JP4949619B2 - 燃料電池システムおよびその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムおよびその運転方法に関する。
燃料電池システムは、燃料電池のアノードに還元剤ガスとして供給される水素リッチな燃料ガスと、それのカソードに酸化剤ガスとして供給される空気とを燃料電池の内部で反応させることにより発電するものである。そして、この燃料ガスは通常、燃料処理器(改質器)の内部の水蒸気改質反応によって都市ガス等の原料ガスと水蒸気から生成されている。
図3に示した燃料電池システム120は、こうした既存システムの一例である(特許文献1参照)。
図3によれば、燃料処理器101の適所に熱供給手段としてのバーナ102が配置され、これにより、バーナ102の燃料ガス燃焼より燃料処理器101は加熱される。また、燃料処理器101の上流側入口101bには、原料ガス供給手段103から供給される原料ガスおよび水蒸気発生器104から供給される水蒸気が導かれるように構成されている。更に、上流側入口101bと原料ガス供給手段53とを連通する配管の途中に、空気供給手段105と不活性ガス供給手段106(ここでは、高圧窒素ボンベ106aおよび電磁窒素弁106b)とが、接続されている。また、燃料処理器101の下流側出口101cに接続された変成器107およびこの変成器107の下流側と接続された選択酸化器108も設けられている。
燃料電池109は、選択酸化器108から流出した燃料ガスが導かれるアノード109aと、空気ブロア110から流出した酸化剤ガス(空気)が導かれるカソード109bと、によって構成され、これらのガスをその内部で消費して発電する。
なお、燃料電池システム120を構成するこうした機器は、制御装置111により適切に制御されている。
ここで、この燃料電池システム120の通常停止と非常停止(例えば、停電や機器の故障による停止)に分けて、燃料電池システムの停止動作を説明する。
燃料電池システム120の通常停止の際には、不活性ガスを使用することなく、以下の停止動作が実行される。
原料ガス供給手段103の燃料処理器101への原料ガス供給停止後、水蒸気発生器104から供給される水蒸気と、空気供給手段105から供給されるパージ用空気とが、この順番に燃料処理器101〜変成器107〜選択酸化器108〜燃料電池109のアノード109a〜排出配管を圧送され、これにより、これらの機器や配管に残留する水素リッチガスが外部に排出される。
一方、燃料電池システム102の非常停止の際には、不活性ガス供給手段106から供給された不活性ガスにより、燃料処理器101〜変成器107〜選択酸化器108〜燃料電池109のアノード109a〜排出配管に残留する水素リッチガスが外部に排出される。
例えば、燃料電池システム120の故障等に起因して水蒸気発生器104から水蒸気の供給または空気供給手段105からパージ用空気の供給を行えずに、上記の通常停止の動作に従って水素リッチガスを外部に排出させることが不可能な状況にあれば、燃料電池システム120の非常停止の一例として、高圧に保たれた窒素を貯蔵する高圧窒素ボンベ106aとノーマルオープン型(無通電時に開弁)の電磁窒素弁106bとを組合せた不活性ガス供給手段106を使用する。
こうして燃料電池システム120の非常停止時には、システムへの電源供給を停止させることによって、原料ガス供給手段103の燃料処理器101への原料ガス供給が自動的に停止できる共にノーマルオープン型の電磁窒素弁106bが開弁することにより高圧窒素ボンベ106aに封入された高圧状態にある不活性ガス(窒素)が自動的に供給され、これにより、燃料処理器101〜変成器107〜選択酸化器108〜燃料電池109のアノード109a〜排出配管に残留する水素リッチガスを確実に排出させ得る。
特開2003−100332号公報
特許文献1に記載の燃料電池システム120には、以下のような不具合がある。
(1)燃料電池システム120の非常停止に関する問題
燃料電池システム120は、その非常停止時に備えて不活性ガス供給手段106として高圧窒素ボンベ106aを備えたシステムであり、この燃料電池システム120の通常停止における水蒸気パージおよび空気パージのメリットが充分に活かされているとは言い難い。即ち、家庭用の定置型分散発電および電気自動車用電源並びに可搬型電源等に、この燃料電池システムを使用すると、高圧窒素ボンベ106aのイニシャルコストが嵩み、かつ高圧窒素ボンベ106aを収納するスペース確保により燃料電池システムの小型化が困難で、燃料電池システム120の商品性が損なわれる。
その一方、燃料電池システム120の非常停止時にその経路内に残留する水素リッチガスを排出することなくそのまま放置すれば、燃料処理器101〜変成器107〜選択酸化器108〜燃料電池109のアノード109a〜排出配管の機器や配管に水素リッチガスが残留して、大気開放されたバーナ102から自然対流によってこれらの機器内や配管内に大気中から空気が逆流することになる。
そうすると、次回の燃料電池システムの起動の際に水素ガスと酸素ガス(空気)とが混合した混合ガスにバーナ102が点火する可能性があり、逆火(水素は燃焼速度が速いため)等の異常燃焼が引き起こされ、バーナ102の周辺の構造部品が変形等のダメージを受ける。
また、仮にバーナ102が高温に保たれた状態の場合には、残留する水素リッチガスと大気中から拡散する酸素ガス(空気)がバーナ102の高温部位を基点に異常燃焼を引き起こすことも想定される。
勿論、こうした異常燃焼を適切に抑制するため、水素リッチガスをバーナ102に導くための排出配管の適所に電磁弁を配置して、燃料電池システムの非常停止時の際に、水素リッチガスが滞留している部位(燃料電池や配管)をバーナ102から隔離するように、この排出配管を電磁弁で閉弁することも考えられる。しかしながら、この場合には、残存水の蒸発や未反応ガスの反応進行による体積増加に起因して上記電磁弁の上流側の排出配管の内圧が上昇し、その内圧に耐えるような大型かつ高コストのガスシール機能が必要になる。
(2)燃料電池システム120の起動に関する問題
特許文献1に記載に記載されていないが、燃料電池のアノードで消費されなかった水素ガスを含むオフガスは排出配管に送られ、排出配管を流れるオフガスは、その含有された水分(微細な水滴や水蒸気)を除去するように適切に処理された後にバーナに導かれる。
こうしたオフガス中の水分除去を実行する水分除去器は通常、オフガス中の水分除去から得られた凝縮水を溜める容器を有し、この凝縮水にオフガスを外部に逃がさないように水封止の機能を持たせている。
ところが従来から、燃料電池システムの起動の際に、水分除去器の内部状態(凝縮水の水枯れの有無)を確認することなく、単に水分除去器を適宜の弁により密閉にしたうえで、燃料電池の発電動作に伴って凝縮水が自然に溜められていた。
そうすると、仮に予期せぬ不具合(例えば、水分除去器を密閉する弁の故障)により、燃料電池システムの起動の際、水分除去器を開閉する弁を開弁させたまま、燃料電池の発電動作を開始すると、水分除去器の内部が水枯れ状態にあれば、燃料電池の発電で発生した可燃性のオフガスが外部に漏洩するという事態も危惧される。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、不活性ガスを使用することなく燃料電池システムの非常停止動作を適切に実行可能な燃料電池システムおよびその運転方法を提供することを目的とする。
また、燃料電池システムの起動の際に、オフガス中の水分を除去する水分除去器を確実に密閉可能な燃料電池システムおよびその運転方法を提供することも目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、原料ガスおよび水蒸気から水素リッチガスを生成する燃料処理器と、前記水素リッチガスを用いて発電する燃料電池と、前記燃料電池から排出された前記水素リッチガスを含むオフガスを燃焼することにより前記燃料処理器に熱を供給する熱供給手段と、前記熱供給手段に供給する前記オフガスから水分を除去し、かつ除去された前記水分からなる水を溜める水分除去器と、前記熱供給手段と前記水分除去器との間の前記オフガスの流路を開閉可能に構成され、かつ無通電時に前記流路を閉じるように動作するノーマルクローズ型の第1の開閉手段と、開口部を有し、内部に溜まった水を、前記開口部を介して外部に排出可能であるとともに、水素リッチガスの生成に利用される水蒸気源である水タンクと、前記水分除去器と前記開口部との間を連通する第1の通路を開閉可能に構成された第2の開閉手段と、前記水分除去器に溜まった水の水位を検知する水位検知手段と、前記水タンクに水を供給する水供給手段と、制御装置と、を備え、前記開口部から排出された水が前記水分除去器に流入するように、前記開口部は前記水分除去器と連通し、前記制御装置は、前記水位検知手段から得られた水位が所定の閾値以下であれば、前記第2の開閉手段を開き、前記水位が前記閾値を超えるまで、前記水供給手段を駆動させ、その後、前記燃料電池による発電が開始されるシステムである。
これにより、燃料電池システムの非常停止の際に、バーナの近傍において水分除去器とバーナとの間のガス連通を第1の開閉手段により切断することにより、燃料ガスの異常燃焼源としてのバーナにオフガス(可燃ガス)が漏れることを未然に防止できる。また、燃料電池システムの起動の際には、オフガス中の水分を除去する水分除去器を確実に密閉可能なように、開口部を介して所定量の水を水タンクから送出できる。
2の開閉手段も閉めることにより、水分除去器の内部と第1の通路を連通する部分に、水による水封と第2の開閉手段による閉弁といった2重シールが施され、水分除去器からオフガスを外部に漏洩させることが確実に防止でき好適である。
また、この水位検知手段により、燃料電池システムの起動時間の短縮や起動エネルギーロス低減を図りつつ、燃料電池システムの起動の際に、水分除去器に必要かつ最低限の水量が供給される。
また、前記第1の通路は、前記開口部と前記第2の開閉手段との間で上下方向に延びる上下延在部を有しても良い。
これにより、水タンクに内在する水を水分除去器に向けてその自重により簡易的に供給可能になる。
また、前記水分除去器から排出された水を導く凝縮水タンクと、水中に含有された不純物を除去する不純物除去手段と、を備え、前記制御装置は、前記水供給手段を駆動させることにより、前記凝縮水タンクに溜まった水を、前記不純物除去手段を通過させた後、前記水タンクに供給させても良い。
こうすると、水タンクに存在する純水が、不純物により汚染されなくなる。
また、前記熱供給手段による前記オフガスの燃焼から発生した燃焼ガスを、大気に放出するための排気口と、前記上下延在部の途中と連通して、前記排気口を介して大気に開放されるように構成された第2の通路と、を備えても良い。
こうすると、燃料電池システムの非常停止の際に、燃焼ファン(熱供給手段を介して)から送風される空気を、この排気口に送り込み、燃料電池システムの内部の可燃性ガスをこの空気により可燃範囲外に希釈させ排出できる。
また、前記第2の通路は、前記上下延在部の途中から水平方向に延びた部分を有すても良い。
これにより、水タンクの開口部から第1の通路を流れ落ちる水が、第2の通路の水平部分によりこの第2の通路の方向に流れることを回避できる。
また、前記水分除去器から排出された前記水を導く凝縮水タンクを備え、前記第2の通路は、前記水平方向に延びた部分から前記凝縮水タンクに向けて下方に傾斜するように構成されても良い。
こうして、第1の通路の水平延在部や水除去手段に溜まった残留水が第1の通路の上下延在部を伝って圧力上昇する際には、この残留水を第2の通路の方向に流して凝縮水タンクに戻すことができ、残留水が直接に水タンクに供給されるという事態を回避でき、これにより、水タンク内の純水が、残留水に含有された不純物イオンにより汚染されずに好適である。
また、前記第2の開閉手段は、無通電時に開弁するノーマルオープン型の電磁弁であっても良い。
これにより、停電等の不測の事態の際に、第2の開閉手段は、補助電源を必要とすることなく自動的に開いて、第1の通路が圧力リリーフ装置として適切に機能し得る。
また、前記燃料電池は、前記水素リッチガスと酸化剤ガスを用いて発電するものであり、前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤供給手段を備え、前記酸化剤供給手段により前記燃料電池に供給され、前記燃料電池の内部で消費されずに外部に排出された酸化剤ガスが、前記排気口に導かれる燃料電池システムであっても良い。
こうすると、燃料電池システムの非常停止の際に、酸化剤供給手段から送風される酸化剤ガスを、この排気口に送り込み、燃料電池システムの内部の可燃性ガスをこの空気により可燃範囲外に希釈させ排出できる。
ここで、前記燃料電池システムの運転方法であって、前記水分除去器に前記水タンクの前記開口部から所定量の水が溢れ出た後、上記記載の燃料電池システムの燃料電池による発電を開始させる燃料電池システムの運転方法であっても良い。
また、前記制御装置が、前記水供給手段を駆動させることにより前記水タンクにある水が前記開口部から溢れ出る燃料電池システムの運転方法であっても良い。
このような燃料電池の運転方法によれば、オフガス中の水分を除去する水分除去器の内部の水枯れという状況を未然に防止して、その内部を確実に密閉可能にできる。
本発明によれば、活性ガスを使用することなく燃料電池システムの非常停止動作を適切に実行可能な燃料電池システムおよびその運転方法が得られる。
また本発明によれば、オフガス中の水分を除去する水分除去器を確実に密閉可能な燃料電池システムおよびその運転方法も得られる。
以下、本発明の実施の形態1、2について、図面を参照しつつ説明する。
なお、図1および図2において、原料ガスまたは燃料ガス(オフガス)のガス流れが、矢印を付した太い実線で示され、空気の流れが、矢印を付した太い点線で示され、燃焼ガスの流れが、矢印を付した太い一点鎖線で示され、水の流れが、矢印を付した太い二点鎖線で示され、制御装置10に送受される信号は、矢印を付した細い点線で示されている。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による燃料電池システムの構成例を示したブロック図である。
この燃料電池システム50は主として、還元剤ガス(水素リッチな燃料ガス)および酸化剤ガス(空気)を消費して発電する燃料電池12と、燃料電池12によって発電した直流電力を交流電力に変換するインバータ14と、燃料電池12のアノード12aに燃料ガスを供給する燃料処理器11と、燃料電池12のカソード12cに酸化剤ガス(空気)を供給する空気ブロア13(酸化剤供給手段)と、燃料電池12のアノード12aに連通する内部燃料ガス流路の出口ポート43から排出され、燃料電池12の内部で消費されなかった残余の燃料ガス(オフガス)中に含有された水分を除去して得られた水31を、所定の水位31fに保つように一時的に貯蔵する水分除去器15と、空気取入口(図示せず)から空気を取り込むと共にこの空気とオフガスとを混合し燃焼して燃料処理器11に熱を供給するバーナ20(熱供給手段)と、燃料処理器11に都市ガスや天然ガス等の原料ガスを供給する原料ガス供給手段19と、原料ガス供給手段19と燃料処理器11とを連結する配管に設置され、燃料電池システム50のガス配管内のガス圧を検知する圧力検知手段Gと、原料ガス供給手段19と燃料処理器11との間の配管に水を第1のポンプP1により水配管81を介して圧送供給するため、所定量以上の水を貯蔵する水タンク71と、バーナ20により発生した燃焼ガスを外部(大気)に放出するための排気口22と、水タンク71に水を第2のポンプP2により圧送供給するため、水分除去器15から排出された水を溜める凝縮水タンク73と、凝縮水タンク73から水タンク71に水を圧送する際にこの水に含有された不純物イオンを除去するイオン交換手段としての不純物除去手段74と、によって構成されている。
なお、後記のように凝縮水タンク73に導かれたオフガスを排気口22から外部に排出させるため、凝縮水タンク73をこの排気口22の近傍に配置させることが望ましい。
燃料処理器11は通常、原料ガスと水蒸気から水蒸気改質反応によって改質ガスを生成する改質器(図示せず)と、水蒸気と一酸化炭素ガスを水素ガスと二酸化炭素ガスにシフト反応させる変成器(図示せず)と、CO選択酸化で一酸化炭素濃度を約10ppm以下に低濃度化させる選択酸化器(図示せず)を内蔵している。
このため、改質器には改質反応を促進する改質触媒体(図示せず)があり、この改質触媒体への反応熱供給用の熱供給手段として、上記のバーナ20が設置され、バーナ20の内部の燃料ガスを燃焼ファン21から送風される空気によって可燃濃度範囲に希釈し混合した後、この混合ガスをバーナ20の内部で燃焼させて生成した高温の燃焼ガスとの熱交換によって改質触媒体は加熱される。なお、改質触媒体と熱交換した燃焼ガスは、排気口22から大気中に放出される。
ここで、水分除去器15によって水分除去されたオフガスをバーナ20に導く燃焼用燃料ガス配管40の途中には、これを開閉するガス配管開閉手段18(第1の開閉手段)が配置されている。ガス配管開閉手段18は、無通電時に燃焼用燃料ガス配管40を閉じるように動作するノーマルクローズ型の開閉手段であればよく、ここでは、通電時に燃焼用燃料ガス配管40を開けかつ通電停止時に燃焼用燃料ガス配管40を閉める開閉用の電磁弁で構成されている。これによって、停電等の不測の事態において、ガス配管開閉手段18は、補助電源を必要とすることなく自動的に閉弁動作して、燃料電池システム50の非常停止動作を適切に行うことができる。こうして、燃料電池システム50の非常停止の際に、バーナ20の近傍において水分除去器15とバーナ20との間のガス連通を切断することにより、燃料ガスの異常燃焼源としてのバーナ20にオフガス(可燃ガス)が漏れることを未然に防止している。
次に、水分除去器15とその周辺の通水系統の構成を、図1を参照して詳しく説明する。
水分除去器15は、蓋と底を設けた筒状の容器であり、容器の略上半分の内部空間は、オフガスが通過する燃料ガスの通路30に相当する領域であると共に、オフガスがこの通路30を通過する際に、空気送風ファン(図示せず)から容器の表面に設けられた放熱フィン(図示せず)に送られる空気との熱交換によってオフガスの熱を効率的に放出させる熱交換部として機能する領域である。また、容器の略下半分の内部空間は、オフガス中に含有された水分の凝集によって集まった凝縮水31を一時的に貯留する水貯留部に相当する領域である。
水分除去器15のオフガス放熱効果により、オフガスの温度がその露点以下に下がって、オフガス中に含有された水蒸気が水滴として燃料ガス中に結露し、この水滴が集まって水分除去器15の内部に凝縮水31が貯留される。こうして、上記の通路30によるオフガスの空冷効果に基づいてオフガス中に含有された水分の除去が促進されて、水分除去器15の下流側のバーナ20においてオフガス燃焼の妨げとなり得る水分を適切に排除できる。
なおここで、本願明細書における燃料ガス中に含有された水分には、燃料ガス中の微細な水滴および水蒸気の何れも含まれるものであり、要するにこの水分とは、燃料ガスの燃焼を妨げる水に関連した成分のことをいう。
また、通水パイプからなる第1の水通路配管82(第1の通路の水平延在部)が、水分除去器15の内部と凝縮水タンク73とを連通するように配置されている。更に、水通路開閉手段75(第2の開閉手段)および開閉弁76が、この第1の水通路配管82の途中に配置されている。
ここで、凝縮水31の水位31fが水分除去促進により上昇して、水分除去器15におけるオフガス出入口を塞ぐという不具合を防止して、水分除去器15の内部を適切に燃料ガスが通過できるように、凝縮水31の水位31fの上限31uは決定され、仮に凝縮水31の水位31fがその上限31uを超えた場合には水通路開閉手段75および開閉弁76を共に開けて、凝縮水31は第1の水通路配管82を流れて凝縮水タンク73に導かれる。
また、凝縮水31の水位31fの下限も設定されており、これにより凝縮水31は、水分除去器15の内部の通路30をオフガスが通流する際に、このオフガスの大気中への放出を防止するというガス封止機能を有することになる。この際に、水通路開閉手段75も併せて閉めることにより、水分除去器15の内部と第1の水通路配管82を連通する部分に、凝縮水31による水封と水通路開閉手段75による閉弁といった2重シールが施され、水分除去器15からオフガスを外部に漏洩させることが確実に防止できて好適である。
水通路開閉手段75は、無通電時に第1の水通路配管82を開くように動作するノーマルオープン型の開閉手段であれば良く、ここでは、通電時に第1の水通路配管82を閉じてかつ通電停止時に第1の水通路配管82を開く開閉用の電磁弁で構成されている。
これによって、停電等の不測の事態の際に、水通路開閉手段75は、補助電源を必要とすることなく自動的に開いて、第1の水通路配管82が、後記のとおり、圧力リリーフ装置として適切に機能し得る。
なお、凝縮水31の水位31fは、水分除去器15に設置された水位検知手段33から出力される検知信号に基づき制御装置10によりコントロールされている。水位検知手段33として、フロート式のレベルスイッチが使用され、電磁式オンオフスイッチの信号によって凝縮水31の水位31fが検知される。
水タンク71は、壁部に開口部72が設けられ、この壁部に囲まれた内部空間にある水を、開口部72を介して外部に排出(オーバーフロー)可能に構成され、これにより、水タンク71に所定量以下の水が溜まるように構成されている。
通水パイプからなる第2の水通路配管83(第1の通路の上下延在部)は、水通路開閉手段75と開閉弁76との間の第1の水通路配管82から分岐して略垂直方向(上下方向)に延び、水タンク71の開口部72に連通するように配置されている。
こうして、水タンク71の内部から開口部72を介してオーバーフローした水が、その自重により簡易に下方の第1の水通路配管82に流れ込み、ひいてはこの水が水通路開閉手段75を開くことにより水分除去器15の内部に流れ込む。
また、通水パイプからなる第3の水通路配管84(第2の通路)は、第2の水通路配管83の途中から分岐して一旦水平に延び、そこから下方に傾斜して延びて、凝縮水タンク73に至るように構成されている。
これにより、水タンク71の開口部72から第2の水通路配管83を流れ落ちる水が、この第3の水通路配管84の方向に流れることを第3の水通路配管84の水平部分により回避できる。
また逆に、第1の水通路配管82や水除去手段15に溜まった残留水が第2の水通路配管83を伝って上昇する際には、この残留水を第3の水通路配管84の方向に流して凝縮水タンク73に戻すことができ、残留水が直接に水タンク71に供給されるという事態を回避でき、これにより、水タンク71内の純水が、残留水に含有された不純物イオンにより汚染されずに好適である。
更に、通水パイプからなる第4の水通路配管85は、凝縮水タンク73と水タンク71とを連通するように配置され、この第4の水通路配管85の途中に、既に述べたように第2のポンプP2と不純物除去手段74とが配置されている。
なお制御装置10は、空気ブロア13や燃焼ファン21の動作を制御してカソード12cやバーナ20に送る空気量を調整すると共に、原料ガス供給手段19に内蔵される流量調整弁(図示せず)と開閉用電磁弁(図示せず)の開閉動作を制御して燃料処理器11に送る原料ガスの供給量を適切に調整している。
また、制御装置10は、第1および第2のポンプP1、P2の動作、水通路開閉手段75および開閉弁76の開閉動作を制御して、燃料処理器11に送る水量および水分除去器15の内部に溜まる水位31f並びに水タンク71の水位を調整している。
更に制御装置10は、圧力検知手段G、水位検知手段33、温度センサ(図示せず)および流量計(図示せず)等から検知信号を受け取り、この検知信号に基づいて適切に燃料電池システム50の動作を制御している。
次に、以上のように構成された燃料電池システム50の通常運転の動作(具体的には、システム起動動作、発電動作およびシステム停止動作)を、図1を参照して説明する。
最初に、この燃料電池システム50の起動の動作を述べる。
燃料電池システム50の起動の際に、燃料電池システム50の動作条件によっては凝縮水31が水分除去器15の内部に溜められてない状態も想定される。このような状態のまま、仮に燃料電池システム50による発電動作が実行されると、燃料電池12から排出され、水分除去器15に送られたオフガスが、第1の水通路配管82を介して外部に放出する可能性もある(もっとも、水通路開閉手段75が適切に閉弁されていれば、この事態は回避できる。)。
このため、燃料電池システム50の運転開始指令がシステムに与えられると、制御装置10は、水位検知手段33から出力される信号に基づき水分除去器15に内在する凝縮水31の水位31fがその閾値を超えているか否かを判定する。
なおここで、凝縮水31の水位31fの閾値とは、水分除去器15の通路30を流れるオフガスを凝縮水31により水封止可能な水位であり、この閾値は第1の水通路配管82と水分除去器15とを接続する箇所に依存して変わる。例えば、第1の水通路配管82と水分除去器15とを接続する箇所が水分除去器15の底面であれば、水分除去器15の底面に凝縮水31が僅かでも張られれば、この状態で凝縮水31の水位31fは閾値に達したと言える。
そして、仮に水分除去器15に内在する凝縮水31の水位がその閾値以下であれば、制御装置10は、燃料電池システム50の発電動作を開始させる前に、第2のポンプP2を作動させて、不純物除去手段74により不純物イオンを除去された純水を一旦、水タンク71に圧送供給させる。
水タンク71の内部が、所定量の純水に満たされると、第2のポンプP2の更なる水供給動作により水タンク71の開口部72から水が溢れて、こうして溢れた水を、水通路開閉手段75を開くことにより第2の水通路配管83および第1の水通路配管82を通って水分除去器15の内部に注入させる。そして、水位31fの閾値を超えたことを水位検知手段33により検知すると、この注入を停止させる。
こうした燃料電池システム50の起動動作によれば、オフガス中の水分を除去する水分除去器15の内部の水枯れという状況を未然に防止して、その内部を確実に密閉可能にできる。そして燃料電池システム50の起動の際に、水分除去器15に内在する凝縮水31の多寡が、水位検知手段33に基づき制御装置10により自動的に検知されたうえで、その検知結果に応じて、第2のポンプP2による水タンク71を介した水分除去器15への水供給動作が自動的に実行され、これにより、燃料電池システム50の起動時間の短縮や起動エネルギーロス低減を図りつつ、燃料電池システム50の起動時に水分除去器15に必要かつ最低限の水量が供給される。
勿論、上記の水位検知手段33に頼ることなく、第2のポンプP2の水供給量、水タンク71の容積、第1および第2の水通路配管82、83の容積、水分除去器15の容積およびこれらの残存水量を事前に求めておけば、理論的には凝縮水タンク73から排出する必要かつ最低限の水量は算出できるが、このような方法は煩雑であり、各数値の誤差もあって実用的ではない。
次に、この燃料電池システム50の発電動作を説明する。
燃料電池システム50の発電期間中には、燃料処理器11の内部温度を約700℃に維持した状態で、原料ガス供給手段19から供給された原料ガスと水タンク71から供給された水(水蒸気)をもとに、燃料処理器11(改質器)の改質反応により水素リッチな燃料ガスが生成される。燃料処理器11から排出された燃料ガスは、燃料電池12のアノード12aに送り込まれる一方、空気ブロア5から送出される空気は、燃料電池12のカソード12cに送り込まれる。
こうして燃料電池12の内部において、燃料ガス(水素ガス)と空気(酸素ガス)を消費して発電が行われる。
その後、燃料電池12の発電によって消費されなかった残余の燃料ガスは、オフガスとして水分除去器15へ送られた後、この水分除去器15によってオフガス中に含有された水分が除去される一方、水分除去器15の内部に凝縮水31が溜められる。
そして、水分除去器15を通過することにより適切に水分除去された乾燥状態のオフガスが、燃焼用燃料ガスとして燃焼用燃料ガス配管40を介して開弁状態のガス配管開閉手段18を通過してバーナ20に送られる。バーナ20では、このオフガスを燃焼ファン21から送風される空気と混合して、この混合ガスを燃焼させることによって高温の燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスの熱は、燃料処理器11の改質触媒体の温度維持の熱源として利用される。
なお、燃料処理器11(改質触媒体)に熱を供与した燃焼ガスは、排気口22を介して大気に放出され、燃料電池12の発電によって消費されなかった残余の空気も大気中に放出される。
ここで、水通路開閉手段75を閉めることにより、水分除去器15の内部と第1の水通路配管82を連通する部分が、凝縮水31による水封と水通路開閉手段75による閉弁から2重にシールされる一方、燃料電池12の発電動作に伴って水分除去器15に時々刻々と溜まり続ける凝縮水31は、水分除去器15の底面に配置された水排出用電磁弁(図示せず)の開閉動作を定期的に反復することによって外部に排出され、これによって凝縮水31が溜まり過ぎて、凝縮水31により燃料ガスの通路30が塞がれることが防止されている。
なお、燃料処理器11および燃料電池12並びに水分除去器15の内圧は、原料ガス供給手段19と燃料処理器11とを連通する圧力検知手段Gから出力される検知信号に基づいて制御装置10により適切に制御されている。
次に、燃料電池システム50の通常のシステム停止の動作を説明する。
燃料電池システム50の運転停止指令がシステムに与えられると、燃料電池12から得られる直流電力を交流電力に変換するインバータ14の電力負荷系統に対する出力が自動的に停止すると共に、空気ブロア13および燃焼ファン21の動作も停止する。同時に、第1のポンプP1の作動が停止され、かつ原料ガス供給手段19のガス供給弁が閉じられて、燃料処理器11に対し、更なる水および原料ガスの供給が停止する。
また、燃料電池システム50のシステム停止直後、燃料電池システム50に残留する未反応の原料ガスの反応が進むことにより、燃料ガスを含む可燃性ガスの体積膨張に起因してバーナ20に流れ込んだ可燃性ガスは、このバーナ20の内部で燃焼処理され、これにより発生した燃焼ガスは、排気口22を介して外部に放出される。
そして、燃料電池システム50のシステム停止から所定の期間経過後、可燃性ガスの体積膨張が止むことにより、可燃性ガスのバーナ20への流入が無くなれば、ガス配管開閉手段18を閉め、これにより、燃料電池システム50のシステム停止動作が正常に完了する。
次に、燃料電池システム50における停電時の非常停止の動作を、図1を参照して説明する。
燃料電池システム50の停電時には、燃料電池12から得られる直流電力を交流電力に変換するインバータ14の電力負荷系統に対する出力が自動的に停止すると共に、空気ブロア13および燃焼ファン21の動作も停止する。この場合、同時に、制御装置10が、何らかの補助電源から給電を受けて原料ガス供給手段19の開閉用電磁弁およびガス配管開閉手段18を速やかに閉弁させてもよいが、このような電磁弁やガス配管開閉手段18は、補助電源を用いることなく自動的に閉弁するように構成されていることが望ましい。
そこで本実施の形態では、ガス配管開閉手段18は、無通電時に燃焼用燃料ガス配管40を閉じるように動作するノーマルクローズ型の開閉用電磁弁で構成されている。これにより、停電時においてガス配管開閉手段18は自動的に閉弁動作して、別途、ガス配管開閉手段18の動作用の補助電源を必要としない。
こうすることで、燃料処理器11並びに燃料電池12のアノード12a並びに水分除去器15の内部並びにこれらを連結する配管の内部に充満する可燃性ガス(燃料ガスやオフガス)は、原料ガス供給手段19とガス配管開閉手段18の閉弁によって確実にそれらの機器の内部に密閉され、この可燃性ガスのバーナ20への拡散を効果的に阻止できる。即ち、燃料電池システム50の非常停止動作によれば、補助電源や不活性ガスを使用することなく、その内部に充満した燃料ガスがバーナ20に向かって拡散し、バーナ20に漏洩した燃料ガスが排気口17からバーナ20に向けて混入する空気と混ざり合ってバーナ20の近傍において異常燃焼を発生するという事態を、ガス配管開閉手段18を閉じることにより簡便かつ確実に防止してバーナ20の近傍の異常燃焼の要因を根本的に解消できる。
ここで燃料電池システム50の内部は密閉された状態に維持され、これにより、燃料電池システム50に残留する未反応の原料ガス反応が進むことにより、燃料ガスを含む可燃性ガスの体積膨張に起因して燃料電池システム50の内部に急激な圧力上昇が引き起される可能性がある。
そこで、このような可燃性ガスの体積膨張によってもたらされる燃料電池システム50の急激な内圧上昇に適切に対応するため、燃料電池システム50の通常の運転の際に、オフガスの封止弁として機能していた第1の水通路配管82が、燃料電池システム50の非常停止の際に、水通路開閉手段75を開いて燃料電池システム50の内圧を外部(大気中)に逃がす安全弁としての役割を果たす。
なおここで、制御装置10が、何らかの水通路開閉手段75を速やかに開弁させてもよいが、この水通路開閉手段75は、補助電源を用いることなく自動的に開弁するように構成されていることが望ましい。
そこで本実施の形態では、水通路開閉手段75は、無通電時に第1の水通路配管82を開くように動作するノーマルオープン型の開閉用電磁弁で構成されている。これにより、停電時において水通路開閉手段75は自動的に開弁動作して、別途、水通路開閉手段75の動作用の補助電源を必要としない。
こうして、水分除去器15の内部に溜まった凝縮水31および第1、第2の水通路配管82、83に内在する配管水は、可燃性ガスの体積膨張に起因する急激な水分除去器15の内圧上昇によって、第3の水通路配管84を通って凝縮水タンク73に噴出する。そうすると、水分除去器15の内部(オフガスの通路30)は、第1〜第3の水通路配管82、83、84および凝縮水タンク73の内部空間並びに排気口22を介して大気に連通する。すなわち第1の水通路配管82は、第2および第3の水通路配管83、84および凝縮水タンク73並びに排気口22と相俟って、圧力逃がし通路として機能する。
よって、燃料処理器11や燃料電池12の内部の可燃性ガス(例えば、オフガス)は、燃料電池12のアノード12aと水分除去器15とを連通する配管を経由して一旦、水分除去器15の内部に流れ、その後は、この可燃性ガスは、図1に示した排気口22の周辺部分60のように、第3の水通路配管84を通って排気口22から大気中に放出させられる。こうして、燃料電池システム50の内部の可燃性ガスの体積膨張に起因した高圧状態が速やかに解消し、その内圧を大気圧レベルにまで迅速に低下させ得る。
同時に、燃焼ファン21(もっとも停電時には補助電源でこの燃焼ファン21を作動させる必要がある。)から送風される空気が、この排気口22に送り込まれており、これにより、可燃性ガスをこの空気により可燃範囲外に希釈させ排出でき好適である。
なおここで、本願発明者等は、上記の第1の水通路配管82の水封止による圧力逃がし機構に替えて、市販の圧力リリーフ弁を水分除去器15の内部に連通する配管の適所に設けてその圧力逃がし効果を検討した。
市販の圧力リリーフ弁には破壊型の圧力リリーフ弁と復帰型の圧力リリーフ弁が存在するが、検討の結果、何れの圧力リリーフ弁も第1の水通路配管82の水封止による圧力逃がし機構の代用品としては機能的に不充分であることが判明した。
破壊型の圧力リリーフ弁では、非常停止毎に破裂板を交換することを要し、かつ燃料電池システム50の保障耐圧(20kPa程度;圧力検知手段Gにより検知)以下の圧力開放可能な破壊型のリリーフ弁が無い。
復帰型の圧力リリーフ弁には、20kPa以下の圧力開放可能なものが有るが、この復帰型の圧力リリーフ弁では、燃料電池システム50の通常運転時の圧力(10kPa程度;圧力検知手段Gにより検知)により水分除去器15の内部を確実にシールさせることが困難であった。即ち、復帰型の圧力リリーフ弁のシール性を充分に確保するには、シール弁座の押圧力を大きくすることが必要である。このため、シール弁座の押荷重やシール弁座の径を可変して、圧力リリーフ弁の開放圧とシール性を検討したところ、上記保障耐圧以下に開放圧力を保ちつつ、適正なガス排出コンダクタンスを確保して水分除去器15の内圧を迅速に下げ得る復帰型の圧力リリーフ弁を見出すことができなかった。
よって、第1の水通路配管82の水封止による圧力逃がし機構が、市販の圧力リリーフ弁に比べ、適正な開放圧力の確保および確実なシール性の保障の点から優れた特性を有すると言える。
(実施の形態1の比較例)
第1の水通路配管82の圧力逃がし効果を確認するために比較例として、水通路開閉手段75を閉め、第1の水通路配管82に圧力逃がし機能を発揮させない状況を意図的に形成するという診断テストを実行した。
この診断テストの結果、未反応の可燃性ガスの体積膨張に起因した燃料電池システム50の内圧が200kPにまで達した。そうすると、燃料電池システム100の各継ぎ手や各シール部等が破損する可能性がある。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2による燃料電池システムの構成例を示したブロック図である。図2において、図1と同じものには同一符号を付して、その説明を省略する。
図2によれば、空気ブロア13から燃料電池12のカソード12cに送出して、カソード12cの内部で消費されなかった残余の空気を大気に放出することなく、この空気を排気口22に導いている。なお、この残余の空気を排気口22に導入することを除いて実施の形態2の構成および動作は、実施の形態1で説明した構成および動作と同じため、両者に共通する構成や動作の説明は省略する。
燃料電池システム50の非常停止の際に、実施の形態1で述べたように、可燃性ガスの体積膨張によってもたらされる燃料電池システム50の急激な内圧上昇に適切に対応するため、燃料処理器11や燃料電池12の内部の可燃性ガスは、燃料電池12のアノード12aと水分除去器15とを連通する配管を経由して一旦、水分除去器15の内部に流れる。その後、この可燃性ガスは、図2に示した排気口22の周辺部分60のように、第3の水通路配管84を通って排気口22から大気中に放出させられる。同時に、燃焼ファン21および空気ブロア13(もっとも停電時には補助電源でこの燃焼ファン21や空気ブロア13を作動させる必要がある。)から送風される空気が、この排気口22に送り込まれ、これにより、この可燃性ガスをこれらの空気により可燃範囲外に希釈させ排出でき好適である。
こうした実施の形態2による燃料電池システム50の非常停止の動作によれば、仮に燃焼ファン21および空気ブロア13の一方が故障しても、可燃性ガスを適正に希釈することが可能である。
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池システムの停電等の不測の事態による非常停止に対して適切かつ迅速な停止動作が行えて、例えば、家庭用の発電システムとして有用である。
本発明の実施の形態1による燃料電池システムの構成例を示したブロック図である。 本発明の実施の形態2による燃料電池システムの構成例を示したブロック図である。 従来の燃料電池システムの構成例を示したブロック図である。
符号の説明
10 制御装置
11 燃料処理器
12 燃料電池
12a 燃料電池のアノード
12c 燃料電池のカソード
13 空気ブロア
14 インバータ
15 水分除去器
20 バーナ
21 燃焼ファン
22 排気口
30 オフガスの通路
31 凝縮水
31u 凝縮水の水位の上限
31f 凝縮水の水位
33 水位検知手段
40 燃焼用燃料ガス配管
50 燃料電池システム
60 排気口の周辺部分
71 水タンク
72 開口部
73 凝縮水
74 不純物除去手段
75 水通路開閉手段
76 開閉弁
81 水配管
82 第1の水通路配管
83 第2の水通路配管
84 第3の水通路配管
85 第4の水通路配管

Claims (10)

  1. 原料ガスおよび水蒸気から水素リッチガスを生成する燃料処理器と、
    前記水素リッチガスを用いて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された前記水素リッチガスを含むオフガスを燃焼することにより前記燃料処理器に熱を供給する熱供給手段と、
    前記熱供給手段に供給する前記オフガスから水分を除去し、かつ除去された前記水分からなる水を溜める水分除去器と、
    前記熱供給手段と前記水分除去器との間の前記オフガスの流路を開閉可能に構成され、かつ無通電時に前記流路を閉じるように動作するノーマルクローズ型の第1の開閉手段と、
    開口部を有し、内部に溜まった水を、前記開口部を介して外部に排出可能であるとともに、水素リッチガスの生成に利用される水蒸気源である水タンクと、
    前記水分除去器と前記開口部との間を連通する第1の通路を開閉可能に構成された第2の開閉手段と、
    前記水分除去器に溜まった水の水位を検知する水位検知手段と、
    前記水タンクに水を供給する水供給手段と、
    制御装置と、
    を備え、
    前記開口部から排出された水が前記水分除去器に流入するように、前記開口部は前記水分除去器と連通し、前記制御装置は、前記水位検知手段から得られた水位が所定の閾値以下であれば、前記第2の開閉手段を開き、前記水位が前記閾値を超えるまで、前記水供給手段を駆動させ、その後、前記燃料電池による発電が開始される燃料電池システム。
  2. 前記第1の通路は、前記開口部と前記第2の開閉手段との間で上下方向に延びる上下延在部を有する請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記水分除去器から排出された水を導く凝縮水タンクと、
    水中に含有される不純物を除去する不純物除去手段と、を備え、
    前記制御装置は、前記水供給手段を駆動させることにより、前記凝縮水タンクに溜まった水を、前記不純物除去手段を通過させた後、前記水タンクに供給させる請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 前記熱供給手段による前記オフガスの燃焼から発生した燃焼ガスを、大気に放出するための排気口と、
    前記上下延在部の途中と連通して、前記排気口を介して大気に開放されるように構成された第2の通路と、
    を備えた請求項記載の燃料電池システム。
  5. 前記第2の通路は、前記上下延在部の途中から水平方向に延びた部分を有する請求項記載の燃料電池システム。
  6. 前記水分除去器から排出された前記水を導く凝縮水タンクを備え、
    前記第2の通路は、前記水平方向に延びた部分から前記凝縮水タンクに向けて下方に傾斜するように構成されている請求項記載の燃料電池システム。
  7. 前記第2の開閉手段は、無通電時に開弁するノーマルオープン型の電磁弁である請求項乃至の何れかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池は、前記水素リッチガスと酸化剤ガスを用いて発電するものであり
    前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤供給手段を備え、
    前記酸化剤供給手段により前記燃料電池に供給され、前記燃料電池の内部で消費されずに外部に排出された酸化剤ガスが、前記排気口に導かれる請求項乃至の何れかに記載の燃料電池システム。
  9. 請求項1乃至の何れかに記載の燃料電池システムの運転方法であって、
    前記水分除去器に前記水タンクの前記開口部から所定量の水が溢れ出た後、前記燃料電池による発電が開始される燃料電池システムの運転方法。
  10. 前記制御装置が、前記水供給手段を駆動させることにより前記水タンクにある水が前記開口部から溢れ出る請求項記載の燃料電池システムの運転方法。
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