JP2023149657A - タイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置 - Google Patents

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【課題】 加硫時における金型の温度のばらつきによる影響を低減し、タイヤの品質を安定化することを可能にしたタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置を提供する。【解決手段】 未加硫のタイヤ1を金型10内に挿入した状態で該タイヤ1の加硫を行う方法において、タイヤ1の加硫開始前に温度センサ80により金型10の温度を測定し、加硫開始前に測定された金型10の温度に基づいてタイヤ1の加硫時間を制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤを加硫するための方法及び装置に関し、更に詳しくは、加硫時における金型の温度のばらつきによる影響を低減し、タイヤの品質を安定化することを可能にしたタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置に関する。
空気入りタイヤを製造する場合、未加硫のタイヤを金型内に挿入し、タイヤ内に挿入されたブラダーの内側に熱媒体と圧力媒体を供給した状態でタイヤの加硫を行う。このような加硫工程は、タイヤへの型付け、ゴムの架橋反応及び部材間の接着反応を行う工程であり、所望のタイヤ性能を発揮するために重要な工程である。そのため、加硫時の温度条件のばらつきによる影響を低減し、タイヤの品質を安定化することが求められている。
加硫時における温度のばらつきの要因として、様々な要因による連続加硫の停止が挙げられる。連続加硫の停止により、金型の温度が低下した場合、タイヤのアンダーキュアを回避するために、例えば、加硫時間を一律に延長することが行われている。しかしながら、加硫時間を一律に延長する手法ではタイヤの熱履歴を一定にすることができない。
これに対して、金型に温度センサを設置し、加硫時におけるタイヤの熱履歴をタイムリーに演算し、その演算結果を加硫時間の制御にフィードバックすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような制御方法はシステム上のロジックが複雑であるため、汎用性が低いという欠点がある。
また、加硫前の生タイヤの温度を測定し、その生タイヤの温度に基づいて加硫時間を制御することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この場合、生タイヤの温度が加硫条件として加味されるものの、金型の温度は全く考慮されないため、金型の温度の影響を低減することはできない。
特開2007-30322号公報 特開2017-213719号公報
本発明の目的は、加硫時における金型の温度のばらつきによる影響を低減し、タイヤの品質を安定化することを可能にしたタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ加硫方法は、未加硫のタイヤを金型内に挿入した状態で該タイヤの加硫を行う方法において、前記タイヤの加硫開始前に温度センサにより前記金型の温度を測定し、加硫開始前に測定された前記金型の温度に基づいて前記タイヤの加硫時間を制御することを特徴とするものである。
また、本発明のタイヤ加硫装置は、未加硫のタイヤが挿入される金型と、前記金型の温度を測定する温度センサと、前記タイヤの加硫条件を制御する制御部とを備え、前記制御部は、加硫開始前に測定された前記金型の温度に基づいて前記タイヤの加硫時間を制御することを特徴とするものである。
本発明者は、金型を用いたタイヤ加硫方法について鋭意研究を行ったところ、加硫開始前に測定される金型の温度と加硫工程全体の平均温度との間には相関関係があり、加硫開始前に測定される金型の温度と加硫工程で得られる加硫量(等価加硫量)との間にも相関関係があり、それ故、加硫開始前に測定される金型の温度はタイヤの加硫時間を制御するための要因として有用であることを知見し、本発明に至ったのである。
即ち、本発明では、タイヤの加硫開始前に温度センサにより金型の温度を測定し、加硫開始前に測定された金型の温度に基づいてタイヤの加硫時間を制御するので、加硫時における金型の温度のばらつきによる影響を低減することができる。その結果、複数本のタイヤの加硫工程を反復的に行うにあたって、タイヤ毎の加硫量のばらつきを小さくし、タイヤの品質を安定化することができる。また、タイヤの加硫開始前に金型の温度を取得し、それを加硫時間の制御にフィードバックするためシステム上のロジックが簡単である。そのため、本発明のタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置は汎用性が高いものである。
本発明において、温度センサは、金型の温度測定点に設置された熱電対であるか、或いは、金型の温度測定点に対向する位置に配置された非接触式温度計であることが好ましい。このような熱電対又は非接触式温度計からなる温度センサにより、金型の温度を適切に検出することができる。
本発明において、温度センサは金型のタイヤトレッド部に対応する部位で金型の温度を測定することが好ましい。タイヤトレッド部に対応する部位での金型の温度を指標とすることにより、加硫時における金型の温度のばらつきによる影響を効果的に低減することができる。
また、温度センサは金型の温度をタイヤの加硫開始前に1回だけ測定することが好ましい。これにより、加硫開始前の1回の測定だけでタイヤの加硫時間を決定することができる。
更に、温度センサは金型の温度を加硫開始の3分前から加硫開始までの任意の時点で測定することが好ましい。上記時間帯で測定される金型の温度はタイヤの加硫時間を制御するための要因として特に有用である。
本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置を示す子午線断面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置を示す子午線半断面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置の制御系を示すブロック図である。 反復的な加硫工程におけるセクターの温度推移を示すグラフである。 加硫時間を一定とした場合における加硫開始2分前のセクター温度と加硫中のセクター平均温度との関係を示すグラフである。 加硫時間を一定とした場合における加硫開始2分前のセクター温度とセクターでの加硫量との関係を示すグラフである。 加硫開始2分前のセクター温度に基づいて加硫時間を制御した場合における加硫開始2分前のセクター温度とセクターでの加硫量との関係を示すグラフである。 本発明のタイヤ加硫装置における非接触式温度計の設置例を示す断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1~図3は本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置を示すものである。
図1及び図2に示すように、このタイヤ加硫装置は、空気入りタイヤ1の外表面を成形する金型10と、空気入りタイヤ1の内側に挿入される筒状のブラダー20と、ブラダー20を操作する中心機構30と、ブラダー20の内側に熱媒体としてスチームを供給する熱媒体供給部40と、ブラダー20の内側に圧力媒体として不活性ガスを供給する圧力媒体供給部50と、金型10を加熱する加熱部60と、 金型10を駆動する駆動部70とを備えている。
金型10は、空気入りタイヤ1のサイドウォール部を成形するための下側サイドプレート11及び上側サイドプレート12と、空気入りタイヤ1のビード部を成形するための下側ビードリング13及び上側ビードリング14と、空気入りタイヤ1のトレッド部を成形するための複数のセクター15とから構成され、その金型10の内側で空気入りタイヤ1を加硫成形するようになっている。
中心機構30は、空気入りタイヤ1の中心位置に配置されていて鉛直方向に昇降自在に構成されたセンターポスト31と、下側ビードリング13に対して連接するように配置された下側クランプリング32と、該下側クランプリング32とセンターポスト31との間に配置されたシリンダ33と、センターポスト31の上部に固定された上側クランプリング34と、該上側クランプリング34に装着される補助リング35とから構成されている。シリンダ33には、ブラダー20内に熱媒体及び圧力媒体を供給するための媒体供給路(不図示)やブラダー20内から熱媒体及び圧力媒体を排出するための媒体排出路(不図示)が形成されている。
ブラダー20は、その下端部が下側ビードリング13と下側クランプリング32との間に把持され、その上端部が上側クランプリング34と補助リング35との間に把持されている。図1に示すような加硫状態において、ブラダー20は空気入りタイヤ1の径方向外側に向かって拡張した状態にあるが、加硫後に空気入りタイヤ1を金型10内から取り出す際には上側クランプリング34が上方に移動し、それに伴ってブラダー20が空気入りタイヤ1の内側から抜き取られるようになっている。
熱媒体供給部40は、熱媒体として所定の温度及び圧力に調整されたスチームを供給するスチーム供給源41と、スチームをブラダー20の内側に導くスチーム用配管42と、スチーム用配管42の途中に設けられたバルブ43とから構成されている。例えば、スチームの温度は190℃~220℃の範囲に設定され、スチームの圧力は1760kPa~1980kPaの範囲に設定される。一方、圧力媒体供給部50は、圧力媒体として所定の温度及び圧力に調整された不活性ガス(例えば、窒素ガス)を供給する不活性ガス供給源51と、不活性ガスをブラダー20の内側に導く不活性ガス用配管52と、不活性ガス用配管52の途中に設けられたバルブ53とから構成されている。例えば、不活性ガスの圧力はスチームの圧力よりも高くて2180kPa~2220kPaの範囲に設定される。熱媒体供給部40から供給される熱媒体及び圧力媒体供給部50から供給される圧力媒体は、中心機構30を介してブラダー20の内部に導入され、中心機構30を介してブラダー20の外部に排出される。これら熱媒体及び圧力媒体の圧力に基づいて加硫時に空気入りタイヤ1を内側から金型10の内面に向かって押圧するようになっている。
加熱部60は、下側サイドプレート11に付設された下側プラテン61と、上側サイドプレート12に付設された上側プラテン62と、セクター15に付設されたジャケット63とから構成されている。加熱部60により金型10を加熱することにより、空気入りタイヤ1の加硫が行われるようになっている。
金型10の駆動部70は、以下のように構成されている。下側サイドプレート11は下側ビードリング13と共に下側プラテン61を介して下側支持板71に固定されている。上側サイドプレート12は上側ビードリング14と共に上側支持板72に固定されている。上側支持板72の中心部には駆動軸73を備えた閉止板74が連結されている。そのため、駆動軸73を鉛直方向に駆動することにより、上側サイドプレート12及び上側ビードリング14が鉛直方向に移動するようになっている。
また、各セクター15の背面側にはセグメント75が装着されている。セグメント75はジャケット63に形成されたレールに沿って摺動自在に構成されており、セグメント75とジャケット63との摺動面は鉛直方向に対して傾斜している。ジャケット63は上側プラテン62を介して駆動板76に固定されている。そのため、駆動板76を鉛直方向に駆動することにより、ジャケット63が鉛直方向に移動し、ジャケット63の移動に伴ってセグメント75及びセクター15にタイヤ径方向の移動とタイヤ軸方向の移動が生じるようになっている。なお、セグメント75と下側プラテン61との間にはセグメント75のタイヤ径方向の移動を容易にするためにスライド板77が配設されている。
上述したタイヤ加硫装置において、金型10の温度を測定する温度センサ80が金型10に設置されている。より具体的には、金型10を構成するセクター15の温度測定点に温度センサ80が埋設されている。例えば、温度センサ80は熱電対で構成されている。温度センサ80は、金型10のタイヤトレッド部に対応する部位で金型10の温度を測定する。なお、温度センサ80は下側サイドプレート11等に設置することも可能である。
図3に示すように、制御部90は、中心機構30の駆動、熱媒体供給部40のバルブ43の開閉、圧力媒体供給部50のバルブ53の開閉、加熱部60の加熱、金型10を駆動する駆動部70の駆動等を制御し、一連の加硫工程を実施するように構成されている。特に、制御部90は、温度センサ80により検出された金型10の温度を入力し、加硫開始前に測定された金型10の温度に基づいて空気入りタイヤ1の加硫条件を制御するようになっている。
上述したタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤ1を加硫する場合、金型10内に未加硫の空気入りタイヤ1を投入し、中心機構30の操作により空気入りタイヤ1の内側にブラダー20を挿入し、バルブ43の操作により熱媒体供給部40から供給されるスチームをブラダー20の内側に供給した後、バルブ53の操作により圧力媒体供給部50から供給される不活性ガスをブラダー20の内側に導入し、加熱部60により金型10を外側から加熱することで空気入りタイヤ1を加硫する。
図4は反復的な加硫工程におけるセクターの温度推移を示すものである。図4に示すように、加硫開始と共にセクター15の温度が徐々に上昇し、一連の加硫工程が終了して金型10が開放されるとセクター15の温度が徐々に低下する。連続加硫では、このような温度推移のサイクルが繰り返される。ここで、加硫開始前に測定される金型10の温度T1(例えば、加硫開始2分前に測定される金型10の温度)は加硫毎に変動し、特に連続加硫が停止した際には大きく変動する。
図5は加硫時間を一定とした場合における加硫開始2分前のセクター温度と加硫中のセクター平均温度との関係を示し、図6は加硫時間を一定とした場合における加硫開始2分前のセクター温度とセクターでの加硫量(等価加硫量)との関係を示すものである。図5に示すように、加硫開始2分前のセクター温度と加硫中のセクター平均温度との間には相関関係がある。更に、図6に示すように、加硫開始2分前のセクター温度とセクターでの加硫量との間にも相関関係がある。
このような知見に鑑みて、本発明のタイヤ加硫方法では、空気入りタイヤ1の加硫開始前に温度センサ80により金型10の温度T1を測定し、加硫開始前に測定された金型10の温度T1に基づいて空気入りタイヤ1の加硫時間を制御する。これにより、加硫時における金型10の温度T1のばらつきによる影響を低減することができる。その結果、複数本の空気入りタイヤ1の加硫工程を反復的に行うにあたって、タイヤ毎の加硫量のばらつきを小さくし、空気入りタイヤ1の品質を安定化することができる。また、空気入りタイヤ1の加硫開始前に金型10の温度T1を取得し、それを加硫時間の制御にフィードバックするためシステム上のロジックが簡単である。そのため、上述したタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置は汎用性が高いものである。
上記タイヤ加硫方法において、制御部90による具体的な制御方法として、空気入りタイヤ1の加硫開始前に温度センサ80により金型10の温度T1を測定し、その温度T1と予め設定された標準温度T0との差を演算し、温度T1が標準温度T0と一致する場合における空気入りタイヤ1の加硫開始から加硫終了までの加硫時間の標準値に対して、T1-T0>0℃のとき加硫時間を短縮し、T1-T0<0℃のとき加硫時間を延長すると良い。このような制御を行うことにより、空気入りタイヤ1の熱履歴の変動を適切に抑制することができる。
更に、上記タイヤ加硫方法において、制御部90による具体的な制御方法として、加硫時間の標準値に対して-180秒~+180秒の範囲で加硫時間を制御すると良い。特に、|T1-T0|の値に比例して標準値に対する変化量を大きくすると良い。このような制御を行うことにより、空気入りタイヤ1の熱履歴の変動を適切に抑制することができる。
図7は加硫開始2分前のセクター温度に基づいて加硫時間を制御した場合における加硫開始2分前のセクター温度とセクターでの加硫量との関係を示すものである。本発明のタイヤ加硫方法では、加硫開始前に測定された金型10の温度T1に基づいて空気入りタイヤ1の加硫時間を制御することにより、図7に示すように、タイヤ毎の加硫量のばらつきを小さくし、空気入りタイヤ1の品質を安定化することができる。
上記タイヤ加硫方法において、温度センサ80は金型10のタイヤトレッド部に対応する部位で金型10の温度T1を測定すると良い。タイヤトレッド部に対応する部位での金型10の温度T1を指標とすることにより、加硫時における金型10の温度のばらつきによる影響を効果的に低減することができる。
また、上記タイヤ加硫方法において、温度センサ80は金型10の温度T1を空気入りタイヤ10の加硫開始前に少なくとも1回測定することが必要であるが、特に、温度センサ80は金型10の温度T1を空気入りタイヤ10の加硫開始前に1回だけ測定すると良い。これにより、加硫開始前の1回の測定結果に基づいて空気入りタイヤ1の加硫時間を決定することができる。
更に、上記タイヤ加硫方法において、空気入りタイヤ1の加硫開始前に温度センサ80により金型10の温度T1を測定することが必要であるが、特に、温度センサ80は金型10の温度T1を加硫開始の3分前から加硫開始までの任意の時点、より好ましくは、加硫開始の2分前から加硫開始の30秒前までの任意の時点で測定すると良い。上記時間帯で測定される金型10の温度T1は空気入りタイヤ1の加硫時間を制御するための要因として特に有用である。また、金型10の温度T1の測定は、金型10が開放状態にあり、かつ、金型10内に未加硫のタイヤ1が挿入される前に行うことが好ましい。
図8は本発明のタイヤ加硫装置における非接触式温度計の設置例を示すものである。図8に示すように、金型10が開放された状態において、金型10の温度測定点に対向する位置には非接触式温度計からなる温度センサ80が配設されている。非接触式温度計からなる温度センサ80は金型10から離れた位置に配置され、金型10の温度測定点における温度を非接触で測定するようになっている。このような非接触式温度計からなる温度センサ80を用いても、金型10の温度を適切に検出することができる。
未加硫のタイヤを金型内に挿入した状態で空気入りタイヤ(タイヤサイズ:205/55R16)の加硫を行う方法において、複数本のタイヤの加硫工程を反復的に行うにあたって、その加硫条件の制御方法を異ならせた比較例1及び実施例1のタイヤ加硫方法をそれぞれ実施した。
比較例1においては、タイヤの加硫開始前における金型温度の変動に拘わらずタイヤの加硫時間を一定にした。実施例1においては、タイヤの加硫開始前に金型の温度を測定し、その加硫開始前に測定された金型の温度に基づいてタイヤの加硫時間を制御した。なお、金型の温度は金型を構成するセクターにおいて測定した。
上述したタイヤ加硫方法で得られた試験タイヤについて、下記試験方法により、タイヤ外面の加硫量、操縦安定性、転がり抵抗を評価し、その結果を表1に示した。
タイヤ外面の加硫量
各試験タイヤについて、加硫工程におけるタイヤ外面の温度を経時的に計測し、その等価加硫量を求めた。評価結果は、加硫開始前の金型の温度が標準温度(165℃)と一致する場合を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどタイヤ外面の加硫量が高いことを意味する。
操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ16×7Jのホイールに組み付けて試験車両に装着し、空気圧を210kPaとし、テストドライバーによるテストコースでの官能評価を実施した。評価結果は、加硫開始前の金型の温度が標準温度(165℃)と一致する場合を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性は優れていることを意味する。
転がり抵抗:
各試験タイヤをリムサイズ16×7Jのホイールに組み付けて室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)に装着し、空気圧を210kPaとし、JATMAイヤーブック2021年版に記載の当該空気圧における最大負荷能力の80%に相当する荷重を負荷してドラムに押し付けた状態で、速度80km/hで走行させたときの転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、加硫開始前の金型の温度が標準温度(165℃)と一致する場合を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が小さいことを意味する。
Figure 2023149657000002
表1から判るように、実施例1のタイヤ加硫方法によれば、加硫開始前に測定された金型の温度に基づいてタイヤの加硫時間を制御することにより、タイヤ外面の加硫量、操縦安定性、転がり抵抗が一定となっており、タイヤの品質を安定化することができた。
これに対して、比較例1では、タイヤの加硫開始前における金型温度の変動に拘わらずタイヤの加硫時間を一定としているため、タイヤの加硫量がばらつき、操縦安定性や転がり抵抗が一定になっていなかった。
1 空気入りタイヤ
10 金型
20 ブラダー
30 中心機構
40 熱媒体供給部
50 圧力媒体供給部
60 加熱部
70 駆動部
80 温度センサ
90 制御部

Claims (12)

  1. 未加硫のタイヤを金型内に挿入した状態で該タイヤの加硫を行う方法において、前記タイヤの加硫開始前に温度センサにより前記金型の温度を測定し、加硫開始前に測定された前記金型の温度に基づいて前記タイヤの加硫時間を制御することを特徴とするタイヤ加硫方法。
  2. 前記温度センサが前記金型の温度測定点に設置された熱電対であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法。
  3. 前記温度センサが前記金型の温度測定点に対向する位置に配置された非接触式温度計であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法。
  4. 前記温度センサが前記金型のタイヤトレッド部に対応する部位で前記金型の温度を測定することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ加硫方法。
  5. 前記温度センサが前記金型の温度を前記タイヤの加硫開始前に1回だけ測定することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のタイヤ加硫方法。
  6. 前記温度センサが前記金型の温度を加硫開始の3分前から加硫開始までの任意の時点で測定することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のタイヤ加硫方法。
  7. 未加硫のタイヤが挿入される金型と、前記金型の温度を測定する温度センサと、前記タイヤの加硫条件を制御する制御部とを備え、前記制御部は、加硫開始前に測定された前記金型の温度に基づいて前記タイヤの加硫時間を制御することを特徴とするタイヤ加硫装置。
  8. 前記温度センサが前記金型の温度測定点に設置された熱電対であることを特徴とする請求項7に記載のタイヤ加硫装置。
  9. 前記温度センサが前記金型の温度測定点に対向する位置に配置された非接触式温度計であることを特徴とする請求項7に記載のタイヤ加硫装置。
  10. 前記温度センサが前記金型のタイヤトレッド部に対応する部位で前記金型の温度を測定することを特徴とする請求項7~9のいずれかに記載のタイヤ加硫装置。
  11. 前記温度センサが前記金型の温度を前記タイヤの加硫開始前に1回だけ測定することを特徴とする請求項7~10のいずれかに記載のタイヤ加硫装置。
  12. 前記温度センサが前記金型の温度を加硫開始の3分前から加硫開始までの任意の時点で測定することを特徴とする請求項7~11のいずれかに記載のタイヤ加硫装置。
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