JP4936601B2 - レーザーマーキング用樹脂及び樹脂組成物並びに成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーマーキング用の樹脂および樹脂組成物ならびにその成形品に関する。さらに詳しくは、レーザー光線の照射によって鮮明なマーキングを行うことのできるレーザーマーキング用の樹脂および樹脂組成物ならびにそれらの成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂製品へのマーキング方法として、従来は、インクジェット方式によるインクの吹き付け、スクリーン印刷、インク書き込み方式などのインクを用いた印刷が中心に行われてきた。ところが、近年、レーザー光線によるマーキング法が簡便かつ効率的に行えるため、注目を集めている。このレーザーマーキング法は、金属、セラミックス、高分子有機材料などの表面にレーザー光線を照射してマーク、バーコードあるいは画像などをマーキングする方法である。
【0003】
このレーザーマーキング法として、(1)レーザー光線照射部の蝕刻による表面の状態変化〔粗面化、凹状化〕を利用してマーキングする方法がある。しかしながら、この方法においては、レーザー光線の照射・未照射の境界が鮮明でないという難点がある。さらに、この方法の改良法として、レーザー光線照射部を異種の樹脂からなる多層構造として、その表層の樹脂層だけを削り取る方法が提案されているが、この方法では、成形品の製造工程やレーザー光線の照射条件の制御などが煩雑であるという難点がある。
【0004】
また、(2)レーザー光線照射部における顔料や染料などの脱色、変色、変質を利用してマーキングする方法〔例えば、特開平3−10884号公報、特開平5−295274号公報〕が提案されている。しかしながら、この場合には、レーザー光線照射部に添加することのできる顔料や染料の種類に制約があるほか、これら顔料や染料は熱により脱色、着色されやすいので、変色域が広がって文字などの輪郭が不鮮明になるという難点がある。
【0005】
さらに、(3)レーザー光線の照射による素材樹脂の発泡に伴う表面の状態変化〔凸状〕を利用してマーキングする方法〔特公平2−47314号公報〕が提案されている。しかしながら、この場合、使用する素材樹脂毎に最適なレーザー光線の照射条件を選定する必要があり、しかも、素材樹脂としては1種単独の樹脂を使用することは少なく、複数の樹脂成分からなる樹脂組成物の表面をマーキングする場合には、最適なレーザー光線の照射条件の設定に多大の労力と時間を要するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、レーザー光線の照射によって鮮明なマーキングを行うことができ、かつリサイクル性に優れたレーザーマーキング用の樹脂および樹脂組成物ならびにその成形品を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリオルガノシロキサン構造単位を特定の割合で含有する芳香族ポリカーボネート共重合体からなるレーザーマーキング用樹脂、あるいはこの芳香族ポリカーボネート共重合体と芳香族ポリカーボネートからなるレーザーマーキング用樹脂組成物によれば、上記目的を達成し得ることを見出し、これら知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
〔1〕 (A)ポリオルガノシロキサン構造単位0.1〜50質量%を含有する芳香族ポリカーボネート共重合体0.2〜99.9質量%と、(B)芳香族ポリカーボネート樹脂0.1〜99.8質量%を配合し、(A)成分の芳香族ポリカーボネート共重合体及び(B)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の合計量に対してポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合を0.1〜10質量%としてなり、
前記芳香族ポリカーボネート共重合体が、下記一般式(1)で表される芳香族ポリカーボネート構造単位と、下記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン構造単位とを有するレーザーマーキング用樹脂組成物。
【化1】
Figure 0004936601
〔一般式(1)中、R1 およびR2 は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示し、Zは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基、炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、−SO2 −、−SO−、−S−、−O−または−CO−結合を示す。また、aおよびbは、0〜4の整数である。〕
【化2】
Figure 0004936601
〔一般式(2)中、R3 〜R6 は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示し、R7 は、脂肪族もしくは芳香族を含む有機残基を示す。また、nは、1〜500の整数である。〕
〔2〕 (A)成分の芳香族ポリカーボネート共重合体が、ポリオルガノシロキサン構造単位を0.1〜50質量%含有し、かつ末端基として炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート共重合体である前記〔1〕に記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
〔3〕 (B)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂が、末端基として炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂である、前記〔1〕または〔2〕に記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
〔4〕 さらに、(C)成分としてポリテトラフルオロエチレンを、(A)(B)両成分の合計100質量部に対して0.01〜2質量部配合してなる前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
〔5〕 前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物を成形してなる成形品。
〔6〕 成形品が、電気・電子機器部品、機械部品または自動車部品である前記〔5〕に記載の成形品。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、ポリオルガノシロキサン構造単位を0.1〜10質量%含有する芳香族ポリカーボネート共重合体からなるレーザーマーキング用樹脂である。このポリオルガノシロキサン構造単位を含有する芳香族ポリカーボネート共重合体としては、種々の構造を有する共重合体が知られている。例えば、特開昭50−29695号公報や特開平3−292359号公報、特開平4−202465号公報、特開平8−81620号公報、特開平8−302178号公報、特開平10−7897号公報などに記載のものがある。
【0010】
そして、この芳香族ポリカーボネート共重合体の化学構造については、下記の一般式(1)で表される芳香族ポリカーボネート構造単位と、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン構造単位を有するものである。
【0011】
【化3】
Figure 0004936601
【0012】
〔式中、R1 およびR2 は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示し、Zは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基、炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、−SO2 −、−SO−、−S−、−O−または−CO−結合を示す。また、aおよびbは、0〜4の整数である。〕
【0013】
【化4】
Figure 0004936601
【0014】
〔式中、R3 〜R6 は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示し、R7 は、脂肪族もしくは芳香族を含む有機残基を示す。また、nは、1〜500の整数である。〕
ここで、上記一般式(1)および(2)において、R1 〜R6 が表わす炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられるが、これらの中でも好ましいのはメチル基である。また、一般式(1)においてZが表わす炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などが挙げられ、炭素数2〜20のアルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、ペンチリデン基などが挙げられる。そして、炭素数5〜20のシクロアルキレン基としては、シクロペンチレン基やシクロヘキシレン基などが挙げられ、炭素数5〜20のシクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基やシクロヘキシリデン基などが挙げられる。さらに、一般式(2)においてR7 が表わす有機残基としては、o−アリルフェノール残基、p−ヒドロキシスチレン残基またはオイゲノール残基が挙げられ、nとしては5〜100であるものがより好ましい。
【0015】
本発明における芳香族ポリカーボネート共重合体からなるレーザーマーキング用樹脂は、上記の一般式(1)で表される芳香族ポリカーボネート構造単位と、一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン構造単位からなるとともに、このポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合が0.1〜10質量%である芳香族ポリカーボネート共重合体をレーザーマーキング用樹脂として使用する。このレーザーマーキング用樹脂として、芳香族ポリカーボネート共重合体におけるポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合をこのような範囲のものを使用するのは、ポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合が0.1質量%未満の芳香族ポリカーボネート共重合体ではレーザー光線によるマーキング特性が不十分であり、また、ポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合が10質量%を超える芳香族ポリカーボネート共重合体では耐熱性や難燃性の低下を招くようになって、成形素材としての性能が不十分となるからである。
【0016】
そして、この芳香族ポリカーボネート共重合体に含有されるポリオルガノシロキサン構造単位には、例えばポリジメチルシロキサン構造単位や、ポリメチルフェニルシロキサン構造単位、ポリジフェニルシロキサン構造単位などからなるものがあるが、本発明のレーザーマーキング用樹脂としてはポリジメチルシロキサン構造単位を有するものが好適に用いられる。さらに、このポリオルガノシロキサン構造単位のより好ましい含有割合は、0.3〜3質量%である。
【0017】
また、本発明のレーザーマーキング用樹脂に用いる芳香族ポリカーボネート共重合体として、ポリオルガノシロキサン構造単位を0.1〜10質量%含有し、かつ末端基として炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート共重合体が好適なものである。一般に、芳香族ポリカーボネート樹脂においては、その重合体の末端基にp−tert−ブチルフェノキシ基を有するものが用いられている。このような末端基を有する芳香族ポリカーボネート共重合体は、その成形加工に際して溶融樹脂の流動性が低く、特に射出成形時に成形不良を招きやすい。この重合体の末端基として、炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート共重合体によると、その溶融樹脂の流動性に優れ、成形加工性が良好になることから成形品の生産性が向上する。この炭素数10〜35のアルキル基としては、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、トリトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基が挙げられる。
【0018】
さらに、本発明のレーザーマーキング用樹脂に用いる芳香族ポリカーボネート共重合体は、その粘度平均分子量が10,000〜40,000、好ましくは12,000〜30,000であるものが用いられる。それは、この芳香族ポリカーボネート共重合体の粘度平均分子量が10,000未満であると、その成形品の機械的特性や耐熱性が不十分になることがあり、また、この粘度平均分子量が40,000を超えるものでは、溶融流動性の低下による成形不良を招くおそれがあるからである。
【0019】
つぎに、この芳香族ポリカーボネート共重合体を製造する方法については、例えば、この共重合体の芳香族ポリカーボネート部を構成するための芳香族ポリカーボネートオリゴマーと、ポリオルガノシロキサン部を構成するための分子末端にo−アリルフェノール基、p−ヒドロキシスチレン基、オイゲノール残基などの反応性基を有するポリオルガノシロキサンとを、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどの溶媒に溶解させ、二価フェノールの苛性アルカリ水溶液を加え、触媒として、トリエチルアミンなどの第三級アミンや、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩を用い、さらに、末端停止剤としてフェノール類の存在下に、界面重縮合反応することにより製造することができる。
【0020】
そして、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを製造するには、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中で、二価フェノールと、ホスゲンまたは炭酸エステル化合物などのカーボネート前駆体とを反応させる方法を採用することができる。また、二価フェノールとジフェニルカーボネートなどのカーボネート前駆体とのエステル交換反応によって製造する方法を採用してもよい。
【0021】
ここで用いる二価フェノールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどを挙げることができる。これらの中でも、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好ましい。これらの二価フェノールは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、炭酸エステル化合物としては、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート類や、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート類が挙げられる。
【0022】
また、この芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、その分子鎖が直鎖構造であってもよいし、分岐構造を有するものであってもよい。分岐構造を有する芳香族ポリカーボネートオリゴマーを製造する場合には、分岐剤として、例えば、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシルフェニル)エチル〕ベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などの多官能性芳香族化合物を使用することができる。
【0023】
そして、末端停止剤としては、例えば、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、p−tert−アミルフェノール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、ペンタブロモフェノールなどを用いることができるが、これらの中でもハロゲン原子を含有しないフェノール類が環境への影響が少ないことから望ましい。
【0024】
また、本発明のレーザーマーキング用樹脂として、ポリオルガノシロキサン構造単位を所定の割合で含有し、かつ末端基として炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート共重合体を製造する場合には、この末端停止剤として、たとえば、ドコシルフェノール、テトラコシルフェノール、ヘキサコシルフェノール、オクタコシルフェノール、トリアコンチルフェノール、ドトリアコンチルフェノール、テトラトリアコンチルフェノールなどを使用すればよい。
【0025】
つぎに、本発明におけるレーザーマーキング用樹脂組成物については、(A)成分のポリオルガノシロキサン構造単位を0.1〜50質量%含有する芳香族ポリカーボネート共重合体0.2〜99.9質量%と、(B)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂0.1〜99.8質量%を配合し、ポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合を0.1〜10質量%としてなる樹脂組成物が用いられる。このレーザーマーキング用樹脂組成物を調製するにあたっては、(A)成分として、ポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合の高い芳香族ポリカーボネート共重合体を用いる場合には、その配合比率を低くし、ポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合の低い芳香族ポリカーボネート共重合体を用いる場合には、その配合比率を高くして、得られる樹脂組成物中のポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合が0.1〜10質量%の範囲内となるようにすればよい。
【0026】
さらに、この(A)成分としては、ポリオルガノシロキサン構造単位を0.1〜50質量%含有し、かつ末端基として炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート共重合体を用いてもよい。そして、このような長鎖アルキルフェノキシ基を末端基として有する芳香族ポリカーボネート共重合体と、長鎖アルキルフェノキシ基を末端基として持たない芳香族ポリカーボネート共重合体との任意の混合割合での混合物を、この(A)成分として用いてもよい。
【0027】
つぎに、(B)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂としては、一般の成形材料に使用されている芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。すなわち、前記一般式(1)で表される芳香族ポリカーボネート構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。また、分子鎖末端に、炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を、(B)成分として用いてもよい。さらに、このような長鎖アルキルフェノキシ基を末端基として有する芳香族ポリカーボネート樹脂と、長鎖アルキルフェノキシ基からなる末端基を持たない芳香族ポリカーボネート樹脂との任意の混合割合での混合物を、この(B)成分として用いてもよい。そして、これら(B)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、10,000〜40,000、好ましくは12,000〜30,000であるものを好適に用いることができる。
【0028】
つぎに、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物として、上記(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、0.01〜2質量部のポリテトラフルオロエチレンを(C)成分として配合したものを用いることができる。この(C)成分の配合割合が0.01質量部未満であると、得られる樹脂組成物の溶融滴下防止効果が不十分となる。また、この(C)成分の配合割合は、2質量部以内であっても充分な溶融滴下防止効果が得られ、2質量部を超える分量を配合すると、得られる樹脂組成物の耐衝撃性の低下を招くようになる。この(C)成分のより好ましい配合割合は、0.1〜1質量部である。
【0029】
そして、ここで用いる(C)成分のポリテトラフルオロエチレンとしては、その平均分子量500,000以上、好ましくは500,000〜10,000,000、より好ましくは1,000,000〜10,000,000のものである。さらに、この(C)成分としては、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが溶融滴下防止効果に優れ、高い難燃性を付与することができることから好ましい。このようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、例えば、テトラフルオロエチレンを、水性溶媒中、ナトリウム、カリウムあるいはアンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下に、圧力7〜700kPa、温度0〜200℃好ましくは20〜100℃において重合させて得られたものが好適に用いられる。また、市販品としては、三井・デュポンフロロケミカル社製のテフロン6−Jや、ダイキン工業社製のポリフロンD−1、ポリフロンF−103、ポリフロンMPAおよびポリフロンFA−100、モンテフルオス社製のアルゴフロンF5などを用いることができる。
【0030】
本発明のレーザーマーキング用の樹脂や樹脂組成物には、さらに、必要に応じて、酸化防止剤、可塑剤、安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤などを添加することができる。これら添加剤には、一般に用いられている芳香族ポリカーボネート樹脂用の添加剤を通常の添加割合において使用すればよい。
【0031】
そして、このレーザーマーキング用樹脂組成物を製造する場合には、芳香族ポリカーボネート樹脂の混合や溶融混練に用いられている機器、例えば、バンバリーミキサー、ロール、単軸押出機あるいは多軸押出機などにより、各成分の混合や溶融混練をする方法を採用することができる。また、このレーザーマーキング用の樹脂や樹脂組成物を用いて各種成形品を成形するにあたっては、公知の芳香族ポリカーボネート樹脂の射出成形法、押出成形法、ブロー成形法などと同様に成形することができる。
【0032】
このようにして得られた成形品にマーキングする際に使用するレーザーマーキング装置としては、エキシマレーザーや、窒素レーザー、Nd:YAGレーザー、クリスタルレーザー、炭酸ガスレーザーなどのレーザー光線を用いたマーキング用の機器を用いることができる。
本発明のレーザーマーキング用樹脂や樹脂組成物は、カーボンブラックなどの色材を使用しないことから、透明材料あるいは半透明材料からなる成形品に、白色の鮮明なマーキングを施すことができる。したがって、この成形品としては、特に透明あるいは半透明な材料からなるオフィス・オートメーション機器のハウジングや光ディスクなど各種の電気・電子機器部品や機械部品、自動車部品などに好適に用いられる。
【0033】
そして、本発明のレーザーマーキング用樹脂や樹脂組成物を成形してなる成形品は、このように色材を使用しない透明あるいは半透明な材料からなるので、使用済後のリサイクルに際して、不純物の混入が少ない。したがって、再生品の物理的性質や外観が良好であり、リサイクル性に優れたものである。また、この透明あるいは半透明な材料には、白色以外の好みの色材を用いて着色して使用することもできる。
【0034】
【実施例】
つぎに、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1〕
(1)ポリカーボネートオリゴマーの製造水酸化ナトリウムの濃度5質量%の水溶液400リットルに、原料の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン60kgを溶解させた。
【0035】
ついで、内径10mm、管長10mであり、かつ二重管構造を有し、そのジャケット部には通水により温度調節できる管型反応器を用いて、この反応器に、原料溶液を138リットル/時間、溶媒の塩化メチレンを69リットル/時間の流量において、オリフィス板を通して供給した。ひきつづき、この反応器に、ホスゲンを10.7kg/時間の流量で、原料溶液の流れと並流させて吹き込み、反応器の温度を25℃に保持して、3時間連続的に反応させた。この反応期間中は、排出液のpHが10〜11となるように調整した。
【0036】
反応終了後、得られた反応液を静置して、水相を分離除去し、塩化メチレン相220リットルを得た。この塩化メチレン相に溶解されているポリカーボネートオリゴマーは、その重合度が2〜4であり、クロロホーメート基の濃度は、0.7規定であった。また、この塩化メチレン相中のポリカーボネートオリゴマーの濃度は、317g/リットルであった。
【0037】
(2)反応性ポリジメチルシロキサンの製造
原料のオクタメチルシクロテトラシロキサン1,483gと、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン96gを、濃度86質量%の硫酸35gと混合して、室温において17時間攪拌した。その後、オイル相を分離して、これに炭酸水素ナトリウム25gを加えて1時間攪拌した。ついで、濾過により炭酸水素ナトリウムを除去した後、150℃、400Paにおいて減圧蒸留し、低沸点化合物を除去してオイルを得た。
【0038】
つぎに、このオイル294gに、2−アリルフェノール60gと塩化白金アルコラート錯体0.0014gとの混合物を添加し、90〜115℃の温度範囲に保ちながら3時間攪拌して反応させた。反応終了後、得られた生成物を塩化メチレンにより抽出し、さらに、80質量%の水性メタノールにより3回洗浄して過剰の2−アリルフェノールを除去した。この生成物は、さらに無水硫酸ナトリウムにより乾燥し、減圧下に115℃において溶剤を留去した。このようにして得られた反応性ポリジメチルシロキサンは、 1H−NMRによる測定の結果、そのジメチルシラノオキシ構造単位の繰返し数が30であった。
【0039】
(3)芳香族ポリカーボネート共重合体の製造
上記(1)で得られたポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液10リットルと、上記(2)で得られた反応性ポリジメチルシロキサン182gを塩化メチレン2リットルに溶解させた溶液を混合した。この混合液に、水酸化ナトリウム26gを水1リットルに溶解させた溶液と、塩化メチレン8リットル、およびp−t−ブチルフェノール96gを加え、室温において、500rpmで攪拌しながら2時間反応させた。
【0040】
反応終了後、反応生成物に塩化メチレン5リットルを加えて溶解させ、これを水5リットルで洗浄した。ついで、これを濃度0.03規定の水酸化ナトリウム水溶液5リットルで洗浄し、濃度0.2規定の塩酸水溶液5リットルで洗浄した後、さらに水5リットルで2回洗浄した。そして、この反応生成物の塩化メチレン溶液より、減圧下に塩化メチレンを留去して、フレーク状の芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。この共重合体のフレークは、さらに120℃において24時間にわたり真空乾燥した。
【0041】
このようにして得られた芳香族ポリカーボネート共重合体は、その粘度平均分子量が17,000であり、ポリジメチルシロキサン構造単位の含有割合が4.0質量%であった。なお、この粘度平均分子量は、ウベローデ型粘度計を用い、この共重合体の塩化メチレン溶液の20℃における粘度を測定し、極限粘度〔η〕を求めた後、粘度平均分子量に換算して求めた。また、ポリジメチルシロキサン構造単位の含有割合は、 1H−NMRによる測定結果より、この共重合体鎖の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン残基のイソプロピル基に由来する1.7ppmの吸収ピークと、ジメチルシロキサン構造単位中のメチル基に由来する0.2ppmの吸収ピークとの強度比に基づいて算出した。
【0042】
(4)成形品へのレーザーマーキングとその評価
上記(3)で得られた芳香族ポリカーボネート共重合体に、この共重合体100質量部あたり0.3質量部の酸化防止剤〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:イルガノックス1076(0.2質量部)およびイルガフォス168(0.1質量部)〕を添加した後、押出機〔東芝機械社製:TEM−35〕に供給し、260〜280℃で溶融混練し、ペレット化した。このペレットを、120℃で4時間乾燥した後、射出成形機〔東芝機械社製:100−EN〕に供給して、成形温度250〜280℃、金型温度80℃の条件下に、厚さ2mm、一辺の長さが15cmの正方形の板状の試験片に成形した。この試験片は、無色透明であり、JIS K 7105に準拠して測定したヘーズは2%であった。
【0043】
つぎに、この試験片に、炭酸ガスレーザーマーキング装置〔TDK社製:CLM−03〕を用いて、「出光石油化学2001」のマーキングを施した。この場合の炭酸ガスレーザーマーキング装置の操作条件は、レーザー光の波長:10.6μm、スキャンスピード:200mm/sec、出力:1〜8W(ステップ;0.2W)とした。この結果、白色のマーキングが得られた。
【0044】
そして、このマーキングについての評価は、(a)下地に蛍光灯を置いた場合の識別可能なマーキングができる最小のレーザー出力〔w〕、および(b)下地にグレーの紙を置いた場合の識別可能なマーキングができる最小のレーザー出力〔w〕を測定してマーキングの視認性を評価した。さらに、このマーキングの目立ち易さを、3人の判定者により目視判定し、その平均値から、◎=ベース色とマーキング文字色のコントラストが非常に良好;○=ベース色とマーキング文字色のコントラストが良好;△:ベース色とマーキング文字色のコントラストがやや良好;×=ベース色とマーキング文字色のコントラストが不良に4段階の評価をした。
【0045】
(5)芳香族ポリカーボネート共重合体の物性の評価
上記(3)で得られた芳香族ポリカーボネート共重合体について、レーザーマーキング特性の他、この共重合体の流動性と難燃性について評価した。
この共重合体の流動性については、JIS K 7201に準拠して、温度280℃、荷重1568Nの条件下での流れ値を測定した。また、難燃性については、アンダーライターラボラトリー・サブジェクト94に従がい、厚み1.5mmの試験片についての垂直燃焼試験を行った。
上記の各種評価の結果を第1表に示す。
【0046】
参考例2〕
(1)芳香族ポリカーボネート共重合体の製造
参考例1の(1)と同様にして得られたポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液10リットルと、参考例1の(2)で得られた反応性ポリジメチルシロキサン182gを塩化メチレン2リットルに溶解させた溶液を混合した。この混合液に、水酸化ナトリウム26gを水1リットルに溶解させた溶液と、塩化メチレン8リットル、および末端停止剤としてp−ドデシルフェノール(分岐状のドデシル基も含まれている)168gを加え、室温において、500rpmで攪拌しながら2時間反応させた。反応生成物は、参考例1の(3)と同様に精製して、分子鎖の末端にp−ドデシルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。この共重合体の粘度平均分子量が17,000であり、ポリジメチルシロキサン構造単位の含有割合が4.0質量%であった。
【0047】
(2)成形品へのレーザーマーキングとその評
上記(1)で得られた芳香族ポリカーボネート共重合体を用いた他は、参考例1の(4)と同様にして、試験片を成形し、その試験片にレーザーマーキングを施し、その評価をした。
(3)芳香族ポリカーボネート共重合体の物性の評
上記(1)で得られた芳香族ポリカーボネート共重合体について、レーザーマーキング特性の他、この共重合体の流動性と難燃性について評価した。これら結果を第1表に示す。
【0048】
〔実施例1〕
(1)芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製
原料の(A)成分として、参考例1の(3)で得られた芳香族ポリカーボネート共重合体30質量部と、(B)成分として、粘度平均分子量が17,000であり、かつメルトフローレート(温度300℃;荷重11.77N)が19g/10分である芳香族ポリカーボネート樹脂〔出光石油化学社製:タフロンA1900〕70質量部、および(C)成分として、ポリテトラフルオロエチレン〔旭硝子社製:CD076〕0.3質量部を用いた。そして、これら各成分および参考例1の(3)で用いたものと同一の酸化防止剤を混合して、ベント式二軸押出成形機〔東芝機械社製:TEM−35〕に供給し、280℃で溶融混練して芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のストランドとして押出し、冷却後に切断してペレットを得た。
【0049】
(2)成形品へのレーザーマーキングとその評
上記(1)で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いた他は、参考例1の(4)と同様にして、試験片を成形し、その試験片にレーザーマーキングを施し、その評価をした。
(3)芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の物性の評
上記(1)で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物について、レーザーマーキング特性の他、この樹脂組成物の流動性と難燃性について評価した。これら結果を第1表に示す。
【0050】
〔実施例2〕
(1)芳香族ポリカーボネート樹脂の製
内容積50リットルの攪拌機付き反応器に、参考例1の(1)と同様にして得られたポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液10リットルを入れ、ついで、末端停止剤としてp−ドデシルフェノール(分岐状のドデシル基も含まれている)162gを加えて溶解させた。つぎに、この反応器に、水酸化ナトリウム53gを水1リットルに溶解させた溶液と、触媒のトリエチルアミン5.8ミリリットルを加えた後、300rpmでの攪拌下に1時間反応させた。
【0051】
そして、この反応生成物の入った反応器に、水酸化ナトリウム412gを水5.5リットルに溶解させた溶液に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン720gを溶解させた溶液、および溶媒の塩化メチレン8リットルを加えて、500rpmでの攪拌下に、1時間反応させた。
反応終了後、反応器に塩化メチレン7リットルおよび水5リットルを加えて、500rpmにおいて10分間攪拌し、攪拌停止後に静置して、有機相と水相を分離した。
【0052】
つぎに、この有機相を、濃度0.03規定の水酸化ナトリウム水溶液5リットルで洗浄し、ついで、濃度0.2規定の塩酸水溶液5リットルで洗浄した。さらに、水5リットルで2回洗浄し、減圧下に塩化メチレンを留去して、フレーク状の芳香族ポリカーボネート樹脂を得た。このようにして得られた分子鎖末端にp−ドデシルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が17,500であった。
【0053】
(2)芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製
(B)成分として、上記(1)で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた他は、実施例1の(1)と同様にして、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を調製した。
(3)成形品へのレーザーマーキングとその評
上記(2)で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いた他は、実施例1の(2)と同様にして試験片を成形し、その試験片にレーザーマーキングを施し、その評価をした。
(4)芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の物性の評
上記(2)で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物について、レーザーマーキング特性の他、この樹脂組成物の流動性と難燃性について評価した。これら結果を第1表に示す。
【0054】
〔実施例3〕
(1)芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製
(A)成分として、参考例2の(1)で得られた芳香族ポリカーボネート共重合体を用い、(B)成分として、実施例2の(1)で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂を用いて、これらを溶融混練することにより、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
【0055】
(2)成形品へのレーザーマーキングとその評
上記(1)で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いた他は、実施例1の(2)と同様にして試験片を成形し、その試験片にレーザーマーキングを施し、その評価をした。
(3)芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の物性の評
上記(1)で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物について、レーザーマーキング特性の他、この樹脂組成物の流動性と難燃性について評価した。これら結果を第1表に示す。
【0056】
〔比較例1〕
芳香族ポリカーボネート樹脂として、実施例の(B)成分として用いた芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた他は、参考例1と同様にした。その結果を第1表に示す。
〔比較例2〕
芳香族ポリカーボネート樹脂として、実施例の(1)で製造した芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた他は、参考例1と同様にした。その結果を第1表に示す。
【0057】
〔比較例3〕
実施例の(B)成分と同一の芳香族ポリカーボネート樹脂と、実施例と同一の(C)成分を用いて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造した他は、実施例と同様にした。その結果を第1表に示す。
〔比較例4〕
実施例の(B)成分と同一の芳香族ポリカーボネート樹脂と、その(C)成分に代え、ジメチルシリコーン〔東レダウシリコーン社製;SH200〕を用いて芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造した他は、実施例と同様にした。その結果を第1表に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0004936601
【0059】
【表2】
Figure 0004936601
【0060】
【発明の効果】
本発明のレーザーマーキング用樹脂またはレーザーマーキング用樹脂組成物を用いて成形した成形品は、レーザー光線の照射により鮮明なマーキングを行うことができる。また、色材を用いないので透明な成形品へのマーキングが可能であり、リサイクル性に優れている。

Claims (6)

  1. (A)ポリオルガノシロキサン構造単位0.1〜50質量%を含有する芳香族ポリカーボネート共重合体0.2〜99.9質量%と、(B)芳香族ポリカーボネート樹脂0.1〜99.8質量%を配合し、(A)成分の芳香族ポリカーボネート共重合体及び(B)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の合計量に対してポリオルガノシロキサン構造単位の含有割合を0.1〜10質量%としてなり、
    前記芳香族ポリカーボネート共重合体が、下記一般式(1)で表される芳香族ポリカーボネート構造単位と、下記一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサン構造単位とを有するレーザーマーキング用樹脂組成物。
    Figure 0004936601
    〔一般式(1)中、R1 およびR2 は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示し、Zは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルキリデン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基、炭素数5〜20のシクロアルキリデン基、−SO2 −、−SO−、−S−、−O−または−CO−結合を示す。また、aおよびbは、0〜4の整数である。〕
    Figure 0004936601
    〔一般式(2)中、R3 〜R6 は、各々独立に炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示し、R7 は、脂肪族もしくは芳香族を含む有機残基を示す。また、nは、1〜500の整数である。〕
  2. (A)成分の芳香族ポリカーボネート共重合体が、ポリオルガノシロキサン構造単位を0.1〜50質量%含有し、かつ末端基として炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート共重合体である、請求項に記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
  3. (B)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂が、末端基として炭素数10〜35のアルキル基で置換されたアルキルフェノキシ基を有する芳香族ポリカーボネート樹脂である、請求項またはに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
  4. さらに、(C)成分としてポリテトラフルオロエチレンを、(A)(B)両成分の合計100質量部に対して0.01〜2質量部配合してなる請求項のいずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のレーザーマーキング用樹脂組成物を成形してなる成形品。
  6. 成形品が、電気・電子機器部品、機械部品または自動車部品である請求項に記載の成形品。
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