JP4943556B1 - タイル補修方法 - Google Patents

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【課題】外壁タイルの簡単な補修方法を提供する。
【解決手段】タイル補修方法は、タイル(10)の浮きを確認し、前記浮きが確認されたタイル(11)を含む浮き領域(12)の縦方向タイルライン(51)と横方向タイルライン(52)の少なくとも一方について、一端から他端に向かって、所定のルールに基づいて選択された複数のタイル(11)を剥ぎ取って補修することにより、前記タイルライン(51、52)に沿った補強タイルベルト(61,62)を形成するものである。
【選択図】図15

Description

本発明は、タイルを補修する方法に関する。
建物の外壁タイルは、通常、建物の躯体(例えば、コンクリート)にモルタル(下地モルタル、敷モルタル、張付モルタル)を介して接着される。また、隣接するタイル間の隙間は、目地モルタルによって埋められる。したがって、施工後は見た目にも綺麗な外壁を構成している。
しかし、目地材の経年劣化や壁面に作用する鉛直方向の荷重等により、目地部やタイルにクラックが発生し、それが更に発展するとタイルの背後にいわゆる“浮き”(剥離)を形成する。また、施工時における、躯体とモルタル、モルタル同士、モルタルとタイルの接着不要によっても、それらの境界に浮きが発生し得る。
ただし、目地部やタイルにクラックが発生したからといって、そのこと自体がすぐにタイルの崩落に繋がる可能性は極めて低い。しかし、クラックを通じてタイル背後の浮きに侵入した水は、躯体コンクリートの鉄筋を腐食し、構造物の耐久性を著しく低下させる原因になる。また、地震等の外力を受けたときに浮きタイルが崩落すること十分に考えられる。
そこで、従来、外壁タイルをハンマー等で打診し、その反響音をもってタイルの浮きを確認することが行われている。また、赤外線カメラを用いてタイルの浮きを確認する手法が特許文献1に開示されている。
特開平05−312745号公報
しかし、本発明者らが行った実験によれば、打診または赤外線カメラを使って浮きが確認されたタイルについて、その周辺目地部にカッターで切り込みを入れた後、タイルに垂直な力を加えることによって剥ぎ取ったところ、確かにタイル背後に浮きが存在することは確認されたが、その大きさや発生箇所は様々であった。具体的に、大きさについては、浮きがタイル全体に広がっているものよりも、タイル背後の一部領域に浮きが発生しているものが多かった。また、発生箇所については、タイル裏足、裏足間のタイル背面とモルタルとの境界、または塗り重ねたモルタルの境界に浮きが見られた。そのため、タイルの剥ぎ取りに要した力もばらばらで、例えば、全面にわたって浮きが存在したタイルの剥ぎ取り力はほぼゼロであったが、タイル背後に部分的にのみ浮きが存在したタイルの剥ぎ取り力は浮きの面積等に応じて異なり、相当な割合のタイルは十分に自立できる程度の接着力(例えば、剥ぎ取り力が0.4N/mm以上)を有していた。
また、本発明者らが行った別の研究によれば、外壁タイルは、縦方向及び横方向に連続した一群のタイルについて、それを囲む縦方向と横方向に連続した格子状のクラックが発生した場合に崩落の危険が高く、単に縦方向又は横方向のクラックが存在するだけでは容易に崩落するものでない、ことが確認された。
そこで、本発明は、浮きが確認された外壁部分(浮き領域)のタイルをすべて剥ぎ取って交換するのではなく、浮き領域におけるタイルを部分的に剥ぎ取って補修し、その補修をもって周囲のタイルを同時に補強する新たな補修方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係るタイル補修方法は、タイル(10)の浮きを確認し、前記浮きが確認されたタイル(11)を含む浮き領域(12)の縦方向タイルライン(51)と横方向タイルライン(52)の少なくとも一方について、一端から他端に向かって、所定のルールに基づいて選択された複数のタイル(11)を剥ぎ取って補修することにより、前記タイルライン(51、52)に沿った補強タイルベルト(61,62)を形成するものである。
この補修方法によれば、浮き領域に含まれるすべてのタイルを剥ぎ取る必要がない。そのため、実際に剥ぎ取るべきタイルの数が著しく減少するとともに、それに伴って廃材の発生が著しく減少する。
本発明に係るタイル補修方法の工程を示す図。 外壁タイル上に確認された浮き領域を示す図。 外壁タイルの断面図で浮きの位置を例示する図。 浮き領域に設定されたタイルラインを示す図。 縦方向タイルラインに沿ったタイルの安全度を示す図。 縦方向と横方向のタイルラインに沿ったタイルの安全度を示す図。 タイルの断面を示す図。 タイルの剥ぎ取りを説明する図。 タイルを剥ぎ取った状態を示す図。 タイルの補修プロセスを示す図。 中間タイルの断面図。 縦方向タイルベルトを示す図。 横方向タイルベルトを示す図。 縦方向と横方向のタイルベルトを組み合わせた図。 浮き領域に形成されたタイルベルトを示す図。
以下、添付図面を参照して本発明の外壁タイル補修方法を説明する。
図1は、本発明に係る外壁タイル補修方法の工程図である。図示するように、本発明の外壁タイル補修方法は、概略、診断工程と補修工程からなる。
診断工程は、建物の外壁タイルに剥離箇所(浮き)が有るか否か確認するもので、一般的には、例えば、打診法(直接診断法)、赤外線法(間接診断法)によって行われる。打診法は、建物の外壁に沿って組み立てた足場、建物の屋上から吊り下げたスカイチェア若しくはゴンドラ、又は高所作業車に取り付けたゴンドラに乗った作業員が一枚一枚のタイルをハンマー等の専用工具で打診してその反響音からタイルの浮きを確認するものである。赤外線法は、建物の外壁を赤外線カメラで撮影し、外壁の浮き(外壁の背後に存在する空隙、水等の存在)を原因とするタイル表面の温度差情報からタイルの浮きを確認するものである。
図2は、タイル10で被覆された建物外壁Wの一部を示し、そこには診断工程で剥離箇所(浮き)が確認された浮きタイル11が網点で表示してあり、それら浮きタイル11を囲む浮き領域12が実線で囲って示してある。なお、説明を簡略化するために、浮き領域12は長方形で表されているが、実際の浮き領域は種々の形状となって表れる。
浮きの大きさ(二次元の広がり)は様々である。例えば、図3に示すように、タイル(一枚のタイル)全域に亘って存在する浮き13aもあれば、タイルの一部領域に存在する浮き13b、13c、13dもある。浮きが発生する箇所も様々で、浮きは、タイル10とモルタル(張付モルタル14)との境界(符号13b、13cで示す浮き)、張付モルタル14と下地モルタル15の境界(符号13dで示す浮き)、モルタル(下地モルタル15)とコンクリートの躯体16との境界(符号13aで示す浮き)に発生する。
補修工程は、浮き領域12に含まれるすべてのタイルを補修するのではなく、以下に説明するルールにしたがって選択されたタイルについてのみ行う。
まず、図4、5に示すように、水平方向に関して浮き領域12の中央又はほぼ中央に位置する縦方向タイルライン51のタイルT(1,7)〜T(11,7)に関して、補修タイル決定ルールにしたがって、補修すべきタイルを決定する。具体的には、まず、縦方向タイルライン51について、補修方向(順次タイルを補修する方向)を下方向とするとともに上端のタイルT(1,7)を補修対象タイルとし、この補修対象タイルを剥ぎ取ってそのときに要した剥取力を計測する。次に、計測された剥取力を、予め決めた基準値(付着強度)と比較し、剥ぎ取った補修対象タイルの安全度を判断する。例えば、2つの基準値として、第1基準値:0.4N/mm、第2基準値:1.0N/mmを設定し、剥取力が0.4N/mm未満のタイルを“安全度が低いタイル”、剥取力が0.4N/mm以上で且つ1.0N/mm未満のタイルを“安全度が中位のタイル”、剥取力が1.0N/mm以上タイルを“安全度が高いタイル”とする。図5、6には、“安全度が低いタイル”が符号「×」、“安全度が中位のタイル”が符号「△」、“安全度が高いタイル”が「○」で示してある。なお、タイルの背後にその全域を覆う浮きが形成されている場合、タイルの周囲に切溝を入れるだけでタイルが簡単に外れる。この場合、タイルの剥取力は実質的にゼロであるから、タイルは“安全度が低いタイル”である。
次に補修すべきタイルは上述の安全度をもとに決定する。例えば、補修対象タイルT(1,7)が“安全度が低いタイル”の場合、補修方向(下方向)に関して補修対象タイルT(1,7)に隣接するタイルT(2,7)を次に補修すべきタイルとする。また、補修対象タイルT(1,7)が“安全度が中位のタイル”の場合、補修方向に関して補修対象タイルT(1,7)から2番目のタイルT(3,7)を次に補修すべきタイルとする。さらに、補修対象タイルT(1,7)が“安全度が高いタイル”の場合、補修方向に関して補修対象タイルT(1,7)から3番目のタイルT(4,7)を次に補修すべきタイルとする。
図5に示す例では、最初の補修対象タイルT(1,7)が“安全度の高いタイル”「○」であるから、次の補修対象タイルはT(4,7)である。また、補修対象タイルT(4,7)の剥取力が0.4N/mm未満の場合(「×」)、次の補修対象タイルはT(4,7)に隣接するT(5,7)である。同様に、補修対象タイルT(5,7)の剥取力が0.4N/mm未満の場合(「×」)、次の補修対象タイルはT(5,7)に隣接するT(6,7)である。そして、補修対象タイルT(6,7)の剥取力が0.4N/mm以上で且つ1.0N/mm未満の場合(「△」)、次の補修対象タイルはT(6,7)から下2番目のT(8,7)である。同様に、補修対象タイルT(8,7)の剥取力が0.4N/mm以上で且つ1.0N/mm未満の場合(「△」)、次の補修対象タイルはT(8,7)から下2番目のT(10,7)である。
このようにして、縦方向タイルライン51について補修を完了する。
次に、図4に示すように、浮き領域12の横方向タイルライン52のタイルT(6,1)〜T(6,13)について、上述と同様の補修タイル決定ルールにしたがって、補修すべきタイルを決定する。なお、縦方向タイルライン51の補修タイル決定ルールと違う点は、横方向タイルライン52では補修対象タイルを決定する方向が水平方向である点である。
具体的には、横方向タイルライン52について、補修方向(順次タイルを補修する方向)を右方向とするとともに左端タイルT(6,1)を最初の補修対象タイルとし、この補修対象タイルを剥ぎ取ってそのときに要した剥取力を計測する。次に、計測された剥取力を基準値(第1基準値:0.4N/mm、第2基準値:1.0N/mm)と比較し、剥ぎ取った補修対象タイルの安全度を判断する。安全度の基準は上述の通りである。なお、ここでの説明では、横方向タイルライン52の補修方向を右方向としたが、逆に左方向としてもよい。
例えば、図6に示すように、補修対象タイルT(6,1)が“安全度が中位のタイル”の場合、補修方向(右方向)に関して補修対象タイルT(6,1)から2番目のタイルT(6,3)を次に補修すべきタイルとする。次に、タイルT(6,3)が“安全度が中位のタイル”の場合、タイルT(6,3)から右に2番目のタイルT(6,5)を次に補修すべきタイルとする。さらに、タイルT(6,5)が“安全度の低いタイル”の場合、補修方向に関してタイルT(6,5)に隣接するタイルT(6,6)を次に補修すべきタイルとする。
このようにして、横方向タイルライン52について補修を完了する。
最後に、図4に示すように、縦方向タイルライン51と横方向タイルライン52によって区画された上下左右の4つの領域(タイルライン51と52をそれぞれX,Y軸としたときの第1〜第4象限)53〜56に補修対象タイルを設定する。ここでの補修対象タイルの設定は、区画領域53〜56の大きさに応じて決定することができる。例えば、図示するように、浮き領域12が縦11行×横13列のタイルマトリックスで構成される場合、各区画領域に設定される補修対象タイルは少なくとも一つ有ればよい(例えば、T(3,10)、T(3,4)、T(9,4)、T(9,10))。
個々のタイルの補修方法を説明する。まず、タイルを剥ぎ取るにあたって、図7に示すように、タイルを囲む周囲の目地部20にカッター(図示せず)で切溝21を入れる。切溝21の深さは、タイル10の背後に存在するモルタル(張付モルタル14と下地モルタル15)をほぼ貫通して躯体16の近くまでに達していることが好ましい。次に、図8に示すように、補修タイル(浮きタイル11)の表面に剥取用アタッチメント22を接着剤で接着して固定する。次に、接着剤の乾燥後、アタッチメント22にボルト23を連結し、専用の剥取用加圧装置24でボルト23に引抜力25を加え、剥ぎ取りに要した剥取力を計測し記録する。
例えば、タイル18の全域又はほぼ全域に亘って広がる大きな浮きが存在する場合、タイル18は実質的に剥ぎ取り力がゼロで簡単に剥ぎ取ることができる。しかし、剥取力がゼロでない場合、一般には、図9に示すように、タイル11はその背後にモルタル26が付着した状態で剥ぎ取られる。そして、躯体側には、タイル10よりも大きなタイル跡(ボイド)27が形成される。また、浮きの位置によってモルタルの分離位置が異なり、一部のモルタル26’は躯体に付着したまま残る。したがって、補修にあたっては、後に塗布される接着剤と躯体との接着力を確保するために、モルタル26’を除去して躯体表面を綺麗に清掃することが好ましい。
次に、図10(a)に示すように、躯体側分離面に接着剤28を塗布する。接着剤としては、セメダイン株式会社から「タイルエース」の商品名で提供されている陶磁器タイル用のシリコーン樹脂系接着剤が好適に利用できる。接着剤に代えてモルタルを充填材として使用してもよい。
次に、図10(b)に示すように、接着剤28の上に中間タイル29を張り付ける。中間タイル29は、タイル跡27を充填するもので、タイル10の大きさに応じた縦横寸法のものが用意される。また、厚さの異なる複数の中間タイル29が用意し、タイル跡27の深さに応じて適当な厚みの中間タイルを選択してもよい。なお、中間タイル29と接着剤28との接着力、また、中間タイル29とその上に塗布される接着される接着剤30との接着を良好に保つために、図11に示すように、中間タイル29の表面又は裏面若しくは両面にタイル裏足32,33又はそれに相当する突起又は窪み(突条、溝状、所定の間隔をあけて格子状に点在する突起又は窪み)を形成してもよい。また、中間タイル29の表面と裏面に裏足32,33を設ける場合、それら裏足32,33の位置を違えてもよいし、補修された状態で中間タイル表面側(補修タイル側)裏足33が補修タイル裏足間(裏足34と裏足34の間)に入るようにしてもよい。
次に、図10(c)に示すように、中間タイル29の上に接着剤30を塗布する。接着剤30は、接着剤28と同じであってもよい。
次に、図10(c)、(d)に示すように、補修タイル31の裏面に接着剤32を塗布し、接着剤32を塗布した補修タイル31を中間タイル29の上に貼り付ける。接着剤32は、接着剤28と同じであってもよい。ただし、補修タイル31の背面に接着剤32を塗布することは必須ではない。
最後に、タイル29,31の周囲の切溝21に接着剤34を充填する。接着剤34は、接着剤28と同じであってもよい。
このようにして補修によってタイルが交換されることにより、浮き領域12は、該領域の中央を縦方向と横方向にそれぞれ伸びる補強タイルベルト61,62(図15参照)によって補強される。さらに具体的に説明すると、図5に示すように、タイルを剥ぎ取る場合、そのタイルを囲む周囲の目地部にカッターを入れて切溝21が形成される。通常カッターには円盤形回転カッターが使用され、その場合、目地部の切溝21は、隣接するタイルの間の目地部にも及ぶ。例えば、タイルT(1,7)の左側に形成された切溝の下端は、その下にあるタイルT(2,6)とT(2,7)の間の目地部にも延びる。そのため、補修対象タイルのタイル跡や目地部に充填された接着剤は、補修対象タイルに隣接するタイルをも補強する。したがって、一つのタイルを補強すると、そのタイルを囲む周囲のタイルを含む領域40が補強されることになる(図5において四角形で囲まれた補強タイル群40)。その結果、縦方向タイルライン51のタイルを補修すると、図12に示すように該縦方向タイルライン51のタイルとその周辺のタイルを含めた一群のタイルが補強されて、補強タイル群40が連続する縦方向の補強タイルベルト61が形成される。同様に、横方向タイルライン52のタイルを補修すると、図13に示すように該横方向タイルライン52のタイルとその周辺のタイルを含めた一群のタイルが補強されて、補強タイル群40が連続した横方向の補強タイルベルト62が形成される。そして、これら縦方向と横方向の補強タイルベルト61,62によって、図14に示すように、浮き領域12の中央を縦方向と横方向に横切る、十字状の補強タイルベルトが形成される。そして、これら補強タイルベルト61,62は、外壁タイルを躯体に固定するアンカーとして機能する。
また、図15に示すように、浮き領域12の上下左右区画領域53〜56の補修タイルもその周囲に位置するタイルと一緒になって補強タイルベルト63として機能し、それぞれの区画領域53〜56のタイルを躯体に固定する。
このように、上述した実施形態の外壁タイル補修方法によれば、浮き領域12に含まれるすべてのタイルを剥ぎ取る必要がない。例えば、上述の実施例では、図15に示すように、浮き領域12に含まれる143個(=11×13)のタイルのうち、17個のタイルを剥ぎ取って交換するだけで、浮き領域の耐力を十分に回復できる。そのため、実際に剥ぎ取るべきタイルの数は著しく減少するとともに、それに伴って廃材の発生が著しく減少する。
また、中間タイル29を用いることにより、剥ぎ取ったタイルの後にできた空間(ボイド)の大部分をモルタル又は接着剤で埋める必要が無い。そのため、裏込モルタルや裏込接着剤の乾燥に要する時間が大幅に減少し、施工時間が短縮される。
さらに、縦方向と横方向のタイルラインに形成されるタイルベルトがアンカーとなって浮き領域を躯体に固定する。
なお、タイルの貼り方は複数(例えば、芋目地、破れ目地、フランス貼り、イギリス貼り、網代貼りなど)知られており、破れ目地のように上下方向にタイルが一列に連続しないものでは、ジグザグに伸びる縦方向タイルラインを想定すればよい。
また、以上の説明では、タイル跡27を中間タイル29と接着剤(充填材)で充填するものとしたが、中間タイルを用いることなく、接着剤又はモルタルを充填材として充填してもよい。
さらに、以上の説明では、浮き領域の縦方向タイルラインと横方向タイルラインに沿ってタイルベルトを形成したが、縦横それぞれのタイルラインに沿ってのみタイルベルトを形成するだけでなく、縦方向の複数のタイルラインに沿って複数のタイルベルトを形成してもよいし、及び/又は、横方向の複数のタイルラインに沿って複数のタイルベルトを形成してもよいし、選択するタイルラインの順序は一端側から他端側(例えば、上から下、左から右、又はそれらの逆)に向けて順次タイルラインを選択してもよい。
さらにまた、縦方向と横方向のタイルラインによって区画された領域についても、それぞれの領域において、縦方向及び/又は横方向のタイルラインに沿ってタイルベルトを形成してもよい。
そしてまた、以上の説明では、剥取力に関して2つの基準値を設けたが、基準値は一つ又は3つ以上であってもよいし、基準値として0.0N/mmを用いてもよい。また、剥取力の大きさに拘わらず、浮き領域のタイルを1個飛ばし又は2個飛ばしで剥ぎ取って補強してもよい。
W:外壁
10:タイル
11:浮きタイル
12:浮き領域
13a、13b、13c、13d:浮き
14:張付モルタル
15:下地モルタル
16:躯体
20:目地部
21:切溝
22:アタッチメント
23:ボルト
24:引き抜き装置
25:引抜力
26:モルタル
27:タイル跡(ボイド)
28:接着剤(充填材)
29:下地タイル
30:接着剤
31:補修タイル
32,33:裏足
40:補強タイル群
51:縦方向タイルライン
52:横方向タイルライン
53〜56:区画領域
61,62,63:タイルベルト

Claims (7)

  1. タイル(10)の浮きを確認し、前記浮きが確認されたタイル(11)を含む浮き領域(12)の縦方向タイルライン(51)と横方向タイルライン(52)の少なくとも一方について、一端から他端に向かって、所定のルールに基づいて選択された複数のタイル(11)を剥ぎ取って補修することにより、前記タイルライン(51、62)に沿った補強タイルベルト(61,62)を形成することを特徴とするタイル補修方法。
  2. 前記タイルライン(51、52)について、前記ルールは、一つのタイルの剥ぎ取りに要した力を計測するステップと計測した剥取力に応じて次に剥ぎ取るタイルを決定するステップを繰り返す、ことを特徴とする請求項1のタイル補修方法。
  3. 前記縦方向タイルラインについては、前記一端が上端で前記他端が下端であることを特徴とする請求項1又は2のタイル補修方法。
  4. 前記剥取力がゼロの場合、剥ぎ取ったタイルに隣接するタイルを次に剥ぎ取るタイルと決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかのタイル補修方法。
  5. 前記剥取力が所定値を越える場合、剥ぎ取ったタイルに隣接するタイルを越えた位置にある別のタイルを次に剥ぎ取るタイルと決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかのタイル補修方法。
  6. 前記縦方向タイルラインと横方向タイルラインによって区画された、前記浮き領域(12)における上下左右の領域について、該領域に含まれる少なくとも一つのタイルを剥ぎ取り、新たなタイルと交換することを特徴とする請求項1〜5のいずれかのタイル補修方法。
  7. 前記補強タイルベルト(61,62)は、補修されたタイルと該タイルを囲む複数のタイルによって構成される補強タイル群(40)の連続によって形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかのタイル補修方法。
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