JP4946014B2 - セラミックス成形体の製造方法およびこれを用いたセラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複雑形状のセラミックス製品を容易に製造するためのセラミック成形体の製造方法に関するものである。
近年、複雑形状のセラミックス部品を要求されるようになり、射出成形、鋳込み成形、押出し成形等で検討がなされ、各種硬化性樹脂や水硬化性ウレタンを硬化させることで成形体を得る方法や樹脂が提案されている(例えば特許文献1、2、3、4参照)。
しかし、いずれの場合にも、乾燥又は脱脂工程により成形体から溶媒やバインダーを除去する際に、寸法精度の悪化、反り、割れ等の問題を起こすことがある。また、溶媒を含んだ状態での強度は非常に低いため、賦形後、成形完了まで成形体の形状を維持することが非常に難しいことが多い。中でも複雑な形状の成形に適している鋳込み成形の場合、脱型後から乾燥が終了するまでの間の形状保持が問題となることが多い。そこで、かかる保形性の向上をはかるためにセラミック粉末とゲル化成分及び水を含むスラリーを鋳込みゲル化させた後、成形体を凍結させ、真空凍結乾燥により乾燥するセラミックの製造方法が提案されている(例えば特許文献5参照)。しかしながら真空凍結乾燥は脱型後凍結させると凍結するまでの間に自重による変形を起こしたり、水の凍結による体積膨張の影響から割れることがある。また、凍結後脱型しようとすると、凍結による体積膨張で、成形体が型と密着して折角凍結した成形体を加熱しないと取り出せなくなる等の問題がある。
また、セラミックス粉体、硬化性樹脂、溶媒、および溶媒により凝集する化合物を含む混合物を、成形、焼結するセラミックス成形体の製造方法が提案されている。(特許文献6)しかしながら、保形性は向上したが、乾燥時に割れが発生したり、焼結後の物性が低下することがあり、複雑な形状に対応できる製造方法は見いだされていないのが現状である。
特公平7−22931号公報 特開平10−217212号公報 特開平11−171651号公報 特開2001−278673号公報 特開平11−262907号公報 特開2005−53716号公報
本発明の目的は、乾燥時の割れ等がなく、形状保持性が高く寸法精度に優れ、また焼結体としたときの物性に優れたセラミックス成形体の製造方法を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために以下のような手段を採用するものである。すなわち、セラミックス粉体、分散剤、硬化性樹脂、ならびに溶媒を含む混合物を成形型内に注入する工程、注入した該混合物を成形し、含溶媒セラミックス成形体とする工程、該成形型を取り除く脱型工程、該脱型工程によって得られた含溶媒セラミックス成形体を乾燥させる工程を有するセラミックス成形体の製造方法において、該含溶媒セラミックス成形体とする工程が硬化性樹脂を硬化させる工程を有しており、脱型工程と含溶媒セラミックス成形体を乾燥させる工程の間に含溶媒セラミックス成形体を熱処理する工程を有することを特徴とするセラミックス成形体の製造方法である。
本発明により、乾燥時の割れがなく、形状保持性が高く寸法精度に優れ、また焼結体としたときの物性が優れたセラミックス成形体の製造方法を提供することができる。特に大型の複雑形状セラミックスの成形に好適である。
本発明は、セラミックス粉体、分散剤、硬化性樹脂、ならびに溶媒を含む混合物を成形型内に注入する工程、注入した該混合物を成形し、含溶媒セラミックス成形体とする工程、該成形型を取り除く脱型工程、該脱型工程によって得られた含溶媒セラミックス成形体を乾燥させる工程を有するセラミックス成形体の製造方法において、該含溶媒セラミックス成形体とする工程が硬化性樹脂を硬化させる工程を有しており、脱型工程と含溶媒セラミックス成形体を乾燥させる工程の間に含溶媒セラミックス成形体を熱処理する工程を有することを特徴とするセラミックス成形体の製造方法である。
ここで、セラミックス粉体とは、その種類を限定されるものではないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウム、SIALONなどの粉末があげられる。これらは単独で使用してもよいし、適宜混合してもよい。
石膏型等の吸水性の成形型を用いない鋳込み方法はセラミックス粉体、分散剤、硬化性樹脂ならびに溶媒を含む混合物を作成し、成形型内に注入する工程、注入した前記混合物を成形し含溶媒セラミックス成形体とする工程、前記成形型を取り除く脱型工程、前記含溶媒セラミックス成形体を乾燥させる工程で成り立っている。しかし、複雑形状の成形体を製造するためには、混合物の成形型への流し込みが容易であること、硬化した含溶媒セラミックス成形体は保形性がよいこと、また、内部の残留応力等が少なく乾燥時に無理な応力が発生して割れや歪とならないこと、また乾燥収縮時による引張りに耐える十分な強度があること等の条件を合わせ持たなければならない。これらを満足させるためには脱型工程と乾燥工程の間に熱処理を行うことが重要である。本発明において熱処理とは含溶媒成形体を乾燥させずに熱をかけることをいう。混合物に使用したものと同成分の溶媒中に含溶媒セラミックス成形体を入れて含溶媒セラミックス成形体に熱をかける方法や高温蒸気中に含溶媒成形体を入れる方法等がある。
硬化し脱型した含溶媒成形体を水等の溶媒中に入れると、含溶媒成形体は溶媒をすって少し軟らかくなり、内部にある残留応力を解放する。この状態で溶媒の温度を上げてやると再度含溶媒成形体は硬化し、残留応力の少ない含溶媒セラミックスを作製することができる。また脱型したときよりも固くなるので、鋳込みが容易になるように粘度の低い混合物を用いた場合、脱型後軟らかく保形性に問題があるときも熱処理により固くなり、保形性を向上することが出来る。熱処理の方法は残留応力を緩和する効果から溶媒中に含溶媒成形体を入れる方法が好ましく、また常温の溶媒中に含溶媒成形体を入れた後溶媒温度を上げて熱処理する方法がより好ましい。
本発明において 分散剤がポリカルボン酸塩であり、分散剤の量がセラミックス粉体の表面積に対し、0.3mg/m〜1.7mg/mであることがよい。分散剤は水等の溶媒で希釈されている場合が多く、実際の含有量を用いる。鋳込みに適した混合物を作るためには粉末を溶媒中に分散する必要がある。そのためにpHを調整するものや、分散剤としてヘキサメタリン酸等の無機塩や、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の有機の界面活性剤等を用いることができる。中でもポリカルボン酸系は分散効果が高く、また熱処理により硬化させる効果が高く望ましい。
また、熱処理による硬化を得るためには温度の上昇に従い吸着量が増加し凝集を起こす適量であることが望ましい。ここでいう分散剤の量とは、使用するセラミックス粉末の単位表面積当たりの量で表す。セラミックス粉末の表面積はJISR1626(1996)ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定法により求めることができる。0.3mg/mよりも小さいと、混合物の分散が上手く行かず鋳込みが困難となることがあり、1.7mg/mよりも大きいと熱処理による効果が得られないことがある。好ましくは0.5〜1.5mg/mである。
本発明において前記混合物の粘度が5Pa・s以下であるとよい。粘度は粘度計で測定することができる。セラミックス粉末を含む混合物は非ニュートン流体であり、剪断速度により粘度は変化するため、本発明ではせん断速度1.9(1/s)のときの値とする。5Pa・s以上になると流動性が悪く、複雑形状の成形型に上手く鋳込めなかったり、また混合物に大きな泡がかみこみ、欠陥となることがあり好ましくない。好ましくは3Pa・s以下、より好ましくは1Pa・s以下が望ましい。
本発明の溶媒が27〜36体積%であるとよい。混合物中の溶媒とは、その種類を限定されるものではないが、例えば、水、アルコール類、その他有機溶媒などを用いることができる。焼結後、成形体に残らないものであれば良い。中でも水およびアルコール類は、取り扱い性がよいという点から好ましい。アルコール類としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどを使用できる。その他有機溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、ベンゼン、トルエン、キシレンを用いることができる。これら混合物中の溶媒は単独で使用しても良いし、適宜混合しても良い。環境への影響から水系であることがより望ましい。また、溶媒に含まれている物質や不純物により、樹脂の硬化を妨げたり、焼結体物性に影響を与えることがある。 例えば溶媒として水を用いる場合には、フィルターを通したものや、イオン交換水を用いる事が望ましい。溶媒が27体積%未満の場合では、流動性が低いため、鋳込み成形には適さない場合があり、36体積%を超える場合では、乾燥、焼結時の収縮率の増大による割れや歪みが発生することがある。また熱処理による効果が少なくなることがあり、好ましくない。
本発明において用いる硬化性樹脂とは重合反応により3次元網目構造を形成するものであればよいが混合物の流動性を高め、成形型への注入を良好にするという点から液状であることが望ましい。硬化性樹脂と溶媒の親和性についても、親和性が悪いと分離して成形体内部で偏析し、焼結時にポアなどの欠陥の原因となる恐れがあるので、溶媒との親和性のよい硬化性樹脂を選択することが望ましい。かかる硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル酸樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。中でもエポキシ樹脂は成形体の保形性を高めるために、好適に用いられる。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、メチルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、シクロヘキセンオキサイド型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂などが挙げられる。環境への影響から溶媒は水系が好ましく、そのため硬化性樹脂も水溶性が好ましく、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、メチルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、シクロヘキセンオキサイド型エポキシ樹脂が好ましく、中でもグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が室温でも円滑に硬化が起こるのでより好ましい。
エポキシ樹脂の平均分子量は20〜30000が好ましく、平均分子量50〜3000が粉体との混合が容易であり、かつ一定の機械強度が得られることから、より好ましい。さらに好ましくは50〜2500である。かかるエポキシ樹脂は単独で、または複数を組み合わせて用いることもできる。
本発明の製造方法において、硬化性樹脂は、5〜15体積%が好ましい。硬化性樹脂の含有量が前記混合物中、5体積%未満であると含溶媒成形体及び乾燥成形体の強度が不十分な場合があり、15体積%を超えると含溶媒成形体を乾燥工程中に割れが発生したり、乾燥成形体を焼結体とするための脱脂工程や焼結工程など、硬化樹脂を除去する工程において、割れ等の問題が発生するという場合があり好ましくない。
尚、上記硬化性樹脂としては、熱により硬化するものであっても、光により硬化するものであっても、硬化剤や硬化促進剤により硬化するものであってもよく、これらを併用することもできる。硬化剤を適宜選択することにより、室温で硬化が進行する系とすることは、大型の成形体を製造する上で、型の耐熱性などに自由度が増すため好ましい。硬化剤としては、例えばアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリアミド系硬化剤等を用いることができる。アミン系硬化剤は反応が迅速であるという点で好ましく、酸無水物系硬化剤は耐熱衝撃性にすぐれた硬化物が得られるという点で好ましく用いられる。中でもアミン系硬化剤は室温において硬化可能なことから型の耐熱性などに自由度が増すため好ましい。アミン系硬化剤としては、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミンなどが挙げられ、モノアミン、ジアミン、トリアミン、ポリアミンのいずれも用いることができる。酸無水物系硬化剤としてはメチルテトラヒドロ無水フタル酸、2塩基酸ポリ無水物などを挙げることができる。
このように硬化剤を添加する場合、その添加量は硬化性樹脂との組合せにより適宜決めることができる。すなわち硬化性樹脂の官能基当量と硬化剤の活性基当量により、好ましい配合比は異なるが、例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を、硬化剤としてポリアミン系硬化剤を用いる場合には、エポキシ当量に対するアミン系硬化剤の活性水素当量の比が0.8〜1.5程度とすることが硬化性の点から好ましい。
作成した成形体はこれに使用した粉末や成形体の形状によってそれぞれ適した条件で、乾燥、脱脂、焼結することにより、クラックや反りなどのない良好な焼成体を得ることができる。
保形性の指標として含溶媒成形体の弾性率を用いることができる。含溶媒成形体は粘弾性の特性を持つため応力により弾性率が変化するため、本発明における含溶媒成形体の弾性率は応力7MPaの場合の値とする。大型複雑形状成形体を作製するためには25MPa以上、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは35MPa以上であることが望ましい。乾燥成形体の弾性率は限定されるものではないが、300〜500MPa程度が保形成、ハンドリング性、加工性が良く好ましい。
得られたセラミックス成形体を焼結体にするために脱脂、焼結を行う。脱脂条件はバインダーの種類、量、成形体の形状等、焼結温度は使用するセラミックス素材及びセラミックス成形体の形状等により適宜決定すると良い。特に大型成形体や肉厚成形体は脱脂による割れが発生しないように600℃程度まで30℃/時間以下の速度で昇温してバインダーを取り除くと良い。焼結条件は例えば酸化ジルコニウムの場合は大気雰囲気下で1350〜1500℃で2時間〜3時間保持し、700℃程度まで200℃/時間程度で降温後、室温まで100℃/時間以下で降温し、酸化アルミニウムの場合も同様であるが、1550〜1650℃で2時間〜3時間保持すると良い。
以下実施例を挙げて具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例の物性の測定、評価は以下のように行った。
(1)BET比表面積
BET比表面積の測定はJIS−R1626(1996)「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に則り、BET1点法で行った。
(2)混合物の粘度
作成した硬化剤添加前の混合物を粘度計によって粘度を測定した。粘度計は株式会社トキメック製E型粘度計DVU−EII型を用いた。測定条件は、ローターは標準1°34′R24を用い、温度20℃、回転数0.5rpm(剪断速度1.9(1/s))とした。
(3)成形体の弾性率
作成した含溶媒成形体および乾燥成形体サンプルを3点曲げ試験し、変位量と曲げ荷重を連続的に測定し、式(1)及び式(2)により、含溶媒成形体は曲げ応力7MPa時の弾性率を、乾燥成形体は曲げ応力15MPa時の弾性率を求めた。測定数n=10とし、平均値を含溶媒成形体および乾燥形成体の弾性率とした。装置は米倉製作所製万能型試験機CATY2000を用いた。測定条件は以下のとおりである。含溶媒成形体の測定において、熱処理したサンプルは溶媒中で冷却後、熱処理しないサンプルは成形型から脱型後すぐに測定した。
測定雰囲気:20±5℃、相対湿度40±10%
支点間距離:20mm
上部圧子の曲率半径:5mm
下部圧子の曲率半径:5mm
クロスヘッド速度:0.5mm/秒
試験片サイズ:φ9.5×40mm
σ=9.8×8×P×L/(π×D) (1)
σ:曲げ応力(MPa)
P:曲げ荷重(kg)
L:支点間距離(mm)
D:サンプル直径(mm)
E=4×9.8×P×L/(3×π×D×Y) (2)
E:弾性率(MPa)
P:曲げ荷重(kg)
L:支点間距離(mm)
D:サンプル直径(mm)
Y:変位量(mm)。
(4)乾燥時の割れ
作製した100mm×70mm、厚さ20mmの含溶媒成形体サンプルを温度30℃、相対湿度60%で24時間加湿乾燥し、割れの有無を確認した。乾燥には恒温恒湿乾燥機を用いた。
(6)焼結体の相対密度
焼結体の焼結密度をアルキメデス法により測定した。焼結密度を理論密度で除した値を百分率で表した値を相対密度とした。ここで、それぞれの理論密度は以下のようにした。
酸化アルミニウム:3.98g/cm
酸化ジルコニウム:6.08g/cm
炭化珪素:3.21g/cm
窒化珪素:3.24g/cm
実施例1
表1の実施例1に示す処方をボールミルに入れ24時間混合した。
セラミックス粉末:酸化アルミニウム(比表面積:BET値 4m/g)
硬化性樹脂:水溶性エポキシ樹脂(グリシジルエーテル型)(ナガセケムテックス製“EX−313”)
溶媒:イオン交換水
分散剤:ポリカルボン酸塩(中京油脂製“D−305”(含有量40%))
次に、ボールミルから混合物を取り出し、ロータリーエバポレーターで硬化剤を混合し、成形型に流し込み、20℃で24時間放置して硬化させ含溶媒成形体を得た。硬化剤は1−(2−アミノエチル)ピペラジンを使用した。成形型はそれぞれシリコーンゴム製φ9.5mm×40mm、PP製100mm×70mm、厚さ20mmを用いた。
脱型後、イオン交換水に浸漬し、溶液を加熱し、90℃で30分保持後室温まで冷却し、含溶媒成形体サンプルを得た。φ9.5mm×40mm含溶媒成形体サンプルで含溶媒成形体の弾性率を測定した。また、φ9.5mm×40mmの含溶媒成形体を温度30℃相対湿度80%で48時間加湿乾燥後、100℃で24時間熱風乾燥し乾燥成形体サンプルを得、乾燥成形体の弾性率を測定した。100mm×70mm、厚さ20mmの含溶媒成形体サンプルは温度30℃相対湿度60%で24時間加湿乾燥し、割れの有無を確認した。また、100mm×70mm、厚さ20mmの含溶媒成形体サンプルを温度30℃相対湿度80%で5日間加湿乾燥後、100℃で24時間熱風乾燥し、乾燥成形体を得、さらに電気炉で600℃まで25℃/時間で昇温後、さらに昇温し1600℃で2時間焼結し焼結体サンプルを得た。得られた焼結体サンプルで密度を測定した。結果は表1に示すとおり、含溶媒成形体の弾性率は高く、また乾燥割れは発生しなかった。焼結体の相対密度は99%以上であった。
実施例2
表1の実施例2に示す処方をボールミルに入れ24時間混合した。
セラミックス粉末:酸化アルミニウム(比表面積:BET値 6m/g)
硬化性樹脂:水溶性エポキシ樹脂(グリシジルエーテル型)(坂本薬品工業製“SR−PG”)
溶媒:イオン交換水
分散剤:ポリカルボン酸塩(東和合成製“アロンA−6330”(含有量40%))
次に、ボールミルから混合物を取り出し、ロータリーエバポレーターで硬化剤を混合し、成形型に流し込み、20℃で15時間放置して硬化させ含溶媒成形体を得た。硬化剤は1−(2−アミノエチル)ピペラジンを使用した。成形型は実施例1と同様とした。
脱型後、イオン交換水溶液中に浸漬し、溶液を加熱し、100℃で10分保持後、室温まで冷却し、含溶媒成形体サンプルを得た。実施例1と同様にして各測定を実施した。結果は表1に示すとおり、含溶媒成形体の弾性率は高く、また乾燥割れは発生しなかった。焼結体の相対密度は99%以上であった。
実施例3
表1の実施例3に示す処方をボールミルに入れ24時間混合した。
セラミックス粉末:酸化ジルコニウム(BET値 12m/g)
硬化性樹脂:ウレタン樹脂(住友バイエルウレタン製“バイヒドロールA145”)
溶媒:イオン交換水、γ−ブチロラクトン
分散剤:ポリカルボン酸塩(中京油脂製“D−305”(含有量40%))
次に、ボールミルから混合物を取り出し、ロータリーエバポレーターで硬化剤を混合しながら脱泡し、成形型に流し込み、20℃で15時間放置して硬化させ含溶媒成形体を得た。硬化剤は住友バイエルウレタン製(“バイヒジュール3100”)を使用した。成形型は実施例1と同様とした。脱型後、イオン交換水とγ−ブチロラクトンの混合溶液中に浸漬し、溶液を加熱し、100℃で10分保持後、室温まで冷却し、含溶媒成形体サンプルを得た。実施例1と同様にして各測定を実施した。なお焼結は1400℃で2時間保持した。結果は表1に示すとおり、混合物の粘度は少し高めであったが、含溶媒成形体の弾性率は高く、また乾燥割れは発生しなかった。焼結体の相対密度は98.8%と高い値であった。
実施例4
表1の実施例4に示す処方をボールミルに入れ24時間混合した。
セラミックス粉末:炭化珪素(BET値 15m/g)
硬化性樹脂:ウレタン樹脂(住友バイエルウレタン製“バイヒドロールA145”)
溶媒:イオン交換水
分散剤:ポリカルボン酸塩(東和合成製“アロンA−30SL”(含有量40%))
次に、ボールミルから混合物を取り出し、ロータリーエバポレーターで硬化剤を混合しながら脱泡し、成形型に流し込み、20℃で15時間放置して硬化させ含溶媒成形体を得た。硬化剤は住友バイエルウレタン製(“バイヒジュール3100”)を使用した。成形型は実施例1と同様とした。脱型後、イオン交換水に浸漬し、溶液を加熱し、100℃で30分保持後室温まで冷却し、含溶媒成形体サンプルを得た。実施例1と同様にして各測定を実施した。なお焼結は真空焼結炉を用い、1450℃で2時間保持した。結果は表1に示すとおり、混合物の粘度は少し高めであったが、含溶媒成形体の弾性率は高く、また乾燥割れは発生しなかった。焼結体の相対密度は98.5%と高い値であった。
実施例5
表1の実施例5に示す処方をボールミルに入れ24時間混合した。
セラミックス粉末:窒化珪素 (BET値6m/g)
硬化性樹脂:水溶性エポキシ樹脂(グリシジルエーテル型)(ナガセケムテックス製“EX−314”)
溶媒:イオン交換水
分散剤:ポリカルボン酸塩(中京油脂製“D−735(含有量20%))
次に、ボールミルから混合物を取り出し、ロータリーエバポレーターで硬化剤を混合し、成形型に流し込み、20℃で15時間放置して硬化させ含溶媒成形体を得た。硬化剤は1−(2−アミノエチル)ピペラジンを使用した。脱型後、イオン交換水に浸漬し、溶液を加熱し、100℃で30分保持後室温まで冷却し、含溶媒成形体サンプルを得た。実施例1と同様にして各測定を実施した。なお焼結は雰囲気焼結炉を用い窒素雰囲気で2000℃2時間保持した。結果は表1に示すとおり、混合物の粘度は少し高めであったが、含溶媒成形体の弾性率は高く、また乾燥割れは発生しなかった。焼結体の相対密度は98%と高い値であった。
比較例1
表1の比較例1に示す処方をボールミルに入れ24時間混合した。
セラミックス粉末:酸化アルミニウム(BET値 4m/g)
硬化性樹脂:エポキシ樹脂(グリシジルエーテル型)(坂本薬品工業製“SR−PG”)
溶媒:イオン交換水
分散剤:ポリカルボン酸塩(中京油脂製“D−305”(含有量40%))
次に、ボールミルから混合物を取り出し、ロータリーエバポレーターで硬化剤を混合し、成形型に流し込み、20℃で15時間放置して硬化させ含溶媒成形体を得た。硬化剤は1−(2−アミノエチル)ピペラジンを使用した。成形型は実施例1と同様とした。
含溶媒成形体サンプルを実施例1と同様にして各測定を実施した。結果は表1に示すとおり、混合物の粘度は低く、また焼結体の相対密度は98%と高い値であったが、含溶媒成形体の弾性率は低くて保形性が悪かった。また乾燥割れが発生した。
比較例2
表1の比較例2に示す処方で、水硬性アルミナ以外をボールミルに入れ24時間混合した。
セラミックス粉末:酸化アルミニウム(BET値 6m/g)
硬化性樹脂:ウレタン樹脂(住友バイエルウレタン製(“バイヒドロールA145”)
溶媒:イオン交換水
分散剤:ポリカルボン酸塩(東亜合成製“アロンA−30SL”(含有量40%))
次に、水硬性アルミナを添加し、20℃で2時間混合後、ボールミルから混合物を取り出し、ロータリーエバポレーターで硬化剤を混合し、成形型に流し込み、20℃で15時間放置して硬化させ含溶媒成形体を得た。硬化剤は(住友バイエルウレタン製(“バイヒジュール3100”)を使用した。成形型は実施例1と同様とした。水硬性アルミナは(住友化学製、BK−103)を用いた。実施例1と同様にして各測定を実施した。結果は表1に示すとおり、含溶媒成形体の弾性率は高かったが、乾燥中に割れが発生し、また焼結体の相対密度も低かった。
Figure 0004946014
表1の実施例1〜5に示す通り、本発明のセラミックス成形体の製造方法によると、含溶媒成形体の弾性率が高く、かつ乾燥割れがなく、焼結体とした場合の特性に優れた成形体を得ることができる。
本発明による成形体の製造方法は、複雑形状物、大型複雑形状物等を好適に提供できるため、大型構造用部品、半導体部品、各種精密部品などに応用することができるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。

Claims (7)

  1. セラミックス粉体、分散剤、硬化性樹脂、ならびに溶媒を含む混合物を成形型内に注入する工程、注入した該混合物を成形し、含溶媒セラミックス成形体とする工程、該成形型を取り除く脱型工程、該脱型工程によって得られた含溶媒セラミックス成形体を乾燥させる工程を有するセラミックス成形体の製造方法において、該含溶媒セラミックス成形体とする工程が硬化性樹脂を硬化させる工程を有しており、脱型工程と含溶媒セラミックス成形体を乾燥させる工程の間に含溶媒セラミックス成形体を熱処理する工程を有することを特徴とするセラミックス成形体の製造方法。
  2. 熱処理する工程が、溶媒中に前記含溶媒セラミックス成形体を浸漬した状態で加熱して熱処理する工程であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス成形体の製造方法。
  3. 前記分散剤がポリカルボン酸塩であり、分散剤の量がセラミックス粉体の表面積に対し、0.3mg/m〜1.7mg/mであることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックス成形体の製造方法。
  4. 前記混合物が溶媒を27〜36体積%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のセラミックス成形体の製造方法。
  5. 前記硬化性樹脂が水溶性のエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックス成形体の製造方法。
  6. 前記水溶性のエポキシ樹脂がグリシジルエーテル型の水溶性エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックス成形体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかの製造方法によって得られたセラミックス成形体を焼結することを特徴とするセラミック焼結体の製造方法。
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