JP4942028B2 - 水晶振動板及びその製造方法 - Google Patents

水晶振動板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4942028B2
JP4942028B2 JP2006291433A JP2006291433A JP4942028B2 JP 4942028 B2 JP4942028 B2 JP 4942028B2 JP 2006291433 A JP2006291433 A JP 2006291433A JP 2006291433 A JP2006291433 A JP 2006291433A JP 4942028 B2 JP4942028 B2 JP 4942028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
excitation
quartz
piece
diaphragm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006291433A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008109474A (ja
Inventor
誠 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Crystal Device Corp
Original Assignee
Kyocera Crystal Device Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Crystal Device Corp filed Critical Kyocera Crystal Device Corp
Priority to JP2006291433A priority Critical patent/JP4942028B2/ja
Publication of JP2008109474A publication Critical patent/JP2008109474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4942028B2 publication Critical patent/JP4942028B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Description

本発明は電子部品の一つである水晶振動子や水晶発振器内に搭載される水晶振動板及びその製造方法に関する。
現在、携帯電話やデジタル家電等の電子機器には、基準信号発生源やタイミングデバイスとして、水晶振動子や水晶発振器等の水晶デバイスが広く利用されている。これら水晶デバイスの内部には、図7のような、外周形状を矩形状又は円形状に加工された平板状の水晶片701の表裏両主面に、励振用電極702や、この励振用電極702を水晶デバイスの容器体に形成した水晶振動体接続用電極パッドと電気的に接続するための外部接続用電極703や、この励振用電極702と外部接続用電極703とを電気的接続した引出電極704を形成した水晶振動板700が搭載されている。水晶デバイスは、この水晶振動板700を構成する励振用電極702を介して水晶片701に、外部から変動電圧を印加することにより、水晶片701が圧電効果により所定の振動モード及び周波数で励振を起こす現象を利用している。
従来、このような水晶振動板700を製造する方法としては、水熱合成法により育成した人工水晶体を、所定のカットアングルでウエハ状に切断し、このウエハ状の水晶体を更に切断研磨及びエッチング等の外形加工を繰り返し施すことで、所望の厚みであり且つ概略平板状で主面の外周形状が円形或いは四角形の水晶片701を得、その水晶片701の表面に、蒸着法やスパッタリング法等を用いて、Cr及びAu等の金属からなる上述した形態の励振用電極702、外部接続用電極703及び引出電極704を形成する方法が用いられている。
上述したような水晶振動板及びその製造方法については、以下のような先行技術文献に開示されている。
日本水晶デバイス工業会技術委員会編集、「水晶デバイスの解説と応用」、日本水晶デバイス工業会発行、2002年3月発行、p.3〜13。 特開2001−230235公報 特開平11−88104号公報 特開平10−51265号公報
尚、出願人は前記した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を本件出願時までに発見するに至らなかった。
しかし、従来の平板状の水晶振動板では、励振用電極が形成されている励振領域と、外部接続用電極が形成されている支持領域との間に構造的な境界がないため、水晶振動板を容器体に搭載する際に外部接続用電極と容器側の電極パッドとを導電性接着剤や金属バンプ等で導通固着した場合、その固着作用により水晶振動板に不要な応力が加わってしまい、その応力が直接に励振領域における励振特性に悪影響を与えてしまう虞がある。
このような応力の悪影響を防止するために、従来では励振領域と支持領域との間に溝を形成して、固着支持による応力を溝部分により減衰させ、直接的に応力が励振領域に伝わることを防止することが行われているが、この構造では、別途水晶振動板に溝を形成する工程が必要となり、製造時間が余計に係り、又製造コストのアップの要因となってしまう。
更に、従来の人工水晶体に切断や研磨等の外形加工を施すことで水晶片を製造する方法では、人工水晶体の重量の半分以上を切断屑や研磨屑として廃棄しなければ成らず、1つの人工水晶体から形成される水晶片の取得効率が非常に低くなってしまう。特に本発明のように平板状ではない比較的複雑な形状の水晶片を従来の方法で形成する場合には、更に多くの切断屑や研磨屑が生じてしまい取得効率が更に低下してしまう虞がある。又、近年では水晶デバイスの小型化高周波化が進むにつれ、水晶デバイス内部に搭載する水晶振動体を構成する水晶片も小型化及び薄型化が迫れている。本発明のような形状の水晶片の小型化及び薄型化が進むと、従来の製造手段では、その製造手段の高精度化が必須となり、又切断や研磨等の加工工程も増やさなければ成らず、そのための機械設備が多数必要となるため、製造時間及びコストが多大にかかってしまう課題がある。
本発明の目的は、固着支持における応力の影響を著しく低くすることが可能な形態の水晶振動板と、その水晶振動板を構成する水晶片の製造時に、水晶片に従来のような機械的な外形加工手段を施すことが無く、更に水晶片の小型化薄型化にも簡便に対応できる製造方法を用いることより、励振特性が良好な水晶振動板を、更にその水晶振動板を低コストで簡易に製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明における水晶振動板は上述したような課題を解決するために成されたものであり、主面外形が概略矩形の薄板状水晶片の励振領域の表裏両主面には、それぞれ励振用電極が形成されており、この水晶片の短辺縁部には支持領域が設けられ、この支持領域には各励振用電極と各々電気的に接続した外部接続用電極が形成された水晶振動板において、この水晶振動板における励振領域と支持領域との間に、短辺全長にわたって水晶振動板の一方の厚み方向のみに曲折した形態の段差部が形成されており、且つ励振領域、段差部及び支持領域がつなぎ目のない一体構造で形成されており、水晶片の厚みが前記励振領域と前記段差部と前記支持領域とで同じであり、段差部が曲折した方向に向かって90°未満の角度で傾斜している形態であることを特徴とする水晶振動板である。
又、前段落に記載した水晶振動板において、この水晶振動板の2短辺のうち一方の短辺縁部のみに支持領域が設けられていることを特徴とする前段落記載の水晶振動板でもある。
更に、段落番号(0010)記載の水晶振動板において、この水晶振動板の高さ寸法tが、支持領域の水晶片の厚み寸法t1と励振領域の水晶片の厚み寸法t2を足した数値より小さいことを特徴とする水晶振動板でもある。
本発明における水晶振動板の製造方法は、上述したような課題を解決するために成されたものであり、励振領域と支持領域との間に接合部がない一体構造で形成した、主面外形が概略矩形の薄板状水晶片の励振領域の表裏両主面にそれぞれ励振用電極を形成し、水晶片の短辺縁部に前述したような支持領域を設け、この支持領域に各励振用電極と各々電気的に接続した外部接続用電極を形成した水晶振動板の製造方法において、気相結晶成長装置を用い、この気相結晶成長装置を構成する結晶成長室内の所定の位置に、所望する段差付き薄板状の水晶片の主面形状と同形状の段差付き面が頂面に形成された複数個の凸部が、一方の主面上にマトリックス状に各々一定の間隔を空けて形成されている水晶成膜用基板を、各凸部の頂部面を上方又は結晶原料ガス流入口に向けた形態で配置する工程と、この水晶成膜基板の表面上に水晶片を、気相結晶成長法により、この水晶片の励振領域が所望の周波数で励振する厚みまで所定の結晶配向でエピタキシャル成長させる工程と、水晶片が表面上に成長した水晶成膜用基板を前記結晶成長室内より取り出し、各凸部頂部面上に形成した水晶片を、各凸部頂部面から分離する工程と、分離した各水晶片の表面に励振用電極、外部接続用電極及び励振用電極と外部接続用電極とを電気的に接続する引出電極を形成する工程とを備えたことを特徴とする水晶振動板の製造方法である。
本発明における水晶振動板により、励振用電極が形成されている励振領域と、外部接続用電極が形成されている支持領域との間に段差部が形成されているため、水晶振動板を容器体に搭載する際に外部接続用電極と容器側の電極パッドとを導電性接着剤や金属バンプ等で導通固着した場合に生じた応力を、この段差部において著しく減衰させることができ、その応力が励振領域における励振特性に悪影響を与えてしまうことを防止することができる。
又、本発明における段差付き水晶振動板は上述したような製造方法により形成されるので、水晶振動板へ段差部を形成するための特別な工程は無く、水晶振動板を構成する水晶片の製造工程中で且つ水晶片形成と同時に一体構造で段差部を形成できる。従って、水晶振動板に段差部を形成しても、製造時間の増加もなく、又製造コストが増加することもない。又、本発明の水晶振動板は、段差部と励振領域及び支持領域との間につなぎ目がない一体構造なので、水晶振動板全体として強度的に弱い構造部分が無く、耐衝撃性に優れたものとなっている。
更に、気相結晶成長法を用いて単結晶基板上に直接水晶片を製造する方法であるために、従来の切断研磨等を用いて水晶片を製造する方法に比べ、水晶片を製造するための切断加工手段を施すことが無いので、水晶片の小型化薄型化が進んだ場合でも簡易に段差付き水晶振動子を構成する水晶片を製造することが可能となる。又、この水晶片製造時に、切断などの機械的な加工を水晶片に加えることがないので、水晶片の製造手段に起因する外周エッジ部分のチッピングやカケの発生はほとんど無くなり、水晶片の振動特性やドライブ特性にチッピングやカケによる悪影響を与えることは無く、更に、不定形不確定なチッピングやカケが各々の水晶片に生じてしまうことがないので、個々の水晶片で諸特性が一定となる。
因って、本発明は、固着支持における応力の影響を著しく低くすることが可能な形態の水晶振動板と、その水晶振動板を構成する水晶片の製造時に、水晶片に従来のような機械的な外形加工手段を施すことが無く、更に水晶片の小型化薄型化にも簡便に対応できる製造方法を用いることより、励振特性が良好な水晶振動板を、更にその水晶振動板を低コストで簡易に製造できる方法を提供する効果を奏する。
以下に、本発明における水晶振動板及びその製造方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明における水晶振動板の外観を示し、(a)は水晶振動板を段差部の曲折方向にあたる主面上方からみた平面図であり、(b)は図1(a)に記載の仮想切断線A−A′で切断した場合の概略断面図である。図2は図1(b)に記載の点線円A部分を拡大して図示した部分拡大断面図である。図3は本発明における水晶振動板の外観を示し、(a)は図1及び図2に記載の水晶振動板を示した斜視図であり、(b)は、本発明における水晶振動板における、図1及び図2に記載の水晶振動板とは異なる形態の水晶振動板を示した斜視図である。
更に、図4は、本発明における水晶振動板の製造方法に使用する気相結晶成長装置を示した説明図である。図5は、図4に記載の気相結晶成長装置を構成する結晶成長室内の支持台上に配置される水晶成膜用基板の一実施形態の一部分を、結晶成長室内露出側主面上方より示した部分外観斜視図である。図6は、本発明における水晶振動板の製造方法を、水晶成膜用基板の部分断面図を用いて主な各工程の形態を説明した工程図である。
尚、各図では、同じ符号は同じ部品を示し、又説明を明りょうにするため構造体の一部は図示していない。更に図示したものの寸法も一部誇張しており、特に水晶振動板の厚み寸法は著しく誇張して図示している。
即ち、図1、図2及び図3(a)において、主面上方より見た外形形状が概略矩形の薄板状水晶片101の励振領域102の表裏両主面には、それぞれ励振用電極103が形成されており、水晶片101の2短辺のうちの一方の短辺縁部には支持領域104が設けられ、支持領域104の角部を形成する各面の角部近傍は、各々の励振用電極103と各々電気的に接続した一対の外部接続用電極105が形成され、水晶振動板100を構成している。
この水晶片101の励振領域102と支持領域104との間には、水晶振動板100の一方の厚み方向のみに曲折した形態の段差部106が形成されており、この水晶片101を構成する励振領域102、段差部106及び支持領域105が、各々の境界部分につなぎ目のない一体構造で形成されている。
又、図2に記載のように、この水晶振動板100の高さ寸法tは、支持領域104の水晶片の厚み寸法t1と励振領域102の水晶片の厚み寸法t2を足した数値より小さいくなるように形成されている。このような構造とすることにより、水晶振動板100において、段差部106を形成しつつその形成領域を最小限に止め、且つ水晶振動板構造体としての強度を保つことが可能となる。
更に、励振領域102にの表裏両主面に水晶片101を間に挟んで対向する形態で形成したそれぞれの励振用電極103は、表裏両主面で異なる支持領域104に形成した外部接続用電極105と電気的に接続を取るために、水晶片101の表裏主面上にはそれぞれ、励振用電極103と外部接続用電極とを導通する引出電極107が形成されている。この引出電極107は、段差部106の表面にも形成しなくてはならないので、その形成を容易なものとするため、段差部106が曲折した方向に向かって90°未満の角度で傾斜した形態である(段差部106の表面が支持領域104及び励振領域102の主面に対して垂直ではない。)。これは上述した理由の他に、後述する水晶振動板の製造方法において、水晶片101のエピタキシャル成長を容易なものとするためでもある。
尚、本発明の水晶振動板の実施形態としては、図1等に示した水晶振動板100とは別に、図3(b)に示すような水晶振動板300がある。即ち、水晶片301の概略中央に励振領域302が形成されており、2つの短辺縁部それぞれに支持領域304が形成されており、励振領域302と各支持領域304との間に、図1記載の段差部106と同様な形態の段差部306が形成されている。このような2つの段差部306を有する形態の水晶片301の励振領域302の表裏両主面には励振用電極303が形成されており、又各々の支持領域304の表面には外部接続用電極305が形成されている。尚、水晶片301の表裏主面には、表裏に形成した各々の励振用電極において異なる方向の外部接続用電極と導通するための引出電極307が形成されている。
次に、上述したような形態の水晶振動板100及び300(以下、水晶振動板300に係る説明は省略する。)を製造する方法について説明する。
即ち、本発明では水晶振動板100を構成する水晶片101を形成する為に、図4記載のような気相結晶成長装置400を用いる。この気相結晶成長装置400は、大略的に、内部に水晶成膜用基板401とその水晶成膜用基板401を室内の所定の位置で支持する支持台402とを設けた結晶育成室403と、その結晶育成室403内を加熱するためのヒータ404と、結晶育成室403内に各種結晶原料ガスを流入させる結晶原料ガス供給手段と、不用な結晶育成室403内のガスを排気する排気手段から構成されており、結晶育成室403内に水晶成膜用基板401を所定の位置に配置した後、各結晶原料ガス供給手段から、図4に記載のような結晶原料ガスを結晶育成室内に所定の流量で供給しつつヒータ404にて結晶育成室403内を加熱することで、水晶成膜用基板401の結晶育成室内露出側主面上に水晶結晶を所望の厚さまで成長させる。
その際に使用される水晶成膜用基板401の一実施形態を図5に示す。この水晶成膜用基板401は、素材として単結晶サファイヤを使用した一体構造であり、その結晶育成室露出側の主面には、育成を所望する段差部106付き水晶片101の主面形状と同形状の段差付き面が頂面に形成された、水晶成膜用基板401外に向かって突出した複数個の凸部502が、マトリックス状に各々一定の間隔を空けて形成されている。尚、水晶成膜用基板401の素材としては、サファイヤの他に、シリコン、またはガリウム砒素(GaAs)等の単結晶素材を使用することが可能である。又、水晶成膜用基板401の凸部502の頂部平坦部上にはバッファ層(不図示)が形成されている。このバッファ層は、製造工程において凸部頂面上に成長させた各水晶片を水晶成膜用基板401から容易に分離させるために形成している。
次に、各製造工程毎の形態を、水晶成膜用基板の断面図などを用いて図示した図6の工程図を参照して説明する。尚、図6において図示する水晶成膜用基板は、図5に図示した形態の水晶成膜用基板401とする。
図6(a)において、まず、素材として単結晶サファイヤを使用した一体構造であり、その結晶育成室露出側の主面には、育成を所望する段差部106付き水晶片101の主面形状と同形状の段差付き面が頂面に形成された、水晶成膜用基板401外に向かって突出した複数個の凸部502が、マトリックス状に各々一定の間隔を空けて形成されている水晶成膜用基板401を用意する。
次に、図6(b)において、用意した水晶成膜用基板401を気相結晶成長装置を構成する結晶成長室(図4には不図示)内の支持台402上に配置し、気相結晶成長装置を稼働させ、気相結晶成長装置を構成する各種結晶原料ガス供給手段より、結晶原料ガスを結晶育成室内に所定の流量で供給しつつ、ヒータ(図4には不図示)にて結晶育成室内を加熱することで反応させ、少なくとも各凸部502上に、各凸部502頂部の段差付き形状と同形状の主面形状を有する水晶片101を、所望の厚さ及び結晶配向でエピタキシャル成長させる。例えば、結晶配向は通常ATカットと呼称されるカットアングルで人工水晶体から切り出された水晶片と同等であり、所望する励振周波数が基本波で100MHzの場合は約16.8μmの厚みまで成長させる。尚、水晶片101の形成前に、水晶成膜用基板401の少なくとも各凸部502頂部上にバッファ層を形成しても構わない。このバッファ層としては、水晶片101結晶成長時とは異なる加熱温度で成長させることで水晶片101結晶とは異なる性質又は非晶質の水晶層を形成使用し、その厚みは数十nm〜数百nmで形成する。
次に図6(c)において、所望する厚みにまで成長させた水晶片101を各凸部502の頂部平坦部上に形成した水晶成膜用基板401を、結晶成長室内から取り出す。その後、水晶片101と凸部502頂部表面との間の接合部を加熱又は冷却することで、この接合部で接合している素材の熱膨張率の違いや膨張方向の違い等の熱特性の違いにより接合部分に熱ストレスが生じさせ、水晶片101と凸部502頂部表面との間の接合部分を分離させることで、複数個の段差部付き水晶片101を同時に得ることができる。尚、バッファ層を形成した場合は、バッファ層を付着させた形態で水晶片を形成する。このバッファ層が付着した形態の水晶片でも、バッファ層の厚みが水晶片の厚みと比べ非常に薄いので、そのままの形態で水晶振動板の主構造材として使用することが可能である。
次に図6(d)において、各個分離した水晶片101を、整列治具などを用いて所定の個数をまとめ、既存の蒸着法又はスパッタリング法を用いて、各水晶片101表面にCrを下地とするAuとの積層構造の所望のパターンの励振用電極103、外部接続用電極105及び引出電極107を形成し、水晶振動板100を製造する。
このように、上述した本発明における水晶振動板の製造方法では、水晶片101を製造するために、切断などの機械的な加工を水晶片101に加えることがないので、水晶片101の製造手段に起因する外周エッジ部分のチッピングやカケの発生はほとんど無くなり、それらが起因となる水晶片101の振動特性やドライブ特性の不良の発生がほとんど無い。更に、このような不定形不確定なチッピングやカケが各々の水晶片に生じてしまうことがないので、個々の水晶片101における諸特性が一定となる。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、本発明の水晶振動板の製造方法に使用する水晶成膜用基板401の各凸部502頂部表面に形成した段差部の曲折向きが、凸部502頂面の外側に向かって凸となる形状としたが、逆に段差部の曲折向きを凸部502頂面の内側に向かって凹となる形状としても構わない。
図1は、本発明における水晶振動板の外観を示し、(a)は水晶振動板を段差部の曲折方向にあたる主面上方からみた平面図であり、(b)は図1(a)に記載の仮想切断線A−A′で切断した場合の概略断面図である。 図2は、図1(b)に記載の点線円A部分を拡大して図示した部分拡大断面図である。 図3は本発明における水晶振動板の外観を示し、(a)は図1及び図2に記載の水晶振動板を示した斜視図であり、(b)は、本発明における水晶振動板における、図1及び図2に記載の水晶振動板とは異なる形態の水晶振動板を示した斜視図である。 図4は、本発明における水晶振動板の製造方法に使用する気相結晶成長装置を示した説明図である。 図5は、図4に記載の気相結晶成長装置を構成する結晶成長室内の支持台上に配置される水晶成膜用基板の実施形態の一部分を、結晶成長室内露出側主面上方より示した部分外観斜視図である。 図6は、本発明における水晶振動板の製造方法を、水晶成膜用基板の部分断面図を用いて主な各工程の形態を説明した工程図である。 図7は、従来の水晶振動板の一形態を示す外観斜視図である。
符号の説明
100,300・・・水晶振動板
101,301・・・水晶片
102,302・・・励振領域
103,303・・・励振用電極
104,304・・・支持領域
105,305・・・外部接続用電極
106,306・・・段差部
107,307・・・引出電極
400・・・気相結晶成長装置
401・・・水晶成膜用基板
402・・・支持台
403・・・結晶成長室
404・・・ヒータ
502・・・凸部

Claims (4)

  1. 主面外形が概略矩形の薄板状水晶片の励振領域の表裏両主面には、それぞれ励振用電極が形成されており、前記水晶片の短辺縁部には支持領域が設けられ、前記支持領域には前記各励振用電極と各々電気的に接続した外部接続用電極が形成された水晶振動板において、
    前記水晶振動板における前記励振領域と前記支持領域との間に、前記短辺全長にわたって前記水晶振動板の一方の厚み方向のみに曲折した形態の段差部が形成されており、且つ励振領域、前記段差部及び前記支持領域がつなぎ目のない一体構造で形成されており、
    前記水晶片の厚みが、前記励振領域と前記段差部と前記支持領域とで同じであり、
    前記段差部が曲折した方向に向かって90°未満の角度で傾斜している形態であることを特徴とする水晶振動板。
  2. 請求項1記載の水晶振動板において、前記水晶振動板の2短辺のうち一方の短辺縁部のみに支持領域が設けられていることを特徴とする請求項1記載の水晶振動板。
  3. 請求項1記載の水晶振動板において、前記水晶振動板の高さ寸法tが、支持領域の水晶片の厚み寸法t1と励振領域の水晶片の厚み寸法t2を足した数値より小さいことを特徴とする請求項1記載の水晶振動板。
  4. 励振領域と支持領域との間に接合部がない一体構造で形成した、主面外形が概略矩形の薄板状水晶片の前記励振領域の表裏両主面にそれぞれ励振用電極を形成し、前記水晶片の短辺縁部に前記支持領域を設け、前記支持領域に前記各励振用電極と各々電気的に接続した外部接続用電極を形成した水晶振動板の製造方法において、
    気相結晶成長装置を用い、
    前記気相結晶成長装置を構成する結晶成長室内の所定の位置に、所望する段差付き薄板状の水晶片の主面形状と同形状の段差付き面が頂面に形成された複数個の凸部が、一方の主面上にマトリックス状に各々一定の間隔を空けて形成されている水晶成膜用基板を、前記各凸部の頂部面を上方又は結晶原料ガス流入口に向けた形態で配置する工程と、
    前記水晶成膜用基板の表面上に水晶片を、気相結晶成長法により、前記水晶片の励振領域が所望の周波数で励振する厚みまで所定の結晶配向でエピタキシャル成長させる工程と、
    水晶片が表面上に成長した前記水晶成膜用基板を前記結晶成長室内より取り出し、各前記凸部頂部面上に形成した前記水晶片を、各前記凸部頂部面から分離する工程と、
    分離した前記各水晶片の表面に励振用電極、外部接続用電極及び前記励振用電極と前記外部接続用電極とを電気的に接続する引出電極を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする水晶振動板の製造方法。
JP2006291433A 2006-10-26 2006-10-26 水晶振動板及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4942028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006291433A JP4942028B2 (ja) 2006-10-26 2006-10-26 水晶振動板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006291433A JP4942028B2 (ja) 2006-10-26 2006-10-26 水晶振動板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008109474A JP2008109474A (ja) 2008-05-08
JP4942028B2 true JP4942028B2 (ja) 2012-05-30

Family

ID=39442451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006291433A Expired - Fee Related JP4942028B2 (ja) 2006-10-26 2006-10-26 水晶振動板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4942028B2 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS637815A (ja) * 1986-06-27 1988-01-13 Tekunisuko:Kk 砥石製濾材
JP2651751B2 (ja) * 1991-01-07 1997-09-10 光技術研究開発株式会社 化合物半導体の結晶成長方法
JP3592218B2 (ja) * 2000-09-06 2004-11-24 株式会社ヒューモラボラトリー 水晶薄膜の製造方法
JP4442014B2 (ja) * 2000-10-04 2010-03-31 エプソントヨコム株式会社 表面実装型圧電デバイス
JP3589211B2 (ja) * 2001-09-19 2004-11-17 株式会社大真空 圧電振動デバイス
JP3703773B2 (ja) * 2002-03-28 2005-10-05 株式会社ヒューモラボラトリー 水晶振動子の製造方法
JP4028468B2 (ja) * 2003-09-29 2007-12-26 株式会社東芝 薄膜圧電共振器
JP2005213080A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Kyocera Kinseki Corp 水晶薄膜の製造方法
JP4413647B2 (ja) * 2004-02-27 2010-02-10 京セラキンセキ株式会社 プラノコンベックス形水晶エピタキシャル薄膜の製造方法
JP2006166419A (ja) * 2004-11-10 2006-06-22 Murata Mfg Co Ltd 圧電薄膜共振子及びその製造方法
JP4572679B2 (ja) * 2004-12-22 2010-11-04 株式会社村田製作所 圧電薄膜共振子
JP2006238207A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Kyocera Kinseki Corp 水晶振動板及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008109474A (ja) 2008-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101837516B1 (ko) 압전 진동편, 압전 진동자, 압전 진동편의 제조 방법, 및 압전 진동자의 제조 방법
WO2010079803A1 (ja) 圧電振動デバイスの製造方法
CN1921299A (zh) 压电振动器及其制造方法、振荡器、电子部件及其制造方法以及电子设备
JP2006339896A (ja) 圧電振動子の製造方法及び圧電振動子
US8319404B2 (en) Surface-mountable quartz-crystal devices and methods for manufacturing same
US20060006768A1 (en) Piezoelectric resonator and method for fabricating the same
JP2011045041A (ja) 表面実装用の水晶振動子
JP5182379B2 (ja) 複合基板の製造方法
JP5458651B2 (ja) 弾性表面波素子用基板及び弾性表面波素子の製造方法
CN112311353A (zh) 一种牢固安置型体声波谐振器及其制造方法
JP2008252859A (ja) 圧電デバイスおよび圧電デバイスの製造方法
JP4942028B2 (ja) 水晶振動板及びその製造方法
US20120217846A1 (en) Crystal Device
JP2007189492A (ja) 圧電基板の製造方法、圧電基板、圧電振動子、及び圧電発振器
JP4960060B2 (ja) 水晶振動板及びその製造方法
JP2007088691A (ja) 圧電振動片および圧電デバイスとこれらの製造方法
JP2021501475A (ja) 軟質シート上にフィルムを製造するための方法
JP4878235B2 (ja) 水晶成膜用基板及びそれを用いた水晶片の製造方法
JP2006229295A (ja) 振動子パッケージ
JP2009124587A (ja) 圧電振動片、圧電振動デバイス、および圧電振動片の製造方法
JP2008042431A (ja) 圧電振動子及びその製造方法
JP7462882B2 (ja) 圧電振動子及びその製造方法
JP4541983B2 (ja) 圧電振動子
JP7163395B2 (ja) 複合基板、圧電素子および複合基板の製造方法
JP2000223999A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4942028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees