以下、本発明に係る雀球遊技機の実施形態として、遊戯場等に設置される雀球遊技機について図1ないし図9を参照して説明する。本雀球遊技機においては、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を使用して遊技を行う雀球遊技機を例にして説明する。この27種の牌の図柄は、例えば、萬子が「一萬」〜「九萬」の9種、筒子が「一筒」〜「九筒」の9種、索子が「一索」と「九索」の2種、字牌が「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種である。従って、萬子と筒子が数牌となり、索子の「一索」と「九索」は、順子を形成することができないので字牌に含めている。これにより、本実施形態における牌種とは、上記の「萬子」、「筒子」、「字牌」の3種を示すことになる。
なお、上記した2種の数牌は、例えば、萬子を「一萬」〜「九萬」の9種類の図柄、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄から構成し、字牌は筒子の「一筒」と「九筒」、及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される麻雀牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。また例えば、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄、筒子を「一筒」〜「九筒」の9種類の図柄から構成し、字牌は筒子の「一萬」と「九萬」、及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される麻雀牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。
図1は、本発明に係る雀球遊技機1の主に遊技盤の構成を示す正面図である。同図に示すように、本雀球遊技機1の前面部は、基本的には遊技盤面部(遊技盤面)2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、音声や効果音(以下、音声という)を出力する音声出力装置であるスピーカー6、ランプ装置7等から構成されている。
ガイドレール8に囲まれた遊技盤面部2の中央にはアタッカー9が、アタッカー9の上方部には遊技球が通過可能なアタッカー作動通過口10が、アタッカー9の左右及び下方には、複数個の入球口11a、11b、11c、…が夫々設けられている。これら複数個の入球口11a、11b、…等は、二索から八索までの索子牌を除いた牌の図柄27種(図柄は図示せず)に対応しており、27個が設けられている。例えば、アタッカー9の左右には「一索」の入球口11aと「九索」の入球口11b、アタッカー9の下方部には、横方向に「一萬」の入球口11c、「二萬」の入球口11d、「三萬」の入球口11e、・・・が設けられている(図2参照)。更に、遊技盤面2には、ランプ付き振り分け装置12、風車13、等が設けられている。なお、ランプ装置7、ランプ付き振り分け装置12に用いる発光体は、通常の電球或いはLEDを使用することができる。
操作パネル3には、図3に示すように、液晶表示装置等から構成される表示装置14、メダル投入口15、及び各種の操作ボタンが設けられている。この各種の操作ボタンは、13個のボタンが横方向に並設された捨て牌ボタン16a、16b、…、16m、自摸牌捨てボタン17、リーチボタン18、牌選択右シフトボタン19、牌選択左シフトボタン20、自摸牌決定ボタン21、払い出しボタン22、遊技終了ボタン23、遊技開始ボタン24、遊技選択ボタン37、REJECTボタン25から構成されている。なお、遊技者がこれらの各ボタンを操作する(押下してスイッチをオンする)と、例えば、自摸牌決定ボタン21を操作すると自摸牌決定信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータから構成される制御基板に入力される。そして、制御基板に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、入力された信号ごとに、ゲームを進行させるために予め設定された処理を実行するようになっている。
上記遊技選択ボタン37は、1ゲームの開始に際して(つまり遊技開始ボタン24の操作に先立って)操作された際、第2のゲームモードにてゲーム展開させる旨の指令を遊技モード切り替えプログラム(遊技モード切り替え手段)P12に送るための遊技選択部材を構成している。なお、上記第2のゲームモードは、麻雀ルールより簡素な特別ルールに従った特別役を用いずに、麻雀ルールに従った一般役を上がり役として用いるゲームモードを意味するものであり、これに対し、一般役及び特別役の双方を上がり役として用いる第1のゲームモードが用意されている。
表示装置14には、その表示面に種々の表示部が設定され、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報や画像及び演出用画像をこの表示部に表示するようにしている。例えば、図4に示すように、表示面の上部横方向には、メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、風牌表示部28、表ドラ表示部29、裏ドラ表示部30、上がり牌表示部31、特別遊技のうち、ビッグゲームの権利を得ることができる特別役を示すビッグゲーム役表示部32、更に、チャンスゲームの権利を得ることができる特別役を示すチャンスゲーム役表示部33、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部34が設けられ、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等が表示される。
更に、表示装置14の表示面の下部横方向には、13個の手牌の図柄を表示する手牌表示部35、及び自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36が設けられている。なお、手牌表示部35及び自摸牌表示部36に表示している各図柄の下部には、捨て牌ボタン16a、16b、…、に対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・)が表示されている。また、表示される麻雀牌の図柄はカラーで表示される。
雀球遊技機1の内部の所定位置には、本実施形態の雀球遊技機1の作動を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図5に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcから構成されている。メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcは、それぞれCPU40、ROM41、RAM42、各種センサや捨て牌ボタン16a等の各種操作ボタン等との信号の入出力を行うための入出力インターフェイス回路43、及び制御基板Ka、Kb、Kcとの通信を行うための通信用インターフェイス回路44等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。なお、メイン制御基板Kaの入出力インターフェイス回路43における「入出力」とは、各種操作ボタン等からの信号を「入力」し、当該入力信号に基づいた信号(コマンド等)を「出力」するという、一方向の信号の流れを意味する。
そして、雀球遊技機1の作動を制御、或いは表示装置14の表示部に情報や画像を表示するための各種のソフトウエア(プログラム)は、各制御基板Ka、Kb、Kcに搭載されたROM41に記憶されている。また、各RAM42は、これらプログラムが作動するときに各種のデータの読み込みやデータの作成、計算等を行うための記憶エリア、計算エリアとして使用される。また、メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcとは、ケーブル線T1、T2により接続されてデータ通信ができるようになっている。なお、CPU40としては、各メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcの処理機能に対応して8ビット、16ビット或いは32ビットのCPUや、これらを超えるビット数のCPU等のうち何れかを採用することができる。
なお、サブ制御基板Kbに搭載されているROM41の所定の記憶番地には、表示装置14に表示するための各種の画像データ、スピーカー6から出力するための各種の音声データが記憶されている。この画像データとしては、27種の牌の図柄データ、雀球遊技機1の電源をONした時に初期画面として表示する画像データ、遊技者が上がり役を完成させたとき等に表示する各種の演出用画像データがある。また、各種の音声データとしては、遊技の進行に伴って遊技者に対してゲームの進行を支援するための音声、或いは演出用の効果音を出力するためのデジタルデータがある。
メイン制御基板Kaに搭載されているROM41には、雀球遊技機1の遊技の進行を制御するための各種のプログラムが記憶されている。メイン制御基板KaのROM41に搭載されているプログラムは、図6に示すように、メイン基板動作制御プログラムP1、通信制御プログラムP2、メダル管理プログラムP3、遊技球管理プログラムP4、自動配牌プログラムP5、表ドラ及び裏ドラを決定するためのドラ抽選プログラムP7、入賞判定プログラムP8、自摸牌選択支援プログラムP9、特別役抽選プログラムP10、報知抽選プログラムP11、及び遊技モード切り替えプログラムP12等から構成される。
メイン基板動作制御プログラムP1は、雀球遊技機1の全体の動作を統括するプログラムであり、主に下記のような処理を行う。
(1)遊技機1の電源がONされたときの初期化の処理、例えば、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。この制御コマンドに基づいて、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcは電源ON時の初期化処理を行う。これにより、画像制御基板Kcは、電源ON時の演出用画像や音声等を出力することができる。
(2)各種の入出力センサから入力される信号を解析し、その信号に対応した処理を行うように雀球遊技機1の動作を制御する。例えば、遊技者が遊技球を発射したときに入球した入球口からの入球信号を解析し、この入球口に対応する牌の図柄を自摸牌として手牌データに追加(自摸の操作)する処理、或いは遊技者が捨て牌ボタン16a等を操作して手牌から不要な牌を切る操作(捨て牌操作)を行ったときに、どの捨て牌ボタンからの信号であるかを解析し、この捨て牌ボタンに対応する牌の図柄を手牌データから削除する処理、等を行う。
(3)自動配牌プログラムP5が作動して遊技開始時の14個の手牌が決定されたときに、この手牌の図柄データをRAM42に手牌データとして手牌記憶領域に記憶する処理、この手牌データをサブ制御基板Kbに送信するための処理、及び上記(1)、(2)の処理において遊技者が捨て牌操作、自摸の操作を行う都度、現在の手牌データ、捨て牌、自摸牌に関する牌の図柄データ(以下、図柄コードという)をサブ制御基板Kbに送信するための処理、等を行う。
通信制御プログラムP2は、サブ制御基板Kbとの通信を行うためのプログラムであり、送信するデータは如何なる処理を行うかを予め設定した制御コマンドと共に、この制御コマンドに必要なデータが送信される。また、画像制御基板Kcにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。
メダル管理プログラムP3は、ゲームの進行に伴ってメダルの貯留枚数の管理と払い出しの処理を行うためのプログラムである。メイン基板動作制御プログラムP1はメダル投入口15からメダルの投入信号等を検出すると、メダル管理プログラムP3に下記の処理を行わせる。
(A)メダル投入口15からメダルの投入信号を検出すると、RAM42に記憶しているメダル貯留枚数を「1」加算する。
(B)遊技開始ボタン24からの信号を検出すると、上記メダル貯留枚数を「3」減算する。
(C)上がり時に、遊技終了ボタン23からの信号を検出すると、その上がり役で獲得したメダル枚数をRAM42に記憶しているメダル貯留枚数に加算する。
(D)払い出しボタン22の信号を検出したとき、貯留枚数分のメダルをメダル受け皿5に払い出すように制御信号を出し、メダルがメダル受け皿5に1枚払い出されるごとにメダル貯留枚数を「1」減算する処理を行う。
遊技球管理プログラムP4は、メイン基板動作制御プログラムP1の制御に基づいて、次の処理を行うプログラムである。
(a)ゲーム開始時に、RAM42に記憶する残り遊技球数を14個に設定する。
(b)捨て牌ボタン16a等から捨て牌の操作信号を検出すると、遊技球発射位置(図1には図示せず)に遊技球を1球送る制御を行う。
(c)遊技球発射レバー4から発射された遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球し、その入球信号が検出されると、残り遊技球数を「1」減算し、入球した入球口に対応する牌の図柄コードを作成する。
自動配牌プログラムP5は、1ゲームの開始時に、14個の配牌の図柄をランダムに自動的に決定するためのプログラムである。この自動配牌プログラムP4は、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する108個の麻雀牌から14個の配牌の図柄を決定する処理を行う。
自動配牌プログラムP5は、例えば、次のような処理を行うことにより、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定することができる。
(ア)本雀球遊技機1において使用される牌の図柄は、二索から八索までの索子牌を除く27種の牌、計108個である。これら使用される牌には、表1に示すように、27種の牌の図柄に、01H〜1BHの図柄コード(16進数)を付与し、更に、各27種から構成される計108個の図柄に0〜107までの数値を4個割り付けたデータテーブルを予めROM40に登録しておく。
(イ)自動配牌プログラムP5には、例えば、5桁の乱数を発生させる乱数発生プログラムを備えておく。そして、自動配牌プログラムP5は、乱数発生プログラムで発生させた5桁の乱数を108で除算し、その余りを算出する。続いて、表1を参照してこの余りの値に対応する牌の図柄コードを01H〜1BHから求め、この図柄コードが配牌される図柄として決定する。
(ウ)上記(イ)の処理を計14回実施して、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定する。
なお、上記5桁の乱数を発生させるプログラムには、毎回異なる乱数が発生するようにランダマイズ処理を行うプログラムを付加しておく必要がある。このような処理により決定した14個の配牌の図柄コードはRAM42の手牌記憶領域に記憶しておく。手牌記憶領域に記憶した14個の配牌データは図柄コードの上昇順にソートして記憶する。また、表1に示す図柄コードには、一萬〜九萬や一筒〜九筒等の図柄と共に、これらに夫々対応する数字(図2参照)が付与されている。
ドラ抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、同様にして抽選により表ドラ及び裏ドラを決定するためのプログラムである。
入賞判定プログラムP8は、前記した自動配牌プログラムP5により14個の手牌が決定したとき、及び遊技者が自摸の操作を行ったときに、手牌が予め設定された上がり役の組合せになっているかどうか、並びに、手牌が抽選決定された特別役上がり役の組合せになっているかどうかを判定するためのプログラムである。この上がり役としては、表2に示すような構成のデータテーブル、すなわち、上がり役のコード(表2には上がり役のコードは表示せず)とその上がり役に対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)が、予め入賞判定プログラムP8又はROM41に記憶されている。そして、現在の14個の手牌について、入賞判定プログラムP8が上がり役を完成していると判定した場合には、メイン制御基板Kaは、上がり役完成の制御コマンドとその上がり役のコード、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する処理を行う。
また特別役としては、表1に示した図柄コードにおける一萬〜九萬や一筒〜九筒等の図柄に夫々対応する数字(図2参照)の各組み合わせに対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)が、予め入賞判定プログラムP8又はROM41に記憶されている。そして、現在の14個の手牌中に特別役が含まれていると入賞判定プログラムP8が判定した際には、特別役役完成の制御コマンドとその特別役のコード、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する処理を行う。
自摸牌選択支援プログラムP9は、特別遊技の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー9に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、表示装置14の画面と対話方式により自摸する牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
特別役抽選手段としての特別役抽選プログラムP10は、遊技開始ボタン24の操作に基づくメイン基板動作制御プログラムP1の制御により作動して、麻雀ルールより簡素な特別ルールに従って予め設定された複数種の特別役のうちから1つを、1ゲームが開始される時点で(つまり、或る条件(第1の条件)の成立を契機として)抽選して決定し、その旨の特別役制御信号を出力する。当該特別役の抽選は、特別役抽選プログラムP10により、入球口11c、11d、11e、…に付された記号としての数字を所定数(本実施形態では3個)ずつ組み合わせて特別役とした格納データを用いて実行される。
即ち、特別役抽選プログラムP10は、遊技開始ボタン24の押圧操作による1ゲームの開始時に、特別役を、ビッグゲーム役表示部32に表示されるべきビッグゲーム役として、またチャンスゲーム役表示部33に表示されるべきチャンスゲーム役として夫々に抽選決定し、上述の特別役制御信号として制御コマンドと共に送信する。このように、特別役の種別に係る特別役制御信号が制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信されると、これに応じて、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21が、当該特別役制御信号を画像制御基板Kcの特別役図柄表示プログラムP323に送信する。そして、特別役図柄表示プログラムP323は、後述する報知抽選プログラムP11からの報知制御信号を受信したとき、この時点で既に受信している特別役制御信号に含まれた特別役の種別を、後述のように、ビッグゲーム役表示部32及びチャンスゲーム役表示部33に夫々表示する。
上記特別役は、ビックゲームの権利やチャンスゲームの権利を獲得できる上がり役として、図4のビッグゲーム役表示部32、チャンスゲーム役表示部33に夫々示される「1-4-5」や「9-12-24」、或いはこれら以外にも、例えば「3-13-22」「10-15-25」「7-17-23」等のように、異なる数字をランダムに組み合わせた形の複数種の特別役として予め定められて、メイン制御基板KaのROM41に格納データとして予め記憶されている。なお、当該特別役を抽選により決定する方法は、プログラム処理により所定桁数の乱数を発生させてメイン制御基板KaのRAM42に記憶し、この乱数を利用して決定することができる。
上述のようにビックゲームの権利を獲得した場合、現在進行しているゲーム(当該ゲーム)を含め次回以降のゲームにおいて、アタッカー9を所定のゲーム回数、例えば14ゲーム数ほど作動させることができるという得点が得られる。また、チャンスゲームの権利を獲得した場合、次回のゲームのみ、ビッグゲームの権利が成立した状態と同じ遊技を行うことができるという利点が得られる。
各特別役を形成している数字は、図2に示すように、遊技盤面2の左右方向に延在する入球口11c、11d、11e、…夫々のフレームFrの下部に、横一列になるように昇順に順次付されている。更に、入球口11c、11d、11e、…の各フレームFrにおける数字の上部には、「一萬」〜「九萬」「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」「一筒」〜「九筒」が順に付されている。なお、本実施形態において入球口11c、11d、11e…の個数を25個として説明しているが、図2では便宜上、25個よりも少なく図示している。
そして、アタッカー作動通過口10の左右に位置する入球口11a、11bには、「一索」、「九索」が夫々表示されている。これら入球口11a、11bは、「一索」と「九索」の麻雀牌図柄を得るための入球口として、また特別役抽選プログラムP10にて決定された特別役を報知するか否かを決める報知抽選プログラムP11の抽選の契機を得るための入球口として機能するように、上部に近接する2本の障害釘(図示せず)を比較的締めた(狭くした)形で配置されており、特別役を形成するべく入球口11c、11d、11e、…に表示されるような数字は付されていない。
なお、本実施形態では、本発明における「記号」を、入球口11c、11d、11e、…に付した「数字」として述べるが、「数字」以外にも、連続して付されたアルファベット、平仮名や片仮名等の「文字」や、その他の☆、○、◎、◇、□、△、▽のような「マーク」等とすることもできる。これらを採用する場合、図4のビッグゲーム役表示部32やチャンスゲーム役表示部33には、例えば「A-F-K」、「い-ほ-ぬ」、「ニ-ヘ-ル」、「☆-◇-▽」のように表示されることとなる。また、特別役に「数字」を採用する場合、上述したような図2左方から右方に向かって順次に数が大きくなる昇順の配置に限定されることはなく、左方から右方に向かって順次に数が小さくなる降順の配置でも良いことは勿論である。
報知抽選プログラムP11は、1ゲームの開始時やゲーム進行中の或る時点で(つまり、或る条件(第2の条件)の成立を契機として)、特別役抽選プログラムP10による抽選で決定された特別役の種別を報知するか否かを抽選により決定し、その旨の報知制御信号を出力するプログラムである。より詳細には、報知抽選プログラムP11が当該報知制御信号を、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信し、これに応答して、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21が、特別役の種別データを、当該サブ制御基板KbのRAM42に記憶すると共に、画像制御基板Kcの特別役図柄表示プログラムP323に送信する。
ここで、報知抽選プログラムP11による抽選開始の上記契機は、本実施形態において、遊技開始ボタン24が押圧操作された1ゲームの開始と、該ゲーム開始時に報知する旨の決定がなされない場合における入球口11a又は11bへの入球と、上記ゲーム開始時に報知する旨の決定がなされない場合における入球口11c,11d,11e…への所定数(例えば6個)目の入球、として設定することができる。
遊技モード切り替え手段としての遊技モード切り替えプログラムP12は、一般役及び特別役の双方を上がり役として用いる第1のゲームモードと、特別役を用いずに一般役を上がり役として用いる第2のゲームモードの何れか一方に切り替えるように制御する。即ち、遊技モード切り替えプログラムP12は、遊技開始ボタン24の操作に先立って遊技選択ボタン37が操作されて、第2のゲームモードにてゲーム展開させる旨の指令が送られた際に、今回のゲーム(当該ゲーム)におけるモードを第2のゲームモードに切り替えるように制御し、また、当該第2のゲームモードによるゲームの終了後、遊技選択ボタン37が操作されないまま遊技開始ボタン24が操作されて次回のゲームが開始される際に、第2のゲームモードをキャンセルして第1のゲームモードに切り替えるように制御する。
サブ制御基板KbのROM41に搭載されているプログラムは、図7に示すように、サブ基板動作制御プログラムP21、通信制御プログラムP22、ランプ制御プログラムP23、上がり牌判定プログラムP24、等から構成されている。更に、この上がり牌判定プログラムP24は、聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を備えて構成される。
サブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから伝送された各種の制御コマンドを解読し、各制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
通信制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaからのデータの受信と画像制御基板Kcとの通信処理を行うプログラムである。画像制御基板Kcは、サブ制御基板Kbから送信されたこれら各種の制御コマンドとその制御データ等を受信すると、プログラム処理により表示装置14に演出用の画像や情報を表示し、更に、スピーカー6から演出用の音声や効果音を出力する。
ランプ制御プログラムP23は、メイン制御基板Kaから伝送された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ7、12の点灯と消灯の制御を行うためのプログラムである。
上がり牌判定プログラムP24は、遊技者が捨て牌の操作を行った後に、メイン制御基板Kaから送信された現在の13個の手牌に基づいて、予め設定された上がり役を完成させるために遊技者が行う所要の操作を支援(例えば、自摸すべき牌をアシスト)するためのプログラムである。この上がり牌判定プログラムP24は、遊技者が現在の13個の手牌に自摸の操作を行って1個の牌を追加した場合に、上がり役を完成させることができる牌(上がり牌)の有無を判定すると共に、予め自摸すべき牌を支援する処理(図4の上がり牌表示部31への表示処理)を、後述の画面表示プログラムP32を介して行うためのプログラムである。そして、上がり牌判定プログラムP24は、上がり役を完成させるため自摸すべき牌が抽出された場合には、この牌の図柄を画像制御基板Kcに表示させる制御を行う。
メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者が遊技球を発射して自摸の操作を行って手牌が14個になると、入賞判定プログラムP8を作動させて上がり役を完成させたか否かの判定を行う。そして、上がり役を完成していない場合には、遊技者が14個の手牌の中から不要な1個の牌を捨てる「捨て牌の操作」を行う都度、手牌記憶領域に記憶している13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。このとき、13個の図柄コードは上昇順にソートされてサブ制御基板Kbに送信される。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この13個の手牌の図柄コードを受信すると、受信したデータをRAM42に記憶した後、制御を上がり牌判定プログラムP24に移行させる。すると、上がり牌判定プログラムP24は、順次、聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を作動させる。
なお、上がり牌判定抽出プログラムP243が、所定の処理で判定して抽出し、RAM42に記憶した上がり牌の図柄コードの全てを画像制御基板Kcに制御コマンドと共に送信して、画像制御基板Kcに対してこの上がり牌の図柄コードに対応する図柄を表示させるための制御を行った際、サブ制御基板Kb(の上がり牌判定プログラムP24)は、上がり牌の図柄コードを受信した時点で、画面表示プログラムP32のゲーム演出表示プログラムP3212を介して、受信した上がり牌の図柄コードの図柄を上がり牌の候補として上がり牌表示部31に表示する。このとき、スピーカー6から音声を出力させるようにしてもよい。麻雀遊技に初心の遊技者は、上がり牌表示部31の表示を見て、上がり役を完成することができる牌に対応する入球口を狙って遊技球を発射させることができるようになる。
ついで、図8を参照して、画像制御基板KcのROM41に搭載されているプログラムについて説明する。このプログラムは、画像基板動作制御プログラムP31、画像表示プログラムP32、及び音声・効果音出力プログラムP41、等から構成されている。以下、これらプログラムの処理内容の概要について説明する。
画像基板動作制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された各種の制御コマンドを解読し、これら制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
画面表示プログラムP32、音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、各種の演出用の画像を表示装置14に表示する処理と、各種の演出用の音声や効果音をスピーカー6から出力する処理とを行う。
画面表示プログラムP32は、サブ制御基板Kbから送信されてきた制御コマンドとその制御データに基づいて、表示装置14に画像や数値情報等を表示する処理を行うプログラムであり、通常遊技画面表示プログラムP321と、特別役図柄表示プログラムP323と、特別遊技画面表示プログラムP322とを備えて構成される。
通常遊技画面表示プログラムP321は、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技遊技を行っているときに、表示装置14に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行うプログラムであり、サブプログラムとして初期演出表示プログラムP3211、ゲーム演出表示プログラムP3212を備えている。
初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。
ゲーム演出表示プログラムP3212は、図4に示すような内容の画面を表示装置14に表示する等のプログラムを備えて構成されている。例えば、遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、通常遊技のゲームの場合は遊技球の発射による自摸牌の操作等を行うごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、現在の手牌の図柄、捨て牌の図柄、及びサブ制御基板Kbから送信されてきた上がり牌と判定された牌の図柄を表示する処理、上がり役を完成したときその上がり役を獲得した得点数を表示する処理、等各種の表示手段を備えたプログラムから構成されている。
特別役図柄表示手段としての特別役図柄表示プログラムP323は、特別役抽選プログラムP10での抽選で決定された特別役制御信号と、報知抽選プログラムP11での抽選決定による報知制御信号とを、サブ制御基板Kbを介して夫々に受信する。そして、特別役図柄表示プログラムP323は、上記報知制御信号を受信したとき、この時点で既に受信している上記特別役制御信号に含まれた特別役の種別を、ビッグゲーム役表示部32及びチャンスゲーム役表示部33に夫々表示するように制御する(図4参照)。
特別遊技画面表示プログラムP322は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行うプログラムである。この特別遊技画面表示プログラムP322は、更に、遊技者が特別遊技の権利を獲得することができる上がり役を完成した時点に演出表示する権利獲得演出表示プログラムP3221、自摸牌候補選択支援プログラムP3222を備えている。
権利獲得演出表示プログラムP3221は、表示装置14の上がり牌表示部31に上がり役の説明表示とビッグゲームやチャンスゲームの権利成立の表示とを所定の時間間隔で交互に表示し、遊技者にビッグゲームの権利が成立したことを知らせる処理を行う。また、自摸牌候補選択支援プログラムP3222は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに作動されるプログラムであり、表示装置14に表示された自摸牌の候補の図柄を牌選択右シフトボタン19、或いは牌選択左シフトボタン20を操作してスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声、及び効果音をスピーカー6から出力するためのプログラムである。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kcの動作を制御するプログラムは、アセンブラ言語、C言語或いはVisual Basic言語等を利用して開発され、各基板のCPU40が実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムとして各制御基板Ka、Kb、KcのROM41に記憶されている。
続いて、上記した雀球遊技機1の遊技手順とこの手順に伴う各プログラムの処理の概要について、図9のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。当該フローチャートは、特別役の抽選及び表示等に関する処理のみを抜粋して示すものである。
1遊技(ゲーム)は、遊技者がメダル投入口15へメダルを投入して、遊技開始ボタン24を押圧操作して、自動配牌プログラムP5が14個の手牌を配牌することによりスタートする。そして、遊技者が捨て牌ボタン16a、16b、…、等の各種の操作ボタンやセンサから発生する入力信号及び制御信号に基づいて作動する各プログラムの制御に従って、1遊技(1ゲーム)は進行して行くことになる。
なお、遊技開始ボタン24の操作に先立って遊技選択ボタン37が操作されると、この際に発せられる指令に応答する遊技モード切り替えプログラムP12により、今回のゲームにおけるモードを第2のゲームモードに切り替えるように制御する。また、遊技モード切り替えプログラムP12は、前回のゲームモードが第2のゲームモードであった場合に、遊技選択ボタン37が操作されないままで遊技開始ボタン24が操作されたとき、第2のゲームモードをキャンセルして第1のゲームモードに切り替えるように制御する。そして、前回のゲームモードが第1のゲームモードであった場合に、遊技選択ボタン37が操作されないまま遊技開始ボタン24が操作されると、上記切り替えプログラムP12が、第1のゲームモードを次回のゲームにおいても継続させるように制御することは言うまでもない。
まず、雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、メイン制御基板KaのRAM42の記憶領域を初期化する。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを画像制御基板Kcに伝送する。サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcはこの初期化制御コマンドを受信すると、RAM42の記憶領域を初期化すると共に、画像制御基板Kcに搭載されている初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。
なお、サブ制御基板Kbがこの電源ON時の初期化制御コマンドを受信すると、サブ基板動作制御プログラムP21は、前記したようにサブ制御基板KbのROM41に記憶している各種の画像データ、音声・効果音データを画像制御基板Kcに伝送し、画像制御基板Kcの画像基板動作制御プログラムP31は、受信したこれら画像、音声・効果音データをRAM42に記憶する処理を行う。
そして、遊技者がメダル投入口15にメダルを投入し、メイン基板動作制御プログラムP1がそのメダル投入信号を検出すると、メダル管理プログラムP3はメダル貯留枚数を「1」加算する処理を行う。
続いて、遊技者が、遊技選択ボタン37を操作せずに遊技開始ボタン24を押圧操作すると、メイン基板動作制御プログラムP1がこの遊技開始ボタン24からゲーム開始信号を検出し、これにより、第1のゲームモードによる1ゲームの開始が可能な状態となる。すると、メイン基板動作制御プログラムP1は、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置14に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP41により音声をスピーカー6から出力する。このようにして、雀球遊技機1の1ゲームが開始される。
引き続き、メイン基板動作制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄をプログラム処理により自動的に決める。自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42の手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、すなわち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて(ソート)手牌記憶領域に記憶する。
続いて、自動配牌プログラムP5は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この配牌された図柄コードを受信するとRAM42に記憶すると共に、画像制御基板Kcにこれら14個の配牌された図柄コードを送信する。
サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから送信された14個の配牌の図柄コードについて、現時点の遊技の場において開示されている牌の開示個数を開示個数テーブルにカウントする処理を行う。また、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図4に示すような牌の図柄の画像を表示装置14の手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示する処理を行う。なお、14個の自動配牌が決定されていない間は、手牌表示部35、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36には、初期画面として牌の裏面又は無表示の図柄を表示する処理を行う。
更に、図9のステップS1において、遊技開始ボタン24の操作に基づくメイン基板動作制御プログラムP1の制御により、特別役抽選プログラムP10が作動して、特別役を、ビッグゲーム役として、またチャンスゲーム役として夫々に抽選決定し、特別役制御信号として制御コマンドと共に送信する。すると、これに応じて、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21が当該特別役制御信号を特別役図柄表示プログラムP323に送信する。
これと並行して、報知抽選プログラムP11が、遊技開始ボタン24の操作(に基づくメイン基板動作制御プログラムP1の制御)を契機として、特別役抽選プログラムP10の抽選で決定された上記特別役を報知(つまり、ビッグゲーム役表示部32とチャンスゲーム役表示部33に表示)するか否かを抽選する(ステップS2)。その結果、報知する旨が決まらなければステップS2の処理を繰り返す。一方、報知する旨が決まった場合、ステップS3に進み、特別役図柄表示プログラムP323が、報知抽選プログラムP11からの報知制御信号を受信した時点で、既に受信している特別役制御信号に含まれた特別役の種別を、ビッグゲーム役表示部32及びチャンスゲーム役表示部33にビッグゲーム役及びチャンスゲーム役として夫々に表示する。
また、メイン基板動作制御プログラムP1の制御によりドラ抽選プログラムP7が作動して、表ドラ、裏ドラの決定を行う。この際、表ドラ、裏ドラの図柄の各データは、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信される。そして、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212が、表ドラ及び裏ドラの図柄コードを受信すると、表ドラを表ドラ表示部29等に表示する処理を行う。
そして、メイン基板動作制御プログラムP1は、自動配牌された14個の牌の図柄、表ドラ等を表示装置14に表示させる制御が完了すると、表示装置14に遊技の開始条件が整ったことを遊技者に画面表示又は音声で知らせる処理を行う。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP8を作動させて、自動配牌された14個の手牌が既に上がり役を完成しているか否かを判定させる処理を行う。この判定処理で上がり役を完成している場合には、入賞判定プログラムP8は、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)を前記表2のデータを参照して決定する。
引き続き、入賞判定プログラムP8は、これら上がり役、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcは、これら上がり役と獲得した得点等を受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に上がり役、獲得した得点、その他の演出画像を表示装置14に所定の時間ほど表示する処理を行う。
一方、自動配牌された14個の牌の図柄が上がり役を完成していない場合には、メイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者に手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すための画面表示を行う制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcはこの制御コマンドを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すためのメッセージを表示装置14に表示する処理を行う。このとき、音声・効果音出力プログラムP41を作動させて、音声と共に促す処理を行うようにしてもよい。
続いて、遊技者は、手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示されている牌の図柄から、捨て牌を選択する操作を行うことになる。そして、遊技者は捨てる牌の図柄を決定すると、この捨て牌の図柄に対応する捨て牌ボタン16a、16b、16c、…、或いは自摸牌捨てボタン17のいずれか1つを選択(オン)してこの牌を捨てる。この捨て牌選択信号に基づいて、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌操作を行って捨て牌とした牌の図柄コードをRAM42に記憶し、更に、RAM42の手牌記憶領域に記憶している手牌の中から捨て牌とした図柄コードを削除して、手牌を13個にする処理を行う。
この時点で、報知抽選プログラムP11による報知決定がなされて、ビッグゲーム役表示部32及びチャンスゲーム役表示部33に、例えば図4に示すように、ビッグゲーム役として「1-4-5」が、またチャンスゲーム役として「9-12-24」が夫々表示されている場合、遊技者は、手牌表示部35に表示された手牌(図4参照)と、遊技盤面部2における入球口11c、11d、11e、…の各下部に付された数字(図2参照)とを見比べ、ビッグゲーム役の「1-4-5」若しくはチャンスゲーム役の「9-12-24」と揃えるために現在足りない数字を考慮しつつ、捨て牌操作を行う。
メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌操作された図柄コードと、13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共に、サブ制御基板Kbとサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、捨て牌とした図柄コードを受信するとその図柄コードに対応する牌の図柄を捨て牌表示部34に表示し、13個の手牌の図柄コードを受信するとこれらの図柄コードに対応する牌の図柄を手牌表示部35に表示する処理を行う。このとき、自摸牌表示部36には、図4に示すように、牌の裏面等を表示するようにする。
一方、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、上記13個の手牌の図柄コードを受信すると、上がり牌判定プログラムP24を構成する聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を作動させて、前記したように、現在の13個の手牌に対して、上がり役を完成させるために次に自摸すべき牌の有無を判定し、上がり役を完成させる牌が抽出された場合には、この牌の図柄を表示装置14に表示させる処理を行う。
続いて、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、上記した遊技者の捨て牌の操作に関する処理が終了すると、遊技球管理プログラムP4を作動させて、遊技球を遊技球発射位置に一球送る処理を行う。すると、遊技者は、遊技球発射レバー4を操作して、遊技盤面2内に遊技球を発射できる状態になる。
遊技者が遊技球を発射し、この遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球すると、夫々に備えられたセンサが遊技球を検出して入球信号が発生する。遊技球管理プログラムP4はこの入球信号を解読し、入球した入球口に対応する牌(自摸牌)の図柄コードを手牌記憶領域に記憶する処理を行う。
ここで、報知抽選プログラムP11による報知決定が未だなされていない場合、上記入球口11a又は11bに入球した時点で、報知抽選プログラムP11による抽選が再度なされ、その結果、報知する旨が決定されたとき、制御コマンドと共に出力される報知制御信号に応答して、特別役図柄表示プログラムP323によりビッグゲーム役表示部32及びチャンスゲーム役表示部33にビッグゲーム役及びチャンスゲーム役が夫々表示される。この際、同時に、裏ドラ表示部30に裏ドラ表示を行うように構成することもできる。
或いは、報知抽選プログラムP11による報知決定が未だなされていない場合、上記入球口11c、11d、11e、…への入球が所定数(例えば6個)になった時点で、報知抽選プログラムP11による抽選がなされ、その結果、報知する旨が決定されたとき、制御コマンドと共に出力される報知制御信号に応答して、ビッグゲーム役及びチャンスゲーム役が夫々表示される。
また、入賞判定プログラムP8が作動し、14個となった手牌が、一般役としての上がり役、又は特別役を完成しているか否かを判定する(ステップS4)。そして、手牌がこれら上がり役又は特別役を完成している場合には、前述したように、予め設定された如何なる上がり役又は特別役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点を求め、これらのデータを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。一方、上がり役又は特別役を完成していない場合には、前述したように、遊技者は14個の手牌の中から不要と思われる1個の牌を捨てる捨て牌の操作を行うことになる。
そして、上がり役又は特別役が完成している場合、メイン基板動作制御プログラムP1の制御によるメダル管理プログラムP3が、遊技者によって操作された遊技終了ボタン23からの信号を検出すると、その上がり役又は特別役で獲得したメダル枚数をRAM42に記憶しているメダル貯留枚数に加算する(ステップS5)。また、メダル管理プログラムP3は、遊技者による払い出しボタン22の操作に基づく信号を検出した場合、貯留枚数分のメダルをメダル受け皿5に払い出すように制御信号を出し、メダルがメダル受け皿5に1個払い出されるごとにメダル貯留枚数を「1」減算する処理を行う(同S5)。なお、完成した上記特別役に対しても、設定された表ドラや裏ドラに応じたメダル枚数が加算されることとなる。
以上に説明した本実施形態の雀球遊技機1によると、ゲーム開始操作等を契機として行われた抽選で決定された特別役の種別が、ゲーム開始時やその後のゲーム展開中に抽選にて報知されることになるので、遊技者は麻雀ルールより簡素な特別ルールに従った特別役を揃えるようにゲーム進行させることもでき、従ってその場合、麻雀知識の高低の程度に拘わらず、全ての遊技者に公平な遊技を提供することができるようになる。
また、1ゲームの開始に際して遊技選択ボタン37が操作された際、一般役のみを用いる第2のゲームモードでゲーム展開させる旨の指令が遊技モード切り替えプログラムP12に送信されて、このプログラムP12が当該第2のゲームモードに切り替えるので、麻雀知識や雀球遊技技量程度の高い遊技者がゲームする場合には、遊技選択ボタン37をゲーム開始に際して操作するだけで、一般役のみを用いた一般的な雀球遊技を行うことができる。従って、麻雀知識の高い遊技者にとってもあまり高くない遊技者にとっても、技量に応じて充分に楽しめる雀球遊技機1を提供できる。
また、特別役抽選プログラムP10により抽選される特別役が、複数の入球口入球口11c、11d、11e、…に付された数字等の記号を所定数ずつ組み合わせた形に設定されるので、麻雀に関する知識の程度や雀球遊技の経験度合いがあまり高くない遊技者であっても、幾つかの記号を組み合わせたものを特別役として容易に認識しつつ比較的簡単に狙うことが可能になる。従って、麻雀知識の高低の程度に拘わらず、全ての遊技者に公平な遊技を提供できるという効果がより増大する。
更に、手牌図柄を表示する手牌表示部35と、自摸牌図柄を表示する自摸牌表示部36と、特別役を表示する特別役表示部としてのビッグゲーム上がり役表示部32及びチャンス上がり役表示部33とを表示装置(表示部)14に一体的に有するので、遊技者は遊技球の発射に応じて表示される手牌や自摸牌を視認しつつ、特別役の報知時には視線を僅かにずらすだけで特別役を容易に確認することができ、ゲーム進行を円滑にすることができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の雀球遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した雀球遊技機も、本発明の範囲に含まれる。