JP4939343B2 - グロープラグ - Google Patents
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Description
特許文献1のグロープラグは、昇温部をなすシースヒータを有している。このシースヒータは、金属からなる有底筒状のシース内に、発熱体としてコイル状の抵抗発熱線が配設され、更に、耐熱性絶縁粉体が充填されている(特許文献1の図1やその説明箇所等を参照)。
また、特許文献2のグロープラグは、昇温部をなすセラミックヒータを有している。このセラミックヒータは、絶縁性セラミックからなる円柱状のセラミック基体の内部に、導電性セラミック等からなるU字状の発熱体が埋設されている(特許文献2の図1やその説明箇所等を参照)。
しかも、被照射面はレーザ光の照射により高温となるが、レーザ光放射部を被照射面から空間を介して離しているので、被照射面の熱がレーザ光放射部に直接伝わりにくい。このため、レーザ光放射部が熱により変形したり劣化することなどを防止できる。
また、レーザ光放射部と被照射面とが接している場合や、これらの間にガラスロッドなど透明な詰め物を介在させた場合は、レーザ照射時に被照射面から放出される昇温部の成分(原子等)が、レーザ光放射部或いは詰め物に付着して、レーザ光の被照射面への放射が妨げられるおそれがある。これに対し、本発明では、レーザ光放射部と被照射面とが空間を介して離間しているので、上記のようにレーザ光の被照射面への照射が妨げられることを抑制できる。
加えて、レーザ光放射部と被照射面とが近いと、レーザ照射時に被照射面から放出される昇温部の成分(原子等)が、レーザ光放射部に付着して、レーザ光の被照射面への放射が妨げられるおそれがある。これに対し、本発明では、レーザ光放射部と被照射面とが十分に離間しているので、上記のようにレーザ光の被照射面への照射が妨げられることを防止できる。
「被照射面」は、「昇温部」に設けたものであり、その形成位置は適宜変更でき、また、その形状も平面や曲面、凹凸面など適宜変更できる。例えば、先端が閉塞した有底筒状の金属筒を用いて、その筒状部分を「光路包囲部」とし、先端部を「昇温部」とした場合には、金属筒の先端部の内面を「被照射面」とすることができる。また、「被照射面」は、単数設ける他、複数設けることもできる。
なお、高融点材料は、耐熱性や加工性、コストなどを考慮して適宜選択することができるが、例えば、ステンレス、インコロイなどのFe系合金、インコネルなどのNi系合金、ステライトなどのCo系合金等の高融点金属材、WCやSiCなど炭化物、窒化物、酸化物からなる単結晶や多結晶、セラミック、ガラスなどが挙げられる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態1に係るグロープラグ100を示す。このグロープラグ100は、内燃機関(ディーゼルエンジン)に取り付けられて、内燃機関の始動補助に用いられる。
グロープラグ100は、基端部110k(図1中、上側)と、この基端部110kから先端側に延びる円筒状の筒状部(光路包囲部)110cと、この筒状部110cの先端側を閉塞する先端部(昇温部)110s(図1中、下側)とからなる有底筒状の主体金具110を備える。また、グロープラグ100は、主体金具110の基端部110k内に保持されたレーザ光放射部120を備える。なお、このグロープラグ100は、従来のシースヒータやセラミックヒータを有しない。
また、主体金具110の基端部110kは、その内側にレーザ光放射部120を固定して、筒状部110cの後端側を閉塞している。このため、筒状部110cは、その内外間が気密とされている。そして、筒状部110c内には、大気に代えて窒素ガスが充填されている。窒素ガスに置換することで、主体金具110(筒状部110c)の内側に露出する各部について酸化等を防止できるからである。
なお、本実施形態1では、内燃機関が冷えた状態でキースイッチがオンされたときに、外部レーザ発振器180で生成されるレーザ光LSの条件を、1J/パルス,出力30Wとしている。
また、レーザ光放射部120から被照射面110snまでのレーザ光LSの光路は、中空筒状をなす主体金具110の筒状部110cにより気密に包囲されている。
また、レーザ光放射部120を、凸レンズ121と光ファイバ123と光ファイバコネクタ122,124の光学転送部材を用いて構成しているので、レーザ光放射部120を容易に構成することができる。
次いで、第2の実施の形態について説明する。図2に本実施形態2に係るグロープラグ200を示す。このグロープラグ200は、レーザ光放射部220が凸レンズを有しない点が、上記実施形態1のレーザ光放射部120と異なる。それ以外は、基本的に上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態2では、レーザ光放射部220は、レーザ光LSを転送する光学転送部材として、光ファイバ223と光ファイバコネクタ222,224とを有する。光ファイバ223は、一端が主体金具110側の光ファイバコネクタ222に接続する一方、他端側が外部に延出し、他端が光ファイバコネクタ224に接続している。光ファイバコネクタ224は、グロープラグ200の外部に配置された外部レーザ発振器180に接続されている。
外部レーザ発振器180から放射されたレーザ光LSは、光ファイバコネクタ224を介して光ファイバ223により入射され、光ファイバコネクタ222を介して被照射面110snに向けて放射される。このようにしてレーザ光LSを被照射面110snに照射することで、この被照射面110snを含む昇温部110sだけを、短時間のうちに昇温させ高温にすることができる。
次いで、第3の実施の形態について説明する。図3に本実施形態3に係るグロープラグ300を示す。このグロープラグ300は、レーザ光放射部320がミラー325の他、レーザ発振器327をも有する点などが、上記実施形態1のレーザ光放射部120と異なる。それ以外は、基本的に上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態3では、レーザ光放射部320は、レーザ光LSを生成するレーザ発振器327を有する他、レーザ光LSを転送する光学転送部材として、凸レンズ321とミラー325を有する。このうち、凸レンズ321は、主体金具110内の所定位置に固設されている。一方、ミラー325とレーザ発振器327は、凸レンズ321よりも基端側(図3、上方)で、かつ、主体金具110よりも基端側に固設されている。
また、レーザ光放射部320は、レーザ光LSの光路を包囲する光路包囲部材326を有する。この光路包囲部材326は、凸レンズ321とミラー325との間のレーザ光LSの光路を包囲すると共に、ミラー325とレーザ発振器327との間のレーザ光LSの光路を包囲している。
次いで、第4の実施の形態について説明する。図4に本実施形態4に係るグロープラグ400を示す。このグロープラグ400は、レーザ光放射部420がミラー425の他、レーザ発振器427をも有する点などが、上記実施形態1のレーザ光放射部120と異なる。それ以外は、基本的に上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態4では、レーザ光放射部420は、レーザ光LSを生成するレーザ発振器427を有する他、レーザ光LSを転送する光学転送部材として、ミラー425を有する。ミラー425とレーザ発振器427は、主体金具110よりも基端側に固設されている。
また、レーザ光放射部420は、レーザ光LSの光路を包囲する光路包囲部材426を有する。この光路包囲部材426は、主体金具110とミラー425との間のレーザ光LSの光路を包囲すると共に、ミラー425とレーザ発振器427との間のレーザ光LSの光路を包囲している。
次いで、第5の実施の形態について説明する。図5に本実施形態5に係るグロープラグ500を示す。このグロープラグ500は、レーザ光放射部520がレーザ発振器527を有する点などが、上記実施形態1のレーザ光放射部120と異なる。それ以外は、基本的に上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態5では、レーザ光放射部520は、レーザ光LSを生成するレーザ発振器527を有する他、レーザ光LSを転送する光学転送部材として、凸レンズ521を有する。このうち、凸レンズ521は、主体金具110内の所定位置に固設されている。一方、レーザ発振部527は、凸レンズ521よりも基端側(図3、上方)で、かつ、主体金具110よりも基端側に固設されている。
また、レーザ光放射部520は、レーザ光LSの光路を包囲する光路包囲部材526を有する。この光路包囲部材526は、凸レンズ521とレーザ発振器527との間のレーザ光LSの光路を包囲している。
次いで、第6の実施の形態について説明する。図6に本実施形態6に係るグロープラグ600を示す。このグロープラグ600は、レーザ光放射部620がレーザ発振器627を有する点などが、上記実施形態1のレーザ光放射部120と異なる。それ以外は、基本的に上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態6では、レーザ光放射部620は、レーザ光LSを生成するレーザ発振器627を有する。このレーザ発振部627は、主体金具110よりも基端側に固設されている。また、レーザ光放射部620は、レーザ光LSの光路を包囲する光路包囲部材626を有する。この光路包囲部材626は、主体金具110とレーザ発振器627との間のレーザ光LSの光路を包囲している。
レーザ光放射部620は、主体金具110の基端部110k内に固定されており、レーザ光放射部620と昇温部110sの被照射面110snとは、空間を介して離間している。また、レーザ光放射部620から被照射面110snまでのレーザ光LSの光路は、中空筒状をなす主体金具110の筒状部110cにより気密に包囲されている。
例えば、上記実施形態1〜6では、主体金具110の筒状部110c内を窒素ガスに置換しているが、その他の不活性ガス等に置換したり、大気としてもよい。また、主体金具110(筒状部110c)内を真空にしてもよい。
また、グロープラグには、光学転送部材としてプリズムを用いることもできる。例えば、上記実施形態1のグロープラグ100において、凸レンズ121に代えて、プリズム129を配設することもできる。
110 主体金具
110c 筒状部(光路包囲部)
110s 先端部(昇温部)
110sn (先端部の)内側面(被照射面)
120,220,320,420,520,620 レーザ光放射部
121,321,521 凸レンズ(光学転送部材)
123,223 光ファイバ(光学転送部材)
122,124,222,224 光ファイバコネクタ(光学転送部材)
129 プリズム(光学転送部材)
325,425 ミラー(光学転送部材)
180 外部レーザ発振器
327,427,527,627 レーザ発振器
LS レーザ光
Claims (5)
- 外部に露出し使用時に昇温させる昇温部を備えるグロープラグであって、
前記昇温部は、レーザ光が照射される被照射面を有し、
自身で生成した又は他から転送されたレーザ光を、前記被照射面に向けて放射して、前記昇温部を昇温させるレーザ光放射部と、
少なくとも前記レーザ光放射部から前記被照射面までのレーザ光の光路を包囲する光路包囲部と、を備え、
前記レーザ光放射部と前記被照射面とは、レーザ照射時に前記被照射面から放出される前記昇温部の成分が、前記レーザ光放射部に付着することを防止可能な距離だけ、空間を介して離間してなる
グロープラグ。 - 請求項1に記載のグロープラグであって、
前記光路包囲部は、中空筒状をなし、その内外間を気密としてなる
グロープラグ。 - 請求項1または請求項2に記載のグロープラグであって、
前記昇温部は、1200℃以上の融点を有する高融点材料からなる
グロープラグ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のグロープラグであって、
前記レーザ光放射部は、レンズ、光ファイバ、ミラー、プリズム及び光ファイバコネクタの少なくともいずれかの光学転送部材を含む
グロープラグ。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のグロープラグであって、
前記レーザ光放射部は、レーザ光を生成するレーザ発振器を含む
グロープラグ。
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