JP4942472B2 - 新規メトキシ化第4級アンモニウム塩、該化合物を含有する液体柔軟剤用添加剤及び該化合物を含有する液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような希釈や内容物の移し変え行為により、環境由来の微生物が内容物中に混入し、その増殖が危惧される。そこで、柔軟剤容器内での天然環境由来の微生物の増殖を防止する目的で、市販柔軟剤には、柔軟剤成分とともに防腐・殺菌剤が使用されている。
しかしながら、上述の希釈や内容物の移し変え作業により、容器内で環境由来の微生物が増殖する可能性が高くなり、ひいては香り立ちなどの品質に悪影響を与えることが考えられる。また、製品の濃縮化の進行に伴い組成物の粘度を下げる目的で2価金属無機塩が多用され、その結果、抗菌・防腐力が低下する弊害がでている。このような際にも、環境由来の微生物の増殖を防止する目的で、組成物に、より強力な抗菌防腐力をもたせる必要がある。さらに又、防腐剤は一般的に高価であり、しかも大量に配合することは皮膚刺激性など安全性の観点から好ましいことではない。
しかしながら、一剤で、液体柔軟剤組成物に防腐力と凍結復元安定性を付与できる添加剤は未だ提案されていない。
即ち、本発明は下記式(1)で表される化合物を提供する。
本発明はまた、上記化合物の少なくとも1種を含有する液体柔軟剤組成物を提供する。
新規化合物である本発明のメトキシ化第4級アンモニウム塩は、上記構造式(1)で表される。式(1)の化合物は、下記式(I)で表されるメチル−N−メトキシエチル−N,N−ジヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート(以下、「モノメトキシ化TEA4級塩」と略記する)(a−1)又は下記構造式(II)で表されるメチル−ビス(N−メトキシエチル)−N−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート(以下、「ジメトキシ化TEA4級塩」と略記する)(a−2)である。
本発明の添加剤は、液体柔軟剤組成物の全質量を基準として、0.5質量%以上含まれるのが好ましく、1〜5質量%含まれるのがより好ましい。このような範囲で含まれることにより、充分な防腐力と凍結復元安定化効果を付与できる。
本発明の化合物の製造方法を、モノメトキシ化TEA4級塩を例に説明する。モノメトキシ化TEA4級塩は下記の主反応プロセスによって得ることができる。
本発明で用いる成分(B)であるカチオン性界面活性剤は、分子内に、エステル基を含む1以上の炭素数12〜24の長鎖炭化水素基を含有するアミン化合物とその有機または無機酸による中和物、およびその4級化物である。これらは、いずれも1種または2種以上の混合物として用いることができる。本発明の液体柔軟剤組成物により処理した繊維製品の柔軟性を良好にするために、カチオン界面活性剤混合物中の長鎖炭化水素基を2つまたは3つ有するカチオン界面活性剤の質量比率は50%以上であることが好ましい。本発明で用いる成分(B)は、該長鎖炭化水素基の途中にエステル基を含有するため、使用後自然環境中へ廃棄された後に生分解される。本発明で使用できる(B)成分としては、具体的には以下の式(III)〜(IX)の化合物があげられる。
本発明においては、一般式(V)、(VI)、(VII)の4級化物の混合物を使用するのが好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物は、前記の(A)及び(B)成分に加え、(C)成分としてアルキレンオキシド付加型非イオン性界面活性剤を、組成物の安定性、特に乳化分散安定性及び凍結復元安定性、さらに特に凍結復元安定性を向上する目的で用いることが好ましい。
該非イオン界面活性剤としては、下記一般式(X)で表わされる高級アルコール又は高級脂肪酸エステル、或いは下記一般式(XI)で表わされる高級アミンのアルキレンオキシド付加物が好ましく、特に式(X)で表される高級アルコールのアルキレンオキシド付加物が好ましい。
高級アルコールは一級でも二級でもよく、その長鎖炭化水素鎖部分は、分岐していても直鎖でもよく、不飽和があってもよく、炭素鎖長に分布があってもよい。炭素鎖長は好ましくは10〜20、より好ましくは10〜18である。炭化水素鎖が不飽和基を含む場合には、炭素数は16〜18であるものが好ましく、不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよい。
一方、高級アルコールに付加するアルキレンオキシドはエチレンオキシド(EO)単独が好ましいが、エチレンオキシドにプロピレンオキシド(PO)を併用してもよく、これらアルキレンオキシドの平均付加モル数は10〜100であり、20〜80が好ましく、より好ましくは30〜60モルである。
さらに、本発明組成物には液体物柔軟剤組成物の粘度を抑制して、凍結復元時や長期間保存してもゲル化など急激な粘度上昇を生じない安定なエマルジョンとするため、上記成分に加えて、水溶性の無機塩もしくは有機塩を併用することがより望ましい。該水溶性塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、等の他、硫酸もしくは硝酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩などの無機塩だけでなく、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、乳酸などの有機酸のアルカリ金属塩、を使用できる。好ましくは、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムである。
該水溶性塩は、組成物全量に対して0〜3質量%、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%、添加することが好適である。下限量以下や上限量以上でも、粘度抑制効果が不充分であり、しかも乳化分散安定性を劣化させる。無機又は有機の水溶性塩類の添加は組成物製造のどの工程で入れてもよい。
組成物製造に関しての原料のハンドリング性向上や組成物の凍結復元安定性向上を目的として、炭素数1〜8の一価又は二価のアルコールを配合することができる。これらの一価又は二価のアルコールは、(A)成分もしくは(B)成分のハンドリング性を向上させるために、それらの反応溶媒や希釈剤として用いられることがあり、或いは液体柔軟剤組成物製造の際に配合される場合もある。
炭素数1〜8の一価又は多価のアルコールは、通常、組成物全量に対し0〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。
柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上することを目的として、金属イオン封鎖剤及び/又は酸化防止剤を含有することができる。
本発明組成物に配合し得る金属イオン封鎖剤の例としては、エチレンジアミン四酢酸塩やジエチレントリアミン五酢酸塩などに代表されるアミノカルボン酸塩、クエン酸、コハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、トリポリリン酸塩に代表される無機リン化合物、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸塩に代表される有機リン化合物などが挙げられる。金属イオン封鎖剤の内、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸塩が特に好ましい。尚、金属イオン封鎖剤を液体柔軟剤に配合する場合、遊離の酸として配合してもよく、塩として配合してもよい。
金属イオン封鎖剤の配合量は、組成物全量に対し、好ましくは0.0001〜1質量%、より好ましくは0.0005〜0.5質量%である。配合量が少なすぎるとその効果が弱くなる場合があり、多すぎると相分離を生じたりする場合がある。
酸化防止剤の配合量は、組成物全量に対し0〜1質量%、好ましくは0.0001〜0.5質量%、より好ましくは0.001〜0.1質量%である。配合量が少なすぎるとその効果が弱くなる場合があり、多すぎると製造コストが高くなる。
本発明組成物は、長期保存中の防腐性を一層強化するために、水性液体柔軟剤組成物に通常用いられる防腐剤を併用することができる。具体的には、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどが挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物の例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、およびそれらの混合物があげられる。より好ましい防腐・殺菌剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物であり、さらに好ましくは約77%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと約23%の2−メチル-4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物である。ローム・アンド・ハース社製のケーソンCG/ICP(約1.5質量%水溶液)、純正化学社製のジュンサイド5などの市販品を使用することができる。
また、ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物の例としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどがあげられ、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用できそれらを任意の混合比で使用することができる。このうち1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。このような化合物としては、アーチ・ケミカルズ・ジャパン社製のプロキセルシリーズ(BDN、BD20、XL−2、GXL)などの市販品を使用することができる。
安息香酸類の例としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等を挙げることができる。
液体柔軟剤組成物の外観を向上する目的で、任意の染料及び/又は顔料を配合することができる。好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。
本発明の液体柔軟剤組成物に用いられる染料としては、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報、特開2001−348784号公報、などに記載されている染料を用いることもできる。
香料組成物としては、脂肪族及び芳香族のエーテル類、脂肪族やテルペン類のオキサイド類、アセタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸や芳香族カルボン酸などの酸類、アマイド類、ニトリル、アミン、キノリン類、ピロールやインドールなどの含窒素化合物等々の、合成及び/又は天然系香料を含む調合香料の1種又は2種以上を混合し、使用することができる。
上記香料に含まれる香料成分としては特に限定されるものではなく、使用される香料成分のリストは、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」Vol.IandII,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)などに記載される香料成分を使用することができる。
防しわ性、吸水性、アイロンすべり性、など繊維の物性を改善する目的で、ジメチルポリシロキサン及び各種有機官能基を有する変性ジメチルポリシロキサンから選ばれるシリコーンを、1種単独で又は2種以上の混合物として任意の割合で使用することができる。特に、下記一般式(XII)で表わされる分子内にポリオキシアルキレン基を含有するポリエーテル変性シリコーン類が好適である。
本発明の液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、(B)成分が持つエステル基の組成物中での加水分解を抑制する目的で、pHを1.0〜6.0の範囲にすることが好ましく、特に、pH2.0〜4.0の範囲が好ましい。pH調整には、任意の無機又は有機の酸及びアルカリを使用することができ、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、リング酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸などのカルボン酸、水酸化ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを例示できる。この中でも、塩酸、メチル硫酸、水酸化ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物の粘度は特に限定されないが、容器からの排出性、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の点から、およそ1,500mPa・s(B型粘度計、TOKIMEC社製、25℃、以下同様)以下であることが好ましく、保存経日による粘度上昇を考慮すると、配合直後の粘度は10〜100mPa・sであるのが好ましく、10〜50mPa・sであるのがより好ましい。このような範囲にあると、長期保存後や凍結復元しても相分離やゲル化などの異常現象を起こさず、しかも前記の使用性が良好であるので好ましい。
液体柔軟剤の配合方法としては特に限定されず、種々の方法を用いることができるが、特に特開平2−68137号、特開平5−32788号、特開平5−32789号、及び特開平10−237762号公報に記載されている方法が好ましい。即ち、(A)成分と(B)成分を含む油相に、水相の一部を添加するか、あるいは水相の一部に該油相を添加して、高濃度のカチオン性界面活性剤を含む液晶相を形成させ、次いで該液晶相に残りの水相を添加して液晶相をO/W型エマルションへ転相する方法により、本発明の水性液体柔軟剤組成物を調製することができる。
本発明の液体柔軟剤組成物を充填する包装容器は、特に限定されないが、ポリエチレンあるいはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート製のボトル容器や、ポリエチレンや、ナイロン製のパウチ容器に充填するのが一般的である。近年は組成物の水分蒸発の抑制や、粘度や色調、香気などの性状変化を抑制するため、パウチの材質として、アルミやアルミナを蒸着させたポリエチレンやポリエチレンテレフタレートのフィルムを用いることがあり、これらを2層以上貼り合わせた多層フィルムを用いることができる。この中でも特に、ナイロン、ポリエチレンあるいはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートの内から2種以上を組合せて使用することが望ましい。また、これらには顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッピング剤などを含んでいてもよい。
本発明の柔軟剤組成物は、通常の洗濯において洗浄終了後の濯ぎの際に使用される。但し、洗浄工程なしに柔軟剤組成物単独で使用してもよい。洗濯工程における洗剤は、アニオン性主体の洗剤でも、非イオン性主体の洗剤でもよく、その他界面活性剤、機能向上剤を含んでいてもよく、国内外で市販されている洗剤すべての濯ぎ工程において使用することができる。繊維製品の仕上げを行う際の使用濃度は、繊維製品への柔軟性付与の観点から、濯ぎ工程で洗濯浴に満たされる繊維製品の仕上げを行う際の水量に対し、(A)成分単独、もしくは(A)成分と(B)成分の合計量の濃度が10〜100ppmとなるような量で使用するのが望ましい。より好ましくは20〜100ppmである。但し、使用者が洗濯機種、繊維製品の量、水量などを考慮して、好みの量に調整するのがもっとも好ましい。
本発明の柔軟剤組成物は、二層式洗濯機、全自動洗濯機、及び乾燥機能付洗濯機等の市販されている全ての洗濯機に使用することができる。
実施例1−1.[(a−1)成分:モノメトキシ化TEA塩の合成]
[メトキシエチルジヒドロキシエチルアミンの合成]
温度計、攪拌機を備えた1L圧力容器にメトキシエチルアミン(関東化学製)300g(4.0モル)を仕込んだ。液温が100℃に達した時点で酸化エチレン(三菱化学製)を少量ずつ仕込みながら液温を徐々に上げていき、150〜170℃に温度制御しながら酸化エチレンをトータル349g(7.93モル)導入し、反応圧として0.5MPa・G(ゲージ圧)以下で反応させた。酸化エチレンの仕込みが終わってから170℃に保持したまま1時間熟成させた。熟成終了後、液温を60℃まで冷却した。得られたメトキシエチルジヒドロキシエチルアミンのアミン価を測定した結果、342mgKOH/gであった。
[(a−1)成分:N−メチル−N−メトキシエチル−N,N−ジヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートの合成]
温度計、冷却装置、攪拌機を取り付けた1L容4つ口フラスコに、前記の方法で得られたメトキシエチルジヒドロキシエチルアミンを200g(Mw:163.4、1.22モル)仕込み、50〜60℃に液温を保持しながらジメチル硫酸(154.2g、1.22モル)を添加し、反応を行った。得られた4級アンモニウム塩中の残留アミン量は0.29%であり、アミンモノメチル硫酸塩は1.02%であった。
温度計、冷却装置、攪拌機を取り付けた1L容4つ口フラスコに、前記の方法で得られたメトキシエチルジヒドロキシエチルアミンを200g(Mw:163.4、1.22モル)仕込み、50〜60℃に液温を保持しながらジメチル硫酸(308.4g、2.44モル)を2時間かけて添加し、その後60℃で熟成反応を行った。得られた4級アンモニウム塩の残留アミン量は0.05%であった。得られた4級アンモニウム塩にKOH/メタノール(56.1g(1.0モル)/200g)を加えて中和し、生じた沈殿物を60℃にて濾別した。続いて得られた濾液を60℃、減圧下(1.3kPa以下)で組成物中のメタノールを留去し、標記の4級アンモニウム塩組成物を得た。プロトンNMRにより、モノメトキシ体:(a−1)成分/ジメトキシ体:(a−2)成分の比率を計算した結果、1/2.6であった。
実施例1−1、1−2で得られたモノメトキシ化TEA4級塩及びジメトキシ化TEA4級塩の化学構造解析結果を化7及び図1〜図5に示す。なお、化7中の丸付き数字は、図1及び図2中の丸付き数字と対応する。
13C-NMR(300MHz, D2O)δ=50.5-50.8, 55.9-56.2,56.1-56.3(CH3SO4 -),58.9-59.1,63.1-63.3,65.0-65.2,66.0-66.2.
MS(ESI+)モノメトキシ化TEA塩:m/z=178〔M〕+,134〔M-CH2CH2OH+H〕+,120〔M-CH2CH2OCH3+H〕+,102〔M-CH2CH2OCH3-OH〕+,59〔CH2CH2OCH3〕+、ジメトキシ化TEA塩:m/z=192〔M〕+,134〔M-CH2CH2 OCH3+H〕+,116〔M-CH2CH2OCH3-OH〕+,59〔CH2CH2OCH3〕+.
IR(透過FT-IR)754cm-1 1457-1473cm-1 2950cm-1 C-H結合,1006cm-1 1212-1251cm-1 C-0結合,3384cm-1 0-H結合,2850cm-1 CH3-OのC-H結合.
表−4に記載の、柔軟剤配合に供した(B)成分:(b−1)であるエステル基を含むモノ長鎖/ジ長鎖/トリ長鎖炭化水素基含有第4級アンモニウム塩混合物は下記の方法に従って調製した。
<エステルアミンの合成>
攪拌機、分縮器、温度計、冷却装置及び減圧セットを取り付けた2L容4つ口フラスコに、部分水添パーム油脂肪酸メチルエステル(ステアリン酸メチル40%+オレイン酸メチル40%+パルミチン酸メチル20%、から成る混合物、夫々ライオン(株)製パステルM180、パステルM181、パステルM16)581g(2.0モル)、トリエタノールアミン186g(1.24モル)、触媒である酸化マグネシウム0.4g、及び25%水酸化ナトリウム水溶液1.5gを、仕込んだ。窒素置換を行った後、70kPaまで減圧した。その後、1.5℃/minの速度で185℃まで昇温し、圧力を徐々に3kPaまで低下させ、7時間反応させた。未反応メチルエステルが1%以下であることを確認し、反応を停止した。得られた生成物から触媒由来の脂肪酸塩をろ過除去し、中間体のエステルアミンを得た。測定したアミン価から平均分子量を求めたところ、606であった。
<四級化>
得られたエステルアミン303g(0.50モル)を温度計、滴下ロート及び冷却装置を備えた1L容4つ口フラスコに仕込み、窒素置換した。その後、90℃に加熱し、ジメチル硫酸61.7g(0.49モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更にそのままの状態で1時間撹拌した。次いで、溶媒としてエタノール約64gを滴下しながら冷却して、モノ長鎖エステル/ジ長鎖エステル/トリ長鎖エステル第4級アンモニウムメチルサルフェート混合物(b−1)のエタノール溶液(不揮発分の濃度:約85%)を調製した。得られた第4級アンモニウム塩混合物中には、モノ長鎖エステル第4級アンモニウム塩/ジ長鎖エステル第4級アンモニウム塩/トリ長鎖エステル第4級アンモニウム塩が25/55/20の質量比で含まれており、ヨウ素価は34であった。さらに、不飽和結合のシス体/トランス体の質量比はシス体/トランス体=45/55、であった。また、該エタノール溶液中には、4級化されていないモノ長鎖エステル3級アミンとジ長鎖エステル3級アミンとトリ長鎖エステル3級アミンが合計で約9%含まれており、その質量比はモノ/ジ/トリ=1/9/90であった。
[配合実施例1〜8、配合比較例1〜3]
表−1〜4に示す成分を用い、液体柔軟剤組成物1kgを配合した。まず、油相混合物と水相混合物を調製しておく。但し、水相混合物は、質量比3:7となるよう二つに分け、それぞれ第一の水相混合物、第二の水相混合物とした。そして、油相混合物、第一の水相混合物及び第二の水相混合物の合計が990gになるように水相混合物を精製水でバランスした。その後、必要に応じ、塩酸(試薬5mol/L、関東化学(株)製)、または水酸化ナトリウム(試薬5mol/L、関東化学(株)製)を水相混合物に添加して、所定のpHに調整し、更に全体質量が1000gになるようにイオン交換水を添加して、表−4に示す液体柔軟剤組成物を得た。特に断りの無い限り、配合量はいずれの場合も柔軟剤組成物全体に対する質量%として示すが、%と略記する。
配合は、(A)成分、(B)成分(任意成分である適量の合成エタノール、及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸0.001%と予め混合)及び追加量のエタノールと香料組成物(BHT0.01%と予め混合)、必要に応じてポリエーテル変性シリコーンから成る油相混合物に、水相に配合する成分(以下、単に「水相」と称する)を含む第一の水相混合物を添加して、カチオン界面活性剤の液晶相を形成させ、次いで該液晶相と第二の水相混合物とを混合して液晶相を転相させる方法で行った。油相混合物は約55℃、水相混合物は約40℃に加温して混合した。尚、上記組成物を調製する際には、パドルミキサーを用い、液晶転相前後1000rpmで5分ずつ混合した。
また、表−4に記載の柔軟剤組成物には、(C)成分としてアルキレンオキシド付加型非イオン性界面活性剤(水相)と、任意成分である塩化カルシウム(最初の水相にその半量、油相混合物と水相混合物を混合後、液晶相を転相時に残りの半量添加)、及び染料(水相)を夫々各組成に従って配合した。尚、さらに必要に応じて所定量のイソチアゾロン液(水相)も添加した。尚、配合に用いた(C)成分を表−1に、香料組成物を表−2に、香料以外の共通任意成分を表−3に、夫々示す。得られた液体柔軟剤組成物について、下記に示す評価方法に従い、防腐力と凍結復元安定性を評価した。柔軟剤の組成と評価結果を表−4に記載する。尚、配合に際しては、配合直後の粘度が10〜50mPa・sの範囲に入るように、粘度調整剤である塩化カルシウムなどの配合量を調整した。
(CH3)3SiO(CH3CH3SiO)210(CH3HSiO)9Si(CH3)3で表されるハイドロジェンシロキサン828g、平均組成CH2=CHCH2O(CH2CH2O)9Hで表されるアリル化ポリエーテル210g、エチルアルコール726g及び塩化白金酸のClを中和したものを白金がアリル化ポリエーテルに対して重量で5ppmとなるように秤量して、反応温度80℃で攪拌し、5時間反応させた。反応終了後、減圧留去することにより、ポリエーテル変性シリコーンを得た。このポリエーテル変性シリコーン90gに対して、10gのジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加して使用した。
(1)凍結復元安定性
柔軟剤組成物約100mLを100mL容ガラス瓶に入れて、−15℃(40時間、凍結)⇔25℃(8時間、復元)を3回繰り返した後、下記の基準に従って、粘度及び液外観の変化の有無を判定した。尚、粘度は試料温度25℃、B型粘度計(TOKIMEC社製BL粘度計)を用いて、回転速度30回転/分、10回転目の値を読み取った。粘度が1000mPa・s以下の場合はNo.2ロータ、1,000 mPa・sを超える場合はNo.3ロータ、を夫々用いた。
<判定基準>
◎:凍結復元3回後の粘度が300mPa・s以下であり、液外観は異常無し。
○:凍結復元3回後の粘度が300超〜800mPa・s以下であり、液外観は異常無し。
△:凍結復元3回後の粘度800超〜1,500mPa・s以下、もしくは液外観が僅かに不均一ゲル化の兆候あり。
×:凍結復元1回後の粘度1,500mPa・s超であり、3回以内でゲル化した。
(2)防腐力
柔軟剤組成物を製造後、25℃で1日放置した供試試料に、Burkhorderia cepacia(バルクホルデリア セパシア)菌を10の6乗個/mLとなるように接種し、20℃で保存した。その後、経日的に試料中に生残している菌数を平板混釈法で測定。菌数が10個/g未満になる日数(死滅日数)を求めた。測定は1日後、4日後、7日後、14日後、(結果によっては21日後、28日後も、)実施し、菌数が10個/g未満になったときの日数を死滅日数とした。日数が少ないほど防腐力が強い。
結果を表−4に示す。
Claims (4)
Priority Applications (1)
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