以下に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図2には、本実施の形態に適用した車両用空調システム(以下、エアコンシステム10とする)の概略構成を示している。このエアコンシステム10は、前席側を空調する空調装置(以下、フロントエアコン12とする)及び、後席側を空調する空調装置(以下、リアエアコン14とする)を備えている。
このエアコンシステム10は、コンプレッサ16、コンデンサ18、エキスパンションバルブ20及び、エバポレータ22によって冷媒を循環する冷凍サイクルが形成されている。また、エアコンシステム10では、エキスパンションバルブ20及びエバポレータ22として、フロントエアコン12に用いられるエキスパンションバルブ20Aとエバポレータ22Aと、リアエアコン14に用いられるエキスパンションバルブ20B及びエバポレータ22Bが設けられている。
また、フロントエアコン12は、エバポレータ22Aが配設されるフロントエアコンユニット(以下、Fエアコンユニット24とする)を備え、リアエアコン14は、エバポレータ22Bが配設されるリアエアコンユニット(以下、Rエアコンユニット26とする)を備えている。
図3に示されるように、エアコンシステム10が設けられる車両28は、一例として、車室30内がパーテンション32によって仕切られ、前席側と後席側とが、空気の流れが生じない独立した空間となっている。なお、以下では、前席側と後席側の空間を区別するときには、前室30Aと後室30Bとする。また、本実施の形態では、一例として車室30内をパーテーション32によって仕切った車両28を例に説明するが、エアコンシステム10は、これに限らず、車室がパーテーションによって仕切られていない車両であっても良く、ワンボックスタイプなどのように、車室が車両の前後方向に沿って長い車両など、任意の構成の車両に適用することができる。また、図3では、矢印Frで車両前後方向の前方側を示している。
フロントエアコン12のFエアコンユニット24は、例えば、車室30の前部のインストルメント(図示省略)に配置され、リアエアコン14のRエアコンユニット26は、車両28の後部のトランクルーム内などの後席の後方に配置されている。
図2に示されるように、Fエアコンユニット24には、空気導入口34及び吹出し口36が設けられている。空気導入口34は、車室30(前室30A側)内に開口された内気導入口34Aと、例えば、カウルトップなどに開口された外気導入口34Bが形成され、内気導入口34A及び外気導入口34Bを開閉する切換ドア38が配設されている。また、Fエアコンユニット24には、ブロワファン40が設けられている。
フロントエアコン12では、空気の導入モードとして外気導入する外気導入モードと、車室(前室30A)内の空気(内気)を導入する内気循環モードの選択が可能となっており、選択された導入モードに応じて切換ドア38が作動され、ブロワファン40がブロワモータ42によって回転駆動されることにより、切換ドア38によって開放された空気導入口34から内気ないし外気が導入される。
また、Fエアコンユニット24には、空気吹出し口36として車両28のフロントウインドガラス28A(図3参照)へ向けて開口されたデフロスタ吹出し口36A、前席に着座した乗員へ向けて開口されたレジスタ吹出し口36B及び、前席の乗員の足元に向けて開口された足元吹出し口36Cが形成され、モード切換ドア44によって、デフロスタ吹出し口36A、レジスタ吹出し口36Bないし足元吹出し口36Cが選択的に開口され、開口された空気吹出し口36から前室30A(車室30)に空調風が吹き出される。
また、Fエアコンユニット24内には、ヒータコア46及びエアミックスドア48が設けられている。ヒータコア46には、図示しないエンジンとの間でエンジン冷却液が循環されるようになっており、ヒータコア46を通過する空気がエンジン冷却液によって加熱される。
また、エアミックスドア48は、ヒータコア46を通過する空気とヒータコア46をバイパスする空気を分割するようになっており、Fエアコンユニット24では、エアミックスドア48の開度によってヒータコア46を通過した空気量とヒータコア46をバイパスする空気量を制御し、これらの空気が混合されることにより所望の温度の空調風が生成される。
一方、Rエアコンユニット26には、空気導入口50及び空気吹出し口52が形成され、ブロワファン54、ヒータコア56及びエアミックスドア58が配設されている。
Rエアコンユニット26では、空気導入口50として、後室30B(車室30)内に開口された内気導入口50Aと、車外に連通された外気導入口50Bとを備え、内気導入口50A及び外気導入口50Bが、開閉手段として設けられている切換ドア60によって開閉される。これにより、Rエアコンユニット26では、ブロワモータ62が作動して、ブロワファン54が回転駆動されることにより内気ないし外気が導入される。
また、リアエアコン14では、空気吹出し口52として、ルーフサイドから後席(後室30B)の乗員へ向けて空調風を吹き出すルーフサイドレジスタ吹出し口(以下、サイドレジスタ吹出し口52Aとする、図3参照)及び、後席の乗員の足元へ向けて空調風を吹き出す足元吹出し口52Bが設けられており、サイドレジスタ吹出し口52A及び足元吹出し口52Bがモード切換ドア64によって開閉される。
リアエアコン14では、図示しないエンジンとヒータコア56との間で循環されるエンジン冷却液によって、ヒータコア56を通過する空気が加熱される。また、リアエアコン14では、エアミックスドア58によってヒータコア56を通過する空気量とヒータコア56をバイパスされる空気量を制御され、これらの空気が混合されることにより、所望の温度の空調風が生成される。また、吹出しモードに応じてモード切換ドア64が、サイドレジスタ吹出し口52Aないし足元吹出し口52Bが開放されて、空調風が吹き出される。
なお、リアエアコン14は、車両28のリアウインドガラス28B(図3参照)へ向けて空調風を吹出し可能であっても良く、このときには、リアウインドガラスへ向けて開口されたリアデフロスタ吹出し口を設け、このリアデフロスタ吹出し口をモード切換ドア64によって開閉すればよい。
なお、フロントエアコン12及びリアエアコン12は、加熱手段としてヒータコア46、56を設けているが、これに加えてPCTヒータなどの電気ヒータを備えたものであってもよい。また、電気自動車などにおいては、ヒータコアではなく、電気ヒータなどを加熱手段として設けたものであっても良い。
図4に示されるように、エアコンシステム10には、エアコンシステム10及びフロントエアコン12の作動を制御するフロントエアコンECU66と、リアエアコン14の作動を制御するリアエアコンECU68を備え、フロントエアコンECU66とリアエアコンECU68が接続されている。なお、以下では、フロントエアコンECU66とリアエアコンECU68を設けて説明するが、一つのエアコンECUによってフロントエアコン12とリアエアコン14の動作を制御するなどの任意の構成を適用できる。
エアコンシステム10では、図示しないエンジンの駆動力によってコンプレッサ16が回転駆動されるようになっており、フロントエアコンECU66には、コンプレッサ16へのエンジン駆動力を断続する電磁クラッチ70が接続されている。フロントエアコンECU66では、電磁クラッチ70のオン/オフによってコンプレッサ16の駆動/停止を制御する。
また、フロントエアコンECU66には、コンプレッサ16から吐出される冷媒量を制御する流量制御弁72(図2では図示省略)が接続されており、フロントエアコンECU66は、流量制御弁72の開度を制御することにより、冷房能力の制御を行う。なお、コンプレッサ16は、電動モータ(コンプレッサモータ)で回転駆動されるものであっても良く、このときには、電磁クラッチ70及び流量制御弁72を省略することができる。
フロントエアコンECU66には、ブロワファン40を駆動するブロワモータ42、切換ドア38を駆動するアクチュエータ74A、モード切換ドア44を駆動するアクチュエータ74B、エアミックスドア48を駆動するアクチュエータ74Cが接続されている。
フロントエアコンECU66では、例えば、ブロワモータ42を駆動する駆動電圧によってブロワファン40の回転数を制御して、所定のブロワ風量が得られるようにしている。また、フロントエアコンECU66は、導入モードに応じてアクチュエータ74Aを駆動し、吹出しモードに応じてアクチュエータ74Bを駆動すると共に、アクチュエータ74Cの駆動によってエアミックスドア48の開度制御を行う。
リアエアコンECU68には、ブロワファン54を駆動するブロワモータ62、切換ドア60を作動するアクチュエータ76A、モード切換ドア64を作動するアクチュエータ76B及びエアミックスドア58を作動するアクチュエータ76Cが接続されている。
リアエアコンECU68は、ブロワモータ62の駆動電圧によってブロワファン54の回転数を制御し、所望のブロワ風量が得られようにすると共に、導入モードに応じたアクチュエータ76Aの駆動、吹出しモードに応じたアクチュエータ76Bの駆動及び、アクチュエータ76Cの駆動によるエアミックスドア58の開度制御を行う。
一方、フロントエアコン12は、フロントエアコン12の運転/停止、設定温度などの運転条件等の入力操作が行われる操作パネル78を備えている。この操作パネル78は、例えば、車室30の前部のインストルメントパネルに設けられ、前席に着座した乗員が操作可能となっている。
また、リアエアコン14は、リアエアコン14の運転/停止、設定温度などの運転条件等の入力操作が行われる操作パネル80を備えている。この操作パネル80は、例えば、後席のアームレストなどに設けられて、後席に着座した乗員が操作可能となっている。
また、フロントエアコンECU66には、操作パネル78、前室30Aの室温を検出する室温センサ82、外気温を検出する外気温センサ84、日射量を検出する日射センサ86、エンジン冷却液の液温を検出する液温センサ88及び、エバポレータ22Aを通過した空気の温度を検出するエバポレータ後温度センサ90が接続され、リアエアコンECU68には、後室30Bの室温を検出する室温センサ92及び、エバポレータ22Bを通過した空気の温度を検出するエバポレータ後温度センサ94などが接続され、フロントエアコンECU66及びリアエアコンECU68のそれぞれで環境条件等の検出が行われるようになっている。
フロントエアコンECU66及びリアエアコンECU68のそれぞれでは、運転条件が設定されると、運転条件と各種のセンサによって検出する環境条件に基づいて、車室30内(前室30A、後室30B)を設定温度とするための目標吹出し温度を設定し、設定した目標吹出し温度と運転条件に基づいた空調運転を行う。
なお、リアエアコンECU68では、フロントエアコンECU66が検出する外気温、日射量、エンジン冷却液の液温等を、フロントエアコンECU66から取得し、空調運転の制御は、フロントエアコンECU66、リアエアコンECU68のそれぞれで行われる。また、このときの運転制御は、公知の一般的構成を適用でき、ここでは詳細な説明を省略する。
ところで、図2及び図3に示されるように、Rエアコンユニット26には、送風ダクト100が設けられている。図3に示されるように、この送風ダクト100は、車両前後方向に沿って延設されており、一端が、車両28の前部のカウルトップ(図示省略)に開口されている。また、図2に示されるように、送風ダクト100の他端は、Rエアコンユニット26の外気導入口50Bに連結されている。
これにより、リアエアコン14では、車両前方側の新鮮な空気(外気)をカウルトップ近傍から導入可能となっていると共に、車両28の側面に外気導入用の開口を設けないため、車両28の外観品質の低下が生じることがない。
また、図2及び図3に示されるように、送風ダクト100には、送風手段を形成する送風ファン102が設けられている。図2に示されるように、この送風ファン102は、ファンモータ104によって回転駆動されるようになっており、回転駆動されることにより送風ダクト100内に外気が導入されると共に、導入された外気が、Rエアコンユニット26の外気導入口50Bへ向けて送風ダクト100内を送られる。
これにより、車両の前後方向に沿って延設された送風ダクト100を介して、外気を導入するときに、ブロワファン54の吸気抵抗が大きくなり、ブロワファン54(ブロワモータ62)に負荷がかかったり、外気の導入量が不足してしまうのを防止している。なお、送風ダクト100に設ける送風ファン102としては、遠心式ファン、軸流式ファン又は貫流式ファンなどの何れであっても良く、また、送風ファン102の配置位置は、外気の導入効率、スペースなどを考慮した任意の位置とすることができる。
図4に示されるように、リアエアコンECU68には、送風ファン102を駆動するファンモータ104が接続されており、リアエアコンECU68によってファンモータ104の駆動が制御される。
一方、図2に示されるように、Rエアコンユニット26には、切換ドア60としてロータリドアを用いている。すなわち、切換ドア60は、円弧状のシャッタ部106と、このシャッタ部106の軸方向の両側に扇形状の側板部108が形成されて、側板部108のシャッタ部106と反対側の端部が回転軸110となっている。
この切換ドア60は、回転軸110を中心に回動されることにより、シャッタ部106が周方向に沿って、外気導入口50Bを全閉状態として内気導入口50Aを全開状態とする位置と、外気導入口50Bを全開状態として内気導入口50Aを全閉状態とする位置との間で移動される。
これにより、リアエアコン14では、外気又は内気のみでなく、外気/内気を混合しながら導入可能となっている。すなわち、内気循環モード、外気導入モード及び内外気導入モードの選択が可能となっている。
図4に示されるリアエアコンECU68では、内気循環モードが選択されると、アクチュエータ76Aを駆動して内気導入口50Aを開放すると共に、ファンモータ104を停止する。また、リアエアコンECU68は、外気導入モードが選択されると、アクチュエータ76Aを駆動して、外気導入口50Bを開くと共に、ファンモータ104を駆動して、外気導入口50Bへ外気を送りこむ。
一方、Rエアコンユニット26では、アクチュエータ76Aが駆動されることにより、外気導入口50Bの開度αが全閉状態(開度α=0(%))から全開状態(開度α=100(%))の間で変化する。また、外気導入口50Bの開口が狭い状態で、ファンモータ104が作動して、外気導入口50Bに外気が送り込まれると、笛吹き音が生じることがある。
ここから、リアエアコン14では、外気導入口50Bの開度αに対する送風ファン102の送風量(以下、風量Vaとする)が設定され、リアエアコンECU68に記憶されている。
図1に示されるように、リアエアコンECU68では、例えば、ファンモータ104の駆動電圧によって送風ファン102の回転数を制御し、回転数に応じた風量Vaが得られるようにしている。このとき、リアエアコンECU68では、最少風量Vminと最大風量Vmaxの間で風量Vaの制御を行う。
リアエアコンECU68には、図1に示される外気導入口50Bの開度αに対する風量Vaの上限値が設定されており、リアエアコンECU68では、これに基づいて、ファンモータ104の回転数及びアクチュエータ76Aの駆動を制御するようにしている。
すなわち、リアエアコンECU68では、アクチュエータ76Aとサーボモータを用い、切換ドア60の移動による外気導入口50Bの開度αの判定が可能となるようにし、内気導入モードから外気導入モードに切換えるときには、アクチュエータ76Aを作動させ、このときの切換ドア60の回動による外気導入口50Bの開度αに応じて、ファンモータ104の駆動を制御する。
また、リアエアコンECU68では、外気導入モードから内気循環モードに切換えるときには、ファンモータ104をオフすると共に、これによる風量Vaの変化(減少)に合わせて、アクチュエータ76Aを作動するようにしている。
なお、リアエアコンユニット26では、外気導入口50Bが全閉(開度α=0)となることにより、内気導入口50Aが全開状態となり、外気導入口50Bが全開状態(開度α=100)となったときには、内気導入口50Aが全閉状態となる。また、アクチュエータ76Aとしては、サーボモータに限らず、外気導入口50Bの開度α又は、切換ドア60の回動量が検出可能であれば任意の駆動手段を適用することができる。
Rエアコンユニット26では、送風ファン102の風量Vaが風量Vminである時に、外気導入口50Bが開度α1以上(α≧α1)であると、笛吹き音が生じなくなり、また、外気導入口50Bが開度α2以上(α≧α2)では、風量Vmaxであっても笛吹き音が生じなくなる。
ここから、リアエアコンECU68では、外気導入口50Bが開度α1に達していないとき(0≦α<α1)には、ファンモータ104を停止状態とし、外気導入口50Bが開度α2以上(α2≦α≦100)であれば、最大風量Vmaxが得られるようにファンモータ104を駆動し、外気導入口50Bが開度α1から開度α2の間(α1≦α≦α2)では、開度に応じた風量Vaが得られるようにファンモータ104を駆動する。
また、リアエアコンECU68では、切換ドア60によって外気導入口50Bを狭めるときには、開度αが風量Vaに応じた開度より小さくならないようにアクチュエータ76Aの作動を制御するようにしている。
このように構成されているエアコンシステム10では、車両28の前室30A(前席側)をフロントエアコン12によって空調し、後室30B(後席側)をリアエアコン14によって空調される。
このフロントエアコン12及びリアエアコン14のそれぞれでは、設定温度などの運転条件が設定されると、運転条件と環境条件に基づいて空調する空間(前室30A又は後室30B)を設定温度とするための目標吹出し温度を設定し、設定した目標吹出し温度ないし運転条件に基づいて、吹出し口、ブロワ風量を設定し、これらの設定に基づいた空調風を吹き出す。
また、フロントエアコン12では、操作パネル78のスイッチ操作によって空気の導入モードの切換えがなされ、リアエアコン14では、操作パネル80のスイッチ操作によって空気の導入モードの切換がなされる。
これにより、エアコンシステム10では、パーテーション32によって仕切られて独立された前室30A、後室30Bのそれぞれを、空間ごとに所望の運転条件で、所望の空調状態とすることができる。
ところで、切換ドア38、60、モード切換ドア44、64によって空気導入口34、50、空気吹出し36、52を開閉するときに、開口が狭まった状態で多量の空気が通過すると、笛吹き音が生じる。特に、リアエアコン14では、送風ダクト100を設けると共に送風ファン102を設けて、車両前方側の空気を、強制的にRエアコンユニット26に送り込むようにしており、このために、外気導入口50Bの開口に比べて、外気導入口50Bを通過する風量Vaが多くなると、笛吹き音が生じ易い。
エアコンシステム10では、開口の開度に基づいた風量の制御、風量に基づいた開口の制御を行うことにより、笛吹き音の発生を抑えるようにしている。
ここで、リアエアコン14の送風ファン102と外気導入口50Bを例に、笛吹き音を抑える風量制御及び開度制御を説明する。
図5には、空気の導入モードとして外気導入モードと内気循環モードが設定されているときの導入モードの切換に応じた切換ドア60と送風ファン102(ファンモータ104)の制御の概略を示している。
なお、このフローチャートは、リアエアコン14の運転開始(オン)が指示されることにより実行され、図示しないイグニッションスイッチのオフ、リアエアコン14のオフ(空調停止)によって終了する。また、リアエアコン14では、後室30B側に設けている操作パネル80のスイッチ操作によって導入モードの切換えが可能となっている。
このフローチャートでは、最初のステップ200で操作パネル80が操作されて導入モードの切換えが入力されたか否かを確認し、内気循環モードから外気導入モードへの変更、外気導入モードから内気循環モードへの変更などの導入モードの切換えが入力されると、ステップ200で肯定判定してステップ202へ移行する。
このステップ202では、内気循環から外気導入への切換えか否かを確認する。すなわち、内気循環モードから外気導入モードへの切換えか、外気導入モードから内気循環モードへの切換えか、を確認する。
ここで、現状が内気循環モードとなっているときに、外気導入モードへ切換えるときには、ステップ202で肯定判定してステップ204へ移行する。これにより、アクチュエータ76Aが駆動されて、切換ドア60が外気導入口50を開く方向へ移動(回動)される。
次の、ステップ206では、外気導入口50Bの開度αが開度α1に達したか否かを確認し、切換ドア60の移動によって外気導入口50の開度αが設定開度α1に達する(α≧α1)と、ステップ206で肯定判定されてステップ208へ移行し、風量Vaが最少風量Vminとなるようにファンモータ104の駆動を開始する。
この後、ステップ210では、アクチュエータ76Aの駆動によって切換ドア60が開く外気導入口50Bの開度αに合わせて風量Vaが増加するようにファンモータ104を駆動する。
これと共に、ステップ212では、外気導入口50Bが全開となったか否かを確認し、外気導入口50Bが全開状態(開度α=100)となると、ステップ212で肯定判定してステップ214へ移行し、アクチュエータ76Aを停止する。
これにより、外気導入口50Bが開放され、送風ファン102によって吸引された外気が、外気導入口50BからRエアコンユニット26内に送り込まれる。
これに対して、外気導入モードとなっている時に、内気循環モードに切換えられるときには、ステップ202で否定判定してステップ216へ移行する。このステップ216では、送風ファン102(ファンモータ104)を停止する。これにより、送風ファン102が停止するように回転数が低下し、この回転数の低下に合わせて風量Vaが減少する。
つぎのステップ218では、風量Vaが最少風量Vminまで低下したか否かを確認する。送風ファン102が停止されて風量Vaが最少風量Vminまで低下すると(Va≦Vmin)、ステップ218で肯定判定されてステップ220へ移行し、アクチュエータ76Aの駆動を開始する。これにより、外気導入口50Bを閉じる方向へ切換ドア60が移動される。
この後、ステップ222では、外気導入口50Bが切換ドア60よって閉じられたか否かを確認し、外気導入口50Bが閉じられると(開度α=0)、ステップ222で肯定判定されてステップ214へ移行し、アクチュエータ76Aが停止される。
これにより、外気導入口50Bが閉じられると共に、内気導入口50Aが全開状態となり、内気導入口50Aから車室30内の空気がRエアコンユニット26内に導入される。
また、このようにして、切換ドア40の制御と風量Vaの制御を行うことにより送風ファン102が外気導入口50Bに送り込むに外気によって、外気導入口50Bで笛吹き音が発生してしまうのを確実に防止することができる。
なお、ここでは、風量Vaが最少風量Vminとなったとき(ステップ218で肯定判定)にアクチュエータ76Aの作動を開始するようにしているが、風量Vaの減少に応じて開度αが減少されるようにアクチュエータ76Aを作動するようにしてもよい。
一方、リアエアコン14では、切換ドア60としてロータリドアを用いており、これにより、内気循環モード、外気導入モードに加え、内気と外気を導入する内外気導入モードの選択が可能となる。ここで、図6及び図7を参照しながら、内気導入モード〜内外気導入モード〜外気導入モードでの導入モードの切換えが行われるときの切換ドア60及び風量Vaの制御を説明する。
リアエアコンECU68では、導入モードの切換えを行うときに、アクチュエータ76Aとファンモータ104の制御を並行して行うようにしており、図6には、切換ドア60(アクチュエータ76A)の制御を示し、図7には、風量Va(ファンモータ104)の制御の概略を示している。
図6のフローチャートでは、最初のステップ230では、操作パネル80のスイッチ操作によって導入モードの変更が指示されたか否かを確認し、導入モードの変更が指示されると、ステップ230で肯定判定してステップ232へ移行し、新たに選択された導入モードを読込み、ステップ234では、導入モードに応じて外気導入口50Bの開度を設定する(設定開度αs)。
なお、外気導入モードに変更するときには、設定開度αs=100(全開)、内気循環モードに変更するときには、設定開度αs=0(全閉)となる。また、例えば、内気導入口50A、外気導入口50Bがそれぞれ半開状態を、内外気導入モードとするとしたときには、設定開度αs=50とする。
次のステップ236では、導入モードの変更(設定開度α)が切換ドア60によって外気導入口50Bを開く方向か否かを確認する。ここで、内気循環モードから、内外気導入モード、外気導入モードへの変更又は、内外気導入モードから外気導入モードへの変更であるときには、ステップ236で肯定判定してステップ238へ移行し、アクチュエータ76Aの駆動を開始する。
この後、ステップ240では、外気導入口50Bの開度αが設定開度αsとなったか否かを確認し、開度αが設定開度αsとなると(α=αs)、ステップ240で肯定判定してステップ242へ移行し、アクチュエータ76Aを停止する。
一方、外気導入モードから内外気導入モード、内気循環モード又は、内外気導入モードから内気循環モードへの変更であるときには、ステップ236で否定判定されてステップ244へ移行する。
このステップ244では、切換ドア60が外気導入口50Bを閉じる方向へ移動することから、送風ファン102による風量Va(例えば、ファンモータ104の回転数)に応じたアクチュエータ76Aの駆動を開始する。
この後、ステップ246では、外気導入口50Bが設定開度αsとなる位置まで切換ドア60が移動したかを確認する。これにより、外気導入口50Bの開度αが設定開度αsとなると(α=αs)、ステップ246で肯定判定してステップ242へ移行して、アクチュエータ76Aの作動を停止する。
これにより、導入モードの変更がなされると、変更された導入モードとなるように切換ドア60が移動される。
図7には、導入モードの変更に伴う送風ファン102による風量制御の概略を示しており、このフローチャートでは、最初のステップ250で導入モードの変更が入力されたか否かを確認する。ここで、操作パネル80のスイッチ操作によって導入モードが変更されるとステップ250で肯定判定してステップ252に移行する。このステップ252では、導入モードの変更が、切換ドア60が気導入口50Bを開く方向への変更か否かを確認する。
このときに、内気循環モードから内外気導入モード、外気導入モード又は、内外気導入モードから外気導入モードへの変更であるときには、ステップ252で肯定判定してステップ254へ移行する。このステップ254では、送風ファンが停止(オフ)しているか否かを確認する。
ここで、現状が、内気循環モードであり、送風ファン102が停止していると、ステップ254で肯定判定して、ステップ256へ移行する。
切換ドア60の制御では、内気循環モードから内外気導入モード及び外気導入モードに切換るときに、風量Vaに関係なくアクチュエータ76Aを駆動して切換ドア60を移動するようにしており(図6のステップ236〜ステップ242)いる。これにより、ステップ256では、外気導入口50Bの開度αが設定開度α1に達したか否かを確認し、開度αが設定開度α1に達する(α≧α1)と、ステップ256で肯定判定してステップ258へ移行する。
このステップ258では、風量Vaが最少風量Vminとなるようにファンモータ104(送風ファン102)の駆動を開始する。
この後、ステップ260では、アクチュエータ76Aが駆動していることにより外気導入口50Bの開度αが大きくなることから、この開度αに応じて風量Vaを増加するようにファンモータ104を駆動する。
なお、内外気導入モードから外気導入モードへ移行するときには、既にファンモータ104が駆動されて送風ファン102が回転していることから、ステップ254で否定判定してステップ260へ移行し、外気導入口50Bの開度αに応じて風量Vaが増加するようにファンモータ104を制御する。
この後、ステップ262では、外気導入口50Bの開度αが設定開度αsに達したか否かを確認し、開度αが設定開度αsに達する(α=αs)と、ステップ262で肯定判定して、風量制御を終了する。
これにより、Rエアコンユニット26では、外気導入口50Bの開度αに応じた風量Vaが、送風ファン102によって外気導入口50Bに送り込まれる状態となる。
これに対して、外気導入モードから内外気導入モード、内気循環モード又は、内外気導入モードから内気循環モードへ変更されるときには、切換ドア60が外気導入口50Bを閉じる方向へ移動されるので、ステップ252で否定判定されてステップ264へ移行する。
このステップ264では、内気循環モードへの変更か否かを確認している。導入モードの変更が、外気導入モード又は内外気導入モードから内気循環モードの変更であるときには、ステップ264で肯定判定してステップ266へ移行して送風ファン102(ファンモータ104)を停止する。
また、外気導入モードから内外気導入モードへの変更であるときには、ステップ264で否定判定してステップ268へ移行する。このステップ268では、外気導入口50Bの開口が狭められる(開度αが減少される)ので、これに応じて風量Vaが減少するように送風ファン102の回転を抑える。
この後、ステップ270では、切換ドア60の移動によって外気導入口50Bの開度αが設定開度αsに達したか否かを確認する。これにより、開度αが設定開度αsとなる(α=αs)と、ステップ270で肯定判定して、風量制御を終了する。
このようにして、外気導入口50Bを開くときには、図1に示される開度αに対する風量Vaの設定に基づいて、開度αに応じて風量Vaを増加し、外気導入口50Bを閉じるときには、図1から得られる風量Vaに対する開度αに基づいて、風量Vaに応じて開度αを狭めるように制御する。
これにより、送風ファン102によって外気が外気導入口50Bに送り込まれるときに、外気導入口50Bで笛吹き音が生じるのを確実に防止することができる。
したがって、リアエアコン14で導入モードの切換を行うときに、車室30内の静粛性が損なわれるのを防止することができる。
なお、以上説明した本実施の形態では、切換ドア60としてロータリドアを用いたが、これに限らず、板ドア、フィルムドア、スライドドアなどの公知の任意の開閉手段を適用することができる。
また、本実施の形態では、送風ファン102が設けられたリアエアコン14を例に、送風ファン102によって外気導入口50Bに送り込まれる外気によって笛吹き音が生じるのを防止したが、本発明は、これに限るものではない。
また、本実施の形態では、送風ダクト100及び送風ファン102を備えたリアエアコン14を例に説明したが、送風ダクト100や送風ファン102を含まないリアエアコンに適用しても良く、また、リアエアコン14のみでなくフロントエアコン12に適用してもよい。
例えば、リアエアコン14において、ブロワファン54を送風ファンとしたときに、切換ドア40による内気導入口50Aと外気導入口50Bの間での開閉タイミングのずれが生じると笛吹き音が生じることがある。また、フロントエアコン12においては、ブロワファン40を送風手段としたときに、切換ドア38により内気導入口34Aと外気導入口34Bの間での開閉タイミングにズレが生じるときに笛吹き音が発生することがある。
このときに、本発明を適用して、ドアの開閉と送風手段の風量制御を行うようにしても良く、これにより、笛吹き音の発生を防止することができる。
さらに、本実施の形態では、フロントエアコン12とリアエアコン14を備えたエアコンシステム10を例に説明したが、本発明の車両用空調装置は、フロントエアコン12のみの構成であっても良く、リアエアコン14のみの構成であってもよい。すなわち、本発明は、車両に設けられる任意の構成の空調装置に適用することができる。