本発明の一実施例の遊技機について説明する。
図1は、遊技機1を示す正面外観図である。遊技機1は、遊技者が麻雀ゲームを行うことができる雀球遊技機である。この遊技機1には、遊技に供する遊技球(パチンコ球)が15個封入されている。
この遊技機1は、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではコインを用いるものとして説明する。
この遊技機1の前面扉2の内側にアクリル樹脂から成る光透過性部材で形成された透明な遊技盤(以下「透明遊技盤」という)3が設けられている。この透明遊技盤3の盤面上には入賞装置、釘、風車等が配設されている。遊技者から見て透明遊技盤3の後ろ側には、牌等の表示を行う表示手段としての液晶表示装置4が配置されている。この液晶表示装置4の表示内容は、遊技者が前面扉2に設けられたガラス板及び透明遊技盤3を通して視認できるようになっている。透明遊技盤3及び液晶表示装置4の詳細については後述する。
前面扉2の下方には、あがり役の完成に不要な牌を捨牌として決定操作するための捨牌ボタン5が横一列に14個設けられ、捨牌ボタン5の左側下方には、あがり役が完成したときに操作するためのあがりボタン6が設けられている。あがりボタン6の右側には、後述の麻雀ゲームにおいて遊技者がリーチするときに操作するリーチボタン7が設けられ、リーチボタン7の右側には、ツモ残り回数表示装置8が設けられている。このツモ残り回数表示装置8の表示部8aは、7セグメントLEDから成り、後で説明するツモ残り回数を表示する。
ツモ残り回数表示装置8の右側には、コイン投入口9が設けられている。このコイン投入口9にコインが投入されると、遊技球が液晶表示装置4の裏面側に設けられた発射装置42(図10)に供給される。ツモ残り回数表示装置8の下方には、コインを払い出すための払出口22、払出口22から払い出されたコインを溜めるための下皿23、遊技球を透明遊技盤3の盤面上に向けて発射させる操作手段としての発射ハンドル24、BGM等の各種音声を出力するためのスピーカ25などが設けられている。
次に、図2を参照して、透明遊技盤3の盤面について説明する。
図2に示す透明遊技盤3の盤面の下方には、上記入賞装置として27個の牌入球口10が設けられている。この27個の牌入球口10の上方近傍には多数の障害釘11が設けられている。透明遊技盤3の盤面の左側には、レール12が設置されている。液晶表示装置4の裏面側に設けられた発射装置42(図10)から打ち出された遊技球は、このレール12に沿って上昇移動し、透明遊技盤3の上部に到達する。また、透明遊技盤3の盤面の左側には左風車13、右側には右風車14が、それぞれ設けられている。
次に、図3を参照して、液晶表示装置4の画面について説明する。液晶表示装置4の画面は、牌種別表示領域17、手牌表示領域18、セル画表示領域19に区分されている。牌種別表示領域17には、手牌として表示する牌が各入球口10に対応して表示される。具体的には、牌種別表示領域17には、複数の牌が表示され、図5、図6、図7に示すように、牌種別表示領域17に表示された各牌は、透明遊技盤3に設けられた各入球口10の下方に位置するように表示される。これにより、遊技者に各入球口10がその下方に表示された牌と対応していることを示す。
牌種別表示領域17に手牌として表示する牌は、本実施例でも示すとおり、代表的には麻雀牌であるが、それに代わる文字、図形、記号若しくはこれらの組合せ又はこれらと色彩の組合せを採用できる。例えば、麻雀牌の代わりに、人の顔やキャラクター等を牌として表示してもよい。手牌表示領域18には、発射された遊技球が入った牌入球口10に対応する牌が手牌として表示される。また、セル画表示領域19は、牌種別表示領域17及び手牌表示領域18以外の領域であり、装飾用の画像が表示される。
なお、表示手段には、本実施例のような液晶表示装置4のほか、多数のLEDを配列して構成した表示器、ランプ等の発光手段、CRT、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス等のその他の電気的表示器を用いても構成できる。模型の動作物等の機械的装置を用いてもよい。
次に、図4を参照して、透明遊技盤3と液晶表示装置4との関係について説明する。透明遊技盤3は、前面に牌入球口10等が配設された盤面部3a及び液晶保護部3bにより構成される。盤面部3aと液晶保護部3bとの間には、遊技球を回収するための遊技球の通路である球回収部27が設けられている。盤面部3aの牌入球口10が配設された位置には、入球した遊技球26を球回収部27へ送るための孔10aが設けられている。液晶保護部3bは、孔10aから球回収部27へ移動した遊技球26の衝突から液晶表示装置4の表示画面を保護するために設けられている。遊技球26は、牌入球口10に入ると牌入球口10内に設けられた後述の入球検知スイッチ(図示しない)に検出され、球回収部27を通って発射装置42へ供給される。
遊技盤3に設ける入球口10は、遊技球を通過させるだけのいわゆる「スルーチャッカー」タイプのものでもよい。この場合、入球口10を通過した遊技球はそのまま落下し、遊技盤3の下部に設けた回収口(図示しない)から回収される。従って、スルーチャッカータイプの入球口10では、遊技盤3に球回収部27を設けたり、各入球口10から球回収部27への通路となる孔10aを設ける必要がない。
次に、図5、図6、図7を参照して、遊技者から見た透明遊技盤3と液晶表示装置4について説明する。本実施例では、遊技の状況に応じて牌入球口10に対応する牌(具体的には、牌の配列)が変更される。これに応じて液晶表示装置4の牌種別表示領域17に手牌として表示する牌を各入球口に対応させて表示する。遊技の状況は、遊技が開始されたとき、あがり役の不成立ゲームが5回続いていない場合に遊技者がリーチボタン7を操作したときの手牌の図柄組合せ、及びあがり役の不成立ゲームが5回続いている場合に遊技者がリーチボタン7を操作したときの手牌の図柄組合せが採用される。また、本実施例では、コイン投入口9にコインを投入することにより、麻雀ゲームが開始する。上記「ツモ残り回数」は、麻雀ゲームにおいて、牌交換を行うことができる回数(牌交換可能回数)であり、麻雀ゲームが開始されると、牌交換可能回数(本実施例では10回)が設定される。
図5は、遊技(麻雀ゲーム)開始時からリーチ前までの態様を示す。すなわち、遊技が開始され牌種別表示領域17の牌が変更されてから遊技者がリーチボタン7を操作し、牌種別表示領域17の牌が変更されるまでの態様を示す。図示の牌種別表示領域17には、上述のように27個の牌入球口10に対応して、左側から“1索”、“東”、“南”、“白”、“1萬”、“2萬”、“3萬”、“4萬”、“5萬”、“6萬”、“7萬”、“8萬”、“9萬”、“発”、“1筒”、“2筒”、“3筒”、“4筒”、“5筒”、“6筒”、“7筒”、“8筒”、“9筒”、“中”、“西”、“北”、“9索”の順に配列された牌(図柄)が表示されている。すなわち、これらの各牌の図柄は、それぞれ、遊技者から見て上方の牌入球口10に対応している。手牌表示領域18には、上述のように発射された遊技球が入った牌入球口10に対応する牌が手牌として表示される。具体的には、遊技球が入った牌入球口10の下方に表示された牌が手牌として表示される。従って、牌入球口10の下方に表示された牌のうち、「あがり役」の完成に必要な牌に対応する牌入球口10を狙って遊技球を発射することで「あがり役」を完成させることができる。
ここで、本実施例においてのあがり役は、いわゆる役満として九連宝燈、清老頭、国士無双、大三元、小四喜、大四喜、及び字一色、いわゆる六翻役として清一色、いわゆる三翻役としてジュンチャン、混一色、及び二盃口、いわゆる二翻役として一気通貫、対々和、七対子、チャンタ、混老頭、及び小三元、いわゆる一翻役として平和、断ヤオ九、一盃口、及び平上がりが定められている。あがり役が完成したときに遊技者に払い出すコインの数は、上記あがり役に対応して定められている。
図6は、リーチ時から1ゲーム終了までの態様Aを示す。具体的には、遊技者のリーチボタン7の操作により牌種別表示領域17の牌が変更されてから1の麻雀ゲームが終了するまでの透明遊技盤及び液晶表示装置4の態様を示す。この態様Aは、あがり役の不成立ゲームが5回続いていない状況において、「あがり役」である「大三元」にリーチとなり、遊技者がリーチボタン7を操作したときの態様である。図示の牌種別表示領域17には、各牌入球口10に対応して、左側から“1索”、“東”、“南”、“8萬”、“5筒”、“中”、“7萬”、“1筒”、“9筒”、“5萬”、“8筒”、“3筒”、“9萬”、“発”、“1萬”、“2筒”、“4萬”、“7筒”、“6萬”、“2萬”、“6筒”、“4筒”、“3萬”、“白”、“西”、“北”、“9索”の順に配列された牌(図柄)が表示されている。これらの各牌は、遊技者から見て上方の各牌入球口10に対応している。すなわち、手牌表示領域18には、上述と同様に遊技球が入った牌入球口10の下方に表示された牌が手牌として表示される。
図7は、リーチ時から1ゲーム終了までの態様Bを示す。具体的には、上述の態様Aと同様に、遊技者のリーチボタン7の操作により牌種別表示領域17の牌が変更されてから1の麻雀ゲームが終了するまでの透明遊技盤及び液晶表示装置4の態様を示す。この態様Bは、あがり役の不成立ゲームが5回続いている状況において、「あがり役」の1つである「大三元」にリーチとなり、遊技者がリーチボタン7を操作したときの態様であり、牌入球口10に対応する牌が遊技者にとって有利になるように変更された態様である。図示の牌種別表示領域17には、各牌入球口10に対応して、左側から“1索”、“東”、“南”、“白”、“1筒”、“2筒”、“3筒”、“4筒”、“5筒”、“6筒”、“7筒”、“8筒”、“9筒”、“発”、“1筒”、“2筒”、“3筒”、“4筒”、“5筒”、“6筒”、“7筒”、“8筒”、“9筒”、“中”、“西”、“北”、“9索”の順に配列された牌が表示されている。これらの各牌は、遊技者から見て上方の各牌入球口10に対応している。すなわち、手牌表示領域18には、上述と同様に遊技球が入った牌入球口10の下方に表示された牌が手牌として表示される。図7に示す牌種別表示領域17に表示された牌のうち、リーチ状態において次の牌交換であがり役の成立となる牌を牌入球口10に数多く対応させている。具体的には、「あがり役」である「大三元」にリーチとなっているため、次の牌交換であがり役の成立となる牌である“2筒”及び“5筒”を牌入球口10に数多く対応させている。
図8、図9を参照して、麻雀ゲームにおいて手牌表示領域18に表示される内容について説明する。
図8(1)は、配牌されている様子、すなわち、遊技者が遊技球を1個ずつ発射し、その遊技球が入った牌入球口10に対応する牌が手牌として手牌表示領域18の下方の左側から順に表示されている様子を示す。詳細には、遊技者が第1球目として発射した遊技球は、“3筒”の牌に対応した牌入球口10に入り、“3筒”が手牌として手牌表示領域18の下方の左側から順に表示されている。続いて、遊技者が第2球目、第3球目、第4球目、第5球目、第6球目として発射した遊技球は、それぞれ“1萬”、“白”、“中”、“6筒”、“発”の牌に対応した牌入球口10に入り、手牌として手牌表示領域18の下方の“3筒”の右側から順に表示されている。
図8(2)は、図8(1)に示す配牌が完了した様子を示す。ここでは、遊技者が遊技球を14個発射し終わり、これらの遊技球が入った牌入球口10に対応する牌が手牌として手牌表示領域18の下方に全て表示されている。
図8(3)は、図8(2)に示す配牌完了から遊技者が「あがり役」を完成させ易いように手牌が自動的に並び替えられた様子(理牌された様子)を示す。ここで、手牌表示領域18の右上にいわゆるドラ表示牌が表示される。
図9(4)は、図8(3)に示す手牌並び替えから遊技者が牌交換を行っている様子を示す。本実施例においての牌交換は、遊技者が手牌の中から「あがり役」の完成に不要な牌に対応する捨牌ボタン5を操作し、その牌を捨牌とした後、遊技球を1個発射していずれかの牌入球口10に入球させることにより行う。ここで、遊技球が入った牌入球口10に対応する牌が手牌として手牌表示領域18に表示される。
麻雀ゲームは、ツモ残り回数が“0”になるか、又はツモ残り回数が“1”以上であっても、「あがり役」が完成し、あがりボタン6を操作することで「あがり」となり、それに応じた数のコインが払い出されて1ゲームが終了する。
なお、本実施例では、コインを投入する毎にゲームが開始され、「あがり役」の完成に応じてコインを払い出すようにしているが、これに限られず、「あがり役」の完成に応じて、例えば、得点を付与するようにし、2ゲーム目以降は、コインを投入しなくても、付与された得点によって遊技を行えるようにしてもよい。この場合、付与された得点がなくなれば、コインの投入を要求するようにしてもよい。付与された得点が残っている場合に遊技を終了するときは、その得点に応じた数だけコインを遊技者に払い出すようにしてもよい。
図9(5)は、図9(4)に示す牌交換が行われた後、リーチ(聴牌)となった様子を示す。図9(5)では、手牌表示領域18に牌交換のときに捨てた牌が捨牌として手牌の上方に表示され、手牌の右端にツモ牌として新しく牌が表示されている。詳細には、図9(4)に示す手牌の中から“6筒”に対応する捨牌ボタン5が遊技者によって操作され、“6筒”が捨牌となっている。そして、この後、遊技球が1個発射され、その発射された遊技球は、“北”の牌に対応した牌入球口10に入り、その牌入球口10に対応する“北”が新しく手牌として手牌表示領域18の下方の右端に表示されている。ここで、遊技者がリーチボタン7を操作したとき、役の不成立ゲームが5回続いているか否かが判別される(図16のST51)。役の不成立ゲームが5回続いていると判別された場合(図16のST51で“YES”)、牌種別表示領域17には図7に示す牌種別表示領域17の牌の配列(組合せ)で牌が表示され(態様Bに表示切換)、役の不成立ゲームが5回続いていないと判別された場合(図16のST51で“NO”)、牌種別表示領域17には図6に示す牌種別表示領域17の牌の配列で牌が表示される(態様Aに表示切換)。
図9(6)は、図9(5)に示すリーチ(聴牌)から「あがり役」が完成し、「あがり」となった様子を示す。図9(6)では、更に牌交換が行われ、そのときの捨牌が上記捨牌の右側に表示され、手牌の右端にツモ牌として新しく牌が表示されている。詳細には、図9(5)に示す手牌の中から“北”に対応する捨牌ボタン5が遊技者によって操作され、“北”が捨牌となっている。そして、この後、遊技球が1個発射され、その発射された遊技球は、“2筒”の牌に対応し牌入球口10に入り、“2筒”の牌が新しく手牌として手牌表示領域18の下方の右端に表示されている。この新しく得た牌によって、「あがり役」である「大三元」が完成している。更に、ドラ表示牌として“2筒”が表示されているので、手牌の“3筒”はドラ牌となる。ここで、遊技者があがりボタン6を操作することにより「あがり」となり、その「あがり役」に応じた数のコインが払い出される。
図10は、遊技機1における電気回路部の構成を示すブロック図である。この遊技機1の主要な動作は、制御手段及び牌変更手段としての主制御回路30によって制御される。主制御回路30は、制御プログラムを記憶している読出し専用の記憶手段であるROM30bと、読み書き可能な記憶手段であるRAM30cと、上記ROM30bに格納された制御プログラムに従って制御動作を実行する演算処理装置としてのMPU30aとを含み、これらを一の回路基板上に配置して構成されている。なお、主制御回路30上のMPU30a、ROM30b、RAM30cを、後で説明する表示制御回路31上のMPU等と区別するために、「メインMPU」30a、「メインROM」30b、「メインRAM」30cという。メインMPU30aは、定期的に発生するリセット信号の入力により、メインROM30bに格納された制御用プログラムの処理を実行する。
また、主制御回路30は、遊技状態に応じて発射装置42への遊技球の供給を制御する。
図10に示すように、主制御回路30に接続された基板上の中継回路34には、捨牌ボタン5の操作を検出する捨牌スイッチ5S、あがりボタン6の操作を検出するあがりスイッチ6S、リーチボタン7の操作を検出するリーチスイッチ7S、コイン投入口9に投入されたコインを検出するコイン検出スイッチ9S、27個の各牌入球口10に入った遊技球を検出する牌入球検知スイッチ10S、発射装置42により透明遊技盤3へ発射された遊技球を検出する発射球センサ20a、及び発射装置42から発射されたが透明遊技盤3に到達することなく戻ってきた遊技球を検出する戻り球センサ20bが接続されている。
上記の各スイッチ及びセンサが検出した信号は、中継回路34を介して主制御回路30のメインMPU30aに入力される。メインMPU30aは、入力された信号に基づいて種々の判定等を行い、表示制御回路31等へ動作指令(コマンド)を送信する。
また、中継回路34には、遊技に関する音を出すスピーカ25、遊技球を透明遊技盤3の盤面上に打ち出す発射装置42、主制御回路30から出された動作指令に基づいてコインを払い出すコイン払出装置43も接続されている。これらの装置等は、中継回路34を介して主制御回路30に制御される。
表示制御回路31は、主制御回路30から送信された制御指令に基づいて画像データを生成し、この画像データに基づいて液晶表示装置4の表示動作を制御する。この表示制御回路31は、主制御回路30を配置した回路基板とは別の回路基板上に各種回路を配置して構成されている。これらの回路には、主制御回路30から受信した制御指令の解釈及び後述のVDP(Video Display Processor)31dのパラメータ設定を行うサブMPU31a、このサブMPU31aで実行する制御プログラムを格納するプログラムROM31b、上記制御プログラムを実行するときの一時的な記憶手段としてのワークRAM31c、画像を形成するためのドットデータを格納する画像ROM31e、上記サブMPU31aで設定されたパラメータに応じて画像ROM31e内のドットデータを読み込み、表示すべき画像データを生成するVDP31d、このVDP31dで生成された画像データをRGB信号に変換するD/A変換器31g、所定時間ごとに割込みをかけるためのCTC(Counter Timer Circuit)31f、並びに制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにサブMPU31a及びVDP31dを初期状態に戻すためのリセット命令を発生するリセットIC31hを含む。
図11は、液晶表示装置4での各種表示を実現するための主制御回路30、表示制御回路31の機能的構成を示すブロック図である。
主制御回路30は、配牌において発射できる遊技球の数に関する情報を記憶する配牌カウンタ101、ツモ残り回数に関する情報を記憶する牌交換カウンタ102、ゲーム終了時の手牌からあがり役の有無等の判定を行う役判定手段103、手牌表示領域18に表示される画像を切換える表示切換手段104、あがり役が不成立であった回数に関する情報を記憶する役不成立カウンタ105を備える。
表示制御回路31は、牌種別表示領域17、手牌表示領域18、セル画表示領域19に画像を表示するように液晶表示装置4を制御する表示制御手段106としての機能を果たす。
次に、図12を参照して、主制御回路30で行われる制御処理の手順について説明する。
図12に示す「メイン遊技制御処理」では、メインMPU30aは、コイン投入口9にコインが投入されたか否かを判別する(ステップ[以下「ST」と略記する]1)。この判別が“YES”のときは、ST2に移り、“NO”のときは、このまま待機する。ST2では、表示リセットを行う。具体的には、牌種別表示領域17には、図5に示す牌種別表示領域17の牌の配列で牌が表示される。この後、後で図13を参照して説明する麻雀ゲーム処理を行い(ST3)、後で図17を参照して説明する役判定処理を行う(ST4)。この後、ST1に戻る。
次に、図13を参照して、麻雀ゲーム処理について説明する。
最初に、メインMPU30aは、後で図14を参照して説明する配牌処理を行う(ST11)。この後、後で図15を参照して説明する配交換処理を行い(ST12)、ST4に移る。
次に、図14を参照して、図13のST11の配牌処理について説明する。
最初に、メインMPU30aは、遊技球を14個発射許可する(ST21)。具体的には、配牌カウンタの値を“14”にセットする。この後、遊技球が発射されたか否かを判別する(ST22)。この判別が“YES”のときは、配牌カウンタの値を“1”減算してST23に移り、“NO”のときは、このまま待機する。ST23では、牌入球検知スイッチ10Sが“ON”になったか否か、すなわち、27個の牌入球口10のいずれかに遊技球が入ったか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST24に移り、“NO”のときは、このまま待機する。
ST24では、遊技球が入った牌入球口10に対応する牌を手牌として表示する。この後、遊技球が14個発射されたか否か、すなわち、配牌カウンタの値が“0”であるか否かを判別する(ST25)。この判別が“YES”のときは、ST26に移り、“NO”のときは、ST22に移る。ST26では、遊技球の発射を停止させる。具体的には、発射装置42への遊技球の供給を行わないようにする。この後、ドラ牌を液晶表示装置4の手牌表示領域18に表示し(ST27)、手牌を並び替えて表示し(ST28)、ST12に移る。
次に、図15を参照して、図13のST12の牌交換処理について説明する。
最初に、メインMPU30aは、牌交換カウンタの値に“10”をセットする(ST31)。次に、リーチ中であるか否か、すなわち、遊技者がリーチボタン7を操作し、リーチとなっているか否かを判別する(ST32)。この判別が“YES”のときは、ST35に移り、“NO”のときは、ST33に移る。ST33では、リーチスイッチ7Sが“ON”になったか否か、すなわち、リーチボタン7が操作されたか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、後で図16を参照して説明する表示切換処理を行い(ST34)、ST35に移り、“NO”のときは、ST35に移る。
ST35では、あがりスイッチ6Sが“ON”になったか否か、すなわち、あがりボタン6が操作されたか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST4に移り、“NO”のときは、牌交換カウンタの値は“0”であるか否かを判別する(ST36)。この判別が“YES”のときは、ST4に移り、“NO”のときは、ST37に移る。
ST37では、捨牌スイッチ5Sが“ON”になったか否か、すなわち、捨牌ボタン5が操作されたか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST38に移り、“NO”のときは、ST32に戻る。つまり、牌交換カウンタの値が“0”でない場合は、あがりスイッチ6S又は捨牌ボタン5のいずれかが操作されるまで待機する。ST38では、捨牌ボタン5に対応する牌を捨牌として液晶表示装置4の手牌表示領域18に表示された手牌の上方に表示する。この後、遊技球を1個発射許可する(ST39)。具体的には、遊技球が発射装置42へ1個供給される。この後、牌交換カウンタの値を“1”減算し(ST40)、牌交換可能回数を表示する(ST41)。すなわち、ST40に応じてツモ残り回数表示装置8の表示部8aに“1”減算したツモ残り回数を表示する。この後、ST42に移る。
ST42では、牌入球検知スイッチ10Sが“ON”になったか否か、すなわち、27個の牌入球口10のいずれかに遊技球が入ったか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST43に移り、“NO”のときは、このまま待機する。ST43では、遊技球が入った牌入球口10に対応する牌をツモ牌として手牌の右端に表示する。この後、ST32に移る。
次に、図16を参照して、図15のST34の表示切換処理について説明する。
最初に、メインMPU30aは、役不成立カウンタの値は“5”以上であるか否かを判別する(ST51)。この判別が“YES”のときは、ST52に移り、“NO”のときは、ST53に移る。ST52では、図7に示す「態様B」に表示を切換える。具体的には、牌種別表示領域17に表示される牌の配列を図7に示す牌種別表示領域17の牌の配列に変更する。この後、ST35に移る。ST53では、図6に示す「態様A」に表示を切換える。具体的には、牌種別表示領域17に表示される牌の配列を図6に示す牌種別表示領域17の牌の配列に変更する。この後、ST35に移る。
次に、図17を参照して、図12のST4の役判定処理について説明する。
最初に、メインMPU30aは、あがり役が成立したか否かを判別する(ST61)。この判別が“YES”のときは、ST62に移り、“NO”のときは、ST64に移る。ST62では、役不成立カウンタをリセットする。この後、ST63では、成立したあがり役に応じた数のコインを遊技者に払い出し、図12のST1に移る。ST64では、役不成立カウンタの値に“1”加算し、図12のST1に移る。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、遊技の状況は、遊技が開始されたとき、あがり役の不成立ゲームが所定回数連続していない場合に遊技者がリーチボタンを操作したときの牌の組合せ、及びあがり役の不成立ゲームが所定回数連続している場合に遊技者がリーチボタンを操作したときの牌の組合せが採用しているが、これらに限られず、所定回数牌交換を行ったときの牌の組合せ、所定時間経過後の牌の組合せを採用してもよい。
また、実施例では、あがり役の不成立ゲームが所定回数連続している場合に遊技者がリーチボタンを操作したときの牌の組合せに応じて前述の牌入球口に対応する牌が遊技者にとって有利になるように変更されるが、これに限られず、あがり役の成立ゲーム(あがり役が成立して終了したゲーム)が所定回数連続している場合に遊技者がリーチボタンを操作したときの牌の組合せに応じて前述の牌入球口に対応する牌が遊技者にとって不利になるように変更されるようにしてもよい。この場合、遊技者にとって不利になるようにとは、例えば、リーチ状態において次の牌交換であがり役の成立となる牌が2つ以上あるとき、一の牌だけ入球口に対応させるようにする。また、リーチ状態において次の牌交換であがり役の成立となる牌を障害釘等の配置により入賞させることが難しい入球口に対応させるようにしてもよい。
図18は、以上の雀球遊技機と同じ遊技仕様のゲームプログラムPの構造を示す。このゲームプログラムPは、ROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に担持され、あるいは、インターネット、衛星通信等のネットワーク環境下で配信されるものである。このゲームプログラムPは、遊技盤と、遊技盤の盤面上に設けられた複数の入球口とを所定の表示装置に表示させるステップと、盤面上に遊技球を発射するためのステップとをコンピュータに実現させる雀球遊技機用のゲームプログラムであって、発射された遊技球が入った入球口に対応する牌を手牌として所定の表示装置の手牌表示領域に表示するステップS1と、手牌として表示する牌を所定の表示装置の牌種別表示領域に表示するステップS2、手牌の交換を所定回数だけ許可するステップS3、遊技の状況に応じて入球口に対応する牌を変更するステップS4、牌変更手段での牌の変更に応じて牌種別表示領域に表示される牌を変更するステップS5とをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムである。
そして、テレビゲームコントローラやパソコンなどのコンピュータTCに前記各ステップS1,S2,S3,S4,S5を実行させることにより、コンピュータTCの画像モニタM上に遊技盤、手牌表示領域18及び牌種別表示領域を含む全体の画像を映し出すとともに、捨牌ボタン5、あがりボタン6、リーチボタン7などの各種ボタンや、発射ハンドル24に代わるキーボード上の特定キーや専用操作ボタンからなる操作スイッチJを遊技者が操作しながら擬似遊技を楽しめるようにしている。
1…遊技機、2…前面扉、3…透明遊技盤、3a…盤面部、3b…液晶保護部、4…液晶表示装置、5…捨牌ボタン、5S…捨牌スイッチ、6…あがりボタン、6S…あがりスイッチ、7…リーチボタン、7S…リーチスイッチ、8…ツモ残り回数表示装置、8a…表示部、9…コイン投入口、9S…コイン検出スイッチ、10牌入球口、10a…孔、10S…牌入球検知スイッチ、11…障害釘、12…レール、13…左風車、14…右風車、17…牌種別表示領域、18…手牌表示領域、19…セル画表示領域、20a…発射球センサ、20b…戻り球センサ、22…払出口、23…下皿、24…発射ハンドル、25…スピーカ、26…遊技球、27…球回収部、30…主制御回路、30a…メインMPU、30b…メインROM、30c…メインRAM、31…表示制御回路、31a…サブMPU、31b…プログラムROM、31c…ワークRAM、31d…VDP、31e…画像ROM、31f…CTC、31g…D/A変換器、31h…リセットIC、34…中継回路、42…発射装置、43…コイン払出装置、J…操作スイッチ、M…画像モニタ、P…ゲームプログラム、TC…コンピュータ。