JP4937037B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
また、処理ガスが正規のガス路から漏れて構成部材間の隙間に入り込んだ場合、筐体がそれを閉じ込めるため、腐食性成分が構成部材間の隙間に長期間とどまり、構成部材を腐食させたり異常放電を誘起したりするおそれがある。さらに、メンテナンス等で装置を分解したとき、毒性成分が放出されるおそれがある。
第1方向に並べられた複数の電極を含み、前記放電空間を形成する電極群と、
ガスの出入り自由な骨組み状をなし前記電極群を囲んで保持するフレームと、を備え、
前記フレームが、前記電極群の前記第1方向の外側において前記第1方向と交差する方向に延びるフレーム部材を含み、前記フレーム部材の少なくとも一箇所が支持系に連結されて変位が拘束される被拘束部となり、その他の箇所が前記第1方向へ弾性変位可能な変位可能部となっており、
前記フレーム部材の変位可能部と前記電極群との間には、これら変位可能部と電極群とを前記第1方向に沿って互いに離間する向きに押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする。
これにより、フレーム部材の弾性力にて電極群を確実に保持することができる。プラズマ処理時に電極内に熱応力が発生した場合は、フレーム部材の弾性変形により、電極の熱膨張を許容でき、誘電体等の電極周辺の構成部材の損傷を防止することができる。また、漏洩ガスがフレームの内側に滞留しないようにでき、構成部材の腐食や異常放電を防止できるとともに、メンテナンス時の安全性を確保することができる。
これにより、フレーム部材の弾性力を確実に発揮させ、電極を確実に保持することができる。
このネジ部材をねじ込んで電極に押し当てることにより、フレーム部材に弾性力を付与することができる。
前記ネジ部材が、前記フレーム部材に直接的に設けられているのに限られず、前記フレーム部材の変位可能部には押圧受け部材が設けられ、この押圧受け部材に前記ネジ部材が設けられていてもよい。押圧受け部材は、弾性を有していてもよく、前記フレーム部材の延び方向及び前記第1方向と交差する方向に延びていてもよく、その延び方向の端部が解放されて片持ち状になっていてもよく、この端部に前記ネジ部材が設けられていてもよい。
これにより、電極群ひいてはフレームから外に漏洩したガスをチャンバー内に閉じ込めるとともに排気手段にて適切に排出することができる。
固体誘電体は、セラミックの板状ないしはケース状であってもよく、溶射膜であってもよい。
隣り合う電極の間には、両者の間隔を保持するスペーサが介在される。上記板状ないしはケース状のセラミックの端部に上記スペーサとなる凸部を形成してもよい。
図4に示すように、大気圧プラズマ処理装置Mは、チャンバー1と、このチャンバー1内に収容された処理ヘッド2とを備えている。チャンバー1は、塩化ビニールで構成されているが、これに限定されるものではない。チャンバー1から例えば塩化ビニール製の排気ダクト3aが延びている。排気ダクト3aにスクラバ3b、真空ポンプ3c等を含む排気手段3が接続されている。
供給ノズル10は、処理ガスを左右方向に均一化し、下方のプラズマ生成器11に供給するようになっている。
プラズマ生成器11は、処理ガスをプラズマ化し、下方の噴射ノズル12へ導出するようになっている。
噴射ノズル12は、各プラズマ生成器11からの処理ガスを長手方向に均一化し、下方の被処理物Wへ噴射するようになっている。これにより、被処理物Wのプラズマ表面処理がなされる。
処理ガスは、処理目的に応じて適宜選択される。例えば、窒化膜のエッチングには、CHF3等のハロゲン系ガスが用いられる。プラズマ生成器11でのプラズマ化によりHF等の反応性成分が生成されるようになっている。
図1〜図3に示すように、プラズマ生成器11は、電極群20と、この電極群20を囲んで保持するフレーム30とを備えている。図2及び図3に示すように、電極群20は、複数(例えば5つ)の電極21と、複数の誘電板22を有している。各電極21は、長手方向を左右に向け、幅方向を上下に向けた長方形の板状をなしている。電極21の大きさは、特に限定はないが、例えば高さ5cm、長さ10cm、厚さ25mmである。電極21の材質は、表面にアルマイト処理を施したアルミニウムであるが、これに限定されるものではなく、ステンレス等の他の金属を用いてもよい。
各電極21の内部には、冷却水を通す冷却路21aが形成されている。
必ずしもすべての隣り合う電極21,21間で放電が生成される必要はない。例えば、接地電極21E、電源電極21H、電源電極21H、接地電極21Eの順に並べられていてもよい。この場合、同極の電極21H,21H間では放電が立たない。
放電空間11aの上端部が、ガス導入路41aを介して供給ノズル10の供給路10aに連なっている。
放電空間11aの下端部が、ガス導出路42aを介して噴射ノズル12の噴射路12aに連なっている。
図1〜図3に示すように、フレーム30は、垂直な柱部材31と水平な梁部材32,33,34とを備え、骨組み状になっている。これらフレーム構成部材31〜34は、ステンレス等の金属製の角材で構成されている。フレーム構成部材31〜34の断面寸法は、特に限定がないが、例えば一辺10mmの正方形の断面をなし、各辺を構成する板の厚さは1mmである。
ネジ部材51のネジ部と添え板52は、フレーム部材33の変位可能部33bと電極群20との間において、これら変位可能部33bと電極群20とを前記第1方向に沿って互いに離間する向きに押圧する押圧手段50を構成している。
横梁部材34は、強い引っ張り強度を発揮し、縦梁部材33の端部(被拘束部33a)の前後(第1方向)への変位を確実に阻止する。これによって、縦梁部材33が弾性力を確実に発揮することができ、電極群20を一層確実に保持することができる。
例えば、押圧手段を、フレーム部材に設けるのに代えて、電極群に外側へ突出するように設け、フレーム部材に突き当ててもよい。
フレーム部材の被拘束部は、長手方向の両端に限られず、一端のみに配置されていてもよく、中間の一箇所のみに配置されていてもよく、中間部に2箇所配置されていてもよく、長手方向に離れて3箇所以上に配置されていてもよい。
フレーム部材は、角材(断面四角形状)に限られず、長手方向を前後(第1方向)に向け幅方向を上下に向けた平板状であってもよく、断面L字形状であってもよく、円筒状であってもよい。フレーム部材の材質は、金属に限られず、樹脂であってもよい。
フレーム部材は、第1方向と直交しているのに限られず、第1方向に対し斜めに交差していてもよい。
縦梁部材33の中間部が剛体であり、押圧受け部材35が「フレーム部材」を構成していてもよい。縦梁部材33の押圧受け部材35との接合部が被拘束部となり、そこから押圧受け部材35が片持ち状に延びる部分が変位可能部となっていてもよい。
フレーム30の左右の端部には、横梁部材34に代えて、ガス導出通路部材42から立ち上がる側壁を設け、この側壁にて縦梁部材33の端部(被拘束部33a)を支持してもよい。
排気ダクト3aにHF等の特定成分の検出器を設け、特定成分の排出濃度を監視することにしてもよい。
電極群20は、少なくとも2つ(一対)の電極21,21があればよい。
本発明は、エッチング、アッシング、成膜、洗浄、表面改質等の種々のプラズマ表面処理に適用可能である。
W 被処理物
1 チャンバー
2 処理ヘッド
3 排気手段
11 プラズマ生成器
11a 放電空間
20 電極群
21 電極
42 底板(支持系)
30 フレーム
33 縦梁部材(フレーム部材)
33a 被拘束部
33b 変位可能部
35 押圧受け部材
36 雌ネジ孔
42 底板(支持系)
50 押圧手段
51 ネジ部材
52 添え板
Claims (5)
- 処理ガスを放電空間に通して被処理物に接触させるプラズマ処理装置において、
第1方向に並べられた複数の電極を含み、前記放電空間を形成する電極群と、
ガスの出入り自由な骨組み状をなし前記電極群を囲んで保持するフレームと、を備え、
前記フレームが、前記電極群の前記第1方向の外側において前記第1方向と交差する方向に延びるフレーム部材を含み、前記フレーム部材の少なくとも一箇所が支持系に連結されて変位が拘束される被拘束部となり、その他の箇所が前記第1方向へ弾性変位可能な変位可能部となっており、
前記フレーム部材の変位可能部と前記電極群との間には、これら変位可能部と電極群とを前記第1方向に沿って互いに離間する向きに押圧する押圧手段を設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記フレーム部材において、長手方向の両端部がそれぞれ前記被拘束部となり、これら被拘束部の間の部分が前記変位可能部となっていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 前記押圧手段が、前記変位可能部に設けられたネジ部材を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記変位可能部には、弾性を有して前記フレーム部材の延び方向及び前記第1方向と交差する方向に片持ち状に延びる押圧受け部材が設けられ、この押圧受け部材の延び方向の端部に前記ネジ部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
- 前記電極群及びフレームを収容するチャンバーと、このチャンバー内を排気する排気手段とを、更に備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のプラズマ処理装置。
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