JP4939342B2 - グロープラグ及びグロープラグ制御システム - Google Patents
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Description
特許文献1のグロープラグは、昇温部をなすシースヒータを有している。このシースヒータは、金属からなる有底筒状のシース内に、発熱体としてコイル状の抵抗発熱線が配設され、更に、耐熱性絶縁粉体が充填されている(特許文献1の図1やその説明箇所等を参照)。
また、特許文献2のグロープラグは、昇温部をなすセラミックヒータを有している。このセラミックヒータは、絶縁性セラミックからなる円柱状のセラミック基体の内部に、導電性セラミック等からなるU字状の発熱体が埋設されている(特許文献2の図1やその説明箇所等を参照)。
検知した温度に基づいてレーザ発振器のレーザ出力を制御することにより、昇温部の温度を制御できる。本発明のグロープラグでは、レーザ出力の制御によって昇温部の温度を局所的にかつ短時間で変化させることができるので、電気抵抗を利用した従来の発熱方式のグロープラグに比して、昇温部の温度を急激に上昇させるなど、高い自由度で昇温部の温度を制御できる。
加えて、本発明のグロープラグでは、温度センサとして、被照射面から放射される赤外線を検知して、昇温部の温度を検知する放射温度計を用いているので、昇温部の温度を容易かつ正確に測定することができる。また、この温度センサ(放射温度計)は、被照射面から離れた位置に配置するので、被照射面からの熱が温度センサに伝わりにくく、温度センサが熱により変形したり劣化することなどを防止できる。
「被照射面」は、「昇温部」に設けたものであり、その形成位置は適宜変更でき、また、その形状も平面や曲面、凹凸面など適宜変更できる。例えば、先端が閉塞した有底筒状の金属筒を用いて、その筒状部分を「光路包囲部」とし、先端部を「昇温部」とした場合には、金属筒の先端部の内面を「被照射面」とすることができる。また、「被照射面」は、単数設ける他、複数設けることもできる。
また、レーザ光放射部と被照射面とが接している場合や、これらの間にガラスロッドなど透明な詰め物を介在させた場合は、レーザ照射時に被照射面から放出される昇温部の成分(原子等)が、レーザ光放射部或いは詰め物に付着して、レーザ光の被照射面への放射が妨げられるおそれがある。これに対し、本発明のグロープラグでは、レーザ光放射部と被照射面とが空間を介して離間しているので、上記のようにレーザ光の被照射面への照射が妨げられることを抑制できる。
なお、高融点材料は、耐熱性や加工性、コストなどを考慮して適宜選択することができるが、例えば、ステンレス、インコロイなどのFe系合金、インコネルなどのNi系合金、ステライトなどのCo系合金等の高融点金属材、WCやSiCなど炭化物、窒化物、酸化物からなる単結晶や多結晶、セラミック、ガラスなどが挙げられる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態1に係るグロープラグ100及びグロープラグ制御システム190を示す。
グロープラグ制御システム190は、内燃機関(ディーゼルエンジン)に取り付けられて、内燃機関の始動を補助するグロープラグ100と、このグロープラグ100の外部に配置され、グロープラグ100にレーザ光LSを放射する外部レーザ発振器150と、グロープラグ100及びレーザ発振器150を制御するグロー制御ユニット(レーザ制御手段)160とを備える。
また、主体金具110の基端部110kは、その内側にレーザ光放射部120を固定して、筒状部110cの基端側を閉塞している。このため、筒状部110cは、その内外間が気密とされている。そして、筒状部110c内には、大気に代えて窒素ガスが充填されている。窒素ガスに置換することで、主体金具110(筒状部110c)の内側に露出する各部について酸化等を防止できるからである。
また、主体金具110の基端部110k内の所定位置には、ハーフミラー140が固設されている。
また、レーザ光放射部120から被照射面110snまでのレーザ光LSの光路は、中空筒状をなす主体金具110の筒状部110cにより気密に包囲されている。
また、レーザ光放射部120を、光ファイバ123と光ファイバコネクタ124の光学転送部材を用いて構成しているので、レーザ光放射部120を容易に構成することができる。
次いで、第2の実施の形態について説明する。図2に本実施形態2に係るグロープラグ200及びグロープラグ制御システム290を示す。本実施形態2は、グロープラグ200にレーザ発振器227が含まれる点が、グロープラグ100の外部に外部レーザ発振器150が配置された実施形態1と異なる。また、本実施形態2は、温度センサ230による温度の測定形態が、上記実施形態1の温度センサ130による温度の測定形態と異なる。それ以外は、基本的に上記実施形態1と同様であるので、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
レーザ光放射部220は、光学転送部材である凸レンズ221と、レーザ光LSを生成するレーザ発振器227と、レーザ光LSの光路を包囲する光路包囲部材226とを有する。このうち、凸レンズ221は、主体金具110内の所定位置に固設されている。また、レーザ発振部227は、凸レンズ221よりも基端側(図2、上方)で、かつ、主体金具110よりも基端側に固設されている。また、光路包囲部材226は、凸レンズ221とレーザ発振器227との間のレーザ光LSの光路を包囲している。
次いで、参考形態について説明する。図3に本参考形態に係るグロープラグ300及びグロープラグ制御システム390を示す。本参考形態は、上記実施形態2と同様に、グロープラグ300にレーザ発振器227が含まれる。但し、本参考形態は、温度センサ330が上記実施形態1及び2の温度センサ130,230と異なる。それ以外は、基本的に実施形態1または2と同様であるので、実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
レーザ発振器227から放射されたレーザ光LSは、凸レンズ221を通過して、被照射面110snに向けて放射される。このようにしてレーザ光LSを被照射面110snに照射することで、この被照射面110snを含む昇温部110sだけを、短時間のうちに高温にまでに昇温させることができる。
例えば、上記実施形態1,2では、主体金具110の筒状部110c内を窒素ガスに置換しているが、その他のガスに置換したり、大気としてもよい。また、主体金具110(筒状部110c)内を真空にしてもよい。
また、上記実施形態1,2では、グロー制御ユニット(レーザ制御手段)160がエンジン制御ユニットとは別に設けられている場合を例示したが、グロー制御ユニット(レーザ制御手段)がエンジン制御ユニットに含まれる形態とすることもできる。また、グロー制御ユニット(レーザ制御手段)をレーザ発振器と一体的に構成することもできる。
110 主体金具
110c 筒状部(光路包囲部)
110s 先端部(昇温部)
110sn (先端部の)内側面(被照射面)
120,220 レーザ光放射部
123 光ファイバ(光学転送部材)
122,124 光ファイバコネクタ(光転送部材)
131,231 光ファイバ
140 ハーフミラー
150 外部レーザ発振器
160 グロー制御ユニット(レーザ制御手段)
227 レーザ発振器
190,290,390 グロープラグ制御システム
221 凸レンズ(光学転送部材)
LS レーザ光
Claims (4)
- 外部に露出し使用時に昇温させる昇温部を備えるグロープラグであって、
前記昇温部は、レーザ光が照射される被照射面を有し、
自身で生成した又は他から転送されたレーザ光を、前記被照射面に向けて放射して、前記昇温部を昇温させるレーザ光放射部と、
少なくとも前記レーザ光放射部から前記被照射面までのレーザ光の光路を包囲する光路包囲部と、
前記昇温部の温度を検知する温度センサと、を備え、
前記温度センサは、前記被照射面から放射される赤外線を検知して、前記昇温部の温度を検知する放射温度計である
グロープラグ。 - 請求項1に記載のグロープラグであって、
前記レーザ光放射部と前記被照射面とは、空間を介して離間してなる
グロープラグ。 - 請求項2に記載のグロープラグであって、
前記光路包囲部は、中空筒状をなし、その内外間を気密としてなる
グロープラグ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のグロープラグと、
前記グロープラグの前記温度センサの出力に基づいて、前記レーザ光放射部が前記被照射面に向けて放射する前記レーザ光の強度を制御するレーザ制御手段と、
を備えるグロープラグ制御システム。
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