以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明の課題は、転写効率、転写中抜けに優れた表面が弾性を有する中間転写体(弾性中間転写体)のクリーニング性を改善することにある。特に、本発明は、芯金を有していないために、高い圧力でクリーニング部材を当接させることが困難な、弾性中間転写ベルトを使用する際に有効である。中間転写体のクリーニングとしては、ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、帯電ローラを用いる静電クリーニング、あるいは、それらの組み合わせ等のクリーニング装置がある。
弾性中間転写体上のクリーニングをブレードクリーニングのごとき中間転写体に負荷を与えてクリーニングする方法では弾性中間転写体に対するクリーニングブレードの接触負荷が大きくすると、クリーニングブレードが強い摺擦力で当接し弾性中間転写体に対して喰い込んでしまうため寿命を縮めてしまう。ゆえに弾性中間転写体のクリーニングには比較的に中間転写体に対する負荷が小さいファーブラシクリーニング、静電クリーニング(帯電ローラ)、あるいは、それらの組み合わせが有効である。
しかしこれらの方法では確かに画像出力速度の遅い電子写真機器においては非常に有効であったが、特に高速で画像を出力する電子写真機器においてはクリーニング性が不十分であったため、クリーニング不良が生じることがあった。
まず本発明者らは、クリーニング性を向上させるためにファーブラシの硬度を上げる、増毛する等を試みた。また帯電ローラと弾性中間転写ベルトの接触面積を広げ、弾性中間転写ベルトと帯電ローラの摩擦性を向上させることを試みた。しかしながら、これらの方法では弾性中間転写ベルトの寿命を縮めてしまう結果になった。
そこで本発明者らは、トナーの物性自体を物理的にクリーニングし易い物性にすることで有効にクリーニングできる方法を検討した。
本発明者らは、クリーニング時にファーブラシや帯電ローラ等のクリーニング機構がトナーや弾性中間転写体に与えるような小さな負荷で、トナー及び弾性中間転写体がどれだけ物理的な変形をするかを測定した。そして、上記の測定より、トナーと中間転写体の物性の関係が特定の条件を満たす場合に上記課題を達成できることを見出した。
本発明においてトナーの最大変位量(St)とは、特定の荷重に対してトナーが最大でどれだけ変形するのかを示す量であり、塑性変位量(It)とは特定の荷重を加えられて変形したトナーが、荷重を取り除いた時、その瞬間において、元に戻らずに変形している量を示す値である。そして前記StとItから算出される弾性変形率(Et)は下記式
Et=(St−It)×100/St
で表される。
同様に中間転写体の最大変位量(Sb)と塑性変位量(Ib)から算出される弾性変形率(Eb)(%)は下記式
Eb(%)=(Sb−Ib)×100/Sb
で表され、トナーと中間転写体の弾性変形率の和、つまり、Et+Ebが75〜135%の時に、ファーブラシクリーニングや帯電ローラ等のクリーニング機構を用いた場合に良好なクリーニング性を発揮することができた。特に高速の電子写真機器に使用される場合には、ファーブラシクリーニングが有効であった。
Et+Ebは、中間転写体上のトナーがファーブラシクリーニングのような弱い負荷に対して中間転写体とトナー全体とでどのくらいの弾性を有するかということを表している。Et+Ebが75%よりも小さくなると、ファーブラシのような弱い負荷に対してトナーや中間転写体が変形しにくいため、転写残トナーの掻き取りが悪くなり、クリーニング装置を通過しても中間転写体上の転写残トナーが多くなり、良質な画像が得られなくなる。また、中間転写体に傷が発生しやすくなる。
また、Et+Ebが135%よりも大きくなると、今度はトナーや中間転写体の弾性が高くなりすぎるため、中間転写体やトナーは大きく変形し、トナーや中間転写体に伝えるブラシの負荷が不均一となってしまう。そのため、中間転写体上に一部のトナーが融着したり、あるいは掻き取られずに中間転写体上に残存したりしやすくなる。
本発明では、トナーや中間転写体の最大変位量や弾性変形率が特定の値を有することにもそれぞれ意味がある。
本発明では、トナーの荷重9.8×10−5Nに対する最大変位量(St)が0.06〜0.24μmであるが、より好ましくは0.07〜0.22μmである。Stが0.06μmよりも小さくなると、感光体上に形成されたトナー画像が、中間転写体との当接部を通過し転写されるときに、トナーの飛び散りやラインの潰れが発生して転写材上の画像にガサツキ感が生じる。逆に0.24μmを超えると中間転写体への融着が発生する。
また、荷重9.8×10−5Nに対するトナーの弾性変形率は25〜60%であるが、好ましくは27%〜55%である。トナーの弾性変形率が25%よりも小さいと、感光体と中間転写体の当接ニップ部を通過した時にトナーが潰れてしまい、感光体上に転写されないトナーが残ってしまうため、1次転写効率が悪くなってしまう。また、トナーの弾性変形率が60%を超えると、例えば表面の凹凸が大きい再生紙等を転写材として使用した場合に凹凸の内部までトナーが入り込む前にトナーが変形してしまい、転写材にトナーが食い込み難くなる。そのため中間転写体から転写材への転写つまり2次転写効率が悪くなる。
トナーの荷重9.8×10−5Nに対する塑性変位量は、上記の関係を満たす値であれば特に限定されないが、好ましい範囲としては、0.05〜0.20μmである。
トナーの最大変位量はトナー中の結着樹脂の分子量や架橋密度に影響されるため、樹脂の組成、架橋剤の添加、硬さを調整するような樹脂成分の添加、製造時の溶融混練工程での混練温度やシェアの掛け方等で調整することができる。例えば、架橋剤をトナー中に添加することによって最大変位量は小さくなる。また低温で混練シェアを大きくすることでトナーの結着樹脂成分の分子鎖を切断し、最大変位量を大きくすることが出来る。
塑性変位量はトナー中の添加剤で調整できる。例えば、離型剤を添加することによって塑性変位量を大きくすることができる。またフィラーとして働くような荷電制御剤を選んで添加することにより、塑性変位量を小さくすることができる。
弾性変形率は最大変位量と塑性変位量から算出される値であるため、これらを調整することで上記範囲に収めることができる。
従来のトナーでは最大変位量が大きく、塑性変位量も大きくなる傾向にあったため、中間転写体を使用する高速の電子写真機器において、中間転写体への融着や2次転写効率が悪いという課題を有していた。
中間転写体の荷重9.8×10−5Nに対する最大変位量は0.10〜1.00μmであるが、好ましくは0.15〜0.90μmである。0.10μmよりも小さいと当接部通過時にトナーが押しつぶされてしまうため、一部のトナーが感光体に付着したまま転写されないで残ってしまい、転写中抜けが発生しやすい。1.00μmを超える場合は、非常に軟らかい弾性層を中間転写体に用いらなければならないため、中間転写体の寿命が著しく低下する。
中間転写体の荷重9.8×10−5Nに対する弾性変形率は50%以上であるが、好ましくは55〜90%である。50%未満であると、中間転写体が当接部を通過時に変形した後、元に戻り難いため、感光体や転写材との当接時間が短くなってしまう。そのため1次転写効率、2次転写効率共に悪くなる。
中間転写体の荷重9.8×10−5Nに対する塑性変位量については本発明においては特に限定はされないが、好ましい範囲としては、0.05〜0.50μmである。ここで議論される塑性変位量とは、特定の荷重を加えられて変形した中間転写体が、荷重を取り除いた時、その瞬間において、元に戻らずに変形している量であり、荷重を取り除いた後、いつまでも変形が続いているということを意味しているものではない。
中間転写体の最大変位量は中間転写体の弾性層に使用される樹脂やゴムの物性、あるいは表層の厚さによって調整可能である。塑性変位量は弾性層の厚さや、添加剤の量によって調整が可能である。また、弾性変形率は最大変位量と塑性変位量から算出される値であるため、これらを調整することで上記範囲に収めることができる。具体的な物性、製造方法については後述する。
本発明のトナーは、トナーに含まれる粒子のうち、円相当径が2μm以上の粒子の平均円形度が0.920〜0.960である。前記平均円形度は、トナー粒子の平均円形度を実質的には表しており、より好ましくは0.925〜0.955である。本発明のようなトナーや中間転写体の最大変位量や弾性変形率が上記範囲であり、さらにトナー粒子が特定の範囲内で球形化されることによって現像性を損なうことなく、1次転写効率、2次転写効率共に向上した。また外添剤による流動性付与の効果も大きくなった。
トナーの平均円形度が0.920未満の場合は、外添剤による流動性付与の効果が小さくなるため、トナーの流動性が低下し、トナーの帯電量にバラツキが生じ、転写効率の低下やガサツキ性の悪化が生じやすくなる。また、前記平均円形度が0.960よりも大きい場合は、中間転写体のクリーニング性や中間転写体への融着性も悪化する。前記平均円形度は、トナー粒子の球形化処理によって調整することが可能である。
次に、本発明に用いられる結着樹脂について説明する。
本発明で使用できる結着樹脂は、トナー用結着樹脂として公知の物が使用できるが、好ましいのは(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、及び(f)ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物から選択される樹脂である。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合は、多価アルコールと多価カルボン酸、もしくは多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。
具体的には、例えば二価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
また、架橋部位を有するポリエステル樹脂を形成するための3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸及び、これらの無水物やエステル化合物等が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記一般式(イ)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
本発明のトナーに含有される結着樹脂において、「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成する樹脂であり、好ましくはビニル系重合体ユニットを幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)である。なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分が用いられ、ビニル系重合体ユニットを構成するビニル系モノマーとしては、ビニル基を有するモノマー成分が用いられる。
ビニル系重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を二個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。この場合に用いられる架橋剤には、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明ではビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットのいずれか一方又は両方の中に、両樹脂ユニットの成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂ユニットを構成するモノマーのうちビニル系重合体ユニットの成分と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体ユニットを構成するモノマーのうちポリエステルユニットの成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットの反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットのそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行うことにより得る方法が好ましい。
本発明に用いられるビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
本発明のトナーに用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(5)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行って、ハイブリッド樹脂を合成する方法。
(2)ビニル系重合体製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)との反応、及び前記ユニット及びモノマーと必要に応じて添加されるポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステル樹脂製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマーとの反応、及び前記ユニット及びモノマーと必要に応じて添加されるビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(4)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸)のいずれか一方又は両方を添加し、添加したモノマーに応じた条件の重合反応を行うことにより、ハイブリッド樹脂成分を製造することができる。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(多価アルコール、多価カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)乃至(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットには、分子量や架橋度の異なる複数種の重合体ユニットを使用することができる。なお、本発明におけるビニル系重合体又はビニル系重合体ユニットとは、ビニル系単重合体若しくはビニル系共重合体又はビニル系単重合体ユニット若しくはビニル系共重合体ユニットを意味するものである。
詳細な製造方法については言及しないが、本発明ではトナーの最大変位量(St)と結着樹脂の組成や分子量は関係するため、モノマー組成や触媒、反応条件の選択が重要である。
本発明で使用される着色剤として、黒色着色剤としては、カーボンブラック、或いは、磁性体を用いても良く、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用い黒色に調色したものを利用しても良い。
本発明のトナーをカラートナーとして用いる場合の着色剤としては、公知の染料及び顔料使用することができる。
マゼンタトナー用着色顔料としてはC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19などが挙げられる。
着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料が挙げられる。
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、及び下記式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185などが挙げられる。
イエロー用着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162等があり、顔料と染料を併用することも好ましい。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜15質量部であり、より好ましくは0.5〜12質量部であり、最も好ましくは0.6〜10質量部である。
本発明では、離型剤を添加することも可能である。離型剤は一般にはオイルレス定着機構を有する電子写真機器においても優れた定着性を発揮するトナーを提供するために添加されるが、本発明ではトナーの塑性変形量や弾性変形率を調整するための材料としても好ましく用いることが出来る。
離型剤は市販の物が使用できるが、一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリルなどのエステルワックス、カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
本発明において特に好ましく用いられる離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒で重合した低分子量のポリアルキレンワックス、パラフィンワックス、石炭又は天然ガスから合成されるフィッシャートロプシュワックス、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー、一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物];ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素;パラフィンワックスが、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
本発明においてトナーに荷電制御剤を使用することで、帯電量を調整することも出来る。荷電制御剤は公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。さらに芳香族カルボン酸の金属化合物は、トナーの架橋を向上させ、フィラーとして作用する効果もあり、本発明のようにトナーの塑性変位量や弾性変形率を調整する上で非常に有効である。中でも芳香族オキシカルボン酸のアルミニウム錯体が荷電制御剤としても架橋性向上剤としても特に好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が利用できる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が利用できる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し総量で0.2〜10質量部が好ましい。
次にトナー粒子に添加して用いることのできる一次平均粒径70〜150nmの微粒子について説明する。該微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.5乃至4.0質量部であることが好ましい。また、より好ましくは、微粒子の一次平均粒径が90〜140nmであり、含有量が0.8〜2.0質量部である。一次平均粒径70〜150nmの微粒子は、通常、転写助剤として転写効率を向上させるために添加されるが、本発明では更に弾性中間転写ベルトをファーブラシでクリーニングする構成においてクリーニング性を向上させる働きがあることも見出した。一次平均粒径が70nmよりも小さいと転写性向上への寄与が小さくなるだけでなく、中間転写ベルトのクリーニング性を十分に向上させることが困難となる。逆に、一次平均粒径が150nmよりも大きくなると中間転写体への融着や傷の発生が若干悪くなる傾向にあった。また、添加量が0.5質量部よりも少ないと転写性や弾性中間転写ベルトのクリーニング性向上の効果があまり得られない。
また、該微粒子としては、球状のシリカを用いることが好ましい。これは70〜150nmのシリカがクリーニングされ難いトナーを吸着してファーブラシで回収され易くする働きがあると共に、弾性中間転写ベルトに融着に近い状態で付着しているトナーに対して研磨剤として働くからである。特には、アルコキシシランを水が存在する有機溶媒中において、触媒により加水分解、縮合反応させて得られるシリカゾル懸濁液から、溶媒を除去し、乾燥して、粒子化する、所謂、ゾルゲル法により製造された一次平均粒径70〜150nmの球状シリカが好ましい。
なお、Et+Ebが75%未満の時に70〜150nmの微粒子を使用すると、70〜150nmのシリカ自身がファーブラシやに回収され難くなった。また、135%よりも大きい時は70〜150nmの微粒子が核となって弾性中間転写ベルト上にトナーの融着物が発生し易くなった。
また、本発明のトナーは、上記一次平均粒径70〜150nmの微粒子とは別に、流動性向上剤が外添されていることが、画質向上の観点から好ましい。
流動性向上剤としては、シリカ微粉体,酸化チタン,酸化アルミニウム等の無機微粉体が好ましく、更には、シランカップリング剤,シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることがより好ましい。
流動性向上剤は、通常、トナー粒子100質量部に対して0.5〜5質量部使用される。
本発明における流動性向上剤は酸化チタンとシリカを併用することが好ましいが、特に好ましい酸化チタンとシリカを以下に示す。
酸化チタンとしては、シラン化合物又はカップリング剤及び/又はシリコーンオイル又はシリコーンワニスによって表面処理された、楕円球形状のルチル型疎水性酸化チタン微粒子で、トナー表面上の一次平均粒径が8〜100nm、長軸径/短軸径の比が1.1〜5.0であれば更に好ましい。
流動性向上剤としてのシリカは一次平均粒径が5〜60nmで、シラン化合物又はカップリング剤及び/又はシリコーンオイル又はシリコーンワニスによって表面処理されていることが好ましいが、特にシリコーンオイル処理されていることが好ましい。
本発明のトナーでは、従来のトナーに比べて若干ではあるが、弾性変形率が高くなっている。そのため、流動性向上剤がトナーに埋め込まれ易くなる懸念があったが、楕円球形状のルチル型が、埋め込みに対して有利に働き、しかも適度な埋め込まれ具合で従来のトナーよりも耐久性が向上する働きがある。また、シリコーンオイル処理されたシリカ及び酸化チタンは、転写中抜けの防止だけでなく、上記一次平均粒径70〜150nmの微粒子と同様にクリーニングされにくいトナーを吸着させる働きと、吸着したトナーが弾性中間転写ベルトからはがれ易くする働きも有している。
次に本発明で使用される磁性キャリアについて説明する。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合は、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。
上記磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて調製した塗布液を磁性キャリア粒子表面に付着せしめる方法、磁性キャリア粒子と被覆材とを粉体の状態で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
磁性キャリア粒子の表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いられる。
上記被覆材料の処理量は、磁性キャリア粒子に対し0.1〜30質量%(好ましくは0.5〜20質量%)が好ましい。磁性キャリアの個数平均粒径は10〜100μmであることが好ましく、20〜70μmであることがより好ましい。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として2〜15質量%にすると通常良好な結果が得られ、より好ましくは4〜13質量%である。
本発明のトナーは、トナー粒子の形状を球形に近づける特定の処理装置を用いることによって、円形度を調整することが可能である。このようなトナー粒子の形状の処理を行えば高い転写性が得られる。
トナー粒子を球形化する装置としては、例えば、粒子表面を熱溶融させて球形化させるサーフュージョン(日本ニューマチック社製)、熱風式球形化装置(ホソカワミクロン社製)等の熱処理装置等が挙げられる。或いは機械的衝撃処理によって粒子表面を球形化するハイブリダイザー(奈良機械社製)やターボミル(ターボ工業社製)、クリプトロン(川崎重工社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)等が挙げられる。
また、離型剤のトナー粒子表面へのしみ出しに関しても配慮して球形化処理を行うことが好ましく、このような処理が可能な装置としては、以下のような装置が挙げられる。
図1は、好適に使用することのできる表面改質装置の一例である。
図1に示す表面改質装置では、ケーシング15と、冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示しない)と、所定の粒径よりも大きい粒子と所定の粒径以下の微粒子とを分ける分級手段である分級ロータ1と、粒子に機械的な衝撃を与えて前記粒子の表面を処理する表面処理手段である分散ロータ6と、分散ロータ6の外周に対して所定の間隔を有して周設されるライナ4と、分級ロータ1で分けられた粒子のうちの所定の粒径より大きい粒子を分散ロータ6に案内する案内手段であるガイドリング9と、分級ロータ1で分けられた粒子のうちの所定の粒径以下の微粒子を装置の外に排出する排出手段である微粉回収用排出口2と、分散ロータ6で表面を処理された粒子を分級ロータ1に送る粒子循環手段である冷風を系内に導入する冷風導入口5と、被処理粒子をケーシング15内に導入するための原料供給口3と、表面を処理された粒子をケーシング15内から排出するための開閉自在な粉体排出口7及び排出弁8とを有する。
分級ロータ1は、円筒状のロータであり、ケーシング15内の一端面側に設けられている。微粉回収用排出口2は、分級ロータ1の内側の粒子を排出するように、ケーシング15の一端部に設けられている。原料供給口3は、ケーシング15の周面の中央部に設けられている。冷風導入口5は、ケーシング15の周面の他端面側に設けられている。粉体排出口7は、ケーシング15の周面で原料供給口3に対向する位置に設けられている。排出弁8は、粉体排出口7を自在に開閉する弁である。
冷風導入口5と、原料供給口3及び粉体排出口7との間には、分散ロータ6及びライナ4が設けられている。ライナ4は、ケーシング15の内周面に沿って周設されている。分散ロータ6は、図2に示すように、円盤と、この円盤の周縁に、円盤の法線に沿って配置される複数の角型ディスク10とを有する。分散ロータ6は、ケーシング15の他端面側に設けられており、かつライナ4と角型ディスク10との間に所定の間隔が形成される位置に設けられている。ケーシング15の中央部にはガイドリング9が設けられている。ガイドリング9は、円筒体であり、分級ロータ1の外周面の一部に被さる位置から、かつ分級ロータ6の近傍まで延出するように設けられている。ガイドリング9は、ケーシング15内に、ガイドリング9の外周面とケーシング15の内周面とに挟まれた空間である第一の空間11と、ガイドリング9の内側の空間である第二の空間12とを形成する。
なお、分散ロータ6は、角型ディスク10の代わりに円柱状のピンを有していても良い。ライナ4は、本実施の形態では角型ディスク10に対向する表面に多数の溝が設けられているものとするが、表面に溝を有さないものであっても良い。また、分級ロータ1の設置方向は、図1に示したように縦型でも構わないし、横型でも構わない。また、分級ロータ1の個数は、図1に示したように単体でも構わないし、複数でも構わない。
以上のように構成してなる表面改質装置では、排出弁8を閉とした状態で原料供給口3から微粉砕品を一定量投入すると、投入された微粉砕品は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ロータ1で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は、分級ロータ1の周面を通過して分級ロータ1の内側に導かれ、装置外へ連続的に排出除去される。所定粒径以上の粗粉は、遠心力によりガイドリング9の内周(第二の空間12)に沿いながら分散ロータ6により発生する循環流にのり、角型ディスク10とライナ4との隙間(以下、「表面改質ゾーン」とも言う)へ導かれる。表面改質ゾーンに導かれた粉体は、分散ロータ6とライナ4との間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング9の外周(第一の空間11)に沿いながら分級ロータ1に運ばれ、分級ロータ1により、さらに微粉は機外へ排出され、粗粉は、循環流にのり、再度第二の空間12に戻され、表面改質ゾーンで繰り返し表面改質作用を受ける。このように、図1の表面改質装置では、分級ロータ1による粒子の分級と、分散ロータ6による粒子の表面の処理とが繰り返される。一定時間経過後、排出弁8を開とし、排出口7より表面改質粒子を回収する。
このような装置では、熱による離型剤のしみ出しはほとんど無く、前述した公知の機械的衝撃力を与えるシステムに比べ、新しい表面が出ることによるトナー粒子の表面への離型剤のしみ出しも生じ難く、トナー粒子の球形化と離型剤のしみ出しの調整を容易に行うことができ、非常に好ましい。
本発明の画像形成装置の構成を満たす装置の一例を図3に示す。
本画像形成装置は、像担持体及び像担持体上にトナー像を形成するための帯電、露光、現像を行う各手段を含む画像形成部を複数並置し、第2の像担持体としての中間転写体上に複数の像担持体上にて形成される各色のトナー像を多重転写し、その後第2の像担持体としての中間転写体上に多重転写されたトナー像を記録材上に一括転写する、中間転写体上多重転写系のタンデム式電子写真画像形成装置である。
図3に示すように、本実施例の画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を形成する各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを備えており、各画像形成部では、1次帯電手段2a〜2d、露光手段6、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の現像装置3Y、3M、3C、3Bkを用いて、各感光ドラム1a、1b、1c、1d上に各色のトナー像を形成する。
また、本装置においては、第2の像担持体であるベルト状の中間転写体、即ち、中間転写ベルト8cが、各感光ドラム1a〜1d上から多重転写されて形成されたトナー像を担持して、このトナー像を記録材P上に一括転写する2次転写部位まで搬送する。中間転写ベルト8cは、中間転写ベルト駆動ローラ43、テンションローラ41、及び2次転写対向部材としての2次転写対向ローラ42に巻架され、図3中の矢印W方向に回転する。
各感光ドラム1a〜1dは、中間転写ベルト8cを介してそれぞれ転写帯電手段としての1次転写帯電ローラ40a、40b、40c、40dと対向している。
画像形成動作が開始すると、中間転写ベルト8cが矢印W方向に回転して、各感光ドラム1a〜1d上に形成した各色のトナー像は、転写部N2にて、各1次転写帯電ローラ40a〜40dの作用によって順次重ねて中間転写ベルト8c上に静電的に転写される。その後、転写されずに感光体上に残存したトナーは、クリーニング手段4a〜4dによって除去される。
尚、本実施例によると、それぞれの転写帯電ローラ40a〜40dは、中間転写ベルト8c上の画像形成領域より広い範囲に亙って電荷を供給して、それぞれの感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト8c上にトナー像を転写する。
一方、記録材収容カセット21内に収容される記録材Pは、記録材供給ローラ22によって画像形成装置内に送り出され、レジストローラ7に挟持される。その後、中間転写ルト8c上に多重転写されたトナー像の先端が、2次転写帯電手段としての2次転写帯電ローラ45と2次転写対向部材である2次転写対向ローラ42とが対向し、当接している2次転写部に進入するのに同期するように2次転写部に送り出され、2次転写帯電ローラ45の作用によって、中間転写ベルト8c上のトナー像は記録材P上に一括転写される。
その後、未定着のトナー像を担持した記録材Pは、定着ローラ51及び加圧ローラ52を有する定着装置5まで搬送され、加熱、加圧されることによって、未定着トナー像は記録材P上に定着し、画像が形成する。また、記録材P上にトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト8c上に残留したトナーなどは、除電器17、18によって除電して静電吸着力を取り除いた後、クリーニング手段を有する中間転写ベルトクリーナ46によって除去される。
次に、本発明で使用される中間転写ベルトについて説明する。
中間転写ベルトに使用される材料には、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等からなるものが使用されてきていたが、近年、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
中間転写体として弾性の小さいベルトを用いたカラー画像の転写には以下の課題がある。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されるため、トナー層が厚くなり、1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過する際に高い圧力を受けやすく、トナー同士の凝集力が高くなりやすい。例えば、図5(a)のような文字をカラー出力しようとした場合、トナー同士の凝集力が高くなり、図5(b)のような文字の端部付近あるいはラインの端部付近のトナーが転写されずに出力されてしまう、いわゆる中抜けという現象や、ベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。弾性の小さいベルトはトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく、感光体との付着力が大きくなるため、文字の中抜け現象が発生しやすくなる。また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
そのため近年中間転写ベルトとしては、弾性層を有する中間転写ベルトが注目されている。弾性中間転写ベルトは次の狙いで使用される。弾性中間転写ベルトは、硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性中間転写ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
本発明において使用する弾性中間転写ベルトは、全層又は一部の層が弾性を有する材料から構成されるものである。このような弾性を有する材料としては、弾性を有する樹脂、弾性材ゴム、エラストマー等が挙げられる。弾性材料からなる弾性層の上に表層(コート層)を設けてもよいし、弾性層の下に基材層を設けてもよい。
弾性ベルトの弾性層に使用できる樹脂としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
弾性中間転写ベルトには抵抗値調節用導電剤を含有させることができる。抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物等が使用できる。導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。
弾性中間転写ベルトには、離型性向上のために表層(コート層)を設けることができる。表層材料に制限はないが、転写中間転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが好ましい。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用するとともに、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上分散させたものを使用することができる。また、これら粉体、粒子の粒径を異ならせたものを分散させ使用することもできるまたフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
弾性中間転写ベルトの製造方法は限定されるものではなく、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレー塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型、外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法がある。また、複数の製造方法を組み合わせて弾性ベルトを製造することができるのは当然である。
弾性ベルトの伸びを防止する方法としては、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製造方法に関わるものではない。
次に本発明で使用することのできる中間転写ベルトのクリーニング方法について説明する。
一例として図3のような中間転写体上多重転写系のタンデム式電子写真画像形成装置に使用できるファーブラシクリーニング方法について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、上記の如きファーブラシの他に、帯電ローラを用いることもできる。
図4は、図3中の中間転写ベルトクリーナ46の拡大図である。図4において中間転写ベルトクリーナ46は、テンションローラ41に対向させて中間転写ベルト8cに回転しながら接触する導電性ファーブラシ101を備えている。導電性ファーブラシ101回転方向は中間転写ベルト8cと同一方向である。すなわち、ニップ位置では互いに逆方向に表面移動する。導電性ファーブラシ101には、電源103からトナーの帯電極性と反対の極性の電圧が印加された金属ローラ102が接触している。
金属ローラ102と導電性ファーブラシ101とは、導電性ファーブラシ101の抵抗により電位差が生じ、中間転写ベルト8cから除去したトナーを、導電性ファーブラシ101から各金属ローラ102に転移させる。金属ローラ102に転移されたトナーは、ブレード104で掻き落とされて回収される。中間転写ベルト8cと導電性ファーブラシ101との間にも同様に電位差が生じ電界による静電力と、接触による掻き取り力とにより、導電性ファーブラシ101がトナーを回収する。例えば、金属ローラ102に+700V印加すると導電性ファーブラシ101は+400Vとなり中間転写ベルト8c上のマイナストナーをクリーニングすることができる。
<トナー及び中間転写体の最大変位量、塑性変位量の測定>
本発明においてトナー及び中間転写体の最大変位量、塑性変位量の測定は(株)エリオニクス社製 超微小硬度計ENT1100で測定した。使用圧子は100μm×100μm四方の平圧子を用い、測定環境は27℃,湿度60%で測定した。荷重をかけるスピードは、0.98×10−5N/secとする。最大荷重(9.8×10−5N)に到達後、0.1secの間、その荷重で放置する。この時点で変位している量を最大変位量とした。その後、0.98×10−5N/secのスピードで除荷し、荷重が0になったときの変位量を塑性変位量とした。
1.トナーの最大変位量、塑性変位量の測定
トナーの測定はセラミックセル上にトナーを塗布し、トナーがセル上に分散するように微弱なエアーを吹き付ける。そのセルを装置にセットして測定する。
測定は装置付帯の顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)にトナーが1粒で存在しているものを選択する。粒径因子によるトナーの変位量の差を無くすため、トナーの平均粒径の±1.0μm程度の粒径を有する粒子(トナーの平均粒径が6μmであれば、5〜7μmのもの)を選択して測定する。なお、粒径の確認は、測定手段として超微小硬度計ENT1100付帯のソフトを用いて、測定用画面で行った。そして、各変位量の測定は、任意の場所から粒子100個を選んで測定し、最大変位量の測定結果の上限値側及び下限値側のそれぞれ10個のデータを与える粒子を除いて、80個を算出用データとして使用し、その80個の平均から最大変位量、塑性変位量を求めた。
これまでは、トナー1粒の硬度を測定する方法では、先端が尖った圧子を使用しているため、トナーが圧子から滑ったりしてしまい、再現性のある結果を得るのは極めて困難であった。本発明ではトナー粒径よりも数十倍程度大きい100μm×100μm四方の平圧子を用いているため、トナーが圧子から滑るといったことが起こらず、再現性の良好な測定が可能であった。
2.中間転写体の最大変位量、塑性変位量の測定
中間転写体の測定は、測定サンプルをセルに硬化性ボンドで接着する。その際、接着面に空気やゴミが入らないように注意する。これは、空気やゴミの影響でサンプルの変位量が変わってしまうのを防ぐためである。ボンドが乾くまで1日以上は放置する。ボンドが乾いたら、セルを装置にセットし、任意の場所から100点測定する。最大変位量の測定結果の上限値側及び下限値側のそれぞれ10点のデータを与えるサンプルを除いて、残りの80点を算出用データとして使用し、その80点の測定結果から中間転写体の最大変位量、塑性変位量を求めた。
<平均円形度の測定>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行った。円形度に関して、以下に説明する。
円形度は上記式で定義される。ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、測定のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA−2100の方が有用である。
<トナー粒度分布の測定>
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて測定することができる。また、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。測定においては、電解液が使用されるが、この電解液には1%NaCl水溶液が使用される。1%NaCl水溶液は、1級塩化ナトリウムを使用して調製しても良いし、また例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)等の市販品を使用しても良い。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出し、重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
<GPCによる分子量測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
<ワックスの最大吸熱ピークの極大温度の測定>
温度曲線:昇温I(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
降温I(200℃〜30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
トナー及びワックスの最大吸熱ピークは、示差走査熱量計(DSC測定装置)DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は3〜7mg、好ましくは4〜5mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。ワックスのピーク温度は、昇温IIの過程でピークトップとなる温度を測定する。
<シリカ及び酸化チタン微粒子の一次平均粒径の測定方法>
微粒子を走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所製S−4700)により10万倍に拡大したトナー表面の写真を撮影し、その拡大写真を用いて、視野中の300個の微粒子の粒径(楕円状チタンに対しては、短軸径)を測定して個数平均粒径(D1)を求める。