2.6secを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が高いため、計算値A×B×(1−C)が0.20mol/mより大きくなる場合、使用前の状態でリチウムイオンキャパシタ1の性能が悪いことが分かる。
(比較例10)
比較例10では、電解液としてLiPFが2.0mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、比較例8と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.260mol/mである。また、抵抗上昇率は、1.8×10−6/cyである。また、時定数は3.3secである。
このように、比較例10の計算値A×B×(1−C)は、0.20mol/mより大きくなってしまっている。これは、実施例10と比較して電解液のリチウム塩濃度を高くしすぎたためである。そして、比較例10では、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率は4.0×10−6/cy以下に抑えられているが、時定数は2.6secを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が高いため、計算値A×B×(1−C)が0.20mol/mより大きくなる場合、使用前の状態でリチウムイオンキャパシタ1の性能が悪いことが分かる。
(比較例11)
比較例11では、加圧力を30kPaとした以外は、比較例10と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.250mol/mである。また、抵抗上昇率は、2.1×10−6/cyである。また、時定数は3.3secである。
このように、比較例11の計算値A×B×(1−C)は、0.20mol/mより大きくなってしまっている。実施例10と比較して電解液のリチウム塩濃度が高すぎるため、加圧力を高くしてもリチウム塩の量が低くならないからである。そして、比較例11では、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率は4.0×10−6/cy以下に抑えられているが、時定数は2.6secを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が高いため、計算値A×B×(1−C)が0.20mol/mより大きくなる場合、使用前の状態でリチウムイオンキャパシタ1の性能が悪いことが分かる。
(比較例12)
比較例12では、電解液としてLiPFが2.0mol/Lのエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比が2:1である混合溶媒を用いた以外は、比較例6と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.212mol/mである。また、抵抗上昇率は、2.0×10−6/cyである。また、時定数は3.5secである。
このように、比較例12の計算値A×B×(1−C)は、0.20mol/mより大きくなってしまっている。これは、電解液のリチウム塩濃度が高すぎるためである。そして、比較例12では、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率は4.0×10−6/cy以下に抑えられているが、時定数は2.6secを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が高いため、計算値A×B×(1−C)が0.20mol/mより大きくなる場合、使用前の状態でリチウムイオンキャパシタ1の性能が悪いことが分かる。
(比較例13)
比較例13では、加圧力を30kPaとした以外は、比較例12と同様の条件とした。この場合、計算値A×B×(1−C)は、0.203mol/mである。また、抵抗上昇率は、2.2×10−6/cyである。また、時定数は3.5secである。
このように、比較例13の計算値A×B×(1−C)は、0.20mol/mより大きくなってしまっている。これは、電解液のリチウム塩濃度が高すぎるため、加圧力を上げてもリチウム塩量が低くならないからである。そして、比較例13では、長期間充放電サイクルを実施した場合、抵抗上昇率は4.0×10−6/cy以下に抑えられているが、時定数は2.6secを超えてしまっている。このように、電解液のリチウム塩濃度が高いため、計算値A×B×(1−C)が0.20mol/mより大きくなる場合、使用前の状態でリチウムイオンキャパシタ1の性能が悪いことが分かる。
図7は、計算値A×B×(1−C)と抵抗上昇率及び時定数との関係を表した図である。具体的には、図7は、表1の各実施例及び比較例における計算値A×B×(1−C)と抵抗上昇率及び時定数との関係をプロットしたものである。図7の縦軸は、左側が抵抗上昇率を表し、右側が時定数を表している。また、図7の横軸は、計算値A×B×(1−C)の値を表している。そして、図7における菱形の点が、計算値A×B×(1−C)と抵抗上昇率との関係を表し、三角の点が、計算値A×B×(1−C)と時定数との関係を表している。
図7に示すように、計算値A×B×(1−C)が0.14未満の領域では、充放電サイクル試験中における抵抗上昇率が4.0×10−6/cy以上となってしまう。すなわち、計算値A×B×(1−C)が0.14未満の場合、長期間充放電サイクルを実施すると、リチウムイオンキャパシタ1の性能が大幅に低下することが分かる。
また、計算値A×B×(1−C)が0.20より大きい領域では、充放電サイクル試験中における抵抗上昇率を4.0×10−6/cy以下に抑えることができるが、セルの時定数が2.6以上となってしまう。すなわち、計算値A×B×(1−C)が0.20より大きい場合、使用前の状態からリチウムイオンキャパシタ1の性能が悪いことが分かる。
以上に説明したように、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタは、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタは、正極電極体、負極電極体及びセパレータの1対向辺りのリチウム塩量、すなわち計算値A×B×(1−C)が0.14≦I≦0.20を満たす。これにより、時定数を低く抑える事ができ、性能のよいリチウムイオンキャパシタとすることができている。また、長期間使用しても抵抗上昇を抑える事ができ、リチウムイオンキャパシタの性能劣化を低減することが可能となっている。
1 リチウムイオンキャパシタ
10 正極電極体
11 正極集電体
12 正極アンカー層
13 正極活物質層
20 負極電極体
21 負極集電体
22 負極アンカー層
23 負極活物質層
30 セパレータ
40 外装体
100 蓄電モジュール
101 エンドプレート

Claims (6)

  1. それぞれの面が対向するように積層された正極、負極及びセパレータ、並びに、リチウム塩を含む電解液が、外装体内に密閉されたリチウムイオンキャパシタであって、
    前記正極、前記負極及び前記セパレータの互いに向かい合った面と平行な面における単位面積である1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量が、0.14mol/m以上である
    ことを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
  2. 前記正極、前記負極及び前記セパレータの1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量が0.20mol/m以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  3. 前記正極、前記負極及び前記セパレータは前記積層方向に所定の圧力で加圧されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  4. 前記正極、前記負極及び前記セパレータの1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量は、前記正極、前記負極及び前記セパレータの1対向単位面積あたりに存在する空孔の容量を合計した空孔容量合計値と、前記電解液中の前記リチウム塩濃度とを乗算した乗算結果に、加圧された場合の前記正極、前記負極及び前記セパレータが有する空孔量の加圧方向の変化した割合を表す空孔量変化率を1から減算した値であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  5. それぞれの面が対向するように積層された正極、負極及びセパレータ、並びに、リチウム塩を含む電解液が、外装体内に密閉されたリチウムイオンキャパシタと、
    前記正極、前記負極及び前記セパレータは前記積層方向に所定の圧力で加圧する加圧部材とを備え、
    前記リチウムイオンキャパシタは、前記加圧部材により加圧された状態での、前記正極、前記負極及び前記セパレータの1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量が、0.14mol/m以上である
    ことを特徴とする蓄電モジュール。
  6. 容量を基に決定した材料及び大きさを有する、正極、負極及びセパレータを積層し、
    積層された前記正極、前記負極及び前記セパレータに対して積層方向に加える圧力を決定し、
    加圧された状態での、前記正極、前記負極及び前記セパレータの1対向単位面積あたりに存在するリチウム塩量が、0.14mol/m以上となるように前記リチウム塩濃度を決定し、
    前記外装体内に積層された前記正極、前記負極及び前記セパレータを配置し、
    決定したリチウム塩濃度の電解液を注入し、
    前記外装体を密閉し、
    前記決定した圧力を前記密閉した前記外装体に加える
    ことを特徴とするリチウムイオンキャパシタ製造方法。
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