本発明は、雨水を貯留して地盤に浸透させる貯留浸透ユニットどうしを接続する貯留浸透ユニットの接続構造に関するものである。
近年、都市化が急激に進んだことで、舗装の面積が増加したため、雨水が地中に浸み込まずに、一気に河川に流れ込むようになっている。
このため、都市型の洪水が起こる反面、普段は河川の流量が少なく、水質が悪化し、地下水が枯れるなどの問題が生じている。
また、地下水の低下によって渇水の危険性が高まり、緑地や街路樹などの潤いが失われ、気温の上昇や地中の乾燥化などが生じて、都市の気候変化をもたらすことも明らかになってきている。
このような問題を解決するために、雨水を貯留させる技術や雨水を地中に浸透させる技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、充填部材が連結脚部材を介して重ね合わされるとともに、この連結脚部材の側面部には側板部材を係合する側板装着部が設けられる雨水流出抑制装置が開示されている。したがって、対土圧性能が良好になるうえ、積層させて保存する際には保存スペースを増大させることなく、施工性が良好になる。
また、特許文献2には、道路の側道の延設方向に沿って排水路が設けられ、この排水路の内部に複数の充填部材が連設されることで、雨水を一時的に貯留させることができるうえに、メンテナンス性の良好な雨水流出抑制排水路構造が開示されている。
特開2006−241701号公報
特開2007−16582号公報
しかしながら、上記した特許文献1,2の構成は、排水路や充填部材が直線的に敷設される場合を前提としていた。そして、道路が直角に曲がっている場合には対応できたが、道路の曲線に沿って側道も緩やかに曲がっている場合には対応していなかった。
このため、道路が緩やかに曲がっている場合、その部分には雨水流出抑制装置を設置することはできなかった。
そこで、本発明は、緩やかな曲がりにも対応できる貯留浸透ユニットの接続構造を提供することを目的としている。
このような問題を解決するために、本発明の貯留浸透ユニットの接続構造は、
雨水を貯留して地盤に浸透させる貯留浸透ユニットどうしを接続する貯留浸透ユニットの接続構造であって、一方の貯留浸透ユニットの敷設方向と他方の貯留浸透ユニットの敷設方向とが、90度より緩やかな角度となるように接続されることを特徴とする。
また、前記一方の貯留浸透ユニットの下部に挿入される集砂受枠には、直管が連結されるとともに、前記他方の貯留浸透ユニットの下部に挿入される集砂受枠には、接続角度を自在に変えることができる自在管が連結されて、前記直管と前記自在管とが上下左右に回動自在に接続される構成とすることができる。
さらに、前記一方の貯留浸透ユニットの下部に挿入される集砂受枠、及び、前記他方の貯留浸透ユニットの下部に挿入される集砂受枠には、接続角度を自在に変えることができる自在管が連結されて、前記一方の自在管には、直管が上下左右に回動自在に接続されるとともに、該直管は、前記他方の自在管に上下左右に回動自在に接続される構成とすることができる。
そして、前記直管として、可撓性を有するフレキシブル管を用いることが好ましい。
また、前記一方の貯留浸透ユニットの下部に挿入される集砂受枠、及び、前記他方の貯留浸透ユニットの下部に挿入される集砂受枠は、それぞれの貯留浸透ユニットから突出して形成されるとともに、角度を開いて形成された2つの嵌合孔を有する継手部材を備え、該継手部材の前記一方の嵌合孔には前記一方の集砂受枠の端部が嵌合され、前記他方の嵌合孔には前記他方の集砂受枠の端部が嵌合される構成とすることができる。
さらに、前記一方の貯留浸透ユニットの下部に挿入される集砂受枠、及び、前記他方の貯留浸透ユニットの下部に挿入される集砂受枠には、直管が連結されるとともに、角度を開いて形成された2つの嵌合孔を有する継手部材を備え、該継手部材の前記一方の嵌合孔には前記一方の直管の端部が嵌合され、前記他方の嵌合孔には前記他方の直管の端部が嵌合される構成とすることができる。
そして、前記一方の貯留浸透ユニットと前記他方の貯留浸透ユニットとの間隙には、前記一方の貯留浸透ユニットと前記他方の貯留浸透ユニットとを連通する空隙を有するとともに上載荷重を支持する充填材が設けられる構成とすることができる。
また、前記充填材として、砕石を充填することができる。
さらに、前記充填材として、前記一方の貯留浸透ユニットと前記他方の貯留浸透ユニットとを連通する貫通孔を有する接続用充填部材を設置することができる。
そして、前記一方の貯留浸透ユニットと前記他方の貯留浸透ユニットとの間隙は、該間隙の上方を閉塞する上面部材と、該間隙の側方を閉塞する側面部材と、によって囲まれる構成とすることができる。
また、前記貯留浸透ユニットは、複数の充填部材が敷設されて形成されるとともに、前記側面部材は、前記充填部材の側面を覆う側板が延長して形成される構成とすることができる。
さらに、前記貯留浸透ユニットは、複数の充填部材が敷設されて形成されるとともに、前記側面部材は、前記充填部材の側面及び前記充填部材を連結する連結部材の側面が延長されて形成される構成とすることができる。
このように、本発明の貯留浸透ユニットの接続構造は、一方の貯留浸透ユニットの敷設方向と他方の貯留浸透ユニットの敷設方向とが、90度より緩やかな角度に接続されることを特徴とする。
したがって、貯留浸透ユニットどうしを90度より緩やかな角度となるように接続できるため、道路が緩やかに曲がっている場合にも貯留浸透システムを設置することができる。
また、一方の貯留浸透ユニットの集砂受枠には直管が連結されるとともに、他方の貯留浸透ユニットの集砂受枠には自在管が連結されて、直管と自在管とが上下左右に回動自在に接続されることで、道路が緩やかに曲がっている場合にも集砂受枠どうしを接続して雨水や砂などを流通させることができる。
さらに、両方の集砂受枠には自在管が連結されて、一方の自在管には直管が上下左右に回動自在に接続されるとともに、この直管が他方の自在管に上下左右に回動自在に接続されるため、それぞれの貯留浸透ユニットの中心線がずれた場合でも貯留浸透ユニットを接続することができる。
そして、上記した直管として、可撓性を有するフレキシブル管を用いることで、集砂受枠どうしの接続の自由度がより大きくなるうえに、耐震性を備えることができる。
また、両方の貯留浸透ユニットの集砂受枠は貯留浸透ユニットから突出して形成されるとともに、角度を開いて形成された2つの嵌合孔を有する継手部材を備え、この継手部材の一方の嵌合孔には一方の集砂受枠の端部が嵌合され、他方の嵌合孔には他方の集砂受枠の端部が嵌合される。
したがって、きわめて簡易な構成によって集砂受枠どうしを直接的に接続して雨水や砂などを誘導することができる。
さらに、両方の貯留浸透ユニットの集砂受枠には直管が連結されるとともに、角度を開いて形成された2つの嵌合孔を有する継手部材を備え、この継手部材の一方の嵌合孔には一方の直管の端部が嵌合され、他方の嵌合孔には他方の直管の端部が嵌合される。
したがって、簡易な構成によって集砂受枠どうしを間接的に接続して雨水や砂などを誘導することができる。
そして、一方の貯留浸透ユニットと他方の貯留浸透ユニットとの間隙には、前記一方の貯留浸透ユニットと前記他方の貯留浸透ユニットとを連通する空隙を有するとともに上載荷重を支持する充填材が設けられるため、この空隙を通じて隣り合う貯留浸透ユニット間に雨水を伝達できるうえに、上載荷重を支持することができる。
また、上記した充填材として、砕石を充填することで、きわめて簡易な構成となるうえに、隣接する貯留浸透ユニットを接続する角度を自由に設定することができる。
さらに、上記した充填材として、前記一方の貯留浸透ユニットと前記他方の貯留浸透ユニットとを連通する貫通孔を有する接続用充填部材を設置することで、集砂受枠だけではなく、充填部材どうしも接続することができる。
そして、一方の貯留浸透ユニットと他方の貯留浸透ユニットとの間隙は、この間隙の上方を閉塞する上面部材と、この間隙の側方を閉塞する側面部材と、によって囲まれることで、周囲を土留めしつつ、全体の貯留容量を大きくすることができる。
また、側面部材は、貯留浸透ユニットの充填部材の側面を覆う側板を延長して形成することで、特別に固定手段を設けることなく、簡易な構造によって周囲を土留めし、全体の貯留容量を大きくすることができる。
さらに、側面部材は、貯留浸透ユニットの充填部材の側面及び連結部材の側面を延長して形成することで、特別に固定手段を設ける必要がなくなるうえに、隣接する貯留浸透ユニットの接続角度を自由に設定できる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図2を用いて本発明の貯留浸透ユニットの接続構造Cを備える貯留浸透システムSの全体構成を説明する。
本実施の形態の貯留浸透システムSは、図2に示すように、道路91の脇に設けられた側道92に接続される点検マス15,15と、貯留浸透ユニット1,1A,1Bと、貯留浸透ユニットの接続構造C,Cと、を備えている。なお、図2においては、説明の便宜のために、貯留浸透システムSの上方に設置されている側道92の構成を除いて表示している。
ここにおいて、図2に示すように、一方の貯留浸透ユニット1の敷設方向Daと他方の貯留浸透ユニット1Aの敷設方向Dbとは、道路91のカーブの内側に向いた側の角度が90度よりも緩やかな接続角度θをなして交わっている。
また、点検マス15は、樹脂などによって円筒状に形成されるもので、上部には側道92に接続される流入口(不図示)が設けられるとともに、側面には貯留浸透ユニット1,1Bに接続される接続口(不図示)が設けられる。したがって、道路91に降った雨水は、この点検マス15を通じて、貯留浸透ユニット1,1A,1Bに流れ込むこととなる。
ここで、貯留浸透ユニット1,1A,1Bは、端部の構造を除いて略同様の構成を備えるものであるから、以下では代表して貯留浸透ユニット1の構成について説明する。
この貯留浸透ユニット1は、図1に示すように、充填部材11,・・・が連結部材12,・・・を介して重ね合わされて骨格が形成され、下部には集砂受枠13が挿入されて、全体が透水シート14で覆われている。
この充填部材11は、樹脂などによって板状に形成される傾斜板部11aを備えており、この傾斜板部11aの四隅の上下には後述する連結部材12,・・・を嵌合させるための掛止部11bを備えている。加えて、掛止部の側面には、突起(不図示)や孔(不図示)が設けられて充填部材11どうしが連結できるように形成されている。
そして、貯留浸透ユニット1に複数敷設される充填部材11,・・・は、傾斜板部11a,・・・の傾斜方向が一定方向に揃えられていることで、雨水とともに傾斜板部11a,・・・を流下する泥や砂などを、一定の方向に誘導するように形成されている。
また、連結部材12は、樹脂などによって三角柱状に形成されるもので、上面及び下面には、上記した充填部材11の四隅の下面及び上面に嵌合できるように、掛止片(不図示)を備えている。加えて、連結部材12の側面には、突起(不図示)や孔(不図示)が設けられて連結部材12どうしが連結できるように形成されている。
さらに、集砂受枠13は、樹脂などによって略コ字状断面を有する長尺状に形成されるもので、コ字の開いた側を上に向けた状態で、上記した充填部材11の最下部の中央に挿入されている。したがって、コ字の開いた側から雨水が流入して、雨水とともに流入する泥や砂などを受けることができるように形成されている。
また、透水シート14は、ポリエステル系の不織布などによって形成されるため透水性を備えており、貯留浸透ユニット1の全体を覆うことで、貯留された雨水を地盤へ浸透させるように形成されている。
そして、本実施の形態の貯留浸透システムSは、図2に示すように、貯留浸透ユニット1,1Aの接続箇所と,貯留浸透ユニット1A,1Bの接続箇所と、に貯留浸透ユニットの接続構造C,Cを備えている。
この貯留浸透ユニットの接続構造Cは、図1に示すように、自在管3と直管2とが接続されて構成されている。
自在管3は、樹脂などによって形成されるもので、図3に示すように、円筒部31と、取付板部32と、嵌合部33と、を備えている。
円筒部31は、後述する取付板部32と一体に形成されるもので、円形状断面を有しており、水などを効率よく通すことができる。
取付板部32は、上記した円筒部31と一体に板状に形成されるもので、四隅の近傍にはビス16(図1参照)によって固定するための取付孔(不図示)が設けられている。
嵌合部33は、外側を覆う球面状殻部331と、この球面状殻部331の内面に嵌め合わされて、上下左右に自在に摺動する内筒部332と、を備えている。
さらに、この内筒部332の内面にはリングゴム333が取り付けられているため、他方の貯留浸透ユニット1Aに取り付けられた直管2の円筒部21の端部を嵌合した際には、隙間無く嵌合することができる。
そして、この自在管3の取付板部32は、四隅がビス16,・・・によって一方の貯留浸透ユニット1の充填部材11や連結部材12の端面に固定されている。
また、フレキシブル管としての直管2は、図1に示すように、ポリエチレン樹脂などによって可撓性を有するように形成されるもので、円筒部21と、取付板部22と、を備えている。
円筒部21は、後述する取付板部22と一体に形成されるもので、円形状断面を有しており、水などを効率よく通すことができる。
取付板部22は、上記した円筒部21と一体に板状に形成されるもので、四隅の近傍にはビス16(図1参照)によって固定するための取付孔(不図示)が設けられている。
さらに、この直管2の取付板部22は、四隅がビス16,・・・によって他方の貯留浸透ユニット1Aの充填部材11や連結部材12の端面に固定されている。
なお、取付板部32,22をそれぞれ貯留浸透ユニット1,1Aに固定する方法としては、必要な取付強度を有する固定方法であれば、上記したビス16を用いる方法でなくても、接着剤によって固定するものであってもよいし、掛止部などを設けて掛け合わすように固定するものであってもよい。
そして、この一方の貯留浸透ユニット1に取り付けられた自在管3の嵌合部33の内筒部332に設けられた嵌合孔335に、他方の貯留浸透ユニット1Aに取り付けられた直管2の円筒部21の端部が嵌め込まれて固定されることで、それぞれの集砂受枠13,13Aが接続されている。
次に、本実施の形態の貯留浸透ユニットの接続構造Cの作用について説明する。
このように、本実施の形態の貯留浸透ユニットの接続構造Cは、一方の貯留浸透ユニット1の敷設方向Daと他方の貯留浸透ユニット1Aの敷設方向Dbとが、90度より緩やかな角度である接続角度θをなして交わるように接続されている。
したがって、道路91が緩やかにカーブしている場所などにも、貯留浸透システムSを設置することができる。
すなわち、従来、貯留浸透ユニットどうしの接続の向きとしては、直角の場合のみが想定されていたため、本実施の形態のように道路91が緩やかに曲がっている場合には貯留浸透ユニットを設置することはできなかった。
これに対して、本実施の形態では、貯留浸透ユニット1,1Aが隣接する貯留浸透ユニット1A,1Bと90度より緩やかな接続角度θをもって接続されているため、道路91が曲率をもってカーブしている場所においても貯留浸透システムSを設置することができる。
そして、雨が降った場合には、図2に示すように、道路91の表面の雨水は路面の横断方向の勾配によって側道92に誘導され、側道92の縦断方向の勾配によって点検マス15の流入口(不図示)に流れ込む。
続いて、図1に示すように、この点検マス15に流れ込んだ雨水は接続口(不図示)を通じて、貯留浸透ユニット1に流入して、充填部材11,・・・の傾斜板部11a,・・・を順に伝わっていくように流れる。
次に、最下部の傾斜板部11a,・・・に達した雨水は、この最下部の充填部材11,・・・の下方に挿入された集砂受枠13に流れ込む。
そして、この集砂受枠13に流れ込んだ雨水は、貯留浸透ユニット1の下流側の端部まで達すると、集砂受枠13に連結された自在管3の取付板部32に流下方向が遮られて、この取付板部32に挿入されている円筒部31に流入することとなる。
最後に、自在管3に流入した雨水は、嵌合部33に嵌合された直管2の円筒部21に流入して、さらにこの円筒部21が連結された隣接する貯留浸透ユニット1Aの集砂受枠13Aに流入することとなる。
そして、一方の貯留浸透ユニット1の底面や側面、及び、他方の貯留浸透ユニット1Aの底面や側面、などを通じて、透水シート14から地盤へ雨水が浸透していく。
さらに、豪雨の際には、貯留浸透システムSに一時的に雨水を貯留することによって、下水施設の負荷を平準化することができる。
以上のように、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aとが接続され、さらにもう一方の貯留浸透ユニット1Bも同様に接続されることで、全体として貯留浸透システムSを構成している。
このように、道路91が緩やかに曲がっている場所にも、複数の貯留浸透ユニット1,1A,1Bを接続して貯留浸透システムSを構築できれば、従来設置できなかった箇所にまで設置できるため、より効率よく下水施設への負荷を低減したり地下水を涵養したりすることができるようになる。
また、貯留浸透ユニット1Aの集砂受枠13Aには直管2が連結されているとともに、貯留浸透ユニット1の集砂受枠13には、内筒部31が球面状殻部331に上下左右に摺動可能に構成された自在管3が連結されている。そして、この直管2の円筒部21が自在管3の内筒部31に設けられた嵌合孔335に嵌合固定されて、上下左右に回動自在に接続されることで、集砂受枠13,13Aどうしを接続している。
このように、集砂受枠13,13Aどうしを回動自在に接続することで、道路91が緩やかにカーブしている場所においても、貯留浸透ユニット1,1Aどうしを接続して雨水や砂などを流通させることができる。
また、本実施の形態の貯留浸透ユニットの接続構造Cは、直管2と自在管3とが上下左右に回動自在に接続されているため、道路91の縦断方向に勾配がある場合でも、貯留浸透ユニット1,1Aを接続することができる。
さらに、従来のように直角に曲がる際の接続構造と組み合わせて用いることで、90度以上の角度に貯留浸透ユニット1,1Aを接続することもできる。例えば、本実施の形態の充填部材11を用いる場合には、末端の充填部材11の傾斜板部11aの方向を敷設方向に直交するように設置し、さらにこの充填部材11に貯留浸透ユニットの接続構造Cを連結することができる。
そして、集砂受枠13,13Aの泥や砂などを除去する際には、点検マス15からバキュームホースを挿入し、一方の貯留浸透ユニット1の集砂受枠13、自在管3、直管2をこの順に通し、他方の貯留浸透ユニット1Aの集砂受枠13Aまで通すことができる。同様に、もう一方の貯留浸透ユニット1Bまでバキュームホースを通すことで、貯留浸透システムS全体に溜まった泥や砂などを除去することができる。
また、本実施の形態の直管2や自在管3は、既製の充填部材11に後からビス16や接着剤などによって取り付けるものであるため、従来とまったく同一の充填部材を用いることができる。
さらに、本実施の形態の直管2は可撓性を有しているため、地震の際にはこの直管2が変形することで自在管3との相対的な変位を吸収できるため、直管2と自在管3とが外れにくい構造となっている。
以下、図4を用いて、前記実施の形態とは別の形態の貯留浸透ユニットの接続構造C1について説明する。
なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例では、前記実施の形態とは異なり、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aの両方に自在管3,3Aが連結され、この一方の自在管3と他方の自在管3Aとがフレキシブル管4によって接続されている場合について説明する。
まず、構成から説明すると、本実施例の貯留浸透ユニットの接続構造C1は、図4に示すように、一方の貯留浸透ユニット1の集砂受枠13に連結された自在管3と、他方の貯留浸透ユニット1Aの集砂受枠13Aに連結された自在管3Aと、この一方の自在管3と他方の自在管3Aとに両端を接続されたフレキシブル管4と、を備えている。
この一方の自在管3は、樹脂などによって形成されるもので、図3,4に示すように、円筒部31と、取付板部32と、嵌合部33と、を備えている。
さらに、他方の自在管3Aも上記した一方の自在管3と同様の構成を備えるもので、図4に示すように、円筒部31Aと、取付板部32Aと、嵌合部33Aと、を備えている。
また、直管としてのフレキシブル管4は、図4に示すように、ポリエチレン樹脂などによって可撓性を有する円筒状に形成されている。
そして、この円筒状のフレキシブル管4の一端は一方の自在管3の嵌合部33に嵌め合わされるとともに、フレキシブル管4の他端は他方の自在管3Aの嵌合部33Aに嵌め合わされて固定されている。
次に、作用について説明すると、本実施例の貯留浸透ユニットの接続構造C1は、フレキシブル管4の両端が自在管3,3Aに接続されているため、道路91が緩やかに曲がっている場所においても、貯留浸透システムSを設置することができる。
また、本実施例の貯留浸透ユニットの接続構造Cは、フレキシブル管4の両端が自在管3,3Aに接続されていることで、より広い範囲の曲率に対応することができる。
つまり、一方の貯留浸透ユニット1に自在管3を連結する場合には、1箇所のみが回動するが、他方の貯留浸透ユニット1Aにも自在管3Aを連結する場合には、2箇所が回動するため、回動する範囲が2倍になる。
さらに、フレキシブル管4を介在させることで、それぞれの貯留浸透ユニット1,1Aの敷設方向Da,Dbがずれた場合でも接続できるようになる(図2参照)。
すなわち、前記実施の形態の貯留浸透ユニットの接続構造Cでは、道路91がS字状に曲がっている場合などには、貯留浸透ユニット1,1Aの敷設方向のDa,Dbの中心線が大きくずれることがある。そうすると、貯留浸透ユニット1,1Aの下部の中央に挿入された集砂受枠13,13Aに連結される自在管3や直管2の中心線もずれてしまって、これらを接続できなくなる可能性がある。
これに対して、本実施例のように自在管3,3Aの間にフレキシブル管4を介在させれば、中心線がずれた場合でも、この自在管3,フレキシブル管4,自在管3Aをこの順にS字状に接続することで対応できることとなる。
そして、フレキシブル管4は、施工現場においても容易に長さを調整することができるため、貯留浸透ユニット1,1Aに設置誤差が生じた場合でも、長さを調整してやることで設置誤差を吸収することができる。
加えて、可撓性を有するフレキシブル管4をさらに長くすれば、フレキシブル管4の変形量もきわめて大きくなるため、あらかじめ設置しておいた貯留浸透ユニット1,1Aを後から接続することも可能となる。
すなわち、既設の貯留浸透ユニット1,1Aの端面に自在管3,3Aを取り付け、この自在管3,3Aの間に、いったん曲げておいたフレキシブル管4をまっすぐに伸ばすようにして嵌め込むことで、既設の貯留浸透ユニット1,1Aどうしを連結することもできる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態と略同様であるため説明を省略する。
以下、図5,6を用いて、前記実施の形態及び実施例とは別の形態の貯留浸透ユニットの接続構造C2について説明する。
なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例では、前記実施の形態及び実施例とは異なり、貯留浸透ユニット1,1Aの集砂受枠13,13Aを継手部材5を介して接続する貯留浸透ユニットの接続構造C2について説明する。
まず、構成から説明すると、この貯留浸透ユニットの接続構造C2は、図5に示すように、一方の貯留浸透ユニット1から突出した集砂受枠13と、他方の貯留浸透ユニット1Aから突出した集砂受枠13Aと、これらを接続する継手部材5と、を備えている。
この集砂受枠13,13Aは、それぞれの貯留浸透ユニット1,1Aから突出して形成されるもので、突出された部分には略コ字状断面を有する本体部133,133Aの上方を塞ぐ蓋部132,132Aを備えている。
また継手部材5は、図6に示すように、樹脂などによって曲がった筒状に形成されるもので、側面部52と底面部53と天井部54とを一体に備えるとともに、この側面部52と底面部53に平行な嵌合爪51,51Aを備えている。
この嵌合爪51,51Aは、筒状の継手部材5の両端縁に沿って設けられるもので、継手部材5の全体が曲がっていることに伴い、互いに緩やかな角度をもって対峙するように形成されている。
そして、集砂受枠13,13Aのそれぞれの端部131,131Aは、それぞれが継手部材5の嵌合爪51,51Aと、側面部52や底面部53と、の間に嵌め合わされて固定されている。
続いて、作用について説明すると、このように貯留浸透ユニットの接続構造C2は、一方の集砂受枠13と、他方の集砂受枠13Aと、これらを接続する継手部材5と、を備えている。
したがって、もともと使用する集砂受枠13,13Aを延長することで、きわめて簡易な構成によって集砂受枠13,13Aどうしを直接的に接続して雨水や砂などを誘導することができる。
そして、このように集砂受枠13,13Aを延長すれば、前記実施の形態などのように直管2や自在管3を接続しなくてよいため、施工の手間を大幅に削減することができる。
また、集砂受枠13,13Aと継手部材5とは、滑らかに接続することができるため、雨水が流れる際の抵抗が少なく、泥や砂などが溜まってしまうこともない。
さらに、このような継手部材5として、あらかじめ全体の曲がり具合の異なる数種類のものを用意しておけば、複数種類の道路91の曲がりにも対応することができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態又は実施例と略同様であるため説明を省略する。
以下、図7を用いて、前記実施の形態及び実施例とは別の形態の貯留浸透ユニットの接続構造C3について説明する。
なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例では、前記実施の形態及び実施例とは異なり、貯留浸透ユニット1,1Aの集砂受枠13,13Aに連結された直管としての半割れ管6,6Aどうしを継手部材5Aを介して接続する場合の貯留浸透ユニットの接続構造C3について図7を用いて説明する。
まず、構成から説明すると、この貯留浸透ユニットの接続構造C3は、一方の貯留浸透ユニット1の集砂受枠13に連結された半割れ管6と、他方の貯留浸透ユニット1Aの集砂受枠13Aに連結された半割れ管6Aと、これらを接続する継手部材5Aと、を備えている。
この半割れ管6,6Aは、略U字状断面を有する本体部63,63Aの上方を塞ぐように蓋部61,61Aを備えている。
また継手部材5Aは、樹脂などによって曲がった筒状に形成されるもので、断面形状が異なる他は、前記した実施例2の継手部材5と略同一の構成を備えている。
そして、半割れ管6,6Aのそれぞれの端部64,64Aは、継手部材5Aの嵌合爪(不図示)と、側面部(不図示)や底面部(不図示)と、の間に嵌め合わされて固定されている。
続いて、作用について説明すると、このように貯留浸透ユニットの接続構造C3は、一方の半割れ管6と、他方の半割れ管6Aと、これらを接続する継手部材5Aと、を備えている。
したがって、既製の半割れ管などを加工して用いることで、簡易な構成によって集砂受枠13,13Aどうしを直接的に接続して雨水や砂などを誘導することができる。
また、半割れ管6,6Aと継手部材5Aとは、滑らかに接続することができるため、雨水が流れる際の抵抗が少なく、泥や砂などが溜まってしまうこともない。
さらに、このような継手部材5Aとして、あらかじめ全体の曲がり具合の異なる数種類のものを用意しておけば、複数種類の道路91の曲がりにも対応することができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態又は実施例と略同様であるため説明を省略する。
以下、図8を用いて、前記実施の形態及び実施例とは別の形態の貯留浸透ユニットの接続構造C4について説明する。
なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例では、前記実施の形態及び実施例とは異なり、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aとの間隙に、充填材として砕石71,・・・が充填される貯留浸透ユニットの接続構造C4について説明する。
まず、構成から説明すると、この貯留浸透ユニットの接続構造C4は、図8に示すように、一方の貯留浸透ユニット1と、他方の貯留浸透ユニット1Aと、これらの間隙に設置される充填材としての砕石71,・・・と、を備えている。なお、図8においては、説明の便宜のために、透水シートを省略して示している。
この砕石71は、岩石などを小さく砕くことで形成されるもので、種々の径のものが生産されており、建築資材として一般に流通している。
続いて、作用について説明すると、本実施例の貯留浸透ユニットの接続構造C4は、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aとの間に砕石71,・・・が充填されているため、接続方向に雨水や泥や砂などを伝達することができるうえに、上載荷重を支持することもできる。
つまり、この砕石71,・・・は、粒状体どうしの隙間として、空隙を備えているため、この空隙を通じて雨水や泥や砂などを、一方の貯留浸透ユニット1から他方の貯留浸透ユニット1Aに移動させることができる。
さらに、砕石71,・・・は、自重によって押し付け合って接しているため、上載荷重が作用した場合にも、この上載荷重を下方の地盤に伝達することで支持できる。
加えて、それぞれの砕石71は粒状体であるから、その形態を自由に変えることができる。したがって、貯留浸透ユニット1,1Aどうしの接続角度も自由に設定することができる。
そして、貯留浸透ユニット1,1Aにおいて雨水を貯留する充填部材11どうしを接続しているため、この砕石71が設置された間隙がデッドスペースとならずに、全体の容量に算入することができる。
このように、接続部分も全体の容量に算入できれば、貯留浸透システムSの全体容量が大きくなって、効率よく下水施設の負荷平準化や地下水の涵養をすることができる。
また、砕石71,・・・は空隙を有して充填されており、透水性を備えているため、側方及び下方から地盤へ雨水を浸透させることができる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態又は実施例と略同様であるため説明を省略する。
以下、図9,10を用いて、前記実施の形態及び実施例とは別の形態の貯留浸透ユニットの接続構造C5について説明する。
なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例では、前記実施の形態及び実施例とは異なり、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aとの間隙に、充填材として接続用充填部材72,・・・が設置される貯留浸透ユニットの接続構造C5について説明する。
まず、構成から説明すると、この貯留浸透ユニットの接続構造C5は、図9に示すように、一方の貯留浸透ユニット1と、他方の貯留浸透ユニット1Aと、これらの間隙に設置される充填材としての接続用充填部材72,・・・と、を備えている。なお、図9においては、説明の便宜のために、透水シートを省略して示している。
この接続用充填部材72は、発砲スチロールなどの樹脂によって平面視略扇形に形成されるとともに、充填部材11の高さと略同一の高さに形成されている。
また、接続用充填部材72には、図10(a)に示すように、複数の小孔状の貫通孔721,・・・が設けられている。
なお、この貫通孔の形状としては、図10(a)に示した小孔状の貫通孔721の他に、図10(b)に示した中空状の貫通孔722でもよいし、図10(c)に示したスリット状の貫通孔723でもよい。
そして、この接続用充填部材72が積層されることによって、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aとの間隙を充填して、これらを接続している。
続いて、作用について説明すると、本実施例の貯留浸透ユニットの接続構造C5は、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aとの間に接続用充填部材72,・・・が充填されているため、雨水や泥や砂などを伝達することができるうえに、上載荷重を支持することもできる。
つまり、この接続用充填部材72,・・・は、貫通孔721(722,723)を備えているため、この貫通孔721(722,723)を通じて雨水や泥や砂などを、一方の貯留浸透ユニット1から他方の貯留浸透ユニット1Aに移動させることができる。
さらに、接続用充填部材72,・・・は、積層されて間隙に充填されるから、上載荷重が作用した場合にも、この上載荷重を下方の地盤に伝達することで支持できる。
加えて、この接続用充填部材72,・・・として、あらかじめ接続面の角度の異なる数種類のものを用意しておけば、複数種類の道路91の曲がりにも対応することができる。
そして、貯留浸透ユニット1,1Aにおいて雨水を貯留する充填部材11どうしを接続しているため、この接続用充填部材72が設置された間隙がデッドスペースとならずに、全体の容量に算入することができる。
このように、接続部分も全体の容量に算入できれば、貯留浸透システムSの全体容量が大きくなって、効率よく下水施設の負荷平準化や地下水の涵養をすることができる。
さらに、この接続用充填部材72は発砲スチロール製であるから、きわめて軽量となり、手で扱うことができるため、施工性が良好となり工期を短縮できる。このように、工期を短縮できることは、道路91の脇の側道92の直下に設置されることが多い貯留浸透システムSにおいては、工事渋滞の緩和などを考慮すると特に効果が大きいといえる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態又は実施例と略同様であるため説明を省略する。
以下、図11,12を用いて、前記実施の形態及び実施例とは別の形態の貯留浸透ユニットの接続構造C6について説明する。
なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例では、前記実施の形態及び実施例とは異なり、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aとの間隙を、上面板81と側面板82,82とによって囲む貯留浸透ユニットの接続構造C6について説明する。
まず、構成から説明すると、この貯留浸透ユニットの接続構造C6は、図11に示すように、一方の貯留浸透ユニット1と、他方の貯留浸透ユニット1Aと、これらの間隙を囲むように設置される上面部材としての上面板81と側面部材としての側面板82,82と、を備えている。なお、図11においては、説明の便宜のために、透水シートを省略して示している。
この上面板81は、樹脂などによって、台形状の板として形成されるもので、片面には補強のためのリブ(不図示)が設けられている。さらに、この台形状の上面板81の平行でない2辺は、貯留浸透ユニット1,1Aの端縁に載置されて接着剤などによって固定されている。
また、側面板82は、樹脂などによって、四角形状の板として形成されるもので、片面には補強のためのリブ(不図示)が設けられている。さらに、この四角形状の側面板82の2辺は、貯留浸透ユニット1,1Aの端縁に側方から重ねられて接着剤などによって固定されている。
ここにおいて、この側面板82は、可撓性を有することで貯留浸透ユニット1,1Aの緩やかな曲がりに追従するものであってもよいし、ヒンジなどを備えて折れ曲がり可能に形成されるものであってもよい。
さらに、この間隙の下方には砕石(不図示)が敷設され、この接続部分の下方から地盤へ雨水を浸透させることができるように形成されている。
また、側面板82は、上記のように貯留浸透ユニット1,1Aとは別の構造として設けるものでなくてもよい。
例えば、図12(a)に示したように、側面部材として、充填部材11の側面を塞ぐための側板83が延長され、この側板83の延長部831が互いに重ね合わされることで間隙を閉塞するものであってもよい。なお、この場合、側板83を充填部材11に取付けるための突起(不図示)を延長するなどして、土圧に耐えうる構造とすることが望ましい。
さらに、図12(b)に示したように、側面部材として、充填部材11自体や連結部材12自体の側面84が交互に延長され、この側面84の延長部841が交互に重ね合わされることで間隙を閉塞するものであってもよい。
続いて、作用について説明すると、本実施例の貯留浸透ユニットの接続構造C6は、一方の貯留浸透ユニット1と他方の貯留浸透ユニット1Aとの間隙を閉塞する上面板81と側面板82,82とを備えているため、接続方向に雨水や泥や砂などを伝達することができるうえに、上載荷重を支持することもできる。
つまり、この上面板81は、積層される充填部材11の最上部に載置されているため、この上面板81と側面板82とによって囲まれる広い間隙を通じて雨水や泥や砂などを、一方の貯留浸透ユニット1から他方の貯留浸透ユニット1Aに移動させることができる。
さらに、上面板81は、下面にリブが設けられているから、上載荷重が作用した場合にも、この上載荷重を両側の充填部材11に伝達し、積層された充填部材11,・・・を通じて下方の地盤に伝達することができる。
また、側面板82は、間隙の側方を閉塞することで、土留めの機能を有するとともに、上面板81と共同して間隙を囲むことができる。
さらに、側面部材として、側板83が延長されて互いに重ね合わされることで間隙を閉塞すれば、特別に固定手段を設けることなく、簡易な構造によって、周囲を土留めし、全体の貯留容量を大きくすることができる。
つまり、側板83は固定用の突起(不図示)によって充填部材11に取付けられているため、新たに固定手段を設ける必要はない。
同様に、側面部材として、充填部材11自体や連結部材12自体の側面84が交互に延長されて重ね合わされることで間隙を閉塞すれば、特別に固定手段を設ける必要がなくなるうえに、隣接する貯留浸透ユニットの接続角度を自由に設定できる。
すなわち、側面84は充填部材11の一部であるから、新たに固定手段を設ける必要はない。加えて、延長部841が所定の長さだけ交互にクロスして重ね合わされて間隙の側方を閉塞するものであるから、この重ね合わされる長さを調整することで、どのような接続角度にも対応できる。
そして、貯留浸透ユニット1,1Aにおいて、雨水を貯留する充填部材11どうしを接続する間隙を形成するため、この間隙がデッドスペースとならずに、全体の容量に算入することができる。
このように、接続部分も全体の容量に算入できれば、貯留浸透システムSの全体容量が大きくなって、効率よく下水施設の負荷平準化や地下水の涵養をすることができる。
さらに、この上面板81や側面板82は軽量な樹脂製であるから、手で扱うことができるため、施工性が良好となり工期を短縮できる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施の形態又は実施例と略同様であるため説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態及び実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例1〜6では、貯留浸透システムSが道路91の脇の側道92の下に構築される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、貯留浸透ユニットどうしを緩やかな角度に接続する場合であれば、どのような場合にも適用することができる。
また、前記実施の形態及び実施例1〜3では、貯留浸透ユニット1,1A,1Bが充填部材11を積層することによって形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、泥や砂などを受ける部材としての集砂受枠13,13Aに相当する部材を備えるものであれば、どのような貯留浸透ユニットにも適用することができる。
さらに、前記実施の形態及び実施例1では、直管2の材質として可撓性を有するポリエチレン樹脂を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、塩化ビニルのようにほとんど可撓性のないものを用いることもできる。
そして、前記実施例3では、直管として半割れ管6,6Aを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、どのような断面形状を有する管材であっても用いることができる。
また、前記実施例4,5では、貯留浸透ユニット1,1Aが充填部材11を積層することによって形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、どのような貯留浸透ユニットにも適用することができる。
本発明の最良の実施の形態の貯留浸透ユニットの接続構造の構成を説明する斜視図である。
本発明の最良の実施の形態の貯留浸透ユニットの接続構造を備える貯留浸透システム全体の構成を説明する平面図である。
自在管の構造を説明する説明図である。(a)は正面図であり、(b)は断面図である。
本発明の実施例1の貯留浸透ユニットの接続構造の構成を説明する斜視図である。
本発明の実施例2の貯留浸透ユニットの接続構造の構成を説明する斜視図である。
継手部材の構造を説明する断面図である。(a)は継手部材を水平方向に切断して上から見た断面図であり、(b)は継手部材を鉛直方向に切断して正面から見た断面図である。
本発明の実施例3の貯留浸透ユニットの接続構造の構成を説明する斜視図である。
本発明の実施例4の貯留浸透ユニットの接続構造の構成を説明する説明図である。(a)は側面図であり、(b)は上面図である。
本発明の実施例5の貯留浸透ユニットの接続構造の構成を説明する説明図である。(a)は側面図であり、(b)は上面図である。
接続用充填部材の構造を説明する斜視図である。(a)は小孔状の貫通孔を備える場合、(b)は中空状の貫通孔を備える場合、(c)はスリット状の貫通孔を備える場合である。
本発明の実施例6の貯留浸透ユニットの接続構造の構成を説明する斜視図である。
側面部材の構造を説明する側面図である。(a)は側板を延長する場合、(b)は充填部材の側面を延長する場合である。
符号の説明
S 貯留浸透システム
C,C1〜C6 貯留浸透ユニットの接続構造
Da,Db 敷設方向
θ 接続角度
1,1A,1B 貯留浸透ユニット
11 充填部材
13,13A 集砂受枠
2 直管(フレキシブル管)
3,3A 自在管
4 フレキシブル管(直管)
5,5A 継手部材
6 半割れ管(直管)
71 砕石(充填材)
72 接続用充填部材(充填材)
721 小孔状の貫通孔(貫通孔)
722 中空状の貫通孔(貫通孔)
723 スリット状の貫通孔(貫通孔)
81 上面板(上面部材)
82 側面板(側面部材)
83 側板(側面部材)
84 側面(側面部材)