JP4949131B2 - 米飯加工食品用包装材 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状食品と米飯加工食品とを分離状態で包装し、開封時にシート状食品と米飯加工食品とが一体的になる米飯加工食品用包装材に関する。
従来から、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で販売される米飯加工食品を包装する米飯加工食品用包装材として、シート状食品と米飯加工食品とを分離状態で包装し、開封時にシート状食品と米飯加工食品とが一体的になるように構成されたものが主流となっている。
かかる米飯加工食品用包装材は、平面視略長方形状をなすとともに一方向(長手方向)と直交する他方向(幅方向)に分割可能に形成される外フィルムと、シート状食品を介して外フィルムに重ね合わされ、外フィルムと同方向に分離可能な内フィルムとを備え、シート状食品を囲むように外フィルムと内フィルムとがシールされている。
前記外フィルムは、一般的に幅方向の中央部で一方向に切断するための切断手段が設けられており、その切断手段で一方向に切断することで幅方向に二分割できるようになっている。他方、前記内フィルムは、外フィルムの幅方向に並列に配置された二枚のフィルムで構成されており、二枚のフィルムが外フィルムと同方向に分離できるようになっている。
上記構成の米飯加工食品用包装材は、内フィルム上に米飯加工食品を載置した状態で、外フィルムの一方向で二つ折りにして対向する端部同士をヒートシールすることで、米飯加工食品とシート状食品とを分離した状態で包装できるようになっている。
そして、該米飯加工食品用包装材は、外フィルムを切断した上で幅方向に引っ張ることで二分割された外フィルム及び内フィルム(二枚のフィルム)がそれぞれ離間(分離)し、シート状食品と米飯加工食品との間にある内フィルム(二枚のフィルム)が抜き取られるようになっている。これにより、開封に併せてシート状食品と米飯加工食品とを一体的にできるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−264758号公報
しかしながら、上記構成の米飯加工食品用包装材は、開封時に外フィルムを切断手段で切断した上で幅方向に引っ張らなければ開封することができず、開封作業が繁雑である。また、かかる米飯加工食品用包装材は、開封時に外フィルム及び内フィルムを分離させなければならないため、分離した各部位が廃棄時に飛散する場合があった。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、開封時に分断することなく引っ張るだけでシート状食品と米飯加工食品とを一体的にして開封することができる米飯加工食品用包装材を提供することを課題とする。
本発明に係る米飯加工食品用包装材は、シート状食品と米飯加工食品とを分離状態で包装可能に構成されるとともに、包装したシート状食品と米飯加工食品とを一体的にして開封可能に構成された米飯加工食品用包装材において、平面視略四角形状をなす外フィルム部と、外フィルム部の一方向に対して直交する他方向に並列をなして互いの先端部を付き合わすとともに各基端部が外フィルム部の両側端部に接続された一対の第一内フィルム部と、各第一内フィルム部の先端から延出し、第一内フィルム部との境界に折曲稜線を形成するように先端を外側にして折り返された一対の第二内フィルム部とを備え、外フィルム部と第一内フィルム部との間にシート状食品が介設され、外フィルム部、及び第一内フィルム部は、外フィルム部の一方向の両端部同士が剥離可能にシールされてなり、外フィルム部の一方向に二つ折りにすることで対向する第二内フィルム部間に配置された米飯加工食品を包囲するように、対向する第二内フィルム部の端部同士をシールして米飯加工食品を包装するように構成されていることを特徴とする。なお、ここで「先端部を付き合わす」とは、先端同士が接触状態で対向することは勿論のこと、先端部分が重ね合わさることも含む概念で、「シール」とは、ヒートシールや超音波シールによる溶着は勿論のこと、接着剤を介しての接着も含むものである。
上記米飯加工食品用包装材は、外フィルム部と第一内フィルム部との間にシート状食品が介設され、外フィルム部、及び第一内フィルム部は、外フィルム部の一方向の両端部同士が剥離可能にシールされてなり、外フィルム部の一方向に二つ折りにすることで対向する第二内フィルム部間に配置された米飯加工食品を包囲するように、対向する第二内フィルム部の端部同士をシールして米飯加工食品を包装するように構成されているので、包装した状態で第一内フィルム部及び第二内フィルム部がシート状食品と米飯加工食品との間に介在することになる。これにより、シート状食品と米飯加工食品とを分離させた状態にすることができ、米飯加工食品の水分がシート状食品に到達して味や食感などを低下させてしまうのを防止することができる。
そして、該米飯加工食品用包装材は、米飯加工食品を包装した状態から第二内フィルム部の両端を互いに離間する方向に引っ張ると、第一内フィルム部と第二内フィルム部との境界にある折曲稜線が第一内フィルム部の先端側から基端側に移行する。すなわち、一対の第二内フィルム部の両端(両先端部)を引っ張ると、第一内フィルム部と第二内フィルム部との境界に形成されていた折曲稜線が第一内フィルム部内で先端側から基端側に移行し、互いに付き合わせた各第一内フィルム部の先端側が第二内フィルム部の移動(引っ張り)に追従して外側に引き出されることになる。
これにより、一対の第一内フィルム部及び一対の第二内フィルム部によって、米飯加工食品と分離していたシート状食品が一対の第一内フィルム部(第二内フィルム部)間から露呈して米飯加工食品と一体化することになる。
そして、シート状食品と米飯加工食品との一体化に合わせて、一対の第二内フィルム部に対する引っ張り作用で、剥離可能にシールされた外フィルム部、及び第一内フィルム部の両端部が剥離して開口することになる。これにより、当該米飯加工食品用包装材が複数に分断することなく開口した部分からシート状食品と一体化した米飯加工食品を取り出すことができる。
本発明の一態様として、第二内フィルム部の先端部が、第一内フィルム部の基端部よりも外側に延出していることが好ましい。かかる米飯加工食品用包装材は、米飯加工食品を包装した状態で、各第二内フィルム部が外フィルム部及び第一内フィルム部の内側で二つ折りにされた状態になるので、上述のように前記第二内フィルム部の先端部が、第一内フィルム部の基端部よりも外側に延出していると、開封時に第二内フィルム部の端部を把持し易くなり、開封時の操作性がより向上する。
本発明の他態様として、一対の第二内フィルム部のそれぞれには、米飯加工食品に対して摩擦抵抗の小さな滑り用フィルムが積層して設けられていることが好ましい。このようにすれば、開封するとき(各第二内フィルム部が外側に引き出されるとき)の米飯加工食品との接触抵抗が小さく、開封が容易になる上に米飯加工食品の型くずれを防止することができる。
また、一対の第一内フィルム部の先端部同士が剥離可能に外フィルム部の一方向にシールされていることが好ましい。このようにすれば、一対の第一内フィルム部間が閉塞されるので、米飯加工食品を包装した状態で、その水分が第一内フィルム部間を介してシート状食品に到達してしまうのを確実に防止することができる。これにより、より確実にシート状食品の味や食感などを低下させてしまうことを防止することができる。
そして、外フィルム部、第一内フィルム部、及び、第二内フィルム部は、長方形状をなす一枚の樹脂フィルム部を一方向で折り曲げて連続的に形成されていることが好ましい。このようにすれば、一枚の樹脂フィルムを曲げ加工するだけで上述した作用を奏する米飯加工食品用包装材を作製することができる。
以上のように、本発明に係る米飯加工食品用包装材によれば、開封時に分断することなく引っ張るだけでシート状食品と米飯加工食品とを一体的にして開封することができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の一実施形態に係る米飯加工食品用包装材(以下、単に包装材という。)について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る包装材は、海苔や畳鰯、薄焼き卵等のシート状食品(本実施形態においては海苔)と、おにぎりや寿司等の塊状の米飯加工食品(本実施形態においては三角形状のおにぎり)とを分離状態で包装し、その包装したシート状食品と米飯加工食品とを一体的にして開封できるように構成されたものである。
該包装材1は、図1及び図2に示す如く、平面視四角形状をなす外フィルム部10と、外フィルム部10の一方向に対して直交する他方向に並列をなして互いの先端部を付き合わすとともに各基端部が外フィルム部10の両側端部に接続された一対の第一内フィルム部20,20と、各第一内フィルム部20,20の先端から延出し、第一内フィルム部20,20との境界に折曲稜線Lを形成するように先端を外側にして折り返された一対の第二内フィルム部30,30とを備えている。
外フィルム部10は、包装時に最も外側に位置する部分で、本実施形態においては平面視長方形状に形成されている。そして、このように外フィルム部10が長方形状に形成されることで、本実施形態では、前記一方向が長手方向で、前記他方向が長手方向と直交する短手方向となっている。これに伴って、以下の説明においては、外フィルム部10の一方向を長手方向いい、他方向を幅方向ということとする。
一対の第一内フィルム部20,20は、基端部が外フィルム部10の側端部(幅方向の両端部)に接続されている。本実施形態において、一対の第一内フィルム部20,20は、外フィルム部10の幅方向の両端(両側端)の全長に延設されている。各第一内フィルム部20,20は、外フィルム部10との境界に折曲稜線Lを形成するように折り返され、外フィルム部10の幅方向の中央又は略中央で互いの先端を付き合わせるように形成されている。すなわち、一対の第一内フィルム部20,20のそれぞれは、外フィルム部10の側端からの延出量が外フィルム部10の幅方向の長さの半分に設定されており、外フィルム部10との境界で折り返すことで、外フィルム部10の長手方向の延びる中心線CL上で互いの先端部同士を付き合わせるように寸法設定されている。
ここで、先端部同士を付き合わせるとは、互いの先端を線状に接触させることは勿論のこと、先端部同士が面交差方向に重なった態様も含むものであるが、本実施形態においては、上述の延出量に設定することで、一対の第一内フィルム部20,20は、先端同士を線状に接触させている。なお、各図においては、各部10,20,30を強調させるのに、これらを接続した部分(曲げ部分)に丸みを持たせて表現しているが、実際には各部10,20,30の厚みが非常に薄いこともあり、稜線Lを形成するように折り曲げられる。
そして、各第一内フィルム部20,20の姿勢を維持させるべく、各第一内フィルム部20,20の基端部と外フィルム部10の側端部とが所定幅のシールラインSを形成するように全長に亘ってヒートシールされている。そして、外フィルム部10と第一内フィルム部20,20との間には、シート状食品Aが介設されており、外フィルム部10の長手方向の両端部と各第一内フィルム部20,20の両端部とが剥離可能にヒートシールされている。これにより、シート状食品Aが外フィルム部10と第一内フィルム部20,20とに包囲された状態になっている。
さらに、本実施形態に係る包装材1においては、互いに付き合わせた一対の第一内フィルム部20,20の先端同士が外フィルム部10の長手方向に剥離可能にヒートシールされている。すなわち、一方の第一内フィルム部20及び第二内フィルム部30との境界に形成される折曲稜線Lと、他方の第一内フィルム部20及び第二内フィルム部30との境界に形成される折曲稜線Lとを、外フィルム部10の長手方向の延びる線状のシールラインSLを形成するようにヒートシールして接続している。これにより、該包装材1は、一対の第一内フィルム部20,20間を閉じて外フィルム部10と第一内フィルム部20,20との間(シート状食品A)に湿気(水分)が到達しないようになっている。
前記一対の第二内フィルム部30,30は、上述の如く、第一内フィルム部20,20との境界に折曲稜線Lを形成するように先端側を外側にして折り返され、各第一内フィルム部20,20に重なるように設けられている。
そして、本実施形態において、各第二内フィルム部30,30の一方の面(第一内フィルム部20,20と対向する面とは反対側の面)には、米飯加工食品Bとの摩擦抵抗の小さなフィルム(以下、滑り用フィルムという)31,31が積層状態で貼着されている。該滑り用フィルム31,31は、第二内フィルム部30,30よりも小さなフィルムで、第二内フィルム部30,30の長手方向の両端部及び外側に位置する短手方向の一端部(先端部)をかわして第二内フィルム部30,30に重ね合わせ状態で貼着されている。すなわち、各滑り用フィルム31,31は、当該包装材1で米飯加工食品Bを包装するときにヒートシールされる領域をかわすようにして配置されている。
該滑り用フィルム31,31は、少なくとも米飯加工食品Bと接触する面に滑り性を備えていればよく、例えば、米飯加工食品Bと接触する面に対し、エンボス加工を施したものや、米飯加工食品Bとの抵抗を小さくするコーティング(例えば、フッ素やシリコンコーティング)を施したもの等を採用することができる。なお、該滑り用フィルム31,31は、第二内フィルム部30,30に対してヒートシールや接着剤等で貼着してもよく、本実施形態においては、ポイントシール(部分的なヒートシール)PSによって貼着するようにしている。
さらに、本実施形態において、一対の第二内フィルム部30,30は、第一内フィルム部20,20の先端の全長に亘って延設されており、先端部が第一内フィルム部20,20の基端よりも外側に位置するように寸法設定されている。すなわち、一対の第二内フィルム部30,30は、第一内フィルム部20,20の先端からの延出量が、第一内フィルム部20,20の延出量よりも長く設定されており、第一内フィルム部20,20の基端から外側に端部が延出している。
本実施形態に係る包装材1は、図3(a)〜(e)に示す如く、外フィルム部10、第一内フィルム部20,20、及び第二内フィルム部30,30が一枚の樹脂フィルムFを適宜折り曲げることで連続的に形成されている。該樹脂フィルムFは、平面視長方形状をなし、図3(a)に示す如く、長手方向の長さが、外フィルム部10の幅方向の長さ、一対の第一内フィルム部20,20の合計延出量、一対の第二内フィルム部30,30の合計延出量の合計長さに設定され、長手方向と直交する短手方向の長さが外フィルム部10の長手方向の長さに設定されている。
そして、該樹脂フィルムFは、短手方向の延びる中心線CLを含む中央の領域(樹脂フィルムFの長手方向で外フィルム部10の幅方向の長さに設定された領域)が、前記外フィルム部10となる第一領域10’に設定されるとともに、該第一領域10’の両側で隣接する所定領域(樹脂フィルムFの長手方向で第一内フィルム部20,20の延出量に相当する長さに設定された領域)が第一内フィルム部20,20となる第二領域20’、20’に設定され、各第二領域20’,20’に隣接する該樹脂フィルムFの両端の所定領域(樹脂フィルムFの長手方向で第二内フィルム部30,30の延出量に相当する長さに設定された領域)が第二内フィルム部30,30となる第三領域30’,30’に設定されている。すなわち、該樹脂フィルムFは、外フィルム部10となる第一領域10’を挟んで第一内フィルム部20,20となる第二領域20’,20’及び第二内フィルム部30,30となる第三領域30’,30’が対称的に設定されている。なお、以下、第一領域10’と第二領域20’との境界を第一境界L1といい、第二領域20’と第三領域30’との境界を第二境界L2ということとする。
そして、本実施形態に係る樹脂フィルムFは、一方の面Eにイージーピール性が付与されている(以下、このイージーピール性の付与された面をイージーピール面という)。ここでイージーピール性とは、ヒートシールや超音波シールによる溶着や、接着剤を介しての接着によって接合させた部位の接続強度を弱めて剥離し易くした特性をいい、本実施形態においては、ヒートシールを前提にしてイージーピール性が付与されている。
そして、樹脂フィルムFに対するイージーピール性の付与は、少なくとも一方の面にシールに対するイージーピール性(剥離性)に優れたイージーピール層が形成されたイージーピールフィルムで樹脂フィルムFを構成したり、樹脂フィルムFの表面にパートコートを施したり、樹脂フィルムFの表面を粗面にしたりすることで行うことができる。なお、パートコートには加熱されると特有の臭いを発生させるものがあるため、電子レンジ等で加熱される可能性のある米飯加工食品が包装対象である場合には、樹脂フィルムFにイージーピールフィルムを採用したり、イージーピール面Eを粗面にしたりしてイージーピール性を付与することが好ましい。
そして、図3(b)〜(e)に示す如く、上記構成の樹脂フィルムFの短手方向に延びる中心線を基準に樹脂フィルムFを対称的に折り曲げられることで、外フィルム部10、第一内フィルム部20,20、及び第二内フィルム部30,30が形成される。
具体的に説明すると、まず、図3(b)に示す如く、樹脂フィルムFの両端にある第三領域30’、30’を第二境界L2でイージーピール面Eとは反対側に折り返す。しかる後、図3(c)に示す如く、第一領域10’のイージーピール面E側にシート状食品Aを配置する。
そして、図3(d)に示す如く、第一境界L1で第二領域20’、20’をイージーピール面E側に折返し、第二境界L2(折曲稜線L)を互い付き合わせた状態にする。この状態で、第一領域10’のイージーピール面Eと第二領域20’,20’のイージーピール面Eとが対向し、付き合わせた第二境界L2,L2同士もイージーピール面Eが対向した状態となる。また、第二領域20’,20’のイージーピール面Eの反対面と第三領域30’,30’のイージーピール面Eの反対面とが対向した状態、すなわち、第三領域30’,30’のイージーピール面Eが外側に向いた状態となる。
そして、図3(e)に示す如く、各第一境界Ll近傍を所定幅でヒートシールするとともに、樹脂フィルムFの短手方向である第一領域10’の両端部と各第二領域20’,20’の両端部とを所定幅でヒートシールし、シート状食品Aを包囲した所定幅のシールラインSを形成する。また、互いに付き合わせた第二境界L2をその境界L2に沿ってヒートシールして線状のシールラインSLを形成し、第二境界L2を剥離可能に接合させる。
これにより、第一領域10’が外フィルム部10に、各第二領域20’,20’が各第一内フィルム部20,20に、各第三領域30’,30’が第二内フィルム部30,30になり、外フィルム部10の長手方向の両端部とこれに対向する第一内フィルム部20,20の両端部とが剥離可能にシールされた状態となる。なお、滑り用フィルム31は、第三領域30’,30’をイージーピール面Eとは反対側に折り返す(図3(b))前に予め第三領域30’,30’のイージーピール面Eに貼着しておいてもよいし、各部をヒートシールするとき(図3(e))に、併せて第三領域30’,30’のイージーピール面Eに貼着してもよい。
本実施形態に係る包装材1は、以上の構成からなり、次に、該包装材1の作用について説明することとする。
本実施形態に係る包装材1は、図4〜図6に示す如く、外フィルム部10の長手方向に二つ折りにすることで対向する第二内フィルム部30,30間に配置された米飯加工食品Bを包囲するように、対向する第二内フィルム部30,30の端部同士をシールして米飯加工食品を包装するようになっている。すなわち、該包装材1は、一対の第二内フィルム部30,30(本実施形態においては、滑り用フィルム31,31)上に米飯加工食品Bを載置した上で、一対の第二内フィルム部30,30を内側にして外フィルム部10の長手方向で二つ折りにし、第二内フィルム部30,30の対向する端部同士を所定幅のシールラインS’を形成するようにヒートシールすることで、シート状食品Aと米飯加工食品Bとが分離した状態で包装される。この状態で、第一内フィルム部20と対向する第二内フィルム部30は、折曲稜線Lを介して第一内フィルム部20の先端のみに接続された状態となる。
そして、かかる包装材1を開封する場合、当該包装材1の両側端となる一対の第二内フィルム部30,30の先端部を離間させるように引っ張ると、その引っ張り力が第二内フィルム部30,30を介して第一内フィルム部20,20の先端側に作用し、図7(a)に示す如く、ヒートシールされた一対の第一内フィルム部20,20の先端が剥離することになる。また、これに併せて、図8(a)に示す如く、外フィルム部10と一対の第一内フィルム部20,20のシールされた長手方向の両端部についても、該外フィルム部10の中央側から剥離することになる。
そして、第二内フィルム部30,30に対する引っ張り作用で、図7(b)及び図8(b)に示す如く、各第二内フィルム部30,30が外側に引き出される。そうすると、第一内フィルム部20,20と第二内フィルム部30,30との境界にあって折曲稜線Lが第一内フィルム部20,20の先端側から基端側に移行させつつ、第一内フィルム部20,20の先端側が第二内フィルム部30,30に引かれて外側に引き出されることになる。
このように一対の第一内フィルム部20,20が外側に引き出されることで、一対の第一内フィルム部20,20間の間隔が広がって、米飯加工食品Bの収容された領域にシート状食品Aが露呈することになる。また、第一内フィルム部20,20が引き出されることで、外フィルム部10とヒートシールされた部分も剥離することになり、当該部分が徐々に開口することになる。そして、最終的に米飯加工食品Bとシート状食品Aとの間から第一内フィルム部20,20が完全に引き出されると、図7(c)に示す如く、シート状食品Aと米飯加工食品Bとが一体化し、図8(c)に示す如く、外フィルム部10の長手方向の両端部間にシート状食品Aと一体化した米飯加工食品Bを取り出すことのできる開口Xが形成されることになる。
このように本実施形態に係る包装材1は、各構成を一切分断させることなく、一対の第二内フィルム部30,30を引っ張るだけで、シート状食品Aと米飯加工食品Bとを一体的にして開封することができる。
以上のように、本実施形態に係る包装材1は、米飯加工食品Bを包装した状態から第二内フィルム部30,30の両端を互いに離間する方向に引っ張るだけで、米飯加工食品Bと分離していたシート状食品Aと米飯加工食品Bとを一体化することができ、さらに、その一体化した米飯加工食品Bを取り出すことのできる状態にすることができる。また、開封後に当該包装材1が複数に分断されることがないため、廃棄時に飛散してしまうことも防止することができる。
そして、第二内フィルム部30,30の先端部を第一内フィルム部20,20の基端部よりも外側に延出させることで、開封時に第二内フィルム部30,30の端部が把持しやすく、開封がより簡単である。
さらに、一対の第二内フィルム部30,30のそれぞれには、米飯加工食品Bに対して摩擦抵抗の小さな滑り用フィルム31,31が積層して設けられているので、開封が容易になる上に米飯加工食品Bの型くずれを防止することができる。
また、一対の第一内フィルム部20,20の先端部同士が剥離可能にヒートシールされているので、米飯加工食品Bを包装した状態で、米飯加工食品Bの水分が第一内フィルム部20,20間を介してシート状食品Aに到達してしまうのを防止することができる。これにより、シート状食品Aの食感を害することなく包装することができる。
そして、前記外フィルム部10、第一内フィルム部20,20、及び、第二内フィルム部30,30は、イージーピール性の付与された長方形状をなす一枚の樹脂フィルム部を長手方向で折り曲げて形成するようにしているので、簡単に製造することができる。
尚、本発明の米飯加工食品用包装材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、一枚の樹脂フィルムを折り曲げて外フィルム部10、一対の第一内フィルム部20,20、及び第二内フィルム部30,30を形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、枚葉状をなす複数枚のフィルム片を接続して外フィルム部10等を形成するようにしてもよい。
具体的には、図9に示す如く、折曲稜線Lを介して接続された第一内フィルム部20と第二内フィルム部30とを形成するように二つ折りにした樹脂フィルムFa,Fbを二枚作製し、その二枚の樹脂フィルムFa,Fbをそれぞれの折曲稜線Lを付き合わせるように配置するとともに、各樹脂フィルムFa,Fbの一方の片(第一内フィルム部20に相当)にシート状食品Aを介して外フィルム部10となる長方形状の樹脂フィルムFcを重ね合わせ、シート状食品Aを包囲するように一方の片と外フィルム部10となる樹脂フィルムFcとをヒートシールするようにしてもよい。この場合においても外フィルム部10の長手方向の両端部に相当する部位については、剥離可能にシールすることが前提である。この種の包装材は、一般的に外フィルム部10に対して商品名や商品イメージ等の印刷が施されるものであるが、商品仕様の変更(例えば、米飯加工食品B内の具の変更)や価格の変更等に伴って印刷内容が変更されることがあり、印刷内容の変更を行うに際して変更前の内容を印刷した包装材全体を廃棄しなければならない場合がある。しかしながら、上述の如く、印刷の対象となる外フィルム部10を別個独立に構成しておけば、印刷の変更があっても外フィルム部10のみに対する印刷作業や廃棄だけでよく、印刷内容の変更に伴う無駄を最小限に抑えることができる。但し、このように複数枚の樹脂フィルムFa,Fb,Fcを接続すると製作工程が増加するため、製造効率等の観点からは、上記実施形態と同様に一枚の樹脂フィルムFを折り曲げ加工することが好ましいことは言うまでもない。
上記実施形態において、一対の第二内フィルム部30,30上に滑り用フィルム31,31を積層し、該滑り用フィルム31,31上に米飯加工食品Bを載置するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、滑り用フィルム31,31を設けることなく第二内フィルム部30,30上に直接米飯加工食品Bを載置するようにしてもよい。この場合、開封時の米飯加工食品Bとの抵抗を小さくするために、米飯加工食品Bを載置する面にエンボス加工を施したり、滑り性能を向上させるコーティングを施したりすることが好ましい。
上記実施形態において、一対の第一内フィルム部20,20の先端同士を剥離可能にヒートシールするようにしたが、これに限定されるものではなく、単に互いの先端同士を付き合わせるようにしてもよい。但し、米飯加工食品Bの水分がシート状食品Aに到達するのを確実に防止するには、上記実施形態と同様に、先端同士をヒートシールすることが好ましい。
上記実施形態において、一対の第一内フィルム部20,20の先端同士を接触させる(付き合わせる)ように一対の第一内フィルム部20,20を配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、一対の第一内フィルム部20,20の先端部同士が重なりあうように、第一内フィルム部20,20を配置するようにしてもよい。このように先端部同士を重ね合わせる場合、その先端近傍同士(第一内フィルム部20,20の先端部と相手側の第一内フィルム部20,20の先端近傍の第二内フィルム部30,30の基端部とを)ヒートシールするようにすれば、上記実施形態と同様に米飯加工食品Bの水分がシート状食品Aに到達するのを防止することができる。
上記実施形態において、第二内フィルム部30,30の先端部が第一内フィルム部20,20の基端よりも外側に延出するように構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、第二内フィルム部30,30の先端が第一内フィルム部20,20の基端と一致、或いは、第一内フィルム部20,20の基端よりも内側に位置するようにしてもよい。但し、開封時の操作性を考慮すれば、上記実施形態と同様に第二内フィルム部30,30の先端部を第一内フィルム部20,20の基端よりも外側に位置させることが好ましいことは言うまでもない。
上記実施形態において、開封時の剥離性を考慮して一方の面全面にイージーピール性の付与された樹脂フィルムFを採用するようにしたが、例えば、ヒートシールされる部分であって剥離性の要求される領域にのみイージーピール性を付与するようにしてもよい。
上記実施形態において、外フィルム部10の両側端部と各第一内フィルム部20,20の基端部とを所定幅でヒートシールしたが、一枚の樹脂フィルムFを折り曲げ加工して外フィルム部10及び第一内フィルム部20,20を形成する場合、既に、これらは接続された態様となるので、必ずしも外フィルム部10の側端部と第一内フィルム部20,20の基端部とをヒートシールする必要はない。
上記実施形態において、外フィルム部10を平面視長方形状に形成し、外フィルム部10の長手方向を一方向として包装時に外フィルム部10の長手方向で二つ折りにするようにしたが、これに限定されるものではなく、包装する米飯加工食品Bの対応に応じて適宜変更すればよい。すなわち、外フィルム部10は、平面視四角形状に形成されていればよく、例えば、米飯加工食品Bが棒状に形成されたものである場合には、外フィルム部10を平面視略正方形状に形成し、何れか一方向と直交する他方向を幅方向として一対の第一内フィルム部20,20及び一対の第二内フィルム部30,30を設け、包装時に一方向で二つ折りにするようにしてもよい。このようにすれば、包装した状態で横長な態様のものとなり、棒状の米飯加工食品Bに適して状態で包装することができる。また、外フィルム部10を平面視長方形状に形成し、その長手方向を幅方向として一対の第一内フィルム部20,20及び一対の第二内フィルム部30,30を設け、包装時に一方向(短手方向)で二つ折りにするようにしてもよい。このようにしても、包装した状態で横長な態様のものとなり、棒状の米飯加工食品Bに適して状態で包装することができる。
上記実施形態において、一枚の樹脂フィルムFを折り曲げる工程として、第三領域30’,30’を第二境界L2で折り返した後に、第二領域20’,20’を第一境界L1で折り返すようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第二領域20’,20’を第一境界L1で折り返した後に、第三領域30’,30’を第二境界L2で折り返すようにしてもよい。また、第一領域10’上にシート状食品Aを配置した上で第二領域20’,20’を折り返すことで、外フィルム部10と第一内フィルム部20,20との間にシート状食品Aを介設するようにしたが、例えば、樹脂フィルムFの短手方向である第一領域10’の両端部と各第二領域20’,20’の両端部とを所定幅でヒートシールする(図3(e))前に、第一領域10’と第二領域20’,20’との間にシート状食品Aを挿入するようにしてもよい。そして、各部をヒートシールするタイミングも上記工程に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
上記実施形態において、平面視長方形状の樹脂フィルムFを長手方向で適宜折り曲げることで、外フィルム部10、第一内フィルム部20,及び第二内フィルム部30が連続的に形成された一つの包装材1にするようにしたが、例えば、長尺な樹脂フィルムに対して短手方向に間隔をおいて長手方向に延びる四つの折曲稜線(第一境界L1、第二境界L2)を形成するように順々に曲げ加工を施して外フィルム部10、第一内フィルム部20,及び第二内フィルム部30を備えた包装材1の連続体(原反)を作製し、その原反を長手方向で所定長さ毎に切断することで、複数の包装材1を作製するようにしても勿論よい。この場合、外フィルム部10となる領域上にシート状食品Aを配置した上で、一対の第一内フィルム部20,20となる領域を折り返し、長尺な樹脂フィルムの長手方向でシート状食品Aの両側(外フィルム部10となる領域の長手方向の両側)をシールすればよい。なお、第二内フィルム部30,30となる領域は、第一内フィルム部20,20となる領域を折り返す前、又は折り返した後の何れかのタイミングで折り返せばよい。
本発明の一実施形態に係る米飯加工食品用包装材(未包装時)の斜視図を示す。 同実施形態に係る米飯加工食品用包装材(未包装時)の縦断面図であって、図1のI−I断面図を示す。 同実施形態に係る米飯加工食品用包装材の製造工程を説明するための概略図であって、(a)は、曲げ加工前の樹脂フィルムの概略を示し、(b)は、第三領域を折返した状態を示し、(c)は、第一領域上にシート状食品を配置した状態を示し、(d)は、第二領域を折り返した状態を示し、(e)は、各部をシールした状態を示す。 同実施形態に係る米飯加工食品用包装材で米飯加工食品を包装した状態であって、(a)は、正面図を示し、(b)は、縦断面図を示す。 同実施形態に係る米飯加工食品用包装材で米飯加工食品を包装した状態の部分拡大断面図を示す。 同実施形態に係る米飯加工食品用包装材で米飯加工食品を包装した状態であって、(a)は、図4(a)のII矢視図を示し、(b)は、図4(a)のIII−III断面図を示す。 同実施形態に係る米飯加工食品用包装材を開封する際の内部状態の説明であって、(a)は、第一内フィルム部の先端同士が離間した状態を示し、(b)は、第一内フィルム部がさらに外側に引き出される状態を示し、(c)は、第一内フィルム部が引き出されて開封した状態を示す。 同実施形態に係る米飯加工食品用包装材を開封する際(取り出し口が形成される際)の状態の説明であって、(a)は、第一内フィルム部の先端同士が離間し、第一内フィルム部が外フィルム部から剥離し始めた状態を示し、(b)は、外フィルム部から剥離しつつ第一内フィルム部がさらに外側に引き出される状態を示し、(c)は、第一内フィルム部が引き出されて開封し、取り出し口が形成された状態を示す。 本発明の他実施形態に係る米飯加工食品用包装材の分解斜視図を示す。
符号の説明
1…米飯加工食品用包装材(包装材)、10…外フィルム部、10’…第一領域、20…第一内フィルム部、20’…第二領域、30…第二内フィルム部、30’…第三領域、31…滑り用フィルム、A…シート状食品、B…米飯加工食品、CL…中心線、L…折曲稜線、L1…第一境界、L2…第二境界、S,S’…シールライン、PS…ポイントシール、F…樹脂フィルム、E…イージーピール面、X…開口

Claims (5)

  1. シート状食品と米飯加工食品とを分離状態で包装可能に構成されるとともに、包装したシート状食品と米飯加工食品とを一体的にして開封可能に構成された米飯加工食品用包装材において、平面視略四角形状をなす外フィルム部と、外フィルム部の一方向に対して直交する他方向に並列をなして互いの先端部を付き合わすとともに各基端部が外フィルム部の両側端部に接続された一対の第一内フィルム部と、各第一内フィルム部の先端から延出し、第一内フィルム部との境界に折曲稜線を形成するように先端を外側にして折り返された一対の第二内フィルム部とを備え、外フィルム部と第一内フィルム部との間にシート状食品が介設され、外フィルム部、及び第一内フィルム部は、外フィルム部の一方向の両端部同士が剥離可能にシールされてなり、外フィルム部の一方向に二つ折りにすることで対向する第二内フィルム部間に配置された米飯加工食品を包囲するように、対向する第二内フィルム部の端部同士をシールして米飯加工食品を包装するように構成されていることを特徴とする米飯加工食品用包装材。
  2. 第二内フィルム部の先端部が、第一内フィルム部の基端部よりも外側に延出している請求項1記載の米飯加工食品用包装材。
  3. 一対の第二内フィルム部のそれぞれには、米飯加工食品に対して摩擦抵抗の小さな滑り用フィルムが積層して設けられている請求項1又は2記載の米飯加工食品用包装材。
  4. 一対の第一内フィルム部の先端部同士が剥離可能に外フィルム部の一方向にシールされている請求項1乃至3の何れか1項に記載の米飯加工食品用包装材。
  5. 外フィルム部、第一内フィルム部、及び、第二内フィルム部は、長方形状をなす一枚の樹脂フィルム部を一方向で折り曲げて連続的に形成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の米飯加工食品用包装材。
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