JP4949379B2 - プロセス制御ループ電流検査装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工業プロセスに使用されるタイプのプロセス装置に関する。より詳細には本発明は、プロセス制御ループ内の電流を制御する伝送器などの装置に関する。
プロセスコントローラ、モニタ、伝送器などのフィールド装置は、プロセス制御産業においてプロセス変数を遠隔で制御、監視または検知するために使用される。例えば、プロセス変数は、プロセスの制御に使用するために、あるいはプロセス運転に関する情報をコントローラに与えるために伝送器によって制御室に伝送される。例えば、プロセス流体の圧力に関連する情報が、石油精製などのプロセスを制御するために、制御室に伝送され使用される。
情報を伝送するための1つの典型的な従来技術の技法が、プロセス制御ループに流れる電流を制御するというものである。制御室内などの場所にある電流源から電流が供給され、伝送器が、フィールドでその遠隔場所からループ内に流れる電流を制御する。例えば、ゼロ読取値を示すために4mAの信号を使用することができ、フルスケール読取値を示すために20mAの信号を使用することができる。最近になって、伝送器は、プロセス制御ループを流れるアナログ電流信号に重畳されたデジタル信号を用いて制御室と通信するデジタル回路を使用するようになった。そのような技法の一例が、ローズマウント社(Rosemount Inc.)によって開発されたHART(登録商標)通信プロトコルである。HART(登録商標)および他のそのようなプロトコルは典型的に、伝送器制御や呼びかけ信号などの所望の応答を引き出すために伝送器に送られる1組のコマンドまたは命令を含む。
アナログループ電流がプロセス変数などの情報を表すために使用される場合、ループ電流が設定されうる精度は、伝送されたプロセス変数の精度に対する限定因子となる。制御されるループ電流は、ドリフトの影響を受けやすい可能性がある。言い換えれば、電流を制御する電気部品は時間が経つにつれて劣化する傾向があるので、制御されるループ電流の値は、経時的に変化する可能性がある。
プロセス装置が、2線プロセス制御ループに結合するように構成される。ループ電流出力回路が、2線プロセス制御ループに出力電流を印加するように構成される。ループ電流検査回路が、2線プロセス制御ループに結合され、かつ印加された出力電流の誤差を検出するように構成される。ループ電流検査回路の少なくとも一部分は、ループ電流出力回路から独立している。
本発明は、プロセス装置によってプロセス制御ループに印加された電流が目標値に設定されていることを検査するためのアナログループ電流検査技法を提供する。印加電流出力レベルの誤差を検出するためにループ電流検査回路が使用される。ループ電流検査回路の少なくとも一部分は、プロセス制御ループに対してループ電流を設定するために使用される回路から独立している。これにより、プロセス制御ループ電流の独立した(または冗長な)検査が可能となる。本発明は、プロセス制御ループ内の電流を制御するために用いられ、本明細書で説明される例示的なプロセス装置に限定されない任意のプロセス装置において実施されうる。例えば、本明細書に記載されている1つのプロセス装置は、プロセス変数を検知するセンサを含む伝送器である。この伝送器は、検知されたプロセス変数を表すアナログ値に対して、プロセス制御ループに流れる電流を制御する。しかし、本発明の様々な態様を実施するためにプロセス装置がプロセス変数を検知する必要はない。ループ電流検査の結果に基づいて、警報信号の送信、所望されるようなループ電流の調整などの様々なステップを取ることができる。そのようなステップの例が、PROCESS DEVICE WITH LOOP OVERRIDEという名称の2003年12月11日に出願された米国特許出願第10/733558号に記載されている。
図1は、プロセス配管16に連結された伝送器12を含むプロセス制御システム10の図である。伝送器12は、FOUNDATION(登録商標)フィールドバス(Fieldbus)規格、プロフィバス(Profibus)規格、またはHART(登録商標)規格に従って動作する2線プロセス制御ループ18に結合される。しかし、本発明は、これらの規格や2線構成に限定されない。2線プロセス制御ループ18は、伝送器12と制御室20の間に布設されている。ループ18がHART(登録商標)プロトコルに従って動作する実施形態では、ループ18は、検知されたプロセス変数を表す電流Iを流す。さらに、HART(登録商標)プロトコルにより、デジタル情報が伝送器12に送信されるかまたはそれから受信されるように、ループ18を流れる電流にデジタル信号を重畳することができる。
図2は、中に保持されている回路ブロックの一構成例を示す、伝送器12の斜視図である。この実施形態では、伝送器12は、検知モジュール42に結合する機能モジュール(feature module)40を含む。検知モジュール42は、マニホルドプロセスカップリング(manifold process cupling)44を介してプロセス配管16(図1参照)に結合する。
機能モジュール40は、検知モジュール42内に保持された検知モジュール電子回路52に結合している機能モジュール電子回路50を含む。典型的には、検知モジュール電子回路52は、プロセス変数センサ、例えば図1に示されているセンサ21に結合しており、プロセス変数センサは、プロセスの運転に関連するプロセス変数を検知するために使用される。機能モジュール電子回路50は、ループ電流出力回路60およびループ電流検査回路64を含む。この回路64は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその2つのハイブリッド組合せの形で実装されうるとともに、伝送器12内のどの場所にも配置されうる。回路64の少なくとも1つの構成要素または機能は、回路64の回路から少なくとも部分的に分離または独立している。
運転の間、ループ電流出力回路60は、例えば測定されたプロセス変数を表すために、ループ18に流れる電流Iの値を制御する。これは、工業プロセスの運転を監視または制御するために使用される。いくつかの応用例では、出力回路60は、伝送器12内の回路に、ループ18を通じて受け取った電力を用いて生成された電力を提供するためにも使用される。安全度水準(SIL)認定を取得するためなどのいくつかの応用では、伝送器12は、一定の信頼性基準を満たす必要がある。例えば、故障または差し迫った故障のときにプロセスを確実に停止するために、ある認定では、伝送器12内の構成要素のうちのいくつかが故障していても安全に停止できるように、警報信号が適切に送られる必要がある。ループ電流検査回路64は、そのような構成に適用することができる。
図3は、伝送器12の簡略ブロック図である。図3に示されているように、伝送器12は、プロセス変数センサ21に結合している測定回路70を含む。回路70は、図2に示されているセンサモジュール回路52に含まれる。出力段72は、測定回路70に接続されており、プロセス制御ループ18を通じて情報を送る(いくつかの実施形態では受け取る)ように構成されている。出力段72は、出力回路60を含む。しかし、回路60は、他の実施形態に従って構成されうる。測定回路70は、センサ21によって検知されたプロセス変数の初期処理を行うように構成されている。測定回路70の実装は、マイクロプロセッサを含むことが多い。マイクロプロセッサはまた、伝送器12の他の回路機能を実行するためにも使用される。
通常運転の間、センサ21によって検知されたプロセス変数は、出力回路60を使用して、プロセス制御ループ18を通じて伝送するためのアナログループ電流に変換される。ループ電流検査回路64は、出力回路60に直列、並列または直並列に接続されてもよく、あるいは回路60に含まれてもよい。他の構成が使用されてもよい。
ループ電流検査回路64は、ループ電流出力回路60で使用される構成要素から部分的に独立しているかまたは独立している少なくとも1つの構成要素を含む。ループ電流検査回路64は、ループ18に流れる電流Iを予め定められた目標値と比較し、その比較に関連する比較出力67を応答可能に提供する。例えば、出力67は、ループ電流Iがその目標値の所定のまたは調整可能な閾値の外にある場合に生成される。これらの比較は、固定差異(fixed discrepancy)に基づくか、あるいは比率差異(percentage discrepancy)または出力電流Iの目標値との他の関係に基づいて行うことができる。さらに、出力67は、所望の出力ループ電流に対する実際の出力ループ電流Iの絶対的または相対的な誤差量の示度とすることができる。
ループ電流検査回路64がループ電流Iをループ電流の目標値と比較するためには、回路64は、この目標値に関連する情報を有していなければならない。これは、例えば、ループ電流検査回路64にこの目標レベルに関連する情報を与える測定回路70または伝送器12内の他の回路に接続することによるものでもよい。他の例では、伝送器12は、ループ18を流れるループ電流Iが1つ以上の所定のループ電流またはループ電流のパターンに設定されている試験モードに入ることができる。この試験モードの間、ループ電流検査回路64は、ループ18に流れる実際のループ電流を所望のループ電流と比較することができる。この比較に基づいて、適切な出力、例えばHARTによるアナログ警報またはデジタル値を与えることができる。他の例では、(実際のループ電流と目標のループ電流との)差異が、差異値の液晶表示器などのローカルディスプレイによって報知されうるか、あるいはHART要求に応答したデジタル値として伝送されうる。差異が特定の閾値または他の基準を超えた場合、この情報は、ローカルエラーメッセージを表示すること、HART要求に応答してデジタルエラーメッセージを伝送すること、デジタルエラーメッセージをHARTバーストモードで伝送すること(追加ステータス)、アナログ警報を与えること、または制御ループにアナログパターン出力を提供することによって報知される。デジタル−アナログ変換器に送られた値を修正して差異値を補償するために、出力補正が使用される。自動較正ルーチンも起動される。他の構成では、例えば差異が閾値を超えた場合に診断用出力が提供される。その差異は、例えば視覚表示器または接点入力によって報知されることができる。診断用HART4〜20mA出力などの他の伝送器構成も使用されうる。例えば、出力モードが切り換えられてもよく、診断用出力がアナログループに提供されてもよい。無線機能を含むような他の伝送器構成では、無線応答が、要求に応答して送られるか、または伝送器によって起動される。
図4は、ループ電流検査回路64の一実施形態を示す簡略ブロック図である。図4では、比較器74が、ループ電流Iに直列接続された抵抗器76の両端間の電圧降下を検知するために使用される。比較器74は、「基準」入力によって設定された所定の誤差レベルを超えるループ電流の変動を検出しかつ出力信号を応答可能に提供するように構成されている。比較器74は、例えば誤差閾値の上限、下限を超える電流変動を検出するために、複数の比較器を含むことができる。比較器74に対する基準入力は、マイクロプロセッサ制御を含む適切な手段、例えば抵抗器はしご形回路網、ダイオード、または他の技術を用いて生成されうる。例えば、この基準は、デジタル−アナログ変換器を用いて設定されることができる。
図5は、ループ電流検査回路64が抵抗器76の両端間に接続されたアナログ−デジタル変換器80を用いて形成されている、本発明の他の実施形態を示す簡略図である。上述のように、抵抗器76は、その両端間の電圧降下がループ電流Iを表すように、ループ18に直列結合される。アナログ−デジタル変換器80からの出力は、例えば図6に示されているマイクロコントローラ92に結合することができる。マイクロプロセッサは、デジタル化されたループ電流値をメモリに保存されている閾値と比較し、その比較に基づいて出力を応答可能に提供する。他の例では、マイクロプロセッサは、デジタル化されたループ電流値を期待ループ電流値と比較することができる。例えば、期待ループ電流値は、ループ電流が、検知されたプロセス変数の特定の値に対して設定されるべき値とすることができる。検知されたループ電流値が、期待ループ電流値から所定の量、例えば1%よりも大きく変動した場合、マイクロプロセッサは、ループ電流を検査できないことを示すことができる。マイクロプロセッサは、電流検査回路64の一部と見なされてもよい。
図6は、伝送器12内の回路の一例をより詳細に示すブロック図である。図6には、シャントレギュレータ82およびループフィードバック抵抗器76を介して2線プロセス制御ループ18に結合されている機能モジュール電子回路50が示されている。電力調整器86は、センサモジュール電子回路52に結合している。センサモジュール電子回路52は、プロセス変数センサ88を介してプロセスにも結合されて示されている。
ループ電流検査回路64は、デジタル−アナログ(D/A)変換器93およびアナログ−デジタル(A/D)変換器74に結合しているマイクロコントローラ92内に部分的に実装されうる。(「マイクロコントローラ」、「マイクロプロセッサ」および「プロセッサ」は、本明細書において同義的に用いられることに留意されたい。)アナログ−デジタル変換器74は、ループ電流を測定するように構成され、ループ電流検査回路64の機能を実行することもできる。
運転の間、マイクロコントローラ92は、D/A93およびシャントレギュレータ82を用いて、ループ18に流れる電流Iとその電流上の変調されたデジタルデータとを制御するように構成される。アナログ−デジタル変換器74は、ループ18に流れる電流Iを表す出力を提供する。マイクロコントローラ92は、警報状態を検出する際に用いられる1つ以上の閾値または他の電流関係を記憶することができるメモリ99を含む。測定されたループ電流を、メモリ99に保存された閾値と、または検知されたプロセス変数に基づいたループ電流の期待値と定期的に比較することにより、マイクロコントローラ92は、誤差が生じているかどうかを判断することができる。
本発明では、フィールド装置には、ループ電流を正確に読み取りそれを設定値または期待値と比較することによりアナログ出力の変化を検出する技法が提供される。フィールド装置は、測定値を期待値と比較することにより、例えば構成要素のドリフトによる経時的なループ電流の変化を検出することができる。測定電流と期待電流との間に過大な差異が検出された場合、メンテナンスが必要であることを示す出力が、例えばループ18に提供される。そのような状況では、伝送器は(手動でまたは自動的に)再較正され、ループ電流検査回路は、後続の誤差検出に使用される。他の例では、例えば、アナログ電流ループの健全性を求めるために、図1に示されているようなデジタルコミュニケータ26によって、定期的な照会を行うことができる。応答が実質的ドリフト誤差のないことを示した場合、オペレータは、装置が適切に動作しており点検が必要ないと判断することができる。これは、メンテナンス周期、メンテナンスコスト、伝送器の点検に費やされる時間、および、不必要なメンテナンスのために誤差が導入されるという可能性を低減する。他の例では、本発明は、デジタル通信システムにおいて、かかる設備のループ電流を監視することによって使用される。ループ電流は期待電流に関連付けられ、その結果はデジタルで伝達される。
一構成では、精密基準が使用され、マイクロコントローラ92は、伝送器12の自己較正のために構成される。例えば、マイクロコントローラは、ループ電流を、それが基準ループ電流と整合するように調整することができる。そのような絶対基準との比較では、ループ電流の両端の終点で測定される必要なしに、ループ電流を補正するための数学的な補正または式が使用される。
上記の説明は、ループ電流検査回路を実施するための様々な例の技術を提供する。図7は、電流検査回路を実施しかつドリフト出力102を提供するための伝送器100の電子回路をいくぶん詳細に示す第1の実施形態を示す。ドリフト出力102は、比較器104、106によって生成される。比較器104、106は、ライン108上の加算ノード電圧と、感知抵抗器110から導出されたライン111上の電圧との差異を検知する。感知抵抗器110は、ループ電流I LOOPを流すことにより、小さな三角形のシンボルで示されている共通帰線(「DCコモン」)に対する電圧VSENSEを生成する。比較器104、106は、正電圧レール112および共通帰線(「DCコモン」)114によって電力供給され、それらの間で動作する。比較器104および106が適切に動作するためには、ライン108、111上の2つの比較される電圧は共に、正電圧レールと共通帰線の間にある電圧を有していなければならない。
しかし、感知抵抗器110で生成される電圧VSENSEは、共通帰線114に対して負であり、したがって比較器104、106の動作範囲外である。ライン111上に動作範囲内の電圧を与えるために、抵抗分圧器網を構成している抵抗器(R1)120および抵抗器(R2)122は、電圧VSENSEとライン124の+3V電源電圧との間に直列接続される。抵抗分圧器網は、ライン111の電圧が動作範囲内になるように、ライン111の電圧を「引き上げる(pull up)」ように働く。ライン111は、抵抗器120および122の間のノードに接続され、ライン111に正の電圧を提供する。ライン111に現れる電圧は、VSENSEに機能的に依存する。
ライン111に現れる電圧変化はまた、比較的低振幅の変化を有し、例として、25オームの感知抵抗器RSENSEを流れる4〜20ミリアンペアのループ電流変化に対して約270ミリボルトの変化範囲にある。図7の構成では、ループ電流(Iloop)は、測定されたプロセス変数に比例して増減する出力である。この出力は、センサ入力から計算され、マイクロプロセッサシステムにおいて、温度の影響に対して増減されて補償される。次いで、補償された値は、デジタル−アナログ変換器および関連回路を用いて、Iloop値を生成するために使用される。基準D1は、正確な値を加算ノードに提供するために、デジタル−アナログ変換器によって使用され、加算ノードは、制御信号を電流ループ内の通過素子Q1に提供するために使用される。加算ノードの電圧もIloop値に比例するので、この電圧は、ループ電流出力の精度を決定するために測定される。
比較回路104および106の使用により、Iloopの上下限に対する簡単な合否表示器が形成される。基準電圧は、3V電源と負端子の間に接続された抵抗分圧器R1およびR2から生じる。この電圧は、ループ電流Iloopに比例する、Rsense(110)の両端間の降下を含む。3V電源は、デジタル−アナログ変換器回路によって使用される基準から独立している基準D2を用いて作られる。R1およびR2は、加算ノードおよびループ電流出力に比例する電圧を提供するように決定されている。
回路内のドリフトは、加算ノードとR1およびR2で生じた電圧との電圧差によって示される。次いで、各比較器は、ドリフトの方向を示す。ループ出力がハイにドリフトした場合、比較器106は高出力を示す。ループ出力がローにドリフトした場合、比較器104は高出力を示す。比較器の出力(102)をマイクロプロセッサにフィードバックすることができ、したがって、表示をユーザに送ることができる。
図7Aに示されている他の例の概略図では、アナログ−デジタル変換器回路131が使用される。この構成では、ループ電流(Iloop)は、測定されたプロセス変数に比例するスケール出力である。この出力は、センサ入力から計算され、マイクロプロセッサシステムにおいて、温度の影響に対して増減されて補償される。次いで、補償された値は、デジタル−アナログ変換器および関連回路を用いて、Iloop値を生成するために使用される。基準D1は、正確な値を加算ノードに提供するためにデジタル−アナログ変換器によって使用され、加算ノードは、制御信号を電流ループ内の通過素子Q1に提供するために使用される。RsenseはIloopと直列であり、したがって、抵抗器両端間の電圧はループ電流に比例する。この電圧は、A/D変換器を用いてドリフトを検出するために測定される。このA/D変換器は、デジタル−アナログ変換器の出力によって使用される基準から独立している基準D3を使用する。次いで、このループ電流検査値は、マイクロプロセッサ回路にフィードバックされ、そこで期待Iloop値と比較される。
ループ電流出力回路は工場で較正される。ループ電流検査回路も同時に較正される。さらに、ループ電流は、インストールプロセスの一部としてエンドユーザによって再度較正される。ループ電流検査も、出力値と測定値との誤差を低減するために同時に較正される。
装置が取り付けられた後、ループ電流測定値とループ電流期待値とは、連続的または定期的に比較される。Iloop出力を確立するために使用される回路内で基準または構成要素のドリフトがあれば、このドリフトは、ループ電流の期待値と測定値との差異で示される。このドリフトは、状態ビットによって、または警報状態に移行することによってエンドユーザに示される。
図7Bは、他の例の構成である。この構成は、図7Aの構成に類似している。この構成は、基準電圧をA/D変換器の入力に切り換える能力を含み、したがって、Iloop出力を較正するために使用されることができる。Iloop出力が較正されるとき、追加のA/D読取りが、独立した電圧基準(D4)の両端間で行われる。これは、Iloop出力の生成に使用されていない回路の一部で使用される電圧基準、またはこの目的のために特に配置された電圧基準とすることができる。次いで、このループ電流測定値は、独立した電圧基準値と比較される。スケールオフセット値およびスケール利得値が、ループ電流測定値に対して計算される。これは、簡単なa=mx+bで計算することができ、あるいは直線性および温度補償を含むより複雑な計算を含むこともできる。これらのスケールファクタにより、任意のIloop出力を独立電圧基準読取値と比較できるようになる。元の電圧基準読取値およびスケールファクタは、将来の計算に使用されるようにするために、EEPROMなどの不揮発性メモリに保存される。電流ループが較正されるときはいつでも計算は更新されて、新たなオフセット計算および利得計算が可能になる。
装置が取り付けられた後、Iloop測定値とループ電流期待値とは、連続的にまたは時々比較される。さらに、独立基準値が測定され、その初期保存値と比較される。
最後に測定された独立電圧基準読取値と元の独立電圧基準値との差異は、A/D変換器用基準または独立基準のドリフトを示す。この場合、ループ電流の較正が必要であるという指示がエンドユーザに与えられる。較正の間、新たなオフセット値および利得値を与えて較正が更新される。
Iloop期待値とループ電流測定値との差異は、アナログ出力回路内で使用される構成要素のうちのいくつかのドリフトまたはIloop測定用基準のドリフトを示す。独立電圧基準読取値が、メモリに保存されている元の値から変化していないことを示している場合には、ドリフトは、装置を運転休止することなく自動的に補償されることができる。測定されたループ電流値と期待ループ電流値との差異(デルタ)は、Iloop値を設定するために使用されるオフセット値および利得値を変更することによって調整されることができる。出力を設定するために新たな値が使用されると、その変化を検査するためにループ電流測定値が使用される。
図8〜14に関連して以下に説明する実施形態では、ループ電流検査についての説明がさらになされる。検知電圧は、反転増幅器入力部に接続され、増幅出力は正であり、共通帰線と正の電源電圧との間にある。反転増幅器の使用は、検知電圧を抵抗分圧器経由で正のレールに接続するのを妨げる。増幅器出力は、例えば25オームの感知抵抗器RSENSEに流れる4〜20ミリアンペアのループ電流変化に対して800ミリボルトの変化範囲の増幅電圧変化を引き起こす。
図8は、ドリフト出力202を提供する回路200の一実施形態を示す。回路200は、プラス端子204と、マイナス端子206と、三角形のシンボルで示されている共通帰線208とを含む。回路200は、プロセス変数伝送器の一部分であることが好ましい。プラス端子204およびマイナス端子206は、励起源210および出力装置212を有する制御ループの形で接続するためにアクセス可能である。励起源210は、直流電源であることが好ましく、出力装置212は、入力抵抗として概略的に表される制御システムの入力であることが好ましい。制御ループは、好ましくは4〜20ミリアンペアのアナログ電流であるループ電流(I LOOP)214を流す。ループ電流214は、回路200に電気励起のすべて(全電力)を供給することが好ましい。共通帰線208は、回路200の外部に接続するための、アクセスできない直流共通導体であることが好ましい。
回路200はまた、ループ電流214をプラス端子204から共通帰線208まで導通するプロセス変数変換器216も含む。ループ電流214は、変換器回路216に電力を供給する。プロセス変数変換器はまた、正の電源電圧224を提供する。変換器回路216は、プロセス変数218を感知するとともに、ループ電流214の大きさをプロセス変数218の大きさの関数として制御することが好ましい。変換器216はまた、好ましくはループ電流214の実際の大きさを示すフィードバックを受け取るために有用な電圧感知入力部である感知入力部220を含む。
回路200は、ループ電流214を共通帰線208からマイナス端子206まで導通する感知抵抗(RSENSE)226を含む。感知抵抗226は、非常に安定しておりかつ殆どドリフトしない約25オームの抵抗値を有することが好ましい。共通帰線208は、ループ電流214のほぼすべてが感知抵抗226を通過するように、プロセス変数変換器216を通過するループ電流214のほぼすべてを集結する。検知抵抗226は、マイナス端子206にループ電流を表す感知電圧を生成する。
回路200はまた、マイナス端子206に結合された信号入力232を有する増幅器230も含む。信号入力232は、共通帰線208に対して負電圧を有する。増幅器230は、フィードバックを行うために、感知入力部220に結合する増幅出力234を有する。増幅器230は、負の増幅器信号入力232に応答して正の増幅器出力234を提供する反転増幅器であることが好ましい。増幅器230は、増幅出力234へ増大された信号レベルを供給するために、例えばマイナス2の利得を有することが好ましい。増幅出力234は、ループ電流が2.8〜28.0ミリアンペアの範囲であるとき、共通帰線に対して正である。公称4〜20mAのループ電流範囲は、このより広い範囲に含まれる。
プロセス変数変換器216は、プロセス変数218に基づいたループ電流214の目標値と、プロセス変数変換器の感知入力部220に印加される、感知抵抗器226および増幅器230からのフィードバックに基づいたループ電流214の実際値との差異を示すドリフト出力202を提供する。プロセス変数変換器は、この差異を計算するために使用されるマイクロプロセッサまたはASICを含むことが好ましい。ドリフト出力202は、伝送器内の回路200と一体に取り付けられた液晶表示器に表示される。
回路200は、プロセス変数伝送器を形成するために、ハウジング(図示せず)内に収納されることが好ましい。圧力伝送器、流量伝送器、温度伝送器、他の既知のタイプの伝送器などのプロセス変数伝送器が、回路200を用いて構成される。
図9は、ドリフト出力を有する回路300の他の実施形態を示す。図9に示されている回路300は、図8に示されている回路200と類似している。図8に使用されている参照番号と同じである図9に使用されている参照番号は、同じまたは類似の特徴を特定する。
図9では、共通帰線208は、三角形のシンボルで示されているように、増幅器230および変換器216に結合されている。プロセス変数変換器216は、増幅器230に結合する正の電源電圧(+V)302を生成する。
図9では、増幅器230は、信号入力232に結合された入力抵抗器304を含む。入力抵抗器304は、信号入力232への電流漏洩量を低減するために、感知抵抗226の少なくとも1000倍の抵抗であることが好ましい。例として、入力抵抗器304は100,000オームであり、感知抵抗226は25オームである。増幅器230はまた、入力抵抗器304に結合された反転(−)増幅器入力を有する演算増幅器306も含む。演算増幅器306はまた、共通帰線208に直接またはインピーダンス(図示せず)を介して結合された非反転(+)入力も有する。増幅器230はまた、演算増幅器306の増幅出力234と反転入力との間に結合された帰還抵抗器308も含む。演算増幅器306は、抵抗器308、304で形成された抵抗分圧器網によって設定された正確なより低い利得に限定される大きな開ループ電圧利得を有する。例として、抵抗器308は、−2の利得を与えるために、抵抗器304の抵抗の2倍の抵抗を有することが好ましい。感知抵抗器226、入力抵抗器304および帰還抵抗器308はすべて、無視できるドリフト特性を有する安定した受動素子である。
図9では、プロセス変数変換器216は、プロセス変数218を感知するセンサ330と、センサ330に電力を供給しかつ使用可能な形のプロセス変数出力333をマイクロプロセッサシステム334に提供するセンサ回路332とを含む。マイクロプロセッサシステム334は、ループ電流214を制御するために、デジタル値を、ダーリントントランジスタ338に供給されるアナログ電流に変換するデジタル−アナログ変換器336にデジタル値「N」を提供する。4mA未満の電流量が、変換器216の電力のために使用され、ダーリントントランジスタ338は、全電流を、プロセス変数218を表す4〜20mAの目標値に引き上げるために必要な追加の電流量を導通する。
プロセス変数変換器216はまた、感知入力部220での増幅出力を、ループ電流の実際の大きさを表すデジタル値「M」に変換するアナログ−デジタル変換器340も含む。このアナログ−デジタル変換器340は、図14に示されている例に関連して下記により詳細に説明するように、安定した高精度電圧基準を含み、したがって、回路300は技術者の注意なしにそれ自体の較正調整を行うことができることが好ましい。デジタル値「M」は、図示されているように、マイクロプロセッサシステム334に結合される。マイクロプロセッサシステム334は、数値「M」と数値「N」とを比較して、所望のループ電流と実際のループ電流との差異を表すドリフト出力203を生成する。このドリフト出力203は、ループ電流214に重畳されるデジタル信号である。ドリフト出力は、HARTプロトコルなどの標準化されたフォーマットであることが好ましい。
回路300は、HARTプロトコル通信に関連して説明されるが、フィールドバス、CAN、プロフィバスなどの他の既知の通信プロトコルがHARTプロトコルの代わりに使用されうることが、当業者によって理解されるであろう。
図10は、ドリフト出力413を有する回路400の他の実施形態を示す。回路400は、プラス端子404、マイナス端子406および共通帰線408を含む。
回路400はまた、ループ電流414をプラス端子404から共通帰線408まで導通するプロセス変数変換器416も含む。感知抵抗器426は、ループ電流414を共通帰線408からマイナス端子406まで導通する。
帰還回路430は、マイナス端子406での電圧を感知し、増幅された帰還電圧434をプロセス変数変換器416の感知入力部420にフィードバックする。増幅された帰還電圧434は、実際のループ電流414の大きさを表す。帰還回路430は、増幅された帰還出力434がプロセス変数変換器416によって処理されうる値の範囲となるように、レベルシフトおよび増幅を行う。
プロセス変数変換器416は、ループ電流デジタル値「N」をプロセス変数の関数として提供するとともに、ループ電流設定値「N」と実際のループ電流の表示「M」との差異を示すドリフト出力413を提供する。表示「M」は、アナログ−デジタル変換器440から得られる。アナログ−デジタル変換器440は、増幅された帰還電圧434を感知する。プロセッサ452内の比較器450は、数値「M」と数値「N」とをデジタル的に比較し、ドリフト出力413を生成する。ドリフト出力413は、ドリフトに対して小さな補正を行うために、プロセッサ452によって表示されるか、遠隔場所に伝送されるか、または内部で使用される。
本発明は、ループ電流のスケール表示である電圧(VSENSE)を作り出す抵抗器(RSENSE)をベースとするループ電流検査回路について説明している。当業者には、ループ電流を読み取る他の方法が可能である。例としては、カレントミラー回路やホイートストンブリッジ/ヌリング(nulling)回路があるが、それらに限定されない。
図11は、4〜20ミリアンペア出力およびドリフト出力を較正するための較正装置500を示す。回路502は、この回路から延びる制御ループ506に流れる電流(I LOOP)504を制御する。制御ループ506は、直流電源508と、技術者が読み取ることができる電流表示器512に接続された抵抗負荷510とを含む。コミュニケータ514が、リード線516、518によって制御ループ506に接続される。コミュニケータ514は、HARTプロトコルを用いて回路502と通信するローズマウント(Rosemount)のモデル275/375コミュニケータであり、回路502に保存されているトリム値N4、N20、M4およびM20を調整するためのファームウェアを含むことが好ましい。コミュニケータ514は、選択されたトリム値を必要に応じて上下に調整するためのキーパッドを含む。回路502は、HART通信プロトコルを用いてドリフト出力を伝送し、コミュニケータ514は、ドリフト出力を受け取り、コミュニケータ514の一部である表示部にそれを表示する。
図11に示されている装置は、図12および13に関連して以下に説明するように、回路502に保存されたトリム値N4、N20、M4、M20を調整するために使用されうる。
図12は、回路出力およびドリフト出力を較正するためのフローチャートを示す。
ループに電力が供給された後、回路502(図11)は、602において4mA電流の較正のためにコミュニケータ514によって設定される。技術者は、電流表示器512を観測し、608において電流表示器が4.000ミリアンペアを示すまで、必要に応じて、606でコミュニケータ514のキーパッドを用いてトリム値N4を上下に調整またはトリムする。
次に、技術者は、610においてコミュニケータにドリフト出力を表示するように、キーパッドを用いてコミュニケータ514を調整する。ドリフト出力がゼロであれば、M4の調整は不要である。ドリフト出力がゼロ以外であれば、技術者は、回路502が修理を要するほどドリフト出力値が大きいかどうかを判断することができる。ドリフト出力がゼロ以外でありかつ狭い正常なドリフト範囲内であれば、技術者は、614において表示されているドリフトがゼロになるように、612においてキーパッドを用いてM4を調整することができる。
技術者は、618において回路を20mAのループ電流に較正するために、キーパッドを用いてコミュニケータを調整する。技術者は、電流表示器512を観測し、622において電流表示器が20.000ミリアンペアを示すまで、必要に応じて、620においてコミュニケータ514のキーパッドを用いてトリム値N20を上下に調整またはトリムする。
次に、技術者は、624において20mA電流に対するドリフト出力を表示するように、キーパッドを用いてコミュニケータ514を調整する。ドリフト出力がゼロであれば、M20の調整は不要である。ドリフト出力がゼロ以外であれば、技術者は、回路502が修理を要するほどドリフト出力値が大きいかどうかを判断することができる。ドリフト出力がゼロ以外でありかつ狭い正常なドリフト範囲内であれば、技術者は、628において表示されているドリフトがゼロになるように、626においてキーパッドを用いてM20を調整することができる。
技術者は、630においてコミュニケータ514のキーパッドを用いて回路502を較正モードからサービスモードに変更する。次いで、技術者は、制御ループ506(図11)をサービス状態に戻すことができる。
図13は、図12に関連して上述したように較正が完了した後の、回路502の出力の較正のグラフ700である。図13において、縦軸702は、図9内のD/A変換器336などのD/A変換器に印加されるデジタル値すなわちカウントNを示す。横軸704は、ミリアンペアのループ電流を示す。直線706は、較正が完了した後の、カウントNの関数としてのループ電流を示す。ポイント708に示されているように、カウントN4は、N=N4のときに、ループ電流が4.000ミリアンペアになるように調整されている。ポイント710に示されているように、カウントN20は、N=N20のときに、ループ電流が20.000ミリアンペアになるように調整されている。較正後、ドリフト出力は運転中に、両ポイント708、710において、またライン706の全範囲にわたっても実質的にゼロの値を示す。ライン706は、大きく拡大した場合にD/A変換器の解像度のために階段状になることが、当業者によって理解されるであろう。
較正後しばらくしてD/A回路のフルスケールまたはゼロ点がドリフトした場合、ドリフト出力は、非ゼロ値を示す。ドリフト出力は、HARTプロトコルによって電流ループを通じて制御室(またはコミュニケータ)に伝達され、そこで技術者によって観測される。技術者は、ドリフトが回路の修理を示唆するほど大きいかどうかを判断することができる。
図14は、ドリフト出力Dを自動的に処理するためのフローチャート800である。図9に示されている回路300などの回路は、ドリフトをその複数の限度と自動的に比較しかつその複数の比較に基づいて自動的に動作を行うマイクロプロセッサシステム334(図9)に保存されたソフトウェアルーチンを含むことができる。図14において802で開始すると、プログラムフローは計算ブロック804に進み、計算ブロック804では、Nが目標ループ電流を表す数値であり、Mが実際のループ電流を表す数値である、ドリフトD=(M−N)を計算する。
プログラムフローは判断ブロック806に進み、判断ブロック806では、ドリフトDが故障閾値よりも大きいかどうかを試験する。ドリフトDが故障閾値よりも大きい場合、プログラムフローはブロック808に進み、ブロック808では、ドリフト故障レポートを提供する。ドリフト故障レポートは、回路に取り付けられた表示装置に表示されてもよく、あるいは、制御ループを通じて伝送されるHART通信信号でもよい。故障レポートが完了した後、プログラムフローは、ライン810に沿って終了820に進む。さらに、他の警報技法および上述の報知技法が使用されてもよい。
ドリフトDが故障限度以下である場合、プログラムフローは、判断ブロック806から判断ブロック812に進む。判断ブロック812では、ドリフトDが調整閾値よりも大きいかどうかを試験する。ドリフトDが調整閾値よりも大きい場合、プログラムフローは、ブロック814に進んで、必要に応じてN4およびN20を自動的に調整し、ドリフト出力をゼロに戻す。したがって、この自動調整を含むフィールド装置は、技術者の注意なしにそれ自体を自動的に較正することができる。ブロック814での調整後、プログラムフローは、ライン816に沿って終了820に進む。Dが判断ブロック812において調整閾値以下である場合、プログラムフローは、ライン818に沿って終了820に進む。
図14に示されているプログラムフローは時限間隔で実行され、したがって、時間間隔の少量のドリフトは正常であり補正されうるが、過剰な量のドリフトは報告されることになる。終了820の後、開始802に戻る前に822で所望の時間間隔を待つ。この待ち時間間隔は、典型的には1ヶ月であるが、他の時間間隔に調整することもできる。故障閾値および調整閾値もまた、調整することができる。
本発明では、回路は、共通する原因故障を低減するように構成される。ループ電流の測定に使用される回路は、その回路のハードウェア態様およびソフトウェア態様が互いに独立して合体するように設計されることが好ましい。例えば、別の電圧基準(ループ電流発生回路で使用される電圧基準と比べて)が使用されてもよく、あるいは様々なデータ範囲が実施されてもよい。目的は、故障がループ電流出力回路とループ電流検査回路の両方において同じ応答を引き起こす状況を回避または低減することである。例えば、同じ抵抗器がループ電流出力およびループ電流検査に使用されかつデータ範囲が同じであれば、分割抵抗器のドリフトは、各回路に同様に影響を及ぼすことになる。この状況では、ループ電流は目標値にはならず、同時に、検査回路はエラーを検出することができないであろう。
本発明では、ループ検査回路に応答して出力または動作することができる。これらには、例えば、アナログ警報を含む警報を与えること、視覚表示、デジタル表示または無線表示を与えること、誤差を補償すること(出力を補正すること)、装置を再較正するために自動較正手順を開始することなどが含まれる。ループ電流検査回路は、任意の技法に従って動作することができる。例えば、この回路は、測定された独立基準値を保存された値と比較することを含めて、測定されたループ電流をメモリに保存されたベースライン値と比較することができる。装置は、基準値から測定された出力が保存された基準値から外れていることを表示することができる。装置はまた、手動較正が行われるときに、新たな電流ループ較正データならびに新たな独立基準データを保存することもできる。ループ電流すなわち独立基準のドリフトは、装置の寿命にわたって監視することができ、ドリフトが所定の限界を超えたときに出力が提供される。限界値は、装置のメモリに保存することができる。
本発明について好ましい実施形態を参照しながら説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形状および細部に変更を加えることができることを当業者なら理解するであろう。本明細書で使用されているように、ループ電流検査回路内の「独立した(independent)」構成要素は、ループ電流出力回路でも使用されていない構成要素を含む。いくつかの実施形態では、独立した構成要素は、ループ電流検査回路に関連してのみ使用されるものであり、プロセス変数伝送器内の他の回路では使用されないものである。他の構成では、2線プロセス制御ループ内の電流を測定するかまたは検知するために使用されるループ電流検査回路で使用される構成要素のすべてが、分割電源を除いて、2線プロセス制御ループ内のループ電流を設定するために使用される回路から独立している。いくつかの構成では、ループ電流検査回路は、ループ電流を閾値と比較する。閾値は、固定または調整することができる。いくつかの構成では、閾値は、例えば2線プロセス制御ループを通じて命令を伝送することにより、遠隔で調整することができる。一構成では、本発明は、4〜20mAなどの電流調整出力(current regulated output)、あるいはFoundationフィールドバスまたはプロフィバスを含むフィールドバスプロトコル出力を含むフィールド装置を提供する。フィールド装置は、電圧基準または電流基準を含む電流調整出力を有し、その基準の精度および安定度は、電流調整出力の精度および安定度を少なくとも部分的に決定する。フィールド装置は、電流調整出力を生成するために使用される基準から独立した電圧基準または電流基準を含む。
プロセス配管に接続された伝送器を含むプロセス制御システムの図である。 中に搭載されている回路ブロックの一構成例を示す、伝送器の斜視図である。 伝送器の簡略ブロック図である。 ループ電流検査回路の一実施形態を示す簡略ブロック図である。 ループ電流検査回路が、抵抗器の両端間に接続されたアナログ−デジタル変換器を用いて形成されている、本発明の他の実施形態を示す簡略図である。 本発明の一実施形態の簡略電気回路図である。 ループ電流検査回路の実施形態を実施するための伝送器の電子回路をいくぶん詳細に示す図である。 ループ電流検査回路の実施形態を実施するための伝送器の電子回路をいくぶん詳細に示す図である。 ループ電流検査回路の実施形態を実施するための伝送器の電子回路をいくぶん詳細に示す図である。 ドリフト出力を生成する回路の他の実施形態を示す。 ドリフト出力を有する回路の他の実施形態を示す。 ドリフト出力を有する回路の他の実施形態を示す。 4〜20ミリアンペア出力およびドリフト出力を較正するための較正配置を示す。 回路出力およびドリフト出力を較正するためのフローチャートを示す。 図12に関連して上述したように較正が完了した後の、回路の較正のグラフを示す。 ドリフト出力を自動的に処理するためのフローチャートを示す。
符号の説明
12…伝送器、18…2線プロセス制御ループ、21…プロセス変数センサ、40…機能モジュール、42…検知モジュール、44…マニホルドプロセスカップリング、50…機能モジュール電子回路、52…検知モジュール電子回路、60…ループ電力検査回路、64…ループ電流検査回路、70…測定回路

Claims (14)

  1. 2線プロセス制御ループにループ電流を印加するように構成されたループ電流出力回路と、
    前記印加されたループ電流の誤差を検出するために前記2線プロセス制御ループに結合されたループ電流検査回路とを具備し、
    前記ループ電流検査回路は、前記2線プロセス制御ループに直列結合された抵抗器と、該抵抗器の両端間の電圧降下の信号レベルに基づいて、前記印加されたループ電流の誤差を検出する誤差検出手段とを含むことを特徴とするプロセス制御ループ電流検査装置。
  2. 前記誤差検出手段は、前記電圧降下の信号レベルが所定の誤差レベルを超えるかどうかを検出するように構成された比較器を含む、請求項1に記載のプロセス制御ループ電流検査装置。
  3. 前記誤差検出手段は、前記電圧降下の信号レベルを測定するように構成されたアナログ−デジタル変換器を含む、請求項1に記載のプロセス制御ループ電流検査装置。
  4. 前記比較器が、前記電圧降下の信号レベル前記所定の誤差レベルと比較し、前記比較に関連する出力を提供する請求項に記載のプロセス制御ループ電流検査装置。
  5. 前記測定された信号レベルは、閾値と比較される請求項に記載のプロセス制御ループ電流検査装置。
  6. 前記ループ電流の誤差に相当するドリフト出力を較正するための較正装置をさらに具備した請求項1に記載のプロセス制御ループ電流検査装置。
  7. 前記ループ電流の誤差に相当するドリフト出力を前記2線プロセス制御ループ上に出力する出力部をさらに具備した請求項に記載のプロセス制御ループ電流検査装置。
  8. 視覚表示出力部、デジタル表示出力部または無線表示出力部をさらに含む請求項1に記載のプロセス制御ループ電流検査装置。
  9. 前記ループ電流が、前記検出された誤差に応答して補償される請求項1に記載のプロセス制御ループ電流検査装置。
  10. 2線プロセス制御ループ内のループ電流を検査する方法であって、
    プロセス変数を関知
    前記2線プロセス制御ループ内のループ電流を前記プロセス変数の関数として調整
    前記2線プロセス制御ループ内のループ電流の誤差を、前記2線プロセス制御ループに直列結合された抵抗の両端間の電圧降下を検知することにより、検査することを含むプロセス制御ループ電流の検査方法。
  11. 前記抵抗の両端間の電圧降下の信号レベルが、所定の誤差レベルを超えるかどうかを検出することにより、前記検査をする請求項10に記載のプロセス制御ループ電流の検査方法。
  12. 前記抵抗の両端間の電圧降下の信号レベルをデジタル化することを含む、請求項10に記載のプロセス制御ループ電流の検査方法。
  13. 前記検査が、前記電圧降下の信号レベル前記所定の誤差レベルと比較し、前記比較に関連する出力を提供することを含む請求項11に記載のプロセス制御ループ電流の検査方法。
  14. 前記検査をするステップが、マイクロプロセッサ内で少なくとも部分的に実施されることを含む請求項10に記載のプロセス制御ループ電流の検査方法。
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