JP4937099B2 - 壁体構造の改修方法 - Google Patents

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Description

本発明は壁体構造の改修方法、特に、壁体構造を構成する既設壁面部材の一部を新設壁面部材に改修する壁体構造の改修方法に関する。
従来、風の流入を防止する防風壁、光の照射を防止する遮光壁、車両の騒音を遮断する遮音壁若しくは低減する防音壁、あるいは砂の進入を防ぐ防砂壁等(以下、「壁体構造」と総称する)は、所定の間隔を設けて立設された複数本の断面H型の支柱と、該支柱の間に上位下方向に積み重ねられた複数の壁面部材(以下、「既設壁面部材」と称す)と、を具備している。
なお、既設壁面部材は所定厚さの矩形状板または矩形状枠体であって、複数枚が上下方向に積み上げられることによって壁面を形成している。そして、その用途に応じて、所定の剛性を具備すると共に、それぞれ難通風性または通風低減性、遮光性、遮音性、耐摩耗性等の性能を発揮するものである。
このとき、一対の断面H型の支柱のウエブは互いに向かい合っていて、既設壁面部材の両側部は、一対の断面H型の支柱のウエブ面とフランジ内面とから形成される懐にそれぞれ保持されて下方向に落とし込まれている(以下、「落とし込み式壁体構造」と称する場合がある)。
このため、壁体構造を構成する既設壁面部材、特に、最下段に配置された既設壁面部材を、破損や変形、あるいは所定性能の悪化等の理由によって、取り替える必要が生じた場合、当該既設壁面部材の上方に配置されている既設壁面部材を上から順番に抜き出して当該既設壁面部材を撤去し、撤去された位置に新規に設置される新設壁面部材を上から落とし込み、さらに、その上に、先に抜き出した既設壁面部材を上から順番に落とし込む作業をすることになる。
したがって、当該作業はその作業自体に長時間を要すという問題と共に、当該作業のための大型機械(例えば、クレーン等)が必要になり、且つ、該大型機械を設置するためのスペースが必要になるという問題があった。
このため、大型機械を用いることなく既設壁面部材のみを撤去して、これに替えて長手方向に伸長可能な交換用壁板(新設壁面部材に相当する)を設置する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、交換を容易にする目的で、一対の断面H型の支柱のフランジの道路側の面に、支柱に垂直(鉛直に立設された支柱に対しては、水平方向に同じ)に所定の間隔で複数の横胴縁を設置し、透光性遮音板(新設壁面部材に相当する)の上端および下端を、それぞれ取り付け枠を介して横胴縁に固定する発明が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−247516号公報(第3−4頁、図1) 特許第3671462号公報(第5−6頁、図13)
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、長手方向に伸長可能な交換用壁板が、2枚の表面板と、これらの間隔を調整する伸縮部材と、から構成されるため、交換用壁が複雑になると共に、伸縮部材の経年劣化によって表面板が脱落するおそれがあるという新たな問題があった。
また、特許文献2に開示された発明は、それぞれの透光性遮音板が、取り付け枠を介して横胴縁に固定するものであるから、前記落とし込み式壁体構造に比較して、当初の設置作業が煩雑になると共に、前記落とし込み式壁体構造として完成している壁体構造に対しては、その改修方法として適用できないという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、落とし込み式壁体構造でありながら、撤去されるべき既設壁面部材のみを撤去して、これに替えて、簡素構造の壁面部材を容易に設置することができる壁体構造の改修方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る壁体構造の改修方法は、互いにウエブが向き合うように立設されている複数本の断面H型の支柱と、
該支柱のうち互いに向き合った一対の支柱のそれぞれのウエブ面とフランジ内面とから形成される懐に、両側部が保持されて下方向に落とし込まれて配置された既設壁面部材と、を具備する壁体構造の改修方法であって、
前記既設壁面部材のうち撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材を、仮止め手段によって落下不能に仮止めする工程と、
前記撤去すべき既設壁面部材を破壊または変形させて、前記互いに向き合った一対の支柱の間から撤去する工程と、
前記互いに向き合った一対の支柱のウエブに、前記撤去すべき既設壁面部材の上方に位置する既設壁面部材の落下を防止する既設壁面部材支持金具を設置する工程と、
前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面であって、前記撤去すべき既設壁面部材の下縁が撤去される前に位置していた部分に相当する高さに、上面に凹溝を具備する下段枠を配置し、その両端部をそれぞれ前記フランジ外面の相当する高さに設置する工程と、
新規に設置される新設壁面部材の下縁を、前記下段枠の凹溝に装入する工程と、
前記下縁が前記下段枠の凹溝に装入されている新設壁面部材の上縁を、下面に凹溝を具備する上段枠に装入する工程と、
前記上段枠の両端部をそれぞれ前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
前記新設壁面部材の側縁を保持する縦枠を、前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
とを有するものである。
(2)前記(1)において、前記新設壁面部材に、前記一対の支柱のうち一方の支柱を隔てて隣接する改修済み新設壁面部材が存在するとき、
前記新設壁面部材と前記改修済み新設壁面部材とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結する工程、を有することを特徴とするものである。
(3)また、本発明に係る壁体構造の改修方法は、互いにウエブが向き合うように立設されている複数本の断面H型の支柱と、
該支柱のうち互いに向き合った一対の支柱のそれぞれのウエブ面とフランジ内面とから形成される懐に、両側部が保持されて下方向に落とし込まれて配置された既設壁面部材と、を具備する壁体構造の改修方法であって、
前記既設壁面部材のうち撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材を、仮止め手段によって落下不能に仮止めする工程と、
前記撤去すべき既設壁面部材を破壊または変形させて、前記互いに向き合った一対の支柱の間から撤去する工程と、
前記互いに向き合った一対の支柱のウエブに、前記撤去すべき既設壁面部材の上方に位置する既設壁面部材の落下を防止する既設壁面部材支持金具を設置する工程と、
前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面であって、前記撤去すべき既設壁面部材の下縁が撤去される前に位置していた部分に相当する高さに、上面に凹溝を具備する下段枠を配置し、その両端部をそれぞれ前記フランジ外面の相当する高さに設置する工程と、
新規に設置される下段新設壁面部材の下縁を、前記下段枠の凹溝に装入する工程と、
前記下縁が前記下段枠の凹溝に装入されている下段新設壁面部材の上縁を、上下面に凹溝を具備する中段枠の下面に形成された凹部に装入する工程と、
前記中段枠の両端部をそれぞれ前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
新規に設置されるべき上段新設壁面部材の下縁を、前記中段枠の上面に形成された凹溝に装入する工程と、
前記下縁が前記中段枠の凹部に装入されている上段新設壁面部材の上縁を、下面に凹溝を具備する上段枠の凹部に装入する工程と、
前記上段枠の両端部をそれぞれ前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
前記下段新設壁面部材の側縁および上段新設壁面部材の側縁を保持する縦枠を、前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
とを有するものである。
(4)前記(3)において、前記下段側の新設壁面部材に、前記一対の支柱のうち一方の支柱を隔てて隣接する改修済み新設壁面部材が存在するとき、
前記下段側の新設壁面部材と前記改修済み新設壁面部材とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結する工程、を有することを特徴とするものである。
(5)前記(3)において、前記上段新設壁面部材に、前記一対の支柱のうち一方の支柱を隔てて隣接する改修済み新設壁面部材が存在するとき、
前記上段新設壁面部材と前記改修済み新設壁面部材とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結する工程、を有することを特徴とするものである。
(6)前記(1)乃至(5)の何れかにおいて、前記撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材の下縁と、前記両端部がそれぞれ前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置されている上段枠の上縁と、の隙間を覆う断面L字状の隙間隠し板を設置する工程を有することを特徴とするものである。
(7)さらに、本発明に係る壁体構造の改修方法は、互いにウエブが向き合うように立設されている複数本の断面H型の支柱と、
該支柱のうち互いに向き合った一対の支柱のそれぞれのウエブ面とフランジ内面とから形成される懐に、両側部が保持されて下方向に落とし込まれて配置された既設壁面部材と、を具備する壁体構造の改修方法であって、
前記既設壁面部材のうち撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材を、仮止め手段によって落下不能に仮止めする工程と、
前記撤去すべき既設壁面部材を破壊または変形させて、前記互いに向き合った一対の支柱の間から撤去する工程と、
前記互いに向き合った一対の支柱のウエブに、前記撤去すべき既設壁面部材の上方に位置する既設壁面部材の落下を防止する既設壁面部材支持金具を設置する工程と、
前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面であって、前記撤去すべき既設壁面部材の下縁が撤去される前に位置していた部分に相当する高さに、上面に凹溝を具備する下段枠を配置し、その両端部をそれぞれ前記フランジ外面の相当する高さに設置する工程と、
新規に設置される新設壁面部材の下縁を前記下段枠の凹溝に装入する工程と、
前記新設壁面部材の両側縁を、前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に略当接する工程と、
前記新設壁面部材の側縁を保持する縦枠を、前記フランジ外面に設置する工程と、
前記既設壁面部材の下縁に、前記新設壁面部材の上縁を覆う隙間隠し板を設置する工程と、を有するものである。
(8)前記(7)において、前記新設壁面部材の後面の上縁と前記隙間隠し板の前面の下縁とに挟まれるように隙間隠しゴム材が設置されていることを特徴とするものである。
(9)前記(7)または(8)において、前記新設壁面部材に、前記一対の支柱のうち一方の支柱を隔てて隣接する改修済み新設壁面部材が存在するとき、
前記新設壁面部材と前記改修済み新設壁面部材とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結する工程、を有することを特徴とするものである。
(10)さらに、前記(1)乃至(9)の何れかにおいて、前記下段枠の両端部または前記上段枠の両端部を、片面締結ボルトを用いて前記フランジ外面に設置することを特徴とするものである。
本発明に係る壁体構造の改修方法は、以上であるから、下記の効果を奏する。
(i)撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材をそのままにして(一旦、撤去しないで)、簡単な部材によって新たに新設壁面部材を設置することができるから、改修作業が迅速になる。
また、複数の部材によって新設壁面部材が保持されているから、保持している部材の全てが経年劣化して脱落しない限り、新設壁面部材の脱落のおそれがない。すなわち、保持している部材の脱落は容易に発見されるから、新設壁面部材の脱落に至らない。
(ii)新たに設置される新設壁面部材と、既に改修済みの新設壁面部材(既に設置されている)とが一方の支柱を隔てて隣接する場合、当該支柱を貫通するワイヤーによって連結するから、仮に、過剰な力(異物の衝突等)が作用して、新設壁面部材が断面H型の支柱の懐から抜け出したとしても、完全に脱落することがない。すなわち、例えば、高架道路や高架橋の側縁に沿って設置された壁体構造において、車等が衝突した場合であっても、新設壁面部材が地上に落下するようなことがない。
(iii)中段枠を介して、下段側の新設壁面部材と上段側の新設壁面部材とが新たに設置されるから、撤去すべき既設壁面部材の多少に関わらず、容易に改修することができると共に、下段側の新設壁面部材と上段側の新設壁面部材とを異なるものにして意匠性を高めることができる。
また、撤去すべき既設壁面部材が多い場合(撤去すべき面積が広い場合)であっても、中段枠によって下段側の新設壁面部材および上段側の新設壁面部材の双方が補剛されるから、それらの増厚を抑えることができる。すなわち、所定厚さの新設壁面部材を用意するだけで、中段枠の本数と新設壁面部材の枚数との変更によって、撤去すべき既設壁面部材の多少に対応することが可能になるから、様々な厚さの新設壁面部材を用意する必要がなくなる。すなわち、新設壁面部材の標準化を図ることが可能になる。
(iv)新たに設置される下段側の新設壁面部材と改修済み新設壁面部材(既に設置されている)とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結するから、仮に、過剰な力が作用して、下段側の新設壁面部材が断面H型の支柱の懐から抜け出したとしても、完全に脱落することがない。
(v)新たに設置される上段側の新設壁面部材と改修済み新設壁面部材(既に設置されている)とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結するから、仮に、過剰な力が作用して、上段側の新設壁面部材が断面H型の支柱の懐から抜け出したとしても、完全に脱落することがない。
(vi)撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材(撤去されないまま残っている既設壁面部材に同じ)の下縁と上段枠の上縁との隙間を覆う断面L字状の隙間隠し板を設置するから、当該隙間を風、音、あるいは砂等が通過することがない。
(vii)上段枠を設置することなく、新設壁面部材の上縁を覆う隙間隠し板によって、新設壁面部材の上縁が保持されるため、部品点数が低減し、当該部材を設置するための穿孔作業が省略されるため、改修作業が迅速かつ安価になる。
(viii)新設壁面部材と隙間隠し板との間に隙間隠しゴム材が設置されるから、新設壁面部材と既設隙間隠し板との間を風、音、あるいは砂等が通過することがなくなり、防音性(遮音性)等が向上する。
(ix)新たに設置される新設壁面部材と改修済み新設壁面部材(既に設置されている)とを、一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結するから、新設壁面部材が断面H型の支柱の懐から抜け出したとしても、完全に脱落することがない。
(x)下段枠および上段枠を片面締結ボルト(ワンサイドボルトに同じ)を用いてフランジ外面に設置するから、改修作業が迅速になる。
[実施形態1]
図1〜図10は本発明の実施形態1に係る壁体構造の改修方法を工程を追って説明するものであって、それぞれの(a)は壁体構造の一部を模式的に示す正面図、(b)は断面図である。また、図11〜図20は、図1〜図10に示す壁体構造の改修方法の説明を捕捉するための模式図であって、図14および図19は側面図、図16は平面視の断面図、その他の図については使用する部材を示す(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が側面図である。なお、各図において同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
(改修前の状況)
図1において、壁体構造100は、道路または橋梁の側縁に沿って設置されたものであって、壁体基礎11に所定の間隔を設けて立設された複数本の断面H型の支柱12と、支柱12のうち隣接する一対の支柱12のそれぞれの支柱ウエブ12wの面と支柱フランジ12fの内面(支柱ウエブ12w側)とから形成される支柱懐部13に、両側部が保持されて下方向に落とし込まれて配置された複数枚の既設壁面部材1a、1bおよび複数枚の既設壁面部材2a、2b・・・2iと、一対の支柱12の先端同士を連結する先端連結材14と、を有している。
なお、既設壁面部材1a、1bは撤去すべきものであって、便宜上、それぞれを撤去壁面部材1a、1b、まとめて「撤去壁面部材1」と称す。また、既設壁面部材2a、2b・・・2iは、撤去されないで改修後も残されるものであって、便宜上、それぞれを保存壁面部材2a、2b・・・2i、まとめて「保存壁面部材2」と称す。
さらに、支柱懐部13内には、下端が壁体基礎11に固定され、上端が先端連結材14または支柱の先端に固定された既設壁面部材落下防止ワイヤー(図示しない)が、上下方向に配置されている。そして、撤去壁面部材1および保存壁面部材2の両側部には、既設壁面部材落下防止ワイヤーが係止する係止用部材(たとえば、既設壁面部材落下防止ワイヤーが貫通するリング状部材等)が設置され、撤去壁面部材1および保存壁面部材2の何れかが、支柱懐部13から抜け出しても、壁体基礎11から脱落しないようになっている。
(仮止め工程)
図2において、壁体基礎11の上面に仮止め支保20を配置して、仮止め支保20の上端側方に突出するフランジ21によって、保存壁面部材2を支持可能(下方への移動不能)にする(図11参照)。すなわち、仮止め支保20の上端は、保存壁面部材2aの最下縁に当接したり、保存壁面部材2の最下縁に僅かの隙間を空けて対峙している。図2において、2本の仮止め支保20が壁体基礎11に立設させているが、本発明はこれに限定するものではなく、その数量は何本であってもよく、また、保存壁面部材2aと支柱フランジ12fとの隙間に打ち込まれて、保存壁面部材2aを落下不能に支持する楔であってもよい。
(既設壁面部材の撤去工程)
図3において、撤去壁面部材1bを破壊または変形させて、支柱懐部13から撤去する。このとき、既設壁面部材落下防止ワイヤー(図示しない)は設置されたままであって、撤去壁面部材1bの係止用部材(図示しない)から開放されているから、撤去壁面部材1bだけが、支柱懐部13から撤去される。
(既設壁面部材受け金具の固定工程)
図4において、支柱12の支柱ウエブ12wに受け金具用ボルト15を貫通させるための貫通孔を設け、受け金具用ボルト15を貫通する貫通孔31が設けられたL字状の既設壁面部材受け金具30を、ボルトに螺合するナット(図示しない)によって固定する(図12および図14参照)。なお、支柱ウエブ12wに替えて、支柱フランジ12fの内面に固定してもよい。また、ボルト固定に替えて、既設壁面部材受け金具30を支柱ウエブ12wに直接溶接してもよい。
また、板材を、略の字状に折り曲げた固定金具32が支柱12の支柱懐部13に配置、正確には、保存壁面部材2aの後面側と支柱フランジ12fとの間に挟圧された状態で設置されている(図13および図14参照)。
したがって、保存壁面部材2は、鉛直方向では、支柱ウエブ12wに固定された既設壁面部材受け金具30に受け止められ、水平方向(道路の内外方向)では、固定金具32によって支柱フランジに押し付けられて拘束されている(図14参照)。
なお、図4において、上側の撤去壁面部材1bが撤去され、下側の撤去壁面部材1aは撤去されていないが、両者を撤去した後、既設壁面部材受け金具30を固定してもよい。
(仮止め支保の撤去工程)
図5において、仮止め支保20を撤去する。
(下段枠の固定工程)
図6において、撤去壁面部材1が撤去された後の空間の底に相当する範囲、すなわち、撤去される前に撤去壁面部材1aの下縁が位置していた部分に相当する支柱フランジ12fの範囲に、支柱貫通孔16aを穿設する。
そして、上面に凹溝41と両端部に下段枠貫通孔42を具備する下段枠40(図15参照)を配置し、その両端部を、支柱貫通孔16aおよび下段枠貫通孔42を貫通する片面締結ボルト(ワンサイドボルト、図示しない)を用いて、それぞれ支柱12の支柱フランジ12fの外面(道路側の面)に設置する。
このとき、下段枠40の下縁は壁体基礎11の上面に当接し、当該当接部を風、音、あるいは砂等が通過しないようにしている。なお、下段枠40の下縁と壁体基礎11の上面との間に、遮音壁または防音壁用に、遮音または防音、防振若しくは密着性向上の為の弾性体(ガスケット等)を介在させてもよい。
(新設壁面部材の設置工程)
図7において、下段枠40の上面に形成された凹溝41に、新たに設置する壁面部材(以下、「新設壁面部材」と称す)3の下縁を装入して、上縁が保存壁面部材2aの下縁と所定の隙間を空けて略鉛直に配置する。
(新設壁面部材落下防止ワイヤーの設置工程)
そして、新設壁面部材3に、支柱12を隔てて既に改修済みの新設壁面部材4が隣接している場合は、新設壁面部材3と改修済み新設壁面部材4とを、支柱ウエブ12wを貫通する新設壁面部材落下防止ワイヤー5によって連結する。このとき、新設壁面部材落下防止ワイヤー5の両端には、新設壁面部材3に設けられた貫通孔6を貫通自在な所定の長さのねじ棒5sが固定され、ねじ棒5sに螺合するナット5nを締め込むことによって、ナット5nが新設壁面部材3を挾持するものである(図16参照)。
そして、新設壁面部材3の上縁を上段枠50の下面に形成された凹溝51に装入する。なお、新設壁面部材3の上縁を上段枠50の下面に形成された凹溝51に装入した後、新設壁面部材落下防止ワイヤー5を設置してもよい。
また、新設壁面部材3の両側に、支柱12を隔てて既に改修済みの新設壁面部材4が存在する場合は、当該両側の改修済みの新設壁面部材4と連結する。また、新設壁面部材3が支柱12を隔てて撤去壁面部材1と隣接する場合には、撤去壁面部材1と連結する。
なお、新設壁面部材3と改修済みの新設壁面部材4との連結にかえて、新設壁面部材3と既設壁面部材落下防止ワイヤー(図示しない)とを係止部材を介して係止するようにしてもよい。
(上段枠の固定工程)
図8において、撤去壁面部材1が撤去された後の空間の天井に相当する範囲、すなわち、撤去される前に撤去壁面部材1bの上縁が位置していた部分に相当する支柱フランジ12fの範囲に、支柱貫通孔16bを穿設する。
そして、下面に凹溝51と両端部に上段枠貫通孔52を具備する上段枠50(図17参照)を配置し、その両端部を、支柱貫通孔16bおよび上段枠貫通孔52を貫通する片面締結ボルト(ワンサイドボルト、図示しない)を用いて、それぞれ支柱12の支柱フランジ12fの外面(道路側の面)に設置する。
(縦枠の固定工程)
図9において、支柱12の支柱フランジ12fの外面(道路側の面)に所定の間隔で縦枠用ボルト17を溶接し、これに螺合するナット62によって、縦枠用ボルト17が貫通する貫通孔61が設けられた縦枠60を設置する(図18参照)。このとき、新設壁面部材3に支柱12を隔てて隣接する既に改修済みの新設壁面部材4が存在しているから、縦枠60は新設壁面部材3の側縁と改修済みの新設壁面部材4の側縁とを同時に保持することになる。また、ナット62の目隠しのため、化粧キャップ等を設置してもよい。
(隙間隠し板の設置工程)
図10において、保存壁面部材2aの下縁と、上段枠50の上縁とに跨って、断面L字状の隙間隠し板70を設置する。したがって、両者の隙間が覆われるから、隙間を風、音、あるいは砂等が通過することがない。このとき、隙間隠し板70の鉛直面のみを保存壁面部材2aに固定して、隙間隠し板70の水平面と上段枠50との間にガスケット等を設置してもよい(図19参照)。
さらに、上段枠50に替えて、上段枠50と隙間隠し板70とが一体になったものに相当する、隙間隠し板付き上段枠150を支柱フランジ12fに設置してもよい。すなわち、隙間隠し板付き上段枠150は、下面には凹溝151と、上面には断面L字状の隙間隠し部170と、両端部には貫通孔152と、を有している(図20参照)。
以上の工程によって、保存壁面部材2の全てを一旦撤去することなく、撤去壁面部材1を新設壁面部材3に、迅速に取り替えることができる。このとき、改修現場においては、
a)既設壁面部材受け金具30を設置するための受け金具用ボルト15を支柱ウエブ12wに貫通させるための貫通孔を設ける作業、
b)縦枠60を設置するための縦枠用ボルト17を支柱フランジ12fに溶接する作業、
c)下段枠40および上段枠50をそれぞれ設置するための支柱貫通孔16aおよび支柱貫通孔16bを支柱フランジ12fに穿設(形成)する作業、
が生じるだけで、大がかりなクレーンワークを必要としないから、作業が迅速になると共に、大型機械を設置するための広い作業面積を確保する必要がなくなる。なお、以上は、撤去壁面部材1を2枚撤去しているが、その枚数は限定するものではない。
[実施形態2]
図21は本発明の実施形態2に係る壁体構造の改修方法を説明するものであって、(a)は壁体構造の一部を模式的に示す正面図、(b)は断面図である。また、図22は、図21に説明する壁体構造の改修方法に使用する部材を模式的に示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。なお、実施の形態1(図1〜19)と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図21において、撤去壁面部材1a、1bを撤去した後に、中段枠80を用いて下段側の新設壁面部材3aと上段側の新設壁面部材3bとを設置している。このとき、中段枠80の上下面にはそれぞれ凹溝81a、81bと、両端部に中段枠貫通孔82と、が設けられている(図22参照)。
そして、実施の形態1の新設壁面部材3および上段枠50を、それぞれ下段側の新設壁面部材3aおよび中段枠80と読み替えて、下段側の新設壁面部材3aを設置し、さらに、実施の形態1の新設壁面部材3および下段枠40を、それぞれ上段側の新設壁面部材3bおよび中段枠80と読み替えて、上段側の新設壁面部材3bを設置するものである。
なお、縦枠60aおよび縦枠60bが、それぞれ下段側の新設壁面部材3aおよび上段側の新設壁面部材3bを保持しているが、1本の縦枠でもって、下段側の新設壁面部材3aおよび上段側の新設壁面部材3bを同時に保持するようにしてもよい。
[実施形態3]
図23は本発明の実施形態3に係る壁体構造の改修方法を説明するものであって、壁体構造の一部を模式的に示す側面図である。なお、実施の形態1(図1〜19)と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
(新設壁面部材の上縁の保持)
図23において、実施形態3に係る壁体構造の改修方法は、新設壁面部材3の上縁を保持する上段枠を設置することなく、新設壁面部材3の上縁を隙間隠し板90によって直接保持している。
すなわち、実施の形態1における新設壁面部材3に新設壁面部材落下防止ワイヤー5を設置する工程(図7参照)の後、新設壁面部材3の両側縁を、互いに向き合った一対の支柱フランジfの外面(道路側の面)に略当接する工程と、保存壁面部材2aの下縁に、新設壁面部材3の上縁を覆う隙間隠し板90を設置する工程と、を有している。なお、隙間隠し板90を設置する工程に前後して、新設壁面部材3の側縁を保持する縦枠60を支柱フランジfの外面に設置する工程を有している。
隙間隠し板90は、保存壁面部材2a(正確には、保存壁面部材2aの下縁に下方に延設された既設の既設隙間隠し板7)に当接する上部鉛直部91と、新設壁面部材3の上縁に当接または所定の隙間を空けて対峙する下部鉛直部93と、上部鉛直部91と下部鉛直部93とを連結する中央傾斜部92とを具備している。そして、上部鉛直部91が既設の既設隙間隠し板7に押付けリベット(図示しない)によって固定される。
このとき、下部鉛直部93と新設壁面部材3の上縁との間に隙間隠しゴム(ガスケットに同じ)94が設置され、遮音性、防振性、密着性等を高めている。
したがって、実施の形態3においても実施の形態1と同様に、保存壁面部材2を撤去する必要がないから、改修作業は迅速になり、作業面積(作業スペース)を狭くすることができると共に、改修に要する部品点数が減少するから、施工コストがさらに低減する。
本発明は、改修作業を迅速化にして作業面積(作業スペース)を狭くすることができるから、各種目的に応じて様々な場所に設置される各種壁体構造の改修方法として、広く利用することができる。
本発明の実施形態1に係る壁体構造の改修方法を説明する、壁体構造の一部を模式的に示す正面図と断面図。 図1に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図2に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図3に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図4に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図5に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図6に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図7に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図8に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図9に示す工程に続く工程を説明する壁体構造の一部の正面図と断面図。 図1等に示す壁体構造の改修方法に使用する部材を示す平面図等。 図1等に示す壁体構造の改修方法に使用する部材を示す平面図等。 図1等に示す壁体構造の改修方法に使用する部材を示す平面図等。 図1等に示す壁体構造の改修方法の説明を捕捉するための模式側面図。 図1等に示す壁体構造の改修方法に使用する部材を示す平面図等。 図1等に示す壁体構造の改修方法の説明を捕捉するための模式断面図。 図1等に示す壁体構造の改修方法に使用する部材を示す平面図等。 図1等に示す壁体構造の改修方法に使用する部材を示す平面図等。 図1等に示す壁体構造の改修方法の説明を捕捉するための模式側面図。 図1等に示す壁体構造の改修方法に使用する部材を示す平面図等。 本発明の実施形態2に係る壁体構造の改修方法を説明する、壁体構造の一部を示す正面図と断面図。 図21に示す壁体構造の改修方法に使用する部材を示す平面図等。 本発明の実施形態2に係る壁体構造の改修方法を説明する、壁体構造の一部を示す側面図。
符号の説明
1 撤去壁面部材(既設壁面部材)
2 保存壁面部材(既設壁面部材)
3 新設壁面部材
4 新設壁面部材
5 新設壁面部材落下防止ワイヤー
6 貫通孔
7 隙間隠し板
11 壁体基礎
12 支柱
13 支柱懐部
14 先端連結材
15 金具用ボルト
16a 支柱貫通孔
16b 支柱貫通孔
17 縦枠用ボルト
20 仮止め支保
21 フランジ
30 既設壁面部材受け金具
31 貫通孔
32 固定金具
40 下段枠
41 凹溝
42 下段枠貫通孔
50 上段枠
51 凹溝
52 上段枠貫通孔
60 縦枠
61 貫通孔
62 ナット
70 隙間隠し板
80 中段枠
81a 凹溝
82 中段枠貫通孔
90 板
91 上部鉛直部
92 中央傾斜部
93 下部鉛直部
100 壁体構造
150 上段枠
151 凹溝
152 貫通孔
170 隙間隠し部

Claims (10)

  1. 互いにウエブが向き合うように立設されている複数本の断面H型の支柱と、
    該支柱のうち互いに向き合った一対の支柱のそれぞれのウエブ面とフランジ内面とから形成される懐に、両側部が保持されて下方向に落とし込まれて配置された既設壁面部材と、を具備する壁体構造の改修方法であって、
    前記既設壁面部材のうち撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材を、仮止め手段によって落下不能に仮止めする工程と、
    前記撤去すべき既設壁面部材を破壊または変形させて、前記互いに向き合った一対の支柱の間から撤去する工程と、
    前記互いに向き合った一対の支柱のウエブに、前記撤去すべき既設壁面部材の上方に位置する既設壁面部材の落下を防止する既設壁面部材支持金具を設置する工程と、
    前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面であって、前記撤去すべき既設壁面部材の下縁が撤去される前に位置していた部分に相当する高さに、上面に凹溝を具備する下段枠を配置し、その両端部をそれぞれ前記フランジ外面の相当する高さに設置する工程と、
    新規に設置される新設壁面部材の下縁を、前記下段枠の凹溝に装入する工程と、
    前記下縁が前記下段枠の凹溝に装入されている新設壁面部材の上縁を、下面に凹溝を具備する上段枠に装入する工程と、
    前記上段枠の両端部をそれぞれ前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
    前記新設壁面部材の側縁を保持する縦枠を、前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
    とを有する壁体構造の改修方法。
  2. 前記新設壁面部材に、前記一対の支柱のうち一方の支柱を隔てて隣接する改修済み新設
    壁面部材が存在するとき、
    前記新設壁面部材と前記改修済み新設壁面部材とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結する工程、を有することを特徴とする請求項1記載の壁体構造の改修方法。
  3. 互いにウエブが向き合うように立設されている複数本の断面H型の支柱と、
    該支柱のうち互いに向き合った一対の支柱のそれぞれのウエブ面とフランジ内面とから形成される懐に、両側部が保持されて下方向に落とし込まれて配置された既設壁面部材と、を具備する壁体構造の改修方法であって、
    前記既設壁面部材のうち撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材を、仮止め手段によって落下不能に仮止めする工程と、
    前記撤去すべき既設壁面部材を破壊または変形させて、前記互いに向き合った一対の支柱の間から撤去する工程と、
    前記互いに向き合った一対の支柱のウエブに、前記撤去すべき既設壁面部材の上方に位置する既設壁面部材の落下を防止する既設壁面部材支持金具を設置する工程と、
    前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面であって、前記撤去すべき既設壁面部材の下縁が撤去される前に位置していた部分に相当する高さに、上面に凹溝を具備する下段枠を配置し、その両端部をそれぞれ前記フランジ外面の相当する高さに設置する工程と、
    新規に設置される下段新設壁面部材の下縁を、前記下段枠の凹溝に装入する工程と、
    前記下縁が前記下段枠の凹溝に装入されている下段新設壁面部材の上縁を、上下面に凹溝を具備する中段枠の下面に形成された凹部に装入する工程と、
    前記中段枠の両端部をそれぞれ前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
    新規に設置されるべき上段新設壁面部材の下縁を、前記中段枠の上面に形成された凹溝に装入する工程と、
    前記下縁が前記中段枠の凹部に装入されている上段新設壁面部材の上縁を、下面に凹溝を具備する上段枠の凹部に装入する工程と、
    前記上段枠の両端部をそれぞれ前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
    前記下段新設壁面部材の側縁および上段新設壁面部材の側縁を保持する縦枠を、前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置する工程と、
    とを有する壁体構造の改修方法。
  4. 前記下段側の新設壁面部材に、前記一対の支柱のうち一方の支柱を隔てて隣接する改修済み新設壁面部材が存在するとき、
    前記下段側の新設壁面部材と前記改修済み新設壁面部材とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結する工程、を有することを特徴とする請求項3記載の壁体構造の改修方法。
  5. 前記上段新設壁面部材に、前記一対の支柱のうち一方の支柱を隔てて隣接する改修済み新設壁面部材が存在するとき、
    前記上段新設壁面部材と前記改修済み新設壁面部材とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結する工程、を有することを特徴とする請求項3記載の壁体構造の改修方法。
  6. 前記撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材の下縁と、前記両端部がそれぞれ前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に設置されている上段枠の上縁と、の隙間を覆う断面L字状の隙間隠し板を設置する工程を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の壁体構造の改修方法。
  7. 互いにウエブが向き合うように立設されている複数本の断面H型の支柱と、
    該支柱のうち互いに向き合った一対の支柱のそれぞれのウエブ面とフランジ内面とから形成される懐に、両側部が保持されて下方向に落とし込まれて配置された既設壁面部材と、を具備する壁体構造の改修方法であって、
    前記既設壁面部材のうち撤去すべき既設壁面部材の直上に位置する既設壁面部材を、仮止め手段によって落下不能に仮止めする工程と、
    前記撤去すべき既設壁面部材を破壊または変形させて、前記互いに向き合った一対の支柱の間から撤去する工程と、
    前記互いに向き合った一対の支柱のウエブに、前記撤去すべき既設壁面部材の上方に位置する既設壁面部材の落下を防止する既設壁面部材支持金具を設置する工程と、
    前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面であって、前記撤去すべき既設壁面部材の下縁が撤去される前に位置していた部分に相当する高さに、上面に凹溝を具備する下段枠を配置し、その両端部をそれぞれ前記フランジ外面の相当する高さに設置する工程と、
    新規に設置される新設壁面部材の下縁を前記下段枠の凹溝に装入する工程と、
    前記新設壁面部材の両側縁を、前記互いに向き合った一対の支柱のフランジ外面に略当接する工程と、
    前記新設壁面部材の側縁を保持する縦枠を、前記フランジ外面に設置する工程と、
    前記既設壁面部材の下縁に、前記新設壁面部材の上縁を覆う隙間隠し板を設置する工程と、
    を有する壁体構造の改修方法。
  8. 前記新設壁面部材の後面の上縁と前記隙間隠し板の前面の下縁とに挟まれるように隙間隠しゴム材が設置されていることを特徴とする請求項7記載の壁体構造の改修方法。
  9. 前記新設壁面部材に、前記一対の支柱のうち一方の支柱を隔てて隣接する改修済み新設壁面部材が存在するとき、
    前記新設壁面部材と前記改修済み新設壁面部材とを、前記一方の支柱を貫通するワイヤーによって連結する工程、を有することを特徴とする請求項7または8記載の壁体構造の改修方法。
  10. 前記下段枠の両端部または前記上段枠の両端部を、片面締結ボルトを用いて前記フランジ外面に設置することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の壁体構造の改修方法。
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