以下、本発明に係る雀球遊技機の実施形態として、遊戯場等に設置される雀球遊技機について図1ないし図12を参照して説明する。本雀球遊技機においては、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を使用して遊技(ゲーム)を行う雀球遊技機を例に挙げて説明する。
図1は、本発明に係る雀球遊技機1の主に遊技盤の構成を示す正面図である。同図に示すように、雀球遊技機1の前面部は、基本的には遊技盤面部(遊技盤面)2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、音声や効果音(以下、音声という)を出力する音声出力装置であるスピーカー6、ランプ装置7、等から構成されている。ガイドレール8に囲まれた遊技盤面部2の中央には、特別入賞装置(以下、アタッカーという)9、アタッカー9の上方部には遊技球が通過可能なアタッカー作動口10が夫々設けられている。アタッカー9の左右には、2個の電動開閉式チューリップ(電動開閉式特別入球ゲート)11a、11bが設けられている。これら電動開閉式チューリップ11a、11bは夫々、入球した遊技球をそのまま下方に通過させるように構成されている。また、アタッカー9の下方には27個の入球口11c、11d、11e…が設けられている。遊技盤面2には、ランプ付き振り分け装置12、風車13、等が設けられている。なお、図1における入球口11c…の個数は、便宜上27個より少ない個数として図示されている。また、ランプ装置7、ランプ付き振り分け装置12に用いる発光体は、通常の電球或いはLEDを使用することができる。
操作パネル3には、図2に示すように、液晶表示装置等から構成される表示装置14、メダル投入口15、及び各種の操作ボタンが設けられている。この各種の操作ボタンは、13個のボタンが横方向に並設された捨て牌ボタン16a、16b、…、16m、自摸牌捨てボタン17、リーチボタン18、牌選択右シフトボタン19、牌選択左シフトボタン20、自摸牌決定ボタン21、払い出しボタン22、遊技(ゲーム)終了ボタン23、遊技開始ボタン(遊技開始部材)24、REJECTボタン25から構成されている。なお、遊技者がこれらの各ボタンを操作(押下してスイッチをオンする)、つまり例えば、自摸牌決定ボタン21を操作すると、自摸牌決定信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータ等からなる制御基板に入力される。そして、制御基板に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、入力された信号ごとに、ゲームを進行させるために予め設定された処理を実行するようになっている。
表示装置14には、その表示面に種々の表示部が設定され、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報や画像及び演出用画像をこの表示部に表示するようにしている。例えば、図3に示すように、表示面の上部横方向には、メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、風牌表示部28、表ドラ表示部29、裏ドラ表示部30、上がり牌表示部31、特別遊技のうち、ビッグチャンスゲームの権利を得ることができる上がり役を示すビッグチャンスゲーム役表示部32、更に、チャンスゲームの権利を得ることができる上がり役を示すチャンスゲーム役表示部33、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部34が設けられ、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等が表示される。
表示装置14の表示面の下部横方向には、13個の手牌の図柄を表示する手牌表示部35、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36が設けられている。なお、手牌表示部35及び自摸牌表示部36に表示している各図柄の下部には、捨て牌ボタン16a、16b、…16m、に対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・M)が表示されている。また、表示される麻雀牌の図柄はカラーで表示される。
雀球遊技機1の内部の所定位置には、本発明に係る雀球遊技機1の作動を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図4に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb及び画像制御基板Kcから構成されている。メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb及び画像制御基板Kcは、夫々CPU40、ROM41、RAM42、各種センサーや捨て牌ボタン16a等の各種操作ボタン等との間で信号の入出力を行うための入出力インターフェイス回路43、及び制御基板Ka、Kb、Kcとの通信を行うための通信用インターフェイス回路44、等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。
そして、雀球遊技機1の作動を制御、或いは表示装置14の表示部に情報や画像を表示するための各種のソフトウエア(プログラム)は、各制御基板Ka、Kb、Kcに搭載されたROM41に記憶されている。また、各RAM42は、これらプログラムが作動するときに各種のデータの読み込みやデータの作成、計算等を行うための記憶エリア、計算エリアとして使用される。また、メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、及び、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcは夫々、ケーブル線T1、T2により接続されてデータ通信ができるようになっている。なお、CPU40としては、各メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcの処理機能に対応して8ビット、16ビット或いは32ビットのCPUの何れかを採用するようにする。
なお、サブ制御基板Kbに搭載されているROM41の所定の記憶番地には、表示装置14に表示するための各種の画像データ、スピーカー6から出力するための各種の音声データが記憶されている。上記画像データとしては、27種の牌の図柄データ(表1の図柄コード参照)、雀球遊技機1の電源をONした時に初期画面として表示する画像データ、及び、遊技者が上がり役を完成させたとき等に表示する各種の演出用画像データが用意されている。また、各種の音声データとして、遊技の進行に伴って遊技者に対してゲームの進行を支援するための音声、或いは演出用の効果音を出力するためのデジタルデータが用意されている。
メイン制御基板Kaに搭載されているROM41には、雀球遊技機1の遊技の進行を制御するための各種のプログラムが記憶されている。メイン制御基板KaのROM41に搭載されているプログラムは、例えば、図5に示すように、メイン基板動作制御プログラム(捨牌処理手段)P1、通信制御プログラムP2、メダル管理プログラムP3、遊技球管理プログラムP4、自動配牌プログラム(配牌図柄決定手段)P5、特別遊技役抽選プログラムP6、表ドラ及び裏ドラを決定するためのドラ抽選プログラムP7、入賞判定プログラムP8、自摸牌選択支援プログラムP9、チューリップ通過判定プログラム(ゲート通過判定手段)P27、電動開閉式チューリップ作動プログラム(電動開閉式特別入球ゲート作動手段)P25、遊技価値付与プログラム(遊技価値付与手段)P26、等から構成される。
メイン基板動作制御プログラムP1は、雀球遊技機1の全体の動作を統括するプログラムであり、主に下記のような処理を行う。
(1)遊技機1の電源がONされたときの初期化の処理、例えば、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。この制御コマンドに基づいて、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcは電源ON時の初期化処理を行う。これにより、画像制御基板Kcは、電源ON時の演出用画像や音声等を出力することができる。
(2)各種の入出力センサーから入力される信号を解析し、その信号に対応した処理を行うように雀球遊技機1の動作を制御する。例えば、遊技者が遊技球を発射したときに入球した入球口からの入球信号を解析し、この入球口に対応する牌の図柄を自摸牌として手牌データに追加(自摸の操作)する処理、或いは遊技者が捨て牌ボタン16a等を操作して手牌から不要な牌を切る操作(捨て牌操作)を行ったときに、どの捨て牌ボタンからの信号であるかを解析し、この捨て牌ボタンに対応する牌の図柄を手牌データから削除する処理、等を行う。このように、メイン基板動作制御プログラムP1は、配牌図柄決定手段である自動配牌プログラムP5によって抽選された麻雀牌図柄が表示装置14に表示された後、遊技者による捨て牌操作に応答して、表示装置14に表示された麻雀牌図柄の内から捨て牌操作に対応する麻雀牌を選択処理して削除する捨牌処理手段を構成している。
(3)自動配牌プログラムP5が作動して遊技開始時の14個の手牌が決定されたときに、この手牌の図柄データをRAM42に手牌データとして手牌記憶領域に記憶する処理、この手牌データをサブ制御基板Kbに送信するための処理、及び上記(1)、(2)の処理において遊技者が捨て牌操作、自摸の操作を行う都度、現在の手牌データ、捨て牌、自摸牌に関する牌の図柄データ(以下、図柄コードという)をサブ制御基板Kbに送信するための処理、等を行う。
通信制御プログラムP2は、サブ制御基板Kbとの通信を行うためのプログラムであり、送信するデータは如何なる処理を行うかを予め設定した制御コマンドと共に、この制御コマンドに必要なデータが送信される。また、画像制御基板Kcにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。
メダル管理プログラムP3は、ゲームの進行に伴ってメダルの貯留枚数の管理と払い出しの処理を行うためのプログラムであり、メイン基板動作制御プログラムP1がメダル投入口15からメダル(遊技媒体)の投入信号等を検出したときに、下記の処理を実行させられる。
(A)メダル投入口15からメダルの投入信号を検出すると、RAM42に記憶しているメダル貯留枚数を「1」加算する。
(B)遊技開始ボタン24からの信号を検出すると、上記メダル貯留枚数を「1」減算する。
(C)上がり時に、遊技終了ボタン23からの信号を検出すると、その上がり役で獲得したメダル枚数をRAM42に記憶しているメダル貯留枚数に加算する。
(D)払い出しボタン22の信号を検出したとき、貯留枚数分のメダルをメダル受け皿5に払い出すように制御信号を出し、メダルがメダル受け皿5に1個払い出されるごとにメダル貯留枚数を「1」減算する処理を行う。
遊技球管理プログラムP4は、メイン基板動作制御プログラムP1の制御に基づいて、次の処理を行うプログラムである。
(a)ゲーム開始時に、RAM42に記憶する残り遊技球数を14個に設定する。
(b)捨て牌ボタン16a等から捨て牌の操作信号を検出すると、遊技球発射位置(図示せず)に遊技球を1球送る制御を行う。
(c)遊技球発射レバー4から発射された遊技球が入球口11c、11d、11e…の何れかに入球し、その入球信号が検出されると、残り遊技球数を「1」減算し、入球した入球口に対応する牌の図柄コードを作成する。
自動配牌プログラム(配牌図柄決定手段)P5は、1ゲームの開始時に、表示装置14に配牌として表示すべき14個の麻雀牌図柄をランダムに自動的に決定(つまり抽選によって決定)するためのプログラムであり、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する108個の麻雀牌から14個の配牌の図柄を決定する処理を行う。
自動配牌プログラムP5は、例えば、次のような処理を行うことにより、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定することができる。
(ア)本雀球遊技機1において使用される牌の図柄は、二索から八索までの索子牌を除く27種の牌、計108個である。これら使用される牌には、表1に示すように、27種の牌の図柄に、01〜1Bの図柄コード(16進数)を付与し、更に、各27種から構成される計108個の図柄に0〜107までの数値を4個割り付けたデータテーブルを予めROM40に登録しておく。
(イ)自動配牌プログラムP4には、例えば、5桁の乱数を発生させる乱数発生プログラムを備えておく。そして、自動配牌プログラムP4は、乱数発生プログラムで発生させた5桁の乱数を108で除算し、その余りを算出する。続いて、表1を参照してこの余りの値に対応する牌の図柄コードを01〜1Bから求め、この図柄コードが配牌される図柄として決定する。
(ウ)上記(イ)の処理を計14回実施して、ゲーム開始時に、必要とする14個の牌の図柄を決定する。なお、この5桁の乱数を発生させるプログラムには、毎回異なる乱数が発生するようにランダマイズ処理を行うプログラムを付加しておく必要がある。このような処理により決定した14個の配牌の図柄コードはRAM42の手牌記憶領域に記憶しておく。なお、手牌記憶領域に記憶した14個の配牌データは図柄コードの上昇順にソートして記憶する。
特別遊技役抽選プログラムP6は、予め設定されている上がり役の中から1ゲームごとに特別遊技の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定するプログラムである。例えば、ビッグチャンスゲームの権利を獲得できる上がり役は、「大三元」、「国士無双」、「九連宝燈」の3種の上がり役から1種を抽選により決定する。また、チャンスゲームの権利を獲得できる上がり役は、例えば、「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」の6種の上がり役から2種を抽選により決定する。なお、この特別遊技の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定する方法は、プログラム処理により所定桁数の乱数を発生させてRAM42に記憶し、この乱数を利用して決定することができる。
ドラ抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、抽選によって表ドラ及び裏ドラを決定するためのプログラムである。
入賞判定プログラムP8は、前記した自動配牌プログラムP5により14個の手牌が決定したとき、及び遊技者が自摸の操作を行ったときに、手牌が予め設定された上がり役の組合せになっているかどうかを判定するためのプログラムである。この上がり役としては、表2に示すような構成のデータテーブル、即ち、上がり役のコード(表2には上がり役のコードは表示せず)とその上がり役に対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)が予め入賞判定プログラムP8、またはROM41に記憶されている。そして、現在の14個の手牌について、入賞判定プログラムP8が上がり役を完成していると判定した場合には、上がり役完成の制御コマンドとその上がり役のコード、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する処理を行う。
自摸牌選択支援プログラムP9は、特別遊技の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー9に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、表示装置14の画面と対話方式により自摸する牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
チューリップ通過判定プログラムP27は、捨牌処理手段としてのメイン基板動作制御プログラムP1による前述の選択処理に後続して、遊技者による捨て牌操作に応じて付与され遊技盤面2に発射された遊技球が電動開閉式チューリップ11a、11bを通過したか否かを判定するゲート通過判定手段として機能する。
電動開閉式チューリップ作動プログラムP25は、ゲート通過判定手段としてのチューリップ通過判定プログラムP27による判定後、遊技者による捨て牌操作に応じて付与されて発射された遊技球が複数の入球口11c、11d、11e…の何れかに入球した時点から所定の条件を満たすまで、電動開閉式チューリップ11a、11bを開放させる電動開閉式特別入球ゲート作動手段として機能する。上記所定の条件は、本実施形態においては、自動配牌プログラムP5による抽選後に開始される所定時間(例えば2秒)のカウントが終了することと、遊技者による捨て牌操作に応じて付与される遊技球数が所定時間のカウント中に所定数に至ったこととしている。なお、電動開閉式チューリップ作動プログラムP25により電動開閉式チューリップ11a、11bを開放させる制御に代えて、所定ピッチで開放と閉止とを繰り返す開閉動作を行うように制御することも可能であり、その場合にも、上記開放制御と略同様の作用効果を得ることができる。
遊技価値付与プログラムP26は、電動開閉式チューリップ作動プログラムP25による作動状態の電動開閉式チューリップ11a、11bの何れかに遊技球が入球(つまり通過)したことをチューリップ通過判定プログラムP27が判定した際、現在継続中のゲームにて有利となる遊技価値を付与するように制御する。当該遊技価値付与プログラムP26は、本実施形態においては、付与する遊技価値として、遊技を有利に展開させるために用意された複数のビッグチャンスゲーム役及びチャンスゲーム役等の特別役のうちから抽選で何れかを決定し、当該決定した特別役を、1ゲーム開始時に特別遊技役抽選プログラムP6の抽選によって決定された特別役に追加する。
サブ制御基板KbのROM41に搭載されているプログラムは、図6に示すように、サブ基板動作制御プログラムP21、通信制御プログラムP22、ランプ制御プログラムP23、上がり牌判定プログラムP24、等から構成されている。更に、上がり牌判定プログラムP24は、聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243から構成されている。
サブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから伝送された各種の制御コマンドを解読し、各制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。通信制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaからのデータの受信と画像制御基板Kcとの通信処理を行うプログラムである。画像制御基板Kcは、サブ制御基板Kbから送信されたこれら各種の制御コマンドとその制御データ等を受信すると、プログラム処理により表示装置14に演出用の画像や情報を表示し、更に、スピーカー6から演出用の音声や効果音を出力する。ランプ制御プログラムP23は、メイン制御基板Kaから伝送された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ装置7及びランプ付き振り分け装置12の点灯と消灯の制御を行うためのプログラムである。
上がり牌判定プログラムP24は、遊技者が捨て牌の操作を行った後に、メイン制御基板Kaから送信された現在の13個の手牌に基づいて、予め設定された上がり役を完成させるために遊技者が自摸すべき牌を支援するためのプログラムである。この上がり牌判定プログラムP24は、遊技者が現在の13個の手牌に自摸の操作を行って1個の牌を追加した場合に、上がり役を完成させることができる牌の有無を判定すると共に、予め自摸すべき牌を支援する処理を行うためのプログラムである。そして、上がり牌判定プログラムP24は、上がり役を完成させるため自摸すべき牌が抽出された場合には、この牌の図柄を画像制御基板Kcに表示させる制御を行う。
メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者が遊技球を発射して自摸の操作を行って手牌が14個になると、入賞判定プログラムP8を作動させて上がり役を完成させたか否かの判定を行う。そして、RAM42の手牌記憶領域に記憶している13個になった手牌の図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。このようにサブ制御基板Kbに送信されるとき、複数の捨て牌の図柄コード、及び13個の手牌の図柄コードは、夫々上昇順にソートされる。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、上記13個の手牌の図柄コードを受信すると、受信したデータをRAM42に記憶した後、制御を上がり牌判定プログラムP24に移行させる。すると、上がり牌判定プログラムP24は、順次、聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を作動させる。
なお、上がり牌判定抽出プログラムP243が、所定の処理で判定して抽出し、RAM42に記憶した上がり牌の図柄コードの全てを画像制御基板Kcに制御コマンドと共に送信して、画像制御基板Kcに対してこの上がり牌の図柄コードに対応する図柄を表示させるための制御を行った際、画像制御基板Kcは、上がり牌の図柄コードを受信した時点で、受信した上がり牌の図柄コードの図柄を上がり牌の候補として、上がり牌表示部31に表示する(図7参照)。このとき、スピーカー6から音声を出力させるようにしてもよい。麻雀遊技に初心の遊技者は、この表示を見て、上がり役を完成することができる牌に対応する入球口を狙って遊技球を発射させることができるようになる。
ついで、図8を参照して、画像制御基板KcのROM41に搭載されているプログラムについて説明する。このプログラムは、画像基板動作制御プログラムP31、画像表示プログラムP32、及び音声・効果音出力プログラムP41、等から構成されている。画像表示プログラムP32は、通常遊技画面表示プログラムP321と、特別遊技画面表示プログラムP322とから構成されている。これらの画面表示プログラムP32、音声制御プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、各種の演出用の画像を表示装置14に表示する処理と、各種の演出用の音声や効果音をスピーカー6から出力する処理とを行う。以下、これらプログラムの処理内容の概要について説明する。
画像基板動作制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された各種の制御コマンドを解読し、これら制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。画面表示プログラムP32は、サブ制御基板Kbから送信されてきた制御コマンドとその制御データに基づいて、表示装置14に画像や数値情報等を表示する処理を行うプログラムであり、通常遊技画面表示プログラムP321と特別遊技画面表示プログラムP322から構成される。通常遊技画面表示プログラムP321は、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技遊技を行っているときに、表示装置14に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行うプログラムである。通常遊技画面表示プログラムP321は、更に、サブプログラムとして初期演出表示プログラムP3211、ゲーム演出表示プログラムP3212を備えている。
ゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に図3に示すような内容の画面を表示するプログラムから構成されている。例えば、遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、通常遊技のゲームの場合は遊技球の発射による自摸牌の操作等を行うごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、現在の手牌の図柄、捨て牌の図柄、及びサブ制御基板Kbから送信されてきた上がり牌と判定された牌の図柄を図7に示すように表示する処理、上がり役を完成したときその上がり役を獲得した得点数を表示する処理、等各種の表示手段を備えたプログラムから構成されている。
特別遊技画面表示プログラムP322は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行うプログラムである。この特別遊技画面表示プログラムP322は、更に、遊技者が特別遊技の権利を獲得することができる上がり役を完成した時点に演出表示する権利獲得演出表示プログラムP3221、自摸牌候補選択支援プログラムP3222を備えている。自摸牌候補選択支援プログラムP3222は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに作動されるプログラムであり、表示装置14に表示された自摸牌の候補の図柄を牌選択右シフトボタン19、或いは牌選択左シフトボタン20を操作してスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声、及び効果音をスピーカー6から出力するためのプログラムである。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kcの動作を制御するプログラムは、アセンブラ言語、C言語或いはVisual Basic言語等を利用して開発され、各基板のCPU40が実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムとして各制御基板Ka、Kb、KcのROM41に記憶されている。
続いて、上述した雀球遊技機1の遊技手順とこの手順に伴う各プログラムの処理の概要について、図9ないし図11のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
1遊技(ゲーム)は、遊技者がメダル投入口15へメダルを投入して、遊技開始ボタン24を押圧したことに応答して、自動配牌プログラムP5が14個の手牌の図柄を抽選・決定して配牌することによりスタートされる。そして、遊技者が捨て牌ボタン16a、16b、…、16m、等の各種の操作ボタンやセンサーから発生する入力信号及び制御信号に基づいて作動する各プログラムの制御に従って、1遊技は進行して行くことになる。
まず、雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、メイン制御基板KaのRAM42の記憶領域を初期化する。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを画像制御基板Kcに伝送する。サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcはこの初期化制御コマンドを受信すると、RAM42の記憶領域を初期化すると共に、画像制御基板Kcに搭載されている初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。なお、サブ制御基板Kbは、この電源ON時の初期化制御コマンドを受信すると、サブ基板動作制御プログラムP21は、前述したようにサブ制御基板KbのROM41に記憶している各種の画像データ、音声・効果音データを画像制御基板Kcに伝送し、画像制御基板Kcの画像基板動作制御プログラムP31は、受信したこれら画像、音声・効果音データをRAM42に記憶する処理を行う。
そして、図9に示す「雀球通常処理」のラベルで始まる処理がスタートすると、ステップS1で「メダル投入処理」が実施される。ここでは、上記のように遊技メダルがメダル投入口15に投入され、メイン基板動作制御プログラムP1がそのメダル投入信号を検出すると、メダル管理プログラムP3が、メダル貯留枚数を「1」加算する処理を行う。
引き続き、ステップS2において、メイン基板動作制御プログラムP1が、メダル貯留枚数表示部26に表示されるメダル貯留枚数(クレジット)が有るか否かを判定する。その結果、クレジットが無いと判定されればステップS2の処理を繰り返し、クレジットが有ると判定されればステップS3に進んで、遊技開始ボタン(スタートスイッチ)24がオン(ON)されたか否かを判定する。
ステップS3では、遊技開始ボタン24が遊技者によって押圧されて、遊技開始ボタン24がオンしたと判定された場合、ステップS4に進んで「遊技初期設定」を実行する。一方、ステップS3において遊技開始ボタン24がオンされていなければ、ステップS2からの処理を繰り返す。
上記ステップS4における「遊技初期設定」では、メイン基板動作制御プログラムP1が、遊技開始ボタン24からゲーム開始信号を検出した時点で、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する。これにより、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置14に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP41により音声をスピーカー6から出力する。このようにして、雀球遊技機の1ゲームが開始できる状態となる。
そして「遊技初期設定」の処理後、ステップS5において「自動配牌処理」を実行する。この「自動配牌処理」では、メイン基板動作制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄をプログラム処理により自動的に抽選・決定する。なお、自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42の手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、即ち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて(ソート)手牌記憶領域に記憶する。続いて、自動配牌プログラムP5は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この配牌された図柄コードを受信するとRAM42に記憶するとともに、画像制御基板Kcにこれら14個の配牌された図柄コードを送信する。
サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから送信された14個の配牌の図柄コードについて、現時点の遊技の場において開示されている牌の開示個数を開示個数テーブル(図示せず)にカウントする処理を行う。また、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図3に示すような牌の図柄の画像を表示装置14の手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示する処理を行う。なお、14個の自動配牌が決定されていない間は、手牌表示部35、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36には、初期画面として牌の裏面または無表示の図柄を表示する処理を行う。
続いて、ステップS6において捨て牌選択処理を実行する。つまり、遊技者が、手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示されている牌の図柄から捨て牌を選択する操作を行うなどで、ゲームを進行させることになる。そして、遊技者は捨てる牌の図柄を決定すると、この捨て牌の図柄に対応する捨て牌ボタン16a、16b、16c、…、或いは自摸牌捨てボタン17の何れか一つを選択(オン)してこの牌を捨てる。この捨て牌選択信号に基づいて、メイン基板動作制御プログラムP1が、捨て牌操作を行って捨て牌とした牌の図柄コードを、メイン制御基板KaにおけるRAM42の捨て牌記憶領域に記憶し、更に、メイン基板動作制御プログラムP1が、RAM42の手牌記憶領域に記憶している手牌の中から捨て牌とした図柄コードを削除して、手牌を13個にする処理を行う。
一方、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、上記13個の手牌の図柄コードを受信すると、上がり牌判定プログラムP24を構成する聴牌パターン判定プログラムP241、上がり牌種判定プログラムP242、上がり牌判定抽出プログラムP243を作動させて、前述したように、現在の13個の手牌に対して、上がり役を完成させるために次に自摸すべき牌の有無を判定し、上がり役を完成させる牌が抽出された場合には、この牌の図柄を表示装置14に表示させる処理を行う。
続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、捨て牌とした図柄コードと、13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共に、サブ制御基板Kbとサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、捨て牌とした図柄コードを受信すると、その図柄コードに対応する牌の図柄を捨て牌表示部34に表示し、13個の手牌の図柄コードを受信すると、これらの図柄コードに対応する牌の図柄を手牌表示部35に表示する処理を行う。このとき、自摸牌表示部36には、図3に示すように、牌の裏面等を表示するようにする。
そして、ステップS7において1球発射処理を実行する。つまり、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、上述した遊技者の捨て牌の操作に関する処理が終了すると、遊技球管理プログラムP4を作動させて、遊技球を遊技球発射位置(図示せず)に一球送る処理を行う。すると遊技者は、遊技球発射レバー4を操作して、遊技盤面2内に遊技球を発射できる状態になる。
引き続き、ステップS8において、発射された遊技球が電動開閉式チューリップ11a、11bを通過したか否かを判定する等の電チュー通過処理を行う。この判定では、遊技者が発射した遊技球が電動開閉式チューリップ11a、11bを通過した時点で、これらチューリップ11a、11bに対応して予め設置されたセンサー(図示せず)により球通過を検出し、これに応じた入球信号を発生させる。電動開閉式チューリップ11a、11bへの入球で発生した当該入球信号は、サブ制御基板Kbに送信されるが、サブ制御基板Kbでは、受信した入球信号に応答して遊技価値付与プログラムP26が制御を開始することとなる。
ここで、図11を参照して上記電チュー通過処理について説明する。まず、「電チュー通過処理」のラベルで始まる処理について説明する。この処理では、まずステップS31にて、特別入球ゲート11a、11bの何れかを遊技球が通過したか否かを判定する。その結果、ゲート通過していなければリターンして処理を終了するが、上述の電動開閉式チューリップ11a、11bへの入球による入球信号が遊技価値付与プログラムP26にて受信された際は、遊技球がゲート通過したと判定して、ステップS32に進む。そして、ステップS32において乱数値を取得する。
上記乱数値は、サブ制御基板Kbに備えた高速カウンタ(図示せず)によってハード乱数として発生させることができる。本実施の形態において、取得した乱数値の当選範囲は、例えば表3に示すように予め設定されている。即ち、電動開閉式チューリップ11a、11bへの入球に応答して行われる抽選で決定されるビッグチャンスゲーム役及びチャンスゲーム役として、国士無双、九連宝燈、大三元、小四喜、大四喜、字一色、清一色、小三元、ニ盃口が用意されており、これら各特別役における取得乱数値の当選範囲は夫々、同表に示すようになっている。なお、上記乱数値は、高速カウンタに代えて、Rレジスタによってソフト乱数として発生させることもできる。
引き続き、ステップS33において、ビッグチャンスゲーム役やチャンスゲーム役の何れかに当選したか否かを判定する。その結果、役当選していなければリターンして処理を終了し、役当選していればステップS34に進む。このステップS34において、当選した役がビッグチャンスゲーム役表示部32やチャンスゲーム役表示部33に全て表示済みであるか否かを判定し、その結果、全て表示済みではない場合にはステップS35に進み、全て表示済みである場合にはステップS36に進む。このステップS36では、ビッグチャンスゲーム役表示部32、チャンスゲーム役表示部33に表示されているビッグチャンスゲーム役、チャンスゲーム役のいずれかを、抽選によって変更する。
また、上記ステップS35では、チャンスゲーム役が全て表示済みであるか否かを判定し、その結果、チャンスゲーム役が全て表示済みでない場合にはステップS37に進み、チャンスゲーム役が全て表示済みである場合にはステップS38に進む。上記ステップS37では、チャンスゲーム役を抽選によって決定し、当該決定したチャンスゲーム役を追加して表示装置14に表示した後、リターンして処理を終了する。一方、ステップS38では、ビッグチャンスゲーム役を抽選によって決定し、決定したビッグチャンスゲーム役を追加して表示装置14に表示した後、リターンする。
上記ステップS36、S37、S38における抽選は、具体的には以下のように実施する。即ち、特別遊技役抽選プログラムP6が作動して、ビッグチャンスゲームの権利が獲得できる上がり役(ビッグチャンスゲーム役)、チャンスゲームの権利が獲得できる上がり役(チャンスゲーム役)の決定を行う。
そして、特別遊技役抽選プログラムP6の処理により決定されたビッグチャンスゲーム役、チャンスゲーム役の図柄の各データ(コード化されたデータ)は、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信される。すると、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、上記特別役を獲得できる上がり役のコードを受信すると、図3に示すように、ビッグチャンスゲーム役をビッグチャンスゲーム役表示部32に、チャンスゲーム役をチャンスゲーム役表示部33に夫々表示する処理を行う。
引き続き、ステップS9において入球処理を実行する。当該処理では、発射されて電動開閉式チューリップ11a、11bを通過した後に、或いはこれら電動開閉式チューリップ11a、11bに関与せず直接に、遊技球が入球口11c、11d、11e…の何れかに入球した時点で、入球口11c、11d、11e…に対応して予め設置されたセンサー(図示せず)により入球を検出し、これに応じた入球信号を発生させる。入球口11c、11d、11e…への入球で発生した当該入球信号は、メイン制御基板Kaに送信されるが、メイン制御基板Kaでは遊技球管理プログラムP4が、受信した入球信号を解読し、入球した入球口11c、11d、11e…に対応する牌(自摸牌)の図柄コードを手牌記憶領域に記憶する処理を行う。
続いて、ステップS10において、電動開閉式チューリップ作動プログラムP25が電動開閉式チューリップ(フローチャート中では単に「電チュー」と略記している)11a、11bを開放動作させると共に、ステップS11にて、電動開閉式チューリップ11a、11bの開放時間を2秒に設定する。この開放時間は、図10におけるステップS21においてカウント開始されるが、同図の「タイマー割込処理」のラベルで始まる処理は、図9のメインフローチャートに示される処理と並行して進められる。なおここでは、上記のように電動開閉式チューリップ11a、11bを所定時間開放させるように制御するが、これに代えて、所定ピッチで開放と閉止とを繰り返す開閉動作を行うように制御することも可能であり、その場合も上記開放制御と略同様の作用効果が得られる。なお、本実施形態では、上記開放時間を2秒に設定するが、この時間設定は2秒に限定されることはなく、設計に応じて適宜変更され得るものである。
図10では、ステップS21にて電動開閉式チューリップ11a、11bの開放時間をカウント開始した後、ステップS22にて、電動開閉式チューリップ11a、11bの開放時間(2秒)が経過したか否かを判定する。その結果、開放時間が経過しない場合にはリターンし、時間が経過すればステップS23に進んで電動開閉式チューリップ11a、11bを閉止する。
引き続き、図9におけるステップS12において入賞判定を実施する。即ち、メイン基板動作制御プログラムP1により入賞判定プログラムP8が作動させられて、14個となった手牌が上がり役を完成しているか否かを判定する。そして、入賞判定プログラムP8は、手牌が上がり役を完成していると判定した場合、前述したように、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)を前記表2のデータを参照して求め、これら上がり役、獲得した得点等のデータを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。画像制御基板Kcは、これら上がり役と獲得した得点等を受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に上がり役、獲得した得点、その他の演出画像を表示装置14に所定の時間ほど表示する処理を行う。
一方、入賞判定プログラムP8により上がり役を完成していないと判定した場合、メイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者に手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すための画面表示を行う制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcはこの制御コマンドを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すためのメッセージを表示装置14に表示する処理を行う。このとき、音声・効果音出力プログラムP41を作動させて、音声と共に促す処理を行うようにしてもよい。
なお、入賞判定プログラムP8の制御により、1遊技で獲得できる得点は、例えば、最高10点までとしその上限(MAX値)が設定されている。また、上がり役が2種類以上同時に成立した場合には、夫々の上がり役に与えられる得点が加算された得点がそのゲームの得点になる。同様に、手牌中に表ドラ及び裏ドラと同一の牌の図柄が含まれている場合には、そのドラ牌に対しても得点、例えば、ドラ1個に付き1点の得点が加算される。ゲームで獲得した得点の1点がメダル1枚に該当する。ただし、当該ゲームで獲得した得点数の合計が10点を超えた場合は、獲得できるメダル枚数(得点)は全て10枚になる。
続いて、ステップS13において、払い出しボタン(つまり精算スイッチ)22がオン(ON)されたか否かを判定し、その結果、オンされていればステップS14に進み、そうでない場合にはステップS15に進む。このステップS15では、使用可能な14球の遊技球のうち残り遊技球が0になったか否かを判定する。その結果、0でなければステップS6からの一連の処理を繰り返し、0であればステップS14に進む。
引き続き、ステップS14では、ステップS10において開放された電動開閉式チューリップ11a、11bの双方を閉止する処理を実行する。この閉止処理は、図10のステップS23にて電動開閉式チューリップ11a、11bの開放時間(2秒)が経過したとして閉止されている際には、実行されない。続いて、ステップS16において、メダル払い出し処理を実行した後、ステップS2の処理から繰り返す。
ところで、上がり役が予め設定された特別遊技の一つであるビッグチャンスゲームの権利を獲得できる上がり役で上がった場合には、入賞判定プログラムP8は、ビッグチャンスゲームの権利が獲得できる上がり役が完成したことを示す制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。すると、画像制御基板Kcの権利獲得演出演出表示プログラムP3221は、表示装置14の上がり牌表示部31にこの上がり役の説明表示と、ビッグチャンスゲーム権利成立の表示を所定の時間間隔で交互に表示し、遊技者にビッグチャンスゲームの権利が成立したことを知らせる処理を行う。
ビッグチャンスゲームの権利が成立すると、前記したように、当該ゲームを含め次回以降の遊技において、アタッカー9を所定のゲーム回数、例えば、14ゲーム数ほど作動させることが可能になる。本実施の形態においては、ビッグチャンスゲームの権利が成立しているゲームにおいても、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから遊技者が捨て牌操作を行って13個の手牌の図柄コードが送信される都度、前記した上がり牌判定プログラムP24を作動させるように制御する。
ビッグチャンスゲームの権利が成立しているゲームにおいては、遊技者が遊技球を発射してその遊技球がアタッカー作動口10を通過し、その通過信号がメイン制御基板Kaに入力されると、メイン基板動作制御プログラムP1は、アタッカー9を開いて、遊技球がアタッカー9内に入り易い状態になるように制御する。そして、遊技者がアタッカー9内に遊技球を1個入球させるごとに、遊技者は表示装置14と対話方式により任意に自摸牌を選択することができるようになる。この自摸牌の選択操作は、メイン制御基板Kaの自摸牌選択支援プログラムP9と、画像制御基板Kcの自摸牌候補選択支援プログラムP3222の処理により行うことができる。
以上の本実施形態によれば、配牌図柄決定手段としての自動配牌プログラムP5が、1ゲーム開始時に配牌図柄を抽選で決定し、捨牌処理手段としてのメイン基板動作制御プログラムP1が、配牌図柄の表示後、麻雀牌図柄の内から捨て牌操作に対応する麻雀牌を選択処理し、ゲート通過判定手段としてのチューリップ通過判定プログラムP27が、当該選択処理に後続して、捨て牌操作に応じて付与され遊技盤面2に発射された遊技球が電動開閉式チューリップ11a、11bを通過したか否かを判定し、電動開閉式特別入球ゲート作動手段としての特別入球口作動プログラムP25が、チューリップ通過判定プログラムP27による判定後、捨て牌操作に応じて付与されて発射された遊技球が複数の入球口11c、11d、11e…の何れかに入球した時点から所定条件を満たすまで電動開閉式チューリップ11a、11bを開放又は開閉動作させ、遊技価値付与手段としての遊技価値付与プログラムP26が、作動状態の電動開閉式チューリップ11a、11bを遊技球が通過した際、現在継続中のゲームにて有利となる遊技価値を付与するので、遊技者は、現在のゲームにて、ビッグチャンスゲーム役やチャンスゲーム役が増える遊技価値を受けるべく、開放又は開閉動作して入球し易くなっている電動開閉式チューリップ11a、11bを、所定の条件、つまり所定時間(2秒)が経過するまで速やかに狙って数多く入球させるように遊技する傾向となる。
これにより、電動開閉式チューリップ11a、11bに入球させる遊技球を得るための捨て牌操作選択処理が迅速に行われることになって、1ゲームの開始から終了までの進行時間を短縮可能な状況が得られると共に、特定の入球口を狙うというパチンコ機本来の遊技性が高まることになる。つまり、所定時間のカウントが終了しないうちに、或いは捨て牌操作毎に与えられる遊技球数が所定数に至るまでに、開放又は開閉動作している電動開閉式特別入球ゲートに遊技球を可及的速やかに入球させるため、捨て牌操作が迅速に行われて1ゲーム進行時間が短縮される可能が高くなる。
また、遊技価値付与プログラムP26が遊技価値の付与として複数の特別役(ビッグチャンスゲーム役、チャンスゲーム役)の何れかを抽選で決定し、既に決まっているビッグチャンスゲーム役やチャンスゲーム役に加える形で役種類を増加させるので、遊技者は、抽選の結果どのような特別役が決まるか(増加するか)に期待感を持つことができると共に、決まった特別役によって手牌を考慮しつつ、特別役を視野に入れながら最も実現可能な上がり役を成立させるようにゲーム展開していくことができ、遊技性が向上する。
なお、以上の本実施形態においては、電チュー通過処理としてビッグチャンスゲーム役、チャンスゲーム役の抽選・決定に関する処理を実施したが、これに代えて、得点増加に関する処理を実施するように構成することもできる。
即ち、図12に示すように、電チュー通過処理のラベルで始まる処理がスタートすると、まず、ステップS41にて電動開閉式チューリップ11a、11bの何れかを通過(つまりゲート通過)したか否かを判定する。その結果、通過していなければリターンして処理を終了し、通過していればステップS42に進んで、増加得点は最大値(MAX値)になっているか否かを判定する。その結果、MAX値になっていない場合には、ステップS43にて乱数値を取得する。
この乱数値は、サブ制御基板Kbに備えた高速カウンタ(図示せず)によってハード乱数として発生させることができる。取得した乱数値の当選範囲は、表4に示すように設定されている。即ち、電動開閉式チューリップ11a、11bへの入球に応答して行われる抽選で決定される得点増加装置による増加得点として、+1点、+2点、+3点、+4点、+5点、+7点、+10点が用意されており、これら各得点における取得乱数値の当選範囲は夫々、同表に示すようになっている。なお、上記乱数値は、高速カウンタに代えて、Rレジスタによってソフト乱数として発生させることもできる。
そして、上記ステップS43にて取得した乱数値が、得点増加装置による増加得点に当選したか否かを判定する(ステップS44)。その結果、当選しなければリターンして処理を終了し、当選すればステップS45に進んで、得点増加装置の増加得点を、当選した増加得点に対応するようにセットする。
この例によれば、遊技価値付与プログラムP26が遊技価値の付与として上がり役の得点を増加させるので、遊技者は、上がり役を成立させた時点で得点の増加に期待感を持つことができ、遊技性が向上する。そして、遊技価値付与プログラムP26が、得点を抽選で変化させるので、遊技者は、上がり役を成立させた時点でその得点がどの程度増加されるかに期待感を持つことができ、遊技性がより向上することになる。
なお、遊技価値付与プログラムP26が遊技価値の付与としてドラ牌数を抽選で決定し、ドラ抽選プログラムP7にて既に決定されているドラ牌に追加する(増加させる)ように構成することもできる。その場合、遊技者は、抽選の結果どの牌が更にドラ牌となるのかに期待感を持つことができると共に、決まったドラ牌を視野に入れながら最も実現可能な上がり役を成立させるようにゲーム展開していくことができ、遊技性が向上する。
また、本実施の形態では、1ゲームの開始時における配牌を自動配牌プログラムP5の制御に基づく抽選で自動的に決定する形式の雀球遊技機1について説明したが、本発明はこれに限らず、1ゲームの開始時に所定数(例えば14個)の遊技球を手動で遊技盤面部2に打ち出して入球口11c、11d、11e…の何れかに適宜入球させることによって配牌を決定する形式の雀球遊技機にも適用可能である。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の雀球遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した雀球遊技機も、本発明の範囲に含まれる。