JP4945102B2 - 加硫タイヤの冷却方法およびそれに用いられるタイヤ冷却装置 - Google Patents

加硫タイヤの冷却方法およびそれに用いられるタイヤ冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4945102B2
JP4945102B2 JP2005239507A JP2005239507A JP4945102B2 JP 4945102 B2 JP4945102 B2 JP 4945102B2 JP 2005239507 A JP2005239507 A JP 2005239507A JP 2005239507 A JP2005239507 A JP 2005239507A JP 4945102 B2 JP4945102 B2 JP 4945102B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
cooling
vulcanization
vulcanized
degree
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005239507A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007054964A (ja
Inventor
雅之 福味
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2005239507A priority Critical patent/JP4945102B2/ja
Publication of JP2007054964A publication Critical patent/JP2007054964A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4945102B2 publication Critical patent/JP4945102B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Description

本発明は、加硫後のタイヤを冷却する冷却方法、この冷却方法によって冷却されるタイヤの加硫プロセスを設定する方法、およびそのための冷却装置に関し、特に、タイヤの加硫度を高度に管理することによりタイヤ性能の向上に資することのできるものに関する。
ナイロン繊維等の収縮性の繊維が補強材として用いられているタイヤにおいては、タイヤを加硫機から排出させたあとタイヤが所定の温度に冷却されるまでの間、無張力下でこれらの補強材を放置すると、補強材は熱収縮しタイヤの形状が変化してしまうので、タイヤの温度が低下して所定温度に到達するまで、タイヤに内圧を充填したままこれを冷却することが行われている。
このため、一般的に、加硫機に装着された加硫金型から取り出されたタイヤを、取り出した直後にポストキュアインフレータと呼ばれる後加硫処理装置に装着し、所定の内圧を充填した状態に保持して冷却している。ポストキュアインフレータは、タイヤのビード部を一対の支持リムで内圧を気密に保ちつつこれを支持するよう構成されている。
この加硫直後のタイヤを冷却する方法においては、タイヤをポストキュアインフレータに装着したあと、圧縮空気を充填してタイヤを定速で回転させて膨張冷却させる方法、(例えば特許文献1参照)、タイヤをポストキュアインフレータに装着したあと、タイヤに冷却水を充填し、その状態でタイヤを高速回転させる方法(例えば特許文献2参照)、タイヤをポストキュアインフレータに装着したあと、ブラダを介して冷却水を充填し、タイヤ内を循環させる方法(例えば特許文献3参照)、又、一対の支持リムに加硫済みタイヤのビード部を支持させ、所定圧力まで空気を供給するとともに、そのタイヤ内の空気を強制循環させる方法(例えば特許文献4参照)等が開示されている。
これらの方法は、いずれも、タイヤの内側を効率的に冷却し、収縮する補強材が配置されているタイヤの内側を効率的に冷却し、補強材の温度をできるだけ短時間に冷却することができ、効果的にタイヤ形状を維持することができる。
特公昭49−17425号公報 特開昭50−39778号公報 特開平2−22016号公報 特開平4−131210号公報
しかしながら、上記に示した従来の方法においては、トレッド表面等のタイヤ外側表面部分は、室温にある空気で冷却されるのみであり、このため、カーカスコード等の補強材が配設されているタイヤの内部が、補強材の寸法を固定化するに十分な温度まで冷却されても、タイヤの外側表面は十分冷却されず温度はまだ高い。
一般的に温度が高いほど加硫反応速度が大きく、このため、十分に冷却されないタイヤの外側表面に近い部位では、タイヤ内側の冷却が完了しても加硫反応が進行し続け、オーバーキュア(過加硫)となってしまう可能性が高く、オーバーキュアしたタイヤは、タイヤ性能、特に耐久性能が低下することがわかっている。
したがって、一般的に、タイヤの加硫時間(タイヤが加硫金型内で閉止されている時間)は、タイヤが加硫機から排出されたあとの余熱によって増加する分を差し引いた加硫度に対応する分の加硫反応を加硫金型内で行うよう設定されている。すなわち、タイヤの加硫時間は、後加硫による加硫度を予め推定し、この分も含めた加硫度が適正範囲にはいるよう設定されている。
しかし、タイヤの外側表面部分は、タイヤの内部部分に比べて、タイヤが加硫金型内にあるときは熱源に近いので加硫反応は速いうえに、加硫金型から出た状態では、空気によって冷却されるだけであるため、気温や気流の時間的、位置的条件によって大きく影響され、そのため後加硫による加硫度を適正に推定することがむつかしく、オーバーキュア、すなわち過加硫状態になる可能性が高かった。
一方、タイヤ外表面部分のオーバーキュアを防止しようとして、加硫時間を短く設定すると、タイヤの内部部分では、ゴムの熱伝導率が小さいことに起因して、タイヤ外表面部分に比して温度が上がらずしたがって加硫反応も十分進行せず、アンダーキュアとなり物性が低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、タイヤのどの部位をとっても、加硫度が適正範囲に収まるよう加硫度を高度に管理し、このことによって、タイヤ性能を向上させることのできる加硫タイヤの冷却方法、この冷却方法によって冷却されるタイヤの加硫プロセスを設定する方法、およびそのための冷却装置を提供することを目的とする。
<1>は、加硫金型より取り出されたタイヤを、内圧の充填下で冷却する方法において、内圧が充填されたタイヤの一部もしくは全部を、所定温度に制御された冷却水中に浸けたまま、前記タイヤを回転させて冷却するにあたり、前記タイヤの回転数を変化させて前記タイヤの冷却速度を変化させる、加硫タイヤの冷却方法である。
>は、<1>に記載のタイヤの冷却方法によって冷却されるタイヤの加硫プロセスを設定する方法において、サイズもしくは種類の異なる複数のタイヤの各部位における前記冷却後の加硫度が、それぞれのタイヤについて部位ごとに予め定められた加硫度許容範囲内となるよう、前記回転数を異ならせるタイヤ加硫プロセスの設定方法である。
>は、<1>に記載のタイヤの冷却方法に用いられ、加硫タイヤに充填された内圧を気密に保持するリムと、タイヤをその中心軸周りに回転させるタイヤ回転手段と、タイヤの外側を冷却する冷却水を収容する水槽と、タイヤのサイズもしくは種類に応じて、タイヤの回転を継続させる時間およびタイヤ回転手段の回転数を予め定められた値にするよう制御する制御部とを具えてなるタイヤ冷却装置である。
<1>によれば、内圧が充填されたタイヤの一部もしくは全部を所定温度に制御された冷却水中に浸けることによりタイヤを冷却するので、特にタイヤ外側表面を短時間で冷却することができ、加硫金型内では加硫反応が速く進行したタイヤ外部表面の加硫度がさらに増加するのを抑え、オーバーキュアによるタイヤ性能の低下を防止することができる。
また、前記タイヤを、冷却水中に浸けたまま回転させるので、加硫タイヤの冷却速度を一層高めることができ、タイヤ外部表面のオーバーキュアを一層効果的に抑えることができる。
さらに、冷却水中に浸けたタイヤの回転数を変えてタイヤの冷却速度を変化させるので、詳細を後述するように、タイヤの種類に応じて、タイヤの品質を最適なものにすることができる。
>のタイヤ加硫プロセスの設定方法によれば、サイズもしくは種類の異なる複数のタイヤの各部位における前記冷却後の加硫度が、それぞれのタイヤについて部位ごとに予め定められた加硫度許容範囲内にあり、かつ、予め定められたタイヤ加熱温度条件下での加硫時間が最短となるよう前記回転数を異ならせるので、タイヤごとに最適な加硫プロセスを設定することができ、タイヤの品質と生産性の向上とを高度に両立させることができる。
>のタイヤ冷却装置によれば、加硫タイヤに充填された内圧を気密に保持するリムと、タイヤをその中心軸周りに回転させるタイヤ回転手段と、タイヤの外側を冷却する冷却水を収容する水槽とを具えるので、上述のタイヤの冷却方法を簡易に実現させることができる。
また、タイヤを回転させている時間とタイヤの回転数とが、タイヤのサイズや種類に応じて予め定められている値となるよう制御する制御部を有するので、タイヤサイズに応じて自動的に冷却速度を変化させることができる。
本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図1は、本発明に係る実施形態のタイヤ冷却装置1を示す概略部分断面図であり、図1(a)は、加硫タイヤTの冷却中の状態を、図1(b)は、タイヤ冷却装置1に対して加硫タイヤTを装着する途中の状態、もしくはこれを取り外す途中の状態をそれぞれ表す。タイヤ冷却装置1は、例えばタイヤハンドリングロボット11等の把持手段により把持されて搬送されてきた加硫直後の加硫タイヤTを、そのビード部Bで支持する一対の支持リム3、4、これらの支持リム3、4を軸支するベアリング5、支持リム3、4を回転させるモータ6、および、加硫タイヤTを冷却する冷却水17を収容する水槽2を具えて構成される。なお、モータ6およびベアリング5は、加硫タイヤTをその中心軸周りに回転させるタイヤ回転手段を構成する。
対をなす支持リム3、4の一方の支持リム3は、モータ6によって直接回転駆動される。また、他方の支持リム4は、シリンダ7によって進退自在かつ回転自在に支持され、シリンダ7によって支持リム4を進退作動させることにより、これを支持リム3に対して離隔接近させることができるよう構成されていて、支持リム3、4が相互に最接近した状態において、支持リム4に取り付けられている係合棒8の先端が、支持リム3に設けられた係合穴9と係合され、この状態において、支持リム3、4の相互の回転、離隔接近が拘束され、支持リム4も、モータ6によって、支持リム3を介して回転駆動される。
このような冷却装置1を用いて、加硫タイヤTを冷却するには以下のようにして行う。支持リム3、4が相互に離隔した状態において、タイヤハンドリングロボット11を変位させ、タイヤハンドリングロボット11により把持された加硫タイヤTを、水槽2に収容された冷却水17中に所定深さまで没するよう下降させるとともに、次いで、この位置で、加硫タイヤTをタイヤハンドリングロボット11で把持したまま、支持リム4を支持リム3に対して接近するよう変位させ、支持リム3、4を相互に係合させる。この時点において、加硫済みタイヤTは、図1(a)に示すように、支持リム3、4によって支持されるとともに、支持リムと加硫タイヤTとによって内圧空間15が気密に画成される。
続いて、タイヤハンドリングロボット11の把持を開放してタイヤハンドリングロボット11をタイヤ冷却装置1から退出させた後、図示しない空気供給装置から、支持リム4に設けられたバルブ18を介して、気密に画成された内圧空間15に加圧空気を供給し、加硫タイヤTに所定の内圧を充填する。
次に、モータ6を駆動させ、冷却水17に浸けた状態の加硫タイヤTを、タイヤごとに予め定められた回転速度で予め定められた時間だけ回転させた後、内圧空間15の空気をバルブ18から排出して内圧を大気圧まで低下させる。続いて、シリンダ7を作動させて、支持リム4と支持リム3とを相互に離隔させたあと、タイヤハンドリングロボット11で加硫タイヤTを把持させて加硫タイヤTをタイヤ冷却装置1から退出させ、一連の工程を終了する。
ここで、加硫タイヤTを冷却水17中に浸ける深さdは、タイヤのトレッド部からサイドウォール部に至るまでのタイヤ外表面のどの部分を冷却するかを決めるファクターであり、また、モータ6は、無段階にもしくは段階的に回転速度を変更することができるよう構成されているのが好ましく、その回転数をタイヤのサイズ、種類に応じて変化させることにより、タイヤサイズごとに最適な冷却速度に設定し、冷却速度にも依存するタイヤ各部位における加硫度を最適なものにすることができる。深さd、加硫タイヤTを回転させる回転速度ω、および、加硫タイヤを冷却水中に浸けて回転させる時間は、加硫タイヤTのサイズおよび種類ごとに、加硫プロセスの条件の一部として予め定められる。
なお、図1に示したタイヤ冷却装置1は、トレッド部を含むタイヤの一部を冷却水中に浸けるものであるが、タイヤ全体を冷却水中に没して冷却することもできる。また、タイヤを、その中子であるブラダを装着した状態のまま冷却することも可能である。
図2は、このタイヤ冷却装置1を含む加硫システムの例を示す配置図であり、加硫システム10は、加硫金型を加熱してその内のタイヤを加硫する複数の加硫ステーション21と、加硫タイヤTを冷却するタイヤ冷却装置1と、前工程から搬送された未加硫タイヤを一時的に載置する未加硫タイヤ置き台24と、タイヤ冷却装置1で冷却された加硫タイヤを次の工程に搬送するまでの間一時的に載置する加硫済みタイヤ置き台25と、加硫ステーション21、複数台のタイヤ冷却装置1、未加硫タイヤ置き台24、および、加硫済みタイヤ置き台25の間でタイヤを搬送するタイヤハンドリングロボット11とを具えて構成される。
加硫システム10において、前工程から搬送され未加硫タイヤ置き台24に載置されたタイヤは、タイヤハンドリングロボット11によって加硫ステーション21に配置され、そこで熱と圧力とが加えられて加硫が行われる。
加硫ステーション21で加硫が完了したタイヤは、タイヤハンドリングロボット11によってタイヤ冷却装置1に投入され、そこで、先に説明した方法で所定時間冷却される。冷却が完了した加硫タイヤTは、タイヤハンドリングロボット11によって再び把持され、加硫済みタイヤ置き台25に搬送される。
タイヤ冷却装置1は、先に説明したように、回転するタイヤの外側表面を冷却水17によって冷却するので、従来のようの室温の空気中に放置して冷却する従来の冷却装置に対比して冷却時間を短縮することができ、このことにより、従来の空気による冷却では加硫金型1面に対して2台配置されていたタイヤ冷却装置の台数を減少させることができ、例えば、図2に示した加硫システム10の例の場合、加硫金型4面に対して、タイヤ冷却装置1を4台配置するだけですませることができ、設備コストを低減し、冷却も含めたサイクルタイムを短縮することができる。
図3は、この加硫システム10の制御部分を示すブロック線図であり、加硫システム10はこのシステム全体を制御する制御部20を有し、制御部20は、プロセス中のタイヤのサイズや種類に応じて、加硫ステーション21、金型開閉ステーション22、タイヤ冷却装置1、および、タイヤハンドリングロボット11に、これらの作動のタイミングを直接制御する信号、もしくは、これらの作動のタイミングに関するパラメータを表す信号を出力することによって、これらをタイミング制御するよう構成されているが、タイヤ冷却装置1に対しては、タイミング制御に加えて、加硫タイヤTを回転するモータ6の回転数を制御する制御信号もしくはパラメータ信号を出力するよう構成され、それぞれの加硫タイヤTを冷却する際のモータ6の回転数はこの信号に基づいて決定される。
ここで、加硫タイヤTの冷却速度が予め定められたものになるようにするためには、冷却水17を均一かつ一定の温度に保持することも重要であり、そのための方法として、水槽2の容量を大きくして大量の冷却水17を収容することにより水温の変化を抑えてもよいが、一層高精度に水温を制御することもでき、図4は、この場合の、冷却水温制御システムの例を示すブロック線図である。水槽2に収容された冷却水17には、常時、管路37から新たな冷却水が補給され、補給水により増加した分だけ、オーバーフロー口31から排出され、排出された水は循環ポンプ32によって再び管路37を通って水槽に補給されるよう構成されていて、この循環によって水槽内の水温を均一にすることができる。
さらに、循環水管路38中に水温を検知する水温センサ36を設け、水温の変化に合わせて、低い温度に保持された低温水を供給する管路39からの補給量を増減させて水槽2内の冷却水17の水温を均一にかつ一定に保持することができる。
なお、33は水槽の温度を所定のものにするため水温制御装置であり、34は、低温水供給管路39の水量を制御する制御弁、35は循環水の水量を制御する制御弁を示す。なお、低温水供給管路39より補給された分だけ、水槽2内の水量は純増するので、この水は、オーバーフロー口31に設けられた貯留タンク31Aより外にオーバーフローさせるよう構成される。
次に、このような冷却方法によってタイヤを冷却するに際し、タイヤを回転する回転数をタイヤの種類によって変化させることの作用について説明をする。加硫プロセスを設定する際、タイヤの各部、例えば、トレッド部や補強材となるカーカスの近傍部分等、タイヤ部位ごとの加硫度は、予め定められた加硫度範囲にはいっている必要があり、この加硫度が小さすぎると、それぞれの部位に対して必要とされる剛性を得ることができず、一方、加硫度が大きくなりすぎても、タイヤ性能、特に耐久性の低下を招き好ましくない。
図5は、このことを例示するグラフであり、このグラフにおいて、縦軸は、カーカスの幅方向中央部における加硫度を指数で表し、横軸は同様に、トレッド部の表面の加硫度を指数で表したものであり、グラフにプロットした点に記載された数値は、ドラムライフ、すなわちドラム試験機でタイヤの回転数をステップ的に上昇させて行きタイヤが故障するまでのステップ数でタイヤのライフを表した指数を示すが、このグラフから明らかなように、トレッド部の加硫度、カーカス幅方向中央部の加硫度のどちらについても、その加硫度が大きくなりすぎると耐久性が低下することがわかる。
以上のような前提のもと、2種類のタイヤについて考えてみる。図6(a)、図6(b)は、特性が異なる2種類のタイヤについて、縦軸に加硫度、横軸に加硫開始後の時間をとって、加硫度の増加曲線を例示するグラフであり、t1A、t2Aはそれぞれ加硫中の時間、すなわち、タイヤが加硫金型内に収容されている時間を示し、t1B、t2Bはそれぞれ、タイヤが加硫金型から取り出されたあと加硫が進行し、冷却によって加硫の進行が止まるまでの時間を表す。
そして、縦軸の加硫度に関し、MAXとMINとで区画された領域は、加硫金型から取り出されたあとの加硫度の増加分を含む全加硫度(すなわち、タイヤを加硫金型に投入して加硫を開始したあとt1A +t1B、t2A +t2Bの時間経過後の加硫度)がこの範囲に入らなければならないことを示す範囲である。
加硫時間(タイヤを加硫金型内に収容して加硫する時間)を左右する因子として、上記の加硫度に加えて、タイヤが硬化するまでタイヤを加圧しておく時間を考慮する必要があり、タイヤが十分硬化しないうちに圧力を開放するとタイヤ内で気泡が生じ、製品内にこの気泡が残ってしまう。
したがって、タイヤは、少なくとも、このタイヤ加圧時間だけは加硫金型内に保持されてなければならず、一方、加硫時間を短縮し、生産性をあげて加硫機や加硫金型の台数を減らすためには、タイヤ加圧時間が経過した後、できるだけ速やかにタイヤを加硫金型から取り出したほうが好ましく、図6(a)、図6(b)は、このような条件でタイヤを取り出した場合のチャートを示すものとし、したがって、t1A、t2Aは、それぞれのタイヤに対応する最短タイヤ加圧時間であるとする。
図6(a)に示す特性を有するタイヤの場合には、内部と外側表面とで大して異ならない加硫度増加曲線を有し、しかも、時間t1Aの直後は、タイヤ内部の加硫度はまだMINに達していないので、冷却における加硫タイヤTの回転数を下げてタイヤの冷却速度を抑えることによって、加硫金型から取り出したあと時間t1Bの間に進行する加硫度の割合を増やすことにより、内部における全加硫度がMINを超えるようすることができる。そして、このように加硫時間を短縮することにより、加硫ステーション21の設置台数を減少させることができる。しかも、このようにタイヤの冷却速度を遅くしても、このタイヤの場合は、内部と外側表面部分との加硫度の差がもともと小さいので、外側表面部分の全加硫度がMAXよりも大きくなる心配はない。
一方、タイヤの外側表面と内部とで加硫の進行速度の差が大きい場合は、図6(b)に示すように、冷却速度を大きくし、最短のタイヤ加圧時間t2Aが経過したとき、外側表面における加硫度はMAXに近い値となっているので、タイヤを加硫金型から取り出したあとの冷却速度を大きく、外側表面の加硫反応を抑えなければならず、このため、タイヤの回転速度を上げる必要がある。
以上のように、本発明に係る加硫プロセスの設定方法において、加硫タイヤTを冷却する際の回転数を、タイヤのサイズもしくは種類によって変化させ、このことによって、これらのサイズもしくは種類の異なる複数のタイヤに対して、各部位における前記冷却後の加硫度が、それぞれのタイヤについて部位ごとに予め定められた加硫度許容範囲内に収まるようにすることができる。
本発明は種々のタイヤの加硫の冷却に用いることができる。
本発明に係る実施形態のタイヤ冷却装置1を示す概略部分断面図である。 タイヤ冷却装置を含む加硫システムの例を示す配置図である。 タイヤ冷却装置を含む加硫システムの制御部分を示すブロック線図である。 冷却水温制御システムの例を示すブロック線図である。 トレッド部表面およびカーカス幅方向中央部におけるタイヤ加硫度とドラムライフとの関係を示すグラフである。 加硫開始後の加硫度の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
1 タイヤ冷却装置
2 水槽
3、4 支持リム
5 ベアリング
6 モータ
7 シリンダ
8 係合棒
9 係合穴
10 加硫システム
11 タイヤハンドリングロボット
15 内圧空間
17 冷却水
18 バルブ
20 制御部
21 加硫ステーション
24 未加硫タイヤ置き台
25 加硫済みタイヤ置き台
31 オーバーフロー口
31A 貯留タンク
32 循環ポンプ
33 水温制御装置
34、35 制御弁
36 水温センサ
37 補給水の管路
38 循環水の管路
39 低温水の管路
T 加硫タイヤ
B ビード部

Claims (3)

  1. 加硫金型より取り出されたタイヤを、内圧の充填下で冷却する方法において、
    内圧が充填されたタイヤの一部もしくは全部を、所定温度に制御された冷却水中に浸けたまま、前記タイヤを回転させて冷却するにあたり、前記タイヤの回転数を変化させて前記タイヤの冷却速度を変化させる、加硫タイヤの冷却方法。
  2. 請求項に記載のタイヤの冷却方法によって冷却されるタイヤの加硫プロセスを設定する方法において、
    サイズもしくは種類の異なる複数のタイヤの各部位における前記冷却後の加硫度が、それぞれのタイヤについて部位ごとに予め定められた加硫度許容範囲内となるよう、前記回転数を異ならせるタイヤ加硫プロセスの設定方法。
  3. 請求項1に記載のタイヤの冷却方法に用いられ、加硫タイヤに充填された内圧を気密に保持するリムと、タイヤをその中心軸周りに回転させるタイヤ回転手段と、タイヤの外側を冷却する冷却水を収容する水槽と、タイヤのサイズもしくは種類に応じて、タイヤの回転を継続させる時間およびタイヤ回転手段の回転数を予め定められた値にするよう制御する制御部とを具えてなるタイヤ冷却装置。
JP2005239507A 2005-08-22 2005-08-22 加硫タイヤの冷却方法およびそれに用いられるタイヤ冷却装置 Expired - Fee Related JP4945102B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005239507A JP4945102B2 (ja) 2005-08-22 2005-08-22 加硫タイヤの冷却方法およびそれに用いられるタイヤ冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005239507A JP4945102B2 (ja) 2005-08-22 2005-08-22 加硫タイヤの冷却方法およびそれに用いられるタイヤ冷却装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007054964A JP2007054964A (ja) 2007-03-08
JP4945102B2 true JP4945102B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=37918874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005239507A Expired - Fee Related JP4945102B2 (ja) 2005-08-22 2005-08-22 加硫タイヤの冷却方法およびそれに用いられるタイヤ冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4945102B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008188824A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Ichimaru Giken:Kk 加硫後タイヤ冷却装置
JP5116504B2 (ja) * 2008-02-18 2013-01-09 株式会社ブリヂストン 更生タイヤの製造方法
JP5371518B2 (ja) * 2009-04-07 2013-12-18 株式会社ブリヂストン タイヤのポストキュアインフレーション装置
US20120126452A1 (en) * 2010-11-19 2012-05-24 Jean-Marie Feller Apparatus and method for shock cooling of a cured pneumatic tire

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1006644A (en) * 1972-04-11 1977-03-08 Zedron Rotational molding of tires
JPS5039778A (ja) * 1973-08-15 1975-04-12
JPS58173639A (ja) * 1982-04-03 1983-10-12 Kobe Steel Ltd 流動層による加硫済みタイヤの冷却方法および装置
IT1240510B (it) * 1990-07-27 1993-12-17 Firestone Int Dev Spa Metodo e dispositivo di stabilizzazione di pneumatici vulcanizzati
JP4599533B2 (ja) * 2001-04-13 2010-12-15 株式会社市丸技研 加硫後タイヤ冷却装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007054964A (ja) 2007-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4945102B2 (ja) 加硫タイヤの冷却方法およびそれに用いられるタイヤ冷却装置
JPH07223275A (ja) タイヤの組立および加硫
JP4436712B2 (ja) タイヤの加硫方法
JP5371518B2 (ja) タイヤのポストキュアインフレーション装置
KR102044811B1 (ko) 타이어 가황 기구 및 방법
JP2009018445A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
EP0888872A2 (en) Method for controlling tyre uniformity and tyre post-cure inflation apparatus
JP4434144B2 (ja) タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫方法
JP2002116109A (ja) タイヤのラジアルフォースバリエーションの修正方法及び修正装置
JP2008273095A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
CN102555125A (zh) 硫化充气轮胎骤冷的装置和方法
US5238643A (en) Vulcanization method for elastomer product
JPH09239864A (ja) 更生タイヤの製造方法
JPH06238669A (ja) 空気入りタイヤの加硫方法およびポストキュアインフレータ
CN110815664B (zh) 脱模剂涂布单元以及脱模剂涂布装置
JP2008195058A (ja) タイヤ加硫機及び加硫方法
JP5078435B2 (ja) 空気嚢の加硫方法および空気嚢加硫システム
JP2010012658A (ja) タイヤのポストキュアインフレーション方法および装置
JP2008093983A (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP7488452B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法及び製造装置
JP7488453B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法及び製造装置
KR20100025231A (ko) 타이어의 균일성 향상방법 및 장치
JP2019025833A (ja) タイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置
JP2021176685A (ja) タイヤの製造装置および方法
JP2023149657A (ja) タイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111213

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4945102

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees