JP4942441B2 - Icタグ付キャップ及びその成形方法 - Google Patents
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Description
このような観点から、ICタグが設けられたキャップにおいては、ICタグがキャップの頂板部に埋め込まれたものが提案されている(特許文献1及び特許文献2)。
一方、予め成形されたキャップシェル内にICタグを設置し、その上に樹脂層を形成する溶融樹脂を施し、これを圧縮成形することにより、ICタグをキャップ内に埋設一体化する方法は生産性に優れているが、この場合には、圧縮時の成形荷重によりICチップが損傷してしまうおそれがあり、かかるICチップの損傷を予防するために溶融樹脂量を多くすれば、成形時間及び樹脂目付け量の増加により、経済性及び生産性に劣るという問題を生じることになる。
またキャップシェル内にICタグを設置するに際して、ICタグの挿入位置の精度が悪いと、キャップシェル頂板部内面と樹脂層の接着不良が生じるおそれがある。
本発明の他の目的は、キャップを成形する際のICタグの損傷が有効に防止されたICタグ付キャップを提供することである。
本発明の更に他の目的は、ICタグがキャップ中に埋設されたICタグ付キャップを、ICタグを損傷することなく生産性よく成形可能な成形方法を提供することである。
本発明のICタグ付キャップにおいては、凹部がキャップシェル頂板部の中央に形成されていることが好適である。
本発明のICタグ付キャップにおいては、樹脂層の保護部に摘み部が形成されていることが好適である。
また本発明の第一の態様のICタグ付キャップにおいては、キャップ成形時のICタグの位置決めを容易に行うことができると共に、ICチップの損傷を防止することができ、ICタグの周囲にキャップシェル頂板部内面と樹脂層による環状の溶着部分が確実に形成されて、樹脂層の意図外の剥離等の問題を生じることが有効に防止される。
また本発明の第二の態様のICタグ付キャップにおいては、保護部を形成するようにポンチに凹部が形成されていることにより、キャップの成形時にICチップの損傷を防止することができる。
また本発明のICタグ付キャップにおいては、樹脂層の保護部を摘みとして形成し、樹脂層を剥離可能とすることにより、使用後キャップからICタグを容易に取り除くことができ、キャップとICタグの分別廃棄も可能になる。
本発明のICタグ付キャップの成形方法においては、ICタグがキャップ中に埋設されたICタグ付キャップを、ICチップを損傷することなく、しかも生産性よく成形することが可能となる。
本発明はこのような問題を解決するものであり、本発明の第一の態様のICタグ付キャップにおいては、ICタグのICチップがキャップシェル頂板部の内面側に位置すると共に、前記キャップシェル頂板部内面にはICタグのICチップに対応する凹部が形成され、該凹部にICチップが位置することが重要な特徴である。
本発明のICタグ付キャップは、概略的に言って、頂板部11及び頂板部11から垂下するスカート部12から成るキャップシェル10の頂板部11の内面にICタグ1が設置され、該ICタグ1が樹脂層30によってキャップシェル10に接着固定されて成っている。
キャップシェル10の頂板部11の内面には、容器口部内面と密着するインナーリング13a及び容器口部外面と密着するアウターリング13b並びにインナーリング13aとアウターリング13bの間に位置し、容器口部先端に当接する小突起13cが形成されており、これらによってキャップの密封性が確保されている。またスカート部12の内面側にはネジ部14が形成されていると共に、スカート部12の下端には弱化部15を介して、内面にフラップ片16を有するタンパーエビデントバンド17が形成されている。
更に頂板部12の内面中央には、ICタグ1のICチップ4に対応する凹部18が形成されている。
すなわち、上述した形状を有するキャップシェル10を、射出成形、圧縮成形等従来公知の成形方法により予め成形し、キャップシェルの頂板部11の内面に形成された凹部18にICチップ4が位置するようにICタグ1を設置する(図3(A))。次いで溶融樹脂40をICタグ1の上に施し(図3(B))、ポンチ50で溶融樹脂40を押圧するが(図3(C))、この際ICチップ4は凹部18内に位置しているため、ICチップ4はポンチ50の押圧による圧力を直接受けることがなく、ICチップ4はポンチ50による成形荷重で損傷することが有効に防止されている。ポンチ50で押圧された溶融樹脂40は、インナーリング13aで区画されたキャップシェル頂板部内面の中央部分19を展延し、この中央部分19が樹脂層30で被覆されると共に、ICタグ1よりも外周側に位置するキャップシェル頂板部内面の環状部分20と溶融樹脂が溶着して、ICタグ1はキャップシェル内に埋設された状態で一体化され、本発明の第一の態様のICタグ付キャップが完成する(図3(E))。
図4は、本発明の第二の態様のICタグ付キャップの一例を示す図であり、(A)は側断面図、(B)は底面図を夫々示す。
第二の態様のICタグ付キャップにおいては、キャップシェルの形状は、頂板部11の内面に凹部18が形成されていない以外は、第一の態様のキャップシェルと同様の形状を有し、ICチップ4が樹脂層30側に位置し、ICチップ4に対応する樹脂層に容器側に突出する保護部31が形成されていることが必須である点で第一の態様のICタグ付キャップと異なっている。
すなわち、前述した形状を有するキャップシェル10を予め成形し、キャップシェル10の頂板部11の内面の中央にICチップ4が上に位置するようにICタグを設置する(図5(A))。次いで溶融樹脂40をICタグ1の上に施し(図5(B))、ポンチ50で溶融樹脂40を押圧するが(図5(C))、この際用いるポンチ50のICチップ4に対応する押圧面の中央部に凹部51が形成されていることが重要である。これにより、ICチップ4は、ポンチ50の押圧による圧力を直接受けることがないので、ポンチ50による成形荷重で損傷することが有効に防止されている。ポンチ50で押圧された溶融樹脂40は、ICチップに対応する位置の肉厚が他の部分に比して厚肉に形成された保護部31を形成すると共に、インナーリング13aで区画されたキャップシェル頂板部内面の中央部分19を展延し、該中央部分19が樹脂層30で被覆されると共に、ICタグ1よりも外周側に位置するキャップシェル頂板部内面の環状部分20と溶融樹脂40が溶着して、ICタグ1はキャップシェル内に埋設された状態で一体化され、本発明の第二の態様のICタグ付キャップが完成する(図5(E))。
また第一の態様においても、図3に示したポンチ50のICチップ4に対応する位置に、第二の態様のICタグ付キャップの成形に用いるポンチと同様に、凹部を形成しておくことが好ましい。これにより、ICチップへのポンチの成形荷重をより低減することができると共に、樹脂層のICチップに対応する位置に樹脂層の肉厚に比して厚肉の容器側に突出する保護部を形成することができ、かかる保護部が、キャップを使用後廃棄する際に、樹脂層をキャップシェル10から引き剥がすための摘みとしての機能を有することになり、ICタグを樹脂から成るキャップシェル及び樹脂層とは別に分別廃棄することが可能となる。
尚、弱化部はスコア或いはミシン目等、樹脂層を容易に破断し得るものであればよい。
またタンパーエビデントバンドにおいても、タンパーエビデントバンド下端から上方に向くフラップ片による係合のみならず、図7に示すように、タンパーエビデントバンド内面からキャップの反開封方向に向くラチェット53による係合であってもよい。
またキャップシェル頂板部内面を覆う樹脂層を形成する樹脂としては、ポリエチレン等を使用することができ、特に線状低密度ポリエチレンを好適に用いることができる。
11 頂板部、12 スカート部、13 密封部、14 ネジ部、15 弱化部、
16 フラップ片、17 タンパーエビデントバンド、18 凹部、30 樹脂層、
31 保護部、32 弱化部、40 溶融樹脂、50 ポンチ、51 凹部。
Claims (5)
- 頂板部及びスカート部から成るキャップシェル内に、ICタグを設置し、樹脂層で被覆して成るICタグ付キャップにおいて、
前記ICタグのICチップがキャップシェル頂板部側に位置すると共に、前記キャップシェル頂板部内面にはICタグのICチップに対応する凹部が形成され、該凹部にICチップが位置し、前記樹脂層のICチップに対応する位置に、容器側に突出する保護部が形成されていることを特徴とするICタグ付キャップ。 - 前記凹部がキャップシェル頂板部の中央に形成されている請求項1記載のICタグ付キャップ。
- 頂板部及びスカート部から成るキャップシェル内に、ICタグを設置し、樹脂層で被覆して成るICタグ付キャップにおいて、
前記ICタグのICチップが樹脂層側に位置すると共に、前記樹脂層には、ICチップに対応する位置に容器側に突出する保護部が形成され、該保護部内にICチップが位置することを特徴とするICタグ付キャップ。 - 前記保護部に摘み部が形成されている請求項1又は3記載のICタグ付キャップ。
- 予め成形されたキャップシェル内にICタグを設置した後、溶融樹脂を施し、これをポンチで押圧して成るICタグ付キャップの成形方法において、
前記ポンチのICタグのICチップと当接する位置にICチップを保護するための凹部が形成されていることを特徴とするICタグ付キャップの成形方法。
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