以下、本発明に係る雀球遊技機の実施の形態として、遊技場等に設置される雀球遊技機について図1ないし図9を参照して説明する。本実施の形態では、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を使用して遊技を行う雀球遊技機1を例に挙げて説明する。この27種の牌の図柄は、例えば、萬子が「一萬」〜「九萬」の9種、筒子が「一筒」〜「九筒」の9種、索子が「一索」と「九索」の2種、字牌が「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種である。従って、萬子と筒子が数牌となり、索子の「一索」と「九索」は、順子を形成することができないので字牌に含めている。これにより、本実施形態における牌種とは、上記の「萬子」、「筒子」、「字牌」の3種を示すことになる。
なお、上記した2種の数牌は、例えば、萬子を「一萬」〜「九萬」の9種類の図柄、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄から構成し、字牌は筒子の「一筒」と「九筒」、及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される麻雀牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。また例えば、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄、筒子を「一筒」〜「九筒」の9種類の図柄から構成し、字牌は筒子の「一萬」と「九萬」、及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される麻雀牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。
図1は、本実施形態における雀球遊技機1の全体を示す正面図である。同図に示すように、本雀球遊技機1は遊技機本体1aを備えてなり、該遊技機本体1aの前面部は、基本的には遊技盤面部(遊技領域)2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、音声や効果音(以下、一括して音声という)を出力する音声出力装置であるスピーカー6、ランプ装置7等から構成されている。なお、図1に示す符号1bは、遊技機本体1aに対して開閉可能に支持された前扉を示している。
図1及び図2に示すように、ガイドレール8に囲まれた遊技盤面部2の略中央部には、所要の演出表示を行うための液晶表示装置38が配置されている。液晶表示装置38の上方には、ドットマトリクス表示器39(図5参照)及びセグメント表示器(図示せず)を有する表示部37が配置されており、液晶表示装置38の左右には、遊技球振り分け装置12の振り分け部材12a,12bが配設されている。表示部37は、遊技盤面部2の最上部のガイドレール8の内側との間に、打ち出された遊技球Baをアタッカー9及びアタッカー作動通過口10に向けて通過させ得る隙間をあけた状態で配置されている。
そして、遊技盤面部2における液晶表示装置38の右上部には、アタッカー9が配置されており、該アタッカー9の上部には、遊技球Baが通過可能なアタッカー作動通過口10が配置されている。つまり、アタッカー9及びアタッカー作動通過口10の双方が遊技盤面部2の左右幅方向の一側(即ち、右側)に片寄った状態で配置され、かつ該アタッカー作動通過口10がアタッカー9の直上方に位置決めされている。そして、遊技盤面部2には、該遊技盤面部2の左右幅方向の他側(即ち、左側)からガイドレール8に沿って遊技球が打ち出されるように構成されている。上記アタッカー作動通過口10は、チャンス役やビッグ役の特別役の成立による特別遊技中に入球した遊技球Baの検出が有効になる特別入賞口作動ゲートを構成し、またアタッカー9は、特別遊技中にアタッカー作動通過口10への入球を契機として開放動作して所定数(本実施形態では5個)の遊技球の入球を可能にする特別入賞口を構成している。
上記液晶表示装置38は、遊技盤面部2から図1紙面の奥側に後退するように配置されている。また、上記遊技球振り分け装置12は、雀球遊技機1の電源がオンされた時点から絶えず左右方向に連続的に往復移動する振り分け部材12a,12bの当該移動を妨げないようにするため、該振り分け部材12a,12b以外の箇所が図1紙面の奥側に後退するように構成されている。これら液晶表示装置38、及び遊技球振り分け装置12の振り分け部材12a,12b以外の箇所の下部には、後述する入球口11c、11d、11e、…の上方に若干の隙間をあけた形で当該入球口11c、11d、11e、…の略全域に亘るように左右方向に延在する遊技球ステージSが設けられている。これら入球口11c〜11e、…と遊技球ステージSとの間には、入球口11c〜11e、…の直ぐ上方にて各入球口の入球幅を規制するための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。なお、遊技盤面部2には、風車(図示せず)や上記とは別の障害釘(図示せず)が多数設けられている。
また、液晶表示装置38と表示部37との間には入球口11bが配置されており、該入球口11bの左側における振り分け部材12aの上部には入球口11aが配置されている。上記遊技球ステージSの下方には、複数個(本実施形態では25個)の入球口11c、11d、11e、…が配設されている(以下、複数の入球口11a〜11e、…全体を指して「入球口11」ともいう)。入球口11a、11b、11c、11d、11e、…は、二索から八索までの索子牌を除いた牌の図柄27種(図柄は図示せず)に対応して、27個が設けられている。入球口11a,11bには夫々「一索」と「九索」が表示されており、また入球口11cには「一萬」、入球口11dには「二萬」、入球口11eには「三萬」というように、所要の麻雀牌図柄が順次表示されている。
操作パネル3には、図3に示すように、液晶表示装置等からなる表示装置14、メダル投入口15、及び各種の操作ボタンが設けられている。この各種の操作ボタンは、13個のボタンが横方向に並設された捨て牌ボタン16a、16b、…、16m、自摸牌捨てボタン17、リーチボタン18、牌選択右シフトボタン19、牌選択左シフトボタン20、自摸牌決定ボタン21、払い出しボタン22、遊技終了ボタン23、遊技開始ボタン24、リジェクト(REJECT)ボタン25から構成されている。なお、遊技者がこれらの各ボタンを操作する(押下してスイッチをオンする)と、例えば、自摸牌決定ボタン21を操作すると自摸牌決定信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータから構成される制御基板に入力される。そして、制御基板に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、入力された信号ごとに、ゲームを進行させるために予め設定された処理を実行するようになっている。
表示装置14には、その表示面に種々の表示部が設定され、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報や画像及び演出用画像をこの表示部に表示するようにしている。例えば、図4に示すように、表示面の上部横方向には、遊技メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、風牌表示部28、表ドラ表示部29、裏ドラ表示部30、上がり牌表示部31、特別遊技のうち、ビッグゲームの権利を得ることができるビッグ(ゲーム)役を示すビッグゲーム上がり役表示部32、更に、チャンスゲームの権利を得ることができるチャンス(ゲーム)役を示すチャンスゲーム上がり役表示部33、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部34が設けられ、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等が表示される。
なお、上述した、ビッグゲームの権利を得ることができるビッグ役及びチャンスゲームの権利を得ることができるチャンス役、の双方指して、以下「特別役」と称すると共に、該特別役以外の上がり役を「通常役」と称する。
更に、表示装置14の表示面の下部横方向には、13個の手牌の図柄を表示する手牌表示部35、及び自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36が設けられている。なお、手牌表示部35及び自摸牌表示部36に表示している各図柄の下部には、捨て牌ボタン16a、16b、…、に対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・)が表示されている。また、表示される麻雀牌の図柄はカラーで表示される。
ついで、本雀球遊技機1の制御系に関して詳細に説明する。即ち、雀球遊技機1の内部の所定位置には、本実施形態の雀球遊技機1の作動を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図5に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kc、画像制御基板Kdから構成されている。メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kc、画像制御基板Kdは、それぞれCPU40、ROM41、RAM42、各種センサや捨て牌ボタン16a等の各種操作ボタン等との信号の入出力を行うための入出力インターフェイス回路43、及び制御基板Ka、Kb、Kc、Kd間の通信を行うための通信用インターフェイス回路44、等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。なお、メイン制御基板Kaの入出力インターフェイス回路43における「入出力」とは、各種操作ボタン等からの信号を「入力」し、当該入力信号に基づいた信号(コマンド等)を「出力」するという、一方向の信号の流れを意味する。
そして、雀球遊技機1の作動を制御、或いは表示装置14、液晶表示装置38及び表示部37に情報や画像を表示するための各種のソフトウエア(プログラム)は、各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdに搭載されたROM41に記憶されている。また、各RAM42は、これらプログラムが作動するときに各種のデータの読み込みやデータの作成、計算等を行うための記憶エリア、計算エリアとして使用される。また、メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kc、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kdとは、ケーブル線T1、T2により接続されてデータ通信ができるようになっている。なお、CPU40としては、各メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kc、画像制御基板Kdの処理機能に対応して8ビット、16ビット或いは32ビットのCPUや、これらを超えるビット数のCPU等のうち何れかを採用することができる。
メイン制御基板Kaの入出力インターフェイス回路43には、ドットマトリクス表示器39が接続され、サブ制御基板Kbの入出力インターフェイス回路43にはランプ装置7が接続され、画像制御基板Kcの入出力インターフェイス回路43には、スピーカー6及び表示装置14が接続され、画像制御基板Kdの入出力インターフェイス回路43には液晶表示装置38が接続されている。
なお、サブ制御基板Kbに搭載されているROM41の所定の記憶番地には、画像制御基板Kcを介して表示装置14及びスピーカー6に、また画像制御基板Kdを介して液晶表示装置38に夫々表示するための各種の画像データ、各種の音声データが記憶されている。画像データとしては、27種の牌の図柄データ、雀球遊技機1の電源をONした時に初期画面として表示する画像データ、遊技者が上がり役を完成させたとき等に表示する各種の演出用画像データがある。また、各種の音声データとしては、遊技の進行に伴って遊技者に対してゲームの進行を支援するための音声や、演出用の効果音を出力するためのデジタルデータがある。
メイン制御基板Kaに搭載されているROM41には、雀球遊技機1の遊技の進行を制御するための各種のプログラムが記憶されている。メイン制御基板KaのROM41に搭載されているプログラムは、例えば、図6に示すように、メイン基板動作制御プログラムP1、通信制御プログラムP2、メダル管理プログラムP3、遊技球管理プログラムP4、自動配牌プログラムP5、特別役データテーブルP61を有する特別役選定プログラムP6、ドラ抽選プログラムP7、特別役成立判定プログラムP81及び特別継続役成立判定プログラムP82を有する入賞判定プログラムP8、操作支援プログラムP9、特別遊技制御プログラムP10、特別遊技継続制御プログラムP11、特別遊技中自摸牌選択プログラムP12、図柄表示プログラムP13、ゲーム数カウントプログラムP141と設定ゲーム数再設定プログラムP142とを有する救済条件判定プログラムP14、救済時特別役選定指令プログラムP151と救済時配牌指令プログラムP152とを有する救済制御プログラムP15等から構成される。
メイン基板動作制御プログラムP1は、雀球遊技機1の全体の動作を統括するプログラムであり、主に下記のような処理を行う。
(1)遊技機1の電源がONされたときの初期化の処理、例えば、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。この制御コマンドに基づいて、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcは電源ON時の初期化処理を行う。これにより、画像制御基板Kcは、電源ON時の演出用画像や音声等を出力することができる。
(2)各種の入出力センサから入力される信号を解析し、その信号に対応した処理を行うように雀球遊技機1の動作を制御する。例えば、遊技者が遊技球を発射したときに入球した入球口からの入球信号を解析し、この入球口に対応する牌の図柄を自摸牌として手牌データに追加(自摸の操作)する処理、或いは遊技者が捨て牌ボタン16a等を操作して手牌から不要な牌を切る操作(捨て牌操作)を行ったときに、どの捨て牌ボタンからの信号であるかを解析し、この捨て牌ボタンに対応する牌の図柄を手牌データから削除する処理、等を行う。
(3)自動配牌プログラムP5が作動して遊技開始時の14個の手牌が決定されたときに、この手牌の図柄データをRAM42に手牌データとして手牌記憶領域に記憶する処理、この手牌データをサブ制御基板Kbに送信するための処理、及び上記(1)、(2)の処理において遊技者が捨て牌操作、自摸の操作を行う都度、現在の手牌データ、捨て牌、自摸牌に関する牌の図柄データ(以下、図柄コードという)をサブ制御基板Kbに送信するための処理、等を行う。
通信制御プログラムP2は、サブ制御基板Kbとの通信を行うためのプログラムであり、送信するデータは如何なる処理を行うかを予め設定した制御コマンドと共に、この制御コマンドに必要なデータが送信される。また、画像制御基板Kcにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。
メダル管理プログラムP3は、ゲームの進行に伴ってメダルの貯留枚数の管理と払い出しの処理を行うためのプログラムである。メイン基板動作制御プログラムP1はメダル投入口15からメダルの投入信号等を検出すると、メダル管理プログラムP3に下記の処理を行わせる。
(A)メダル投入口15からメダルの投入信号を検出すると、RAM42に記憶している遊技メダル貯留枚数を「1」加算する。
(B)遊技開始ボタン24からの信号を検出すると、上記遊技メダル貯留枚数を「3」減算する。
(C)上がり時に、遊技終了ボタン23からの信号を検出すると、その上がり役で獲得したメダル枚数をRAM42に記憶している遊技メダル貯留枚数に加算する。
(D)払い出しボタン22の信号を検出したとき、貯留枚数分のメダルをメダル受け皿5に払い出すように制御信号を出し、メダルがメダル受け皿5に1枚払い出されるごとに遊技メダル貯留枚数を「1」減算する処理を行う。
遊技球管理プログラムP4は、メイン基板動作制御プログラムP1の制御に基づいて、次の処理を行うプログラムである。
(a)ゲーム開始時に、RAM42に記憶する残り遊技球数を14個に設定する。
(b)捨て牌ボタン16a等から捨て牌の操作信号を検出すると、遊技球発射位置(図示せず)に遊技球を1球送る制御を行う。
(c)遊技球発射レバー4から発射された遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球し、その入球信号が検出されると、残り遊技球数を「1」減算し、入球した入球口に対応する牌の図柄コードを作成する。
自動配牌プログラムP5は、1ゲームの開始時に、14個の配牌の図柄をランダムに自動的に決定するためのプログラムである。この自動配牌プログラムP4は、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する108個の麻雀牌から14個の配牌の図柄を決定する処理を行う。
自動配牌プログラムP5は、例えば、次のような処理を行うことにより、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定することができる。
(ア)本雀球遊技機1において使用される牌の図柄は、二索から八索までの索子牌を除く27種の牌、計108個である。これら使用される牌には、表1に示すように、27種の牌の図柄に、01H〜1BHの図柄コード(16進数)を付与し、更に、各27種から構成される計108個の図柄に0〜107までの数値を4個割り付けたデータテーブルを予めROM40に登録しておく。
(イ)自動配牌プログラムP5には、例えば、5桁の乱数を発生させる乱数発生プログラムを備えておく。そして、自動配牌プログラムP5は、乱数発生プログラムで発生させた5桁の乱数を108で除算し、その余りを算出する。続いて、表1を参照してこの余りの値に対応する牌の図柄コードを01H〜1BHから求め、この図柄コードが配牌される図柄として決定する。
(ウ)上記(イ)の処理を計14回実施して、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定する。なお、この5桁の乱数を発生させるプログラムには、毎回異なる乱数が発生するようにランダマイズ処理を行うプログラムを付加しておく必要がある。このような処理により決定した14個の配牌の図柄コードはRAM42の手牌記憶領域に記憶しておく。なお、手牌記憶領域に記憶した14個の配牌データは図柄コードの上昇順にソートして記憶する。
なお、自動配牌プログラムP5は、詳しくは後述する救済制御時において、救済時配牌指令プログラムP152からの指令によって、上述した乱数による配牌の選定を中止し、後述の特別役選定プログラムP6により選定されるビッグ役51に基づき、当該ビッグ役51が成立し易い配牌を選定することになる。
特別役選定プログラムP6は、図10に示すような特別役データテーブルP61をROM41に記憶された形で有しており、該特別役データテーブルP61を参照して1ゲームごとに特別遊技の権利を獲得できる特別役50(チャンス役52及びビッグ役51)を選定するプログラムである。詳細には、該特別役データテーブルP61は、予め設定された特別役50がチャンス役52とビッグ役51とに区別されて格納されており、例えば図中横方向に2つのチャンス役52と1つのビッグ役51とが関連付けられて格納されている。通常遊技(後述の救済制御時以外)の状態では、特別役選定プログラムP6は、図中横方向に関連付けられたテーブルTb1、テーブルTb2、テーブルTb3、テーブルTb4、テーブルTb5、テーブルTb6の中から、1つのテーブルTbn(nは例えば乱数抽選)を選定することになる。また、詳しくは後述する救済制御時においては、特別役選定プログラムP6は、救済時特別役選定指令プログラムP151からの指令によって、テーブルTb7を選択することになる。
このように選定されたテーブルTbnのビッグ役51及びチャンス役52の内容は、後述の画面表示プログラムP32に送信され、図4に示すビッグゲーム役表示部32とチャンスゲーム役表示部33に夫々表示される。
なお、本実施の形態では、例えば通常遊技におけるテーブルTb1〜Tb6と救済制御時におけるテーブルTb7との7種類を例として挙げているが、これに限らず、もっと多くのテーブルデータを有している構成であってよい。
一方、図6に示すドラ抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、同様にして抽選により表ドラ及び裏ドラを決定するためのプログラムである。
入賞判定プログラムP8は、自動配牌プログラムP5により14個の手牌が決定したとき、及び遊技者が自摸の操作を行ったときに、手牌が予め設定された上がり役の組合せになっているか否かを判定するためのプログラムである。この上がり役としては、表2に示すような構成のデータテーブル、即ち、上がり役のコード(表2には上がり役のコードは表示せず)とその上がり役に対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)が予め入賞判定プログラムP8、又はROM41に記憶されている。そして、現在の14個の手牌について、入賞判定プログラムP8が上がり役を完成していると判定した場合には、メイン制御基板Kaは、上がり役完成の制御コマンドとその上がり役のコード、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する処理を行う。
また、特別役成立判定プログラムP81は、例えば上記入賞判定プログラムP8により手牌が上がり役の組合せになっていることを判定した場合に、その上がり役が上記特別役データテーブルP61から選定した特別役50(選定したテーブルTbn内の3つの役)に該当するか否かを判定する。そして、その特別役50が成立(該当)している場合は、後述の特別遊技制御プログラムP10や特別遊技画面表示プログラムP322等に、特別役が成立したことを信号出力する。
更に、特別継続役成立判定プログラムP82は、上記特別役成立判定プログラムP81によって特別役50が成立したことが判定された場合に、その上がり役が特別役50の中のビッグ役51であるか否かを判定する。そして、そのビッグ役51が成立(該当)している場合は、後述の特別遊技継続制御プログラムP11や特別遊技画面表示プログラムP322等に、ビッグ役が成立したことを信号出力する。なお、この特別継続役成立判定プログラムP82がビッグ役51の成立を判定しない場合は、特別役成立判定プログラムP81により特別役50の成立だけが判定された場合であるので、つまりチャンス役52の当選ということになる。
操作支援プログラムP9は、遊技者に対して、表示装置14の画面と対話方式によりゲーム進行に関する操作を支援するためのプログラムである。特に操作支援プログラムP9は、画面表示プログラムP32に信号出力し、例えば「自摸を行ってください」、「捨て牌を選んでください」等の表示を表示装置14の画面上に行って、遊技者の操作を支援する。
特別遊技制御プログラムP10は、上記特別役成立判定プログラムP81が出力した特別役50が成立した旨の信号を受け、アタッカー作動通過口10に設けられた入球センサ(図示せず)をONし、アタッカー9の開放の契機となるアタッカー作動通過口10への入球の有効/無効を判定するプログラムである。つまり、当該特別遊技制御プログラムP10が、アタッカー作動通過口10への入球の有効を判定すると、アタッカー9が開放されて自由選択自摸が可能となる特別遊技の権利が生じることになり、これによって、特別遊技が開始制御されることになる。
特別遊技継続制御プログラムP11は、上記特別継続役成立判定プログラムP82が出力したビッグ役51が成立した旨の信号を受け、次ゲーム以降から例えば13ゲーム(当該ゲームを含め14ゲーム)の間、継続させてアタッカー作動通過口10に設けられた入球センサ(図示せず)をONにさせるプログラムである。つまり、当該特別遊技継続制御プログラムP11が、アタッカー作動通過口10への入球の有効を次ゲーム以降から13ゲームの間継続させると、特別遊技が当該ゲームを含めて14ゲーム継続するビッグゲームの権利が生じた状態となる。
特別遊技中自摸牌選択プログラムP12は、特別遊技の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー9に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、自摸する牌の図柄を自由選択する操作を行わせるためのプログラムである。つまり、本雀球遊技機1においては、例えば捨て牌の枚数(同じ牌が4枚まで)等の制限以外、遊技者が自由に好みの牌の図柄を選択して入手し、交換したのと同じようにすることができる。
なお、本雀球遊技機1においては、1個の遊技球がアタッカー9に入球する毎に1つの自摸牌を自由選択するものを一例として説明しているが、これに限らず、1個の遊技球がアタッカー9に入球した際に、複数(例えば2つ乃至5つ)の自摸牌を自由選択できるように構成してもよい。
図柄表示プログラムP13は、メイン基板動作制御プログラムP1により検出される手牌及び捨て牌に関する情報と、ドラ抽選プログラムP7により検出される表ドラに関する情報と、ドラ抽選プログラムP7により検出される裏ドラに関する情報と、メダル管理プログラムP3により検出される遊技メダル貯留枚数及び遊技メダル獲得枚数に関する情報と、遊技球管理プログラムP4により検出される残り遊技球数に関する情報とを受けて、夫々の情報に応じた表示をドットマトリクス表示器39(図5参照)やセグメント表示器(図示せず)に行わせる制御を実行する。
救済条件判定プログラムP14は、連続した設定ゲーム数の間における上がり役の成立状態に基づく救済条件が成立したか否かを判定するプログラムである。また、救済制御プログラムP15は、上記救済条件の成立が判定された際に、ビッグ役51が成立し易くなるように制御するプログラムである。ここで、本発明においては、以下の3つの条件を救済条件としている。
(A)連続した設定ゲーム数(例えば平均100ゲーム)の間、ビッグ役51が非成立であった場合。
(B)連続した設定ゲーム数(例えば平均50ゲーム)の間、上がり役が非成立であった場合。
(C)連続した設定ゲーム数(例えば平均75ゲーム)の間、得点が3点(所定点数)以下であった場合。
なお、これらのゲーム数や得点の設定値は、一例であって、どのような設定値であってもよいが、以下の説明においては、発明の理解を容易にするため、この一例の設定値を用いて説明する。
即ち、例えば条件(A)を救済条件とした場合は、まず、設定ゲーム数再設定プログラムP142が上記特別遊技継続制御プログラムP11によるビッグゲームの権利の終了後(14ゲームの特別遊技の終了後)に、次の救済条件が成立するまでの設定ゲーム数を例えば平均100ゲーム位となるように(例えば1ゲーム〜200ゲームの間でランダムに)抽選して再設定する。つづいて、ゲーム数カウントプログラムP141が前回のビッグ役51が成立した後の次のゲーム(特別遊技終了後の次のゲームであってもよい)よりビッグ役51が成立しない限りゲーム数のカウントを行い、該カウントが上記設定ゲーム数になった際に、救済条件判定プログラムP14が救済条件の成立を判定する。
そして、救済条件判定プログラムP14が救済条件の成立を判定すると、救済制御プログラムP15が救済制御を開始し、救済時特別役選定指令プログラムP151又は(及び)救済時配牌指令プログラムP152を起動する。該救済時特別役選定指令プログラムP151が起動されると、特別役選定プログラムP6に指令を行い、それを受けて該特別役選定プログラムP6が特別役データテーブルP61の中からテーブルTb7を選択し、ビッグ役51が容易に成立することが可能な「門前清自摸」に選定される。また、救済時配牌指令プログラムP152が起動されると、自動配牌プログラムP5に指令を行い、それを受けて自動配牌プログラムP5が特別役選定プログラムP6により選定されたビッグ役51に近い配牌(例えば1個の牌だけが異なる配牌)を選定し、つまりビッグ役51が容易に成立することが可能な配牌が選定される。
なお、ゲーム数カウントプログラムP141のカウントは、ビッグ役51が成立した際にリセットされ、つまり設定ゲーム数未満でビッグ役51が成立した際は、救済条件判定プログラムP14により救済条件の成立は判定されない。
また、例えば条件(B)を救済条件とした場合は、まず同様に、設定ゲーム数再設定プログラムP142が上記特別遊技継続制御プログラムP11によるビッグゲームの権利の終了後(14ゲームの特別遊技の終了後)に、次の救済条件が成立するまでの設定ゲーム数を例えば平均50ゲーム位となるように(例えば1ゲーム〜100ゲームの間でランダムに)抽選して再設定する。つづいて、ゲーム数カウントプログラムP141が前回のビッグ役51が成立した後の次のゲーム(特別遊技終了後の次のゲームであってもよい)より上がり役(表2参照)が成立しない限りゲーム数のカウントを行い、該カウントが上記設定ゲーム数になった際に、救済条件判定プログラムP14が救済条件の成立を判定する。
そして同様に、救済条件の成立の判定によって、救済制御プログラムP15が救済時特別役選定指令プログラムP151又は(及び)救済時配牌指令プログラムP152を起動し、ビッグ役51が容易に成立することが可能な「門前清自摸」に選定したり、ビッグ役51が容易に成立することが可能な配牌が選定される。
なお、ゲーム数カウントプログラムP141のカウントは、上がり役が成立した際にリセットされ、つまり設定ゲーム数未満で何らかの和了りが成立した際は、救済条件判定プログラムP14により救済条件の成立は判定されず、その上がりが成立した次のゲームから新たにカウントが開始される。
更に、例えば条件(C)を救済条件とした場合は、まず同様に、設定ゲーム数再設定プログラムP142が上記特別遊技継続制御プログラムP11によるビッグゲームの権利の終了後(14ゲームの特別遊技の終了後)に、次の救済条件が成立するまでの設定ゲーム数を例えば平均75ゲーム位となるように(例えば1ゲーム〜150ゲームの間でランダムに)抽選して再設定する。つづいて、ゲーム数カウントプログラムP141が前回のビッグ役51が成立した後の次のゲーム(特別遊技終了後の次のゲームであってもよい)より4点以上の和了り(表2参照)が成立しない限りゲーム数のカウントを行い、該カウントが上記設定ゲーム数になった際に、救済条件判定プログラムP14が救済条件の成立を判定する。
そして同様に、救済条件の成立の判定によって、救済制御プログラムP15が救済時特別役選定指令プログラムP151又は(及び)救済時配牌指令プログラムP152を起動し、ビッグ役51が容易に成立することが可能な「門前清自摸」に選定したり、ビッグ役51が容易に成立することが可能な配牌が選定される。
なお、ゲーム数カウントプログラムP141のカウントは、4点以上の上がり役が成立した際にリセットされ、つまり設定ゲーム数未満で4点以上の和了りが成立した際は、救済条件判定プログラムP14により救済条件の成立は判定されず、その4点以上の上がりが成立した次のゲームから新たにカウントが開始される。
本雀球遊技機1の救済条件判定プログラムP14においては、以上の条件(A)、条件(B)、条件(C)の何れか1つの条件の成立を判定するように構成したものとして説明するが、勿論、同時進行的に3つとも判定するように構成してもよく、また、これら3つ条件のうちの何れか2つを同時進行的に判定するように構成してもよい。また、雀球遊技機には、これら3つの条件成立を判定する機能を3つとも兼ね備えている必要はなく、少なくとも1つの条件成立を判定する機能があれば足りる。
一方、サブ制御基板KbのROM41に搭載されているプログラムは、図7に示すように、サブ基板動作制御プログラムP21、通信制御プログラムP22、ランプ制御プログラムP23、上がり牌判定プログラムP24、等から構成されている。更に、この上がり牌判定プログラムP24は、聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、及び上がり牌判定抽出プログラムP243を備えて構成される。
サブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから伝送された各種の制御コマンドを解読し、各制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
通信制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaからのデータの受信と画像制御基板Kc,Kdとの通信処理を行うプログラムである。画像制御基板Kc,Kdは、サブ制御基板Kbから送信されたこれら各種の制御コマンドとその制御データ等を受信すると、プログラム処理により表示装置14や液晶表示装置38に演出用の画像や情報を表示し、更に、音声・効果音出力プログラムP41(図8参照)を介してスピーカー6から演出用の音声や効果音を出力させる。
ランプ制御プログラムP23は、メイン制御基板Kaから伝送された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ7等の発光(点灯、消灯、点滅)の制御を行うためのプログラムである。
上がり牌判定プログラムP24は、遊技者が捨て牌の操作を行った後に、メイン制御基板Kaから送信された現在の13個の手牌に基づいて、予め設定された上がり役を完成させるために遊技者が行う所要の操作を支援(例えば、自摸すべき牌をアシスト)するためのプログラムである。この上がり牌判定プログラムP24は、遊技者が現在の13個の手牌に自摸の操作を行って1個の牌を追加した場合に、上がり役を完成させることができる牌(上がり牌)の有無を判定すると共に、予め自摸すべき牌を支援する処理(図1及び図2の液晶表示装置38や図4の上がり牌表示部31への表示処理)を、後述の画面表示プログラムP32を介して行うためのプログラムである。そして、上がり牌判定プログラムP24は、上がり役を完成させるため自摸すべき牌が抽出された場合には、この牌の図柄を画像制御基板Kcを介して表示させる制御を行う。
メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者が遊技球を発射して自摸の操作を行って手牌が14個になると、入賞判定プログラムP8を作動させて上がり役を完成させたか否かの判定を行う。そして、上がり役を完成していない場合には、遊技者が14個の手牌の中から不要な1個の牌を捨てる「捨て牌の操作」を行う都度、手牌記憶領域に記憶している13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。このとき、13個の図柄コードは上昇順にソートされてサブ制御基板Kbに送信される。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この13個の手牌の図柄コードを受信すると、受信したデータをRAM42に記憶した後、制御を上がり牌判定プログラムP24に移行させる。すると、上がり牌判定プログラムP24は、順次、聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を作動させる。
聴牌パターン判定プログラムP241は、リーチボタン18が操作された際、このときに手牌表示部35及び自摸牌表示部36に表示されている手牌図柄の図柄コードの組合せが上がり役を完成する直前の聴牌状態であるか否かを判定し、その判定結果を出力する。
なお、上がり牌判定抽出プログラムP243が、所定の処理で判定して抽出し、RAM42に記憶した上がり牌の図柄コードの全てを画像制御基板Kc、Kdに制御コマンドと共に送信して、画像制御基板Kcに対してこの上がり牌の図柄コードに対応する図柄を表示させるための制御を行った際、サブ制御基板Kbの上がり牌判定プログラムP24は、上がり牌の図柄コードを受信した時点で、画面表示プログラムP32のゲーム演出表示プログラムP3212等を介して、受信した上がり牌の図柄コードの図柄を上がり牌の候補として上がり牌表示部31及び液晶表示装置38に表示する。このとき、スピーカー6から音声を出力させるようにしてもよい。この場合、上がり牌表示部31及び液晶表示装置38双方には上がり牌のアシスト(支援)等に関する表示が同時進行的に行われるが、その際、液晶表示装置38上の表示は、上がり牌等の表示に加えて、演出用キャラクタを用いた画像表示が行われる。
ついで、図8を参照して、画像制御基板KcのROM41に搭載されているプログラムについて説明する。このプログラムは、画像基板動作制御プログラムP31、画面表示プログラムP32、及び音声・効果音出力プログラムP41等から構成されている。以下、これらプログラムの処理内容の概要について説明する。
画像基板動作制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された各種の制御コマンドを解読し、これら制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
画面表示プログラムP32、音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、各種の演出用の画像を表示装置14に表示する処理と、各種の演出用の音声や効果音或いは警告音をスピーカー6から出力する処理とをそれぞれに行う。
画面表示プログラムP32は、サブ制御基板Kbから送信されてきた制御コマンドとその制御データに基づいて、表示装置14に画像等を表示する処理を行うプログラムであり、通常遊技画面表示プログラムP321、及び特別遊技画面表示プログラムP322を備えて構成される。
通常遊技画面表示プログラムP321は、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技を行っているときに、表示装置14に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行うプログラムであり、サブプログラムとして初期演出表示プログラムP3211、ゲーム演出表示プログラムP3212を備えている。
初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。
ゲーム演出表示プログラムP3212は、図4に示すような内容の画面を表示装置14に表示する等の機能を備えて構成される。例えば、遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、通常遊技のゲームの場合は遊技球の発射による自摸牌の操作等を行うごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、現在の手牌の図柄、捨て牌の図柄、及びサブ制御基板Kbから送信されてきた上がり牌と判定された牌の図柄を表示する処理、上がり役を完成したときその上がり役を獲得した得点数を表示する処理、等各種の表示手段を備えたプログラムから構成される。
また、特別遊技画面表示プログラムP322は、上記特別役成立判定プログラムP81及び/又は特別継続役判定プログラムP82にチャンス役52又はビッグ役51の成立が判定され、特別遊技制御プログラムP10による特別遊技の開始制御を受けて、各種の演出用の画面を表示装置14に表示する処理を行うプログラムである。この特別遊技画面表示プログラムP322は、更に、遊技者が特別遊技の権利を獲得することができる上がり役を完成した時点に演出表示する権利獲得演出表示プログラムP3221、上記特別遊技中自摸牌選択プログラムP12による自由選択自摸を支援するための自摸牌候補選択支援プログラムP3222を備えている。
権利獲得演出表示プログラムP3221は、表示装置14の上がり牌表示部31に上がり役の説明表示と、チャンスゲーム権利成立又はビッグゲーム権利成立の表示とを所定の時間間隔で交互に表示し、遊技者にチャンスゲーム又はビッグゲームの権利が成立したことを知らせる処理を行う。
自摸牌候補選択支援プログラムP3222は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに作動されるプログラムであり、表示装置14に表示された自摸牌の候補の図柄を牌選択右シフトボタン19、或いは牌選択左シフトボタン20を操作してスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援する。
音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbの通信制御プログラムP22から送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声や効果音或いは警告音をスピーカー6から出力するためのプログラムである。
また、図示はしないが、画像制御基板KdのROM41には、画像制御基板Kcで述べた画像基板動作制御プログラムP31や画面表示プログラムP32と同様の機能を有するプログラムが搭載されている。なお、当該画像制御基板KdのROM41に搭載された、画面表示プログラムP32と同様の機能のプログラムによると、例えば、上がり牌に係るアシスト時の演出に関しては、画面表示プログラムP32により表示装置14に表示されるアシスト演出用画像とは異なる内容が表示されることとなる。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdの動作を制御するプログラムは、アセンブラ言語、C言語或いはVisual Basic言語等を利用して開発され、各基板のCPU40が実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムとして各制御基板Ka、Kb、Kc、KdのROM41に記憶されている。
続いて、上述した雀球遊技機1の遊技手順とこの手順に伴う各プログラムの処理の概要について、図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
1ゲームは、遊技者がメダル投入口15へメダルを投入して、遊技開始ボタン24を押圧して、自動配牌プログラムP5が14個の手牌を配牌することによりスタートする。そして、遊技者が捨て牌ボタン16a、16b、…、等の各種の操作ボタンやセンサから発生する入力信号及び制御信号に基づいて作動する各プログラムの制御に従って、1ゲームが進行して行くことになる。
まず、ステップS1の初期設定処理において、雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、メイン制御基板KaのRAM42の記憶領域を初期化する。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを画像制御基板Kc、Kdに伝送する。サブ制御基板Kb、画像制御基板Kc、Kdはこの初期化制御コマンドを受信すると、RAM42の記憶領域を初期化すると共に、画像制御基板Kcに搭載されている初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。
なお、サブ制御基板Kbがこの電源ON時の初期化制御コマンドを受信すると、サブ基板動作制御プログラムP21は、前記したようにサブ制御基板KbのROM41に記憶している各種の画像データ、音声・効果音データを画像制御基板Kcに伝送し、画像制御基板Kcの画像基板動作制御プログラムP31は、受信したこれら画像、音声・効果音データをRAM42に記憶する処理を行う。
そして、ステップS2の遊技進行処理において、遊技者がメダル投入口15にメダルを投入すると、メイン基板動作制御プログラムP1がそのメダル投入信号を検出し、これに伴いメダル管理プログラムP3が遊技メダル貯留枚数を「1」加算する処理を行う。続いて、遊技者が遊技開始ボタン24を押圧し、メイン基板動作制御プログラムP1がこの遊技開始ボタン24からゲーム開始信号を検出すると、1ゲームの遊技が開始できる状態になる。すると、メイン基板動作制御プログラムP1は、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置14に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP41により音声をスピーカー6から出力する。このようにして、雀球遊技機1の1ゲームが開始される。
続いて、ステップS3の配牌処理では、メイン基板動作制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄をプログラム処理により自動的に決める。自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42の手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、すなわち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて(ソート)手牌記憶領域に記憶する。
引き続き、自動配牌プログラムP5は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この配牌された図柄コードを受信するとRAM42に記憶すると共に、画像制御基板Kcにこれら14個の配牌された図柄コードを送信する。
サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから送信された14個の配牌の図柄コードについて、現時点の遊技の場において開示されている牌の開示個数を開示個数テーブルにカウントする処理を行う。また、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図4に示すような牌の図柄の画像を表示装置14の手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示する処理を行う。なお、14個の自動配牌が決定されていない間は、手牌表示部35、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36には、初期画面として牌の裏面又は無表示の図柄を表示する処理を行う。
そして、ステップS4のドラ抽選処理では、メイン制御基板Kaのドラ抽選プログラムP7は、表ドラ及び裏ドラを抽選して、その牌の図柄コードについて、入賞判定プログラムP8、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212に送信する。該ゲーム演出表示プログラムP3212は、送信されてきた表ドラ及び裏ドラの牌の図柄コードに基づき、図4に示すような表ドラ及び裏ドラの牌の図柄の画像を表示装置14の表ドラ表示部29と裏ドラ表示部30に表示する処理を行う。また、入賞判定プログラムP8は、後述の上がり役が成立した際に(S9)、表ドラ及び裏ドラの牌の図柄コードに基づき、当該上がり役に対して点数を加算する(表2参照)。
続いて、ステップS5の特別遊技役等決定表示処理では、特別役選定プログラムP6(ただし、通常遊技の遊技を行っているときに作動する、ビッグ役成立時の継続中のゲームにおいては作動しない)が作動して、上記特別役データテーブルP61よりテーブルTbnを選択・抽選して、ビッグ役51及びチャンス役52の選定を行う。そして、特別役選定プログラムP6の処理により決定されたビッグ役51及びチャンス役52の図柄の各データ(コード化されたデータ)は、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信される。
画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、ビッグ役51及びチャンス役52を獲得できる上がり役のコードを受信すると、ビッグ役とチャンス役をそれぞれビッグゲーム上がり役表示部32、チャンス上がり役表示部33に表示する処理を行う。
そして、ステップS6の遊技開始処理において、メイン基板動作制御プログラムP1は、自動配牌された14個の牌の図柄、ビッグゲーム役、チャンスゲーム役、表ドラ等を表示装置14に表示させる制御が完了すると、表示装置14に遊技の開始条件が整ったことを遊技者に画面表示又は音声で知らせるように制御する。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP8を作動させて、自動配牌された14個の手牌が既に上がり役を完成しているか否かを判定させる処理を行う。
自動配牌された14個の牌の図柄が上がり役を完成していない場合には、メイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者に手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すための画面表示を行う制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kc,Kdに送信する。画像制御基板Kc,Kdがこの制御コマンドを受信した際、ゲーム演出表示プログラムP3212は、手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すためのメッセージを表示装置14及び液晶表示装置38に表示する処理を行う。このとき、音声・効果音出力プログラムP41を作動させて、音声と共に促す処理を行うようにしてもよい。
また、万が一、この判定処理で上がり役を完成している場合には、入賞判定プログラムP8は、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)を前記表2のデータを参照して決定する。更に、入賞判定プログラムP8は、これら上がり役、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcは、これら上がり役と獲得した得点等を受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に上がり役、獲得した得点、その他の演出画像を表示装置14に所定の時間ほど表示する処理を行う。
また、この上がり役を完成している場合において、上記選定されたビッグ役51及びチャンス役52が成立している際は、特別役成立判定プログラムP81によりその成立が判定され、更に、ビッグ役51が成立している際には、特別継続役成立判定プログラムP82によりその成立が判定され、詳しくは後述するチャンスゲーム又はビッグゲームの特別遊技が開始制御される。
上述のように、自動配牌された14個の牌の図柄が上がり役を完成していない場合には、ステップS7の捨て牌・自摸牌処理において、遊技者は、手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示されている牌の図柄から、捨て牌を選択する操作を行うことになる。そして、遊技者は捨てる牌の図柄を決定すると、この捨て牌の図柄に対応する捨て牌ボタン16a、16b、16c、…、或いは自摸牌捨てボタン17のいずれか1つを選択(オン)してこの牌を捨てる。この捨て牌選択信号に基づいて、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌操作を行って捨て牌とした牌の図柄コードをRAM42に記憶し、更に、RAM42の手牌記憶領域に記憶している手牌の中から捨て牌とした図柄コードを削除して、手牌を13個にする処理を行う。
続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌とした図柄コードと、13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共に、サブ制御基板Kbとサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、捨て牌とした図柄コードを受信するとその図柄コードに対応する牌の図柄を捨て牌表示部34に表示し、13個の手牌の図柄コードを受信するとこれらの図柄コードに対応する牌の図柄を手牌表示部35に表示する処理を行う。このとき、自摸牌表示部36には、図4に示すように、牌の裏面等を表示するようにする。
一方、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、上記13個の手牌の図柄コードを受信すると、上がり牌判定プログラムP24を構成する聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を作動させて、前述したように、現在の13個の手牌に対して、上がり役を完成させるために次に自摸すべき牌(自摸牌)の有無を判定し、上がり役を完成させる牌(自摸牌)が抽出された場合には、この牌の図柄を表示装置14に表示させる処理を行う。
続いて、ステップS8の遊技球発射処理において、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、上記した遊技者による捨て牌・自摸牌の操作に関する処理が終了すると、遊技球管理プログラムP4を作動させて、遊技球を遊技球発射位置に一球送る処理を行う。これにより、遊技者は、遊技球発射レバー4を操作して、遊技盤面2内に遊技球を発射できる状態になる。
遊技者が遊技球を発射し、この遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球すると、入球口11夫々に設けられたセンサの対応するものが遊技球を検出し、それにより入球信号が発生する。遊技球管理プログラムP4はこの入球信号を解読し、入球した入球口に対応する牌(自摸牌)の図柄コードを手牌記憶領域に記憶する処理を行う。
続いて、ステップS9の手牌判定処理において、入賞判定プログラムP8が作動し、14個となった手牌が上がり役を完成しているか否かを判定する。そして、手牌が上がり役を完成している場合には、前記したように、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点を求め、これらのデータを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。一方、上がり役を完成していない場合には、前記したように、遊技者は14個の手牌の中から不要と思われる1個の牌を捨てる捨て牌の操作を行うことになる。
このようにして、遊技者が遊技球発射レバー4を操作して遊技盤面2内に遊技球を発射して、聴牌状態になり、かつ残り遊技球数表示部27に「1」以上の数値の表示がある場合、遊技者は牌を捨てる操作を行う前に、リーチボタン18を操作してリーチをかけることができる。ただし、前記条件を満たしていない場合(聴牌状態になっていない場合)には、リーチボタン18を操作してリーチをかけることができない。リーチボタン18を操作した後は、捨て牌ボタン16a、16b、16c、…のいずれか1つを操作して手牌の中から1つの牌の図柄を捨てるか、自摸牌捨てボタン17を操作して自摸牌切りを行うと、捨て牌表示部34に捨て牌の図柄が横向きに表示するようにする。また、裏ドラ表示部30には裏ドラの図柄を表示する表示も行う。
このリーチ操作に関する制御では、例えば、次のような処理を行う。まず、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌ボタン16a、16b、等からの操作信号を検出し、聴牌パターン判定プログラムP241の聴牌判定処理により現在の手牌が聴牌状態になっているとの判定結果が得られた後、リーチボタン18の操作信号を検出すると、リーチがかかったという制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信すると共に、立直確定信号を送信する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、上記制御コマンドを受信すると、この直後に送信されてくる捨て牌の図柄コードの図柄は、捨て牌表示部34に横向きに表示する処理を行う。
なお、ゲームの場がリーチ状態になると、遊技者が発射した遊技球が入球口11a、11b、11c、…に入球した図柄に対応する牌(自摸牌)が上がりを完成させる牌にならないときには、メイン基板制御プログラムP1は、この自摸牌を自動的に捨て牌として処理するようにすると、遊技者は、リーチ操作後は捨て牌ボタン16a、…等を操作する必要がなくなる。
入賞判定プログラムP8の制御により、1ゲームで獲得できる得点は、例えば、最高10点までとしその上限が設定されている。また、上がり役が2種類以上同時に成立した場合には、それぞれの上がり役に与えられる得点が加算された得点がそのゲームの得点になる。同様に、手牌中に表ドラ及び裏ドラと同一の牌の図柄が含まれている場合には、そのドラ牌に対しても得点、例えば、ドラ1個に付き1点の得点が加算される。ゲームで獲得した得点の1点がメダル1枚に該当する。ただし、当該ゲームで獲得した得点数の合計が10点を超えた場合は、獲得できるメダル枚数(得点)は全て10枚になる。
ここで、上記ステップS9において、手牌が上がり役を完成していることを遊技者が認識し、その上がり役がチャンス役52又はビッグ役51であって、特別遊技の権利を獲得できる和了役である場合について説明する。
すなわち、通常遊技において、入賞判定プログラムP8は、遊技球が入球した入球口11a、11b、…に対応する図柄(自摸牌)が入力される都度、予め設定した和了役の組合せが完了したか否かのチェックを行う。そして、1ゲームが終了するまでの間に、チャンス役52又はビッグ役51(チャンスゲーム上がり役表示部33又はビッグゲーム上がり役表示部32に表示された役)と同一の和了役(上がり役)が完成すると、権利獲得演出表示プログラムP3221が、表示装置14の上がり牌表示部31に上がり役の説明表示とチャンスゲーム権利成立又はビッグゲーム権利成立の表示とを所定の時間間隔で交互に表示し、遊技者にチャンスゲーム又はビッグゲームの権利が成立したことを知らせる。
例えばビッグゲームの権利が成立した場合においては、遊技者は、当該ゲーム(権利成立時のゲーム)を含め次回以降の例えば13ゲームの間の遊技において、アタッカー9を作動させることが可能になる。つまり、ビッグゲームの権利が成立しているゲームでは、自動配牌された後、遊技者は、アタッカー作動通過口10がアタッカー9の直上方に位置決めされて遊技盤面部2の右側に片寄った状態で配置されたアタッカー9及びアタッカー作動通過口10に対し、遊技球発射レバー4を操作し、遊技盤面部2の左側からガイドレール8に沿わせて遊技球を打ち出す。この際、遊技球Baが、ビッグゲーム成立により遊技球Baの入球検出が有効になっているアタッカー作動口10を通過すると、特別遊技制御プログラムP10による入球判定に応じてアタッカー9が開放する。このため、遊技者は、アタッカー9に入球する遊技球Baの各1個に対応して、表示装置14と対話方式により任意に自由な自摸牌を選択しつつ、完成の可能性や好み等に応じて上がり役を組み立てていく。
なお、上記した遊技球発射時において、本雀球遊技機1では、遊技盤面部2内でのアタッカー作動通過口10を狙う方向とアタッカー9を狙う方向とが近接しているので、遊技者が、ビッグゲームの権利を取得した際に、アタッカー作動通過口10を狙って遊技球を発射することでアタッカー9も同時に狙うことができる。つまり、アタッカー作動通過口10を通過した遊技球を、該入球に応答して開放したアタッカー9に入球させることもでき、使用する遊技球数を節約することも可能になる。
一方、例えばチャンスゲームの権利が成立した場合においては、遊技者は、当該ゲーム(権利成立時のゲーム)の遊技において、上記ビッグゲーム時と同様に、アタッカー9を作動させることが可能になる。つまり、例えば1ゲーム中に発射できる遊技球の数である14球のうち、9球以内でチャンスゲーム役を成立させた場合は、上記アタッカー作動通過口10とアタッカー9とを1球で狙えることと相俟って、最大5球の遊技球をアタッカー9に入賞させることが可能となる。また、10球以上でチャンスゲーム役を成立させた場合は、最大でその残り玉数だけアタッカー9に入賞させることが可能となる。
即ち、チャンスゲームの権利が成立すると、最大で5球の遊技球をアタッカー9に入賞させることができ、5個の自由な自摸牌を得ることができる。これにより、チャンス役52が成立した14個の手牌の組合せから最大9個の手牌を残して5個の手牌を自由に交換できる形となるが、上記特別役データテーブルP61より関連付けられて選定されたチャンス役52とビッグ役51との関係から(図10参照)、このチャンス役52が成立した上がり役の状態からビッグ役51が成立することはない。これによって、容易にビッグ役51が成立してしまうことを防ぐことが可能となっている。またこのため、遊技者は、チャンス役52が成立した上がり役の状態から、例えばドラを増やす、他の役を成立させる、等で高得点を狙うことになる。
なお、本雀球遊技機1においては、チャンス役が成立し、アタッカー9に遊技球を1球入賞させた段階で、得点を倍にする処理を行うので、単に上がり役を成立させるよりもチャンスゲームを行って上がり役を成立させた方が高得点を狙えるように構成されている。
ついで、ステップS10の遊技終了処理では、入賞判定プログラムP8は、遊技が終了するまでの間に、つまり、残り遊技球数が0になって遊技終了ボタン23が押下されたとき、或いは遊技開始ボタン24が押下されたときに、表2の上がり役の組合せが完成していない場合、ゲーム終了の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。すると、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212が、表示装置14に「ゲームオーバー」を表示し、遊技者に当該ゲームの終了を知らせる。
また、上記遊技終了処理では、上がり役の組合せが完成した場合でも、残り遊技球数表示部27の表示(残り球個数)が「1」以上であるときは、更に自摸牌捨てボタン17、或いは捨て牌ボタン16a、16b、16c、…を操作した際、メイン基板動作制御プログラムP1の制御でゲーム継続の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。これにより、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212が、表示装置14に表示した上がり役の説明及び獲得した得点の表示を消し、当該ゲームを続行できる状態にする。
また、上がり役が完成して表示装置14に上がり役の説明が表示されている場合に、遊技者が遊技終了ボタン23又は遊技開始ボタン24を操作した際には、メイン基板動作制御プログラムP1が、この入力信号の種類を解読してメダル管理プログラムP3を作動させ、RAM42に記憶しているメダル貯留枚数にこのゲームで獲得した得点を加算し、このメダル貯留枚数を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。すると、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212が、メダル貯留枚数表示部26にこのメダル貯留枚数を表示する。そして、遊技者が遊技終了ボタン23を操作した後、遊技開始ボタン24を操作した際には、貯留したメダルの投入動作が自動的に行われ、メイン基板動作制御プログラムP1は、次のゲームを行うことができる状態にするために、画面表示の初期化の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。
以上説明したステップS1からステップS10の処理を繰り返すことにより、連続してゲームを遊技することになる。本雀球遊技機1においては、この連続してゲームを遊技している間、救済条件判定プログラムP14が機能している。
例えば救済条件判定プログラムP14が上記条件(A)を救済条件として判定する場合は、まず、ゲーム数カウントプログラムP141が前回のビッグ役51が成立した後の次のゲーム(特別遊技終了後の次のゲームであってもよい)よりゲーム数のカウントを開始する。ここで、設定ゲーム数再設定手段P142により例えば設定ゲーム数が100ゲームに設定されていた場合、ここまま例えば100ゲーム連続してビッグ役51が成立しないと、該ゲーム数カウントプログラムP141によるカウントが100ゲームとなり、救済条件判定プログラムP14が救済条件の成立を判定する。
すると、救済制御プログラムP15が救済時特別役選定指令プログラムP151又は救済時配牌指令プログラムP152の起動を選択し、例えば救済時特別役選定指令プログラムP151の起動を選択すると、次のゲームにおける特別遊技役等決定処理S5において、該救済時特別役選定指令プログラムP151が、特別役選定プログラムP6に指令を行い、それを受けて該特別役選定プログラムP6が特別役データテーブルP61の中から強制的にテーブルTb7(図10参照)を選択して、ビッグ役51が「門前清自摸」に選定される。これにより、遊技者は、単に手牌図柄を揃えるだけで容易に成立させることが可能となり、つまりビッグゲームの権利を容易に得ることができる。
また、救済制御プログラムP15が救済時配牌指令プログラムP152の起動を選択した際は、例えば次のゲームにおける特別遊技役等決定処理S5において特別役選定プログラムP6が特別役データテーブルP61の中からビッグ役51を選定した後、救済時配牌指令プログラムP152が再び配牌の選定を行って、選定されたビッグ役51を1個だけ異なる配牌を選定する。これにより、遊技者は、そのビック役51を成立するために必要な1つの牌に対応する入球口11を例えば14球の打ち出しの間に狙って入球させ、その1個だけ異なる牌を交換するだけで、容易にビッグ役51を成立させることが可能となり、つまりビッグゲームの権利を容易に得ることができる。
また同様に、例えば救済条件判定プログラムP14が上記条件(B)を救済条件として判定する場合は、ゲーム数カウントプログラムP141が前回のビッグ役51又は和了りが成立した後の次のゲームよりゲーム数のカウントを行っており、ここで、設定ゲーム数再設定手段P142により例えば設定ゲーム数が50ゲームに設定されていた場合、例えば50ゲーム連続して何ら和了りが成立しないと、救済条件判定プログラムP14が救済条件の成立を判定する。そして同様に、救済制御プログラムP15によって、ビッグ役51が「門前清自摸」に選定されたり、ビッグ役51が成立し易い配牌が行われたりして、遊技者は、ビッグゲームの権利を容易に得ることができる。
更に同様に、例えば救済条件判定プログラムP14が上記条件(C)を救済条件として判定する場合は、ゲーム数カウントプログラムP141が前回のビッグ役51又は4点以上の和了りが成立した後の次のゲームよりゲーム数のカウントを行っており、例えば75ゲーム連続して何ら4点以上の和了りが成立しないと、救済条件判定プログラムP14が救済条件の成立を判定する。そして同様に、救済制御プログラムP15によって、ビッグ役51が「門前清自摸」に選定されたり、ビッグ役51が成立し易い配牌が行われたりして、遊技者は、ビッグゲームの権利を容易に得ることができる。
このようにビッグゲームの権利を得て、ビッグゲームの13ゲーム(当初ビッグ役51の成立ゲームを含めて14ゲーム)を終了すると、救済条件判定手段P14が救済条件を(A)乃至(C)の中から選択すると共に、設定ゲーム数再設定手段P142が設定ゲーム数を抽選して再設定を行う。そして、次の救済条件が成立するまで、通常通りの雀球遊技が行われる。
また、設定ゲーム数再設定手段P142が設定ゲーム数として、例えば少ないゲーム数(例えば1〜10ゲーム等)を抽選した場合は、直ぐに救済条件判定プログラムP14により救済条件の成立が判定されるので、遊技者は、直ぐにビッグゲームの権利を得ることが可能となる。これにより、遊技者に、あたかもビッグゲームが連続当選したかのような印象を与えることができる。
なお、この設定ゲーム数再設定手段P142による設定ゲーム数の再設定は、それまでのビッグ役51の成立状態(過去の統計情報)に基づき、重み付けを付加する形で設定してもよく、また、これらに限らず、再設定のやり方は、どのように処理するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、ビッグ役51が容易に成立する上がり役として「門前清自摸」に選定されるものを一例に説明したが、これに限らず、例えば「平和」「断公九」等であってもよく、更に例えば「ドラを1つ以上含む」等、一般的な麻雀遊技にあっては架空の上がり役をビッグ役51として設定するようにしてもよい。
以上説明したように本発明に係る雀球遊技機1によると、救済条件判定プログラムP14が、連続した設定ゲーム数の間における上がり役の成立状態に基づく救済条件が成立したことを判定し、救済制御プログラムP15が、救済条件判定プログラムP14により救済条件の成立が判定された際に、ビッグ役51が容易に成立するように制御するので、救済条件が成立した際に、ビッグ役51を容易に成立させることができるようになって、特に遊技経験の少ない遊技者であっても、救済的に遊技メダルの獲得が可能となり、獲得した遊技メダルにより遊技経験を増すことができると共に遊技経験が少ないうちに興味を失ってしまうことの防止を図ることができる。
また、救済時特別役選定指令プログラムP151が、救済条件判定プログラムP14により救済条件の成立が判定された際に、特別役選定プログラムP6に、ビッグ役51として容易に成立する上がり役を選定するように指令するので、救済条件が成立した際に、ビッグ役51を容易に成立させることを可能にすることができる。
更に、救済時配牌指令プログラムP152が、救済条件判定プログラムP14により救済条件の成立が判定された際に、自動配牌プログラムP5に、ビッグ役51が容易に成立する配牌を選定するように指令するので、救済条件が成立した際に、ビッグ役51を容易に成立させることを可能にすることができる。
また、救済条件として条件(A)を判定することで、連続した設定ゲーム数の間、ビッグ役51が非成立であると、救済条件が成立してビッグ役51を容易に成立させることが可能となる。これにより、設定ゲーム数の間にビッグゲームが得られずに費やした遊技メダルを、救済的にある程度補うことが可能となり、獲得した遊技メダルにより遊技経験を増すことができると共に遊技経験が少ないうちに興味を失ってしまうことの防止を図ることができる。
また、救済条件として条件(B)を判定することで、連続した設定ゲーム数の間、上がり役が非成立であると、救済条件が成立してビッグ役51を容易に成立させることが可能となる。これにより、例えば何ら遊技メダルを得ることのできない設定ゲーム数の間に費やした遊技メダルを、救済的にある程度補うことが可能となり、獲得した遊技メダルにより遊技経験を増すことができると共に遊技経験が少ないうちに興味を失ってしまうことの防止を図ることができる。
また、救済条件として条件(C)を判定することで、連続した設定ゲーム数の間、各ゲームの得点が3点以下であると、救済条件が成立してビッグ役51を容易に成立させることが可能となる。これにより、例えば遊技メダルを僅かしか得ることのできない設定ゲーム数の間に費やした遊技メダルを、救済的にある程度補うことが可能となり、獲得した遊技メダルにより遊技経験を増すことができると共に遊技経験が少ないうちに興味を失ってしまうことの防止を図ることができる。
更に、設定ゲーム数再設定プログラムP152が、ビッグ役51の成立に基づくビッグゲームが終了した際に、設定ゲーム数のゲーム数を再設定するので、次の救済条件が成立するまでのゲーム数を上記ビッグゲームの終了毎に変更することが可能となる。これにより、例えば連続的に救済条件が成立するように設定することも可能となり、遊技性の向上を図ることができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の雀球遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した雀球遊技機も、本発明の範囲に含まれる。