JP4948977B2 - 連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法 - Google Patents

連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法 Download PDF

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Description

本発明は連続鋳造により製造した鋳片の凝固完了点近傍において鋳片幅方向に凝固の不均一が生成した場合等にそれらの生成状態に合わせて鋳片を圧下するための技術に関する。
連続鋳造鋳片の製造技術において、冷却制御、偏析などの品質管理、凝固完了点の圧下管理などのため、鋳片の凝固完了点の位置やその状態を把握することが重要とされている。通常、鋳片内部の凝固開始、凝固完了は中心部で最も遅く、凝固完了点は連続鋳造鋳片の下流側に伸びるように形成される傾向がある。このような連続鋳造鋳片の凝固完了点の近傍において、全厚みの凝固完了点をクレータエンドと称している。また、鋳片において単位体積あたりの固相の質量割合を固相率と定義することができる。
図10〜図12は上述のクレータエンドの3つの代表的な形状の模式図である。図10に示すように、鋳片101の縦断面を上から見ると、鋳片コーナー側、換言すると鋳片幅方向両端部側の凝固完了点102が鋳片幅方向中央部側の凝固部103よりも鋳造方向下流側に角状に伸びた形状となる場合と、図11に示す如く鋳片幅方向中央部側の凝固部105が鋳片幅方向でほぼ同一位置で全幅Wに近い平滑な幅広形状となる場合と、図12に示す如く鋳片両端側の凝固部107よりも幅広の凝固部108が形成された後に鋳片中央部側に鋳片の全幅Wの半分程度の凝固部109が形成されるという凝固完了点が舌状に伸びた形状となる3つの代表的な形状が知られている。
これらクレータエンド形状の差異は、鋳型内部における溶鋼の流動の影響、冷却ゾーンにおけるノズルからの水量密度の影響により鋳片両端部を冷却し過ぎてしまう影響、鋳片に接触する各ロールに熱を奪われることによる影響等、種々の鋳造条件が相互に関連して生じると考えられる。
前記3つの代表的なクレータエンド形状において、図11に示すクレータエンド形状であれば良好な冷却状態として問題ないが、図12に示すクレータエンド形状であると、コーナー部の過冷により、鋳片両端面にコーナー割れが入り易い。また、図10に示すクレータエンド形状ではコーナー割れは生じないものの、凝固完了点の末端の一部が、その他の凝固部分に対して出入りしている形状であるので偏析の発生、ポロシティの発生など、冷却管理上問題があると言われており、通常はこのようなクレータエンド形状が発生しないように冷却条件を含めた種々の鋳造条件を制御してこれらの問題を解消しようとしている。また、これらの鋳造条件の制御とは別に、圧下ロールを用いてクレータエンドの軽圧下を行ない、前述の偏析の問題解消に対処しているので、図10あるいは図12に示す状態が出現した場合であっても、軽圧下は行っているものである。(以降、軽圧下を行う際に使用している圧下ロールを軽圧下ロールと記載することがある。)
この軽圧下方法とは、先の偏析などの鋳片内部欠陥を防止するため、鋳片の凝固完了点近傍に僅かな塑性変形を伴う圧下を施す鋳造法として知られている。
以上の如くクレータエンド形状の解析は連続鋳造鋳片を製造しようとする場合の重要な検討事項であるため、従来、例えば、2つ以上の異なったエネルギースペクトルを有する放射線の、鋳片厚さ方向の透過度の鋳片幅方向分布に基づいて、鋳片断面の凝固完了点近傍の形状を求めようとする技術が提供されている。(特許文献1参照)
また、連続鋳造機のシミュレーション装置として、ロールRi,Ri+1によって連続的に案内されて冷却水等を吹き付けられる鋳片の有限要素モデルMjから雰囲気への熱伝達率hwが、前回演算された有限要素モデルMj−1からの熱伝達率hwより求められた鋳片の表面温度と、上記冷却水等の吹き付け量に関する操業上の実測データである吹付量分布とに基づいて演算されることにより、鋳造中の鋳片の熱的挙動を精度良くシミュレーションすることができる方法が提供されている。(特許文献2参照)
更に、鋳造方向に複数個に分割された冷却ゾーンからなる2次冷却帯にて、鋳片短辺面から距離Lnの範囲の鋳片長辺面には2次冷却水を噴霧しないで鋳造する鋼の連続鋳造方法において、第n番目の冷却ゾーンでの距離(mm)をLn、第n番目の冷却ゾーン入り側での鋳片短辺の凝固シェル厚み(mm)をTnin、第n番目の冷却ゾーン出側での鋳片短辺の凝固シェル厚み(mm)をTnoutとした場合に、(Tnin+Tnout)/4≦Ln≦(Tnin+Tnout)/2とする式に入るように制御する技術が知られている。(特許文献3参照)
特開平10−325714号公報 特開平04−231158号公報 特開2000−15412号公報
しかし、前述の放射線透過度の鋳片幅方向分布に基づく連続鋳造方法では、クレータエンド形状の特定を行うことができたとしても、特定のクレータエンド形状に見合うような鋳造方法や処理方法を提供できるものではなく、計測によりクレータエンド形状を特定することができる程度の技術であった。
また、前述の2次冷却帯にて2次冷却水を噴霧しないゾーンを前記(Tnin+Tnout)/4≦Ln≦(Tnin+Tnout)/2とする式に従って形成する方法では、鋳片の冷却状態を制御することによりクレータエンド形状を制御しようとする技術であるが、冷却水を噴霧しないゾーンでの冷却が不足し、やはりクレータエンド形状を十分には制御できず、図10に示す凝固形態になるという問題があった。
本発明は前記背景に鑑みてなされたもので、連続鋳造鋳片のクレータエンド側の未凝固部分と凝固部分の状態、即ち凝固完了点近傍の状態が凝固状態として望ましくない状態を呈した場合であっても支障なく軽圧下することができ、偏析などの品質管理、凝固完了点近傍の圧下管理を確実に行い得る連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法の提供を目的とする。
(1)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、鋳型内に溶鋼を注入し、該溶鋼を冷却して形成した凝固シェルを鋳型下方に連続的に引き抜き、更に鋳型下流側の冷却帯で凝固シェル表面を冷却して鋳片の凝固を完了させる際に、鋳片の凝固完了点近傍の未凝固部分と凝固部分の状態を基に凝固完了点近傍に複数配置した圧下ロールの圧下量を制御しながら軽圧下する方法であり、鋳片厚み方向の中心固相率を求めて、該中心固相率の幅方向分布に応じて、圧下量を調整する方法であって、幅Wの連続鋳造鋳片の幅方向の任意の位置をyとし、前記連続鋳造鋳片の鋳造方向の任意の位置をxとし、連続鋳造鋳片の任意の点(x,y)における鋳片厚み方向の中心固相率をfs(x,y)と定義して、この中心固相率fs(x,y)が所定の範囲内の場合を0以外の値とし、それ以外の範囲の場合を0に2値化する関数をg(x,y)と定義し、該g(x,y)で示される関数を連続鋳造鋳片の幅方向に0からWまで積分したB(x)を求め、このB(x)の値が0以外の値の場合で、かつ、鋳片幅中心における鋳片厚み方向の中心固相率fs(x,W/2)の値が所定値以上の場合に、前記圧下ロールにより凝固完了点近傍として凝固完了点から上流側の領域であって、軽圧下した場合に偏析抑制の効果が発揮される中心固相率以上の領域を圧下することを特徴とする。
(2)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、(1)に記載の軽圧下方法において、メニスカスからの鋳造方向距離に応じた鋳型内での抜熱量と、鋳型下流側の冷却帯における冷却ノズルから鋳片に吹き付ける冷却水による抜熱量と、連続鋳造用ロールによる抜熱量と、未冷却部の輻射による抜熱量を基に、鋳造方向に垂直な鋳片断面における伝熱凝固計算を行い、凝固完了点近傍における鋳片厚み方向の中心固相率を算出することを特徴とする
(3)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、(1)に記載の軽圧下方法において、非接触式のセンサーにより鋳片の凝固完了点近傍の鋳片厚み方向の中心固相率を測定することを特徴とする
(4)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の軽圧下方法において、前記複数配置した圧下ロールの圧下量を制御する際に、複数の圧下ロールが同一の圧下用セグメント内に配置され、該セグメントの圧下勾配により圧下量を調整する場合、該セグメント内の各圧下ロール位置でのB(x)の値のうち少なくとも1つが0以外の値の場合で、かつ、該セグメント内の各圧下ロール位置での鋳片幅中心における鋳片厚み方向の中心固相率fs(x,W/2)の値のうち少なくとも1つが所定値以上の場合に、該セグメントで鋳片を圧下することを特徴とする
)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、()に記載の軽圧下方法において、鋳片厚み方向の中心固相率の幅方向分布に応じて圧下量を調整する際に、前記中心固相率fs(x,y)のx方向の勾配を対象ロール位置(任意のx位置)で鋳片の幅方向(y方向)に求め、その値の平均値あるいは最大値を求め、
前記幅方向に求めた前記勾配の平均値について複数配置した対象セグメント内での圧下ロールのそれぞれに求めた値の平均値から、
前記幅方向に求めた前記勾配の最大値について複数配置した対象セグメント内での圧下ロールのそれぞれに求めた値の最大値まで、
の範囲内の任意の値から、鋳片の凝固収縮量を換算し、
該収縮量に応じた圧下勾配で圧下量を調整することを特徴とする。
)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、()または()に記載の軽圧下方法において、鋳片厚み方向の中心固相率の幅方向分布に応じて圧下量を調整する際に、下記の(II)式の圧下力F以下の範囲で圧下力を制御することを特徴とする。
Figure 0004948977
[ただし、(II)式中のA(x)は前記の中心固相率fs(x,y)から、鋳片厚み方向の中心の固相率を幅方向へ積分したものであって(I)式で表されるものであり、Fは圧下力であり、Eは係数である。]
)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下を行う際に、()に記載の方法により所望の圧下量を求めておき、該圧下量を事前にセットして圧下を行うことを特徴とする。
)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、()に記載の軽圧下方法において、所望の圧下量を事前にセットして圧下を行う方法として、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置にセグメントを押し当てて、所望の圧下量となる様に、セグメントの圧下勾配を一定値に設定することを特徴とする。
)本発明の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法は、(7)に記載の軽圧下方法において、所望の圧下量を事前にセットして圧下を行う方法として、所望の圧下量となる様に、圧下力を制御することにより、セグメントの圧下勾配を一定値に調整することを特徴とする。
ここで、鋳片厚み方向の中心固相率とは、鋳片厚み方向中心の任意の位置における固相率である。(以降、鋳片厚み方向の中心固相率を、単に「中心固相率」と記載することがある。)
本発明によれば、鋳片のクレータエンド側の中心固相率の幅方向分布に応じて圧下ロールによる圧下量を制御しながら軽圧下するので、凝固完了点近傍における未凝固部と凝固部がクレータエンド側において混じった種々の形態のクレータエンド形状となっていても、部位毎に望ましい軽圧下を行うことができ、偏析抑制ができる望ましい凝固状態の管理ができる。
また、伝熱凝固計算に基づく中心固相率の算出結果から、あるいは、センサーによる中心固相率の計測結果から中心固相率を求めるため、これらを基に、いずれのクレータエンド形状であっても部位毎に望ましい軽圧下を行うことができる。
更に、具体的な軽圧下の状態制御として、中心固相率fs(x,y)から鋳片幅方向での積分値としてのB(x)を求め、B(x)の値が0よりも大きい場合、かつ、鋳片幅中心の中心固相率fs(x,W/2)が所定値以上の場合に前記ロールにより凝固完了部近傍を圧下するため、確実な軽圧下状態の把握ができる。
また、実際の軽圧下においては、通常、複数の圧下ロールが同一の圧下用セグメント内に配置されているため、セグメントの圧下勾配により圧下量を調整するが、セグメント内の各圧下ロールのB(x)の値の少なくとも1つが0よりも大きい場合、かつ、鋳片幅中心の中心固相率fs(x,W/2)の値の少なくとも1つが所定値以上の場合に、前記圧下ロールにより凝固完了部近傍を圧下するため、やはり確実な軽圧下状態の把握ができる。
更に、鋳片の鋳造方向への各圧下ロール位置における中心固相率fs(x,y)のx方向勾配の平均値について複数配置した対象セグメント内での圧下ロールのそれぞれに求めた値の平均値から、前記x方向勾配の最大値について複数配置した対象セグメント内での圧下ロールのそれぞれに求めた値の最大値まで、の範囲内の任意の値から鋳片の凝固収縮量を換算し、この凝固収縮量に応じた圧下勾配で前記ロールによる圧下量調整を行うため、クレータエンド形状に合わせたより好ましい条件の軽圧下ができる。
更に、本発明は、圧下量を調整する際に、中心固相率の圧下ロール位置での幅方向積分値のセグメント内各圧下ロールでの合計値に応じてセグメントの圧下力を制御することにより、既設の軽圧下設備の可能な範囲内で操業できているかどうかを把握しながら軽圧下を行うことができる。また、操業条件に応じて、事前にセグメントの必要剛性等を設計することもできる。
次に本発明は、予め計算で所望の圧下量を求めておき、その圧下量を事前にセットしておいて圧下を行うことにより、実操業において容易に適用することができる。
また、圧下量を事前にセットする際、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置にセグメントを押し当てて、所望の圧下量となる様に、セグメントの圧下勾配を一定値に設定するため、実操業への適用性が容易であり、かつ、確実に一定の圧下勾配を保持できる。
更に、圧下量を事前にセットする際に、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置にセグメントを押し当てて、所望の圧下量となる様に、セグメントの圧下勾配を一定値に設定しながら、圧下力を制御することにより、セグメントの圧下勾配を一定値に調整するため、中心固相率に応じて必要な圧下力で圧下されるため、精度良く圧下勾配を一定値に制御できる。また、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置にセグメントを押し当てることなく、圧下力のみで制御できる場合は、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置が不要なため、簡便な装置とすることができる。
以下に本発明に係る連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法の最良の形態について説明するが、本発明方法は以下の最良の形態に制限されるものではない。
図1は本発明が適用される垂直曲げ型の連続鋳造機について鋳片が製造されている状態における鋳片幅方向中央位置における側断面略図である。
図1においてタンデイッシュ1の下方に鋳型2が設けられ、タンデイッシュ1の底部中央にその下方に向いて延出する浸漬ノズル3が設けられ、前記タンデイッシュ1に収容されている溶鋼5を前記浸漬ノズル3を介して鋳型2に供給できるように構成されている。
図1の構成において鋳型2の下方側には、サポートロール6とガイドロール7、8と駆動ロール9からなる鋳片案内ロールが設置され、これらの鋳片案内ロールには鋳型2の直下側から下方に向かって、第1冷却ゾーン10a、第2冷却ゾーン10b、第3冷却ゾーン10c、第4冷却ゾーン10d、第5冷却ゾーン10e、第6冷却ゾーン10fの6つに分割された2次冷却ゾーン10が形成されている。各冷却ゾーン10a〜10fは、例えば前記鋳片案内ロール間に複数のスプレーノズル(図示略)を鋳片の上下に位置するように複数配置することにより、鋳片を目的の水量密度で冷却できるように構成されている。これらのスプレーノズルは必要に応じて冷却水の噴出位置を調整することができるように構成され、鋳片の幅方向両端部側の冷却状態を制御できるように構成されていることが望ましい。
例えば、鋳片両端部側における水量密度を低下させるか、鋳片両端部側に冷却水を噴出しない領域を設ける技術として知られている幅切りを行って先に説明した図12に示すような凝固部108が生じないようにすることができる構成とすることが望ましいが、本発明ではこれらスプレーノズルの構成や機能を特に制限するものではなく、鋳片に目的の冷却条件を付与できるものであればスプレーノズルの構成は特に問わない。
前記タンデイッシュ1の溶鋼5は浸漬ノズル3を介して鋳型2内に連続供給されるが、浸漬ノズル3の下端部は鋳型2内の溶鋼のメニスカス11に達するように配置されている。鋳型2内に供給された溶鋼5は、鋳型2の内面に接触して冷却され、外周に凝固層(凝固シェル)12を形成し、次いで凝固層12はサポートロール6、ガイドロール7、ガイドロール8、軽圧下ロール17、駆動ロール9を通り、下方に連続的に引き抜かれる。この引き抜きの途中、凝固層12の表面は2次冷却ゾーン10において徐々に冷却され、凝固層12の内側の未凝固部13の厚みが徐々に減少され、クレータエンド15にて凝固が完了されて鋳片16とされる。以下、前記連続鋳造機により製造する鋳片16において便宜的に鋳型2に近い側を上流側、鋳型2から離れる側を下流側と呼称する。
図1に示す連続鋳造機において、鋳片16のクレータエンド15の生成領域の上流側と下流側に位置するように軽圧下ロール17が複数配置されている。これらの軽圧下ロール17は、例えば4基以上の必要数(例えば図1の構成では4基)、鋳片16の上下を対のロールが挟むように設置されて1つのセグメントとして構成され、鋳片16のクレータエンド15が図1の上流側あるいは下流側に多少ずれた場合であっても支障なくクレータエンド部分の前後を圧下できるように配置されている。前記軽圧下ロール17は上下に対になっているものが接近離間自在に配置されており、鋳片16をその厚み方向(上下方向)に若干塑性変形できる構成であれば良い。
図2〜図4に前記軽圧下装置Kの具体的構成の一例を示すが、例えば、この例の軽圧下装置Kは、上下対になる盤状のセグメント基盤30、31が設けられ、これらのセグメント基盤30、31が複数の液圧装置32によって接近離間する方向に移動自在に構成されている。即ち、上方のセグメント基盤30の下面側には軸受け部33、33を介して例えば5本の軽圧下ロール17が支持され、下方のセグメント基盤31の上面側には軸受け部34、34を介して例えば5本の軽圧下ロール17が支持されている。また、各セグメント基盤30、31の両側部に複数のブラケット35が突出形成され、両セグメント基盤30、31のブラケット35に接続してピン結合するように液圧装置(油圧シリンダ装置)32が設けられ、各液圧装置32を作動させてそのシリンダロッド32aを伸縮させることにより上下のセグメント基盤30、31を接近するか離間できるようになっている。
図2〜図4に示す構成の軽圧下装置Kでは、液圧装置32、32の作動力を調整することによりセグメント基盤30の傾斜状態を変更しながら所望の加圧力でクレータエンド周辺の鋳片16を軽圧下できるように構成されている。
図4は左右に配置されている液圧装置32、32の作動状態を調整してセグメント基盤30を傾斜させた状態を示すが、このように液圧装置32、32を制御することにより鋳片16に対して負荷する軽圧下力を調整できるように構成されている。勿論、セグメント基盤30、31をそれらの対向面が平行状態とすることで、セグメントによる圧下を解除することも可能である。
以下に説明する本実施の形態の軽圧下ロール17の制御形態の一例について、図5に示す如くクレータエンド15の上流側に4基の軽圧下ロール17a、17b、17c、17dを備えた場合について説明する。
本実施形態において、クレータエンド15に対してその上流側に鋳片16を上下から挟み付けるように配置した上下一対の軽圧下ロール17aと軽圧下ロール17bと軽圧下ロール17cと軽圧下ロール17dが整列配置された4基構成の軽圧下ロール装置が構成されている。
この形態の軽圧下装置においては、後述する計算等で求めた最適な圧下勾配となるように各ロール17a〜17dの位置を制御し、結果として各ロールでの圧下力が変化するようにして最適圧下勾配で鋳片を軽圧下制御することができるように構成されている。
ここでは各ロール17a〜17dの圧下量を個別に調整しても良いが、装置構成上の観点からセグメント基盤30、31に傾斜勾配をつけて圧下勾配を規定し、圧下勾配を調整することが現実的である。
図5に示す構成の軽圧下ロール17a、17b、17c、17dにより軽圧下する鋳片のクレータエンド形状は、図6に示す状態と図7に示す状態が考えられる。
図6に示す状態は中心偏析やポロシティーの問題の生じ難い、良好と思われる凝固状態であり、鋳片幅方向中央部側の凝固完了点24が鋳片幅方向でほぼ同一位置で全幅Wに近い平滑な幅広形状となり、鋳片幅方向両端部側に幅の狭い凝固部25が存在している状態であり、図7に示す状態は、鋳片幅方向両端部側の凝固完了点26が鋳片幅方向中央部側の凝固完了点27よりも鋳造方向下流側に角状に伸びた形状となる状態である。
なお、先に図12を基に記載した凝固状態も考えられるが、図12に示す凝固状態ではコーナー割れを生じる危険性があり、この状態とならないように幅切りと称される鋳片端部側をスプレーノズルで冷却しない技術を利用して図12に示す状態を回避し、この回避の結果、鋳片両端部側の凝固完了点が下流側に角状に伸びて生成しやすくなり、図7に示す状態となった場合に本発明が有効となる。
ただし、クレータエンド形状は種々の形状があり、図7に模式的に記載される状態のみではなく、更に複雑な形状も考えられるので、以下に説明する方法は中心側に凝固部27が生成され、クレータエンド領域においてその凝固部27とは鋳造方向に前後した位置に凝固完了点が不定形の状態で形成された場合一般に適用できるのは勿論である。
なお、一般的な軽圧下自体は連続鋳造時に通常行うものなので、図7に示す状態となった場合に限らず、仮に図10〜図12のいずれのクレータエンド形状になっていたとしても行う操作として考える。
本実施形態では、図6〜図7に例示される様な鋳片の凝固完了点近傍の未凝固部分と凝固部分の状態を基に、凝固完了点近傍に複数配置した軽圧下ロールの圧下量を制御しながら軽圧下する方法であり、鋳造中において、後述の方法等により鋳片の中心固相率を求めて、この中心固相率の幅方向分布に応じて、圧下量を調整するものである。
すなわち、鋳片の中心固相率の幅方向分布に新たに着目したものであり、中心固相率の幅方向分布に応じて圧下量を調整することにより、凝固完了点が不定形の状態で形成されて、種々の形態のクレータエンド形状となっていても、部位毎に望ましい軽圧下を行うことができ、偏析抑制を可能とするものである。
尚、凝固完了点近傍とは、凝固完了点から上流側の一定の領域であれば、特に規定するものではないが、軽圧下した場合に、偏析抑制等の効果が発揮される程度の中心固相率以上の領域であることが好ましい。
具体的に、鋳片の中心固相率の幅方向分布に応じて、凝固完了点近傍における軽圧下の適用範囲を求める方法を、以下に示す。
鋳片16の全幅をWとし、その鋳片16の幅方向の任意の位置をyとし、前記鋳片16の鋳造方向の任意の位置をxとし、鋳片16の任意の点(x,y)における鋳片厚み方向の中心の固相率をfs(x,y)と定義して、この中心固相率fs(x,y)が所定の範囲内の場合を0以外の値とし、それ以外の範囲の場合を0に2値化する関数をg(x,y)と定義する。ここでは、典型的な例として、中心固相率fs(x,y)が所定の範囲内の場合を0とし、それ以外の範囲の場合を1に2値化したケースについて示している。尚、中心固相率fs(x,y)の所定の範囲とは、特に規定するものではなく、鋳片の品質の要求等により、適宜、設定すれば良い。これらの関係を以下の式で示すことができる。
Figure 0004948977
Figure 0004948977
Figure 0004948977
ここでは、典型的な例として、中心固相率fs(x,y)が所定の範囲内の場合を0とし、それ以外の範囲の場合を1に2値化したケースについて示している。尚、中心固相率fs(x,y)の所定の範囲とは、特に規定するものではなく、鋳片の品質の要求等により、適宜、設定すれば良い。従って、中心固相率fs(x,y)としては、0超で1未満の範囲から、任意に設定することができる。但し、前記の中心固相率が0.2未満の場合、軽圧下しても偏析抑制やポロシティーの解消の面で、効果がない場合があるため、前記の中心固相率は0.2以上が好ましい。但し、全て固相の場合は軽圧下できないため、前記の中心固相率の上限は1.0未満とする。さらに、中心固相率が大きすぎる場合、軽圧下しづらい場合があるため、前記の中心固相率は0.2以上0.7以下がより好ましい。
また、鋳片幅中心の中心固相率fs(x,W/2)を所定値以上とするのは、凝固完了点近傍を判別するためである。但し、この所定値についても、特に規定するものではなく、鋳片の品質の要求等により、適宜、設定すれば良い。但し、鋳片幅中心の中心固相率fs(x,W/2)が0.2未満では、軽圧下した場合に、偏析抑制等の効果が発揮されにくくなる場合があるため、0.2以上が好ましい。但し、全て固相の場合は軽圧下による偏析抑制等の効果がほとんどないため、前記鋳片幅中心の中心固相率の上限は1.0未満とする。
従って、上記(3)式に従い、B(x)>0の時、かつ、凝固完了点近傍を判別できる鋳片幅中心の中心固相率fs(x,W/2)が所定値以上の時に、軽圧下を実施すれば良い。
ここで、複数の軽圧下ロールが同一の圧下用セグメント内に配置され、セグメントの圧下勾配により圧下量を調整する場合、軽圧下ロール一本ごとに圧下量を調整するのではなく、セグメントの圧下勾配を規定して、圧下勾配により圧下量を制御することになるので、セグメント内の軽圧下ロールの中の少なくとも1本の位置において、B(x)>0の時、かつ、セグメント内の軽圧下ロールの中の少なくとも1本の位置において、凝固完了点近傍を判別できる鋳片幅中心の中心固相率fs(x,W/2)が所定値以上の時に、軽圧下を実施することができる。
尚、B(x)を求める際の中心固相率fs(x,y)の所定の範囲や、鋳片幅中心の中心固相率fs(x,W/2)の所定値以上については、前記と同様である。
次に、鋳片16の任意の点(x,y)における鋳片厚み方向の中心固相率をfs(x,y)の求め方の例について説明する。
「fs(x,y)を計算により求める場合」
鋳片16の鋳造方向に垂直な断面(横断面)において伝熱凝固計算を行う場合、計算の境界条件として、鋳型2内は以下の公知の(4)式により鋳型への抜熱量qを求めることができる。以下の(4)式において、Xはメニスカスからの鋳造方向距離、α、βは定数を示す。
Figure 0004948977
次に、鋳型2以降の伝熱凝固計算については、冷却ノズルから鋳片16に吹き付ける冷却水による抜熱と、連続鋳造用ロールによる抜熱と、未冷却部の輻射による抜熱を熱伝達係数として与えることができる。ここで連続鋳造用ロールとは、鋳型2以降に配設されているロールを意味している。
この係数の計算は、一例として特開平4−231158号公報に開示されている技術を適用することができる。例えば、ロールRi,Ri+1により案内されて冷却水が吹き付けられる鋳片16の有限要素モデルMjから雰囲気への熱伝達率hwが、先に演算された有限要素モデルMj−1からの熱伝達率hwより求められた鋳片の表面温度と、冷却水の吹き付け量に関する操業上の実測データである吹付量分布に基づいて演算することができる。鋳片16は図9に示すように楕円形状の吹き付け領域16aに吹き付けられる実測データとしての冷却水と空気により冷却され、吹き付け領域16aにおける吹き付け量分布16b、16cも実測データが用いられる。
ここで鋳片16からロールRi、Ri+1へ、または鋳片16の空冷部APから雰囲気へ逃げる熱の熱伝達率hr、haは、冷却水16eの影響を受けず、雰囲気の温度に依存する。また、未凝固部の溶鋼または鋳片16から鋳型2への熱伝達率hmは鋳片16の表面温度に依存せずほぼ一定である。一方、冷却水16eが吹き付けられる鋳片16aの水冷部WPから雰囲気へ逃げる熱の熱伝達率hwは水冷部WPに吹き付けられる冷却水16e及び空気の吹き付け量と水冷部WPの表面温度に依存する。
更に、水冷部WPの位置に相当する有限要素Eに係る熱伝達率hwは、以下の式により定義され、有限要素E毎の鋳片の表面温度T、スプレーノズルの吹き付け領域及び吹き付け量分布に含まれる有限要素E毎に求められた冷却水量W及び空気量Aを適用する。
hw=hw(T,W,A)=α×T×W×A
ただし、前記の式において、α、f、g、nは各ノズルNiについて予め実験等により得られた係数であって、前記ノズル毎の吹き付け領域及び吹き付け量とともに、それぞれデータベース等に記録しておき、それを基に計算すればよい。
以上の計算により、任意の鋳造方向位置x、幅方向位置yにおける温度を求めることができる。
上述の伝熱計算により任意の鋳造方向位置x、幅方向位置yにおける温度から「伝熱凝固計算」を行うことができ、鋳片の厚み中心の中心固相率fs(x,y)を求めることができる。
なお、伝熱凝固計算として前記特開平4−231158号公報に開示されている技術の他に、「コンピュータ伝熱、凝固解析入門、大中著、丸善株式会社刊」に記載されているエンタルピー法、等価比熱法を適用しても行っても良い。
「実測により求める場合」
鋳片のクレータエンドの温度を測定するには、特開平10−325714号公報に記載されている放射線による測定方法を適用することができる。
概略を説明すると、2つ以上の異なったエネルギースペクトルを有する放射線の、鋳片の厚さ方向の透過度を測定する放射線透過度測定装置と、前記放射線透過度測定装置を鋳片幅方向に走査する幅方向走査装置と、前記放射線透過度測定装置と幅方向走査装置によって得られた透過度の鋳片幅方向の分布に基づいて、鋳片断面の凝固完了点近傍の形状を求める凝固完了点近傍の形状演算装置と、溶鋼温度、スプレー冷却水温度、冷却水ノズル状態および鋳造速度に基づいて鋳片の温度分布を求める伝熱計算装置と、前記鋳片の温度分布と前記断面の凝固完了点近傍の形状に基づいて温度分布を修正する温度修正演算装置と、前記修正された温度分布に基づいて3次元の凝固完了点近傍の形状を求める3次元凝固完了点近傍の形状演算装置とを備えた検出装置を用いる。
特開平10−325714号公報に記載されている放射線による測定方法を適用し、鋳片のクレータエンドの3次元凝固完了点近傍の形状を測定することができるので、この方法により鋳片の厚み中心の中心固相率fs(x,y)を求めることができる。
なお、鋳片の厚み中心の中心固相率fs(x,y)を求める場合、特開平10−325714号公報に記載されている如くクレータエンド前後の3次元の凝固完了点近傍の形状を全て把握しなくとも、鋳片の厚み中心の中心固相率fs(x,y)を概算するのであれば、放射線透過度測定装置を鋳片のクレータエンド前後に走査して鋳片厚み方向における凝固部と未凝固部の透過度の差異から凝固部と未凝固部を区別する操作を行ない、その値を利用しても良い。
「軽圧下量の制御方法」
軽圧下を実施するセグメント基盤20、21に図5に示す如く4本の軽圧下ロール17a、17b、17c、17dが組み込まれて1つのセグメントとされてなり、これらにより鋳片16を軽圧下する場合について各軽圧下ロールの制御方法を説明する。なお、各軽圧下ロール17a〜17dにより結果的に鋳片に圧下力を印加することになるが、この例では各軽圧下ロール17a〜17dの個々の加圧力を変更するのではなく、セグメント基盤の圧下力(クランプ力)で、各軽圧下ロール17a〜17dの圧下勾配を決める位置制御を行う。
前記軽圧下ロール17aの設置されている位置を鋳造方向におけるx1、軽圧下ロール17bの設置されている位置をx2、軽圧下ロール17cが設置されている位置をx3、軽圧下ロール17dが設置されている位置をx4とする。
先に定義した(3)式に従うB(x)を各軽圧下ロールの位置で求め、セグメント内の軽圧下ロールの中の少なくとも1本の位置においてB(x)>0の時、かつ、セグメント内の軽圧下ロールの中の少なくとも1本の位置において、鋳片幅中心の中心固相率fs(x,W/2)が所定値以上の時に、軽圧下を実施する。
その際に、中心固相率fs(x,y)のx方向勾配のy方向での最大値または平均値を求める。即ち、x1〜x4の位置(圧下する軽圧下ロールは4箇所)で各軽圧下ロールごとにfs(x,y)を計算し、∂・fs(x,y)/∂・x をy方向に計算し、その最大値または平均値を求める。
次に、各軽圧下ロールそれぞれについて求めた前記∂・fs(x,y)/∂・x の値の平均値を用いて、さらにこれらの平均値を求めた値を下限値として、
また、各軽圧下ロールそれぞれについて求めた前記∂・fs(x,y)/∂・x の値の最大値を用いて、さらにこれらの最大値を上限値として、
上記の下限値から上限値までの範囲内の任意の値をCとする。
ここで、上記の下限値から上限値までの範囲内の任意の値については、特に規定するものではなく、製品品質からの要求等から、適宜、選択することができる。
例えば、中心固相率の変化量は、凝固収縮状況を示しているため、最も収縮しているものを対象として軽圧下する場合は、前記∂・fs(x,y)/∂・x の値の最大値を各軽圧下ロールごとに計算し、その最大値をCとすることが好ましい。
一方、軽圧下装置の押し付け能力を考慮した場合は、前記∂・fs(x,y)/∂・x の値の平均値を各軽圧下ロールごとに計算し、それらの平均値(圧下する軽圧下ロールは4箇所)をCとしても構わない。
ちなみに、上記の下限値から上限値までの範囲内の任意の値を選択可能であるが、実際には平均値や最大値を用いることが現実的である。そこで、前記した平均値と最大値の組み合わせとしては、典型的なケースとして4つのパターンを例示することができ、具体的には、中心固相率の幅方向分布に応じて圧下量を調整する際に、中心固相率fs(x,y)のx方向の勾配を対象ロール位置(任意のx位置)で鋳片の幅方向(y方向)に求め、その値の平均値あるいは最大値を求め、更に、複数配置した対象セグメント内での軽圧下ロールのそれぞれに求めた値の平均値あるいは最大値を求めるとともに、
前記幅方向に求めた前記勾配の平均値と前記軽圧下ロールのそれぞれに求めた値の平均値とから鋳片の凝固収縮量を換算するか、前記幅方向に求めた勾配の最大値と前記軽圧下ロールのそれぞれに求めた値の最大値とから鋳片の凝固収縮量を換算するか、前記幅方向に求めた勾配の最大値と前記軽圧下ロールのそれぞれに求めた値の平均値とから鋳片の凝固収縮量を換算するか、前記幅方向に求めた勾配の平均値と前記軽圧下ロールのそれぞれに求めた値の最大値とから鋳片の凝固収縮量を換算し、前記いずれかの収縮量に応じた圧下勾配で圧下量を調整することができる。
その後、得られたC値を凝固収縮量に換算し、この凝固収縮量に応じた圧下勾配で軽圧下を実施する。前記C値から凝固収縮への換算方法としては、例えば、Cに係数Dを乗じて、セグメント内での軽圧下ロール1本での圧下量(C×D)を求めることができる。ここで係数Dとは、鋳片の凝固収縮量とfs(x,y)の鋳造方向勾配との関係を予め計算等で求めて計算したものを、セグメントの剛性(軽圧下ロールの撓みやフレームの撓み)で補正したものとする。
「軽圧下力の制御方法」
上記の様に、鋳片の凝固収縮量に応じた圧下勾配で圧下量を調整する際に、必要な圧下力を考慮することは、操業の継続可能の判断を行う上で、重要である。
そこで、前記中心固相率fs(x,y)の軽圧下ロール位置での幅方向積分値のセグメント内各軽圧下ロールでの合計値に応じて、軽圧下するために必要なセグメントの圧下力を把握することに着目した。
具体的には、前記の中心固相率fs(x,y)から、鋳片厚み方向の中心の固相率を、幅方向へ積分したものをA(x)と定義し、以下の(5)式に基づいて求める。
Figure 0004948977
この(5)式のA(x)は鋳片幅方向の固相率の積分値を示しており、このA(x)を用いて軽圧下するために必要なセグメントの圧下力が求まる。
即ち、固相率の積分値が小さい場合は小さな圧下力でよいが、固相率の積分値が大きくなるにつれて大きな圧下力が必要となり、その指標として固相率の積分値を把握することができる。
具体的には、圧下力F、係数Eとすると以下の(6)式にて示すことができることを本発明者は知見した。この圧下力Fが、軽圧下を行うために必要な圧下力の最大値となる。従って、この圧下力で軽圧下可能な装置を用いている場合、この圧下力以下の範囲で圧下力を制御することで、軽圧下が継続可能であることを判断できる。
Figure 0004948977
また、A(x)で示す固相率の積分値の軽圧下対象セグメント内の合計値より、セグメントの最大必要圧下力を計算出来、セグメントの必要剛性等の設計が可能になった。
さらに、既設の軽圧下セグメントにおいては、該合計値より、軽圧下可能範囲、圧下勾配の限界値の検討も可能になった。
前述の構成の軽圧下装置Kにより鋳片16のクレータエンド部分を具体的に軽圧下する場合の例を、図7を用いて説明する。従来の方法の様に、鋳片幅中心における鋳片厚み方向の中心固相率を管理指標とした場合、F1位置からF2位置まで軽圧下を行うだけとなってしまう。従って、鋳片幅方向両端部側の凝固完了点が、中央部の凝固部よりも鋳造方向下流側に角状に伸びた部分については、軽圧下されないため、不純物の偏析が顕著な部位が生じる。
これに対して、本発明の方法は、中心固相率の幅方向分布を考慮して、クレータエンド形状に応じて、望ましい軽圧下を行うものであるため、図7のクレータエンドの形状からは、F1位置からF4位置まで軽圧下を行えば良いことになる。しかし、F4ではほとんどが固相であるため、現実的には軽圧下できないため、軽圧下が可能な範囲である領域(例えば、固相率が0.7以下)であるF1位置からF3位置を軽圧下することにより、F1位置からF3位置までの圧下では、顕著な偏析部位は生じない。すなわち、中心固相率の幅方向分布に応じて、広い範囲で軽圧下できるため、偏析が防止できるため、良好な品質の鋳片を製造することができる。
また、鋳造中の圧下量の調整方法の別の形態として、最適な圧下量を予め求めておいて、この圧下量を一定値に鋳造前に事前にセットしておくことも可能である。
すなわち、鋳造中の操業データ等から計算して制御するのではなく、計画している操業条件等から、所望の圧下量を予め求めておき、この圧下量を一定値に鋳造前に事前にセットし、その状態で操業を行うものである。
尚、所望の圧下量については、計画している操業条件等を用いて、前述の通り、一連の計算により中心固相率を凝固収縮量に換算して求めても良い。
また、計画している操業条件と同様の操業条件での実測結果を用いて所望の圧下量を求めても良く、あるいは、計画している操業条件を模擬した実験により所望の圧下量を求めても良い。
尚、具体的に、所望の圧下量を事前にセットして圧下を行う方法としては、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置にセグメントを押し当てて、所望の圧下量となる様に、セグメントの圧下勾配を一定値に設定する方法を採用しても良い。尚、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置としては、ジャッキ等が例示できる。
また、所望の圧下量を事前にセットして圧下を行う別の方法としては、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置として、例えばジャッキ等にセグメントを押し当てながら、所望の圧下量の設定として一定値となる様に、圧下力を一定値に制御することにより、セグメントの圧下勾配を一定値に調整することでも良い。
但し、高度な制御が可能であれば、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置として、例えばジャッキ等にセグメントを押し当てることなく、所望の圧下量になる様に事前にセグメントの圧下勾配を一定値に設定し、この圧下勾配を保持する様に、セグメントの圧下力を制御することで実施できる。
以上、述べてきた通り、本発明では種々の形態のクレータエンド形状となっていても、部位毎に望ましい軽圧下を行うものである。従って、従来よりも大きな圧下力が必要となる場合が生じる可能性もあるが、その場合は、例えば、軽圧下ロールの本数を増加させること、または、セグメントフレームの剛性を上げること、等で実施できる。
図1は本発明が適用される垂直曲げ型の連続鋳造機について鋳片が製造されている状態における鋳片幅方向中央位置における側断面略図。 図2は連続鋳造機に付設される軽圧下装置の一例を示す断面図。 図3は同軽圧下装置の部分平面図。 図4は同軽圧下装置の側面図。 図5は本発明で使用される軽圧下装置の軽圧下ロールの概略構成を示す説明図。 図6は本発明が適用される鋳片のクレータエンド形状の一例を示す説明図。 図7は本発明が適用される鋳片のクレータエンド形状の他の例を示す説明図。 図8は有限要素モデルを基にした鋳片の凝固伝熱計算の一例を説明するためのもので、図8(A)は鋳片とノズルの位置関係を鋳片鋳造方向に対し側面から見た説明図、図8(B)は鋳片鋳造方向から見た説明図。 図9は有限要素モデルを基にした鋳片の凝固伝熱計算の一例を説明するために鋳片を平面視した説明図。 図10はクレータエンド形状の一例を示し、鋳片両端側の未凝固部が鋳片中央部の凝固部よりも鋳造方向下流側に延出した状態を示す断面図。 図11はクレータエンド形状の他の例を示し、鋳片幅方向中央部の凝固部が幅広く形成された状態を示す図。 図12はクレータエンド形状の更に別の例を示し、鋳片幅方向中央部に凝固部が形成され、その両側に斜め勾配の凝固部が形成された状態を示す図。
符号の説明
2 鋳型、
5 溶鋼、
11 メニスカス、
12 凝固層(凝固シェル)、
15 クレータエンド、
16 鋳片、
17 軽圧下ロール、
17a〜17d 軽圧下ロール、
20、21 セグメント基盤、
26 未凝固部、
27 凝固部、
30、31 セグメント基盤、
32 液圧装置、

Claims (9)

  1. 鋳型内に溶鋼を注入し、該溶鋼を冷却して形成した凝固シェルを鋳型下方に連続的に引き抜き、更に鋳型下流側の冷却帯で凝固シェル表面を冷却して鋳片の凝固を完了させる際に、鋳片の凝固完了点近傍の未凝固部分と凝固部分の状態を基に凝固完了点近傍に複数配置した圧下ロールの圧下量を制御しながら軽圧下する方法であり、鋳片厚み方向の中心固相率を求めて、該中心固相率の幅方向分布に応じて、圧下量を調整する方法であって、
    幅Wの連続鋳造鋳片の幅方向の任意の位置をyとし、前記連続鋳造鋳片の鋳造方向の任意の位置をxとし、連続鋳造鋳片の任意の点(x,y)における鋳片厚み方向の中心固相率をfs(x,y)と定義して、この中心固相率fs(x,y)が所定の範囲内の場合を0以外の値とし、それ以外の範囲の場合を0に2値化する関数をg(x,y)と定義し、該g(x,y)で示される関数を連続鋳造鋳片の幅方向に0からWまで積分したB(x)を求め、このB(x)の値が0以外の値の場合で、かつ、鋳片幅中心における鋳片厚み方向の中心固相率fs(x,W/2)の値が所定値以上の場合に、前記圧下ロールにより凝固完了点近傍として凝固完了点から上流側の領域であって、軽圧下した場合に偏析抑制の効果が発揮される中心固相率以上の領域を圧下することを特徴とする連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
  2. メニスカスからの鋳造方向距離に応じた鋳型内での抜熱量と、
    鋳型下流側の冷却帯における冷却ノズルから鋳片に吹き付ける冷却水による抜熱量と、連続鋳造用ロールによる抜熱量と、未冷却部の輻射による抜熱量を基に、
    鋳造方向に垂直な鋳片断面における伝熱凝固計算を行い、凝固完了点近傍における鋳片厚み方向の中心固相率を算出することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
  3. 非接触式のセンサーにより鋳片の凝固完了点近傍の鋳片厚み方向の中心固相率を測定することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
  4. 前記複数配置した圧下ロールの圧下量を制御する際に、複数の圧下ロールが同一の圧下用セグメント内に配置され、該セグメントの圧下勾配により圧下量を調整する場合、該セグメント内の各圧下ロール位置でのB(x)の値のうち少なくとも1つが0以外の値の場合で、かつ、該セグメント内の各圧下ロール位置での鋳片幅中心における鋳片厚み方向の中心固相率fs(x,W/2)の値のうち少なくとも1つが所定値以上の場合に、該セグメントで鋳片を圧下することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
  5. 鋳片厚み方向の中心固相率の幅方向分布に応じて圧下量を調整する際に、前記中心固相率fs(x,y)のx方向の勾配を対象ロール位置(任意のx位置)で鋳片の幅方向(y方向)に求め、その値の平均値あるいは最大値を求め、
    前記幅方向に求めた前記勾配の平均値について複数配置した対象セグメント内での圧下ロールのそれぞれに求めた値の平均値から、
    前記幅方向に求めた前記勾配の最大値について複数配置した対象セグメント内での圧下ロールのそれぞれに求めた値の最大値まで、
    の範囲内の任意の値から、鋳片の凝固収縮量を換算し、
    該収縮量に応じた圧下勾配で圧下量を調整することを特徴とする請求項に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
  6. 鋳片厚み方向の中心固相率の幅方向分布に応じて圧下量を調整する際に、下記の(II)式の圧下力F以下の範囲で圧下力を制御することを特徴とする請求項4または5に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
    Figure 0004948977
    [ただし、(II)式中のA(x)は前記の中心固相率fs(x,y)から、鋳片厚み方向の中心の固相率を幅方向へ積分したものであって(I)式で表されるものであり、Fは圧下力であり、Eは係数である。]
  7. 連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下を行う際に、請求項に記載の方法により所望の圧下量を求めておき、該圧下量を事前にセットして圧下を行うことを特徴とする連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
  8. 所望の圧下量を事前にセットして圧下を行う方法として、セグメントの勾配を一定に保持する機能を有する装置にセグメントを押し当てて、所望の圧下量となる様に、セグメントの圧下勾配を一定値に設定することを特徴とする請求項に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
  9. 所望の圧下量を事前にセットして圧下を行う方法として、所望の圧下量となる様に、圧下力を制御することにより、セグメントの圧下勾配を一定値に調整することを特徴とする請求項に記載の連続鋳造鋳片の凝固完了点近傍の軽圧下方法。
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