JP2503446B2 - 自動車用換気充電装置 - Google Patents

自動車用換気充電装置

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JP2503446B2
JP2503446B2 JP61237572A JP23757286A JP2503446B2 JP 2503446 B2 JP2503446 B2 JP 2503446B2 JP 61237572 A JP61237572 A JP 61237572A JP 23757286 A JP23757286 A JP 23757286A JP 2503446 B2 JP2503446 B2 JP 2503446B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は太陽電池を利用した自動車用換気充電装置に
関するものであって、特に太陽電池で発電した電力によ
り車載バッテリの充電と換気ファンの駆動を状況に応じ
て選択的に制御する自動車用換気充電装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、この種の装置としては、特開昭54−49729号公
報、実公昭57−37610号公報にて提案されたものがあ
り、これらの従来装置は、車内温度を検出する温度セン
サを備え、駐車時にこの温度センサの検出温度が設定温
度より高いときは太陽電池の出力で換気ファンを駆動
し、設定温度よりも低いときは太陽電池の出力で車載バ
ッテリを充電するものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来装置では、温度センサの検出信号のみに基づ
いて換気作動と充電作動の切替を行っているので、春秋
期や冬期のごとく駐車時の車内温度が設定温度まで上昇
しない時には太陽電池の出力で車載バッテリに充電し続
け、過充電の状態をひきおこす恐れがあった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、極めて簡潔な
構成でもって、車載バッテリの過充電をも良好に防止で
きる自動車用換気充電装置を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために案出されたもの
で、第1発明においては(a)車体に設置され、車体に
照射される太陽光線を電気エネルギーに変換する太陽電
池と、 (b)この太陽電池に接続され、この太陽電池の電気エ
ネルギーにより駆動され、車室内外の換気を行う送風装
置と、 (c)前記太陽電池に接続され、前記太陽電池によって
充電可能な車載バッテリと、 (d)この車載バッテリの充電量を検出する充電量検出
センサと、 (e)前記太陽電池の電力を前記送風装置と前記車載バ
ッテリとに分配制御する制御手段とを備え、 (f)この制御手段は、前記充電量検出センサにより検
出される前記車載バッテリの充電量が予め設定された設
定値より小さいときには、前記太陽電池の電力を全て前
記車載バッテリに供給し、 前記車載バッテリの充電量が前記設定値より大きいと
きには前記太陽電池の電力を全て前記送風装置に供給す
るように構成されているという技術的手段を採用する。
第2発明においては、(a)車体に設置され、車体に
照射される太陽光線を電気エネルギーに変換する太陽電
池と、 (b)この太陽電池に接続され、この太陽電池の電気エ
ネルギーにより駆動され、車室内外の換気を行う送風装
置と、 (c)前記太陽電池に接続され、前記太陽電池によって
充電可能な車載バッテリと、 (d)この車載バッテリの充電量を検出する充電量検出
センサと、 (e)車内温度もしくはこれに関連する温度を検出する
温度センサと、 (f)前記太陽電池の電力を前記送風装置と前記車載バ
ッテリとに分配制御する制御手段とを備え、 (g)この制御手段は、前記充電量検出センサにより
検出される前記車載バッテリの充電量が予め設定された
設定値より小さいときには、前記太陽電池の電力を全て
前記車載バッテリに供給し、 前記車載バッテリの充電量が前記設定値より大きく、
かつ前記温度センサにより検出される温度が予め設定さ
れた設定温度より低いときには、前記太陽電池の電力を
前記送風装置と前記車載バッテリに供給することを停止
し、 前記車載バッテリの充電量が前記設定値より大きく、
かつ前記温度が前記設定値より大きいときには、前記太
陽電池の電力を全て前記送風装置に供給するように構成
されているという技術的手段を採用する。
〔作用および発明の効果〕
上記第1発明の技術的手段によれば、車載バッテリの
充電量を予め設定した設定値と比較して、制御手段によ
る太陽電池出力の分配を制御することにより、車載バッ
テリの充電量が設定値より小さいときは太陽電池から車
載バッテリに充電して車載バッテリの過放電を防止でき
る。
一方、車載バッテリの充電量が設定値より大きいとき
は、太陽電池から車載バッテリへの充電を停止して、車
載バッテリの過充電を防止するとともに、太陽電池の出
力で換気用送風装置を駆動して、車内の換気を行うこと
により、駐車時に車内温度を比較的低い温度に維持でき
る。
このように第1発明によれば、車載バッテリの充電状
態に応じて太陽電池による車載バッテリへの充電作動を
制御できるので、車載バッテリの過放電、過充電を防止
して車載バッテリの充電状態を常に良好な状態に維持で
きるという効果が大である。
しかも、車載バッテリの充電量が設定値以上であると
きには、太陽電池の出力で車内の換気を行うことがで
き、太陽電池の出力を換気作動のために有効利用でき
る。
また、第2発明では、上記作用効果が得られるのに加
え、車内温度もしくはこれに関連する温度を検出する温
度センサを備え、このセンサの検出温度が設定温度より
低いときは、車載バッテリの充電量がたとえ設定値より
大きくても、換気用送風装置を停止することができ、そ
のため換気用送風装置が必要以上に作動することがな
く、換気用送風装置のモータ寿命を延ばすことができる
という効果がある。
〔実施例〕
以下図面に示す実施例について本発明を説明する。第
1図〜第5図は第1実施例を示すもので、第1図は本発
明に係る換気装置を構成する要素の自動車における配設
状態を概略図に示し、第2図は第1図中の通風系を拡大
して示す。
1は自動車の車体を示し、2は車体1の屋根部3の上
面に設けられた太陽電池で、この太陽電池2は広面積を
有するパネル状であって、複数の電池セルから構成され
ている。太陽電池2の車体上の配設箇所は屋根部3に限
らず、太陽4からの光線5を受けることができる箇所で
あれば任意に選択することができる。
6は自動車用空調装置の通風系で、外気取入口7と車
室内吹出口8との間に通風路9が形成されている。通風
路9の中にはそれぞれモータで駆動される換気ファン10
および空調用ブロワ11と、エバポレータ12などの空調用
熱交換器等が配設される。換気ファン10が作動すると矢
印の如く送風が行われる。これを詳細に示すと第2図の
ようになる。この第2図において、専用の換気ファン10
は外気取入口7の近くに設置され、また通風路9には車
室内空気を取入れる内気取入口13も形成されている。従
って、空調用ブロワ11の上流側には、外気と内気を選択
するための切換ダンパ14が配設される。15は空調用ブロ
ワ11を回転させるためのモータである。また、冷凍サイ
クルの冷媒の蒸発潜熱により送風空気を冷却するエバポ
レータ12と車室内への吹出口8との間には温度制御用エ
アミックスダンパ16を備えた暖房用ヒータコア17が配設
されている。このヒータコア17は自動車のエンジン冷却
水を熱源として送風空気を加熱する。
第3図は本発明に係る換気充電装置の電気的構成を示
す回路図であり、第4図筐体電気コントローラの具体的
回路を示す。
第3図において、前記した太陽電池2は、そのマイナ
ス端子が接地され、またそのプラス端子と接地との間に
は、自動車エンジンのイグニッションスイッチと連動す
るスイッチ21と、例えば運転者の乗車又は降車を検知す
る座席シートスイッチ22と、前記換気ファン10と、逆方
向の通電を阻止するダイオード23と、車載バッテリ24か
ら成る直列回路が接続される。この回路において、更
に、換気ファン10に対し並列にその閉成時、換気ファン
10のモータ10aの両端子間を短絡し得る通常閉状態にあ
る常閉スイッチ(第1スイッチ手段)25が接続され、ま
たダイオード23のアノード端子と接地との間にその閉成
時この間を短絡し得る通常開状態にある常開スイッチ
(第2スイッチ手段)26が接続される。第1スイッチ25
が閉成すると、換気ファン10のモータ10aには電圧が印
加されず、換気ファン10は作動しない。また、第2スイ
ッチ26が閉成すると、バッテリ24には太陽電池2の電圧
が印加されず、太陽電池2によるバッテリ24への充電が
行われない。加えて、バッテリ24に対し並列に電圧セン
サ29が接続されている。この電圧センサ29はバッテリ24
の電圧状態を検出するためのもので、バッテリ24の端子
間電圧値に対応する信号を出力し、バッテリ充電量検出
センサとしての役目を果たす。30は電気コントローラ
で、前記電圧センサ29からの検出信号が入力され、信号
処理の結果得られた制御信号を前記スイッチ25,26に対
して供給する。スイッチ25,26の開閉動作は電圧センサ2
9の出力信号に基づき電気コントローラ30によって後述
する第5図図示の表のように制御される。スイッチ25,2
6にはリレー接点、半導体スイッチ、リードスイッチ等
が使用される。
本例では、上記したスイッチ25,26および電気コント
ローラ30によって制御手段が構成されている。
第4図に示すように、電気コントローラ30は例えばコ
ンパレータ31を有しており、コンパレータ31の反転入力
端子には抵抗R1,R2によって設定された設定電圧V2が入
力され、その非反転入力端子には電圧センサ29の出力信
号Vが入力される。このコンパレータ31は車載バッテリ
24の電圧(すなわち電圧センサ29の出力電圧)Vが設定
電圧V2以上であるとき、Hレベルの出力を出す。
次に、上記構成において本第1実施例の作動を説明す
る。本第1実施例の装置は搭乗者が自動車から降車した
とき作動し得る状態となる。すなわち、運転者が図示し
ない自動車エンジンのイグニッションスイッチをオフに
すると、スイッチ21がオン状態になり、また運転者が自
動車から降りると、それまで運転者の存在を検知してオ
フ状態にあってシートスイッチ22がオンになる。このス
イッチ21とシートスイッチ22のオンによって、太陽電池
2の出力を換気ファン10のモータ10a及び車載バッテリ2
4へ供給できる状態にセットされる。
上記回路状態において、バッテリ24の電圧Vが設定電
圧V2よりも小さいときにはコンパレータ31の出力はLレ
ベルであるので、常閉式の第1スイッチ25は閉状態のま
まであり、また、常開式の第2スイッチ26は開状態のま
まである。これにより、太陽電池2の発電出力が換気フ
ァン10のモータ10aに印加されず、車載バッテリ24のみ
に印加される。従って、上記したV<V2なる関係のとき
には、駐車時の間に太陽電池2による車載バッテリ24へ
の充電を優先的に行って、車載バッテリ24の過放電を防
止できる。
次に、車載バッテリ24の電圧Vが設定電圧V2より大き
くなると、コンパレータ31の出力がHレベルとなり、常
閉式の第1スイッチ25が開くとともに、常開式の第2ス
イッチ26が閉じる。これにより、太陽電池2の発電出力
が換気ファン10のモータ10aのみに印加され、換気ファ
ン10が作動して、自動車の車室内の換気を行う。これに
より、夏期炎天下等において車室内温度が上昇するのを
抑制できるとともに、車室内に発生する臭気を排除でき
る。これと同時に、上記したV>V2なる関係のときに、
太陽電池2による車載バッテリ24への充電を停止するこ
とにより、車載バッテリ24の過充電を防止できる。
第6図及び第7図は第2実施例を示すもので、電気コ
ントローラ30に、前記コンパレータ31の他に第2のコン
パレータ32を追加し、これらコンパレータ31,32の出力
によってそれぞれ第1スイッチ25、第2スイッチ26の開
閉を制御するようにしたものである。第2のコンパレー
タ32の反転入力端子には抵抗R3,R4によって設定電圧V1
が印加されるようになっている。ここで、設定電圧V1
第1のコンパレータ31の設定電圧V2より所定値だけ小さ
い値(V1<V2)に設定されている。
本第2実施例によれば、車載バッテリ24の電圧Vが、
設定電圧V1より小さいときには、第1、第2のコンパレ
ータ31,32の出力がいずれもLレベルとなり、常閉式第
1スイッチ25は閉じたままであり、一方常閉式第2スイ
ッチ26は、開状態のままであるので、換気ファン10の作
動が停止し、太陽電池2の出力によって車載バッテリ24
への充電が行われる。この状態を第7図のパターンIに
示す。
次に、車載バッテリ24の電圧Vが設定電圧V1とV2との
間の範囲とあるときは、コンパレータ32の出力がHレベ
ルとなり、第1スイッチ25が開になるとともに、コンパ
レータ31の出力がLレベルであるので、第2スイッチ26
は開のままである。これにより、太陽電池2に対して換
気ファン10のモータ10aと車載バッテリ24が直列に接続
されるので、換気ファン10の換気作動と車載バッテリ24
への充電とが同時に行われる。但し、この場合は、太陽
電池2の出力電圧が換気ファンモータ10aと車載バッテ
リ24とで分圧されるので、第7図のパターンIIに示すよ
うに換気ファン10の回転数は小となり、バッテリ充電電
流も小となる。
次に、車載バッテリ24の電圧Vが設定電圧V2より大き
くなると、2つのコンパレータ31,32の出力がいずれも
Hレベルとなり、第1スイッチ25が開、第2スイッチ26
が閉となり、第7図のパターンIIIに示すように換気フ
ァン10が回転数大の状態で作動するとともに、車載バッ
テリ24への充電を停止し、過充電を防止する。
第8図〜第11図は第3実施例を示すもので、自動車の
車室19内にサーミスタ等の感温素子からなる温度センサ
18を設置し、この温度センサ18の検出信号を電気コント
ローラ30に入力することより、温度センサ18と電圧セン
サ29の両検出信号に基づいて第1、第2のスイッチ25,2
6の開閉を制御するようにしたものである。
第10図は本第3実施例における電気コントローラ30の
具体的構成を示すもので、本例では第1スイッチ25と常
開式とし、温度センサ18の検出温度Tに相当する電圧が
コンパレータ33の非反転入力端子に入力され、一方コン
パレータ33の反転入力端子には抵抗R5,R6によって設定
温度T1に相当する設定電圧が入力され、更に両コンパレ
ータ31,33の出力がインバータ34,35及びORゲート36を介
して常開式第1スイッチ25に印加されるようになってい
る。
上記構成において、本第3実施例の作動を説明する
と、第11図の作動パターンAは、バッテリ電圧Vが設定
電圧V2より小さいとき(V<V2)であり、このときはコ
ンパレータ31の出力がLレベルであるので、常開式第2
スイッチ26は開となり、またインバータ34およびORゲー
ト36を介して常開式第1スッチ25にHレベルの信号が加
わるので、常開式第1スイッチ25は温度センサ18の検出
温度と無関係に閉となる。従って、換気ファン10は停止
し、車載バッテリ24への充電のみが行われる。
そして、バッテリ電圧Vが設定電圧V2より大きいとき
(V>V2)はコンパレータ31の出力がHレベルとなり、
第2スイッチ26は常に閉となり、車載バッテリ24への充
電を停止する。このときは、温度センサ18の検出温度T
に応じて換気ファン10の作動が制御される。すなわち、
温度センサ18の検出温度Tが、設定温度T1より小さいと
き(T<T1)は、コンパレータ33の出力がLレベルとな
り、インバータ35およびORゲート36を介してHレベルの
信号が常開式第1スイッチ25に加わり、第1スイッチ25
も閉となり、換気ファン10の作動も停止する。これによ
り、車内温度が低いときに換気ファン10が無駄に作動す
るのを防止して、換気ファンモータ10aの寿命を延ばす
ことができる。上記作動状態は第11図のパターンBに示
す。
次に、第11図のパターンCに示すように、V>V2の時
に、車内温度Tが設定温度T1より高くなると、コンパレ
ータ33の出力がHレベルとなり、常開式第1スイッチ25
が開となるので、換気ファン10が作動し、車室内の換気
を行う。
次に、第12図及び第13図は第4実施例を示すもので、
上記第3実施例と全体構成(第8図、第9図の構成)は
同じであり、電気コントローラ30の構成を変形したもの
である。すなわち、本例の電気コントローラ30では、3
つのコンパレータ31,32,33にインバータ34,35及びORゲ
ート36を組合せて常開式第1スイッチ25と常開式第2ス
イッチ26の開閉を制御する。
以下本第4実施例の作動を説明すると、第13図のパタ
ーンIでは、バッテリ電圧VがV1より小さいため、コン
パレータ31,32の出力はいずれもLレベルであり、その
ため常開式第2スイッチ26は開であり、またインバータ
34及びORゲート36を介してHレベルの信号が常開式第1
スイッチ25に加わり、第1スイッチ25は閉となる。従っ
て、温度センサ18の検出温度Tとは無関係に太陽電池2
の出力によって車載バッテリ24の充電のみが行われ、そ
の充電電流は大となる。
次に、第13図のパターンIIでは、バッテリ電圧VがV1
<V<V2の関係にあり、かつ車内温度TがT1より低いと
きであり、このときはコンパレータ31の出力がLレベル
であり、第2スイッチ26は開となる。また、コンパレー
タ32の出力がHレベルとなり、インバータ34の出力がL
レベルとなるが、コンパレータ33の出力がLレベルであ
るため、インバータ35の出力がHレベルとなり、ORゲー
ト36を介して常開式第1スイッチ25が閉となる。これに
より、前記パターンIと同様に太陽電池2の出力で車載
バッテリ24の充電が行われる。
次に第13図のパターンIIIでは、バッテリ電圧VがV1
<V<V2の関係にあり、かつ車内温度TがT1より高いと
きであり、このときはコンパレータ31の出力がLレベル
であり、またコンパレータ32,33の出力はHレベルであ
るため、常開式第2スイッチ26が開となると同時に、常
開式第1スイッチ25も開となる。これにより、換気ファ
ン10のモータ10aと車載バッテリ24が直列接続され、換
気ファン10が回転数小の状態で換気作動を行うととも
に、車載バッテリ24に対して充電電流小の状態で充電を
行う。
次に、第13図のパターンIVでは、V>V2であるととも
に、T<T1の関係にあり、これによりコンパレータ31,3
2の出力がHレベルで、コンパレータ33の出力がLレベ
ルとなる。従って、常開式第2スイッチ26が閉となり、
車載バッテリ24への充電を停止するとともに、常開式第
1スイッチ25も閉となり、換気ファン10が作動を停止す
る。
次に、第13図のパターンVでは、V>V2であるととも
に、T>T1の関係にあり、これにより全コンパレータ3
1,32,33の出力がHレベルとなり、常開式第2スイッチ2
6が閉となり、車載バッテリ24への充電を停止するとと
もに、常開式第1スイッチ25は開となり、換気ファン10
が回転数大の状態で車室内の換気を行う。
次に、第14図及び第15図は第5実施例を示すもので、
上記第4実施例の電気コントローラ30を更に変形したも
のであり、本例の電気コントローラ30では前記設定温度
T1より所定値だけ高い第2の設定温度T2を抵抗R7,R8
よって設定したコンパレータ37を追加し、4つのコンパ
レータ31,32,33,37の出力によってANDゲート38,39及びO
Rゲート40を介して常閉式第1スイッチ25と常開式第2
スイッチ26の開閉を制御する。
以下本第5実施例の作動を第15図のパターンI〜VIに
従って説明すると、パターンIではV<V1であるため、
コンパレータ32の出力がLレベルとなり、ANDゲート38
を介して常閉式第1スイッチ25と閉となる。これと同時
に、コンパレータ31の出力もLレベルであるため、AND
デート39及びORゲート40の出力がLレベルとなり、常開
式第2スイッチ26も開となる。従って、温度センサ18の
検出温度Tと無関係に、車載バッテリ24への充電のみが
行われ、その充電電流は大となる。
次に、パターンIIでは、V1<V<V2で、かつT<T1
関係にあるため、コンパレータ32の出力のみがHレベル
となり、他のコンパレータ31,33,37の出力は全てLレベ
ルとなる。これにより、常閉式第1スイッチ25が閉にな
るとともに、常開式第2スイッチ26が開となり、パター
ンIと同じ作動が行われる。
次に、パターンIIIではV1<V<V2で、かつT1<T<T
2の関係にあるため、コンパレータ32と33の出力がHレ
ベルとなり、かつコンパレータ31と37の出力がLレベル
となる。これにより、ANDゲート38の出力がHレベルと
なり、常閉式第1スイッチ25が開となる。一方、ANDゲ
ート39及びORゲート40の出力はLレベルであるため、常
開式第2スイッチ26は開のままである。従って、換気フ
ァン10が回転数小の状態で車室内の換気作動を行うとと
もに、車載バッテリ24に対して充電電流小の状態で充電
を行う。
次に、パターンIVでは、V1<V<V2で、かつT<T2
関係にあるため、コンパレータ32,33,37の出力がHレベ
ルとなり、コンパレータ31の出力のみがLレベルとな
る。これにより、ANDゲート38の出力がHレベルとな
り、常閉式第1スイッチ25が開となる。一方、ANDゲー
ト39の出力もHレベルになるため、常開式第2スイッチ
26は閉となるので、車載バッテリ24への充電が停止さ
れ、換気ファン10は回転数大の状態で車室内の換気を行
う。
次に、パターンVでは、V>V2で、かつT<T1の関係
にあるため、コンパレータ31,32の出力がHレベルとな
り、コンパレータ33,37の出力はLレベルとなる。従っ
て、常閉式第1スイッチ25は閉であり、また常開式第2
スイッチ26も閉となり、換気ファン10が作動を停止する
とともに、車載バッテリ24への充電も停止する。
次に、パターンVIでは、V>V2で、かつT>T1の関係
にあるため、コンパレータ31,32,33の出力がHレベルと
なり、常閉式第1スイッチ25が開になるとともに、常開
式第2スイッチ26は、コンパレータ31のHレベル出力に
より閉となる。従って、コンパレータ37の出力とは無関
係に、車載バッテリ24の充電が停止され、換気ファン10
が回転数大の状態で車室内の換気を行う。
第16図は第6実施例を示すもので、第1図と同様な図
であり、図中同一要素には同一の符号を付している。こ
の第6実施例では、専用の換気ファンを備えず、空調用
ブロワ11で換気ファンを兼用させている。従って特別な
換気ファンを要せず、装着性の向上とコストダウンを図
ることができる。
第17図及び第18図は第7実施例を示すもので、本例で
はバッテリ24の充電量検出センサとして、前述した電圧
センサ29の代りに、バッテリ(鉛蓄電池)24の電解液の
比重を検出する比重センサ290を用い、このセンサ290の
検出信号を電気コントローラ30に入力するようにしたも
のである。この比重センサ290は、第18図に示すように
バッテリ24の端子電圧及び電解液の比重が放電時間の経
過とともに低下する傾向にあることを利用してバッテリ
24の充電量を検出するものであり、この比重センサは本
発明者らが先に提案した特開昭54−332号公報(特公昭5
9−39328号公報)で公知であるので、具体的構造の説明
は省略する。なお、上記公報では、比重センサとしてス
イッチタイプのものを示しているが、電気抵抗値を連続
的又は段階的に変化させる比重センサを構成できること
は当業者にとって自明である。
また、充電量検出センサとして、バッテリ液のPH値と
充電量とが対応していることを利用して、PHセンサを用
いてもよい。
次に、第19図及び第20図を用いて本発明装置の作動を
更に説明すると、第19図は太陽電池2及び換気ファンモ
ータ10aのそれぞれのV−I(電圧−電流)特性を示
し、第20図は太陽の光線強度が一定の場合における車室
内温度(T)と換気ファン10の回転数(N)との関係を
示す。
前記した第15図のパターンIII(V1<V<V2で、かつT
1<T<T2のとき)では、太陽電池2に対して換気ファ
ンモータ10a及び車載バッテリ24が直列接続されるの
で、換気ファン10は第20図に示す小さい回転数N1で作動
し、また同時にバッテリ24の充電も行われる。この場
合、太陽電池2は第19図の線Aに示すV−I特性を有し
ているのに対し、バッテリ24と直列に接続された換気フ
ァン10のモータ10aはBに示すV−I特性を有してい
る。従って、特性AとBと交点として定まる点で換気フ
ァン10の動作点が決定される。なお、バッテリ24の充電
が進むと換気ファン10のモータ10aに加わる電圧が小さ
くなるので、動作点もa1,a2,a3と移っていくことにな
る。また、太陽光線が強くなって太陽電池2の出力電圧
が高くなると換気ファン10のモータ10aに印加される電
圧が大きくなり、前記回転数N1が高くなる。
一方、第15図のパターンIV及びVIでは、第2スイッチ
26が閉成して車載バッテリ24が短絡されるが、第19図に
おいて、Cはこのバッテリ24を短絡した場合の換気ファ
ン10のV−I特性を示し、この特性Cと太陽電池2のV
−I特性Aとの交点として換気ファン10の動作点a4が定
められる。この動作点a4は最大出力点を意味し、換気フ
ァン10の回転数は第20図に示す高い回転数N2となる。
なお、前述の図示実施例においては、スイッチ25,26
の動作制御を個々の回路素子の結合からなるハード構成
の電気コントローラ30によって行ったが、マイクロコン
ピュータを用いてソフト的に実現することもできる。ま
た、スイッチ25,26は常閉スイッチ、常開スイッチに限
定されず、電気コントローラ等の制御手段からの制御信
号によって前記のような開閉動作を行なえるものであれ
ば、任意のスイッチ手段を使用することができる。
このように本発明は種々の態様でもって幅広く実施可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示すもので、換気装置部
分の構成要素の配設状態を示す概略図、第2図は第1図
図示の通風系の拡大図、第3図は第1図図示の換気装置
部分を含む全体の電気回路図、第4図は第3図に示す電
気コントローラの具体的回路図、第5図は第1実施例の
制御パターンを示す態様図、第6図は第2実施例の電気
コントローラの具体的回路図、第7図は第2実施例の制
御パターンを示す態様図、第8図は第3実施例に関する
第1図と同様な概略図、第9図は第3実施例を示す電気
回路図、第10図は第9図に示す電気コントローラの具体
的回路図、第11図は第3実施例の制御パターンを示す態
様図、第12図は第4実施例を示す電気コントローラの電
気回路図、第13図は第4実施例の制御パターンを示す態
様図、第14図は第5実施例を示す電気コントローラの電
気回路図、第15図は第5実施例の制御パターンを示す態
様図、第16図は第6実施例を示す換気装置部分の概略配
置図、第17図は第7実施例を示す電気回路図、第18図は
バッテリとして用いられる鉛蓄電池の放電特性図、第19
図は太陽電池と換気ファンのV−I特性図、第20図は車
室内温度と換気ファンの回転数の関係を示す説明図であ
る。 1…自動車の車体,2…太陽電池,5…太陽光線,10…換気
ファン(換気用送風装置),11…空調用ブロワ,12…エバ
ポレータ,18…温度センサ,23…ダイオード,24…車載バ
ッテリ,25…第1のスイッチ,26…第2のスイッチ,29…
電圧センサ(充電量検出センサ),30…電気コントロー
ラ(制御手段),290…比重センサ(充電量検出セン
サ)。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)車体に設置され、車体に照射される
    太陽光線を電気エネルギに変換する太陽電池と、 (b)この太陽電池に接続され、この太陽電池の電気エ
    ネルギにより駆動され、車室内外の換気を行う送風装置
    と、 (c)前記太陽電池に接続され、前記太陽電池によって
    充電可能な車載バッテリと (d)この車載バッテリの充電量と検出する充電量検出
    センサと、 (e)前記太陽電池の電力を前記送風装置と前記車載バ
    ッテリとに分配制御する制御手段とを備え (f)この制御手段は、前記充電量検出センサにより検
    出される前記車載バッテリの充電量が予め設定された設
    定値より小さいときには、前記太陽電池の電力を全て前
    記車載バッテリに供給し、 前記車載バッテリの充電量が前記設定値より大きいとき
    には前記太陽電池の電力を全て前記送風装置に供給する
    ように構成されている自動車用換気充電装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記設定値として第1の
    設定値(V1)とこれよりも所定値だけ大きい第2の設定
    値(V2)を有し、前記車載バッテリの充電量が前記第1
    の設定値(V1)より小さいときには、前記太陽電池の電
    力を全て前記車載バッテリに供給し、 前記車載バッテリの充電量が前記第1の設定値(V1)と
    前記第2の設定値(V2)との間の範囲にあるときは、前
    記太陽電池の電力を前記送風装置と前記車載バッテリに
    供給し、 前記車載バッテリの充電量が前記第2の設定値(V2)よ
    り大きいときには、前記太陽電池の電力を全て前記送風
    装置に供給するように構成されている自動車用換気充電
    装置。
  3. 【請求項3】前記充電量検出センサは、車載バッテリの
    端子電圧を検出する電圧センサである特許請求の範囲第
    1項又は第2項記載の自動車用換気充電装置。
  4. 【請求項4】前記充電量検出センサは、車載バッテリの
    電解液の比重を検出する比重センサである特許請求の範
    囲第1項又は第2項記載の自動車用換気充電装置。
  5. 【請求項5】前記送風装置は、自動車用空調装置の通風
    系に空調用ブロワとは独立に設けられた換気専用のファ
    ンで構成されている特許請求の範囲第1項から第4項ま
    でのいずれかに記載の自動車用換気充電装置。
  6. 【請求項6】前記送風装置は、自動車用空調装置の通風
    系に設けられた空調用ブロワ自身が兼務している特許請
    求の範囲第1項から第4項までのいずれかに記載の自動
    車用換気充電装置。
  7. 【請求項7】(a)車体に設置され、車体に照射される
    太陽光線を電気エネルギに変換する太陽電池と、 (b)この太陽電池に接続され、この太陽電池の電気エ
    ネルギにより駆動され、車室内外の換気を行う送風装置
    と、 (c)前記太陽電池に接続され、前記太陽電池によって
    充電可能な車載バッテリと、 (d)この車載バッテリの充電量を検出する充電量検出
    センサと、 (e)車内温度もしくはこれに関連する温度を検出する
    温度センサと、 (f)前記太陽電池の電力を前記送風装置と前記車載バ
    ッテリとに分配制御する制御手段とを備え、 (g)この制御手段は、前記充電量検出センサにより検
    出される前記車載バッテリの充電量が予め設定された設
    定値より小さいときには、前記太陽電池の電力を全て前
    記車載バッテリに供給し、 前記車載バッテリの充電量が前記設定値より大きく、か
    つ前記温度センサにより検出される温度が予め設定され
    た設定温度より低いときには、前記太陽電池の電力を前
    記送風装置と前記車載バッテリに供給することを停止
    し、 前記車載バッテリの充電量が前記設定値より大きく、か
    つ前記温度が前記設定値より大きいときには、前記太陽
    電池の電力を全て前記送風装置に供給するように構成さ
    れている自動車用換気充電装置。
  8. 【請求項8】前記制御手段は、前記車載バッテリの充電
    量に対する前記設定値として第1の設定値(V1)とこれ
    よりも所定値だけ大きい第2の設定値(V2)とを有し、 かつ前記検出温度に対する前記設定温度として第1の設
    定温度(T1)と、これよりも所定値だけ高い第2の設定
    温度(T2)とを有し、 前記車載バッテリの充電量が前記第1の設定値(V1)よ
    り小さいときには、前記太陽電池の電力を全て前記車載
    バッテリに供給し、 前記車載バッテリの充電量が前記第1の設定値(V1)と
    前記第2の設定値(V2)との間の範囲にあるときに、前
    記温度センサの検出温度が前記第1の設定温度(T1)よ
    りも低いときには、前記太陽電池の電力を全て前記車載
    バッテリに供給し、前記検出温度が前記第1の設定温度
    (T1)と前記第2の設定温度(T2)との間の範囲にある
    ときには、前記太陽電池の電力を前記送風装置と前記車
    載バッテリとに供給し、前記検出温度が前記第2の設定
    温度(T2)よりも高いときには、前記太陽電池の電力を
    全て前記送風装置に供給し、 前記車載バッテリの充電量が前記第2の設定値(V2)よ
    り大きいときに、前記温度センサの検出温度が第1の設
    定温度(T1)よりも低いときには、前記太陽電池の電力
    を前記送風装置と前記車載バッテリに供給することを停
    止し、前記検出温度が前記第1の設定温度(T1)より高
    いときには、前記太陽電池の電力を全て前記送風装置に
    供給するように構成されている特許請求の範囲第7項記
    載の自動車用換気充電装置。
  9. 【請求項9】前記充電量検出センサは、車載バッテリの
    端子電圧を検出する電圧センサである特許請求の範囲第
    7項又は第8項に記載の自動車用換気充電装置。
  10. 【請求項10】前記充電量検出センサは、車載バッテリ
    の電解液の比重を検出する比重センサである特許請求の
    範囲第7項又は第8項に記載の自動車用換気充電装置。
  11. 【請求項11】前記送風装置は、自動車用空調装置の通
    風系に空調用ブロワとは独立に設けられた換気専用のフ
    ァンで構成されている特許請求の範囲第7項から第10項
    までのいずれかに記載の自動車用換気充電装置。
  12. 【請求項12】前記送風装置を自動車用空調装置の通風
    系に設けられた空調ブロワ自身が兼務している特許請求
    の範囲第7項から第10項までのいずれかに記載の自動車
    用換気充電装置。
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