JP2004271556A - 熱定着装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱定着装置において、安定した定着を可能としつつ、かつ逆転写を確実に防止する。
【解決手段】熱定着装置22の加熱ローラ(加熱部材)30と加圧ローラ(加圧部材)32間にシート(記録媒体)を通して搬送しながらそのシート上のトナー画像を定着する。そのような熱定着装置において、加圧ローラに付着したトナーを除去するクリーニングローラ(クリーニング部材)74を備えるとともに、そのクリーニングローラを冷却する、冷却装置、ヒートパイプ等の冷却手段を備える。そして、定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を所定時間継続する。例えば、外部入力手段を備え、その外部入力手段により所定時間を設定可能とする。また、外気温度検知手段を備え、その外気温度検知手段の検知結果に応じて所定時間を自動変更する。
【選択図】 図2
【解決手段】熱定着装置22の加熱ローラ(加熱部材)30と加圧ローラ(加圧部材)32間にシート(記録媒体)を通して搬送しながらそのシート上のトナー画像を定着する。そのような熱定着装置において、加圧ローラに付着したトナーを除去するクリーニングローラ(クリーニング部材)74を備えるとともに、そのクリーニングローラを冷却する、冷却装置、ヒートパイプ等の冷却手段を備える。そして、定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を所定時間継続する。例えば、外部入力手段を備え、その外部入力手段により所定時間を設定可能とする。また、外気温度検知手段を備え、その外気温度検知手段の検知結果に応じて所定時間を自動変更する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。そのうち特に、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング・除電等を繰り返して像担持体に順次トナー画像を形成し、そのトナー画像を逐次転写して、シート・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置において、画像転写後の記録媒体を加熱部材と加圧部材間に通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着する熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の画像形成装置では、内部に熱源を有する加熱ローラ等の加熱部材に、加圧ローラ等の加圧部材を押し当て、それらの間に画像転写後の記録媒体を通してその記録媒体を搬送しながら、その記録媒体上のトナー画像を定着する熱定着装置を備えるものが主である。
【0003】
この種の熱定着装置では、記録媒体上のトナーが加熱部材に付着する、いわゆるオフセットと呼ばれる現象を生ずることがある。このようなオフセットを生ずると、オフセットしたトナーが加圧部材にも付着し、それら加熱部材および加圧部材から記録媒体に逆転写して記録媒体を汚すことが知られている。
【0004】
このようなオフセットを防止すべく、従来の熱定着装置では、例えば加熱部材の表面にフッ素コートなどを施していた。しかし、環境条件や記録媒体の種類などによって、オフセットを完全に防止することは難しく、やはり逆転写を生ずる問題があった。
【0005】
そこで、従来の熱定着装置では、加熱部材や加圧部材に接触してクリーニングローラ等のクリーニング部材を設け、加熱部材や加圧部材に付着したトナーを除去するものがある。すなわち、表面離型性を向上した加熱部材や加圧部材に対して無垢の金属材料でつくったクリーニング部材を押し当てることにより、表面離型性の差からトナーを除去するものがあった。
【0006】
ところで、近年、画像形成装置では、エネルギの無駄な消費を防止すべく、待機時には熱源への通電を停止し、画像形成の開始に合わせてはじめて熱源へと通電して加熱部材を定着温度まで昇温するようになってきている。このため、加熱部材は、温度応答性を向上する必要があり、例えば加熱ローラであれば、肉厚を1mm以下にして定着温度までの昇温時間を10秒程度まで短縮している。
【0007】
このような画像形成装置にあっては、加熱部材の熱容量が小さいため、定着時における記録媒体への熱移動、加熱部材に接触する部材への熱移動、加熱部材まわりの風の流れなどの影響を受けやすく、加熱部材の温度分布が幅方向で不均一となりやすい問題があった。そして、加熱部材の全領域にわたり温度分布を均一にすることは、スペース的およびコスト的に不可能であった。
【0008】
加熱部材の温度分布が幅方向で不均一となると、定着性能が不安定となるとともに、オフセットが発生しやすく、また熱劣化により加熱部材の寿命が短くなりやすいなどの問題を生ずる。特に重合法により製造した重合トナーを用いる場合には、クリーニング部材に付着堆積したトナー塊が再溶融して記録媒体に逆転写するという問題があった。これは、粉砕法により製造した粉砕トナーを用いる場合には、貯蔵弾性率が高い溶けにくいトナーがクリーニング部材に付着するが、重合法により製造した重合トナーを用いる場合には、貯蔵弾性率が低い普通のトナーがクリーニング部材に付着するからである。
【0009】
この問題は、通紙可能な最大サイズに比較して、小サイズの記録媒体を通紙する場合に特に顕著に生じた。なぜなら、小サイズの場合は、通紙領域が狭く加熱部材に接する面積が小さいから、その狭い領域でのみ温度が下がり、その部分に対応した温度検知手段が熱源の点灯を指示することから、非通紙領域の温度まで不必要に上昇し、その非通紙領域に対応するクリーニング部材上のトナーが溶融して逆転写するからである。
【0010】
【特許文献1】特開平9−325550号公報
さて、このような逆転写の問題を解決すべく、従来の熱定着装置の中には、例えば特許文献1に記載されるように、加熱ローラの温度分布を幅方向で均一とするため、風を当てて加熱ローラの非通紙領域の温度の上がり過ぎを防止するものがある。
【0011】
【特許文献2】特開2002−123119号公報
また、例えば特許文献2に記載されるように、クリーニングローラに沿って通風孔を設けてクリーニングローラの回転とともに熱定着装置内の空気を循環し、クリーニングローラの温度上昇を防ぐものがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者は、加熱ローラに直接風を送り込むから、加熱ローラの肉厚が1mm以下で熱容量が小さい場合には、加熱ローラの温度変化が激しく、安定した定着を行うことができない問題があった。
【0013】
他方、後者は、通風孔を通して抜ける熱量よりも、クリーニングローラが加圧ローラから受ける熱量の方がはるかに大きいことから、十分な冷却効果を得ることができない問題があった。
【0014】
また、従来の画像形成装置では、いずれも、例えば1枚の画像形成動作を15秒間隔で実行するような一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度が上昇し、やはりクリーニング部材に付着したトナーが再溶融して逆転写を生ずる問題があった。
【0015】
そこで、この発明の第1の目的は、そのような従来の問題点を解消し、上述したような熱定着装置において、安定した定着を可能としつつ、かつ逆転写を確実に防止することにある。
【0016】
この発明の第2の目的は、上述した目的を達成した熱定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0017】
この発明の第3の目的は、各熱定着装置に合わせて、再スタート時にトナーの温度が融点を超えないように設定可能とすることにある。
【0018】
この発明の第4の目的は、外気温度に合わせて、再スタート時にトナーの温度が融点を超えないように自動設定することにある。
【0019】
この発明の第5の目的は、定着動作終了後におけるクリーニング部材の温度を確実に下げることにある。
【0020】
この発明の第6の目的は、貯蔵弾性率が低く溶融しやすい重合トナーを用いても、有効に逆転写を防止しつつ、環境に対応することにある。
【0021】
この発明の第7の目的は、加熱部材や加圧部材以上にクリーニング部材を冷却して加熱部材や加圧部材の熱を奪わないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することにある。
【0022】
この発明の第8の目的は、上述した第1から第7の目的を達成した熱定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備え、そのクリーニング部材を冷却する冷却手段を備える熱定着装置において、
定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を所定時間継続する、ことを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の熱定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
【0025】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項2に記載の画像形成装置において、外部入力手段を備え、その外部入力手段により所定時間を設定可能とする、ことを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項2に記載の画像形成装置において、外気温度検知手段を備え、その外気温度検知手段の検知結果に応じて所定時間を変更する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載の発明は、上述した第5の目的も達成すべく、請求項2に記載の画像形成装置において、所定時間を5秒以上とする、ことを特徴とする。
【0028】
請求項6に記載の発明は、上述した第6の目的も達成すべく、請求項2ないし5のいずれか1に記載の画像形成装置において、トナーとして重合法により製造した重合トナーを用いる、ことを特徴とする。
【0029】
請求項7に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備え、そのクリーニング部材を冷却する冷却手段を備える熱定着装置において、
クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段を備え、そのクリーニング部材温度検知手段の検知温度が所定温度以下となるまで、冷却手段による冷却動作を継続する、ことを特徴とする。
【0030】
請求項8に記載の発明は、上述した第7の目的も達成すべく、請求項1または7に記載の熱定着装置において、冷却手段として送風装置を用い、加熱部材と加圧部材のいずれに吹き付ける風量よりも、クリーニング部材に吹き付ける風量を大きくする、ことを特徴とする。
【0031】
請求項9に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
加熱部材の温度を検知する加熱部材温度検知手段と、クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段と、それら両温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較してクリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備える、ことを特徴とする。
【0032】
請求項10に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
加圧部材の温度を検知する加圧部材温度検知手段と、クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段と、それら両温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較してクリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備える、ことを特徴とする。
【0033】
請求項11に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
定着動作時に加熱部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備える、ことを特徴とする。
【0034】
請求項12に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
定着動作時に加圧部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備える、ことを特徴とする。
【0035】
請求項13に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項11または12に記載の画像形成装置において、第1の設定温度をトナーの融点より高く、第2の設定温度をトナーの融点より低くする、ことを特徴とする。
【0036】
請求項14に記載の発明は、上述した第8の目的を達成すべく、請求項9ないし13のいずれか1に記載の熱定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。図1には、この発明に係る熱定着装置を備える電子写真方式の複写機であって、その内部機構の全体概略構成を示す。
【0038】
図中符号100は、複写機装置本体(画像形成装置本体)である。複写機装置本体100は、その上に画像読取装置200を取り付け、シートバンク300上に載置してなる。また、画像読取装置200の上には、背面側を支点に上下に開閉自在に自動原稿搬送装置400を取り付けてなる。
【0039】
複写機装置本体100には、内部に、像担持体としてドラム状の感光体10を設ける。この感光体10のまわりには、図中左側に配置する帯電装置11から、感光体10の回転方向(反時計方向)Aに順に、下側に現像装置12、右側に転写装置13、上側にクリーニング装置14を配置してなる。
【0040】
そのうち、現像装置12では、トナーとして、重合法により製造した重合トナーを用い、その重合トナーを現像ローラを用いて付着して感光体10上の静電潜像を可視像化する。
【0041】
また、転写装置13は、上下のローラ15・16の間に転写ベルト17を掛け回して構成し、その転写ベルト17を転写位置Bで感光体10の周面に押し当ててなる。
【0042】
図1中帯電装置11およびクリーニング装置14の左側に設けるものは、現像装置12に新しいトナーを補給するトナー補給装置20である。
【0043】
また、複写機装置本体100の内部には、シートバンク300の後述するシートカセット61から送り出したシート(記録媒体)Sを転写位置Bを経てスタック位置まで下方から上方へと搬送するシート搬送装置Cを備える。シート搬送装置Cは、供給路R1、手差し供給路R2、およびシート搬送路Rを有してなる。
【0044】
そして、そのシート搬送路Rには、感光体10の上流位置にレジストローラ21を設ける。また、感光体10の下流位置には、熱定着装置22を備える。詳しくは後述する熱定着装置22には、加熱ローラ(加熱部材)30と加圧ローラ(加圧部材)32を設ける。
【0045】
そのような熱定着装置22のさらに下流には、排出分岐爪34、排出ローラ35・第1加圧ローラ36・第2加圧ローラ37・腰付ローラ38を設ける。そして、その先に、画像形成済みのシートをスタックする排出スタック部(排出位置)39を設けてなる。
【0046】
複写機装置本体100には、図中右側面に、スイッチバック装置42を設けてなる。そのスイッチバック装置42は、シート搬送路Rの排出分岐爪34位置から分岐し、一対のスイッチバックローラ43を備えるスイッチバック位置44まで導く反転路R3と、スイッチバック位置44から、再びシート搬送路Rのレジストローラ21まで導く再搬送路R4とを有するシート搬送装置Dを備える。そのシート搬送装置Dには、シートを搬送する複数のシート搬送ローラ66を備えてなる。
【0047】
現像装置12の図中左側には、レーザ書込装置47を備える。レーザ書込装置47には、不図示のレーザ光源、走査用の回転多面鏡48、ポリゴンモータ49、fθレンズ等の走査光学系50などを設けてなる。
【0048】
画像読取装置200には、光源53、複数のミラー54、結像用光学レンズ55、CCD等のイメージセンサ56などを設ける。そして、上面にはコンタクトガラス57を備えてなる。
【0049】
そのコンタクトガラス57の上の自動原稿搬送装置400には、原稿の載置位置に不図示の原稿セット台を設けるとともに、排出位置に不図示の原稿スタック台を設ける。また、原稿シートを、原稿セット台から画像読取装置200のコンタクトガラス57上の読取位置を経て原稿スタック台まで搬送する不図示の原稿搬送路を有するシート搬送装置を備える。そのシート搬送装置には、原稿シートを搬送する不図示のシート搬送ローラを複数備えてなる。
【0050】
シートバンク300には、内部に、記録媒体であるシートSを収納するシートカセット61を多段に備える。各シートカセット61には、それぞれ対応して呼出ローラ62・供給ローラ63・分離ローラ64を設ける。多段に備えるシートカセット61の図中右側に、装置本体100のシート搬送路Rへと通じる上述した供給路R1を形成する。供給路R1にも、シートを搬送するいくつかのシート搬送ローラ(シート搬送回転体)66を備える。
【0051】
なお、複写機装置本体100には、図中右側面に、手差し供給部68を設ける。その手差し供給部68に、手差しトレイ67を開閉自在に設けるとともに、その手差しトレイ67上にセットした手差しシートを、シート搬送路Rへと導く上述した手差し供給路R2を備える。その手差しトレイ67にも同様に、呼出ローラ62・供給ローラ63・分離ローラ64を設ける。
【0052】
さて、いまこの複写機を用いてコピーをとるときは、不図示のメインスイッチをオンするとともに、自動原稿搬送装置400の原稿セット台に原稿をセットする。ブック原稿のような場合には、自動原稿搬送装置400を開いて画像読取装置200のコンタクトガラス57上に直接原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じてそれで押える。
【0053】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿をシート搬送ローラにより原稿搬送路を通して、コンタクトガラス57上へと移動してから画像読取装置200を駆動し、原稿内容を読み取って原稿スタック台上に排出する。一方、コンタクトガラス57上に直接原稿をセットしたときは、直ちに画像読取装置200を駆動する。
【0054】
画像読取装置200を駆動すると、画像読取装置200は、光源53をコンタクトガラス57に沿って移動するとともに、光源53からの光をコンタクトガラス57上の原稿面で反射し、その反射光を複数のミラー54で反射し、結像用光学レンズ55を経て、イメージセンサ56に入れ、そのイメージセンサ56で原稿内容を読み取る。
【0055】
また、このとき同時に、不図示の感光体駆動モータで感光体10を回転し、まず図示例では帯電ローラを用いた帯電装置11で表面を一様に帯電し、次いで上述の画像読取装置200で読み取った原稿内容に応じてレーザ光を照射してレーザ書込装置47で書込みを行い、感光体10の表面に静電潜像を形成し、そののち現像装置12でトナーを付着してその静電潜像を可視像化する。
【0056】
また、スタートスイッチを押したとき同時に、シートバンク300中に多段に備える複数のシートカセット61中の選択サイズに対応するシートカセット61内から呼出ローラ62によりシートSを送り出し、続く供給ローラ63・分離ローラ64で1枚ずつ分離して搬送しながら供給路R1に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してシート搬送路Rへと導き、レジストローラ21に突き当てて止める。そして、上述した感光体10の可視像化したトナー画像の回転にタイミングを合わせてレジストローラ21を回転し、感光体10の右側へと送り込む。
【0057】
または、手差し給紙部68の手差しトレイ67を開けて、その手差しトレイ67上にセットした手差しシートを呼出ローラ62により送り出し、続く供給ローラ63・分離ローラ64で1枚ずつ分離して搬送しながら手差し供給路R2に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してシート搬送路Rへと導き、同じくレジストローラ21で感光体10の回転にタイミングを合わせて該感光体10の右側へと送り込む。
【0058】
それから、感光体10の右側へと送り込んだシートSに、図示例では転写装置13により転写位置Bで感光体10上のトナー画像を転写して画像を形成する。画像転写後の感光体10上の残留トナーはクリーニング装置14で除去して清掃し、不図示の除電装置で感光体10上の残留電位を除去して帯電装置11からはじまる次の画像形成に備える。
【0059】
一方、画像転写後のシートSは、転写ベルト17で搬送して熱定着装置22に入れ、加熱ローラ30と加圧ローラ32間に通して搬送しながら、それらにより熱と圧力を加えてシートS上のトナー画像を定着する。その後、排出ローラ35・第1加圧ローラ36・第2加圧ローラ37・腰付ローラ38により、シートに腰をつけて、排出スタック部39上に排出してそこにスタックする。
【0060】
なお、シートの両面に画像を転写する場合、排出分岐爪34を切り替える。そして、表面にトナー画像を転写したシートを、シート搬送路Rから反転路R3に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してスイッチバック位置44へ入れ、スイッチバックローラ43でスイッチバックすることにより再搬送路R4に入れて反転し、シート搬送ローラ66で搬送して再びシート搬送路Rに導き、前述と同様にしてシートの裏面にも画像を転写する。
【0061】
図2には、熱定着装置まわりを拡大して示す。
図中符号70は、熱定着装置22の定着ケースである。定着ケース70は、細長な箱形状で、シート搬送路Rに沿って下面にシート入口71を、上面にシート出口72を設けてなる。
【0062】
そのような定着ケース70内に、図示例では、上述したように加熱部材として加熱ローラ30を、加圧部材として加圧ローラ32をそれぞれ回転自在に設けてなる。
【0063】
加熱ローラ30は、例えば肉厚1mm以下のローラを用いて温度応答性を向上し、定着温度までの昇温時間を10秒程度にまで短縮するようにしてもよい。表面には、フッ素コート処理を施す。そして、内部に熱源23を備える。熱源23は、図示例では、2つであるが、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0064】
そのような加熱ローラ30のまわりには、シート分離部材75を設ける。シート分離部材75は、支点を中心として回動自在に支持し、スプリング76で付勢して爪先端を加熱ローラ30の周面に押し当ててなる。そして、加熱ローラ30と加圧ローラ32のニップ位置を通過して加熱ローラ30に密着するシートSを加熱ローラ30から引き剥がし、シート出口72へと導く。
【0065】
また、加熱ローラ30のまわりには、その周面に接触してサーミスタ(加熱部材温度検知手段)28およびサーモスタット29を設ける。そして、サーミスタ28で加熱ローラ30の温度を検知し、その検知結果に基づき熱源23をオンオフして加熱ローラ30を所定温度に保持する。
【0066】
他方、加圧ローラ32のまわりには、加圧スプリング25で加圧アーム26を支点27を中心として反時計まわりに回動するように付勢する。そして、その加圧アーム26で加圧ローラ32を付勢して加熱ローラ30に押し当て、それらの間にニップを形成してなる。
【0067】
また、加圧ローラ32の周面には、クリーニング部材を接触する。クリーニング部材としては、パットでもブレードでもよく、金属製でもゴム製などでもよいが、図示例では、無垢の金属製のクリーニングローラ74を用いる。そして、このクリーニングローラ74で加圧ローラ32に付着したトナーを除去する。
【0068】
なお、図2中符号77は、シート搬送路Rに沿って複数備え、シートSの通過を検知するシート検知センサである。符号78は、クリーニングローラ74の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段である。
【0069】
図3には、その熱定着装置22におけるトナー逆転写防止構造を示す。
図示トナー逆転写防止構造には、クリーニングローラ74とともに、冷却手段80を設ける。
【0070】
図示例では、冷却手段80として送風装置を用い、シロッコファン81を設ける。そして、そのファン81を定着ケース70の一端部側に設置し、そのファン81で0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れ、その外気をダクト82で案内してシート搬送方向(記録媒体搬送方向)Gと直交する方向Hに送風し、クリーニングローラ74に吹き付けてそれを冷却する。
【0071】
これにより、加熱ローラ30の熱が加圧ローラ32を介してクリーニングローラ74に伝わることがあったとしても、冷却手段80によりクリーニングローラ74を冷却するので、クリーニングローラ74上のトナーが溶融することを防ぎ、トナーが溶融して加圧ローラ32に逆転写し、シートをトナーで汚すことを防止することができる。
【0072】
定着を行うため、加熱ローラ30は、150℃位まで暖める。すると、加圧ローラ32は130℃位まで上昇し、クリーニングローラ74は120℃ほどとなる。トナーの融点は、100℃〜110℃であるから、クリーニングローラ74が100℃を越えると、逆転写を生ずるおそれがある。そこで、冷却手段80でクリーニングローラ74を冷却することにより、クリーニングローラ74を90℃位にまで下げる。
【0073】
なお、ここで、冷却手段80により、加熱ローラ30ではなく加圧ローラ32に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を冷却するので、加熱ローラ30と加圧ローラ32のいずれに吹き付ける風量よりも、クリーニングローラ74に吹き付ける風量を大きくすることができる。
【0074】
このようにすると、加熱ローラ30や加圧ローラ32以上にクリーニングローラ74を冷却して加熱ローラ30や加圧ローラ32の熱を奪わないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。特に、加熱ローラ30ではなく加圧ローラ32に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を冷却するので、一層加熱ローラ30の熱を奪うことなく、定着効率を下げるおそれをなくすことができる。
【0075】
また、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れクリーニングローラ74に吹き付けて冷却するので、0.1m3/min未満の風量で冷却不足となったり、1.0m3/minを越える風量で冷却し過ぎたりすることなく、クリーニングローラ74を有効に冷却することができる。そして、加圧ローラ32に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を備えるので、安定した定着を可能としつつ逆転写を防止することができる。
【0076】
図4には、トナー逆転写防止構造の他例を示す。
この例では、クリーニング部材であるクリーニングローラ74で、加圧ローラ32ではなく、加熱ローラ30に付着したトナーを除去する。そして、シロッコファン81で0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れ、その外気をダクト82で案内してシート搬送方向(記録媒体搬送方向)Gと直交する方向Hに送風し、該クリーニングローラ74に吹き付けてそれを冷却する。
【0077】
なお、ここで、冷却手段80により、加熱ローラ30に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を冷却するので、加熱ローラ30と加圧ローラ32のいずれに吹き付ける風量よりも、クリーニングローラ74に吹き付ける風量を大きくすることができる。
【0078】
このようにすると、クリーニングローラ74を冷却する冷却手段80の風が多少加熱ローラ30に当たって加熱ローラ30の熱を奪い、定着効率を下げるおそれはあるが、加熱ローラ30や加圧ローラ32以上にクリーニングローラ74を冷却して加熱ローラ30や加圧ローラ32の熱を奪わないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0079】
図5には、トナー逆転写防止構造のさらにまた他例を示す。
クリーニングローラ74は、加熱ローラ30または加圧ローラ32に直接押し当ててそれらに付着したトナーを除去する場合に限らず、この図5に示すように加圧ローラ32に押し当てるトナー除去部材84を介して加圧ローラ32に付着したトナーを除去するものであってもよいし、図示省略するが、加熱ローラ30に押し当てるトナー除去部材84を介して加熱ローラ32に付着したトナーを除去するものであってもよい。
【0080】
図6には、熱定着装置の他例の概略構成を示す。
上述した例では、いずれも加熱部材および加圧部材の双方をローラとしたが、そのいずれか一方または双方をベルトとしてもよい。例えば図6に示すように、加熱部材を加熱ローラ30とし、加圧部材を2つのローラ85に掛け回す加圧ベルト86とする。
【0081】
そして、図示例では、その加圧ベルト86に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を備えるとともに、図示省略するが、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れクリーニングローラ74に吹き付けてそのクリーニングローラ74を冷却する冷却手段80を備える。
【0082】
図7には、またトナー逆転写防止構造のさらに他例を示す。
冷却手段80は、複数備え、それぞれ記録媒体搬送方向と直交する方向Hに分断してクリーニングローラ74に幅方向に分けて送風するようにしてもよい。
【0083】
例えば図7に示すように、冷却手段80を2つ備え、一方のファン81Aでクリーニングローラ74の一端側半分(図7では左半分)を冷却し、他方のファン81Bでダクト82で案内して複数の送風口87から送風してクリーニングローラ74の他端側半分(図7では右半分)を冷却するようにする。
【0084】
このようにすると、複数の冷却手段80を用いてそれぞれクリーニングローラ74に幅方向に分けて万遍なく均一に冷却することができる。
【0085】
図8には、トナーの逆転写を防止する制御フローチャートを示す。
図8に示す制御では、まずステップS1で熱定着装置22が駆動して定着動作を開始しているか否かを判定する。定着動作を開始していないときは、例えば判定を繰り返したり別動作に移行したりする。定着動作を開始したときは、ステップS2に進み、冷却手段80のファン81をオンしてクリーニングローラ74の冷却動作を開始する。
【0086】
次いで、ステップS3で熱定着装置22において通紙が継続中であるか否かを判定し、通紙が終了したときは、ステップS4で熱定着装置22の駆動を停止し、加熱ローラ30および加圧ローラ32の回転を止めて定着動作を終了する。それから、ステップS5で、この定着動作を終了後、所定時間経過したか否かを判定し、経過していないときは、冷却手段80による冷却動作を継続し、経過したときは、次のステップS6でファン81をオフして待機状態とし、冷却動作を終了する。
【0087】
このようにすると、定着動作の終了後も冷却動作を所定時間継続して、再スタート時にトナーの温度が融点を超えて上昇しないようにクリーニングローラ74を十分に冷却することができる。そして、例えば1枚の画像形成動作を15秒間隔で実行するような一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置22を駆動する場合や、シートSがない状態で熱定着装置22を駆動する場合など、クリーニングローラ74の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0088】
なお、所定時間は、外部入力手段により設定可能とするとよい。外部入力手段は、複写機装置本体100の正面に設ける操作表示部などに備える。この外部入力手段により所定時間を0秒と設定することで、無駄な冷却時間をなくして節電を図ることも可能となる。
【0089】
図9には、トナーの逆転写を防止する他例の制御フローチャートを示す。図10には、外気温度と、定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を継続する所定時間との関係を示す。
【0090】
図9に示す制御では、図8のステップS4で定着動作を終了して後、ステップS7で複写機装置本体100に備える外気温度検知手段で外気温度を検知する。そして、外気温度検知手段の検知結果に応じて所定時間を、例えば図10に示すグラフのように変更する。次いで、ステップS8で外気温度に応じた所定時間経過したか否かを判定し、経過したときは、次のステップS9でファン81をオフして待機状態とし、冷却動作を終了する。
【0091】
このようにすると、外気温度が0℃では過冷却となり、40℃では冷却不足となるなどの問題を解消し、外気温度に合わせて、再スタート時にトナーの融点を超えないように、冷却手段80による冷却動作を継続する所定時間を自動設定することができる。
【0092】
図11には、定着動作終了後における冷却手段80の駆動時間とクリーニングローラ74の温度との関係を示す。
【0093】
この図11から判るとおり、所定時間を5秒以上として、定着動作終了後、冷却手段80による冷却動作を5秒以上継続すると、クリーニングローラの温度を確実に下げることができる。
【0094】
また、同様に安定した定着を可能としつつトナーの逆転写を確実に防止するため、他の例として、クリーニング部材温度検知手段78の検知温度が所定温度、例えばトナーの融点以下となるまで、冷却手段80による冷却動作を継続するようにしてもよい。
【0095】
ところで、上述した例では、トナーとして重合法により製造した重合トナーを用いる。重合法により製造した重合トナーは、同一樹脂で粉砕法により製造したトナーに比べ、トナー粒子ごとの構成物質が均一に分散されていて粒子サイズ、形状が一定であるために、クリーニング部材に付着したトナーの貯蔵弾性率が低くなり、クリーニング部材から付着トナーが溶け出す温度も低くなる。しかし、このような再溶融しやすい重合トナーを用いる場合においても、逆転写を有効に防止することができる。
【0096】
さて、上述した例では、クリーニング部材であるクリーニングローラ74を冷却する冷却手段として、ファン81を用いる場合を示した。しかし、冷却手段は、ファン81等の送風装置に限らない。例えば、クリーニング部材の近傍に配置してヒートパイプを設け、熱媒の流速を変えて冷却度合を制御するようにしてもよい。
【0097】
そして、安定した定着を可能としつつ、かつトナーの逆転写を確実に防止すべく、サーミスタ28等の加熱部材温度検知手段とクリーニング部材温度検知手段78とで温度を検知してそれらの検知温度差を求め、その検知温度差を所定の設定温度差と比較して、検知温度差が小さいときはクリーニングローラ74の冷却動作の作動を開始し、反対に大きいときは作動を停止する冷却手段を備えるようにしてもよい。
【0098】
このようにすると、加熱ローラ30とクリーニングローラ74の温度差を十分に確保し、必要な定着温度は確実に保持しながら、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニングローラ74を十分に冷却することができる。
【0099】
そして、例えば一定間隔(例えば15秒)以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置22を駆動する場合や、シートSがない状態で熱定着装置22を駆動する場合など、クリーニングローラ74の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0100】
また、図2に示すように、加圧部材である加圧ローラ32の温度を検知する加圧部材温度検知手段79を設け、その加圧部材温度検知手段79とクリーニング部材温度検知手段78とで温度を検知してそれらの検知温度差を求め、同様にその検知温度差を所定の設定温度差と比較して、検知温度差が小さいときはクリーニングローラ74の冷却動作の作動を開始し、反対に大きいときは作動を停止する冷却手段を備えるようにしても、同様な効果を達成することができる。
【0101】
さらに、定着動作時に、サーミスタ28に基づきサーモスタット29を働かせて制御する熱源23等の加熱手段を備え、その加熱手段で、加熱部材である加熱ローラ30を第1の設定温度以上とするとともに、クリーニング部材温度検知手段78の検知結果に基づき、クリーニング部材であるクリーニングローラ74を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とするファン81、ヒートパイプ等の冷却手段を備えるようにしても、同様な効果を達成することができる。
【0102】
例えば図12(A)に示すように、シートSの搬送速度を45ppm(1分当たりの画像形成シート枚数が45枚)のときは、加熱ローラ30の定着設定温度(第1の設定温度)を170℃とし、クリーニングローラ74の最大温度(第2の設定温度)を135℃とする。搬送速度を35ppm(1分当たりの画像形成シート枚数が35枚)としたときは、加熱ローラ30の第1の設定温度を150℃に下げ、クリーニングローラ74の第2の設定温度を120℃とする。
【0103】
すなわち、第1の設定温度をトナーの融点100℃〜110℃より高く、第2の設定温度をトナーの融点より低くする。このようにすると、加熱ローラ30をトナーの融点より高くして必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニングローラ74をトナーの融点より低くしてクリーニングローラ74を十分に冷却することができる。
【0104】
そして、クリーニングローラ74を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下として、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニングローラ74を十分に冷却し、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0105】
またさらに、定着動作時に、加圧部材である加圧ローラ32に加熱手段を備え、その加熱手段で加圧ローラ32を第1の設定温度以上とするとともに、クリーニング部材温度検知手段78の検知結果に基づき、クリーニング部材であるクリーニングローラ74を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とするファン81、ヒートパイプ等の冷却手段を備えるようにしても、同様な効果を達成することができる。
【0106】
例えば図12(B)に示すように、シートSの搬送速度を45ppmのときは、加圧ローラ32の定着設定温度(第1の設定温度)を150℃とし、クリーニングローラ74の最大温度(第2の設定温度)を135℃とする。搬送速度を35ppmとしたときは、加圧ローラ30の第1の設定温度を130℃に下げ、クリーニングローラ74の第2の設定温度を120℃とする。
【0107】
このとき、同様に、第1の設定温度をトナーの融点100℃〜110℃より高く、第2の設定温度をトナーの融点より低くする。このようにすると、加圧ローラ32をトナーの融点より高くして必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニングローラ74をトナーの融点より低くしてクリーニングローラ74を十分に冷却することができる。
【0108】
なお、加熱ローラ30と加圧ローラ32の定着ニップの長さを長くすると、加熱時間が長くなるので、その分、加熱ローラ30および加圧ローラ32の温度を下げることができ、定着不良を生ずることなく節電を図ることができる。例えば定着ニップ長さを6.5mm以上として、加熱ローラ30の定着設定温度を170℃以下とすることができる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に係る発明によれば、定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を所定時間継続するので、再スタート時にトナーの温度が融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。そして、例えば1枚の画像形成動作を15秒間隔で実行するような一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ、かつ逆転写を確実に防止することができる。
【0110】
請求項2に係る発明によれば、画像形成装置に、請求項1に記載の熱定着装置を備えるので、上記効果を有する熱定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0111】
請求項3に係る発明によれば、画像形成装置に外部入力手段を備え、その外部入力手段により所定時間を設定可能とするので、各熱定着装置に合わせて、再スタート時にトナーの融点を超えないように、冷却手段による冷却動作を継続する所定時間を適時設定可能とすることができる。
【0112】
請求項4に係る発明によれば、画像形成装置に外気温度検知手段を備え、その外気温度検知手段の検知結果に応じて所定時間を変更するので、外気温度に合わせて過冷却となったり冷却不足となったりすることなく、再スタート時にトナーの融点を超えないように、冷却手段による冷却動作を継続する所定時間を自動設定することができる。
【0113】
請求項5に係る発明によれば、所定時間を5秒以上とするので、クリーニング部材の温度を確実に下げることができる。
【0114】
請求項6に係る発明によれば、トナーとして、今後主流となるであろう重合法により製造した重合トナーを用いるので、貯蔵弾性率が低く溶融しやすい重合トナーを用いても、有効に逆転写を防止しつつ、環境に対応することができる。
【0115】
請求項7に係る発明によれば、クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段を備え、そのクリーニング部材温度検知手段の検知温度が所定温度以下となるまで、冷却手段による冷却動作を継続するので、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を所定温度以下となるまで十分に冷却する。
【0116】
これにより、例えば一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0117】
請求項8に係る発明によれば、冷却手段として送風装置を用い、加熱部材と加圧部材のいずれに吹き付ける風量よりも、クリーニング部材に吹き付ける風量を大きくするので、加熱部材や加圧部材以上にクリーニング部材を冷却して加熱部材や加圧部材の熱を奪わないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0118】
請求項9に係る発明によれば、加熱部材温度検知手段とクリーニング部材温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較してクリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備えるので、加熱部材とクリーニング部材の温度差を十分に確保し、必要な定着温度は確実に保持しながら、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0119】
そして、例えば一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0120】
請求項10に係る発明によれば、加圧部材温度検知手段とクリーニング部材温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較してクリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備えるので、加圧部材とクリーニング部材の温度差を十分に確保し、同様に、必要な定着温度は確実に保持しながら、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0121】
そして、同様に、例えば一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0122】
請求項11に係る発明によれば、定着動作時に加熱部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備えるので、加熱部材を第1の設定温度以上として必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下として、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0123】
請求項12に係る発明によれば、定着動作時に加圧部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備えるので、加圧部材を第1の設定温度以上として必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下として、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0124】
請求項13に係る発明によれば、第1の設定温度をトナーの融点より高く、第2の設定温度をトナーの融点より低くするので、加熱部材または加圧部材をトナーの融点より高くして必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニング部材をトナーの融点より低くしてクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0125】
請求項14に係る発明によれば、請求項9ないし13のいずれか1に記載の熱定着装置を備えるので、上記請求項9ないし13の各効果を有する熱定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による熱定着装置を備える画像形成装置の全体概略構成図である。
【図2】その画像形成装置に備える熱定着装置まわりの拡大概略構成図である。
【図3】その熱定着装置におけるトナー逆転写防止構造を示す斜視図である。
【図4】そのトナー逆転写防止構造の他例を示す斜視図である。
【図5】さらにまた他例を示す斜視図である。
【図6】熱定着装置の他例の概略構成図である。
【図7】またトナー逆転写防止構造のさらに他例を示す平面図である。
【図8】トナーの逆転写を防止する制御フローチャートである。
【図9】トナーの逆転写を防止する他例の制御フローチャートである。
【図10】外気温度と、定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を継続する所定時間との関係を示すグラフである。
【図11】定着動作終了後における冷却手段の駆動時間とクリーニングローラの温度との関係を示すグラフである。
【図12】シート搬送速度を変えたときの定着設定温度とクリーニングローラの最大温度の変化を示す図で、(A)は加熱ローラ、(B)は加圧ローラの場合を示す。
【符号の説明】
22 熱定着装置
23 熱源(加熱手段)
28 サーミスタ(温度検知手段)
30 加熱ローラ(加熱部材)
32 加圧ローラ(加圧部材)
74 クリーニングローラ(クリーニング部材)
78 クリーニング部材温度検知手段
79 加圧部材温度検知手段
80 冷却手段
81 シロッコファン(送風装置)
86 加圧ベルト(加圧部材)
S シート(記録媒体)
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。そのうち特に、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング・除電等を繰り返して像担持体に順次トナー画像を形成し、そのトナー画像を逐次転写して、シート・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置において、画像転写後の記録媒体を加熱部材と加圧部材間に通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着する熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の画像形成装置では、内部に熱源を有する加熱ローラ等の加熱部材に、加圧ローラ等の加圧部材を押し当て、それらの間に画像転写後の記録媒体を通してその記録媒体を搬送しながら、その記録媒体上のトナー画像を定着する熱定着装置を備えるものが主である。
【0003】
この種の熱定着装置では、記録媒体上のトナーが加熱部材に付着する、いわゆるオフセットと呼ばれる現象を生ずることがある。このようなオフセットを生ずると、オフセットしたトナーが加圧部材にも付着し、それら加熱部材および加圧部材から記録媒体に逆転写して記録媒体を汚すことが知られている。
【0004】
このようなオフセットを防止すべく、従来の熱定着装置では、例えば加熱部材の表面にフッ素コートなどを施していた。しかし、環境条件や記録媒体の種類などによって、オフセットを完全に防止することは難しく、やはり逆転写を生ずる問題があった。
【0005】
そこで、従来の熱定着装置では、加熱部材や加圧部材に接触してクリーニングローラ等のクリーニング部材を設け、加熱部材や加圧部材に付着したトナーを除去するものがある。すなわち、表面離型性を向上した加熱部材や加圧部材に対して無垢の金属材料でつくったクリーニング部材を押し当てることにより、表面離型性の差からトナーを除去するものがあった。
【0006】
ところで、近年、画像形成装置では、エネルギの無駄な消費を防止すべく、待機時には熱源への通電を停止し、画像形成の開始に合わせてはじめて熱源へと通電して加熱部材を定着温度まで昇温するようになってきている。このため、加熱部材は、温度応答性を向上する必要があり、例えば加熱ローラであれば、肉厚を1mm以下にして定着温度までの昇温時間を10秒程度まで短縮している。
【0007】
このような画像形成装置にあっては、加熱部材の熱容量が小さいため、定着時における記録媒体への熱移動、加熱部材に接触する部材への熱移動、加熱部材まわりの風の流れなどの影響を受けやすく、加熱部材の温度分布が幅方向で不均一となりやすい問題があった。そして、加熱部材の全領域にわたり温度分布を均一にすることは、スペース的およびコスト的に不可能であった。
【0008】
加熱部材の温度分布が幅方向で不均一となると、定着性能が不安定となるとともに、オフセットが発生しやすく、また熱劣化により加熱部材の寿命が短くなりやすいなどの問題を生ずる。特に重合法により製造した重合トナーを用いる場合には、クリーニング部材に付着堆積したトナー塊が再溶融して記録媒体に逆転写するという問題があった。これは、粉砕法により製造した粉砕トナーを用いる場合には、貯蔵弾性率が高い溶けにくいトナーがクリーニング部材に付着するが、重合法により製造した重合トナーを用いる場合には、貯蔵弾性率が低い普通のトナーがクリーニング部材に付着するからである。
【0009】
この問題は、通紙可能な最大サイズに比較して、小サイズの記録媒体を通紙する場合に特に顕著に生じた。なぜなら、小サイズの場合は、通紙領域が狭く加熱部材に接する面積が小さいから、その狭い領域でのみ温度が下がり、その部分に対応した温度検知手段が熱源の点灯を指示することから、非通紙領域の温度まで不必要に上昇し、その非通紙領域に対応するクリーニング部材上のトナーが溶融して逆転写するからである。
【0010】
【特許文献1】特開平9−325550号公報
さて、このような逆転写の問題を解決すべく、従来の熱定着装置の中には、例えば特許文献1に記載されるように、加熱ローラの温度分布を幅方向で均一とするため、風を当てて加熱ローラの非通紙領域の温度の上がり過ぎを防止するものがある。
【0011】
【特許文献2】特開2002−123119号公報
また、例えば特許文献2に記載されるように、クリーニングローラに沿って通風孔を設けてクリーニングローラの回転とともに熱定着装置内の空気を循環し、クリーニングローラの温度上昇を防ぐものがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者は、加熱ローラに直接風を送り込むから、加熱ローラの肉厚が1mm以下で熱容量が小さい場合には、加熱ローラの温度変化が激しく、安定した定着を行うことができない問題があった。
【0013】
他方、後者は、通風孔を通して抜ける熱量よりも、クリーニングローラが加圧ローラから受ける熱量の方がはるかに大きいことから、十分な冷却効果を得ることができない問題があった。
【0014】
また、従来の画像形成装置では、いずれも、例えば1枚の画像形成動作を15秒間隔で実行するような一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度が上昇し、やはりクリーニング部材に付着したトナーが再溶融して逆転写を生ずる問題があった。
【0015】
そこで、この発明の第1の目的は、そのような従来の問題点を解消し、上述したような熱定着装置において、安定した定着を可能としつつ、かつ逆転写を確実に防止することにある。
【0016】
この発明の第2の目的は、上述した目的を達成した熱定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0017】
この発明の第3の目的は、各熱定着装置に合わせて、再スタート時にトナーの温度が融点を超えないように設定可能とすることにある。
【0018】
この発明の第4の目的は、外気温度に合わせて、再スタート時にトナーの温度が融点を超えないように自動設定することにある。
【0019】
この発明の第5の目的は、定着動作終了後におけるクリーニング部材の温度を確実に下げることにある。
【0020】
この発明の第6の目的は、貯蔵弾性率が低く溶融しやすい重合トナーを用いても、有効に逆転写を防止しつつ、環境に対応することにある。
【0021】
この発明の第7の目的は、加熱部材や加圧部材以上にクリーニング部材を冷却して加熱部材や加圧部材の熱を奪わないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することにある。
【0022】
この発明の第8の目的は、上述した第1から第7の目的を達成した熱定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備え、そのクリーニング部材を冷却する冷却手段を備える熱定着装置において、
定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を所定時間継続する、ことを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の熱定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
【0025】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項2に記載の画像形成装置において、外部入力手段を備え、その外部入力手段により所定時間を設定可能とする、ことを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項2に記載の画像形成装置において、外気温度検知手段を備え、その外気温度検知手段の検知結果に応じて所定時間を変更する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載の発明は、上述した第5の目的も達成すべく、請求項2に記載の画像形成装置において、所定時間を5秒以上とする、ことを特徴とする。
【0028】
請求項6に記載の発明は、上述した第6の目的も達成すべく、請求項2ないし5のいずれか1に記載の画像形成装置において、トナーとして重合法により製造した重合トナーを用いる、ことを特徴とする。
【0029】
請求項7に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備え、そのクリーニング部材を冷却する冷却手段を備える熱定着装置において、
クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段を備え、そのクリーニング部材温度検知手段の検知温度が所定温度以下となるまで、冷却手段による冷却動作を継続する、ことを特徴とする。
【0030】
請求項8に記載の発明は、上述した第7の目的も達成すべく、請求項1または7に記載の熱定着装置において、冷却手段として送風装置を用い、加熱部材と加圧部材のいずれに吹き付ける風量よりも、クリーニング部材に吹き付ける風量を大きくする、ことを特徴とする。
【0031】
請求項9に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
加熱部材の温度を検知する加熱部材温度検知手段と、クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段と、それら両温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較してクリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備える、ことを特徴とする。
【0032】
請求項10に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
加圧部材の温度を検知する加圧部材温度検知手段と、クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段と、それら両温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較してクリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備える、ことを特徴とする。
【0033】
請求項11に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
定着動作時に加熱部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備える、ことを特徴とする。
【0034】
請求項12に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
定着動作時に加圧部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備える、ことを特徴とする。
【0035】
請求項13に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、請求項11または12に記載の画像形成装置において、第1の設定温度をトナーの融点より高く、第2の設定温度をトナーの融点より低くする、ことを特徴とする。
【0036】
請求項14に記載の発明は、上述した第8の目的を達成すべく、請求項9ないし13のいずれか1に記載の熱定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。図1には、この発明に係る熱定着装置を備える電子写真方式の複写機であって、その内部機構の全体概略構成を示す。
【0038】
図中符号100は、複写機装置本体(画像形成装置本体)である。複写機装置本体100は、その上に画像読取装置200を取り付け、シートバンク300上に載置してなる。また、画像読取装置200の上には、背面側を支点に上下に開閉自在に自動原稿搬送装置400を取り付けてなる。
【0039】
複写機装置本体100には、内部に、像担持体としてドラム状の感光体10を設ける。この感光体10のまわりには、図中左側に配置する帯電装置11から、感光体10の回転方向(反時計方向)Aに順に、下側に現像装置12、右側に転写装置13、上側にクリーニング装置14を配置してなる。
【0040】
そのうち、現像装置12では、トナーとして、重合法により製造した重合トナーを用い、その重合トナーを現像ローラを用いて付着して感光体10上の静電潜像を可視像化する。
【0041】
また、転写装置13は、上下のローラ15・16の間に転写ベルト17を掛け回して構成し、その転写ベルト17を転写位置Bで感光体10の周面に押し当ててなる。
【0042】
図1中帯電装置11およびクリーニング装置14の左側に設けるものは、現像装置12に新しいトナーを補給するトナー補給装置20である。
【0043】
また、複写機装置本体100の内部には、シートバンク300の後述するシートカセット61から送り出したシート(記録媒体)Sを転写位置Bを経てスタック位置まで下方から上方へと搬送するシート搬送装置Cを備える。シート搬送装置Cは、供給路R1、手差し供給路R2、およびシート搬送路Rを有してなる。
【0044】
そして、そのシート搬送路Rには、感光体10の上流位置にレジストローラ21を設ける。また、感光体10の下流位置には、熱定着装置22を備える。詳しくは後述する熱定着装置22には、加熱ローラ(加熱部材)30と加圧ローラ(加圧部材)32を設ける。
【0045】
そのような熱定着装置22のさらに下流には、排出分岐爪34、排出ローラ35・第1加圧ローラ36・第2加圧ローラ37・腰付ローラ38を設ける。そして、その先に、画像形成済みのシートをスタックする排出スタック部(排出位置)39を設けてなる。
【0046】
複写機装置本体100には、図中右側面に、スイッチバック装置42を設けてなる。そのスイッチバック装置42は、シート搬送路Rの排出分岐爪34位置から分岐し、一対のスイッチバックローラ43を備えるスイッチバック位置44まで導く反転路R3と、スイッチバック位置44から、再びシート搬送路Rのレジストローラ21まで導く再搬送路R4とを有するシート搬送装置Dを備える。そのシート搬送装置Dには、シートを搬送する複数のシート搬送ローラ66を備えてなる。
【0047】
現像装置12の図中左側には、レーザ書込装置47を備える。レーザ書込装置47には、不図示のレーザ光源、走査用の回転多面鏡48、ポリゴンモータ49、fθレンズ等の走査光学系50などを設けてなる。
【0048】
画像読取装置200には、光源53、複数のミラー54、結像用光学レンズ55、CCD等のイメージセンサ56などを設ける。そして、上面にはコンタクトガラス57を備えてなる。
【0049】
そのコンタクトガラス57の上の自動原稿搬送装置400には、原稿の載置位置に不図示の原稿セット台を設けるとともに、排出位置に不図示の原稿スタック台を設ける。また、原稿シートを、原稿セット台から画像読取装置200のコンタクトガラス57上の読取位置を経て原稿スタック台まで搬送する不図示の原稿搬送路を有するシート搬送装置を備える。そのシート搬送装置には、原稿シートを搬送する不図示のシート搬送ローラを複数備えてなる。
【0050】
シートバンク300には、内部に、記録媒体であるシートSを収納するシートカセット61を多段に備える。各シートカセット61には、それぞれ対応して呼出ローラ62・供給ローラ63・分離ローラ64を設ける。多段に備えるシートカセット61の図中右側に、装置本体100のシート搬送路Rへと通じる上述した供給路R1を形成する。供給路R1にも、シートを搬送するいくつかのシート搬送ローラ(シート搬送回転体)66を備える。
【0051】
なお、複写機装置本体100には、図中右側面に、手差し供給部68を設ける。その手差し供給部68に、手差しトレイ67を開閉自在に設けるとともに、その手差しトレイ67上にセットした手差しシートを、シート搬送路Rへと導く上述した手差し供給路R2を備える。その手差しトレイ67にも同様に、呼出ローラ62・供給ローラ63・分離ローラ64を設ける。
【0052】
さて、いまこの複写機を用いてコピーをとるときは、不図示のメインスイッチをオンするとともに、自動原稿搬送装置400の原稿セット台に原稿をセットする。ブック原稿のような場合には、自動原稿搬送装置400を開いて画像読取装置200のコンタクトガラス57上に直接原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じてそれで押える。
【0053】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿をシート搬送ローラにより原稿搬送路を通して、コンタクトガラス57上へと移動してから画像読取装置200を駆動し、原稿内容を読み取って原稿スタック台上に排出する。一方、コンタクトガラス57上に直接原稿をセットしたときは、直ちに画像読取装置200を駆動する。
【0054】
画像読取装置200を駆動すると、画像読取装置200は、光源53をコンタクトガラス57に沿って移動するとともに、光源53からの光をコンタクトガラス57上の原稿面で反射し、その反射光を複数のミラー54で反射し、結像用光学レンズ55を経て、イメージセンサ56に入れ、そのイメージセンサ56で原稿内容を読み取る。
【0055】
また、このとき同時に、不図示の感光体駆動モータで感光体10を回転し、まず図示例では帯電ローラを用いた帯電装置11で表面を一様に帯電し、次いで上述の画像読取装置200で読み取った原稿内容に応じてレーザ光を照射してレーザ書込装置47で書込みを行い、感光体10の表面に静電潜像を形成し、そののち現像装置12でトナーを付着してその静電潜像を可視像化する。
【0056】
また、スタートスイッチを押したとき同時に、シートバンク300中に多段に備える複数のシートカセット61中の選択サイズに対応するシートカセット61内から呼出ローラ62によりシートSを送り出し、続く供給ローラ63・分離ローラ64で1枚ずつ分離して搬送しながら供給路R1に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してシート搬送路Rへと導き、レジストローラ21に突き当てて止める。そして、上述した感光体10の可視像化したトナー画像の回転にタイミングを合わせてレジストローラ21を回転し、感光体10の右側へと送り込む。
【0057】
または、手差し給紙部68の手差しトレイ67を開けて、その手差しトレイ67上にセットした手差しシートを呼出ローラ62により送り出し、続く供給ローラ63・分離ローラ64で1枚ずつ分離して搬送しながら手差し供給路R2に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してシート搬送路Rへと導き、同じくレジストローラ21で感光体10の回転にタイミングを合わせて該感光体10の右側へと送り込む。
【0058】
それから、感光体10の右側へと送り込んだシートSに、図示例では転写装置13により転写位置Bで感光体10上のトナー画像を転写して画像を形成する。画像転写後の感光体10上の残留トナーはクリーニング装置14で除去して清掃し、不図示の除電装置で感光体10上の残留電位を除去して帯電装置11からはじまる次の画像形成に備える。
【0059】
一方、画像転写後のシートSは、転写ベルト17で搬送して熱定着装置22に入れ、加熱ローラ30と加圧ローラ32間に通して搬送しながら、それらにより熱と圧力を加えてシートS上のトナー画像を定着する。その後、排出ローラ35・第1加圧ローラ36・第2加圧ローラ37・腰付ローラ38により、シートに腰をつけて、排出スタック部39上に排出してそこにスタックする。
【0060】
なお、シートの両面に画像を転写する場合、排出分岐爪34を切り替える。そして、表面にトナー画像を転写したシートを、シート搬送路Rから反転路R3に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してスイッチバック位置44へ入れ、スイッチバックローラ43でスイッチバックすることにより再搬送路R4に入れて反転し、シート搬送ローラ66で搬送して再びシート搬送路Rに導き、前述と同様にしてシートの裏面にも画像を転写する。
【0061】
図2には、熱定着装置まわりを拡大して示す。
図中符号70は、熱定着装置22の定着ケースである。定着ケース70は、細長な箱形状で、シート搬送路Rに沿って下面にシート入口71を、上面にシート出口72を設けてなる。
【0062】
そのような定着ケース70内に、図示例では、上述したように加熱部材として加熱ローラ30を、加圧部材として加圧ローラ32をそれぞれ回転自在に設けてなる。
【0063】
加熱ローラ30は、例えば肉厚1mm以下のローラを用いて温度応答性を向上し、定着温度までの昇温時間を10秒程度にまで短縮するようにしてもよい。表面には、フッ素コート処理を施す。そして、内部に熱源23を備える。熱源23は、図示例では、2つであるが、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0064】
そのような加熱ローラ30のまわりには、シート分離部材75を設ける。シート分離部材75は、支点を中心として回動自在に支持し、スプリング76で付勢して爪先端を加熱ローラ30の周面に押し当ててなる。そして、加熱ローラ30と加圧ローラ32のニップ位置を通過して加熱ローラ30に密着するシートSを加熱ローラ30から引き剥がし、シート出口72へと導く。
【0065】
また、加熱ローラ30のまわりには、その周面に接触してサーミスタ(加熱部材温度検知手段)28およびサーモスタット29を設ける。そして、サーミスタ28で加熱ローラ30の温度を検知し、その検知結果に基づき熱源23をオンオフして加熱ローラ30を所定温度に保持する。
【0066】
他方、加圧ローラ32のまわりには、加圧スプリング25で加圧アーム26を支点27を中心として反時計まわりに回動するように付勢する。そして、その加圧アーム26で加圧ローラ32を付勢して加熱ローラ30に押し当て、それらの間にニップを形成してなる。
【0067】
また、加圧ローラ32の周面には、クリーニング部材を接触する。クリーニング部材としては、パットでもブレードでもよく、金属製でもゴム製などでもよいが、図示例では、無垢の金属製のクリーニングローラ74を用いる。そして、このクリーニングローラ74で加圧ローラ32に付着したトナーを除去する。
【0068】
なお、図2中符号77は、シート搬送路Rに沿って複数備え、シートSの通過を検知するシート検知センサである。符号78は、クリーニングローラ74の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段である。
【0069】
図3には、その熱定着装置22におけるトナー逆転写防止構造を示す。
図示トナー逆転写防止構造には、クリーニングローラ74とともに、冷却手段80を設ける。
【0070】
図示例では、冷却手段80として送風装置を用い、シロッコファン81を設ける。そして、そのファン81を定着ケース70の一端部側に設置し、そのファン81で0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れ、その外気をダクト82で案内してシート搬送方向(記録媒体搬送方向)Gと直交する方向Hに送風し、クリーニングローラ74に吹き付けてそれを冷却する。
【0071】
これにより、加熱ローラ30の熱が加圧ローラ32を介してクリーニングローラ74に伝わることがあったとしても、冷却手段80によりクリーニングローラ74を冷却するので、クリーニングローラ74上のトナーが溶融することを防ぎ、トナーが溶融して加圧ローラ32に逆転写し、シートをトナーで汚すことを防止することができる。
【0072】
定着を行うため、加熱ローラ30は、150℃位まで暖める。すると、加圧ローラ32は130℃位まで上昇し、クリーニングローラ74は120℃ほどとなる。トナーの融点は、100℃〜110℃であるから、クリーニングローラ74が100℃を越えると、逆転写を生ずるおそれがある。そこで、冷却手段80でクリーニングローラ74を冷却することにより、クリーニングローラ74を90℃位にまで下げる。
【0073】
なお、ここで、冷却手段80により、加熱ローラ30ではなく加圧ローラ32に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を冷却するので、加熱ローラ30と加圧ローラ32のいずれに吹き付ける風量よりも、クリーニングローラ74に吹き付ける風量を大きくすることができる。
【0074】
このようにすると、加熱ローラ30や加圧ローラ32以上にクリーニングローラ74を冷却して加熱ローラ30や加圧ローラ32の熱を奪わないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。特に、加熱ローラ30ではなく加圧ローラ32に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を冷却するので、一層加熱ローラ30の熱を奪うことなく、定着効率を下げるおそれをなくすことができる。
【0075】
また、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れクリーニングローラ74に吹き付けて冷却するので、0.1m3/min未満の風量で冷却不足となったり、1.0m3/minを越える風量で冷却し過ぎたりすることなく、クリーニングローラ74を有効に冷却することができる。そして、加圧ローラ32に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を備えるので、安定した定着を可能としつつ逆転写を防止することができる。
【0076】
図4には、トナー逆転写防止構造の他例を示す。
この例では、クリーニング部材であるクリーニングローラ74で、加圧ローラ32ではなく、加熱ローラ30に付着したトナーを除去する。そして、シロッコファン81で0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れ、その外気をダクト82で案内してシート搬送方向(記録媒体搬送方向)Gと直交する方向Hに送風し、該クリーニングローラ74に吹き付けてそれを冷却する。
【0077】
なお、ここで、冷却手段80により、加熱ローラ30に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を冷却するので、加熱ローラ30と加圧ローラ32のいずれに吹き付ける風量よりも、クリーニングローラ74に吹き付ける風量を大きくすることができる。
【0078】
このようにすると、クリーニングローラ74を冷却する冷却手段80の風が多少加熱ローラ30に当たって加熱ローラ30の熱を奪い、定着効率を下げるおそれはあるが、加熱ローラ30や加圧ローラ32以上にクリーニングローラ74を冷却して加熱ローラ30や加圧ローラ32の熱を奪わないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0079】
図5には、トナー逆転写防止構造のさらにまた他例を示す。
クリーニングローラ74は、加熱ローラ30または加圧ローラ32に直接押し当ててそれらに付着したトナーを除去する場合に限らず、この図5に示すように加圧ローラ32に押し当てるトナー除去部材84を介して加圧ローラ32に付着したトナーを除去するものであってもよいし、図示省略するが、加熱ローラ30に押し当てるトナー除去部材84を介して加熱ローラ32に付着したトナーを除去するものであってもよい。
【0080】
図6には、熱定着装置の他例の概略構成を示す。
上述した例では、いずれも加熱部材および加圧部材の双方をローラとしたが、そのいずれか一方または双方をベルトとしてもよい。例えば図6に示すように、加熱部材を加熱ローラ30とし、加圧部材を2つのローラ85に掛け回す加圧ベルト86とする。
【0081】
そして、図示例では、その加圧ベルト86に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を備えるとともに、図示省略するが、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れクリーニングローラ74に吹き付けてそのクリーニングローラ74を冷却する冷却手段80を備える。
【0082】
図7には、またトナー逆転写防止構造のさらに他例を示す。
冷却手段80は、複数備え、それぞれ記録媒体搬送方向と直交する方向Hに分断してクリーニングローラ74に幅方向に分けて送風するようにしてもよい。
【0083】
例えば図7に示すように、冷却手段80を2つ備え、一方のファン81Aでクリーニングローラ74の一端側半分(図7では左半分)を冷却し、他方のファン81Bでダクト82で案内して複数の送風口87から送風してクリーニングローラ74の他端側半分(図7では右半分)を冷却するようにする。
【0084】
このようにすると、複数の冷却手段80を用いてそれぞれクリーニングローラ74に幅方向に分けて万遍なく均一に冷却することができる。
【0085】
図8には、トナーの逆転写を防止する制御フローチャートを示す。
図8に示す制御では、まずステップS1で熱定着装置22が駆動して定着動作を開始しているか否かを判定する。定着動作を開始していないときは、例えば判定を繰り返したり別動作に移行したりする。定着動作を開始したときは、ステップS2に進み、冷却手段80のファン81をオンしてクリーニングローラ74の冷却動作を開始する。
【0086】
次いで、ステップS3で熱定着装置22において通紙が継続中であるか否かを判定し、通紙が終了したときは、ステップS4で熱定着装置22の駆動を停止し、加熱ローラ30および加圧ローラ32の回転を止めて定着動作を終了する。それから、ステップS5で、この定着動作を終了後、所定時間経過したか否かを判定し、経過していないときは、冷却手段80による冷却動作を継続し、経過したときは、次のステップS6でファン81をオフして待機状態とし、冷却動作を終了する。
【0087】
このようにすると、定着動作の終了後も冷却動作を所定時間継続して、再スタート時にトナーの温度が融点を超えて上昇しないようにクリーニングローラ74を十分に冷却することができる。そして、例えば1枚の画像形成動作を15秒間隔で実行するような一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置22を駆動する場合や、シートSがない状態で熱定着装置22を駆動する場合など、クリーニングローラ74の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0088】
なお、所定時間は、外部入力手段により設定可能とするとよい。外部入力手段は、複写機装置本体100の正面に設ける操作表示部などに備える。この外部入力手段により所定時間を0秒と設定することで、無駄な冷却時間をなくして節電を図ることも可能となる。
【0089】
図9には、トナーの逆転写を防止する他例の制御フローチャートを示す。図10には、外気温度と、定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を継続する所定時間との関係を示す。
【0090】
図9に示す制御では、図8のステップS4で定着動作を終了して後、ステップS7で複写機装置本体100に備える外気温度検知手段で外気温度を検知する。そして、外気温度検知手段の検知結果に応じて所定時間を、例えば図10に示すグラフのように変更する。次いで、ステップS8で外気温度に応じた所定時間経過したか否かを判定し、経過したときは、次のステップS9でファン81をオフして待機状態とし、冷却動作を終了する。
【0091】
このようにすると、外気温度が0℃では過冷却となり、40℃では冷却不足となるなどの問題を解消し、外気温度に合わせて、再スタート時にトナーの融点を超えないように、冷却手段80による冷却動作を継続する所定時間を自動設定することができる。
【0092】
図11には、定着動作終了後における冷却手段80の駆動時間とクリーニングローラ74の温度との関係を示す。
【0093】
この図11から判るとおり、所定時間を5秒以上として、定着動作終了後、冷却手段80による冷却動作を5秒以上継続すると、クリーニングローラの温度を確実に下げることができる。
【0094】
また、同様に安定した定着を可能としつつトナーの逆転写を確実に防止するため、他の例として、クリーニング部材温度検知手段78の検知温度が所定温度、例えばトナーの融点以下となるまで、冷却手段80による冷却動作を継続するようにしてもよい。
【0095】
ところで、上述した例では、トナーとして重合法により製造した重合トナーを用いる。重合法により製造した重合トナーは、同一樹脂で粉砕法により製造したトナーに比べ、トナー粒子ごとの構成物質が均一に分散されていて粒子サイズ、形状が一定であるために、クリーニング部材に付着したトナーの貯蔵弾性率が低くなり、クリーニング部材から付着トナーが溶け出す温度も低くなる。しかし、このような再溶融しやすい重合トナーを用いる場合においても、逆転写を有効に防止することができる。
【0096】
さて、上述した例では、クリーニング部材であるクリーニングローラ74を冷却する冷却手段として、ファン81を用いる場合を示した。しかし、冷却手段は、ファン81等の送風装置に限らない。例えば、クリーニング部材の近傍に配置してヒートパイプを設け、熱媒の流速を変えて冷却度合を制御するようにしてもよい。
【0097】
そして、安定した定着を可能としつつ、かつトナーの逆転写を確実に防止すべく、サーミスタ28等の加熱部材温度検知手段とクリーニング部材温度検知手段78とで温度を検知してそれらの検知温度差を求め、その検知温度差を所定の設定温度差と比較して、検知温度差が小さいときはクリーニングローラ74の冷却動作の作動を開始し、反対に大きいときは作動を停止する冷却手段を備えるようにしてもよい。
【0098】
このようにすると、加熱ローラ30とクリーニングローラ74の温度差を十分に確保し、必要な定着温度は確実に保持しながら、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニングローラ74を十分に冷却することができる。
【0099】
そして、例えば一定間隔(例えば15秒)以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置22を駆動する場合や、シートSがない状態で熱定着装置22を駆動する場合など、クリーニングローラ74の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0100】
また、図2に示すように、加圧部材である加圧ローラ32の温度を検知する加圧部材温度検知手段79を設け、その加圧部材温度検知手段79とクリーニング部材温度検知手段78とで温度を検知してそれらの検知温度差を求め、同様にその検知温度差を所定の設定温度差と比較して、検知温度差が小さいときはクリーニングローラ74の冷却動作の作動を開始し、反対に大きいときは作動を停止する冷却手段を備えるようにしても、同様な効果を達成することができる。
【0101】
さらに、定着動作時に、サーミスタ28に基づきサーモスタット29を働かせて制御する熱源23等の加熱手段を備え、その加熱手段で、加熱部材である加熱ローラ30を第1の設定温度以上とするとともに、クリーニング部材温度検知手段78の検知結果に基づき、クリーニング部材であるクリーニングローラ74を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とするファン81、ヒートパイプ等の冷却手段を備えるようにしても、同様な効果を達成することができる。
【0102】
例えば図12(A)に示すように、シートSの搬送速度を45ppm(1分当たりの画像形成シート枚数が45枚)のときは、加熱ローラ30の定着設定温度(第1の設定温度)を170℃とし、クリーニングローラ74の最大温度(第2の設定温度)を135℃とする。搬送速度を35ppm(1分当たりの画像形成シート枚数が35枚)としたときは、加熱ローラ30の第1の設定温度を150℃に下げ、クリーニングローラ74の第2の設定温度を120℃とする。
【0103】
すなわち、第1の設定温度をトナーの融点100℃〜110℃より高く、第2の設定温度をトナーの融点より低くする。このようにすると、加熱ローラ30をトナーの融点より高くして必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニングローラ74をトナーの融点より低くしてクリーニングローラ74を十分に冷却することができる。
【0104】
そして、クリーニングローラ74を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下として、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニングローラ74を十分に冷却し、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0105】
またさらに、定着動作時に、加圧部材である加圧ローラ32に加熱手段を備え、その加熱手段で加圧ローラ32を第1の設定温度以上とするとともに、クリーニング部材温度検知手段78の検知結果に基づき、クリーニング部材であるクリーニングローラ74を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とするファン81、ヒートパイプ等の冷却手段を備えるようにしても、同様な効果を達成することができる。
【0106】
例えば図12(B)に示すように、シートSの搬送速度を45ppmのときは、加圧ローラ32の定着設定温度(第1の設定温度)を150℃とし、クリーニングローラ74の最大温度(第2の設定温度)を135℃とする。搬送速度を35ppmとしたときは、加圧ローラ30の第1の設定温度を130℃に下げ、クリーニングローラ74の第2の設定温度を120℃とする。
【0107】
このとき、同様に、第1の設定温度をトナーの融点100℃〜110℃より高く、第2の設定温度をトナーの融点より低くする。このようにすると、加圧ローラ32をトナーの融点より高くして必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニングローラ74をトナーの融点より低くしてクリーニングローラ74を十分に冷却することができる。
【0108】
なお、加熱ローラ30と加圧ローラ32の定着ニップの長さを長くすると、加熱時間が長くなるので、その分、加熱ローラ30および加圧ローラ32の温度を下げることができ、定着不良を生ずることなく節電を図ることができる。例えば定着ニップ長さを6.5mm以上として、加熱ローラ30の定着設定温度を170℃以下とすることができる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に係る発明によれば、定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を所定時間継続するので、再スタート時にトナーの温度が融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。そして、例えば1枚の画像形成動作を15秒間隔で実行するような一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ、かつ逆転写を確実に防止することができる。
【0110】
請求項2に係る発明によれば、画像形成装置に、請求項1に記載の熱定着装置を備えるので、上記効果を有する熱定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0111】
請求項3に係る発明によれば、画像形成装置に外部入力手段を備え、その外部入力手段により所定時間を設定可能とするので、各熱定着装置に合わせて、再スタート時にトナーの融点を超えないように、冷却手段による冷却動作を継続する所定時間を適時設定可能とすることができる。
【0112】
請求項4に係る発明によれば、画像形成装置に外気温度検知手段を備え、その外気温度検知手段の検知結果に応じて所定時間を変更するので、外気温度に合わせて過冷却となったり冷却不足となったりすることなく、再スタート時にトナーの融点を超えないように、冷却手段による冷却動作を継続する所定時間を自動設定することができる。
【0113】
請求項5に係る発明によれば、所定時間を5秒以上とするので、クリーニング部材の温度を確実に下げることができる。
【0114】
請求項6に係る発明によれば、トナーとして、今後主流となるであろう重合法により製造した重合トナーを用いるので、貯蔵弾性率が低く溶融しやすい重合トナーを用いても、有効に逆転写を防止しつつ、環境に対応することができる。
【0115】
請求項7に係る発明によれば、クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段を備え、そのクリーニング部材温度検知手段の検知温度が所定温度以下となるまで、冷却手段による冷却動作を継続するので、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を所定温度以下となるまで十分に冷却する。
【0116】
これにより、例えば一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0117】
請求項8に係る発明によれば、冷却手段として送風装置を用い、加熱部材と加圧部材のいずれに吹き付ける風量よりも、クリーニング部材に吹き付ける風量を大きくするので、加熱部材や加圧部材以上にクリーニング部材を冷却して加熱部材や加圧部材の熱を奪わないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0118】
請求項9に係る発明によれば、加熱部材温度検知手段とクリーニング部材温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較してクリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備えるので、加熱部材とクリーニング部材の温度差を十分に確保し、必要な定着温度は確実に保持しながら、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0119】
そして、例えば一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0120】
請求項10に係る発明によれば、加圧部材温度検知手段とクリーニング部材温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較してクリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備えるので、加圧部材とクリーニング部材の温度差を十分に確保し、同様に、必要な定着温度は確実に保持しながら、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0121】
そして、同様に、例えば一定間隔以上の連続的な画像形成動作を行うべく熱定着装置を駆動する場合や、記録媒体がない状態で熱定着装置を駆動する場合など、クリーニング部材の温度がかなり上昇する場合にも、トナーの融点を超えないようにし、安定した定着を可能としつつ逆転写を確実に防止することができる。
【0122】
請求項11に係る発明によれば、定着動作時に加熱部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備えるので、加熱部材を第1の設定温度以上として必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下として、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0123】
請求項12に係る発明によれば、定着動作時に加圧部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備えるので、加圧部材を第1の設定温度以上として必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニング部材を第1の設定温度より低い第2の設定温度以下として、再スタート時にトナーの融点を超えて上昇しないようにクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0124】
請求項13に係る発明によれば、第1の設定温度をトナーの融点より高く、第2の設定温度をトナーの融点より低くするので、加熱部材または加圧部材をトナーの融点より高くして必要な定着温度は確実に保持しながら、クリーニング部材をトナーの融点より低くしてクリーニング部材を十分に冷却することができる。
【0125】
請求項14に係る発明によれば、請求項9ないし13のいずれか1に記載の熱定着装置を備えるので、上記請求項9ないし13の各効果を有する熱定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による熱定着装置を備える画像形成装置の全体概略構成図である。
【図2】その画像形成装置に備える熱定着装置まわりの拡大概略構成図である。
【図3】その熱定着装置におけるトナー逆転写防止構造を示す斜視図である。
【図4】そのトナー逆転写防止構造の他例を示す斜視図である。
【図5】さらにまた他例を示す斜視図である。
【図6】熱定着装置の他例の概略構成図である。
【図7】またトナー逆転写防止構造のさらに他例を示す平面図である。
【図8】トナーの逆転写を防止する制御フローチャートである。
【図9】トナーの逆転写を防止する他例の制御フローチャートである。
【図10】外気温度と、定着動作を終了後、冷却手段による冷却動作を継続する所定時間との関係を示すグラフである。
【図11】定着動作終了後における冷却手段の駆動時間とクリーニングローラの温度との関係を示すグラフである。
【図12】シート搬送速度を変えたときの定着設定温度とクリーニングローラの最大温度の変化を示す図で、(A)は加熱ローラ、(B)は加圧ローラの場合を示す。
【符号の説明】
22 熱定着装置
23 熱源(加熱手段)
28 サーミスタ(温度検知手段)
30 加熱ローラ(加熱部材)
32 加圧ローラ(加圧部材)
74 クリーニングローラ(クリーニング部材)
78 クリーニング部材温度検知手段
79 加圧部材温度検知手段
80 冷却手段
81 シロッコファン(送風装置)
86 加圧ベルト(加圧部材)
S シート(記録媒体)
Claims (14)
- 加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、前記加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備え、そのクリーニング部材を冷却する冷却手段を備える熱定着装置において、
定着動作を終了後、前記冷却手段による冷却動作を所定時間継続することを特徴とする、熱定着装置。 - 請求項1に記載の熱定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
- 外部入力手段を備え、その外部入力手段により前記所定時間を設定可能とすることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
- 外気温度検知手段を備え、その外気温度検知手段の検知結果に応じて前記所定時間を変更することを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記所定時間を5秒以上とすることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記トナーとして重合法により製造した重合トナーを用いることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1に記載の画像形成装置。
- 加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、前記加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備え、そのクリーニング部材を冷却する冷却手段を備える熱定着装置において、
前記クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段を備え、そのクリーニング部材温度検知手段の検知温度が所定温度以下となるまで、前記冷却手段による冷却動作を継続することを特徴とする、熱定着装置。 - 前記冷却手段として送風装置を用い、前記加熱部材と加圧部材のいずれに吹き付ける風量よりも、前記クリーニング部材に吹き付ける風量を大きくすることを特徴とする、請求項1または7に記載の熱定着装置。
- 加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、前記加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
前記加熱部材の温度を検知する加熱部材温度検知手段と、前記クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段と、それら両温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較して前記クリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備えることを特徴とする、熱定着装置。 - 加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、前記加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
前記加圧部材の温度を検知する加圧部材温度検知手段と、前記クリーニング部材の温度を検知するクリーニング部材温度検知手段と、それら両温度検知手段で検知した温度の検知温度差を所定の設定温度差と比較して前記クリーニング部材の冷却動作の作動を開始しまたは作動を停止する冷却手段とを備えることを特徴とする、熱定着装置。 - 加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、前記加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
定着動作時に前記加熱部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、前記クリーニング部材を前記第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備えることを特徴とする、熱定着装置。 - 加熱部材と加圧部材間に記録媒体を通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着するとともに、前記加圧部材に付着したトナーを除去するクリーニング部材を備える熱定着装置において、
定着動作時に前記加圧部材を第1の設定温度以上とする加熱手段と、前記クリーニング部材を前記第1の設定温度より低い第2の設定温度以下とする冷却手段とを備えることを特徴とする、熱定着装置。 - 前記第1の設定温度をトナーの融点より高く、前記第2の設定温度をトナーの融点より低くすることを特徴とする、請求項11または12に記載の熱定着装置。
- 請求項9ないし13のいずれか1に記載の熱定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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2003
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