JP4946240B2 - 画像形成装置およびクリーニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、例えば、まず、感光体ドラムが帯電装置により所定の電位で一様に帯電され、画像情報に基づいて制御された光で露光されて静電潜像が形成される。次いで、かかる静電潜像が現像装置により現像されてトナー像が形成され、このトナー像が記録紙へ転写・定着されて画像が形成される。
ここで、このような画像形成プロセスにおける転写後の感光体ドラム表面には、転写されずに残留したトナーが僅かではあるが残存する場合がある。このような残存トナーは、次の画像形成に際して画像不良の原因となる場合がある。
また、感光体ドラム表面には、帯電装置により感光体ドラムを帯電させる際の放電によって生じた放電生成物(窒素酸化物(NOx)等)が付着する場合がある。このような放電生成物はトナー粒子よりも遥かに微細であり、かつ、水分を吸着して低抵抗化する特性を有している。そのため、感光体ドラム表面に残留した放電生成物は、例えば高温高湿度環境下において、画像中に白抜けを発生させる所謂「画像流れ」と呼ばれる画像不良を発生させる場合がある。
この画像流れを防止する方法としては、感光体の表面を加熱装置を用いて直接加熱する方法(特許文献1参照)が知られている。
また、残存トナーや放電生成物を感光体ドラム表面上から除去する方法についても、種々の方法が知られている。例えば、静電ブラシ等を用いて静電的にトナーを捕獲する方法が知られている。高画質を提供する球形度の高いトナーをクリーニングする場合には、クリーニングブレード等を用いる方法ではトナーが転がってすり抜けやすいため、静電的にトナーを捕獲する方法が適している。一方、静電的にトナーを捕獲する方法は、帯電していないトナーや帯電量の乏しいトナー、放電生成物等に対しては除去性が低い場合がある。従って、これらを除去する方法としてはクリーニングブレード等を用いる方法が適している。更に、研磨性部材を用いる方法(特許文献2参照)や、クリーニングブレードに無機微粒子を含有させる方法も知られている(特許文献3参照)。
特に、残存トナー、トナーの外添剤、並びに放電生成物等をより確実に除去する観点からは、静電ブラシ等と、クリーニングブレード等とを組み合わせたハイブリッド方式が好ましい。
ここで、このハイブリッド方式において、上流側の静電ブラシでのトナー除去率が高いと、下流側の補助ブレードの潤滑性が低下し、補助ブレードの摩耗や欠けが生じてクリーニング部材としての長寿命化が図れない場合がある。
下流側の補助ブレードの潤滑性を確保する方法としては、例えば、静電ブラシでのトナー除去率を30〜70%に制御する方法(特許文献4参照)や、クリーニングブレードを構成する材料であるウレタンゴムに、粉体又は液状の潤滑剤を添加する方法(特許文献5参照)が知られている。また、耐摩耗性に優れるクリーニングブレードとしては、例えば、クリーニングブレードの100%モジュラス値、300%モジュラス値、硬度、及び永久伸びを特定の範囲に設定したクリーニングブレードが知られている(特許文献6参照)。
一般に、感光体ドラム表面のクリーニングにおいてクリーニングブレードを用いる場合、クリーニング対象物をより良好にクリーニングするためにクリーニングブレードの感光体ドラム表面への機械的な摺擦力を高めると、クリーニング部材が感光体ドラム表面を削り取る作用が強く働くこととなる。また、感光体ドラム表面が削られた場合には、クリーニング部材の高い摺擦力により、削り取られた感光体ドラムの成分を感光体ドラム表面に固着させる作用も働く。その結果、固着した感光体ドラムの成分を核としてトナーの成分をも固着させることとなり、感光体ドラム表面には、斑状や雨だれ状のトナー等の付着域が生成される。このような現象は「フィルミング」と呼ばれ、斑状や雨だれ状の白抜けといった画像不良を発生させる要因となる。なお、フィルミングを生じる物質はフィルミング物質と呼ばれ、フィルミング物質には上記削り取られた感光体ドラムの成分の他、トナーの外添剤や放電生成物等も含まれる。
また、感光体ドラムが削られることにより生じる感光体ドラム表面の傷が、画像にスジ状の汚れ等の画像不良を発生させるという不都合が生じる場合がある。
そして、耐磨耗性等の機械的強度を向上させた感光体としては、特定の化合物を含む層を備えた感光体が提案されている(特許文献7参照)。クリーニング対象となる感光体ドラムについても、長寿命化の要求レベルは高い。
特開2000−241998号公報 特開2002−162878号公報 特開2003−015489号公報 特開2003−058011号公報 特開平07−306616号公報 特開平10−049015号公報 特許第3264218号公報
しかしながら、感光体ドラムの表面層を改良して感光体ドラムの耐磨耗性等を向上させる場合、残存トナーやフィルミング生成物の剥離のし易さという観点からは、むしろ剥離し難くなる場合がある。クリーニングブレードでそれらを掻き取ろうとすると、クリーニングブレードを更に高い圧力で感光体に接触させる必要が生じ、クリーニングブレードの磨耗や欠けが生じる虞が高まる。クリーニングブレードの磨耗や欠けは、安定したクリーニング運転を行なう観点から好ましくない。
つまり、安定したクリーニング性を長期に維持するクリーニングシステムを実現することは、困難な課題であった。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、安定したクリーニング性を長期に維持するクリーニングシステムを実現させることにある。
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、画像を保持する像保持体と、像保持体の画像をトナー像に現像する現像部と、像保持体に保持されたトナー像を被転写体に転写する転写部と、転写部にて転写されずに残留したトナーを像保持体からクリーニングするクリーニング部とを備え、クリーニング部は、像保持体に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性繊維からなる布によって表面層が形成されたクリーニングロールと、像保持体に接触するように配置され、クリーニングロールによりクリーニングされた像保持体の表面を更にクリーニングするクリーニングブレードとを有し、クリーニングブレードの少なくとも像保持体に接触する部分の材料は、下記の式(1)及び式(2)を満たす材料であるか、又は式(3)を満たす材料であることを特徴としている。
・式(1) 3.92≦M≦29.42
・式(2) S≧250
・式(3) A≧−2.5×M+102
[式(1)〜(3)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、Sは、JIS K6251に準拠して測定された破断伸び(%)を表す。また、Aは23℃,55%RHにおける純水との接触角(°)を表す。]
ここで、接触する部分の材料は、式(1),(2)および下記式(4)を満たすことを特徴とすることができる。
・式(4) 0<α≦0.294
[式(4)中、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表す。]
また、像保持体は、電荷輸送能を有する構造単位および架橋構造を有する樹脂を含有する表面層を備えることを特徴とすることができる。
一方、本発明をクリーニング装置と捉え、本発明のクリーニング装置は、画像を保持する像保持体に残留したトナーを像保持体からクリーニングするクリーニング装置であって、像保持体に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性繊維からなる布によって表面層が形成されたクリーニングロールと、像保持体に接触するように配置され、クリーニングロールによりクリーニングされた像保持体の表面を更にクリーニングするクリーニングブレードとを有し、クリーニングブレードの少なくとも像保持体に接触する部分の材料は、下記の式(1)及び式(2)を満たす材料であるか、又は式(3)を満たす材料であることを特徴としている。
・式(1) 3.92≦M≦29.42
・式(2) S≧250
・式(3) A≧−2.5×M+102
[式(1)〜(3)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、Sは、JIS K6251に準拠して測定された破断伸び(%)を表す。また、Aは23℃,55%RHにおける純水との接触角(°)を表す。]
ここで、更に、クリーニングロールに接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性ロールを有することを特徴とすることができる。
本発明の請求項1によれば、画像形成装置において、安定したクリーニング性を長期に亘り維持することが可能となる。
本発明の請求項2によれば、クリーニングブレードの耐久性が向上する。
本発明の請求項3によれば、本発明の構成を有しない場合に比して、安定した画像形成をより良好に行なうことができる。
本発明の請求項4によれば、クリーニング装置において、安定したクリーニング性を長期に亘り維持することが可能となる。
本発明の請求項5によれば、放電生成物に対するクリーニング性能を充分に機能させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の構成を示した図である。図1に示すカラープリンタ1は、所謂タンデム型で構成されており、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部20、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3やスキャナ等の画像読取装置4に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部22、カラープリンタ1を構成する各部の動作を制御する制御部60、カラープリンタ1の各部に電力を供給する電源部65を含んで構成されている。
画像形成プロセス部20は、一定の間隔を置いて並列的に配置される4つの画像形成ユニット30Y,30M,30C,30K(以下、総称として「画像形成ユニット30」とも記す)を備えている。ここで図2は、画像形成ユニット30の構成を示した図である。図2に示したように、画像形成ユニット30は、矢印A方向に回転しながら静電潜像が形成され、さらにトナー像が形成される像保持体としての感光体ドラム31、感光体ドラム31の表面を所定電位で一様に帯電する例えばスコロトロンで構成された帯電器32、感光体ドラム31上に形成された静電潜像を現像する現像器33、転写後の感光体ドラム31表面に残留したトナー等の帯電極性を一定(例えば、マイナス極性)に揃えるクリーニング前帯電器34、転写後の感光体ドラム31の表面電荷を除電する除電ランプ35、転写後の感光体ドラム31表面に残留したトナー等を清掃するクリーニング装置(クリーニング部)の一例としてのドラムクリーナ36、帯電前の潜像履歴を消去する帯電前ランプ37を含んで構成されている。
ここで、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kは、現像器33に収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。
また、画像形成プロセス部20には、画像形成ユニット30の各々に配置された感光体ドラム31を露光するレーザ露光装置26、画像形成ユニット30の各々の感光体ドラム31上に形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト41、画像形成ユニット30の各々にて形成された各色トナー像を一次転写部T1にて中間転写ベルト41上に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール42、中間転写ベルト41上に転写された重畳トナー像を二次転写部T2にて記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール40、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着器80を備えている。
なお、本実施の形態において、中間転写ベルト41は、複数(本実施の形態では4つ)の支持ロール46〜49に掛け渡され、図1の矢印B方向に循環するようになっている。ここで、支持ロール47は中間転写ベルト41の駆動ロールである。また、支持ロール46,48は中間転写ベルト41の張力を調整するテンションロールである。更に、支持ロール49は、二次転写ロール40をバックアップするバックアップロールであり、以下、バックアップロール49として記載することがある。
本実施の形態のカラープリンタ1では、制御部60による制御の下で画像形成プロセス部20において画像形成動作が実行される。具体的には、PC3や画像読取装置4から入力された各色成分毎の画像データは、画像処理部22によって所定の画像処理が施された後、レーザ露光装置26に供給される。そして、レーザ露光装置26は、画像形成ユニット30の各々の感光体ドラム31を走査露光する。例えばイエロー(Y)の画像形成ユニット30Yでは、帯電器32により所定電位に一様に帯電された感光体ドラム31が、レーザ露光装置26によりイエロー(Y)成分の画像データに基づいて変調されたレーザ光によって走査露光される。それにより、感光体ドラム31上には、イエロー(Y)成分の静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器33により現像され、感光体ドラム31上にはイエロー(Y)のトナー像が形成される。それと同様に、画像形成ユニット30M,30C,30Kにおいても、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色トナー像が形成される。ここで、本実施の形態の現像器33に用いられるトナーは、マイナス極性を有するものである。
各画像形成ユニット30にて形成された各色トナー像は、矢印B方向に循環移動する中間転写ベルト41上に、一次転写ロール42により順次静電転写される。それにより、中間転写ベルト41上には各色トナー像が重畳されたトナー像(重畳トナー像)が形成される。重畳トナー像は、中間転写ベルト41の移動に伴って二次転写ロール40とバックアップロール49とが配設された二次転写部T2に向けて搬送される。一方、用紙Pはピックアップロール72により用紙トレイ71から取り出され、搬送ロール73によって1枚ずつレジストロール74の位置まで搬送される。
そして、重畳トナー像が二次転写部T2に搬送されると、トナー像が二次転写部T2に搬送されるタイミングに合わせてレジストロール74から用紙Pが二次転写部T2に供給される。二次転写部T2では、二次転写ロール40とバックアップロール49との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
その後、重畳トナー像が転写された用紙Pは、中間転写ベルト41から剥離され、搬送ベルト75に吸着された状態で定着器80まで搬送される。定着器80に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器80によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙積載部91に搬送される。一方、二次転写後に中間転写ベルト41に付着しているトナー(転写残トナー)は、二次転写の終了後に中間転写ベルト41に接して設置されたベルトクリーナ45によって除去され、次の画像形成サイクルに備えられる。
一方、一次転写部T1での転写処理が行なわれた後の感光体ドラム31表面では、感光体ドラム31表面に残留したトナーや中間転写ベルト41から再転写したトナー等の帯電極性がクリーニング前帯電器34により概略マイナス極性に揃えられる。さらに、除電ランプ35により転写後の感光体ドラム31の表面電荷が除電されて、感光体ドラム31の表面電位は−50V程度に低下される。そして、ドラムクリーナ36によって感光体ドラム31表面に残留したトナー等は除去される。また、ドラムクリーナ36を通過した感光体ドラム31表面を帯電前ランプ37で全面露光することにより、帯電器32での帯電前に前回の画像形成サイクルで生じた潜像履歴を消去する処理が行なわれる。
本実施の形態のデジタルカラープリンタ1では、このような画像形成サイクルが繰り返されることとなる。
続いて、本実施の形態のドラムクリーナ36について説明する。
図3は、本実施の形態のドラムクリーナ36の構成を示した図である。図3に示したように、ドラムクリーナ36は、ハウジング361、ハウジング361内に回収されたトナーを収容するトナー収容部362、トナー収容部362と感光体ドラム31との間隙を遮蔽する上流側シール364、トナー収容部362に収容されたトナーを画像形成ユニット30の外部に配置された回収ボックス(不図示)に搬出する搬送スクリュー368を備えている。
また、ドラムクリーナ36は、感光体ドラム31に付着したトナーを除去するクリーニングロール365、導電性を有し、クリーニングロール365により除去されたトナーを回収する回収ロール366、回収ロール366表面に転移したトナーを掻き取るスクレーパ367を備えている。
更に、ドラムクリーナ36は、感光体ドラム31の表面に接触するように設置され、クリーニングロール365によりクリーニングされた感光体ドラム31の表面を更にクリーニングするクリーニングブレード363を備えている。
そして、クリーニングロール365には、電源部65に配置されたクリーニングロールバイアス電源651から所定のバイアス電圧が供給される。また、回収ロール366には、電源部65に配置された回収ロールバイアス電源652から所定のバイアス電圧が供給される。
まず、クリーニングロール365、回収ロール366、スクレーパ367について詳述する。
クリーニングロール365は、ハウジング361に回転自在に支持された外径12mmのロールであって、図4(クリーニングロール365の断面構造を示した図)に示したように、直径6mmのシャフト365cと、シャフト365cの周囲に固着された弾性層365bと、弾性層365bの表面に被覆された層厚900μmの繊維層(表面層)365aとで構成されている。
シャフト365cは、例えば、鉄、SUS等の金属で形成された円柱ロールである。弾性層365bは、例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合した発泡ウレタンで形成されたスポンジ状の導電性円筒ロールである。なお、ここでは発泡ウレタンを使用したが、NBR、SBR、EPDM等のゴム材も適宜選択することができる。
繊維層365aとしては、例えば、導電性繊維を編み込んで布状に形成したものや、導電性繊維を織り込んで布状に形成したもの、更には、導電性繊維からなる不織布等で形成したもの、繊維を導電性ポリマーの溶液等に浸漬し均一に被覆又は含浸させて導電化処理をしたもの、等が挙げられる。導電処理剤としては、例えば、アセチレン、ベンゼン、アニリン、フェニルアセチレン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール及びこれらのモノマーの誘導体などを重合したものがある。
ここで、上記導電性繊維としては、例えば、カーボンブラックを分散させたナイロン導電糸の割繊繊維(KBセイレン(株)製)を用いることができる。また、その繊維太さとしては、例えば、0.5デニール(248T/450F)とすることができる。このような極細の導電性繊維を用いた場合、繊維層365aの表面積を増加させることができるので、トナーを多量に保持させることができて好適である。また、このような極細の導電性繊維を用いた場合、クリーニング性能をも高めることができる。トナーの保持性・クリーニング性の観点から、導電性繊維の繊維太さとしては、通常、2デニール(直径約15μm)以下、好ましくは1デニール(直径約11μm)以下である。
また、上記不織布としては、例えば、乾式不織布、スポンジバンド、湿式不織布等を用いることができる。本実施の形態では、乾式不織布を用いている。乾式不織布は、具体的には繊維長が数センチ程度の繊維を、カードやエアランダム機で薄いシートとし、必要に応じて何枚かのシートを重ねて形成されたものであり、繊維の接合は、高圧細水流で絡めることで形成されている。
なお、繊維層365aとしては、繊維層365aの耐久性を補強する観点から、繊維層365aを形成する導電性繊維に、例えば絶縁性の繊維を混合することもできる。
そして、クリーニングロール365は、感光体ドラム31の軸方向に沿って感光体ドラム31の表面に接するように配置され、その接する部分において感光体ドラム31と同方向に回転するように構成されている。その際に、クリーニングロール365の回転速度(周速)としては、感光体ドラム31の周速に対して0.9倍程度に設定される。ただし、回転方向や回転速度は、感光体ドラム31やトナー等の種類等に合わせて適宜設定すればよく、かかる設定に限定されるものではない。
一方、クリーニングロール365に接する回収ロール366は、ハウジング361に回転自在に支持された外径12mmのロールであって、カーボンブラックを分散させて抵抗値を調整したフェノール樹脂で形成されている。ただし、鉄、SUS等の金属を用いてもよく、その表面に、スクレーパ367との摺動を円滑に行なうため、テフロン(登録商標)等といったフッ素樹脂等の被膜を形成したもの等を用いることもできる。ただし、かかる構成に限定されるものではなく、システムに応じて適宜選択できる。
なお、回収ロール366は、クリーニングロール365の軸方向に沿って回収ロール366の表面に接するように配置され、その接する部分においてクリーニングロール365と同方向に回転するように構成されている。
また、回収ロール366に接するスクレーパ367は、ウレタンゴム等の弾性体、鉄、SUS等の金属で形成された板状部材である。そして、回収ロール366の軸方向に亘って、回収ロール366の回転方向に対してカウンタ方向に接するように固定配置されている。そして、スクレーパ367は、回収ロール366上に転移したトナーを掻き落とし、掻き落としたトナーをトナー収容部362に収容する。
トナー収容部362に収容されたトナーは、搬送スクリュー368により画像形成ユニット30の外部に配置された回収ボックス(不図示)に搬出される。
このように、本実施の形態のドラムクリーナ36では、表面に柔らかい導電性繊維からなる繊維層365aを配設し、加えて、繊維層365aの下層に弾性層365bを形成することで、感光体ドラム31表面に対する摺擦力が低くなるように構成したクリーニングロール365を用いている。
特に、弾性層365bと繊維層365aとを積層して構成することで、クリーニングロール365の弾性を自在に調整することができ、感光体ドラム31の表面特性に対応した低い摺擦力を設定することができる。
ここで、クリーニングロール365は、上記したように、表面に柔らかい導電性繊維からなる繊維層365aを配設しているため、感光体ドラム31に面接触することが可能である。従って、クリーニングロール365の感光体ドラム31表面に対する摺擦力を低く設定しながら、感光体ドラム31の表面から残留トナー、放電生成物、トナー外添剤、フィルミング物質等を良好に除去することができる。
そして、感光体ドラム31表面に対する機械的な摺擦力を低く設定していることから、感光体ドラム31表面が削られたり、傷つけたりすることが抑制されている。つまり、感光体ドラム31の表面が削られたりすることでフィルミング物質が生じ、画像不良の原因となる虞が低減されている。
しかも、繊維層365aには上記したように極細の導電性繊維が用いられているので、繊維層365aは非常に大きな表面積を有し、多量のトナー等を保持する能力を有している。そのため、繊維層365aは、高いクリーニング性能を備えていると共に、感光体ドラム31の表面から回収した残留トナーや放電生成物、トナー外添剤、フィルミング物質等を安定して保持し得、それらを感光体ドラム31に再度付着させ難い。感光体ドラム31の表面層を改良し、耐磨耗性等を向上させた場合であっても、繊維層365aは、残留トナーや放電生成物、トナー外添剤、フィルミング物質等、更には、感光体ドラム31表面の劣化層を良好に研磨除去することが可能である。
また、上記したように、ドラムクリーナ36が配置された位置に感光体ドラム31の表面が至る経路において、感光体ドラム31表面に残留したトナーの帯電極性は、クリーニング前帯電器34により概略マイナス極性に揃えられている。それとともに、除電ランプ35により感光体ドラム31の表面電位は−50V程度に低下している。
その状態で、ドラムクリーナ36では、クリーニングロール365に対してクリーニングロールバイアス電源651から+300Vのバイアス電圧が印加される。それにより、クリーニングロール365から感光体ドラム31に向かう電界が形成されるので、感光体ドラム31表面のマイナス極性に帯電したトナーはクリーニングロール365に主として電気的に、良好に吸着される。
そして、本実施の形態のドラムクリーナ36では、クリーニングロール365および回収ロール366の間で所定の電圧差が設定されており、クリーニングロール365と回収ロール366との密着性が極めて高く、ソフトに接触配置させることができる。従って、クリーニングロール365の繊維層365aに回収されたトナーを、常時回収ロール366に高効率で転移させることができる。それにより、繊維層365aの高いトナー保持能力は常に維持されるので、カラープリンタ1での画像形成を行なう際には、クリーニングロール365での高いクリーニング性能を常時維持することができる。
ところで、上記したように、本実施の形態のドラムクリーナ36では、クリーニングロールバイアス電源651からクリーニングロール365に対して印加されるバイアス電圧は、+300Vに設定している。これは以下の理由に基づくものである。
即ち、クリーニングロール365と感光体ドラム31との間の電圧差が400V以上となると、両者の間で放電が生じ、感光体ドラム31にダメージを与えたり、クリーニング処理を効果的に行なうための電界を形成することができなかったり、といった不都合が生じる。その一方で、電圧差を小さく抑えると、感光体ドラム31との間で、充分にトナーのクリーニングを行なえる程度の電界を得ることができない。
そのため、除電ランプ35により表面電位が−50V程度に低下した感光体ドラム31との間においては、放電を生じない範囲の内で許容できる最大の電圧差に近い電圧差350Vを形成するように、クリーニングロール365のバイアス電圧を+300Vに設定している。
また、本実施の形態のドラムクリーナ36では、回収ロールバイアス電源652から回収ロール366に対して印加されるバイアス電圧は+700Vに設定している。これは、クリーニングロール365の場合と同様に、クリーニングロール365との間で放電の発生を抑えると共に、クリーニングロール365に対する回収ロール366でのクリーニング性能を最大限に作用させるという観点から設定されている。+300Vに設定されているクリーニングロール365との間で、放電を生じない範囲の内で許容できる最大の電圧差に近い電圧差として、電圧差400V(バイアス電圧700V)が設定されている。
なお、本実施の形態のドラムクリーナ36でのクリーニングロール365を用いた構成では、初期状態および50kPV後の双方において、約90%と高いトナー回収効率を達成することができる。これは、クリーニングロール365と回収ロール366との密着性が高いために初期状態においても回収効率が高いためと、繊維層365aが回収ロール366にソフトに当接するため、クリーニングロール365と回収ロール366との間の摩擦が少なく、相互のロールが傷ついたりすることがないため、50kPV後も高い回収効率を維持できたと考えられる。
このように、本実施の形態のカラープリンタ1では、クリーニングロール365の表面に導電性繊維からなる繊維層365aを設けることで、クリーニングロール365の感光体ドラム31表面に対する摺擦力を低く設定している。それと同時に、トナーを保持した繊維層365aに、クリーニングロール365と所定の電位差が形成された回収ロール366を接触させ、かつ、回収ロール366に対しても、密着性が高く、かつソフトに接触させているために、クリーニングロール365から回収ロール366に高い効率でトナーを回収するように構成している。
それにより、画像流れやフィルミング等といった画像不良の発生を抑止しながら、感光体ドラム31表面からトナーや放電生成物等を長期に亘り効果的にクリーニングすることが可能となる。
次に、クリーニングブレード363について詳述する。図5は、クリーニングブレード363の断面構造を示した図である。
クリーニングブレード363は、ハウジング361に固定支持される支持層363bと、支持層363b上に積層され、クリーニングロール365の下流側において感光体ドラム31の表面をクリーニングするエッジ層363aとを備えている。
そして、本実施の形態において、少なくとも感光体ドラム31の表面と接するエッジ層363aを形成する材料は、下記式(1),(2),(4)を満たすものである。
・式(1) 3.92≦M≦29.42
・式(2) S≧250
・式(4) 0<α≦0.294
但し、式(1),(2),(4)中、Mは100%モジュラス(MPa、100%伸張時の引張応力)を表し、Sは、J1S K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された破断伸び(%)を表し、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表す。
本実施の形態におけるクリーニングブレード363は、感光体ドラム31の表面と接するエッジ層363aを形成する材料が式(1)を満たすため、良好なクリーニング性を発揮しつつ、耐磨耗性にも優れる。
即ち、100%モジュラスMが、3.92MPa(40kgf/cm)未満の場合には、耐磨耗性が不充分となり、長期に渡り良好なクリーニング性を維持することができない。また、29.42MPa(300kgf/cm)を超える場合には、エッジ層363aを形成する材料が硬過ぎるため、感光体ドラム31に対する追従性が悪化し、良好なクリーニング性を発揮できない。加えて、感光体ドラム31の表面を傷つけやすくなる場合がある。
なお、100%モジュラスMは、5〜20MPaの範囲内であることが好ましく、6.5〜15MPaの範囲内であることがより好ましい。
また、クリーニングブレード363は、エッジ層363aを形成する材料が式(2)及び式(4)を満たすため、耐欠け性に優れる。
即ち、式(2)に示される破断伸びSが250%未満である場合、上述したような感光体ドラム31表面の異物とクリーニングブレード363の先端が強い力で衝突した際に、クリーニングブレード363の先端が追従変形できず、比較的短期間の内にエッジ欠けが発生してしまう。このような場合も、長期に渡る良好なクリーニング性は維持することができない。
なお、破断伸びSは300%以上であることが好ましく、350%以上であることがより好ましい。一方、破断伸びSが500%より大きい場合は、被クリーニング部材に対する追従性(密着性)が増し、被クリーニング部材との摩擦力が増大し、結果としてエッジ磨耗が増大し易くなる場合がある。従って、エッジ磨耗の観点から破断伸びSは500%以下であることが好ましく、450%以下であることがより好ましく、400%以下であることが更に好ましい。
また、式(4)に示されるαが0.294を超える場合、エッジ層363aを形成する材料の柔軟性に欠ける場合がある。感光体ドラム31の表面には、異物、特に表面に埋没・固着した異物が存在する場合がある。エッジ層363aを形成する材料の柔軟性に欠ける場合、感光体ドラム31とクリーニングブレード363との接触部をこのような異物が繰り返し通過する際に、クリーニングブレード363の先端部が十分に変形できない。そうすると、クリーニングブレード363の先端部に大きな応力が繰り返し加わることとなり、この応力を効率的に分散できないため、比較的短期間の内にエッジ欠けが発生してしまう。早期に欠けが発生すると、長期に渡る良好なクリーニング性は維持することができない。
なお、αは0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましく、物性上の限界下限値である0に近ければ近いほどよい。
なお、式(1),(2),(4)に示すM、S,αはいずれも、J1S K6251に準拠して測定されるものである。即ち、ダンベル状3号形試験片を用い、引張速度500mm/minで計測して応力−歪み曲線を得(環境温度23℃)、この曲線を基に得られるものである。尚、測定装置は、東洋精機(株)製、ストログラフAEエラストマーを用いた。
以上に説明したようにクリーニングブレード363は、耐磨耗性および耐欠け性の双方共に優れ、長期に渡り良好なクリーニング性能を維持することができる。このため、感光体ドラム31表面に存在する異物、特に表面に埋没・固着した異物に対応するために、従来のように画像形成装置内に別途耐磨耗性や耐欠け性を向上させるための装置を新たに設ける必要が無いため、装置の大型化・高コスト化を防止できる。
加えて、クリーニングブレード363の寿命が長くなるため、クリーニングブレード363を具備したプロセスカートリッジや、クリーニング装置、画像形成装置の長寿命化や、メンテナンスコストの低減が容易である。特に、表面の耐磨耗性を向上させた感光体ドラム31およびクリーニングブレード363の双方を具備したプロセスカートリッジや、画像形成装置であれば、上述したメリットをより一層享受することができる。
なお、クリーニングブレード363においては、少なくとも感光体ドラム31の表面と接するエッジ層363aを形成する材料が式(1),(2),(4)を満たす材料から構成されるが、エッジ層363aのみならず、その他の部分(一部又は全部)が式(1),(2),(4)を満たす材料から構成されていてもよい。
また、式(1),(2),(4)を満たす材料としては、例えばエラストマー材料を挙げることができる。特に限定されるものではないが、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であることが好ましい。エラストマー材料が、ハードセグメントおよびソフトセグメントの双方を含むことにより、式(1),(2),(4)に示す物性を満たすことが容易となり、耐磨耗性および耐欠け性の双方を、より高いレベルで両立させることができる。
なお、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、エラストマー材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
なお、ハードセグメント材料およびソフトセグメント材料の総量に対するハードセグメントを構成する材料の重量比(以下、「ハードセグメント材料比」と称す場合がある)としては、46質量%〜96質量%の範囲内であることが好ましく、50質量%〜90質量%の範囲内であることがより好ましく、60質量%〜85質量%の範囲内であることが更に好ましい。ハードセグメント材料比が46質量%未満の場合には、エッジ先端の耐磨耗性が不充分となり、早期に磨耗が起きて長期に渡る良好なクリーニング性が維持できなくなる場合がある。一方、ハードセグメント材料比が96質量%を超える場合には、エッジ先端が硬くなり過ぎて柔軟性や伸張性が不充分となり、早期に欠けが発生して長期に渡る良好なクリーニング性が維持できなくなる場合がある。
本実施の形態において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との組み合わせとしては、公知の樹脂材料から選択できるが、例えば、以下のような組み合わせが好適である。
即ち、ハードセグメント材料としては、ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。この場合のポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、1000〜4000の範囲内であることが好ましく、1500〜3500の範囲内であることがより好ましい。重量平均分子量が1000未満の場合は、クリーニングブレード363が低温環境下で使用される場合にハードセグメントを構成するポリウレタン樹脂の弾性が失われるために、クリーニング不良が生じやすくなる場合がある。また、重量平均分子量が4000を超える場合は、ハードセグメントを構成するポリウレタン樹脂の永久歪みが大きくなり、エッジ先端が、感光体ドラム31に対して接触する押圧力を保持することができなくなり、クリーニング不良が生じる場合がある。
なお、上述したようなハードセグメント材料として用いられるポリウレタン樹脂としては、例えば、ダイセル化学社製、プラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
また、ハードセグメント材料としてポリウレタン樹脂を用いる場合、当該ハードセグメント材料に組み合わせるソフトセグメント材料としては、(a)イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有する樹脂を用いることが好ましい。また、この樹脂の物性は、(b)ガラス転移温度が0℃以下、(c)25℃における粘度が600mPa・s〜35000mPa・s範囲内、(d)重量平均分子量が700〜3000の範囲内であることが好ましい。これらの物性が満たされない場合には、クリーニングブレード363を作製する際の成形性が不充分となったり、クリーニングブレード363自体の特性が不充分となったりする場合がある。
なお、物性は、より好ましくは、ガラス転移温度が−10℃以下、25℃における粘度が1000mPa・s〜3000mPa・s範囲内、重量平均分子量が900〜2800の範囲内である。また、クリーニングブレード363を遠心成型を利用して作製する場合、25℃における粘度が600mPa・s〜3500mPa・s範囲内であることが好ましい。
上記(a)〜(d)に示す構造および物性を満たすソフトセグメント材料としては、公知の樹脂から適宜選択することができるが、少なくとも末端にイソシアネート基に対して反応可能な官能基を有する柔軟性のある樹脂であることが好ましい。
また、樹脂は、柔軟性の点から、直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることが好ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、或いは、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を挙げることができる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂としては、例えば、総研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB−2005B,UMB−2005P,UMB−2005,UME−2005等)を挙げることができ、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等を挙げることができる。
また、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、従来の一般的なエポキシ樹脂のように硬くて脆い性質を有するものではなく、従来のエポキシ樹脂よりも柔軟強靭性であるものが好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くできるような構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等を挙げることができるが、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内程度であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが好ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。このような特性を有するエポキシ樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業製、EPLICON EXA−4850−150等を挙げることができる。
このように、クリーニングブレード363を用いれば、感光体ドラム31の表面に埋没・固着したようなキャリア片等の異物に起因するブレードの欠けの発生を抑制しつつ、感光体ドラム31表面に付着したトナーやトナー外添剤、放電生成物やタルク、紙粉などの付着物を、長期に渡って安定的にクリーニングすることができる。
なお、本実施の形態において、クリーニングブレード363は、クリーニングロール365の下流側において感光体ドラム31(被クリーニング部材)の表面をクリーニングするものである。従って、クリーニングブレード363単体では除去が困難な付着力の高い高帯電トナー、放電生成物、フィルミング物質等についてはクリーニングロール365で除去可能であり、クリーニングブレード363はクリーニングロール365では除去が困難な付着力の弱い低帯電トナーや非帯電トナー、またはクリーニングロール365から吐き出される少量のトナーなどを除去すればよいため、クリーニングブレード363の感光体ドラム31への押圧力を低く抑えることが可能である。
また、クリーニングブレード363の物性を特定の物性とすることで、ブレード自身に耐磨耗性及び耐変形性を持たせることが可能であり、上流に配置したクリーニングロール365でのトナー除去性が高い場合、すなわちクリーニングブレード363に突入するトナー量が極端に減少した場合に於いても、クリーニングブレード363の磨耗の増加や欠けの発生を抑制することが可能である。
上述のように、クリーニングブレード363をクリーニングロール365と組み合わせて使用することにより、両者が相乗的に作用して、クリーニングブレード363のクリーニング性能がより安定し、感光体ドラム31の表面を長期にクリーニングすることが可能である。つまり、クリーニングブレード363とクリーニングロール365とを含むクリーニング装置、ひいては画像形成装置の長寿命化を図ることができる。
次に、上記ドラムクリーナ36によりクリーニングされる感光体ドラム31について詳述する。
本実施の形態の感光体ドラム31としては、有機感光体や、アモルファスシリコン感光体やセレン系感光体といった無機系の感光体など、公知の感光体を用いる事ができる。中でも、有機感光体が好適に用いられる。
そして、有機感光体としては、導電性基体上に少なくとも感光層が設けられた構成を有するものであれば特に限定されないが、本実施の形態においては、導電性基体上に、電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層した機能分離型の感光層を有する有機感光体を用いている。
なお、上記感光層の表面には表面保護層を形成することができる。当該表面保護層としては、電荷輸送能を有する構造単位と、架橋構造とを有する樹脂を含有することが好適である。
導電性基体としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、ニッケル等の金属ドラム;
シート、紙、プラスチツク、ガラス等の基材上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;
酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基材に蒸着したもの;
金属箔を上記基材にラミネートしたもの;
カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基材に塗布することによって導電処理したもの;等が挙げられる。
また、導電性基体の形状は、ドラム状、シート状、プレート状のいずれであってもよい。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料を真空蒸着法により蒸着させて形成する方法や、有機溶剤及び結着樹脂を含む溶液を塗布する方法等により形成される。
電荷発生材料としては、非晶質セレン、結晶性セレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他のセレン化合物;
セレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電体;
又はこれらを色素増感したもの;
無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、銅フタロシアニン、錫フタロシアニン、ガリウムフタロシアニンなどの各種フタロシアニン化合物;
スクエアリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の各種有機顔料;
又は染料;等が用いられる。
また、これらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特にフタロシアニン化合物ではα型、β型などをはじめとしてさまざまな結晶型が知られているが、目的にあった感度その他の特性が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることが可能である。
なお、上述した電荷発生材料の中でも、フタロシアニン化合物が好ましい。
電荷輸送層としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂とを用いて形成されていてもよく、高分子電荷輸送材を用いて形成されていてもよい。
電荷輸送材料としては、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物;
トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物;
を挙げることができる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で、または2種以上を併用することができる。
中でも、電荷輸送材料としては、以下の構造式(1)〜(3)に示す材料を好ましく用いることができる。
Figure 0004946240
構造式(1)中、R14は、水素原子またはメチル基を示す。また、nは1又は2を意味する。Ar及びArは置換又は未置換のアリール基、或いは、−C(R18)=C(R19)(R20)、−CH=CH−CH=C(Ar)を表わし、置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。
Figure 0004946240
構造式(2)中、R15,R15’は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基を表わす。R16,R16’、R17,R17’は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、或いは−C(R18)=C(R19)(R20)、−CH=CH−CH=C(Ar)を表わす。なお、構造式(1)および構造式(2)の置換基において、R18,R19,R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表す。また、m及びnは0〜2の整数である。
Figure 0004946240
構造式(3)中、R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、または、−CH=CH−CH=C(Ar)を表す。R22,R23は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。なお、構造式(1)〜構造式(3)の置換基において、Arは、置換又は未置換のアリール基を表す。
上記感光層の表面に、電荷輸送能を有する構造単位と、架橋構造とを有する樹脂を含有する表面保護層が形成される場合、電荷輸送能を有する構造単位としては、上述したような公知の電荷輸送材料の構造式中に現われる構造単位を採用することができる。
また、架橋構造を有する樹脂として具体的には、例えば、架橋構造を有するフェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン系樹脂等が挙げられる。これらの架橋構造を有する樹脂は優れた耐磨耗性を有しているため、長期に渡って使用しても、感光体ドラム31の表面の磨耗や傷の発生を抑制することができる。
そして、電荷輸送能を有する構造単位と、架橋構造とを有する樹脂として、より具体的には、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される構造を有するものが、強度、安定性の観点から好適に用いられる。
F−[D−Si(R)(3−a)Q] (I)
一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、Rは水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。なお、一般式(I)中のDで示される可とう性サブユニットとしては、−(CH−基を必ず含み、これに−COO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−基を組み合わせた2価の直鎖基であってもよい。なお、−(CH−基のnは1〜5の整数を表す。また、Qで表される加水分解性基としては、−OR基(但し、Rはアルキル基を表す)を表す。
F−((X)−ZH) (II)
一般式(II)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Rはアルキレン基、Zは、−O−、−S−、−NH−、又は、−COO−、mは1〜4の整数を示す。Xは、−O−、又は、−S−を表し、nは0または1を示す。
このような、電荷輸送能を有する構造単位と架橋構造とを有する樹脂を含有する表面層を備える感光体ドラム31は耐磨耗性、耐傷性に優れることより、感光体ドラム31の長寿命化が図れると共に、傷などの表面の凹凸が長期に渡って抑制されることよりクリーニング性能の長寿命化を得ることが可能となる。特に上記クリーニングロール365と組合せることで、耐磨耗性の高い感光体ドラム31で悪化する放電生成物等の除去性の低下を好適に補なうことが可能で、従来必要とされる高い当接圧でのクリーニングブレードの当接は不要となり、クリーニングブレードの磨耗や欠け等を悪化させることがない。
[実施例]
以下、実施例により本実施の形態における式(1),(2),(4)の技術的意義を説明する。但し、本実施例は、本実施の形態を限定するものではない。
−クリーニングブレードの作製−
<クリーニングブレードA1>
ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセル205、平均分子量529、水酸基価212KOHmg/g)と、ポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業株式会社製、プラクセル240、平均分子量4155、水酸基価27KOHmg/g)とを、ポリオール成分のハードセグメント材料として用いた。また、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂(綜研化学株式会社製、アクトフローUMB−2005B)を、ソフトセグメント材料として用いた。上記ハードセグメント材料と上記ソフトセグメント材料とを、8:2(質量比)の割合で混合した。
次に、このハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物100質量部に対して、イソシアネート化合物として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、ミリオネートMT、以下「MD1」という)を6.26質量部加え、窒素雰囲気下で70℃、3時間反応させた。なお、この反応で使用したイソシアネート化合物量は、反応系に含まれる水酸基に対するイソシアネート基の比(イソシアネート基/水酸基)が0.5となるように選択したものである。
続いて、上記イソシアネート化合物を更に34.3質量部加え、窒素雰囲気下で70℃,3時間反応させて、プレポリマーを得た。なお、プレポリマーの使用に際して利用したイソシアネート化合物の全量は40.56質量部であった。
次に、このプレポリマーを100℃に昇温し、減圧下で1時間脱泡した。その後、プレポリマー100質量部に対して、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物(質量比=60/40)を7.14質量部加え、3分間泡をかまないように充分に混合した。この混合物を、140℃に金型を調整した遠心成形機にて1時間硬化させ、平板を得た。この平板を110℃で24時間加熱して架橋反応を進行させた後、冷却し、所定寸法にカットして厚さ2mmのクリーニングブレードA1を得た。
<クリーニングブレードA2>
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂(出光興産株式会社製、R−45HT)をソフトセグメント材料として用いた以外は、クリーニングブレードA1と同様にしてクリーニングブレード(クリーニングブレードA2)を作製した。
<クリーニングブレードA3>
2つ以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、EP1CLONEXA−4850−150)をソフトセグメント材料として用いた以外は、クリーニングブレードA1と同様にしてクリーニングブレード(クリーニングブレードA3)を作製した。
<クリーニングブレードA4>
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合比率を9:1に変更した以外は、クリーニングブレードA1と同様にしてクリーニングブレード(クリーニングブレードA4)を作製した。
<クリーニングブレードA5>
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合比率を96:4に変更した以外は、クリーニングブレードA1と同様にしてクリーニングブレード(クリーニングブレードA5)を作製した。
<クリーニングブレードA6>
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合比率を98:2に変更した以外は、クリーニングブレードA1と同様にしてクリーニングブレード(クリーニングブレードA6)を作製した。
<クリーニングブレードB1>
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物の代わりに、ポリオール成分としてコロネート4086(日本ポリウレタン工業株式会社製)を用いた。また、このポリオール成分100質量部に対して、イソシアネート化合物としてニッポラン4038(日本ポリウレタン工業株式会社製)を6.8質量部加えた。それ以外は、クリーニングブレードA1と同様にしてクリーニングブレード(クリーニングブレードB1)を作製した。
<クリーニングブレードB2>
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物の代わりに、ポリオール成分としてコロネート4370(日本ポリウレタン工業株式会社製)を用いた。また、このポリオール成分100質量部に対して、イソシアネート化合物としてニッポラン4379(日本ポリウレタン工業株式会社製)を75質量部加えた。それ以外は、クリーニングブレードA1と同様にしてクリーニングブレード(クリーニングブレードB2)を作製した。
<クリーニングブレードB3>
クリーニングブレードA1の作製において、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との混合物の代わりに、ポリオール成分としてコロネート4370(日本ポリウレタン工業株式会社製)を用いた。また、このポリオール成分100質量部に対して、イソシアネート化合物としてニッポラン4379(日本ポリウレタン工業株式会社製)を85質量部加えた。それ以外は、クリーニングブレードA1と同様にしてクリーニングブレード(クリーニングブレードB3)を作製した。
−感光体の作製−
<感光体A>
4質量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学工業株式会社製)を溶解したn−ブチルアルコール170質量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)30質量部および有機シラン化合物(Y−アミノプロピルトリメトキシシラン)3質量部を添加、混合撹枠して、下引層形成用の塗布液を得た。
この塗布液を、ホーニング処理により粗面化された外径40mmのアルミニウム支持体の上に浸漬塗布し、室温で5分間風乾を行った。その後、支持体を10分間で50℃に昇温し、50℃,85%RH(露点47℃)の恒温恒湿槽中に入れて20分間加湿硬化促進処理を行った。その後、熱風乾燥機に入れて170℃で10分間乾燥を行い、下引層を形成した。
電荷発生材料として塩化ガリウムフタロシアニンを15質量部と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニオンカーバイト社製)10質量部と、n−ブチルアルコール300質量部とを混合して混合液を得た。なお、混合は、混合物をサンドミルにて4時間分散させることで行なった。この分散液を、上記下引層上に浸漬塗布し、乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジンを40質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)を60質量部とを、テトロヒドロフラン235質量部及びモノクロロベンゼン100質量部中に十分に溶解混合して塗布液を得た。この塗布液を、電荷発生層まで形成したアルミニウム支持体上に浸漬塗布し、120℃で40分乾燥することにより、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、感光体Aを得た。
<感光体B>
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジンを40質量部と、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)を60質量部とを、テトロヒドロフラン280質量部及びトルエン120質量部に十分に溶解混合した。その後、4フッ化エチレン樹脂粒子10質量部を加え、さらに混合した。
このとき、室温を25℃に設定し、混合時における液温度を25℃に保った。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにて分散し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を作製した。このとき、サンドクラインダーのベッセルに24℃の水を流し、分散液の温度を50℃に保持した。
このようにして得られた塗布液を、感光体Aを作製する場合と同様にして電荷発生層まで作製された円筒状基体表面に浸漬塗布し、120℃で40分乾燥することにより、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、感光体Bを得た。
<感光体C>
下記に示す化合物1を2質量部と、レジトップPL4852(群栄化学製)を2質量部とをイソプロピルアルコール10質量部に溶解させ、保護層形成用塗布液を得た。この保護層形成用塗布液を、電荷輸送層の膜厚を22μmとする以外は感光体Aと同じ条件で作製した感光体の電荷輸送層上に浸漬塗布し、室温で30分風乾した。その後、140℃で60分乾燥させ、膜厚4μmの保護層を形成し、感光体Cを得た。
Figure 0004946240
以上に説明したクリーニングブレードA1〜A3,B1〜B3と感光体A〜Cとを、以下の表1に示すような組み合わせとなるように画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCentre Color 400CP)に取りつけ各種評価を行った。結果を、テストに用いたクリーニングブレードの組成・物性と共に以下の表1に示す。
また、実施例1〜3および比較例1〜3に用いたクリーニングブレードの歪量と応力との関係を示すグラフを図6に示す。なお、表1に示すエッジ磨耗、エッジ欠け、感光体傷および感光体磨耗レートの評価方法および評価基準は、後述の通りである。
Figure 0004946240
−エッジ磨耗−
高温高湿環境(28℃,85RH%)下にて、感光体の積算回転数が100KサイクルになるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させた。その後、クリーニングブレードのエッジ先端の磨耗深さと、クリーニング不良とを併せて評価し、エッジ磨耗を判断した。
なお、テストに際しては、感光体とクリーニングブレードとの当接部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するため、形成する画像の像密度を1%とした。
また、エッジ先端の磨耗深さは、クリーニングブレードの断面側からキーエンス社製、レーザ顕微鏡VK−8510により観察した時に確認される、感光体表面側のエッジ欠落部の最大深さとした。
更に、クリーニング不良の評価は、上記のテスト終了後に、画像密度100%の未転写ベタ画像(ベタ画像サイズ1400mm×290mm)が形成されたA3用紙を、感光体とクリーニングブレードとの間に通常のプロセススピードで給紙して、未定着画像の搬送方向最後端部分が感光体とクリーニングブレードとの当接部を通過し終えた直後に実機を停止し、トナーの擦り抜け有無を目視で確認した。顕著な擦り抜けが認められる場合をクリーニング不良とした。
なお、エッジ先端の磨耗や欠けにより、トナーを塞き止める部位が欠落している場合はエッジ磨耗深さや欠け深さが大きい程、上述したテストでクリーニング不良が発生し易くなるため、上記テストはエッジ先端の磨耗や欠けの定性的評価に有用である。
エッジ磨耗の評価基準を以下の表2に示す。なお、許容範囲はG0〜G2である。
Figure 0004946240
−エッジ欠け−
エッジ欠けは、感光体表面に付着した異物が、感光体とクリーニングブレードとの当接部を何度も通過する事により発生する。それ故、クリーニングブレードの弾性が低下して、クリーニングブレードが異物と衝突した際のストレスが大きくなりやすい条件である低温低湿(10℃,15%RH)環境を評価環境とした。このような評価環境下において、5Kサイクル毎に5mm幅のトナーバンドを作製しつつ感光体ドラムを100Kサイクル走行させた後の、エッジ欠けの深さ及び個数を測定した。
エッジ欠け深さは、クリーニングブレードの断面側を株式会社キーエンス製、レーザ顕微鏡VK−8510を用いて、感光体表面側のエッジ欠落部深さを計測した。また、エッジ欠けの個数は、幅が5μm以上の欠けの個数とした。エッジ欠けの評価基準を以下の表3に示す。なお、許容範囲はG0〜G2である。
Figure 0004946240
−感光体傷−
10万サイクル走行させた後にハーフトーン画像をプリントし、プリント上に感光体傷による白筋の有無を評価した。感光体傷の評価基準を以下に示す。なお、許容範囲は○である。
○:プリント上白筋未発生
×:プリント上白筋発生
−感光体磨耗レート−
感光体磨耗レート(nm/k・cycle)は、試験前と試験後の感光体の膜厚を渦電流式の膜厚計で計測しその差分にて算出し、感光体1000cycle当りの感光体磨耗レートとして算出した。
更に、クリーニングブレードA1,A4,A5,A6については、エッジの局所変形についても評価した。
評価は、クリーニングブレードA1,A4,A5,A6と感光体Aとを、以下の表4に示すような組み合わせとなるように画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCentre Color 400CP)に取りつけて評価した。評価結果を、テストに用いたクリーニングブレードの組成・物性と共に以下の表4に示す。
なお、表4に示すエッジの局所変形についての評価方法および評価基準は、後述の通りである。
Figure 0004946240
−エッジの局所変形の評価方法−
エッジの局所変形は、ゴム弾性が低下しスティック&スリップ挙動が鈍くなる低温低湿環境(10℃,15RH%)を評価環境とした。このような評価環境下において、感光体の積算回転数が100KサイクルになるまでA4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、P紙)を用いて画像形成させた後、クリーニングブレードのエッジ先端の変形と、クリーニング不良とを併せて評価して判断した。
なお、テストに際しては、感光体とクリーニングブレードとの接触部における潤滑効果を小さくした過酷な条件で評価するために、形成する画像の像密度を1%とした。
続いて、テスト後のエッジ先端の変形を、株式会社キーエンス製、レーザ顕微鏡VK−8510により観察した。エッジ先端の幅方向において局所変形が起っている部分の幅長さを測定した。
また、クリーニング不良の評価は、まず、上記のテスト終了後、未転写ベタ画像(ベタ画像サイズ=400mm×290mm)が形成されたA3用紙を、感光体とクリーニングブレードとの間に通常のプロセススピードで給紙する。次いで、未定着画像の搬送方向最後端部分が感光体とクリーニングブレードとの接触部を通過し終えた直後に実機を停止し、トナーの擦り抜け有無を目視で確認する。局所変形が起っている部分に対応するように顕著な擦り抜けが認められる場合をクリーニング不良とした。
表4中に示すエッジの局所変形の評価基準は、以下の通りである。
○:エッジの局所変形は全く観察されず、これに起因するクリーニング不良も発生しなかった。
△:エッジの局所変形が観察されたが、これに起因するクリーニング不良は発生しなかった。
×:エッジの局所変形が観察され、且つ、これに起因するクリーニング不良が発生した。
上記表1〜表4の結果と、図6との関係から、本実施の形態における式(1),(2),(4)の技術的意義が明らかである。
即ち、式(1)を満たすクリーニングブレードは、エッジ磨耗及びエッジ欠けに対応する技術的意義を有する。100%モジュラスMが、3.92MPa(40kgf/cm)未満の場合には、エッジの耐磨耗性が不充分である。また、29.42MPa(300kgf/cm)を超える場合には、エッジの感光体ドラム表面に対する追従性が悪化し、感光体ドラムの表面を傷つけやすくなる。
式(2)を満たすクリーニングブレードは、耐欠け性に対応する技術的意義を有する。破断伸びSが250%未満である場合、エッジ欠け性に劣る。
式(4)を満たすクリーニングブレードは、耐欠け性に対応する技術的意義を有する。αが0.294を超える場合、エッジ欠け性に劣る。
そして、本実施の形態のカラープリンタ1では、クリーニングロール365の表面に導電性繊維からなる繊維層365aを設けることで、クリーニングロール365の感光体ドラム31表面に対する摺擦力を低く設定している。それと同時に、トナーを保持した繊維層365aに、クリーニングロール365と所定の電位差が形成された回収ロール366を当接させ、かつ、回収ロールに対しても、密着性が高く、かつソフトに接触させているために、クリーニングロール365から回収ロール366に高い効率でトナーを回収するように構成している。
それにより、画像流れやフィルミング等といった画像不良の発生を抑止しながら、感光体ドラム31表面からトナーや放電生成物等を効果的にクリーニングすることが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、上記式(1),(2),(4)を満たす材料を用いてエッジ層363aを形成した。本実施の形態では、下式(3),(5)を満たす材料を用いて形成したエッジ層363a’(図示せず)を備えるクリーニングブレード363’(図示せず)について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
・式(3) A≧−2.5×M+102
・式(5) 6.3≦M≦19.6
但し、式(3),(5)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、Aは23℃,55%RHにおける純水との接触角(°)を表す。
本実施の形態における接触角Aは、ゴニオメーター等を用いて測定することができる。即ち、23℃,55%RHの環境下において、帯電部材の表面に純水を滴下し、10秒間放置後の接触角を、接触角測定装置CA−Xロール型(協和界面科学株式会社製)を用いて測定する。測定場所を変えて5回繰り返し測定した際の平均値を接触角Aとして定義する。一方、100%モジュラスMについては、上記実施の形態1の場合と同様に測定される。
本実施の形態において、式(3)を満たす材料を用いて形成したエッジ層363a’を備えるクリーニングブレード363’を使用した場合、上記実施の形態1と同様、安定したクリーニング性を長期に維持するクリーニングシステムを実現させることが可能となる。
以下、図7を用いて本実施の形態の効果を説明する。図7は富士ゼロックスDocuCentre Color 400を用いて観察された、クリーニング性能の維持性と、クリーニングブレードの水との接触角Aと、100%モジュラスMとの関係を示したものである。
このテストは、接触帯電器に印加する交流電圧出力値をDocuCentre Color 400オリジナルの設定値より高く設定し、かつ高温高湿条件下で、低画像密度の画像を連続で流したもので、通常走行よりストレスが加速された実験である。
クリーニング維持性の評価は、走行後のクリーニングブレードの先端部を顕微鏡(株式会社キーエンス製レーザ顕微鏡VK8500)で観察し、ブレードエッジの損傷具合と、ベタ画像を連続で流した時のクリーニング不良具合により判断したものである。図7中、○は、ブレードエッジの損傷とクリーニング性が良好なものを示し、×は不具合が発生したものを示す。
そして、図7から、ブレード100%モジュラスと水との接触角が特定の関係にあるブレードを用いると、クリーニングブレード363’先端部の損傷が抑制され、クリーニング性能が良好に維持されることが明確である。詳細については、後述する実施例で述べる。
このような本実施の形態の構成とその効果との関係は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下の様に推測する。
即ち、従来、感光体表面と接触したクリーニングブレードの先端部は、感光体との摩擦作用により、感光体回転方向下流側に引っ張られ、変形した状態で使用されている。クリーニングブレードは平滑な感光体表面と直接接触すると密着によって摩擦抵抗が上昇し、ブレード先端部の変形が増加するが、外添剤粒子などの介在物によって実質の接触面積が低減されるため摩擦抵抗が下がり、ブレード先端部の変形は有る程度の平衡状態になる。
しかしながら、低画像密度の画像が続いたり、クリーニングブレード上流に位置するクリーニングロールでのトナー除去率が高かったりすると、ブレードの先端部において外添剤粒子が枯渇するため、クリーニングブレード先端部の変形が顕著に現れる。この変形の反発応力により圧接力が増大するため、感光体やブレード先端部において、大きな摩滅が発生する。また先端部の変形が増大することでキャリアや異物等が感光体ドラムとクリーニングブレード先端部の間に挟み込みやすくなることで、感光体ドラムの傷やブレード先端部の欠けが発生するものと考えられる。
本実施の形態によれば、クリーニングブレード363’の感光体ドラム31との接触面において、この接触部分の水との接触角を従来よりも大きくすることで、感光体ドラム31とクリーニングブレード363’との凝着力が低くなり、摩擦を低減できる。なお、クリーニングブレード363’の接触部分における水の接触角は、被クリーニング部材とクリーニングブレードとの凝着力に関連ある因子と考えられ、実際に、水の接触角を高くすることで、被クリーニング部材とクリーニングブレードとの間の摩擦抵抗が低減する。
さらに100%モジュラスを高く設定することによりブレード先端部の変形が抑制され、接触面積の変動が小さくなり、摩擦抵抗の上昇を抑制することができる。
本発明者らは鋭意検討の結果、水との接触角及び100%モジュラスが式(3)の関係にある場合、高速で低画像密度の画像を連続して形成した場合でもブレード先端部の変形が増加しにくいことを見出した。
また、従来のクリーニングブレードの場合、ブレード先端部における外添剤の量が極度に少なくなると、凝着力が高く変形しやすくなり、摩擦抵抗が大きくなるが、式(3)を満たす本実施の形態のクリーニングブレード363’を用いると、たとえクリーニングブレード363’が感光体ドラム31表面と直接接触する面積が増えたとしても摩擦が少なく、クリーニングブレード363’先端部の変形を安定に、かつ変形を抑えた状態に保つことができる。
然るに、どのような画像においてもブレードに過剰なストレスがかからないため、ブレードの損傷が極めて少なくエッジの摩耗も均一である。クリーニングブレード363’の上流側に位置するクリーニングロール365でのトナー除去率が高い場合にも、クリーニングブレード363’の摩擦上昇やエッジ部の変形が抑制され、クリーニングブレード363’の損傷の虞が低減する。
更に、クリーニングの困難な球状のトナーを用いた場合でも、ブレード先端部の変形を抑制することでクリーニング性を向上させることができ、球状のトナーを用いた場合でもクリーニングブレード当接圧を低く設定できることで、感光体やブレードの損傷を好適に抑えることができ、長寿命化が達成できる。
また、ブレードにおける摩耗抵抗の低減効果に関し、必ずしもゴム硬度のみで説明できず、100%モジュラスで示すことが実状に沿う理由として以下のように推測する。
電子写真において一般に使用されるブレードのゴム材料は、高変形領域までを考慮すると複雑な「応力−歪み」の関係を示す。歪みゲージによるブレード先端部の歪み状態の測定結果やニップ観察等から走行におけるブレード先端部の変形量は、数百μmから数mmに及ぶことが推定される。
しかし、硬度の測定は微小変形領域での挙動を示すものであるため、実態と合わないことがある。それに対して100%モジュラスは中間〜大変形領域における挙動に即しており、実際走行におけるブレード先端変形量の測定値と良い相関を示し、長期におけるブレード摩耗との関係が現れるものと思われる。
本実施の形態におけるエッジ層363a’を形成する素材として、上記式(3)を満たすゴム弾性体としては公知のものを用いることが可能であり、例えばウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。中でも、耐摩耗性に優れていることからポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。
ポリウレタン弾性体としては、イソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンを用いることができる。ポリオール成分としては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用いることができる。
また、ポリイソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いることができる。
そして、これらポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合してウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造することができる。
なお、上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
上記式(3)を満たすポリウレタン弾性体は、ポリオール材料の種類、ポリオールの分子量、イソシアネート材料の種類、架橋剤の種類、及びそれらの配合を調整することで得ることができる。
一般に、ポリオールの分子量を低くすると、架橋点間分子鎖長さが短くなりミクロブラウン運動が低下して高モジュラス化するが、極性が高くなり水との接触角は低くなる。また、架橋剤の量を多くして架橋密度を増大させると高モジュラス化が可能であるが、上記と同様、水との接触角が低くなる傾向となる。
これを、図7を用いて説明する。図7中、×で使用したクリーニングブレードは、公知のゴム弾性体を備えている。一般的に、同じ原料を用いて単に100%モジュラスを高くしようとすると、分子量が低くなる傾向となるため、水の接触角は小さくなる傾向となる。結果、×で使用したクリーニングブレードのゴム弾性体の物性は、図7中の矢印Pの方向へ移動し、本実施の形態の物性値を有するゴム弾性体(図7中、○で示したもの)とは異なるものとなる。
このように単純にポリオールの分子量のみの変更や架橋密度の調整だけではモジュラスMと接触角Aを式(3)を満たす範囲にすることは困難である。しかし、物性のバランスを取りつつ前述したポリオール材料、ポリオールの分子量、イソシアネートと架橋剤の材料及び配合の組み合わせを調節することで、式(3)を満たす材料を形成することが可能である。
なお、本実施の形態におけるエッジ層363a’を形成する材料は、式(3)を満たすことが重要であって、式(3)を提示しさえすれば、ゴム製造等にかかわる当業者であれば、本実施の形態にかかるゴム弾性体を得ることができる。
また、エッジ層363a’を形成する材料は、式(3)を満たした上で、更に式(5)を満たすことが好ましい。即ち、エッジ層363a’を形成する材料の100%モジュラス値としては6.3MPa〜19.6MPa(65kgf/cm〜200kgf/cm)とすることが好ましく(図7において、一点鎖線で示す。)、より好ましくは、6.3MPa〜14.7MPa(65kgf/cm〜150kgf/cm)である。
100%モジュラス値が6.3MPa(65kgf/cm)より低いと、高速で低画像密度の画像を連続走行させたような、ストレス条件下での運転を行なう場合、ブレード先端部の変形を抑制しきれない場合がある。一方、19.6MPa(200kgf/cm)を超えると、感光体表面にスクラッチ傷が発生した場合に、ゴムの凹凸に対する追従性が不十分となり、特に球状のトナーを用いた場合はクリーニング不良が生じやすくなる場合がある。
23℃,55%RHでの水との接触角は、式(3)を満たした上で、更に75°〜100°とすることがより好ましく(図7において、一点鎖線で示す)、より好ましくは、80°〜90°である。75°より低いと、特に、接触帯電器を用いて放電生成物付着により感光体表面が非常に高摩擦になった場合に、ブレードと感光体間の摩擦上昇を抑えきれない場合が生じる。また100°より高いと、ゴムの分子間凝集力の低下によって摩耗が加速されやすくなる。
このように、クリーニングブレード363’を用いれば、ブレードの欠けの発生や磨耗の増加を抑制しつつ、感光体ドラム31の表面を長期に渡って安定的にクリーニングすることができる。
なお、本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様、クリーニングブレード363’は、クリーニングロール365の下流側において感光体ドラム31の表面をクリーニングするものである。従って、クリーニングブレード363’単体では除去が困難な付着力の高い高帯電トナー、放電生成物、フィルミング物質等についてはクリーニングロール365で除去可能であり、クリーニングブレード363’はクリーニングロール365では除去が困難な付着力の弱い低帯電トナーや非帯電トナー、またはクリーニングロール365から吐き出される少量のトナーなどを除去すればよいため、クリーニングブレード363’の感光体ドラム31への押圧力を低く抑えることが可能である。
また、クリーニングブレード363’の物性を特定の物性(式(3)を満たす物性)とすることで、ブレード自身に耐磨耗性及び耐変形性を持たせることが可能であり、上流に配置したクリーニングロール365でのトナー除去性が高い場合、すなわちクリーニングブレード363’に突入するトナー量が極端に減少した場合に於いても、クリーニングブレード363’の磨耗の増加や欠けの発生を抑制することが可能である。
上述のように、クリーニングブレード363’をクリーニングロール365と組み合わせて使用することにより、両者が相乗的に作用して、クリーニングブレード363’のクリーニング性能がより安定し、感光体ドラム31の表面を長期にクリーニングすることが可能である。つまり、クリーニングブレード363’とクリーニングロール365とを含むクリーニング装置、ひいては画像形成装置の長寿命化を図ることができる。
[実施例]
以下、実施例により本実施の形態における式(3)の技術的意義を説明する。但し、本実施例は、本実施の形態を限定するものではない。
[本実施の形態のクリーニングブレード1〜9、及び比較のクリーニングブレードA〜Hの作製]
本実施の形態のクリーニングブレード1〜9、及び比較のクリーニングブレードA〜Hに用いたエッジ層363a’の形成材料を表5に示す。
なお、エッジ層363a’の形成材料はポリウレタンゴムであり、ポリオール材料、ポリオールの分子量、イソシアネートと架橋剤の材料及び配合を変えることで100%モジュラス、及び水との接触角を変化させた。
また、クリーニングブレード363’は、図5に示す2層構造で成型した物で感光体当接面の第1層(エッジ層363a’)を表1に記載の材料で構成したものである。エッジ層363a’の厚さは0.3mmとした。一方、第2層の材料は比較のクリーニングブレード3の材料を用い、第2層の厚みを1.7mmとした(クリーニングブレード363’の全体厚みは2mm)。なお、比較のクリーニングブレード3のみ、単層構造とした。一方、感光体ドラム31としては、上記実施の形態1における感光体Cを用いた。
なお、クリーニングブレード363’の感光体ドラム31への押圧力は、いずれも3.5gf/mm(0.34N/cm)に調整した。
Figure 0004946240
以上に説明したクリーニングブレード1〜9及びA〜Hと、感光体ドラムとを、富士ゼロックスDocuCentre Color 400に取り付けた。接触帯電器に印加する交流電圧出力値はDocuCentre Color 400オリジナルの設定値より高く設定し、かつ28℃,80%RHの高温高湿条件下で、低画像密度の画像を連続で2万枚形成した。通常の走行における環境条件よりも厳しい条件にして、加速実験を行ったものである。
クリーニング性能の維持性評価は、走行後のクリーニングブレードの先端部を顕微鏡(株式会社キーエンス製レーザ顕微鏡VK8500)で観察し、ブレードエッジの損傷具合と、ベタ画像を連続で形成した時のクリーニング不良具合を下記評価方法に基づき判断して行なった。その結果を図7に示す。なお、図7中、ブレードエッジの損傷具合とクリーニング不良具合のいずれか一方でも、×又は××の評価となったクリーニングブレードは×とし、それ以外を○として記載した。
−ブレードエッジの損傷具合の評価−
ブレードエッジダメージは、レーザ顕微鏡により(株式会社キーエンス製VK8500)エッジ先端部のダメージ状態を観察し、官能評価を行った。判断基準は以下の通りである。
◎:エッジ摩耗 小
○:エッジ摩耗 中
×:エッジ摩耗 大
××:エッジ摩耗 大、エッジ欠け 多
−クリーニング不良具合の評価−
低温低湿下での走行中のプリント画像中のクリーニング不良画像の有無と、定期的に未転写のA3サイズの画像密度100%画像をクリーニングすることで評価を行った。判断基準は以下の通りである。
◎:プリント画像中、未転写画像共にクリーニング性問題なし
○:プリント画像中クリーニング性問題なし、未転写画像に機微にクリーニング不良発生
×:プリント画像中クリーニング不良発生
図7の結果から、本実施の形態における式(3)の技術的意義が明らかである。即ち、式(3)を満たすクリーニングブレードは、エッジ欠けに対応する技術的意義を有する。クリーニングブレード100%モジュラスと水との接触角とが特定の関係にあるがクリーニングブレードを用いると、クリーニングブレード先端部の損傷が抑制され、安定したクリーニング性能が発揮される。
本実施の形態が適用される画像形成装置の一例としてのカラープリンタの構成を示した図である。 画像形成ユニットの構成を示した図である。 本実施の形態のドラムクリーナの構成を示した図である。 クリーニングロールの断面構造を示した図である。 クリーニングブレードの断面構造を示した図である。 実施例1〜3および比較例1〜3に用いたクリーニングブレードの歪量と応力との関係を示すグラフである。 富士ゼロックスDocuCentre Color 400を用いてクリーニング性能の維持性と、クリーニングブレードの水との接触角Aと、100%モジュラスMとの関係を示したものである。
符号の説明
1…カラープリンタ、20…画像形成プロセス部、30(30Y,30M,30C,30K)…画像形成ユニット、31…感光体ドラム、32…帯電器、33…現像器、34…クリーニング前帯電器、35…除電ランプ、36…ドラムクリーナ、37…帯電前ランプ、40…二次転写ロール、41…中間転写ベルト、42…一次転写ロール、60…制御部、65…電源部、80…定着器、361…ハウジング、362…トナー収容部、363…クリーニングブレード、364…上流側シール、365…クリーニングロール、365a…繊維層(表面層)、365b…弾性層、365c…シャフト、366…回収ロール、367…スクレーパ、368…搬送スクリュー、651…クリーニングロールバイアス電源、652…回収ロールバイアス電源

Claims (5)

  1. 画像を保持する像保持体と、
    前記像保持体の画像をトナー像に現像する現像部と、
    前記像保持体に保持されたトナー像を被転写体に転写する転写部と、
    前記転写部にて転写されずに残留したトナーを前記像保持体からクリーニングするクリーニング部とを備え、
    前記クリーニング部は、
    前記像保持体に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性繊維からなる布によって表面層が形成されたクリーニングロールと、
    前記像保持体に接触するように配置され、前記クリーニングロールによりクリーニングされた当該像保持体の表面を更にクリーニングするクリーニングブレードとを有し、
    前記クリーニングブレードの少なくとも前記像保持体に接触する部分の材料は、ポリカプロラクトンポリオールを第1の材料とし、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、及び2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の何れかを第2の材料として、当該第1の材料と当該第2の材料とからなり、当該第1の材料および当該第2の材料の総量に対する当該第1の材料の重量比が80質量%以上98質量%以下であって、かつ下記の式(1)及び式(2)を満たす材料であることを特徴とする画像形成装置。
    ・式(1) 7.4≦M≦29.42
    ・式(2) S≧380
    式(1)〜(2)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、Sは、JIS K6251に準拠して測定された破断伸び(%)を表す。
  2. 前記接触する部分の材料は、前記式(1),(2)及び下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
    ・式(4) 0<α≦0.294
    [式(4)中、αは、応力−歪曲線において、歪量が100%〜200%の間における歪量変化(Δ歪量)に対する応力変化(Δ応力)の割合{Δ応力/Δ歪量=(歪量200%における応力−歪量100%における応力)/(200−100)}(MPa/%)を表す。]
  3. 前記像保持体は、電荷輸送能を有する構造単位および架橋構造を有する樹脂を含有する表面層を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 画像を保持する像保持体に残留したトナーを当該像保持体からクリーニングするクリーニング装置であって、
    前記像保持体に接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性繊維からなる布によって表面層が形成されたクリーニングロールと、
    前記像保持体に接触するように配置され、前記クリーニングロールによりクリーニングされた当該像保持体の表面を更にクリーニングするクリーニングブレードとを有し、
    前記クリーニングブレードの少なくとも前記像保持体に接触する部分の材料は、ポリカプロラクトンポリオールを第1の材料とし、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、及び2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の何れかを第2の材料として、当該第1の材料と当該第2の材料とからなり、当該第1の材料および当該第2の材料の総量に対する当該第1の材料の重量比が80質量%以上98質量%以下であって、かつ下記の式(1)及び式(2)を満たす材料であることを特徴とするクリーニング装置。
    ・式(1) 7.4≦M≦29.42
    ・式(2) S≧380
    式(1)〜(2)中、Mは100%モジュラス(MPa)を表し、Sは、JIS K6251に準拠して測定された破断伸び(%)を表す。
  5. 更に、前記クリーニングロールに接触するように配置され、所定のバイアス電圧が供給される導電性ロールを有することを特徴とする請求項4記載のクリーニング装置。
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