JP4938085B2 - 記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば記録媒体に記録データを記録する記録装置及び方法、並びにコンピュータをこのような記録装置として機能させるコンピュータプログラムの技術分野に関する。
例えば、光ディスク等の記録媒体に記録データを記録する記録装置においては、光ディスクの種類、記録装置の種類及び記録速度等に応じて、OPC(Optimum Power Control)処理により、レーザ光に係る記録パワーにおける最適パワーが設定される。即ち、記録パワーのキャリブレーション(較正)が行われる。これにより、光ディスクにおける情報記録面の特性のばらつき等に対応した適切な記録動作を実現できる。例えば、光ディスクが装置本体に装填されて書き込みのコマンドが入力されると、順次段階的に記録用レーザ光に係る光強度が切り替えられて試し書き用のデータがOPCエリア(Power Calibration Area)に記録され、いわゆる試し書きの処理が実行される。その後、このようにして記録された試し書き用のデータ(OPCパターン)が再生され、この再生結果が所定の評価基準により判定されて、最適パワーが設定される。
また、実際の記録動作と同時に行なうOPC(所謂、ランニングOPC)によっても、記録用レーザ光に係る最適パワーを設定することができる。
特許第3159454号公報
近年、色素膜を記録層として用いる記録媒体(例えば、Blu−ray Disc)の開発が進められている。この記録媒体においては、記録データを記録することにより(つまり、レーザ光を照射することにより)、記録層の反射率が増加することが知られている。また、この記録媒体においては、記録データを記録する際のパワーに依存して、再生時に得られるプッシュプル信号の振幅が大きく変動することが、本願発明者等の実験等により判明している。このため、記録データが記録された記録領域において得られるプッシュプル信号の振幅と、記録データが記録されていない記録領域において得られるプッシュプル信号の振幅とが大きく異なることになりかねない。この場合、プッシュプル信号を用いるトラッキング制御におけるサーボゲインを、記録データが記録された記録領域において得られるプッシュプル信号の振幅に合わせて設定した場合には、記録データが記録されていない記録領域におけるトラッキング制御が不安定になりかねない。同様に、プッシュプル信号を用いるトラッキング制御におけるサーボゲインを、記録データが記録されていない記録領域において得られるプッシュプル信号の振幅に合わせて設定した場合には、記録データが記録された記録領域におけるトラッキング制御が不安定になりかねない。つまり、特に再生時において、記録データが記録された記録領域において得られるプッシュプル信号の振幅と、記録データが記録されていない記録領域において得られるプッシュプル信号の振幅とが大きく異なることに起因して、トラッキング制御が不安定になりかねないという技術的な問題点を有している。
更には、プッシュプル信号の振幅が大きく変動することに起因して、フォーカスエラー信号への漏れ込みが変動しかねない(例えば、漏れ込みが大きくなりかねない)。このため、フォーカス制御すらも不安定になりかねないという技術的な問題点を有している。更には、最悪のパターンとしては、記録データを記録することによりプッシュプル信号の振幅が大きくなり過ぎてしまうことに起因して(つまり、漏れ込みが大きくなりすぎてしまうことに起因して)、フォーカス制御を行なうためのフォーカスアクチュエータに過電流が流れ、その結果、アクチュエータが焼きつく又は破損してしまいかねないという技術的な問題点を有している。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば、プッシュプル信号の変動を考慮して、より好適に最適パワーを算出することができる記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の記録装置は、パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段と、前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御手段と、前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出手段と、前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出手段と、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出手段と、(i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御手段とを備える。
上記課題を解決するために、本発明の記録方法は、パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段を備える記録装置における記録方法であって、前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御工程と、前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出工程と、前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出工程と、前記第1検出工程において検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出工程と、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出工程と、(i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御工程と備える。
上記課題を解決するために、本発明のコンピュータプログラムは、パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段と、前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御手段と、前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出手段と、前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出手段と、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出手段と、(i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御手段とを備える記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録手段、前記第1制御手段、前記第1検出手段、前記第2検出手段、前記第1算出手段、前記第2算出手段及び前記第2制御手段として機能させる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
本実施例に係る情報記録装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。 光ディスクの基本構造を示した概略平面図であり、該光ディスクの半径方向における記録領域構造の図式的概念図である。 本実施例に係る記録装置の動作例の流れを概念的に示すフローチャートである。 PP振幅検出回路の第1の構成例を概念的に示すブロック図である。 PP振幅検出回路の第2の構成例を概念的に示すブロック図である。 PP振幅検出回路の第3の構成例を概念的に示すブロック図である。 OPCパターンが記録された記録領域におけるプッシュプル信号と記録レーザパワーとの相関を示すグラフ上で最適な記録レーザパワーを示すグラフである。 プッシュプル信号の振幅の変動の態様を概念的に示すグラフである。
符号の説明
1 記録装置
2 ディスクドライブ
22 光ピックアップ
221 LD
222 PD
23 LDD
24 CPU
27 OPC部
28−1 PP振幅検出部
28−2 変調度検出部
29 記録補償部
3 ホストコンピュータ
以下、発明を実施するための最良の形態として、本発明の記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラムに係る実施形態の説明を進める。
(記録装置の実施形態)
本発明の記録装置に係る実施形態は、パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段と、前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御手段と、前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出手段と、前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出手段と、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出手段と、(i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御手段とを備える。
本発明の記録装置に係る実施形態によれば、例えば映像データや音声データやPC用データ等の記録データを記録する前に、レーザ光の最適パワーが算出される。つまり、較正用データを記録し、且つ該記録された較正用データの読取結果に基づいて最適パワーを算出するOPC(Optimum Power Control)が行われる。
本実施形態では特に、最適パワーを算出する際には、まず、較正用データを読み取ることで得られる記録品質(例えば、変調度やジッタやアシンメトリ等)が所望の品質となるパワーが、第1最適パワーとして算出される。その後、第1最適パワーに対応するプッシュプル信号(つまり、第1最適パワーで記録された較正用データを読み取ることで得られるプッシュプル信号であり、且つ較正用データが記録済である記録領域において得られるプッシュプル信号であって、“記録済プッシュプル信号”と称する)の振幅が第1の条件を満たしているか否かが判定される。
第1最適パワーに対応する記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしている場合には、該第1最適パワーのレーザ光を照射することで、記録データの記録が開始される。
他方で、第1最適パワーに対応する記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合には、第1最適パワーに代えて、第1最適パワーに対応する記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ変調度やアシンメトリ等の記録品質が第2の条件を満たすパワーが第2最適パワーとして算出される。その後、第2最適パワーのレーザ光を照射することで、記録データの記録が開始される。
ここに、「記録品質が所望の品質となる」とは、例えば、記録品質が記録媒体の規格上での最適な品質となる状態或いは記録媒体の規格上で予め定められた目標品質となる状態を示す趣旨である。他方で、「記録品質が第2の条件を満たす」とは、記録された記録データを好適に読み取ることができないほどにまでは記録品質が悪化していない状態(言い換えれば、記録された記録データを好適に読み取ることができる程度の記録品質が実現される状態)を示す趣旨であって、例えば、記録媒体の規格上で許容されている良好な値となる状態を示す趣旨である。つまり、「記録品質が第2の条件を満たす」状態は、「記録品質が所望の品質となる」状態をも含んでいる。
また、「記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たす」とは、記録済プッシュプル信号の振幅が、記録データの記録動作(或いは、記録された記録データの読み取り動作)を安定的に行うことができる状態にあることを示す趣旨である。
このように、本実施形態によれば、単に変調度やジッタやアシンメトリ等の記録品質のみならず、記録済プッシュプル信号の振幅をも考慮して最適パワー(つまり、第1最適パワー及び第2最適パワーであり、以降“最適パワー”を、第1最適パワー及び第2パワーを包含する広い意味での最適パワーという意味で使用する)が算出される。このため、プッシュプル信号の振幅が大きく変動する場合であっても、該変動するプッシュプル信号の振幅を考慮して最適パワーが算出される。このため、このようにして算出された最適パワーのレーザ光を用いて記録データを記録することにより、記録済プッシュプル信号の振幅と、記録データが記録されていない記録領域において得られるプッシュプル信号(つまり、較正用データ及び記録データが未記録である記録領域において得られるプッシュプル信号であって、“未記録プッシュプル信号”と称する)の振幅とが大きく異なることになるような状態の発生を、相応に或いは好適に抑制することができる。これにより、プッシュプル信号の振幅が大きく変動する場合であっても、トラッキング制御(更には、フォーカス制御)を安定的に行なうことができるような最適パワーで、記録データの記録を行うことができる。従って、再生時においても、上述した問題点は生じない。
尚、上述した色素膜を記録層として用いる記録媒体においては、パワーの変化に対して、従来のOPCにおける指標として用いられているアシンメトリの変動があまり或いは殆どないことが、本願発明者等の実験等により判明している。このようにアシンメトリの変動があまり或いは殆どない場合には、従来のOPCでは、最適パワーを算出することが困難或いは不可能である。しかるに、本実施形態によれば、記録済プッシュプル信号の振幅及び未記録プッシュプル信号の振幅の夫々を考慮して最適パワーが算出される。このため、上述した色素膜を記録層として用いる記録媒体であっても、OPCを好適に行うことができ、その結果、好適に最適パワーを算出することができる。
尚、パワーの変化に対して、従来のOPCにおける指標として用いられているアシンメトリの変動があまり或いは殆どない記録媒体に対しては、第1検出手段により検出される記録品質としては、アシンメトリ以外の記録品質が検出されることが好ましい。
また、色素膜を記録層として用いている記録媒体に限らず、記録データを記録する際のパワーに依存して、プッシュプル信号の振幅が多少なりとも変動するものであれば、本実施形態に係る記録装置による最適パワーを算出する対象となり得ることは言うまでもない。
尚、本実施形態においては、記録済プッシュプル信号の振幅の変動が、安定的な記録動作や再生動作の妨げとならなくなるようなパワーを、最適パワーとして算出することが好ましい。この意味において、本実施形態における「記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たす」という条件は、記録媒体の特性や種類等や記録装置の特性や種類等に応じて、適切に設定されることが好ましい。
本発明の記録装置に係る実施形態の一の態様では、前記第2算出手段は、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅の、前記記録データが未記録である記録領域において得られる未記録プッシュプル信号の振幅に対する比が、前記第1の条件に応じた条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する。
この態様によれば、第1最適パワーに対応する記録済プッシュプル信号の振幅と、未記録プッシュプル信号の振幅との比に基づいて、第2最適パワーが算出される。このため、上述したように、第2最適パワーのレーザ光を用いて記録データを記録することにより、記録済プッシュプル信号の振幅と、未記録プッシュプル信号の振幅とが大きく異なることになるような状態の発生を、相応に或いは好適に抑制することができる。
上述の如く、記録済プッシュプル信号の振幅と未記録プッシュプル信号の振幅との比が第1の条件に応じた条件を満たすパワーを第2最適パワーとして算出する記録装置の態様では、前記比が前記第1の条件に応じた条件を満たすパワーは、前記比が±6dB以内にあるパワーであるように構成してもよい。
このように構成すれば、仮に記録済プッシュプル信号の振幅と未記録プッシュプル信号の振幅とが異なっていたとしても、その比が±6dB以内であるような第2最適パワーで記録データが記録されれば、トラッキング制御(更には、フォーカス制御)を安定的に行なうことができる。
上述の如く、記録済プッシュプル信号の振幅と未記録プッシュプル信号の振幅との比が第1の条件に応じた条件を満たすパワーを第2最適パワーとして算出する記録装置の態様では、前記比が前記第1の条件に応じた条件を満たすパワーは、前記比が±3dB以内にあるパワーであるように構成してもよい。
このように構成すれば、トラッキング制御(更には、フォーカス制御)の安定性に対して余裕を持たせるという意味で、上述した「比が±6dB以内」という条件を、「比が±3dB以内」というより厳しい条件に変更している。このため、仮に記録済プッシュプル信号の振幅と未記録プッシュプル信号の振幅とが異なっていたとしても、その比が±3dB以内であるような第2最適パワーで記録データが記録されれば、トラッキング制御(更には、フォーカス制御)をより一層安定的に行なうことができる。
上述の如く、記録済プッシュプル信号の振幅と未記録プッシュプル信号の振幅との比が第1の条件に応じた条件を満たすパワーを第2最適パワーとして算出する記録装置の態様では、前記比が前記第1の条件に応じた条件を満たすパワーは、前記記録済プッシュプル信号の振幅と、前記未記録プッシュプル信号の振幅とが略同一となるパワーであるように構成してもよい。
このように構成すれば、記録済プッシュプル信号の振幅と、未記録プッシュプル信号の振幅とが大きく異なることになるような状態の発生を、確実に抑制することができる。つまり、記録データの記録によっても、プッシュプル信号が変動することが殆どなくなる。このため、トラッキング制御(更には、フォーカス制御)を安定的に行なうことができるような最適パワーで、記録データの記録を行うことができる。
本発明の記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記第2検出手段は、トラックジャンプ時に前記記録済プッシュプル信号の振幅を検出する。
この態様によれば、トラックジャンプを行うことにより、記録済プッシュプル信号の振幅を好適に検出することができる。
本発明の記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記第2検出手段は、トラッキングサーボのゲインに基づいて前記記録済プッシュプル信号の振幅を推定することで、前記記録済プッシュプル信号の振幅を検出する。
この態様によれば、トラッキングサーボのゲインに基づいて記録済プッシュプル信号の振幅を推定することにより、記録済プッシュプル信号の振幅を好適に検出することができる。
本発明の記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記第2検出手段は、ウォブル信号の振幅に基づいて前記記録済プッシュプル信号の振幅を推定することで、前記記録済プッシュプル信号の振幅を検出する。
この態様によれば、ウォブル信号の振幅に基づいて記録済プッシュプル信号の振幅を推定することにより、記録済プッシュプル信号の振幅を好適に検出することができる。
本発明の記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記記録媒体は、スパイラル状の又は同心円状のトラックを備えており、前記第1制御手段は、一のパワーで一のトラックに前記較正用データを記録した後、前記一のパワーとは異なる他のパワーで前記一のトラックとは異なる他のトラックに前記較正用データを記録するように前記記録手段を制御する。
この態様によれば、1トラック毎に同じパワーで較正用データが記録される。従って、仮に1トラックの周内において記録感度等が変動している場合であっても、該変動の影響を受けることなく、好適に較正用データの記録済プッシュプル信号の振幅を検出することができる。これにより、最適パワーを好適に算出することができる。
本発明の記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記記録媒体は、スパイラル状の又は同心円状のトラックを備えており、前記第1制御手段は、一のパワーで一のトラックに前記較正用データを記録した後、前記一のパワーとは異なる他のパワーで前記一のトラックとの間に所定のスペース(例えば、数トラックの空きスペース)を介在する位置に存在する他のトラックに前記較正用データを記録するように前記記録手段を制御する。
この態様によれば、較正用データが記録されたトラックに隣接するトラックの影響を受けることなく、好適に較正用データの記録済プッシュプル信号の振幅を検出することができる。これにより、最適パワーを好適に算出することができる。
本発明の記録装置の他の態様では、前記第1最適パワー又は前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで記録される前記記録データの前記記録品質が前記所望の品質とならない場合に、前記記録品質が前記所望の品質となるように前記レーザ光のストラテジを調整する調整手段を更に備える。
この態様によれば、調整されたストラテジを用いて記録データを記録することで、プッシュプル信号のみならず、他の記録特性(例えば、変調度やジッタやアシンメトリ等)をも所望の品質となるように、記録データを記録することができる。
(記録方法の実施形態)
本発明の記録方法に係る実施形態は、パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段を備える記録装置における記録方法であって、前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御工程と、前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出工程と、前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出工程と、前記第1検出工程において検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出工程と、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出工程と、(i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御工程と備える。
本発明の記録方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の記録装置に係る実施形態が享受することができる各種効果と同様の効果を享受することができる。
尚、上述した本発明の記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の記録方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
(コンピュータプログラムの実施形態)
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態は、パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段と、前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御手段と、前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出手段と、前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出手段と、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出手段と、(i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御手段とを備える記録装置(即ち、上述した本発明の記録装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む))に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録手段、前記第1制御手段、前記第1検出手段、前記第2検出手段、前記第1算出手段、前記第2算出手段及び前記第2制御手段として機能させる。
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の記録装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされよう。
以上説明したように、本発明の記録装置に係る実施形態によれば、記録手段と、第1制御手段と、第1検出手段と、第2検出手段と、第1算出手段と、第2算出手段と、第2制御手段とを備える。本発明の記録方法に係る実施形態によれば、第1制御工程と、第1検出工程と、第2検出工程と、第1算出工程と、第2算出工程と、第2制御工程とを備える。本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、コンピュータを本発明の記録装置に係る実施形態として機能させる。従って、プッシュプル信号の変動を考慮して、より好適に最適パワーを算出することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(1−1) 基本構成
初めに、図1を参照して、本実施例に係る記録装置の基本構成について説明を進める。ここに、図1は、本実施例に係る記録装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。
図1に示すように、記録装置1は、実際に光ディスク100がローディングされ且つデータの記録やデータの再生が行なわれるディスクドライブ2と、該ディスクドライブ2に対するデータの記録を制御するパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ3とを備えている。
ディスクドライブ2は、光ディスク100、スピンドルモータ21、光ピックアップ(PU:Pick Up)22、LDD(Laser Diode Driver)23、CPU24、メモリ25、データ入出力制御部26、OPC(Optimum Power Control)部27、PP(Push-Pull)振幅検出部28−1、変調度検出部28−2及び記録補償部29を備えて構成されている。また、ホストコンピュータ3は、操作/表示制御部31、操作ボタン32、表示パネル33、CPU34、メモリ35及びデータ入出力制御部36を備えて構成される。
スピンドルモータ21は光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスク100へのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ21は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
光ピックアップ22は、光ディスク100への記録を行うために、LDD23と共に本発明における「記録手段」の一具体例を構成するLD(Laser Diode)221を備えている。より詳細には、データの記録時には、光ピックアップ22が備えるLD221は、LDD23の制御の下に、光ディスク100に対して、記録光としてのレーザ光LBを照射する。これにより、光ディスク100にデータが記録される。
光ピックアップ22は、更に、光ディスク100に記録されたデータを読み取るために、PD(Photo Detector)222を備えている。より具体的には、データの読み取り時には、光ピックアップ22が備えるLD221は、LDD23の制御の下に、光ディスク100に対して、読取光としてのレーザ光LBを照射する。PD222には、照射されたレーザ光LBの反射光が入射する。これにより、光ディスク100に記録されたデータが読み取られる。
LDD23は、後述のOPC処理時には、後述のOPCパターンの記録及び読取処理により最適な記録レーザパワーの決定が行えるように、光ピックアップ22が備えるLD221を駆動する。その後、LDD23は、データの記録時には、OPC処理により決定された最適な記録レーザパワーで、光ピックアップ22が備えるLD221を駆動するように構成されている。このデータの記録時には、最適な記録レーザパワーは、記録されるデータに応じて変調される。
CPU24は、ディスクドライブ2が備える各種構成部と、データバスを介して接続され、各種構成部に指示を行うことで、ディスクドライブ2全体の制御を行う。通常、CPU24が動作するためのソフトウェア又はファームウェアは、メモリ25に格納されている。
メモリ25は、ディスクドライブ2におけるデータ処理全般及びOPC処理において使用される。また、メモリ25は、ディスクドライブ2としての動作を行わせしめるプログラム(即ち、ファームウェア)が格納されるROM領域と、データが一時的に格納されるRAM領域などから構成される。
データ入出力制御部26は、ディスクドライブ2に対する外部からのデータ入出力を制御する。ディスクドライブ2とSCSIや、ATAPIなどのインタフェースを介して接続されている外部のホストコンピュータ3から発行されるドライブ制御命令は、データ入出力制御部26を介してCPU24に伝達される。また、記録されるデータも同様にデータ入出力制御部26を介して、ホストコンピュータ3とやり取りされる。
OPC部27は、OPC処理を制御する。具体的には、OPCパターンの記録を行うようにLDD23を制御する。また、OPC部27は、記録されたOPCパターンの読取結果をPD222より受け取るPP振幅検出部28−1において検出されたPP信号の振幅及び記録されたOPCパターンの読取結果をPD222より受け取る変調度検出部28−2において検出された変調度の夫々に基づいて、最適な記録レーザパワーを算出する。
PP振幅検出部28−1は、プッシュプル信号の振幅を検出可能に構成されている。具体的には、PD222における読取結果に基づいて、プッシュプル信号の振幅を検出可能に構成されている。
変調度検出部28−2は、変調度を検出可能に構成されている。具体的には、PD222における読取結果に基づいて、変調度を検出可能に構成されている。
記録補償部29は、LDD23がLD221を駆動させるための記録ストラテジを調整可能に構成されている。
操作/表示制御部31は、ホストコンピュータ3対する動作指示受付と表示を行うもので、例えば「記録」といった操作ボタン32による指示をCPU34に伝える。
CPU34は、操作/表示制御部31からの指示情報を元に、データ入出力制御部36を介して、ディスクドライブ2に対して制御命令(コマンド)を送信し、ディスクドライブ2全体を制御する。同様に、CPU34は、ディスクドライブ2に対して、動作状態をホストに送信するように要求するコマンドを送信することができる。これにより、「記録中」といったディスクドライブ2の動作状態が把握できるため、CPU34は、操作/表示制御部31を介して蛍光管やLCDなどの表示パネル33に、ディスクドライブ2の動作状態を出力することができる。
メモリ35は、ホストコンピュータ3が使用する内部記憶装置であり、例えばBIOS(Basic Input/Output System)等のファームウェアプログラムが格納されるROM領域、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の動作に必要な変数等が格納されるRAM領域などから構成される。
(1−2)光ディスク
続いて、図2を参照して、本実施例に係る記録装置1の記録動作の対象となる光ディスク100の基本構成について説明する。ここに、図2は、光ディスク100の基本構造を示した概略平面図であり、該光ディスク100の半径方向における記録領域構造の図式的概念図である。
図2に示されるように、光ディスク100は、例えば、DVDと同じく直径12cm程度のディスク本体上の記録面に、センターホール101を中心として、内周側PCA(Power Calibration Area)111、RMA(Recording Management Area)112、リードインエリア113、データ記録エリア114、リードアウトエリア115及び外周側PCA116が設けられている。そして、例えばセンターホール101を中心にスパイラル状或いは同心円状に、例えばグルーブトラック及びランドトラックが交互に設けられている。また、このトラック上には、データパターンがECCブロックという単位で分割されて記録される。ECCブロックは、エラー訂正可能なデータ管理単位である。また、本実施例においては、光ディスク100は、一度のみデータパターンを記録することが可能な追記型記録媒体であってもよいし、複数回データパターンを記録することが可能な書換型記録媒体であってもよい。
そして、グルーブトラックは、一定の振幅及び空間周波数で揺動されている。即ち、グルーブトラックは、ウォブリングされており、そのウォブルの周期は所定値に設定されている。ランドトラック上にはプリフォーマットアドレスを示すランドプリピット(LPP:Land Pre Pit)と呼ばれるピットが形成されている。この2つのアドレッシング(即ち、ウォブル及びランドプリピット)により記録中のディスク回転制御や記録クロックの生成を行うと共に、記録アドレス等のデータパターン記録に必要な情報を得ることができる。尚、グルーブトラックのウォブルを周波数変調や位相変調など所定の変調方式により変調することによりプリフォーマットアドレスを予め記録するようにしてもよい。
(1−3)動作例
続いて、図3を参照して、本実施例に係る記録装置1の動作例について説明する。ここに、図3は、本実施例に係る記録装置1の動作例の流れを概念的に示すフローチャートである。
図3に示すように、データ記録エリア114へのデータの記録を開始する前に、CPU24の制御を受けるOPC部27の制御により、OPC処理が行われる。具体的には、まず、本発明における「第1制御手段」の一具体例を構成するOPC部27の制御の下に、記録レーザパワーを順次段階的に変更しながら、内周側PCA111に対してOPCパターンが記録される(ステップS101)。OPCパターンとして、例えば3Tパルスに相当する短マーク及び11Tパルスに相当する長マークを夫々同一の長さのスペースと共に交互に形成した記録パターンが一つの例として挙げられる。
その後、OPC部27の制御下で、PD222により、内周側PCA111に記録されたOPCパターンが読み取られる(ステップS102)。このようなOPCパターンの読み取りは、1回のOPC処理における記録レーザパワーの変更回数だけ繰り返される。PD222による読取結果(つまり、OPCパターンの読取結果)は、PP振幅検出回路28−1及び変調度検出回路28−2の夫々へ出力される。
続いて、本発明における「第1検出手段」の一具体例を構成する変調度検出回路28−2の動作により、OPCパターンの読取結果から変調度(つまり、OPCパターンが記録された記録領域における変調度)が検出される(ステップS103)。同様に、本発明における「第2検出手段」の一具体例を構成するPP振幅検出回路28−1の動作により、OPCパターンの読取結果から得られるプッシュプル信号(つまり、OPCパターンが記録された記録領域におけるプッシュプル信号)の振幅が検出される(ステップS103)。検出された変調度及びプッシュプル信号の振幅の夫々は、OPC部27へ出力される。これにより、OPC部27は、記録レーザパワーと変調度との相関関係及び記録レーザパワーとプッシュプル信号の振幅との相関関係を認識することができる。
尚、ステップS103において、OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅も同様に検出されることが好ましい。
ここで、図4から図6を参照して、PP振幅検出回路28−1の具体的な構成例について説明する。ここに、図4は、PP振幅検出回路28−1の第1の構成例を概念的に示すブロック図であり、図5は、PP振幅検出回路28−1の第2の構成例を概念的に示すブロック図であり、図6は、PP振幅検出回路28−1の第3の構成例を概念的に示すブロック図である。
図4に示すように、第1構成例に係るPP振幅検出回路28−1aは、TE(Tracking Error)信号生成部281aと、AMP(Amplifier)282aと、目標値設定部283aと、加算器284aと、EQ(Equalizer)285aと、トラッキングゲイン判定部286aと、外乱設定部287aと、加算器288aと、PP振幅推定部289aとを備えている。
TE信号生成部281aは、PD222の読取結果に基づいて、TE信号を生成する。生成されたTE信号は、AMP282aにおいて増幅される。増幅されたTE信号は、加算器284aにおいて、目標値設定部283aにおいて設定されたトラッキング目標値が減算され、その後、EQ285aにおいてフィルタリング処理が行われる。この結果、トラッキングサーボ信号が生成される。更に、トラッキングゲイン判定部286aにより検出されたトラッキングサーボ信号のゲインに応じて、外乱設定部287a及び加算器288aの動作により、所定の周波数の信号成分である外乱信号がトラッキングサーボ信号に対して加算される。その結果、外乱信号が加算されたトラッキングサーボ信号に基づいて、光ピックアップ22をトラッキング方向へ移動させるトラッキングアクチュエータが実際に駆動する。
ここで、第1構成例に係るPP振幅検出回路28−1aでは、PP振幅推定部289aの動作により、トラッキングゲイン判定部286aにおいて検出されたトラッキングサーボ信号のゲインに基づいて、プッシュプル信号の振幅が推定される。推定されたプッシュプル信号の振幅は、検出されたプッシュプル信号の振幅として、OPC部27へ出力される。
つまり、第1構成例に係るPP振幅検出回路28−1aは、トラッキングサーボ信号生成回路を利用して、プッシュプル信号の振幅を検出している。
図5に示すように、第2構成例に係るPP振幅検出回路28−1bは、記録/未記録判定部281bと、ピークホールド回路282bと、ボトムホールド回路283bと、加算器284bとを備えている。
記録/未記録判定部281bには、PD222の読取結果(特に、RF信号)が入力される。記録/未記録判定部281bは、RF信号に基づいて、現在読取が行われている記録領域が、OPCパターン等のデータが記録されている記録領域か否か(言い換えれば、OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域か否か)を判定する。その判定結果は、ピークホールド回路282b及びボトムホールド回路283bの夫々に出力される。
ピークホールド回路282b及びボトムホールド回路283bの夫々には、PD222の読取結果(特に、プッシュプル信号)が入力される。ピークホールド回路282b及びボトムホールド回路283bは、夫々、プッシュプル信号のピーク値及びボトム値を検出する。このとき、記録/未記録判定部281bにおける判定結果を利用して、OPCパターン等のデータが記録されている記録領域におけるプッシュプル信号のピーク値及びボトム値と、OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号のピーク値及びボトム値とを区別しながら検出する。その後、加算器284bにおいて、ピークホールド回路282bにおいて検出されたプッシュプル信号のピーク値から、ボトムホールド回路283bにおいて検出されたプッシュプル信号のボトム値が減算される。その結果、プッシュプル信号の振幅が得られる。得られたプッシュプル信号の振幅は、OPC部27へ出力される。
ここで、第2構成例に係るPP振幅検出回路28−1bを用いたプッシュプル信号の振幅の検出は、トラックジャンプを行った場合に行われることが好ましい。ここで、ピークホールド回路282bにおいて検出されたプッシュプル信号のピーク値から、ボトムホールド回路283bにおいて検出されたプッシュプル信号のボトム値を減算することで、プッシュプル信号の振幅を得る場合には、トラックジャンプ前の記録領域に記録されたOPCパターン等のデータを記録したときの記録レーザパワーと、トラックジャンプ後の記録領域に記録されたOPCパターン等のデータを記録したときの記録レーザパワーとが同じであることが好ましい。或いは、トラックジャンプ前の記録領域と、トラックジャンプ後の記録領域との夫々が共に、OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域であることが好ましい。
他方で、プッシュプル信号のピーク値及びボトム値の夫々を検出することに代えて、プッシュプル信号のピーク値及びボトム値の何れか一方を検出し、該検出されたピーク値及びボトム値の何れか一方を、プッシュプル信号の振幅として取り扱ってもよい。この場合、トラックジャンプ前の記録領域に記録されたOPCパターン等のデータを記録したときの記録レーザパワーと、トラックジャンプ後の記録領域に記録されたOPCパターン等のデータを記録したときの記録レーザパワーとが同じでなくともよい。
図6に示すように、第3構成例に係るPP振幅検出回路28−1cは、BPF(Band Pass Filter)281cと、AGC(Automatic Gain Control)282cと、PP振幅推定部
BPF281cには、PD222の読取結果(特に、プッシュプル信号)が入力される。BPF281cは、プッシュプル信号のうち、ウォブルの周波数と同期する信号成分のみを、AGC282cへ出力する。AGC282cでは、BPF281cの出力のゲインを調整することで、BPF281cの出力の振幅を一定に保つ。その結果、AGC282cからは、ウォブル信号が出力される。
ここで、PP振幅推定部283cは、AGC282cからのゲインコントロール信号に基づいて、プッシュプル信号の振幅を推定する。推定されたプッシュプル信号の振幅は、検出されたプッシュプル信号の振幅として、OPC部27へ出力される。
つまり、第3構成例に係るPP振幅検出回路28−1cは、ウォブル信号生成回路を利用して、プッシュプル信号の振幅を検出している。
再び図3において、本発明における「第1算出手段」及び「第2算出手段」の一具体例を構成するOPC部27の動作により、最適な記録レーザパワーが算出される。
より具体的には、まず、ステップS103において検出された変調度が最適となるような記録レーザパワーが算出される。その後、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号(言い換えれば、変調度が最適となるような記録レーザパワーで記録されたOPCパターンを読み取ることで得られるプッシュプル信号)の振幅が所定の条件を満たしているか否かが判定される(ステップS104)。ここでは、例えば、OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅に対する、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅の比が、所定の条件を満たしているか否かが判定される。
本実施例では、「所定の条件」として、「OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅に対する、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅の比が±6dB以内に収まる」という条件を用いてもよい(後述する図7における「No.1」参照)。
好ましくは、「所定の条件」として、「OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅に対する、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅の比が±3dB以内に収まる」という条件を用いてもよい(後述する図7における「No.2」参照)。
更に好ましくは、「所定の条件」として、「OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅に対する、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅の比が概ね1となる(つまり、OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅と、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅とが略同一となる)」という条件を用いてもよい(後述する図7における「No.3」参照)。
ステップS104における判定の結果、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅が所定の条件を満たしていると判定された場合には(ステップS104:Yes)、変調度が最適となる記録レーザパワーが、最適な記録レーザパワーとして算出される(ステップS105)。
他方、ステップS104における判定の結果、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅が所定の条件を満たしていないと判定された場合には(ステップS104:No)、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅が所定の条件を満たすと共に変調度が光ディスク100の規格上許される許容範囲内に収まる記録レーザパワーが、最適な記録レーザパワーとして算出される(ステップS106)。特に、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅が所定の条件を満たす記録レーザパワーのうち、変調度が光ディスク100の規格上許される許容範囲のうち最適な値となる記録レーザパワーが、最適な記録レーザパワーとして算出されることが好ましい。
ここで、図7を参照して、本実施例に係る記録装置により算出される最適な記録レーザパワーについてより詳細に説明する。ここに、図7は、OPCパターンが記録された記録領域におけるプッシュプル信号及び変調度と記録レーザパワーとの相関を示すグラフ上で最適な記録レーザパワーを示すグラフである。
図7(a)及び図7(b)に示すように、図3のステップS103において検出された変調度及びプッシュプル信号の振幅により、記録レーザパワーと変調度との相関関係及び記録レーザパワーとプッシュプル信号の振幅(PP振幅)との相関関係が得られる。また、同様に、OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅(未記録PP振幅)も得られる。
ここで、「所定の条件」として、「OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅に対する、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅の比が±3dB以内に収まる」という条件を用いるものとする。
図7(a)に示す例においては、変調度が最適となる記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅は、「OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅に対する、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅の比が±3dB以内に収まる」という条件を満たしている。このため、図7(a)に示す例においては、変調度が最適となるような記録レーザパワーが、最適な記録レーザパワーとして算出される。
他方で、図7(b)に示す例においては、変調度が最適となる記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅は、「OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅に対する、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅の比が±3dB以内に収まる」という条件を満たしていない。このため、図7(b)に示す例においては、「OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅に対する、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅の比が±3dB以内に収まる」という条件を満たす記録レーザパワーのうち変調度が最適となる(例えば、最小となる)記録レーザパワーが、最適な記録レーザパワーとして算出される。
尚、上述の説明では、プッシュプル信号の振幅の比に基づいて最適な記録レーザパワーを算出している。しかしながら、1枚の光ディスク100においては、OPCパターン等のデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅は、一般的には変わらない。このことを考慮して、プッシュプル信号の振幅の比に代えて、OPCパターンが記録された記録領域におけるプッシュプル信号の振幅そのものに基づいて、最適な記録レーザパワーを算出してもよい。
再び図3において、その後、本発明における「調整手段」の一具体例を構成する記録補償部29の制御の下に、記録ストラテジを調整する記録補償動作が実行されるか否かが判定される(ステップS107)。ここでは、ステップS105又はステップS106において算出された最適な記録レーザパワーで一度データを記録し、該記録されたデータの記録品質(例えば、変調度や、ジッタや、アシンメトリ等)が良好であれば、記録補償が実行されないと判定される。他方で、最適な記録レーザパワーで記録されたデータの記録品質が良好でなければ、記録補償が実行されると判定される。
ステップS107における判定の結果、記録補償動作が実行されると判定された場合には(ステップS107:Yes)、本発明における「調整手段」の一具体例を構成する記録補償部29の動作により、記録補償動作が行われる(ステップS108)。具体的には、最適な記録レーザパワーで記録されたデータの記録品質が良好になるように、記録ストラテジ(特に、ピークパワー以外の要素)が調整される。尚、記録補償動作の詳細については、特許第2592086号を参照されたい。
その後、本発明における「第2制御手段」の一具体例を構成するCPU24の制御の下に、データ記録エリア114へのデータの記録が開始される(ステップS109)。つまり、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅が所定の条件を満たしている場合には、ステップS105において算出された最適な記録レーザパワーのレーザ光LBを、ステップS108において調整された記録ストラテジに応じて変調しながら照射することで、データの記録が開始される。他方、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅が所定の条件を満たしていない場合には、ステップS106において算出された最適な記録レーザパワーのレーザ光LBを、ステップS108において調整された記録ストラテジに応じて変調しながら照射することで、データの記録が開始される。
他方、ステップS107における判定の結果、記録補償動作が実行されないと判定された場合には(ステップS107:No)、CPU24の制御の下に、記録補償動作が実行されることなく、データ記録エリア114へのデータの記録が開始される(ステップS109)。つまり、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅が所定の条件を満たしている場合には、ステップS105において算出された最適な記録レーザパワーのレーザ光LBを、デフォールトの記録ストラテジに応じて変調しながら照射することで、データの記録が開始される。他方、変調度が最適となるような記録レーザパワーに対応するプッシュプル信号の振幅が所定の条件を満たしていない場合には、ステップS106において算出された最適な記録レーザパワーのレーザ光LBを、デフォールトの記録ストラテジに応じて変調しながら照射することで、データの記録が開始される。
ここで、色素膜を記録層として用いる光ディスク100(例えば、Blu−ray Disc)においては、記録レーザパワーに依存して、再生時に得られるプッシュプル信号の振幅が大きく変動することが、本願発明者等の実験等により判明している。このため、図8(a)に示すように、データが記録された記録領域におけるプッシュプル信号の振幅と、データが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅とが大きく異なることになりかねない。
しかるに、本実施例においては、従来のOPCとは異なり、単に変調度やジッタやアシンメトリ等の記録品質のみならず、データが記録された記録領域におけるプッシュプル信号の振幅と、データが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅との差異が小さくなるような(或いは、差異がなくなるような)記録レーザパワーが、最適な記録レーザパワーとして算出される。このため、図8(b)に示すように、本実施例においては、データが記録された記録領域におけるプッシュプル信号の振幅と、データが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅との差異が小さくなる(或いは、なくなる)。これにより、トラッキング制御におけるサーボゲインを、データが記録されていない記録領域において得られるプッシュプル信号の振幅に合わせて設定した場合及びデータが記録されている記録領域において得られるプッシュプル信号の振幅に合わせて設定した場合のいずれの場合であっても、トラッキング制御が不安定になることを好適に抑制することができる。従って、記録レーザパワーに依存してプッシュプル信号の振幅が大きく変動する場合であっても、トラッキング制御を安定的に行なうことができるような記録レーザパワーで、データの記録を行うことができる。従って、再生時においても、上述した問題点は生じない。
更に、記録レーザパワーに依存してプッシュプル信号の振幅が大きく変動する場合であっても、フォーカスエラー信号へのプッシュプル信号の漏れ込みが変動する(例えば、漏れ込みが大きくなる)という不都合を好適に抑制することができる。従って、記録レーザパワーに依存してプッシュプル信号の振幅が大きく変動する場合であっても、フォーカス制御を安定的に行なうことができるような記録レーザパワーで、データの記録を行うことができる。更には、フォーカス制御を行なうアクチュエータの破損や焼き付きを好適に防止することができる。
加えて、上述した色素膜を記録層として用いる光ディスク100においては、記録レーザパワーの変化に対して、従来のOPCにおける指標として用いられているアシンメトリの変動があまり或いは殆どないことが、本願発明者等の実験等により判明している。このようにアシンメトリの変動があまり或いは殆どない場合には、従来のOPCでは、最適な記録レーザパワーを算出することが困難或いは不可能である。しかるに、本実施例によれば、データが記録された記録領域におけるプッシュプル信号の振幅及びデータが記録されていない記録領域におけるプッシュプル信号の振幅の夫々を考慮して最適な記録レーザパワーが算出される。このため、上述した色素膜を記録層として用いる光ディスク100であっても、OPCを好適に行うことができ、その結果、好適に最適な記録レーザパワーを算出することができる。
尚、上述した実施例では、変調度及びプッシュプル信号の振幅に基づいて最適な記録レーザパワーを算出する構成について説明している。しかしながら、変調度に代えて、例えばジッタやアシンメトリ等の他の記録品質及びプッシュプル信号に基づいて最適な記録レーザパワーを算出するように構成してもよい。但し、記録レーザパワーの変化に対して、従来のOPCにおける指標として用いられているアシンメトリの変動があまり或いは殆どない光ディスク100に対しては、アシンメトリ以外の記録品質とプッシュプル信号の振幅に基づいて最適な記録レーザパワーが算出されることが好ましい。
尚、色素膜を記録層として用いている光ディスク100に限らず、データを記録する際の記録レーザパワーに依存して、プッシュプル信号の振幅が多少なりとも変動するものであれば、本実施例に係る記録装置1による最適な記録レーザパワーを算出する対象となり得ることは言うまでもない。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。

Claims (13)

  1. パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段と、
    前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御手段と、
    前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出手段と、
    前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出手段と、
    前記第1検出手段により検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出手段と、
    前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出手段と、
    (i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御手段と
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記第2算出手段は、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅の、前記記録データが未記録である記録領域において得られる未記録プッシュプル信号の振幅に対する比が、前記第1の条件に応じた条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出することを特徴とする請求1に記載の記録装置。
  3. 前記比が前記第1の条件に応じた条件を満たすパワーは、前記比が±6dB以内にあるパワーであることを特徴とする請求2に記載の記録装置。
  4. 前記比が前記第1の条件に応じた条件を満たすパワーは、前記比が±3dB以内にあるパワーであることを特徴とする請求2に記載の記録装置。
  5. 前記比が前記第1の条件に応じた条件を満たすパワーは、前記記録済プッシュプル信号の振幅と、前記未記録プッシュプル信号の振幅とが略同一となるパワーであることを特徴とする請求2に記載の記録装置。
  6. 前記第2検出手段は、トラックジャンプ時に前記記録済プッシュプル信号の振幅を検出することを特徴とする請求1に記載の記録装置。
  7. 前記第2検出手段は、トラッキングサーボのゲインに基づいて前記記録済プッシュプル信号の振幅を推定することで、前記記録済プッシュプル信号の振幅を検出することを特徴とする請求1に記載の記録装置。
  8. 前記第2検出手段は、ウォブル信号の振幅に基づいて前記記録済プッシュプル信号の振幅を推定することで、前記記録済プッシュプル信号の振幅を検出することを特徴とする請求1に記載の記録装置。
  9. 前記記録媒体は、スパイラル状の又は同心円状のトラックを備えており、
    前記第1制御手段は、一のパワーで一のトラックに前記較正用データを記録した後、前記一のパワーとは異なる他のパワーで前記一のトラックとは異なる他のトラックに前記較正用データを記録するように前記記録手段を制御することを特徴とする請求1に記載の記録装置。
  10. 前記記録媒体は、スパイラル状の又は同心円状のトラックを備えており、
    前記第1制御手段は、一のパワーで一のトラックに前記較正用データを記録した後、前記一のパワーとは異なる他のパワーで前記一のトラックとの間に所定のスペースを介在する位置に存在する他のトラックに前記較正用データを記録するように前記記録手段を制御することを特徴とする請求1に記載の記録装置。
  11. 前記第1最適パワー又は前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで記録される前記記録データの前記記録品質が前記所望の品質とならない場合に、前記記録品質が前記所望の品質となるように前記レーザ光のストラテジを調整する調整手段を更に備えることを特徴とする請求1に記載の記録装置。
  12. パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段を備える記録装置における記録方法であって、
    前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御工程と、
    前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出工程と、
    前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出工程と、
    前記第1検出工程において検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出工程と、
    前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出工程と、
    (i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御工程と
    を備えることを特徴とする記録方法。
  13. パワーを調整可能なレーザ光を記録媒体に照射することで、記録データを前記記録媒体に記録する記録手段と、前記記録データの記録を開始する前に、前記パワーを複数通りに調整しつつ、前記レーザ光のパワーを較正するための較正用データを前記記録データとして前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御する第1制御手段と、前記較正用データの所定の記録品質を検出する第1検出手段と、前記較正用データが記録されている記録領域における記録済プッシュプル信号の振幅を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により検出された前記所定の記録品質が所望の品質となるパワーを、前記レーザ光の第1最適パワーとして算出する第1算出手段と、前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たしていない場合に、前記記録済プッシュプル信号の振幅が第1の条件を満たし且つ前記所定の記録品質が第2の条件を満たすパワーを、前記レーザ光の第2最適パワーとして算出する第2算出手段と、(i)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしている場合には、前記第1最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御すると共に、(ii)前記第1最適パワーに対応する前記記録済プッシュプル信号の振幅が前記第1の条件を満たしていない場合には、前記第2最適パワーの前記レーザ光を照射することで前記記録データの記録を開始するように前記記録手段を制御する第2制御手段とを備える記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、
    該コンピュータを、前記記録手段、前記第1制御手段、前記第1検出手段、前記第2検出手段、前記第1算出手段、前記第2算出手段及び前記第2制御手段として機能させることを特徴とする再生制御用のコンピュータプログラム。
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