JP2004191580A - 熱定着装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着ケース70内には、送風口82から定着ケース内に送り込んだ送風ファン84の風をクリーニングローラ(クリーニング部材)74に沿って複写機の奥側へと導く送風路86を形成する。送風路は、定着ケース70と、その定着ケース内で定着ローラ30に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧ローラ(加圧回転部材)32と、その加圧ローラに、シート搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニングローラ74と、シート入口71に設けて、未定着トナー画像を有するシートを案内して定着ニップに挿入する搬送ガイド85とで囲んで形成してなる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。そのうち特に、帯電・書込み・現像・転写・クリーニング・除電等を繰り返して像担持体に順次トナー画像を形成し、そのトナー画像を逐次転写して、シート・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置において、画像転写後の記録媒体を定着回転部材と加圧回転部材間に通して搬送しながらその記録媒体上のトナー画像を定着する熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の画像形成装置では、内部に熱源を有する定着ローラ等の定着回転部材に、加圧ローラ等の加圧回転部材を押し当て、それらの間に画像転写後の記録媒体を通してその記録媒体を搬送しながら、その記録媒体上のトナー画像を定着する熱定着装置を備えるものが主である。
【0003】
この種の熱定着装置では、記録媒体上のトナーが定着回転部材に付着する、いわゆるオフセットと呼ばれる現象を生ずることがある。このようなオフセットを生ずると、オフセットしたトナーが加圧回転部材にも付着し、それら定着回転部材および加圧回転部材から記録媒体に逆転写して記録媒体を汚すことが知られている。
【0004】
このようなオフセットを防止すべく、従来の熱定着装置では、例えば定着回転部材の表面にフッ素コートなどを施していた。しかし、環境条件や記録媒体の種類などによって、オフセットを完全に防止することは難しく、なお逆転写を生ずる問題があった。
【0005】
そこで、従来の熱定着装置では、定着回転部材や加圧回転部材に接触してクリーニングローラ等のクリーニング部材を設け、定着回転部材や加圧回転部材に付着したトナーを除去するものがある。すなわち、表面離型性を向上した定着回転部材や加圧回転部材に対して無垢の金属材料でつくったクリーニング部材を押し当てることにより、表面離型性の差からトナーを除去するものがあった。
【0006】
ところで、近年、画像形成装置では、エネルギの無駄な消費を防止すべく、待機時には熱源への通電を停止し、画像形成の開始に合わせてはじめて熱源へと通電して定着回転部材を定着温度まで昇温するようになってきている。このため、定着回転部材は、温度応答性を向上する必要があり、例えば定着ローラであれば、肉厚を1mm以下にして定着温度までの昇温時間を10秒程度まで短縮している。
【0007】
このような画像形成装置にあっては、定着回転部材の熱容量が小さいため、定着時における記録媒体への熱移動、定着回転部材に接触する部材への熱移動、定着回転部材まわりの風の流れなどの影響を受けやすく、定着回転部材の温度分布が幅方向で不均一となりやすい問題があった。そして、定着回転部材の全領域にわたり温度分布を均一にすることは、スペース的およびコスト的に不可能であった。
【0008】
定着回転部材の温度分布が幅方向で不均一となると、定着性能が不安定となるとともに、オフセットが発生しやすく、また熱劣化により定着回転部材の寿命が短くなりやすいなどの問題を生ずる。特に重合法により製造した重合トナーを用いる場合には、クリーニング部材に付着堆積したトナー塊が再溶融して記録媒体に逆転写するという問題があった。これは、粉砕法により製造した粉砕トナーを用いる場合には、貯蔵弾性率が高い溶けにくいトナーがクリーニング部材に付着するが、重合法により製造した重合トナーを用いる場合には、貯蔵弾性率が低い普通のトナーがクリーニング部材に付着するからである。
【0009】
この問題は、通紙可能な最大サイズに比較して、小サイズの記録媒体を通紙する場合に特に顕著に生じた。なぜなら、小サイズの場合は、通紙領域が狭く定着回転部材に接する面積が小さいことから、その狭い領域でのみ温度が下がり、その部分に対応した温度検知手段が熱源の点灯を指示することから、非通紙領域の温度まで不必要に上昇し、その非通紙領域に対応するクリーニング部材上のトナーが溶融して逆転写するからである。
【0010】
【特許文献1】特開平9−325550号公報
さて、このような逆転写の問題を解決すべく、従来の熱定着装置の中には、例えば特許文献1に記載されるように、定着ローラの温度分布を幅方向で均一とするため、風を当てて定着ローラの非通紙領域の温度の上がり過ぎを防止するものがある。
【0011】
【特許文献2】特開2002−123119号公報
また、例えば特許文献2に記載されるように、クリーニングローラに沿って通風孔を設けてクリーニングローラの回転とともに熱定着装置内の空気を循環し、クリーニングローラの温度上昇を防ぐものがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者は、定着ローラに直接風を送り込むから、定着ローラの肉厚が1mm以下で熱容量が小さい場合には、定着ローラの温度変化が激しく、安定した定着を行うことができない問題があった。
【0013】
他方、後者は、通風孔を通して抜ける熱量よりも、クリーニングローラが加圧ローラから受ける熱量の方がはるかに大きいことから、十分な冷却効果を得ることができない問題があった。
【0014】
そこで、この発明の第1の目的は、上述したような熱定着装置において、定着回転部材の熱を奪うことなく安定した定着を可能としつつ、効率的に逆転写を防止することにある。
【0015】
この発明の第2の目的は、冷却不足となったり冷却し過ぎたりすることなく、クリーニング部材を有効に冷却することにある。
【0016】
この発明の第3の目的は、クリーニング部材を記録媒体搬送方向と直交する方向にムラなく均一に冷却することにある。
【0017】
この発明の第4の目的は、上記目的を達成した熱定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
定着ケース内に、記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を搬送ガイドで案内して定着ニップに挿入し、定着回転部材と加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
前記定着ケースと加圧回転部材とクリーニング部材と搬送ガイドとで囲んで、送風装置の風をクリーニング部材に沿って導く送風路を形成する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を定着ニップに挿入し、定着回転部材と加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
クリーニング部材の端部に対向して送風口を設け、その送風口からクリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風をクリーニング部材に沿って流す、ことを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を定着ニップに挿入し、定着回転部材と加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
記録媒体の両側縁外側に対応するクリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口からクリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風をクリーニング部材に沿って流す、ことを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を定着ニップに挿入し、定着回転部材と加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
記録媒体の未定着トナー画像の両側20mmに対応するクリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口からクリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風をクリーニング部材に沿って流す、ことを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を定着ニップに挿入し、定着回転部材と加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
加圧回転部材でもっとも温度が高くなる部分に対応するクリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口からクリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風をクリーニング部材に沿って流す、ことを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の発明は、上述した第2の目的も達成すべく、請求項1ないし5のいずれか1に記載の熱定着装置において、送風装置で、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れてクリーニング部材に沿って流す、ことを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項1ないし5のいずれか1に記載の熱定着装置において、送風装置を複数備え、それら複数の送風装置で、記録媒体搬送方向と直交する方向に分断してそれぞれ格別にクリーニング部材に沿って風を流す、ことを特徴とする。
【0025】
請求項8に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を定着ニップに挿入し、定着回転部材と加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
クリーニング部材をヒートパイプそのもので形成する、ことを特徴とする。
【0026】
請求項9に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、
記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を定着ニップに挿入し、定着回転部材と加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
クリーニング部材内にヒートパイプを内蔵する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項10に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、画像形成装置において、請求項1ないし9のいずれか1に記載の熱定着装置を備える、ことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、この発明に係る熱定着装置を備える電子写真方式の複写機であって、その内部機構の全体概略構成を示す。
【0029】
図中符号100は、複写機装置本体である。複写機装置本体100は、その上に画像読取装置200を取り付け、シートバンク300上に載置してなる。また、画像読取装置200の上には、背面側を支点に上下に開閉自在に自動原稿搬送装置400を取り付けてなる。
【0030】
複写機装置本体100には、内部に、像担持体としてドラム状の感光体10を設ける。この感光体10のまわりには、図中左側に配置する帯電装置11から、感光体10の回転方向(反時計方向)Aに順に、下側に現像装置12、右側に転写装置13、上側にクリーニング装置14を配置してなる。
【0031】
そのうち、現像装置12では、トナーとして、重合法により製造した重合トナーを用い、その重合トナーを現像ローラを用いて付着して感光体10上の静電潜像を可視像化する。
【0032】
また、転写装置13は、上下のローラ15・16の間に転写ベルト17を掛け回して構成し、その転写ベルト17を転写位置Bで感光体10の周面に押し当ててなる。
【0033】
図1中帯電装置11およびクリーニング装置14の左側に設けるものは、現像装置12に新しいトナーを補給するトナー補給装置20である。
【0034】
また、複写機装置本体100の内部には、シートバンク300の後述するシートカセット61から送り出したシートSを転写位置Bを経てスタック位置まで下方から上方へと搬送するシート搬送装置Cを備える。シート搬送装置Cは、供給路R1、手差し供給路R2、およびシート搬送路Rを有してなる。
【0035】
そして、そのシート搬送路Rには、感光体10の上流位置にレジストローラ21を設ける。また、感光体10の下流位置には、熱定着装置22を設ける。詳しくは後述する熱定着装置22には、定着ローラ(定着回転部材)30と加圧ローラ(加圧回転部材)32を設ける。
【0036】
そのような熱定着装置22のさらに下流には、排出分岐爪34、排出ローラ35・第1加圧ローラ36・第2加圧ローラ37・腰付ローラ38を設ける。そして、その先に、画像形成済みのシートをスタックする排出スタック部(排出位置)39を設けてなる。
【0037】
複写機装置本体100には、図中右側面に、スイッチバック装置42を設けてなる。そのスイッチバック装置42は、シート搬送路Rの排出分岐爪34位置から分岐し、一対のスイッチバックローラ43を備えるスイッチバック位置44まで導く反転路R3と、スイッチバック位置44から、再びシート搬送路Rのレジストローラ21まで導く再搬送路R4とを有するシート搬送装置Dを備える。そのシート搬送装置Dには、シートを搬送する複数のシート搬送ローラ66を備えてなる。
【0038】
現像装置12の図中左側には、レーザ書込装置47を備える。レーザ書込装置47には、不図示のレーザ光源、走査用の回転多面鏡48、ポリゴンモータ49、fθレンズ等の走査光学系50などを設けてなる。
【0039】
画像読取装置200には、光源53、複数のミラー54、結像用光学レンズ55、CCD等のイメージセンサ56などを設ける。そして、上面にはコンタクトガラス57を備えてなる。
【0040】
そのコンタクトガラス57の上の自動原稿搬送装置400には、原稿セット位置に不図示の原稿セット台を設けるとともに、排出位置に不図示の原稿スタック台を設ける。また、原稿シートを、原稿セット台から画像読取装置200のコンタクトガラス57上の読取位置を経て原稿スタック台まで搬送する不図示の原稿搬送路を有するシート搬送装置を備える。そのシート搬送装置には、原稿シートを搬送する不図示のシート搬送ローラを複数備えてなる。
【0041】
シートバンク300には、内部に、記録媒体であるシート・OHPフィルム等のうちシートSを収納するシートカセット61を多段に備える。各シートカセット61には、それぞれ対応して呼出ローラ62・供給ローラ63・分離ローラ64を設ける。多段に備えるシートカセット61の図中右側に、装置本体100のシート搬送路Rへと通じる上述した供給路R1を形成する。供給路R1にも、シートを搬送するいくつかのシート搬送ローラ66を備える。
【0042】
なお、複写機装置本体100には、図中右側面に、手差し供給部68を設ける。その手差し供給部68に、手差しトレイ67を開閉自在に設けるとともに、その手差しトレイ67上にセットした手差しシートを、シート搬送路Rへと導く上述した手差し供給路R2を備える。その手差しトレイ67にも同様に、呼出ローラ62・供給ローラ63・分離ローラ64を設ける。
【0043】
さて、いまこの複写機を用いてコピーをとるときは、不図示のメインスイッチをオンするとともに、自動原稿搬送装置400の原稿セット台に原稿をセットする。ブック原稿のような場合には、自動原稿搬送装置400を開いて画像読取装置200のコンタクトガラス57上に直接原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じてそれで押える。
【0044】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿をシート搬送ローラにより原稿搬送路を通して、コンタクトガラス57上へと移動してから画像読取装置200を駆動し、原稿内容を読み取って原稿スタック台上に排出する。一方、コンタクトガラス57上に直接原稿をセットしたときは、直ちに画像読取装置200を駆動する。
【0045】
画像読取装置200を駆動すると、画像読取装置200は、光源53をコンタクトガラス57に沿って移動するとともに、光源53からの光をコンタクトガラス57上の原稿面で反射し、その反射光を複数のミラー54で反射し、結像用光学レンズ55を経て、イメージセンサ56に入れ、そのイメージセンサ56で原稿内容を読み取る。
【0046】
また、このとき同時に、不図示の感光体駆動モータで感光体10を回転し、まず図示例では帯電ローラを用いた帯電装置11で表面を一様に帯電し、次いで上述の画像読取装置200で読み取った原稿内容に応じてレーザ光を照射してレーザ書込装置47で書込みを行い、感光体10の表面に静電潜像を形成し、そののち現像装置12でトナーを付着してその静電潜像を可視像化する。
【0047】
また、スタートスイッチを押したとき同時に、シートバンク300中に多段に備える複数のシートカセット61中の、選択サイズに対応するシートカセット61内から呼出ローラ62によりシートSを送り出し、続く供給ローラ63・分離ローラ64で1枚ずつ分離して搬送しながら供給路R1に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してシート搬送路Rへと導き、レジストローラ21に突き当てて止める。そして、上述した感光体10の可視像化したトナー画像の回転にタイミングを合わせてレジストローラ21を回転し、感光体10の右側へと送り込む。
【0048】
または、手差し給紙部68の手差しトレイ67を開けて、その手差しトレイ67上にセットした手差しシートを呼出ローラ62により送り出し、続く供給ローラ63・分離ローラ64で1枚ずつ分離して搬送しながら手差し供給路R2に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してシート搬送路Rへと導き、同じくレジストローラ21で感光体10の回転にタイミングを合わせて該感光体10の右側へと送り込む。
【0049】
それから、感光体10の右側へと送り込んだシートSに、図示例では転写装置13により転写位置Bで感光体10上のトナー画像を転写して画像を形成する。画像転写後の感光体10上の残留トナーはクリーニング装置14で除去して清掃し、不図示の除電装置で感光体10上の残留電位を除去して帯電装置11からはじまる次の画像形成に備える。
【0050】
一方、画像転写後のシートSは、転写ベルト17で搬送して熱定着装置22に入れ、定着ローラ30と加圧ローラ32間に通して搬送しながら、それらにより熱と圧力を加えてシートS上のトナー画像を定着する。その後、排出ローラ35・第1加圧ローラ36・第2加圧ローラ37・腰付ローラ38により、シートに腰をつけて、排出スタック部39上に排出してそこにスタックする。
【0051】
なお、シートの両面に画像を転写する場合、排出分岐爪34を切り替える。そして、表面にトナー画像を転写したシートを、シート搬送路Rから反転路R3に入れ、シート搬送ローラ66で搬送してスイッチバック位置44へ入れ、スイッチバックローラ43でスイッチバックすることにより再搬送路R4に入れて反転し、シート搬送ローラ66で搬送して再びシート搬送路Rに導き、前述と同様にしてシートの裏面にも画像を転写する。
【0052】
図2には、図1の複写機に備える熱定着装置まわりの拡大概略構成を示す。
図中符号70は、熱定着装置22のまわりを被う定着ケースである。定着ケース70は、細長な箱形状で、シート搬送路Rに沿って下面にシート入口71を、上面にシート出口72を設けてなる。
【0053】
そのような定着ケース70内に、図示例では、上述したように定着回転部材として定着ローラ30を、加圧回転部材として加圧ローラ32をそれぞれ回転自在に設けてなる。
【0054】
定着ローラ30は、例えば肉厚1mm以下のアルミニウム製のローラを用いて温度応答性を向上し、定着温度までの昇温時間を10秒程度にまで短縮するようにしている。鉄を用いると、さらに薄くすることができるが、腐食のおそれがあるので錆の発生を防止する必要がある。そして、表面には、フッ素コート処理を施し、内部に、赤外線ヒータ等の熱源23を備える。熱源23は、図示例では、2つであるが、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0055】
そのような定着ローラ30のまわりには、シート分離部材75を設ける。シート分離部材75は、支点を中心として回動自在に支持し、スプリング76で付勢して爪先端を定着ローラ30の周面に押し当ててなる。そして、定着ローラ30と加圧ローラ32のニップ位置を通過して定着ローラ30に密着するシートSを定着ローラ30から引き剥がし、シート出口72へと導く。
【0056】
また、定着ローラ30のまわりには、その周面に接触してサーミスタ(温度検知手段)28およびサーモスタット29を設ける。そして、サーミスタ28で定着ローラ30の温度を検知し、その検知結果に基づき熱源23をオンオフして定着ローラ30を所定温度に保持する。
【0057】
他方、加圧ローラ32は、表面をシリコーンゴムなどで被覆して備え、加圧スプリング25で加圧アーム26を支点27を中心として反時計まわりに回動するように付勢して、その加圧アーム26で付勢して定着ローラ30に押し当て、それらの間に定着ニップを形成してなる。
【0058】
また、加圧ローラ32の周面には、クリーニング部材をシート搬送方向と直交する方向に接触する。クリーニング部材としては、パットでもブレードでもよく、金属性でもゴム製などでもよいが、図示例では、鋼棒や鋼管にめっきを施したり、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属管を基材としたりした金属製のクリーニングローラ74を用いる。そして、このクリーニングローラで加圧ローラ32に付着したトナーを除去する。
【0059】
加圧ローラ32は、シリコーンゴムなどの代りに、表面をスポンジで構成すると、定着ローラ30のばらつきを拾わないようにしてクリーニングローラ74の温度ばらつきを少なくすることができる。
【0060】
なお、図2中符号77は、シート搬送路Rに沿って複数備え、シートSの通過を検知するシート検知センサである。
【0061】
図3には、図1に示す熱定着装置22の温度制御を示す。
図3に示すとおり、熱定着装置22は、複写機の電源をオンすると、直ちに熱源23をオンしてウォームアップ状態に入り、定着ローラ30の温度が所定温度T℃に達したことをサーミスタ28で検知すると、スタンバイ状態となる。そして、熱源23をオフし、定着ローラ30の温度が定着温度から一定以下になると、熱源23を再びオンし、定着ローラ30を加熱して所定温度T℃に戻すようにして所定温度T℃を保持する。
【0062】
このスタンバイ状態で、画像転写後のシートSが定着ニップを通過すると、定着ローラ30の熱を奪い、定着ローラ30の温度は大幅に低下する。しかし、熱源23により熱せられて、定着ローラ30は、すぐに所定温度T℃を回復する。
【0063】
図4には、図1に示す熱定着装置22の正面側端部を示す。
熱定着装置22は、定着ケース70の正面側側板81の下部に送風口82を設ける。また、正面側側板81の外側にダクト83を上下向きに取り付けて下部でその送風口82を被うようにする。ダクト83は、頂面上に送風ファン(送風装置)84を取り付け、その送風ファン84で外気を取り入れてダクト83を通して下部の送風口82から定着ケース70内に風を送り込むようになっている。
【0064】
図5には、正面側側板81を省略して熱定着装置をさらに拡大して示す。
この図5から判るとおり、定着ケース70内には、送風口82から定着ケース70内に送り込んだ送風ファン84の風をクリーニングローラ74に沿って複写機の奥側へと導く送風路86を形成する。送風路86は、定着ケース70と、その定着ケース70内で定着ローラ30に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧ローラ32と、その加圧ローラ32に、シート搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニングローラ74と、シート入口71に設けて、未定着トナー画像を有するシートSを案内して定着ニップに挿入する搬送ガイド85とで囲んで形成してなる。
【0065】
これにより、送風ファン84の風が定着ローラ30に当たらないようにして定着ローラ30の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風ファン84の風を逃がさずに直接当ててクリーニングローラ74を冷却し、そのクリーニングローラ74上のトナーの溶融を防いで効率的に逆転写を防止することができる。
【0066】
なお、送風ファン84として、図示例ではシロッコファンを用いるが、軸流ファンやポンプのようなもので代用してもよい。
【0067】
図6には、上述した熱定着装置22において、はがきサイズのシートS約200枚に画像形成を行った場合におけるクリーニングローラ74の温度を、風量が0.05m3/minのとき、0.1m3/minのとき、0.15m3/minのときに分けて示す。A〜Eは、温度測定位置を示す。
【0068】
この図6から判るとおり、風量が0.1m3/minを下回ると、クリーニングローラ74を十分に冷却することができず、トナーが溶融して逆転写を発生する。また、ここでクリーニングローラ74の温度が中央のC位置を過ぎると、風量にさほど関係なくなるのは、正面側から取り入れた風が徐々に暖められて奥側に行くに連れ冷却効果を失うからである。
【0069】
さらに、この図6から判るとおり、クリーニングローラ74は、シートSの両側縁外側に対応するクリーニングローラ部位で温度が高くなる。図示例は、はがきサイズの場合であるが、A5サイズの場合でも、B5サイズの場合でも、同様にシートSの両側縁外側に対応するクリーニングローラ部位で温度が高くなる。
【0070】
図7には、熱定着装置22におけるトナー逆転写防止構造の他例を示す。
そこで、例えばこの図7に示すように、クリーニングローラ74に沿ってダクト92を設け、そのダクト92に、Aサイズ、Bサイズ等の各種サイズに関し、シートSの両側縁外側に対応するクリーニングローラ部位に対向するように送風口91を設け、その送風口91からクリーニングローラ74に向けて送り出して送風装置90の風をクリーニングローラ74に沿って流すようにするとよい。
【0071】
このようにすると、送風装置90の風が定着ローラ30に当たらないようにして定着ローラ30の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置90の風をまずトナーが付着して汚れやすく逆転写が起こりやすい、シートSの両側縁外側に対応するクリーニングローラ部位に当て、クリーニングローラ74を冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0072】
図8には、クリーニングローラ74をメンテナンス直前まで使用した場合におけるクリーニングローラ74の汚れ具合を示す。AサイズとBサイズの2種類を、それぞれ10万枚ずつ通紙した場合を示している。
【0073】
この図8から判るとおり、クリーニングローラ74は、その端部付近で汚れが多い。これは、クリーニングローラ74を両端部で支持するから、加圧ローラ32に対する加圧力が端部でもっとも大きくなり、その端部でクリーニング力が高くなってトナーを多く回収するからである。
【0074】
そこで、図7の送風口91をクリーニングローラ74の端部に対向するように設け、その送風口91からクリーニングローラ74に向けて送り出し、その位置から奥側に向けて送風装置90の風をクリーニングローラ74に沿って流すようにするとよい。
【0075】
このようにすると、同様に、送風装置90の風が定着ローラ30に当たらないようにして定着ローラ30の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置90の風をまずトナーが付着して汚れやすく逆転写が起こりやすいクリーニングローラ74の端部に当て、クリーニングローラ74を冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0076】
また、図8から判るとおり、シートSの未定着トナー画像の両側20mmに対応するクリーニングローラ部位の汚れが多い。これは、シートSの端部は、紙粉の脱落が多く、その脱落した紙粉が定着ローラ30に付着して離型性能を低下し、オフセット量を増大するからである。
【0077】
そこで、図7の送風口91を、シートSの未定着トナー画像の両側20mmに対応するクリーニングローラ部位に対向するように設け、その送風口91からクリーニングローラ74に向けて送り出し、その位置から奥側に向けて送風装置90の風をクリーニングローラ74に沿って流すようにするとよい。
【0078】
このようにすると、同様に、送風装置90の風が定着ローラ30に当たらないようにして定着ローラ30の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置90の風をまず温度が高くなって逆転写が起こりやすい、シートSの未定着トナー画像の両側20mmに対応するクリーニングローラ部位に当て、クリーニングローラ74を冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0079】
この他にも、例えば複数の熱源23を有する場合に、それらの複数の熱源23がオーバーラップする個所や、定着ローラ30が偏肉である場合に、熱容量が大きくなるその肉厚部分など、加圧ローラ32でもっとも温度が高くなる部分に対応するクリーニングローラ部位に対向するように送風口90を設け、その送風口90からクリーニングローラ74に向けて送り出し、その位置から奥側に向けて送風装置90の風をクリーニングローラ74に沿って流すようにするとよい。
【0080】
このようにしても、同様に、送風装置90の風が定着ローラ30に当たらないようにして定着ローラ30の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置90の風をまず温度が高くなって逆転写が起こりやすいクリーニングローラ部位に当て、クリーニングローラ74を冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0081】
さて、図7に示す例では、送風装置90にシロッコファンを用いる。そして、そのシロッコファンを定着ケース70の正面側に設置し、そのシロッコファンで0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れ、その外気をダクト92で案内してシート搬送方向(記録媒体搬送方向)Gと直交する方向Hに送風し、クリーニングローラ74に沿って流してそれを冷却する。
【0082】
これにより、定着ローラ30の熱が加圧ローラ32を介してクリーニングローラ74に伝わることがあったとしても、送風装置90によりクリーニングローラ74を冷却するので、クリーニングローラ74上のトナーが溶融することを防ぎ、トナーが溶融して加圧ローラ32に逆転写し、シートSをトナーで汚すことを防止することができる。
【0083】
定着を行うため、定着ローラ30は、150℃位まで暖める。すると、加圧ローラ32は130℃位まで上昇し、クリーニングローラ74は120℃ほどとなる。クリーニングローラ74が100℃を越えると、逆転写を生ずるおそれがある。そこで、送風装置90でクリーニングローラ74を冷却することにより、クリーニングローラ74を90℃位にまで下げるようにする。
【0084】
重合法により製造した重合トナーは、同一樹脂で粉砕法により製造したトナーに比べ、トナー粒子ごとの構成物質が均一に分散されていて粒子サイズ、形状が一定であるために、後述するクリーニングローラ74に付着したトナーの貯蔵弾性率が低くなり、クリーニングローラ74から付着トナーが溶け出す温度も低くなる。しかし、このような重合トナーを用いる場合においても、逆転写を有効に防止することができる。
【0085】
送風装置90で外気を吹き付けて、定着ローラ30ではなく加圧ローラ32に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を冷却するので、定着ローラ30に直接外気を当ててその熱を奪うことなく、定着効率を下げることがない。
【0086】
また、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れクリーニングローラ74に吹き付けて冷却するので、0.1m3/min未満の風量で冷却不足となったり、1.0m3/minを越える風量で冷却し過ぎたりすることなく、クリーニングローラ74を有効に冷却することができる。そして、加圧ローラ32に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を備えるので、安定した定着を可能としつつ逆転写を防止することができる。
【0087】
図9には、トナー逆転写防止構造のさらにまた他例を示す。
クリーニングローラ74は、加圧ローラ32に直接押し当ててそれに付着したトナーを除去する場合に限らず、この図9に示すように加圧ローラ32に押し当てるトナー除去部材94を介して加圧ローラ32に付着したトナーを除去するものであってもよい。
【0088】
図10には、熱定着装置の他例の概略構成を示す。
上述した例では、いずれも定着回転部材および加圧回転部材の双方をローラとしたが、そのいずれか一方または双方をベルトとしてもよい。例えば図10に示すように、定着回転部材を定着ローラ30とし、加圧回転部材を2つのローラ95に掛け回す加圧ベルト96とする。
【0089】
そして、図示例では、その加圧ベルト96に付着したトナーを除去するクリーニングローラ74を備えるとともに、図示省略するが、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れクリーニングローラ74に吹き付けてそのクリーニングローラ74を冷却する送風装置90を備える。
【0090】
また、定着回転部材として、シリコーン、ニッケル、ポリイミドなどの薄いベルトを用いるようにしてもよい。
【0091】
図11には、またトナー逆転写防止構造のさらに他例を示す。
送風装置90は、複数備え、それぞれ記録媒体搬送方向と直交する方向Hに分断してそれぞれ格別にクリーニングローラ74に沿って流すようにしてもよい。
【0092】
例えば図11に示すように、シロッコファン、軸流ファン、ポンプなどの送風装置90を2つ備え、例えば一方の送風装置90Aによりクリーニングローラ74の一端側半分を冷却し、他方の送風装置90Bによりダクト92で案内して複数の送風口91から送風してクリーニングローラ74の他端側半分を冷却し、クリーニングローラ74に沿って奥側へと流すようにする。ダクト92は、定着ケース70の外壁で形成してもよいが、熱定着装置22から離した方がより外気温度に近い風を送り込むことができる。
【0093】
図12には、図11に示す熱定着装置22において、はがきサイズのシートS約200枚に画像形成を行った場合におけるクリーニングローラ74の温度を、風量が0.05m3/minのとき、0.1m3/minのとき、0.15m3/minのときに分けて示す。A〜Eは、図11と同様に、温度測定位置を示す。
【0094】
この図12からも、風量が0.1m3/minを下回ると、クリーニングローラ74を十分に冷却することができず、トナーが溶融して逆転写を発生することが判る。また、図6と比較すれば明らかなとおり、この例によれば、中央のC位置を過ぎてからのクリーニングローラ74の温度上昇を抑制することができる。
【0095】
図13(A)および(B)には、またトナー逆転写防止構造のさらに他例を示す。
【0096】
図13に示すトナー逆転写防止構造では、クリーニングローラ74の両端を軸受97を介して側板81で支持する。そして、軸受97をスプリング98で付勢してクリーニングローラ74を加圧ローラ32に押し当て、加圧ローラ32の回転に従動してクリーニングローラ74が回転するようにする。
【0097】
ここで、クリーニングローラ74は、ヒートパイプそのもので形成し、または内部にヒートパイプを内蔵するようにする。
【0098】
図14には、ヒートパイプの原理を示す。
ヒートパイプは、例えばこの図14に示すように、銅管を減圧密封して、純水やアルコールなどの作動液を同時に封入してなる。ヒートパイプ内の作動液は、減圧されているから、非常に蒸発しやすい状態になっており、ヒートパイプの各部分に温度差を生ずると、その温度が高い部分で中身の作動液が蒸発して気化熱を管から奪い、圧力が高くなって温度の低い方へ移動し、そこで冷やされて再び液体に戻ることで潜熱を落とし、毛細管現象等で作動液を循環し、管全体を均一に冷却して同じ温度とする。
【0099】
ヒートパイプの性能をもっとも生かすには、熱伝導のよい金属をクリーニングローラ74の表面に使うとよく、腐食、コスト、強度などを考えると、アルミニウムを選択することが好ましい。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に記載の発明によれば、定着ケースと加圧回転部材とクリーニング部材と搬送ガイドとで囲んで、送風装置の風をクリーニング部材に沿って導く送風路を形成するので、送風装置の風が送風路を通して定着回転部材に当たらないようにし、定着回転部材の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置の風を逃がすことなく、トナーが付着したクリーニング部材に直接当てて効率的に逆転写を防止することができる。
【0101】
請求項2に係る発明によれば、クリーニング部材の端部に対向して送風口を設け、その送風口からクリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風をクリーニング部材に沿って流すので、同様に、送風装置の風が定着回転部材に当たらないようにして定着回転部材の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置の風をまずトナーが付着して汚れやすく逆転写が起こりやすいクリーニング部材の端部に当て、クリーニング部材を冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0102】
請求項3に係る発明によれば、記録媒体の両側縁外側に対応するクリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口からクリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風をクリーニング部材に沿って流すので、同様に、送風装置の風が定着回転部材に当たらないようにして定着回転部材の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置の風をまずトナーが付着して汚れやすく逆転写が起こりやすい、記録媒体の両側縁外側に対応するクリーニング部材部位に当て、クリーニング部材を冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0103】
請求項4に係る発明によれば、記録媒体の未定着トナー画像の両側20mmに対応するクリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口からクリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風をクリーニング部材に沿って流すので、同様に、送風装置の風が定着回転部材に当たらないようにして定着回転部材の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置の風をまず温度が高くなって逆転写が起こりやすい、記録媒体の未定着トナー画像の両側20mmに対応するクリーニング部材部位に当て、クリーニング部材を冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0104】
請求項5に係る発明によれば、加圧回転部材でもっとも温度が高くなる部分に対応するクリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口からクリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風をクリーニング部材に沿って流すので、送風装置の風が定着回転部材に当たらないようにして定着回転部材の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、送風装置の風をまず温度が高くなって逆転写が起こりやすいクリーニング部材部位に当て、クリーニング部材を冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0105】
請求項6に係る発明によれば、送風装置で、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れてクリーニング部材に沿って流すので、冷却不足となったり冷却し過ぎたりすることなく、クリーニング部材を有効に冷却することができる。
【0106】
請求項7に係る発明によれば、送風装置を複数備え、それら複数の送風装置で、記録媒体搬送方向と直交する方向に分断してそれぞれ格別にクリーニング部材に沿って風を流すので、複数の送風装置を用いてそれぞれクリーニング部材を記録媒体搬送方向と直交する方向に分けて万遍なく均一に冷却することができる。
【0107】
請求項8に係る発明によれば、クリーニング部材をヒートパイプそのもので形成するので、風が定着回転部材に当たらないようにして定着回転部材の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、クリーニング部材を均一に冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0108】
請求項9に係る発明によれば、クリーニング部材内にヒートパイプを内蔵するので、風が定着回転部材に当たらないようにして定着回転部材の熱を奪うことなく、安定した定着を可能としつつ、クリーニング部材を均一に冷却して効率的に逆転写を防止することができる。
【0109】
請求項10に係る発明によれば、画像形成装置に、請求項1ないし9のいずれか1に記載の熱定着装置を備えるので、上記効果を有する熱定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る熱定着装置を備える電子写真方式の複写機であって、その内部機構の全体概略構成図である。
【図2】その複写機に備える熱定着装置まわりの拡大概略構成図である。
【図3】その熱定着装置の温度制御を示す図である。
【図4】その熱定着装置の正面側端部を示す斜視図である。
【図5】正面側側板を省略して熱定着装置をさらに拡大して示す正面図である。
【図6】図1の熱定着装置において、はがきサイズのシート約200枚に画像形成を行った場合におけるクリーニングローラの温度を、風量ごとに分けて示す実験結果図である。
【図7】熱定着装置におけるトナー逆転写防止構造の他例を示す斜視図である。
【図8】クリーニングローラをメンテナンス直前まで使用した場合におけるクリーニングローラの汚れ具合を示す図である。
【図9】トナー逆転写防止構造のさらに他例を示す説明図である。
【図10】熱定着装置の他例の概略構成図である。
【図11】またトナー逆転写防止構造のさらに他例を示す説明図である。
【図12】図11の熱定着装置において、はがきサイズのシート約200枚に画像形成を行った場合におけるクリーニングローラの温度を、風量ごとに分けて示す実験結果図である。
【図13】(A)および(B)はまたトナー逆転写防止構造のさらに他例を示す説明図である。
【図14】ヒートパイプの原理を説明する説明図である。
【符号の説明】
22 熱定着装置
30 定着ローラ(定着回転部材)
32 加圧ローラ(加圧回転部材)
70 定着ケース
74 クリーニングローラ(クリーニング部材)
82 送風口
84 送風ファン(送風装置)
85 搬送ガイド
86 送風路
90 送風装置
90A 送風装置
90B 送風装置
91 送風口
96 加圧ベルト(加圧回転部材)
S シート(記録媒体)
G シート搬送方向(記録媒体搬送方向)
H 記録媒体搬送方向と直交する方向
Claims (10)
- 定着ケース内に、記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を搬送ガイドで案内して前記定着ニップに挿入し、前記定着回転部材と前記加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
前記定着ケースと前記加圧回転部材と前記クリーニング部材と前記搬送ガイドとで囲んで、送風装置の風を前記クリーニング部材に沿って導く送風路を形成することを特徴とする、熱定着装置。 - 記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を前記定着ニップに挿入し、前記定着回転部材と前記加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
前記クリーニング部材の端部に対向して送風口を設け、その送風口から前記クリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風を前記クリーニング部材に沿って流すことを特徴とする、熱定着装置。 - 記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を前記定着ニップに挿入し、前記定着回転部材と前記加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
記録媒体の両側縁外側に対応する前記クリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口から前記クリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風を前記クリーニング部材に沿って流すことを特徴とする、熱定着装置。 - 記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を前記定着ニップに挿入し、前記定着回転部材と前記加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
記録媒体の未定着トナー画像の両側20mmに対応する前記クリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口から前記クリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風を前記クリーニング部材に沿って流すことを特徴とする、熱定着装置。 - 記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を前記定着ニップに挿入し、前記定着回転部材と前記加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
前記加圧回転部材でもっとも温度が高くなる部分に対応する前記クリーニング部材部位に対向して送風口を設け、その送風口から前記クリーニング部材に向けて送り出して送風装置の風を前記クリーニング部材に沿って流すことを特徴とする、熱定着装置。 - 前記送風装置で、0.1〜1.0m3/minの風量の外気を取り入れて前記クリーニング部材に沿って流すことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1に記載の熱定着装置。
- 前記送風装置を複数備え、それら複数の送風装置で、記録媒体搬送方向と直交する方向に分断してそれぞれ格別に前記クリーニング部材に沿って風を流すことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1に記載の熱定着装置。
- 記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を前記定着ニップに挿入し、前記定着回転部材と前記加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
前記クリーニング部材をヒートパイプそのもので形成することを特徴とする、熱定着装置。 - 記録媒体を加熱する定着回転部材と、その定着回転部材に押し当ててそれとの間で定着ニップを形成する加圧回転部材と、その加圧回転部材に、記録媒体搬送方向と直交する方向に接触してそれに付着するトナーを除去するクリーニング部材とを備え、未定着トナー画像を有する記録媒体を前記定着ニップに挿入し、前記定着回転部材と前記加圧回転部材とで搬送しながらその記録媒体の未定着トナー画像を定着する熱定着装置において、
前記クリーニング部材内にヒートパイプを内蔵することを特徴とする、熱定着装置。 - 請求項1ないし9のいずれか1に記載の熱定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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