JP4946389B2 - 吐出タイミング決定方法及び液滴吐出方法 - Google Patents

吐出タイミング決定方法及び液滴吐出方法 Download PDF

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本発明は、インクジェットヘッドのような液滴噴射ヘッドから、インク等の液滴を吐出するタイミングを決定する吐出タイミング決定方法及び液滴吐出方法に関する。
インクを吐出するノズルのインク吐出特性を向上させたインクジェットヘッドとして、例えば、特許文献1(特開2005−271543号公報)に記載のインクジェットヘッドが挙げられる。
特開2005−271543号公報
特許文献1に記載されているようなインクジェットヘッドからインクを吐出させる際に、1つの印字周期内に1つのノズルから単独でインクを吐出させる(以下、単独吐出とする)場合と複数のノズルから一斉にインクを吐出させる(以下、一斉吐出とする)場合とでインクの吐出特性が異なることがある。例えば、一斉吐出では単独吐出と比べてインクの吐出速さが著しく小さい場合がある。これによって、単独吐出の場合と比べて一斉吐出の場合にはインクの吐出速さのばらつきが大きくなる。
このように一斉吐出の場合に単独吐出の場合と比べて吐出特性にばらつきが生じる原因として、クロストークと呼ばれる現象がある。クロストークとは、一のノズルからインクを吐出させた際にインクジェットヘッドに発生する振動等によって、一のノズルからのインク吐出が他のノズルからのインク吐出に影響を及ぼす現象である。クロストーク等を原因として、一斉吐出の際にインクの吐出特性にばらつきが生じると、インク吐出によって形成される画像が不均一になるおそれがある。つまり、インクジェットヘッドによる画像の再現性が悪くなる。
本発明の目的は、複数のノズルから一斉にインク等の液滴を吐出する際に吐出特性のばらつきが小さくなり、画像の再現性が良好になるような吐出タイミング決定方法を提供することと、そのようにして決定された吐出タイミングで液滴を吐出する方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の発明者は、複数のノズルからインクを吐出させる際に、吐出タイミングのずれ時間によって異なる吐出特性が表れることを確かめた。
本発明の第1の態様に従えば、吐出タイミングを決定する対象となる3つ以上のノズル群である対象ノズル群を有する液滴吐出ヘッドにおいて、前記対象ノズル群のそれぞれにおける印字周期内の液滴の吐出タイミングを決定する方法であって、前記対象ノズル群から任意に選択した2つのノズル群である選択ノズル群における吐出タイミングの所定のタイミングに対するずれ時間の組み合わせからなる複数の第1のずれ時間の組み合わせに関して、液滴の吐出速さのばらつきである第1吐出ばらつきを前記第1のずれ時間の組み合わせ毎に導出する導出工程を、前記選択ノズル群として選択するノズル群の組み合わせを変更しつつ複数回行う第1工程と、前記所定のタイミングに対する前記対象ノズル群における吐出タイミングのずれ時間の組み合わせからなる複数の第2のずれ時間の組み合わせに関して、液滴の吐出速さのばらつきである第2吐出ばらつきを、前記第2のずれ時間の組み合わせ毎に導出する第2工程と、前記第2工程で導出した前記第2吐出ばらつきのうち、閾値よりも低い前記第2吐出ばらつきに対応する前記第2のずれ時間の組み合わせを決定する第3工程と、を備え、前記第2工程においては、前記第2のずれ時間の組み合わせに含まれる全ての前記第1のずれ時間の組み合わせに対応する前記第1吐出ばらつきの和を、前記第2吐出ばらつきとして算出し、前記導出工程は、前記対象ノズル群の中から第1ノズル群と第2ノズル群とを前記選択ノズル群として選択する選択工程と、前記選択工程により選択された第1ノズル群の吐出速さと第2ノズル群の吐出速さとの測定を、前記第1のずれ時間の組み合わせを変更しつつ、複数回行う吐出工程と、前記吐出工程において測定した前記第1ノズル群の吐出速さと基準値との差に基づいて前記第1ノズル群の吐出速さのばらつきを算出し、前記吐出工程において測定した前記第2ノズル群の吐出速さと前記基準値との差に基づいて前記第2ノズル群の吐出速さのばらつきを算出し、算出した前記第1ノズル群の吐出速さのばらつきと前記第2ノズル群の吐出速さのばらつきを前記第1吐出ばらつきとする第1吐出ばらつき算出工程と、を備える吐出タイミング決定方法が提供される。
本発明の第1の態様によれば、対象ノズル群に属するノズル群間の最適な吐出タイミングのずれ時間を決定できる。れらの各ノズル群から吐出される液滴の吐出速さにおいてばらつきが小さくなるように、ノズル群間の吐出タイミングのずれ時間を決定することにより、これらのノズル群から同じ印字周期内に液滴を噴射した場合に発生するクロストークを抑制することができる
また、ずれ時間を挟みつつ選択された複数の選択ノズル群からインクが吐出される際に測定される吐出速さに基づいて、対象ノズル群からインクが吐出される際の吐出速さのばらつきが推測される。そして、対象ノズル群からインクが吐出される際に吐出速さのばらつきが小さくなるような適切な吐出タイミングが、推測されたばらつきに基づいて決定される。したがって、このような吐出タイミングが採用されることにより、吐出速さのばらつきが少なく、均一な画像が形成されるような液滴吐出ヘッドが実現する。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記第1工程において、前記対象ノズル群に属するそれぞれのノズル群が、一回以上は前記選択ノズル群に属するように、前記選択ノズル群に属するノズル群を変更しつつ前記導出工程を複数回行ってもよい。この場合には、対象ノズル群における吐出タイミングが決定される際に、全てのノズル群について少なくとも1回のインク吐出の測定結果が利用されることになる。つまり、適切な吐出タイミングが決定されるためのサンプルが確実に確保される。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記対象ノズル群から抽出される2つの前記ノズル群からなる組み合わせのそれぞれが1回以上は前記選択ノズル群に属するように、前記選択ノズル群に属するノズル群を変更しつつ前記導出工程を複数回行ってもよい。この場合には、全てのノズル群の対について導出工程が行われるので、全てのノズル群の組み合わせを構成できる十分なサンプルが確保される。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記選択ノズル群に含まれるノズル群の数を変更せず前記選択ノズル群に属するノズル群を変更して前記導出工程を複数回ってもよい。この場合には、選択ノズル群に含まれるノズル群の数が固定されるため、ずれ時間の組み合わせが簡易に生成される。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記対象ノズル群に属する全てのノズルから同時にインクを吐出させる同時吐出工程と、前記同時吐出工程において吐出される液滴の吐出速さをノズル群ごとに測定する同時測定工程と、前記同時測定工程において測定された液滴の吐出速さに基づいて、ノズル群のそれぞれにおける吐出速さのばらつきを算出する同時ばらつき算出工程とをさらに備え、前記第3工程において、前記同時ばらつき算出工程において算出された前記吐出速さのばらつきを前記対象ノズル群に属する全てのノズル群に関して加算した和を閾値として、閾値よりも低い前記第2吐出ばらつきに対応する前記第2のずれ時間の組み合わせを決定してもよい。この場合には、同時吐出の場合より吐出速さのばらつきの少ない吐出タイミングが確実に決定される。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記液滴吐出ヘッドは、平行に配列された複数のノズル列が形成されたノズル面を有し、前記各ノズル列は前記複数のノズルを含み、前記複数のノズル群が前記複数のノズル列であってもよい。複数のノズル列が形成されているとクロストークによる吐出特性のばらつきが表れやすい。したがって、このような液滴吐出ヘッドについて、吐出特性のばらつきを防止することができる。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記液滴吐出ヘッドから吐出する液滴は黒色を含む複数の色のインク液滴を含み、前記吐出工程において、同じ前記ノズル列に含まれるノズルからは同じ色のインク液滴を吐出し、且つ、異なる前記ノズル列に含まれるノズルからは異なる色のインク液滴を吐出してもよい。カラー画像を形成する液滴吐出ヘッドにおいては、吐出特性の違いが画像の品質に影響を与えやすい。したがって、このような液滴吐出ヘッドについて、吐出特性のばらつきを防止することができる。
本発明の吐出タイミング決定方法において、前記液滴吐出ヘッドから吐出する液滴は黒色を含む複数の色のインク液滴を含み、前記黒色のインク液滴を吐出するノズル列を前記選択ノズル群に含まないように前記導出工程を行い、前記黒色のインク液滴を吐出するノズル列のインク液滴吐出のタイミング、前記黒色以外の前記複数の色のインク液滴を吐出するノズル列の液滴吐出のタイミングよりも前又は後となるように決定してもよい。この場合には、黒色のインクを吐出するノズル列についてはインク吐出が行われずに、黒色のインクを吐出するノズル列を含む複数のノズル列における吐出タイミングが決定される。したがって、より少ない工程で吐出タイミングが決定され得る。また、黒色以外のインクを吐出するノズル群からのインク吐出が、黒色のインクを吐出するノズル群からのインク吐出の影響を受けにくくなる。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記各ノズルが前記複数のノズル群のいずれかに属していてもよい。この場合には、液滴吐出ヘッドに形成された全てのノズルについて、吐出速さのばらつきが小さくなるような吐出タイミングが決定される。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記液滴吐出ヘッドによる液滴吐出には、前記複数のノズルから吐出される液滴の量が異なる複数のモードがあり、前記吐出工程において、前記複数のモードのうち最も少ない量の液滴を吐出するモードで前記複数のノズルに液滴を吐出させてもよい。この場合には、液滴の吐出量が異なる複数の吐出モードで駆動される液滴吐出ヘッドの場合でも、吐出速さのばらつきが最も生じやすい吐出モードに絞って液滴吐出のタイミングが決定される。このため、より適切なタイミングが決定され得る。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記液滴吐出ヘッドによる液滴吐出のモードには、前記複数のノズルから吐出される液滴の量が異なる複数のモードがあり、前記各モードごとに前記導出工程を行い、記各モードごとに前記対象ノズル群のそれぞれにおける印字周期内の液滴の吐出タイミングを決定してもよい。この場合には、吐出される液滴の量に応じた適切な液滴吐出のタイミングが決定され得る。
本発明の吐出タイミング決定方法においては、前記液滴吐出ヘッドには4列以上の前記ノズル列が形成されていてもよい。この場合には、4列以上の多くのノズル列がある場合にも適切なタイミングが決定され得る。
本発明の第2の態様に従えば、吐出タイミングを決定する対象となる3つ以上のノズル群である対象ノズル群を有する液滴吐出ヘッドにおいて、前記対象ノズル群のそれぞれにおける印字周期内の液滴の吐出タイミングをずらしつつ液滴を吐出する液滴吐出方法であって、前記対象ノズル群から任意に選択した2つのノズル群である選択ノズル群における吐出タイミングの所定のタイミングに対するずれ時間の組み合わせからなる複数の第1のずれ時間の組み合わせに関して、液滴の吐出速さのばらつきである第1吐出ばらつきを前記第1のずれ時間の組み合わせ毎に導出する導出工程を、前記選択ノズル群として選択するノズル群の組み合わせを変更しつつ複数回行う第1工程と、前記所定のタイミングに対する前記対象ノズル群における吐出タイミングのずれ時間の組み合わせからなる複数の第2のずれ時間の組み合わせに関して、液滴の吐出速さのばらつきである第2吐出ばらつきを、前記第2のずれ時間の組み合わせ毎に導出する第2工程と、前記第2工程で導出した前記第2吐出ばらつきのうち、閾値よりも低い前記第2吐出ばらつきに対応する前記第2のずれ時間の組み合わせを決定する第3工程と、前記第3工程において決定された吐出タイミングで前記対象ノズル群から液滴を吐出する工程とを備え、前記第2工程においては、前記第2のずれ時間の組み合わせに含まれる全ての前記第1のずれ時間の組み合わせに対応する前記第1吐出ばらつきの和を、前記第2吐出ばらつきとして算出し、前記導出工程は、前記対象ノズル群の中から第1ノズル群と第2ノズル群とを前記選択ノズル群として選択する選択工程と、前記選択工程により選択された第1ノズル群の吐出速さと第2ノズル群の吐出速さとの測定を、前記第1のずれ時間の組み合わせを変更しつつ、複数回行う吐出工程と、前記吐出工程において測定した前記第1ノズル群の吐出速さと基準値との差に基づいて前記第1ノズル群の吐出速さのばらつきを算出し、前記吐出工程において測定した前記第2ノズル群の吐出速さと前記基準値との差に基づいて前記第2ノズル群の吐出速さのばらつきを算出し、算出した前記第1ノズル群の吐出速さのばらつきと前記第2ノズル群の吐出速さのばらつきを前記第1吐出ばらつきとする第1吐出ばらつき算出工程と、を備える液滴吐出方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、対象ノズル群に属するノズル群間の吐出タイミングのずれ時間を、液滴の吐出速さに基づいて決定することでき、そのようにして決定された吐出タイミングで液滴を吐出することができる。れらの各ノズル群から吐出される液滴の吐出速さにおいてばらつきが小さくなるように、ノズル群間の吐出タイミングのずれ時間を決定することにより、これらのノズル群から同じ印字周期内に液滴を噴射した場合に発生するクロストークを抑制することができ、このようなクロストークが抑制された状態で各ノズル群から液滴を吐出することができる。
本発明の液滴吐出方法において、前記対象ノズル群に属する全てのノズルから同時にインクを吐出させる同時吐出工程と、前記同時吐出工程において吐出される液滴の吐出速さをノズル群ごとに測定する同時測定工程と、前記同時測定工程において測定された液滴の吐出速さに基づいて、ノズル群のそれぞれにおける吐出速さのばらつきを算出する同時ばらつき算出工程とをさらに備え、前記第3工程において、前記同時ばらつき算出工程において算出された前記吐出速さのばらつきを前記対象ノズル群に属する全てのノズル群に関して加算した和を閾値として、閾値よりも低い前記第2吐出ばらつきに対応する前記第2のずれ時間の組み合わせを決定してもよい。この場合には、同時吐出の場合より吐出速さのばらつきの少ない吐出タイミングが確実に決定されるので、クロストークが軽減された状態でインクなどの液体を吐出することができる。
本発明の液滴噴射方法によれば、前記液滴吐出ヘッドは、平行に配列された複数のノズル列が形成されたノズル面を有し、前記各ノズル列は前記複数のノズルを含み、前記複数のノズル群が前記複数のノズル列であってもよい。この場合には、複数のノズル列が形成されているインクジェットヘッドなどの液滴吐出ヘッドであっても、クロストークを抑えて吐出特性のばらつきを防止しつつインク等の液体を吐出することができる。
本発明の液滴噴射方法によれば、前記液滴吐出ヘッドから吐出する液滴は黒色を含む複数の色のインク液滴を含み、前記導出工程において、同じ前記ノズル列に含まれるノズルからは同じ色のインク液滴を吐出し、且つ、異なる前記ノズル列に含まれるノズルからは異なる色のインク液滴を吐出してもよい。この場合には、カラー画像を形成する液滴吐出ヘッドにおいても、吐出特性のばらつきを防止しつつインクを吐出することができる
以下は、本発明の好適な実施形態に係る説明である。以下においては、まず本発明の吐出タイミング決定方法の対象となるインクジェットヘッド及びそのインクジェットヘッドが設置されたプリンタが説明される。次に、本発明の吐出タイミング決定方法に係る好適な実施形態が説明される。
<プリンタ概略>
図1は、本発明の吐出タイミング決定方法の対象となるインクジェットヘッドが設置されたインクジェットプリンタ1(プリンタ1)を示す図である。図1にはプリンタ1の内部を上面から見た際の様子が示されている。
プリンタ1の内部には、2本のガイド軸6及び7が設けられている。これらのガイド軸6及び7には、キャリッジとなるヘッドユニット8が、主走査方向(図1の左右方向)に沿って往復移動可能に設置されている。ヘッドユニット8は、合成樹脂材料からなるヘッドホルダ9を有している。ヘッドホルダ9には、ヘッドユニット8の下方に搬送されてきた印刷用紙Pへインクを吐出して印刷を行うインクジェットヘッド30が保持されている。
プリンタ1には、キャリッジモータ12が設置されている。キャリッジモータ12の駆動軸には、キャリッジモータ12の駆動によって回転する無端ベルト11が取り付けられている。無端ベルト11にはヘッドホルダ9が取り付けられており、無端ベルト11が回転すると、ヘッドホルダ9が主走査方向に沿って往復移動する。
プリンタ1は、インクカートリッジ5a、5b、5c及び5dを有している。これらのインクカートリッジ5a〜5dには、それぞれ、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインクが収容されている。各インクカートリッジ5a〜5dは、可撓製のチューブ14a、14b、14c及び14dによって、ヘッドユニット8に設置されたチューブジョイント20と接続されている。インクカートリッジ5a〜5d内のインクは、チューブジョイント20を通じて、ヘッドユニット8に供給される。
プリンタ1は、ガイド軸6及び7で規定される主走査方向の一方の端部に設置されたインク吸収部材3を有している。インク吸収部材3は、ヘッドユニット8がガイド軸6及び7上で上記の端部まで移動したときに、ちょうどヘッドユニット8の下方に位置する。インク吸収部材3は、フラッシング動作のときにヘッドユニット8のノズル面に形成されたノズルから吐出されたインクを吸収する。また、プリンタ1は、ガイド軸6及び7の間において、主走査方向に関してインク吸収部材3とは反対側の端部に設置されたパージ装置2を有している。パージ装置2は、パージ動作のときにノズルからインクを吸収する。
プリンタ1には、ガイド軸6及び7の間の、主走査方向についてパージ装置2に隣接した位置に、ワイパ4が設けられている。ワイパ4は、ノズル面に付着したインクを拭い取る。
<ヘッドユニット>
ヘッドユニット8について説明する。図2は、ヘッドユニット8において、ヘッドホルダ9からバッファタンク48及びヒートシンク60が取り外された状態を示している。
ヘッドホルダ9は、バッファタンク48(インク供給ユニット)を受け入れる側(図2の上側)に向かって開口した箱状に形成されている。ヘッドホルダ9の底部には、インクジェットヘッド30が設置されている。バッファタンク48は、インクジェットヘッド30の上方に位置するように、ヘッドホルダ9に収容されている。
バッファタンク48の上面の一方の端部付近には、チューブジョイント20が接続されている。上記のとおり、チューブジョイント20とインクカートリッジ5a〜5dとは、それぞれ、チューブ14a、14b、14c及び14dを介して接続されている。バッファタンク48には、チューブ14a〜14dを通じて、インクカートリッジ5a〜5dからインクが供給される。バッファタンク48の下面には、図示されていない4つのインク流出口が設けられている。これらのインク流出口は、後述のように、インクジェットヘッド30に設けられた4つのインク供給口91a、91b、91c及び91dと、シール部材90を介して接続されている。
ヘッドホルダ9は、ヒートシンク60を有している。ヒートシンク60は、副走査方向に沿って延在する水平部60aと、水平部60aの一端部から上方に立ち上がった垂直部60bとを有している。水平部60a及び垂直部60bの形状は、図2に示すように、共に副走査方向に長い板状である。
ヘッドホルダ9からは、後述のFlexible Printed Circuit(FPC)70が、ヘッドホルダ9の底部に設けられた隙間を通って上方へ引き出されている。FPC70の一端はヘッド本体25に接続されており、他端は図示されていないプリンタ1の制御部と電気的に接続されている。プリンタ1の制御部はFPC70を通じ、画像データに基づいてヘッド本体25からのインク吐出を制御する。FPC70においてヘッド本体25に接続された一端と制御部に接続された他端との途中にはドライバIC80が設けられている。
図3は、主走査方向に沿って切断したヘッドユニット8の縦断面図である。図3においては、ヘッドホルダ9にバッファタンク48及びヒートシンク60が収容された状態が示されている。
ヒートシンク60は、主走査方向に関してバッファタンク48とは反対側(図中左側)の側壁48aに隣接する位置に固定されている。ヒートシンク60の垂直部60bにおける一方の面は、側壁48aに対向している。また、ヒートシンク60の水平部60aは、その短手方向が主走査方向に延出するように、ヘッドホルダ9の底部側に配置されている。
バッファタンク48の上方には、コンデンサ83などの電子部品およびコネクタ85が実装された制御基板84が設置されている。制御基板84の上方は、ヘッドホルダ9の上面カバーとなるカバー9aによって覆われている。
バッファタンク48の、主走査方向に関する一方(図中右側)の側面には、バッファタンク48内に蓄積された空気を外部へ排気する排気装置49が設けられている。
ヘッドホルダ9の底部に設置されたインクジェットヘッド30は、ヘッド本体25を有している。後述のように、ヘッド本体25は、ヘッドホルダ9の底部に固定されている。ヘッド本体25は、複数のノズルが形成されたノズル面(底面)25aを有し、ノズル面25aはヘッドホルダ9の下方外側に露出している。ヘッド本体25は、後述の圧電アクチュエータ21及び流路ユニット27を有している。
圧電アクチュエータ21には、FPC70の一方の端部付近が電気的に接続されている。FPC70の他方の端部は、以下のような経路を辿って、バッファタンク48の上方に設置されたコネクタ85まで引き出され、コネクタ85と電気的に接続されている。まず、FPC70は、ヘッドホルダ9の底部に形成された孔17を通じて上方に引き出されている。次に、引き出されたFPC70は、ヒートシンク60とヘッドホルダ9の内壁との間に形成された隙間を通じて上方に向かっている。そこから、FPC70は、ヘッドホルダ9の一方の内側面に沿って上方に延在し、制御基板84付近で折れ曲がり、さらに制御基板84の下面に沿って主走査方向に延在している。そして、FPC70は、ヘッドホルダ9における他方の内側面付近で上方に折れ曲がり、制御基板84の端部と上記他方の内側面との間に形成された隙間を通って、制御基板84上面のコネクタ85が形成された側に引き出されている。なお、コネクタ85は図示されていない経路でプリンタ1の制御部に電気的に接続されている。
また、FPC70には、上記のようにドライバIC80が設置されている。ドライバIC80は、ヒートシンク60の水平部60aに対向するFPC70の面上に配置され、ヒートシンク60の下方に位置している。さらに、ドライバIC80の下方には、弾性部材18が配置されている。FPC70は、弾性部材18によって、ドライバIC80の上面がヒートシンク60の水平部60aに接触するように押圧されている。ヒートシンク60によって、過剰に発熱したドライバIC80が放熱する。
さらに、FPC70における圧電アクチュエータ21と対向する領域には、伝熱体81が配置されている。伝熱体81は厚みが均一なアルミ板であり、圧電アクチュエータ21の上面とほぼ同じサイズの長方形である。圧電アクチュエータ21及びFPC70における圧電アクチュエータ21に対向する部分から発する熱は、伝熱体81によって開放される。
<ヘッド本体等>
インクジェットヘッド30について説明する。図4は、インクジェットヘッド30の分解斜視図である。インクジェットヘッド30は、ヘッド本体25、補強フレーム91及び保護フレーム92を有している。図4には、ヘッド本体25、補強フレーム91及び保護フレーム92が示されている。
ヘッド本体25は、圧電アクチュエータ21及び流路ユニット27を有している。後述のように、流路ユニット27は、長方形の平面形状を有する複数の同一形状のシート材を積層して形成された積層体を有する(図5参照)。流路ユニット27には、その長手方向の一端付近に、インク供給口27a、27b、27c及び27dが形成されている。インク供給口27a〜27dは、ヘッド本体25の短手方向に沿って、互いに離隔するように配置されている。流路ユニット27には、インク供給口27a〜27dを通じて、バッファタンク48からのインクが供給される。また、流路ユニット27の下面には、インクを吐出する複数のノズルが形成されている。このように流路ユニット27の下面がノズル面25aに相当する。そして、流路ユニット27の内部にはインク供給口27a〜27dからノズルへと連通するインク流路が形成されている。
さらに、流路ユニット27の上面の、インク供給口27a〜27dを避ける位置に、後述の圧電アクチュエータ21が設置されている。圧電アクチュエータ21は、流路ユニット27に形成されたインク流路の一部(後述の圧力室)の内壁を画成しており、インク流路内のインクに圧力を加えることにより、ノズルからインクを吐出させる吐出エネルギーをインクに付与する。上述のように、圧電アクチュエータ21には、FPC70が電気的に接続されている。
補強フレーム91は、平面視で長方形の形状を有する金属製の板状部材である。補強フレーム91には、ヘッド本体25の圧電アクチュエータ21に対応して開口91eが形成されている。この開口91eの形状は、圧電アクチュエータ21とほぼ同一形状であり、開口91eの大きさは圧電アクチュエータ21の大きさよりも一回り大きい。また、開口91eの大きさは、流路ユニット27の大きさよりも小さい。つまり、圧電アクチュエータ21の外形より開口91eの開口の方が一回り大きく、開口91eの開口より流路ユニット27の外形の方が一回り大きい。また、開口91eは、補強フレーム91の長手方向についてオフセットして形成され、短手方向について中央付近に形成されている。
補強フレーム91における長手方向についての一端側には、厚さ方向に補強フレーム91を貫通するインク供給口91a、91b、91c及び91dが形成されている。インク供給口91a〜91dは、流路ユニット27のインク供給口27a〜27dに対応して形成されており、補強フレーム91の短手方向に沿って、互いに離隔するように配置されている。なお、各インク供給口91a〜91dの形状は、ヘッド本体25に形成された各インク供給口27a〜27dの形状と同一である。
保護フレーム92は、U字形の平面形状を有する金属製の板状部材であり、U字形における平行な二本の腕92aと、これらの腕92aを支持する支持部92bとを有する。保護フレーム92の二本の腕92aの長さは、補強フレーム91の長手方向の長さとほぼ同じである。また、保護フレーム92の、腕部92aと垂直な支持部92bの長さは、補強フレーム91の短手方向の長さとほぼ同じである。保護フレーム92の横断面を含む平面において、保護フレーム92のU字形に囲まれた領域は、ヘッド本体25とほぼ同様の形状であって、これより一回り大きい。
インクジェットヘッド30は、これらのヘッド本体25、補強フレーム91及び保護フレーム92が貼り合わされて形成されている。圧電アクチュエータ21が補強フレーム91に形成された貫通孔(開口91e)の内部に収まり、流路ユニット27の上面における圧電アクチュエータ21の周辺部分と補強フレーム91の下面とが接触するように貼り合わされている。これにより、圧電アクチュエータ21の上面が補強フレーム91の開口91eから上方側に露出する。また、保護フレーム92は、流路ユニット27が保護フレーム92に取り囲まれるように、補強フレーム91の下面に貼り合わされている。つまり、流路ユニット27のノズル面25aが、U字形の内側領域から下方側に露出する。
なお、インク供給口27a等は、補強フレーム91とヘッド本体25とが貼り合わされた際に、インク供給口91a〜91dとインク供給口27a〜27dとがそれぞれ連通するように位置合わせされる。
<インク流路>
図5(a)及び(b)はそれぞれ流路ユニット27の下面図及び上面図である。流路ユニット27の下面は、上述のとおり複数のノズル28が形成されたノズル面25aである。図5(a)に示されているように、ノズル28は、流路ユニット27の長手方向に沿って千鳥状に配列され、これによって5列のノズル列58が形成されている。流路ユニット27の内部には、ノズル列58に沿って延在する5本の共通インク室99a〜99eが形成されている。共通インク室99a〜99eは、流路ユニット27の厚み方向についていずれのノズル28とも重ならない領域に、ノズル列58を避けるように形成されている。流路ユニット27の内部には、さらに、共通インク室99a〜99eからノズル28のそれぞれに連通する個別のインク流路が形成されている。そして、このような個別のインク流路を通じて共通インク室99a〜99eに充填されたインクがノズル28のそれぞれに供給される。
図5(b)に示されているように、流路ユニット27の上面には圧力室10が形成されている。圧力室10は流路ユニット27の上面において流路ユニット27の外側へ向かって開口している空洞である。これらの圧力室10は千鳥状に5列に配列されており、各圧力室10は各ノズル28に対応している。そして、各圧力室10は、共通インク室99a〜99eから各ノズル28に連通する個別のインク流路の一部を構成している。後述のとおり、圧電アクチュエータ21が流路ユニット27の上面に貼り合わされることにより、圧力室10の開口が圧電アクチュエータ21によって覆われる。つまり、貼り合わされた圧電アクチュエータ21の表面が圧力室10の内壁の1つを画成する。
流路ユニット27の上面にはインク供給口27a〜27dが形成されている。そして、流路ユニット27の内部には共通インク室99a〜99eと連通する図示されていないインク流路が形成されている。このようなインク流路によって、インク供給口27aは共通インク室99a及び99bに連通しており、インク供給口27b〜27dはそれぞれ共通インク室99c〜99eと連通している。インク供給口27a〜27dに供給されたインクは共通インク室99a〜99eに充填される。
図6は、図5のVI−VI線に沿った縦断面図である。なお、図6においては、流路ユニット27に圧電アクチュエータ21が貼り合わされた状態が示されている。また、図6は共通インク室99e付近の縦断面を示しているが、他の共通インク室99a〜99dにおいても同様の構造が形成されている。以下、共通インク室99eに連通する流路について例を挙げて説明するが、他の共通インク室99a〜99dに連通する流路についても同様である。
図6に示されているように、流路ユニット27は複数のプレートが積層した積層体である。各プレートには共通インク室99eやノズル28、インク流路を構成する複数の流路孔が形成されている。これらの流路孔が互いに連通して共通インク室99eやインク流路を形成するように各プレートを積層することによって流路ユニット27が形成されている。これらのプレートは金属材料又はポリイミド樹脂等からなる。
流路ユニット27は、ノズルプレート101、カバープレート102、ダンパプレート103、2枚のマニホールドプレート103,104、アパーチャプレート106、サプライプレート107及びキャビティプレート108を備え、これらのプレートが順に積層されている。ノズルプレート101にはノズル28が形成されており、キャビティプレート108には圧力室10が形成されている。ノズルプレート101とキャビティプレート108とに挟まれた各プレートには、以下のように、共通インク室99e、及び、共通インク室99eから圧力室10を経てノズル28に至る個別のインク流路を形成する流路孔が形成されている。
マニホールドプレート104及び105には共通インク室99eを形成する流路孔が形成されている。アパーチャプレート106には一端が共通インク室99eに連通するアパーチャ52(しぼり)が形成されている。アパーチャ52は、流路ユニット27の短手方向に沿って延在している。アパーチャ52の延在方向に垂直な断面に係る断面積は、所定の大きさに設定されている。つまり、アパーチャ52の断面形状、断面積及び長さは、インクがアパーチャ52の内部を特定の流路抵抗で流れるように決められている。これによって、インク吐出時に圧力室10から共通インク室99側に逆流しようとするインクの流れが制限される。サプライプレート107には貫通孔51が形成されている。貫通孔51の一端は圧力室10と連通しており、他端はアパーチャ52の上記の他端と連通している。
また、プレート102〜107のそれぞれには、上記の他に貫通孔29が形成されている。各プレートに形成された貫通孔29は互いに連通しておりプレート107及び102に形成された貫通孔29はそれぞれ圧力室10及びノズル28に連通している。これによって、圧力室10からノズル28に至る、積層方向に沿って直線状のインク流路が形成されている。
このように各プレートに形成された流路孔を互いに連通させて形成されたインク流路を通じて、下記の通りにインクが吐出される。まず、共通インク室99eから流出したインクは、アパーチャ52及び貫通孔51を経て上方の圧力室10の一端に向かう。そして、圧力室10の他端から貫通孔29を経て下方に向かい、ノズル28から吐出される。
ダンパプレート103におけるスペーサプレート102側の面には、ダンパ溝103eが形成されている。ダンパ溝103の、流路ユニット27の短手方向に沿った縦断面は、凹部形状を有する溝状に形成されており、共通インク室99eと同じ平面形状・サイズを有している。なお、共通インク室99a〜99eのそれぞれに対向する位置には、同一の平面形状及びサイズを有するダンパ溝103a〜103eが形成されている(ダンパ溝103a〜103dは図示されていない)。
<ノズルとインク色との関係>
本実施形態のインクジェットヘッド30は、多色のインクを吐出する。図7は、ノズルプレート101に形成された各ノズル列58と吐出されるインクの色との関係を示す図である。上記の通りノズルプレート101には5列のノズル列58が形成されている。そして、同じノズル列58に属するノズル28からは同色のインクが吐出される。例えば、ノズルプレート101の短手方向一端側のノズル列58Mからはマゼンタのインクが吐出される。そして、ノズル列58C、58Y、58Bkからは、それぞれ、シアン、イエロー、ブラックのインクが吐出される。
<圧電アクチュエータ>
以下は圧電アクチュエータ21についての説明である。図8は圧電アクチュエータ21の分解斜視図である。
圧電アクチュエータ21は、2枚の絶縁シート33及び34と、2枚の圧電シート35及び36とが積層されて形成される。圧電シート36の上面の各圧力室10に対向する位置には、複数の個別電極37が形成されている。これら個別電極37は、圧力室10の配列に対応して、圧電シート36の長手方向に沿って千鳥状に5列に配列されている。各個別電極37は、圧電シート36の短手方向に長い長方形部分を有している。また、各個別電極37は、その長方形部分の長手方向についての一方の端部から圧電シート36の長手方向に延出された引き出し部37aを有している。なお、いずれの引き出し部37aも、圧電シート36において圧力室10と対向しない領域まで引き出されている。
圧電シート35の上面には、複数の圧力室10に跨った共通電極38が設けられている。圧電シート35の上面には、共通電極38が形成されていない複数のノン−エレクトロード(non-electrode)領域39が配置されており、各ノンエレクトロード領域39内には圧電シート35の厚さ方向に貫通した貫通孔40が形成されている。貫通孔40には、共通電極38と電気的に絶縁された導電性部材が充填されている。ノンエレクトロード領域39は、個別電極37の引き出し部37aと対向する位置にそれぞれ配置されている。
最上層の絶縁シート33の上面(すなわち、圧電アクチュエータ21の上面)には、個別電極37のそれぞれに対応する表面電極22と、表面電極23とが設置されている。表面電極22は、絶縁シート33の圧力室10と対向しない領域に、貫通孔40(あるいは引き出し部37a)と対向するように配置されている。そして、各個別電極37に対応して圧電アクチュエータ21の長手方向に沿って千鳥状に5列に配列されている。表面電極23は、絶縁シート33における長手方向の一方の端部付近に、圧電アクチュエータ21の短手方向に沿って延在している。
絶縁シート33及び34の、表面電極22及び引き出し部37aに対向する領域であって貫通孔40に対向する位置には、絶縁シート33及び34の厚み方向に貫通した複数の連続孔41が形成されている。また、絶縁シート33及び34において表面電極23及び共通電極38に対向する領域には、3つの連続孔42が、絶縁シート33及び34の短手方向に沿って離隔して形成されている。連続孔41及び42には、導電性部材が充填されている。
圧電アクチュエータ21は、上記のような構成を有する絶縁シート33及び34並びに圧電シート35及び36が上から順に積層されている。貫通孔40と連続孔41とがちょうど対向するように位置合わせされつつ、それぞれのシート状部材が積層されている。これによって、貫通孔40及び連続孔41が連通し、絶縁シート33及び34と圧電シート35とを貫通する複数のスルーホールが形成されている。これらスルーホールには上記のように導電性部材が充填されているため、表面電極22と個別電極37とは、電気的に接続されている。また、絶縁シート33及び34に形成された連続孔42にも上記のように導電性部材が充填されているため、表面電極23と共通電極38とが電気的に接続されている。
このような構成により、圧電アクチュエータ21の各個別電極37が、表面電極22を介してFPC70が有する図示されていない各個別配線に接続されている。また、共通電極38が、表面電極23を介してFPC70が有する図示されていない共通配線に接続されている。そして、各個別配線は、ドライバIC80に接続されている。
一方、ドライバIC80は、プリンタ1の制御部(不図示)からシリアル転送されてきた印刷信号を、圧電アクチュエータ21の個別電極37に対応したパラレル信号に変換する。また、ドライバIC80は、印刷信号に基づいて、所定の電圧パルスを有する駆動信号を生成する。そして、ドライバIC80は、生成した駆動信号を各個別電極37に接続した各個別配線に出力する。なお、共通配線は、常にグランド電位に保持されている。
これにより、圧電アクチュエータ21の任意の個別電極37と共通電極38との間に、ドライバIC80からの駆動電圧(駆動信号)が選択的に印加される。個別電極37と共通電極38との間に所定の電圧が印加されると、圧電シートの、個別電極37と共通電極38とに挟まれた活性部に積層方向の歪みが発生する。そして、活性部に発生した歪みによって、圧力室10内部のインクに圧力が付与され、ノズル28からインクが吐出される。
<吐出電圧パルス>
図9は、圧電アクチュエータ21の個別電極37と共通電極38との間にインク吐出の際に印加される吐出電圧パルスを示している。図9(a)に示されているのは圧電アクチュエータ21を用いていわゆる引き打ち方式でインクを吐出する際の最も基本的な吐出電圧パルスの波形である。この吐出電圧パルスの印加によって以下のようにインクがノズル28から吐出される。
図9(a)に示されているように、個別電極37と共通電極38との間の電圧の大きさは、吐出前には例えばV2(V2>0)に保持されている。これによって、圧電アクチュエータ21における電圧が印加された個別電極37に相当する部分が、圧力室10の内部へと突出するように変形している。図9(a)に示される電圧パルスが供給されることにより、個別電極37と共通電極38との間の電圧が一旦V2より小さいV1になる。このとき、圧力室10の内部へと突出していた圧電アクチュエータ21の一部が圧力室10の内部から外部へと向かう方向に引っ込む。したがって圧力室10の容積が短期間で大きくなる。これによって圧力室10には負圧の圧力波が発生する。
このように発生した負圧の圧力波は圧力室10の外側に向かって伝播する。そして、例えばアパーチャ52において反射し、正圧の圧力波になって圧力室10に戻ってくる。一方で、図9(a)に示されているように、一旦V1になっていた個別電極37と共通電極38との間の電圧は所定の期間をおいてV2に戻される。このとき、圧力室10の容積は短期間で小さくなり、吐出前の状態に戻る。これによって圧力室10内に正圧の圧力波が発生する。
ところで、個別電極37と共通電極38との間の電圧がV1となっている上記の所定の期間の長さは、上記の負圧の圧力波が発生してから正圧の圧力波になって圧力室10に戻ってくるまでの時間の長さとなるように調節されている。したがって、圧力室10の容積が戻る際に発生する正圧の圧力波と反射して戻ってきた正圧の圧力波とが互いに重畳して圧力室10からノズル28の方向に伝播する。これによってノズル28からインクが吐出される。
実際のインク吐出の際には図9(b)に示されているように図9(a)の基本的な吐出パルスを複数連ねた電圧パルス列が印加される。これによって1つの基本的な電圧パルスを印加する場合よりもインクの量が多いインク滴がノズル28から吐出される。なお、図9(b)〜図9(d)に示されている電圧パルス列は1ドットに相当するインク滴を吐出させる際に使用されるものである。そして、これらの電圧パルス列の時間幅は、印刷用紙Pが搬送される際に(図1参照)1ドットに相当する距離だけ印刷用紙Pが移動する時間Tp内に収まる長さを有している。各吐出電圧パルス列は、印刷用紙Pが1ドットずつ移動する長さTpのそれぞれの期間、すなわち印字周期に同期するように圧電アクチュエータ21に印加される。
図9(c)は、図9に示されている吐出パルスによって吐出されるインク滴よりインクの量が少ないインク滴を吐出するための吐出パルスの一例である。図9(c)の吐出パルスは図9(a)の基本的な吐出パルスを2つ連ねたパルス列からなり、図9(b)の吐出パルスと比べて基本的な吐出パルスの数が少ない。また、図9(d)は、図9(c)よりもさらにインクの量が少ないインク滴を吐出するための吐出パルスの一例である。図9(d)の吐出パルスは図9(a)の基本的な吐出パルスを2つ連ねたパルス列からなるが、一方の基本的なパルスの幅が図9(c)より小さく、2つの基本的なパルスの間隔が大きい。
<吐出タイミングと吐出速さ>
ところで、上述のように、2つのノズル28から同時にインクを吐出させる場合と各ノズル28から単独でインクを吐出させる場合とでインクの吐出特性に違いが生じることがある。なお、本明細書において「単独でインクを吐出させる」とは、他のノズル28からのインク吐出の影響を受けないほど十分に他のインク吐出のタイミングと離れたタイミングで1つのノズル28からインクを吐出させること、あるいは、他のノズル列58からのインク吐出の影響を受けないほど十分に他のノズル列58からのインク吐出のタイミングと離れたタイミングで1本のノズル列58からインクを吐出させることをいう。
2つのノズル28から同時に吐出させる場合と1つのノズル28から単独で吐出させる場合とで吐出特性に違いが生じると、インクの吐出によって形成される画像が不均一になるおそれがある。一方、本発明の発明者は、同じ印字周期に異なるノズル28からインクを吐出させる際に、2つのノズル28からの吐出タイミングのずれ時間によってインクの吐出特性に違いが生じることを確認した。
図10は、同じ印字周期に2つのノズル28からインクが吐出される場合の吐出パルスを示している。図10(a)は、2つのノズル28に対応する圧電アクチュエータ21に、時刻T1に同時に吐出パルス列が供給される場合を示している。また、図10(b)は、2つのノズル28に対応する圧電アクチュエータ21のそれぞれに、時刻T2及びT3で吐出パルス列が供給される場合(ずれ時間ΔT)を示している。発明者は、図10(a)の場合と図10(b)の場合とでインクの吐出特性に違いが生じることを確かめた。さらに、図10(b)の場合に、ずれ時間ΔTを変化させることでインクの吐出特性に変化が生じることを確かめた。
具体的には以下のような測定が行われた。測定に当たっては、図7に示されているノズル列58C及び58Mからノズル列ごとに同時にインクが吐出された。つまり、各ノズル列に属するノズル28からは同時にインクが吐出された。そして、各ノズル列からの吐出タイミング同士のずれ時間を様々に変更しつつ、複数回のインク吐出を行った。各インク吐出においては、ノズル列58C及び58Mのそれぞれから吐出されたインクの吐出速さが測定された。図11のグラフはこのときの測定結果を示している。
図11のグラフの横軸はノズル列58C及び58Mからインクを吐出するタイミングのずれ時間を示している。曲線C1及びC2は、ずれ時間をおいてノズル列58C及び58Mから吐出されたインクのノズル列ごとの吐出速さを示している。なお、点線L1及びL2のそれぞれは、ノズル列58C及び58Mのそれぞれから単独でインクを吐出させた際に測定されたノズル列ごとのインクの吐出速さを示している。なお、本明細書において、ノズル列ごとのインクの吐出速さとは、あるノズル列に属するノズル28から吐出されたインクの全ての吐出速さの平均である。あるいは、そのノズル列に属するいくつかのノズル28から吐出されたインクの吐出速さの平均であってもよい。
図11に示されているように、ずれ時間がゼロである場合、すなわち2つのノズル列から同時にインクが吐出された場合は、どちらのノズル列の吐出速さも、単独で吐出された場合と比べて小さくなっている。また、ずれ時間がゼロの場合の吐出速さとずれ時間がゼロ以外の場合の吐出速さとは異なっている。つまり、タイミングをずらして吐出した場合には、同時に吐出した場合と異なる吐出特性が得られることが示されている。さらに、ずれ時間によって吐出速さが異なっていることが分かる。
<吐出タイミングの決定方法>
以下は、上記の事実に基づいて行われる最適な吐出タイミングの決定方法についての説明である。図12は吐出タイミング決定の全体の流れを示すフローチャートである。
吐出タイミングの決定に当たっては、まず、図13に示されているように、あらかじめ設定された吐出タイミングのずれ時間の組み合わせに基づいて複数のノズル列58からインクが吐出される(S1)。本実施形態においては、ノズル列58Y、58C及び58Mのうちの2本のノズル列(選択ノズル列、選択ノズル群)が選択され、所定のずれ時間を挟んでそれぞれのノズル列ごとに同時にインクが吐出される。つまり、各ノズル列の吐出タイミングはずれ時間を挟んでいるが、それぞれのノズル列に属するノズル28からは同時にインクが吐出される。
また、本実施形態においては、カラーのインクを吐出するためのノズルのみからインクの吐出が行われる。カラー対応のインクジェットヘッドにおいては、カラー画像の品質が最も重要だからである。カラーのインク吐出のみが行われることによって、ブラックのインク吐出も行う場合と比べ、少ない回数のインク吐出で吐出タイミングの決定が可能となる。そして、インクの吐出と同時にノズル列58ごとのインクの吐出速さが測定される。なお、インクの吐出速さは図13に示されているように、カメラ80等を用いて写真撮影等によって測定される。
なお、図9に示されているように、異なるインクの量の吐出パルスに対応する複数の吐出モードが存在する場合には、インクの量が最も少ない吐出モードでS1のインク吐出が行われることが好ましい。つまり、図9(d)の吐出パルスを用いてインク吐出が行われることが好ましい。インクの量が多い場合と比べて、インクの量が少ない場合の方がクロストーク等の影響を受けやすい。したがって、インクの量が最も少ない吐出モードで行われたインク吐出に基づいて最適な吐出タイミングが決定されることにより、最もクロストークの影響を受けにくい吐出タイミングが決定され得るからである。
あるいは、図9(b)〜図9(d)に示されている吐出パルスごとにインク吐出が行われ、吐出パルスごとに吐出タイミングが決定されてもよい。これによって、インクの吐出量が異なる複数のモードのそれぞれに対応した最適な吐出タイミングが決定され得る。
上記のようなインク吐出及び吐出速さの測定(液滴吐出ステップ及び吐出速さ測定ステップ)は、あらかじめ設定された全てのずれ時間について繰り返される(S2、NO)。全てのインク吐出が終了すると、次のステップが実行される(S2、YES)。なお、例えば、2つのノズル列間の最適なずれ時間を決定する場合などにおいては、上記S1及びS2の結果から、2つのノズル列間におけるクロストークが最小となるずれ時間求めることもできる(S7)(ずれ時間決定ステップ)。
下記表1及び表2は、上記のように測定されたインクの吐出速さの一例を示している。各インク吐出及び測定においては、上記のようにカラーに対応するノズル列のうちの2本のノズル列からインクが吐出される。2本のノズル列として、(58C,58M)、(58M,58Y)及び(58Y,58C)の3つの組み合わせが存在する。表1及び表2には、2本のノズル列(A,B)の各組み合わせについて、種々のずれ時間を挟んでインクを吐出させたときに測定されたノズル列A及びBの吐出速さが示されている。なお、表1及び表2に示されたずれ時間は、ノズル列Aの吐出タイミングに対するノズル列Bの吐出タイミングのずれ時間であり、単位はμs(マイクロ秒)である。また、吐出速さの単位はm/s(メートル毎秒)である。
次に、S1において測定されたノズル列58ごとの吐出速さの、所定の基準値に対するばらつきが導出される(S4)。具体的には、測定された吐出速さから基準値を引いた差を二乗することによってばらつきが算出される。本実施形態においては、基準値として9.0m/sが用いられている。表1及び表2には、各ノズル列の組み合わせ及び各ずれ時間で測定された各吐出速さのばらつきが示されている。例えば、ノズル列58Cからインクが吐出された後、1μsのずれ時間をおいてノズル列58Mからインクが吐出された際、ノズル列58C及び58Mから吐出されたインクの吐出速さはそれぞれ9.0m/s及び10.0m/sである。したがって、ノズル列58C及び58Mから吐出されたインクの吐出速さのばらつきは、それぞれ0.0及び1.0である。
Figure 0004946389
Figure 0004946389
次に、表1及び表2に示されている2本のノズル列からインクが吐出される際の吐出タイミングのずれ時間を組み合わせることにより、3本のノズル列58C、58M及び58Yからインクが吐出される際の吐出タイミング同士のずれ時間の組み合わせが生成される(S4)。下記の表3には、表1に示されているずれ時間によって組み合わせ可能なずれ時間の組み合わせの一部が示されている。ここで、組み合わせ(XYZ)は、順にノズル列58C、58M及び58Yからインクが吐出されるタイミングの相対値(ずれ時間)を示している。
例えば、組み合わせ(001)は、ノズル列58C及び58Mからインクが同時に吐出されてから1μsだけずれ時間を挟んでノズル列58Yからインクが吐出される場合を示している。また、組み合わせ(101)は、ノズル列58Mからインクが吐出されるタイミングからそれぞれ1μsだけずれ時間を挟んだタイミングでノズル列58M及び58Yのそれぞれからインクが吐出される場合を示している。あるいは、組み合わせ(102)は、ノズル列58Mからインクが吐出されてから1μs及び2μsだけずれ時間を挟んでノズル列58C及び58Yのそれぞれからインクが吐出される場合を示している。
次に、生成されたずれ時間の組み合わせに基づいて3本のノズル列58C、58M及び58Yからインクが吐出された場合のインクの吐出速さのばらつきが推測される(S6)。具体的には以下のとおりである。まず、S4で生成されたずれ時間に対応する表1及び表2の吐出速さのばらつきが抽出される。例えば、S4で生成された組み合わせ(011)に対応する吐出速さのばらつきとして、ノズル列58C及び58M間のずれ時間が1μs、ノズル列58M及び58Y間のずれ時間が0μs、ノズル列58C及び58Y間のずれ時間が1μsの場合のそれぞれの吐出速さのばらつきが表1及び表2から抽出される。
表4は、抽出された結果を示している。表4において、「(C,M)のずれ=0」、「(M,Y)のずれ=1」及び「(C,Y)のずれ=1」は、それぞれノズル列58C及び58M間のずれ時間が0μsであり、ノズル列58M及び58Y間のずれ時間が1μsであり、ノズル列58C及び58Y間のずれ時間が1μsであることを示している。そして、「Cのばらつき」、「Mのばらつき」及び「Yのばらつき」の下の欄には、それぞれのずれ時間について、ノズル列58C、58M及び58Yから吐出されるインクの吐出速さのばらつきが示されている。
このように抽出されたばらつきに基づいて、3本のノズル列58C、58M及び58Yからインクが吐出された場合のインクの吐出速さのばらつきが推測される。本実施形態においてはばらつきを客観的に示す指標として、以下の数式で算出される推測SN比が用いられる。表3の最下欄にはこのように算出された推測SN比が、ずれ時間の組み合わせごとに示されている。
(数式)(推測SN比)=−10log10[(抽出されたばらつきの合計)]
xの対数はxについて単純増加であるので、抽出されたばらつきの合計が大きいほど推測SN比は小さくなる。したがって、上記の数式より、推測SN比が大きい場合とは、吐出速さのばらつきが小さい場合に相当する。
Figure 0004946389
Figure 0004946389
なお、S1のインク吐出には、表1に示されているように、2本のノズル列間のずれ時間がゼロである場合、つまり、2本のノズル列に属する全てのノズル28から同時にインクを吐出させる場合が含まれている。そして、表3に示されているように、このような2本のノズル列に属する全てのノズル28から同時にインクを吐出させた際に測定された吐出速さのばらつきから、3本のノズル列に属する全てのノズル列28から同時にインクを吐出させた際の推測SN比が算出される。
次に、表3に示されている推測SN比を基に、ずれ時間の組み合わせが決定される(S6)。具体的には、表3に示されている推測SN比のうち、3本のノズル列に属する全てのノズル列28から同時にインクを吐出させた際の推測SN比よりも推測SN比が大きいものが決定される。3本のノズル列に属する全てのノズル列28から同時にインクを吐出させた場合に相当するのは組み合わせ(000)であり、このときの推測SN比は表3より4.6である。そして、これよりも推測SN比が大きいのは、組み合わせ(001)及び組み合わせ(102)の場合である。したがって、組み合わせ(001)及び組み合わせ(102)に対応するずれ時間が、3本のノズル列からノズル列ごとにインクが吐出される際の吐出タイミングのずれ時間に決定される。
以上のように決定された吐出タイミングのずれ時間の組み合わせがインクジェットヘッドに採用された場合には以下のような効果が奏される。つまり、インクジェットヘッドに形成された3本のノズル列から同じ印字周期内にインクが吐出される場合に、同時にインクが吐出される場合と比べて、推測SN比が大きいずれ時間の組み合わせに基づく吐出タイミングでインクが吐出される。したがって、同時にインクが吐出される場合と比べて、吐出速さのばらつきが小さく、インク吐出によって形成される画像が均一になる。
また、2本のノズル列におけるずれ時間から3本のノズル列におけるずれ時間の組み合わせを決定するため、3本のノズル列における種々のずれ時間の組み合わせについてインク吐出を行う場合と比べて、インク吐出及び吐出速さの測定が少ない回数で済む。
また、3本のノズル列から2本を抽出する際の全ての組み合わせについてインク吐出が行われている。したがって、全ての組み合わせのうちの一部についてしかインク吐出が行われない場合と比べて、インク吐出によって測定される吐出速さのサンプルが多い。これによって、3本のノズル列からインクが吐出される際のばらつきがより確実に推測される。
ノズル列58Bkのようにブラックに対応するノズル列がインクジェットヘッドに形成されている場合には、さらに以下のように吐出タイミングが決定される。つまり、ブラックのインクに対応するノズル列58Bkの吐出タイミングは、カラーに対応する3本のノズル列のいずれの吐出タイミングよりも前及び後のいずれかに決定される。例えば、カラーのノズル列に対応する3本のノズル列の吐出タイミングが、「ノズル列58C→(1μsのずれ時間)→ノズル列58M→(1μsのずれ時間)→ノズル列58Y」の順にインクが吐出されるようなタイミングに決定された場合には、ノズル列58Bkも含んだ吐出タイミングは、「ノズル列58Bk→(1μsのずれ時間)→ノズル列58C→(1μsのずれ時間)→ノズル列58M→(1μsのずれ時間)→ノズル列58Y」のように決定される。あるいは、「ノズル列58C→(1μsのずれ時間)→ノズル列58M→(1μsのずれ時間)→ノズル列58Y→(1μsのずれ時間)→ノズル列58Bk」のように決定される。このようにタイミングが決定されることにより、吐出速さのばらつきが小さいタイミングに調整されたカラーのノズル列58C〜58Yからのインク吐出が、ノズル列58Bkからのインク吐出の影響を受けにくくなる。
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施の形態であるが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく課題を解決するための手段に記載された内容の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態においては、ずれ時間の組み合わせを決定する方法として、3本のノズル列に属する全てのノズル列28から同時にインクを吐出させた場合の推測SN比を基準とする方法が採用されている。しかし、他の値を推測SN比の閾値としてずれ時間の組み合わせが決定されてもよい。例えば、推測SN比と実際に形成される画像の品質との関係を実験によって確認し、所望の画像の品質を得るための最低限の推測SN比を決定して、その値を閾値としてもよい。
また、上述の実施形態においては、種々のずれ時間について2本のノズル列からインクを吐出させることにより3本のノズル列における吐出タイミングのずれ時間の組み合わせが決定されている。したがって、2本のノズル列における2つの吐出タイミングが1つのずれ時間を挟むことになるので、1つのずれ時間を変更して複数回のインク吐出が行われている。
しかし、例えば5本のノズル列における吐出タイミングのずれ時間の組み合わせを決定する際に、3本のノズル列からインクを吐出させることでずれ時間の組み合わせが決定されてもよい。この場合には、3本のノズル列における3つの吐出タイミングが2つのずれ時間を挟むことになるので、2つのずれ時間に係る種々の組み合わせについてインク吐出が行われる。例えば、あるインク吐出は「第1のノズル列からのインク吐出→(1μsのずれ時間)→第2のノズル列からのインク吐出→(2μsのずれ時間)→第3のノズル列からのインク吐出」という吐出タイミングで、また、他のインク吐出は「第4のノズル列からのインク吐出→(0μsのずれ時間)→第1のノズル列からのインク吐出→(1μsのずれ時間)→第5のノズル列からのインク吐出」という吐出タイミングで行われる。そして、ノズル列ごとの吐出速さが測定される。
そして、このような2つのずれ時間の組み合わせから、5本のノズル列からインクが吐出される際の4つのずれ時間の組み合わせが生成される。上記の例においては、それぞれのずれ時間は(0,1,3,−,−)及び(0,−,−,0,1)という吐出タイミングの組み合わせに相当する。なお、(a,b,c,d,e)は、第1〜第5のノズル列における吐出タイミングの相対値を示している。これらの2つの組み合わせによって(0,1,3,0,1)という吐出タイミングの組み合わせが生成される。そして、このように生成された組み合わせのうち吐出速さのばらつきが所定の閾値を下回るものが決定される。
また、必ずしも毎回同じ本数のノズル列からインクを吐出させなくてもよい。例えば、あるインク吐出においては2本のノズル列から吐出させ、他のインク吐出においては3本のノズル列から吐出させてもよい。
また、上述の実施形態においては、3本のノズル列から2本を抽出する際の全ての組み合わせについてインク吐出が行われている。しかし、2本の組み合わせのうちの一部についてのみインク吐出が行われてもよい。
また、上述の実施形態においては、ブラックに対応するノズル列58Bkからのインク吐出を行わずに全てのノズル列における吐出タイミングが決定されている。しかし、ノズル列58Bkからのインク吐出を行った上で吐出タイミングが決定されてもよい。
また、上述の実施形態においては、複数のノズルから構成される複数本のノズル列が形成されたインクジェットヘッドが想定されている。しかし、ノズル列が1本のインクジェットヘッドに本発明が採用されてもよい。その場合には、例えば1個のノズルごとの吐出タイミングが決定される。つまり、ノズルごとに吐出タイミングのずれ時間が設定され、それに従ってインク吐出が行われ、最適なずれ時間の組み合わせが決定される。あるいは、1本のノズル列に含まれる複数のノズルのうちの3個ずつからなるノズル群ごとの吐出タイミングのずれ時間が決定されてもよい。
また、上述の実施形態においてはノズル列ごとの吐出タイミングを決定することが想定されているが、ノズル列とは異なるノズル群ごとの吐出タイミングが決定されてもよい。例えば、ノズル列の半分のノズルからなるノズル群ごとの吐出タイミングが決定されてもよい。あるいは、ノズル列が形成されていないインクジェットヘッドに本発明が適用されてもよい。この場合には、個々のノズルごとの吐出タイミングが決定されてもよいし、2個を1ノズル群とするノズル群ごとの吐出タイミングが決定されてもよい。これらの場合には、吐出タイミングのずれ時間がそれぞれのノズル群を単位として扱われることになる。
上述の実施形態においては、ノズルから吐出されるインクの量が最も少ない吐出モードで行われたインク吐出に基づいて最適な吐出タイミングが決定されている。しかしながら、それ以外の吐出モードについても同様に、吐出タイミングの決定を行い、各吐出モードに応じた吐出タイミングを採用することもできる。例えば、写真などの画像を高解像度で印刷するために、小さなインク滴を噴射する必要がある場合には、小さな液滴を吐出する場合にクロストークが少ない噴射タイミングに対応する波形制御を行い、いわゆるベタ塗り領域を印刷する場合には、大きな液滴を吐出する場合にクロストークが少ない噴射タイミングを求めて、これに対応する波形制御を行ってもよい。あるいは、大きなインク滴と小さなインク滴とをほぼ同時に噴射する場合についても、上述の実施形態と同様の手法で最適な吐出タイミングを決定することができる。このように、様々なインク液滴の量に応じた吐出モードにそれぞれ適した吐出タイミングで、圧電アクチュエータに印加する信号の波形制御を行ってもよい。
上記実施形態のインクジェットヘッドでは、高画質モードで印刷する場合には、イエロー、シアン、マゼンダの3色のインクのみを使用し、高速モードで印刷する場合には、これらの3色のインクに加えて、ブラックインクも使用している。このような場合に、3色のインクのみを利用する高画質モードと、4色のインクを利用する高速モードとのそれぞれにおいて、上述の方法で吐出タイミングを決定してもよい。また、例えば、イエローとブラックの組合せのような、所望の色の組合せに着目して、それらの色の組合せについて特にクロストークが軽減されるように吐出タイミングを決定してもよい。上記実施形態では、吐出タイミングを決定する際に、インク滴の噴射速度のばらつきを算出しているが、例えば、算出されたばらつきの数値に所定の重みを付けることにより、所望の色の組合せについてクロストークが特に小さくなるように吐出タイミングを決定することができる。
なお、本発明の液滴噴射方法又は吐出タイミング決定方法が適用される液滴噴射ヘッドは、上記実施形態に示されたノズルの配置を有するインクジェットヘッドに限られず、様々なノズルの配置を有するインクジェットヘッド(あるいは液滴吐出ヘッド)に適用しうる。図14A〜Dには、ノズルの配置についての第1例から第4例について示されている。図14Aに示すように、黒色(Bk)インクを吐出するノズル列が2列であって、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のインクを吐出するノズル列は1列であって、Yインクを吐出するノズル列を他のノズル列から離して配置してもよい。また、図14Bに示すように、前記4色のインクに加えて、ライトブラック(LK)、ダークイエロー(DY)、ライトシアン(LC)及びライトマゼンタ(LM)のインクを吐出するノズル列が形成されていてもよい。また、図14Cに示すように、Bk、Y、C及びMのインクが、それぞれ2つのノズル列から吐出されてもよい。あるいは、図14Dに示すように、各インクは一列のノズル列から吐出されてもよい。いずれの場合においても、各色ごとのノズル列の配置の順番、各色のノズル列の数は任意にし得る。また、各ノズル列の列方向の位置関係も任意にし得る。例えば図14Cに示すように、隣接する2つのノズル列がそれらの列方向について互いにずれて配置されていてもよく、図14Dに示すように、隣接するノズル列がそれらの列方向について整列していてもよい。
本発明の液滴噴射方法又は吐出タイミング決定方法が適用される液滴噴射ヘッドは、インクを吐出するインクジェットヘッドに限られず、試薬、生体溶液、配線材料溶液、電子材料溶液、冷媒、あるいは、液体燃料など、インク以外の種々の液体を噴射する液滴噴射ヘッドであってもよい。
本発明の吐出タイミングの決定方法が適用されるインクジェットプリンタの一例を示す概略上面図である。 図1に示されたヘッドユニットの分解斜視図である。 図1に示されたヘッドユニットの縦断面図である。 図2に示されたインクジェットヘッドの分解斜視図である。 図2に示された流路ユニットの上面図及び下面図である。 図2に示された流路ユニットの縦断面の拡大図である。 図6に示されたノズルプレートの下面図である。 図3に示された圧電アクチュエータの分解斜視図である。 図3に示された圧電アクチュエータに供給される電圧パルス信号を示す図である。 図9に示された2つの電圧パルス列信号が1印字周期内に圧電アクチュエータに供給される場合を示す図である。 図10に示されるように圧電アクチュエータに電圧パルス信号が供給された場合に吐出されるインクの吐出速さを示すグラフである。 本発明の一実施形態である吐出タイミングの決定方法における一連のステップを示すフローチャートである。 図12に示されるインク吐出のステップを説明する概略図である。 図14A〜Dは、それぞれノズルの配置の第1例〜第4例を示す。
1 プリンタ
21 圧電アクチュエータ
21 圧電アクチュエータ
25 ヘッド本体
27 流路ユニット
28 ノズル
30 インクジェットヘッド
58Bk,58C,58M,58Y ノズル列

Claims (16)

  1. 吐出タイミングを決定する対象となる3つ以上のノズル群である対象ノズル群を有する液滴吐出ヘッドにおいて、前記対象ノズル群のそれぞれにおける印字周期内の液滴の吐出タイミングを決定する方法であって、
    前記対象ノズル群から任意に選択した2つのノズル群である選択ノズル群における吐出タイミングの所定のタイミングに対するずれ時間の組み合わせからなる複数の第1のずれ時間の組み合わせに関して、液滴の吐出速さのばらつきである第1吐出ばらつきを前記第1のずれ時間の組み合わせ毎に導出する導出工程を、前記選択ノズル群として選択するノズル群の組み合わせを変更しつつ複数回行う第1工程と、
    前記所定のタイミングに対する前記対象ノズル群における吐出タイミングのずれ時間の組み合わせからなる複数の第2のずれ時間の組み合わせに関して、液滴の吐出速さのばらつきである第2吐出ばらつきを、前記第2のずれ時間の組み合わせ毎に導出する第2工程と、
    前記第2工程で導出した前記第2吐出ばらつきのうち、閾値よりも低い前記第2吐出ばらつきに対応する前記第2のずれ時間の組み合わせを決定する第3工程と、を備え、
    前記第2工程においては、前記第2のずれ時間の組み合わせに含まれる全ての前記第1のずれ時間の組み合わせに対応する前記第1吐出ばらつきの和を、前記第2吐出ばらつきとして算出し、
    前記導出工程は、
    前記対象ノズル群の中から第1ノズル群と第2ノズル群とを前記選択ノズル群として選択する選択工程と、
    前記選択工程により選択された第1ノズル群の吐出速さと第2ノズル群の吐出速さとの測定を、前記第1のずれ時間の組み合わせを変更しつつ、複数回行う吐出工程と、
    前記吐出工程において測定した前記第1ノズル群の吐出速さと基準値との差に基づいて前記第1ノズル群の吐出速さのばらつきを算出し、前記吐出工程において測定した前記第2ノズル群の吐出速さと前記基準値との差に基づいて前記第2ノズル群の吐出速さのばらつきを算出し、算出した前記第1ノズル群の吐出速さのばらつきと前記第2ノズル群の吐出速さのばらつきを前記第1吐出ばらつきとする第1吐出ばらつき算出工程と、を備えることを特徴とする吐出タイミング決定方法。
  2. 前記第1工程において、前記対象ノズル群に属するそれぞれのノズル群が、一回以上は前記選択ノズル群に属するように、前記選択ノズル群に属するノズル群を変更しつつ前記導出工程を複数回行うことを特徴とする請求項2に記載の吐出タイミング決定方法。
  3. 前記対象ノズル群から抽出される2つの前記ノズル群からなる組み合わせのそれぞれが1回以上は前記選択ノズル群に属するように、前記選択ノズル群に属するノズル群を変更しつつ前記導出工程を複数回行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の吐出タイミング決定方法。
  4. 前記選択ノズル群に含まれるノズル群の数を変更せず前記選択ノズル群に属するノズル群を変更して前記導出工程を複数回行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の吐出タイミング決定方法。
  5. 前記対象ノズル群に属する全てのノズルから同時にインクを吐出させる同時吐出工程と、
    前記同時吐出工程において吐出される液滴の吐出速さをノズル群ごとに測定する同時測定工程と、
    前記同時測定工程において測定された液滴の吐出速さに基づいて、ノズル群のそれぞれにおける吐出速さのばらつきを算出する同時ばらつき算出工程とをさらに備え、
    前記第3工程において、前記同時ばらつき算出工程において算出された前記吐出速さのばらつきを前記対象ノズル群に属する全てのノズル群に関して加算した和を閾値として、閾値よりも低い前記第2吐出ばらつきに対応する前記第2のずれ時間の組み合わせを決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の吐出タイミング決定方法。
  6. 前記液滴吐出ヘッドは、平行に配列された複数のノズル列が形成されたノズル面を有し、前記各ノズル列は前記複数のノズルを含み、
    前記複数のノズル群が前記複数のノズル列であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吐出タイミング決定方法。
  7. 前記液滴吐出ヘッドから吐出する液滴は黒色を含む複数の色のインク液滴を含み、前記吐出工程において、同じ前記ノズル列に含まれるノズルからは同じ色のインク液滴を吐出し、且つ、異なる前記ノズル列に含まれるノズルからは異なる色のインク液滴を吐出することを特徴とする請求項に記載の吐出タイミング決定方法。
  8. 前記液滴吐出ヘッドから吐出する液滴は黒色を含む複数の色のインク液滴を含み、前記黒色のインク液滴を吐出するノズル列を前記選択ノズル群に含まないように前記導出工程を行い、
    前記黒色のインク液滴を吐出するノズル列のインク液滴吐出のタイミング、前記黒色以外の前記複数の色のインク液滴を吐出するノズル列の液滴吐出のタイミングよりも前又は後となるように決定することを特徴とする請求項に記載の吐出タイミング決定方法。
  9. 前記各ノズルが前記複数のノズル群のいずれかに属していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の吐出タイミング決定方法。
  10. 前記液滴吐出ヘッドによる液滴吐出には、前記複数のノズルから吐出される液滴の量が異なる複数のモードがあり、
    前記吐出工程において、前記複数のモードのうち最も少ない量の液滴を吐出するモードで前記複数のノズルに液滴を吐出させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の吐出タイミング決定方法。
  11. 前記液滴吐出ヘッドによる液滴吐出のモードには、前記複数のノズルから吐出される液滴の量が異なる複数のモードがあり、
    前記各モードごとに前記導出工程を行い、
    記各モードごとに前記対象ノズル群のそれぞれにおける印字周期内の液滴の吐出タイミングを決定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の吐出タイミング決定方法。
  12. 前記液滴吐出ヘッドには4列以上の前記ノズル列が形成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の吐出タイミング決定方法。
  13. (旧請求項16)
    吐出タイミングを決定する対象となる3つ以上のノズル群である対象ノズル群を有する液滴吐出ヘッドにおいて、前記対象ノズル群のそれぞれにおける印字周期内の液滴の吐出タイミングをずらしつつ液滴を吐出する液滴吐出方法であって、
    前記対象ノズル群から任意に選択した2つのノズル群である選択ノズル群における吐出タイミングの所定のタイミングに対するずれ時間の組み合わせからなる複数の第1のずれ時間の組み合わせに関して、液滴の吐出速さのばらつきである第1吐出ばらつきを前記第1のずれ時間の組み合わせ毎に導出する導出工程を、前記選択ノズル群として選択するノズル群の組み合わせを変更しつつ複数回行う第1工程と、
    前記所定のタイミングに対する前記対象ノズル群における吐出タイミングのずれ時間の組み合わせからなる複数の第2のずれ時間の組み合わせに関して、液滴の吐出速さのばらつきである第2吐出ばらつきを、前記第2のずれ時間の組み合わせ毎に導出する第2工程と、
    前記第2工程で導出した前記第2吐出ばらつきのうち、閾値よりも低い前記第2吐出ばらつきに対応する前記第2のずれ時間の組み合わせを決定する第3工程と、
    前記第3工程において決定された吐出タイミングで前記対象ノズル群から液滴を吐出する工程とを備え、
    前記第2工程においては、前記第2のずれ時間の組み合わせに含まれる全ての前記第1のずれ時間の組み合わせに対応する前記第1吐出ばらつきの和を、前記第2吐出ばらつきとして算出し、
    前記導出工程は、
    前記対象ノズル群の中から第1ノズル群と第2ノズル群とを前記選択ノズル群として選択する選択工程と、
    前記選択工程により選択された第1ノズル群の吐出速さと第2ノズル群の吐出速さとの測定を、前記第1のずれ時間の組み合わせを変更しつつ、複数回行う吐出工程と、
    前記吐出工程において測定した前記第1ノズル群の吐出速さと基準値との差に基づいて前記第1ノズル群の吐出速さのばらつきを算出し、前記吐出工程において測定した前記第2ノズル群の吐出速さと前記基準値との差に基づいて前記第2ノズル群の吐出速さのばらつきを算出し、算出した前記第1ノズル群の吐出速さのばらつきと前記第2ノズル群の吐出速さのばらつきを前記第1吐出ばらつきとする第1吐出ばらつき算出工程と、を備えることを特徴とする液滴吐出方法。
  14. 前記対象ノズル群に属する全てのノズルから同時にインクを吐出させる同時吐出工程と、
    前記同時吐出工程において吐出される液滴の吐出速さをノズル群ごとに測定する同時測定工程と、
    前記同時測定工程において測定された液滴の吐出速さに基づいて、ノズル群のそれぞれにおける吐出速さのばらつきを算出する同時ばらつき算出工程とをさらに備え、
    前記第3工程において、前記同時ばらつき算出工程において算出された前記吐出速さのばらつきを前記対象ノズル群に属する全てのノズル群に関して加算した和を閾値として、閾値よりも低い前記第2吐出ばらつきに対応する前記第2のずれ時間の組み合わせを決定することを特徴とする請求項13に記載の液滴吐出方法。
  15. 前記液滴吐出ヘッドは、平行に配列された複数のノズル列が形成されたノズル面を有し、前記各ノズル列は前記複数のノズルを含み、
    前記複数のノズル群が前記複数のノズル列であることを特徴とする請求項13又は14に記載の液滴吐出方法。
  16. 前記液滴吐出ヘッドから吐出する液滴は黒色を含む複数の色のインク液滴を含み、前記導出工程において、同じ前記ノズル列に含まれるノズルからは同じ色のインク液滴を吐出し、且つ、異なる前記ノズル列に含まれるノズルからは異なる色のインク液滴を吐出することを特徴とする請求項15に記載の液滴吐出方法。
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