以下、本発明に係る雀球遊技機の実施形態として、遊技場等に設置される雀球遊技機について図1ないし図10を参照して説明する。図1は本発明の実施形態における雀球遊技機を示す正面図、図2は図1に示す操作パネルの構成を示す正面図、図3は図1に示す表示装置に表示する画面例を説明するための図、図4は本雀球遊技機の動作を制御するための制御基板の構成例を示す図、図5は図4に示すメイン制御基板に搭載されているプログラムの構成例を示す図、図6は図4に示すサブ制御基板に搭載されているプログラムの構成例を示す図、図7は上がり確率を表示した画面例を示す図、図8は図4に示す画像制御基板に搭載されているプログラムの構成例を示す図、図9は入球率の算出制御を示すフローチャート、図10は上がり確率判定制御を示すフローチャートである。
なお、本雀球遊技機においては、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を使用して遊技(ゲーム)を行う雀球遊技機を例に挙げて説明する。この27種の牌の図柄は、例えば、「一萬」〜「九萬」の9種の萬子、「一筒」〜「九筒」の9種の筒子、「一索」と「九索」の2種の索子、「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種の字牌から構成されている。萬子と筒子が数牌となり、索子の「一索」と「九索」は、順子を形成することができないので字牌に含められている。なお、上記した2種の数牌は、例えば、萬子を「一萬」〜「九萬」の9種類の図柄、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄から構成し、字牌を筒子の「一筒」と「九筒」及び「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」として構成することも可能である。
図1に示すように、雀球遊技機1の前面部は、遊技盤面部2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、音声や効果音(以下、音声という)を出力する音声出力装置であるスピーカー6、ランプ装置7等を備えて構成されている。
ガイドレール8に囲まれた遊技盤面部2の中央には、特別入賞装置(以下、アタッカーという)9、アタッカー9の上方部には遊技球が通過可能なアタッカー作動口10、アタッカー9の左右及び下方には、複数の入球口11a、11b、11c、…が夫々設けられている(なお、以下複数の入球口全体を指して「入球口11」ともいう。)。これら複数の入球口11は、二索から八索までの索子牌を除いた牌の図柄27種(図柄は図示せず)に対応しており、27個の入球口11が設けられている。例えば、アタッカー9の左右には「一索」の入球口11aと「九索」の入球口11b、アタッカー9の下方部には、横方向に「東」の入球口11c、「南」の入球口11d、「一萬」の入球口11e、・・・が設けられている。また、遊技機本体に備えた遊技盤面部2には、ランプ付き振り分け装置12、風車13、等が設けられている。なお、ランプ装置7、ランプ付き振り分け装置12に用いる発光体は、通常の電球或いはLEDを使用することができる。
操作パネル3には、図2に示すように、液晶表示装置等から構成される表示装置14、メダル投入口15、及び各種の操作ボタンが設けられている。この各種の操作ボタンは、13個のボタンが横方向に並設された捨て牌ボタン16a、16b、…、16m、自摸牌捨てボタン17、リーチボタン18、牌選択右シフトボタン19、牌選択左シフトボタン20、自摸牌決定ボタン21、払い出しボタン22、遊技(ゲーム)終了ボタン23、遊技開始ボタン24、REJECTボタン25、再配牌ボタン(再配牌操作手段)37から構成されている。なお、遊技者がこれらの各ボタンを操作(押下してスイッチをオンする)、つまり例えば、自摸牌決定ボタン21を操作すると、自摸牌決定信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータ等からなる制御基板に入力される。そして、制御基板に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、入力された信号ごとに、ゲームを進行させるために予め設定された処理を実行するようになっている。
表示装置14には、その表示面に種々の表示部が設定され、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報や画像及び演出用画像をこの表示部に表示するようにしている。例えば、図3に示すように、表示面の上部横方向には、メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、風牌表示部28、表ドラ表示部29、裏ドラ表示部30、ナビ表示部(上がり確率表示手段)31、特別遊技のうち、ビッグゲームの権利を得ることができる上がり役を示すビッグゲーム上がり役表示部32、更に、チャンスゲームの権利を得ることができる上がり役を示すチャンス上がり役表示部33、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部34が設けられ、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等が表示される。
更に、表示装置14の表示面の下部横方向には、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36を含む、14個の手牌の図柄を表示する手牌表示部(手牌表示手段)35が設けられている。なお、手牌表示部35に表示している各図柄の下部には、捨て牌ボタン16a、16b、…、17に対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・、N)が表示されている。また、表示される麻雀牌の図柄はカラーで表示される。
雀球遊技機1の内部の所定位置には、本発明に係る雀球遊技機1の作動を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図4に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb及び画像制御基板Kcから構成されている。メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb及び画像制御基板Kcは、夫々CPU40、ROM41、RAM42、各種センサや捨て牌ボタン16a等の各種操作ボタン等との間で信号の入出力を行うための入出力インターフェイス回路43、及び制御基板Ka、Kb、Kcとの通信を行うための通信用インターフェイス回路44等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。なお、上記サブ制御基板KbにおけるRAM42の捨て牌記憶領域は、本発明に係る捨て牌図柄データ記憶手段を構成するものであり、捨て牌図柄データは、麻雀牌図柄を組合せつつ進行される1ゲームの終了後のゲームにおいても引き続き上記捨て牌記憶領域に記憶される。
そして、雀球遊技機1の作動を制御、或いは表示装置14の表示部に情報や画像を表示するための各種のソフトウエア(プログラム)は、各制御基板Ka、Kb、Kcに搭載されたROM41に記憶されている。また、各RAM42は、これらプログラムが作動するときに各種のデータの読み込みやデータの作成、計算等を行うための記憶エリア、計算エリアとして使用される。また、メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、及び、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcは夫々、ケーブル線T1、T2により接続されてデータ通信ができるようになっている。なお、CPU40としては、各メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcの処理機能に対応して8ビット、16ビット、32ビット、64ビット等の適宜なCPUを採用するようにする。
なお、サブ制御基板Kbに搭載されているROM41の所定の記憶番地には、表示装置14に表示するための各種の画像データ、スピーカー6から出力するための各種の音声データが記憶されている。上記画像データとしては、27種の牌の図柄データ、雀球遊技機1の電源をONした時に初期画面として表示する画像データ、及び、遊技者が上がり役を完成させたとき等に表示する各種の演出用画像データが用意されている。また、各種の音声データとして、遊技の進行に伴って遊技者に対してゲームの進行を支援するための音声、或いは演出用の効果音を出力するためのデジタルデータが用意されている。
メイン制御基板Kaに搭載されているROM41には、雀球遊技機1の遊技の進行を制御するための各種のプログラムが記憶されている。メイン制御基板KaのROM41に搭載されているプログラムは、例えば、図5に示すように、メイン基板動作制御プログラムP1、通信制御プログラムP2、メダル管理プログラムP3、遊技球管理プログラム(遊技管理手段)P4、自動配牌プログラム(自動配牌手段)P5、再配牌指令プログラム(再配牌指令手段)P51、特別遊技役抽選プログラムP6、表ドラ及び裏ドラを決定するためのドラ抽選プログラムP7、入賞判定プログラムP8、自摸牌選択支援プログラムP9、等から構成される。
メイン基板動作制御プログラムP1は、雀球遊技機1の全体の動作を統括するプログラムであり、主に下記のような処理を行う。
(1)遊技機1の電源がONされたときの初期化の処理、例えば、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。この制御コマンドに基づいて、サブ制御基板Kbと画像制御基板Kcは電源ON時の初期化処理を行う。これにより、画像制御基板Kcは、電源ON時の演出用画像や音声等を出力することができる。
(2)各種の入出力センサから入力される信号を解析し、その信号に対応した処理を行うように雀球遊技機1の動作を制御する。例えば、遊技者が遊技球を発射したときに入球した入球口からの入球信号を解析し、この入球口に対応する牌の図柄を自摸牌として手牌データに追加(自摸の操作)する処理、あるいは遊技者が捨て牌ボタン16a等を操作して手牌から不要な牌を切る操作(捨て牌操作)を行ったときに、どの捨て牌ボタンからの信号であるかを解析し、この捨て牌ボタンに対応する牌の図柄を手牌データから削除する処理、等を行う。
(3)自動配牌プログラムP5が作動して遊技開始時の14個の手牌が決定されたときに、この手牌の図柄データをRAM42に手牌データとして手牌記憶領域に記憶する処理、この手牌データをサブ制御基板Kbに送信するための処理、及び上記(1)、(2)の処理において遊技者が捨て牌操作、自摸の操作を行う都度、現在の手牌データ、捨て牌、自摸牌に関する牌の図柄データ(以下、図柄コードという)をサブ制御基板Kbに送信するための処理、等を行う。
通信制御プログラムP2は、サブ制御基板Kbとの通信を行うためのプログラムであり、送信するデータは如何なる処理を行うかを予め設定した制御コマンドと共に、この制御コマンドに必要なデータが送信される。また、画像制御基板Kcにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。
メダル管理プログラムP3は、ゲームの進行に伴ってメダルの貯留枚数の管理と払い出しの処理を行うためのプログラムであり、メイン基板動作制御プログラムP1がメダル投入口15からメダルの投入信号等を検出したときに、下記の処理を実行させられる。
(A)メダル投入口15からメダルの投入信号を検出すると、RAM42に記憶しているメダル貯留枚数を「1」加算する。
(B)遊技開始ボタン24からの信号を検出すると、上記メダル貯留枚数を「1」減算する。
(C)上がり時に、遊技終了ボタン23からの信号を検出すると、その上がり役で獲得したメダル枚数をRAM42に記憶しているメダル貯留枚数に加算する。
(D)払い出しボタン22の信号を検出したとき、貯留枚数分のメダルをメダル受け皿5に払い出すように制御信号を出し、メダルがメダル受け皿5に1個払い出されるごとにメダル貯留枚数を「1」減算する処理を行う。
遊技球管理プログラムP4は、メイン基板動作制御プログラムP1の制御に基づいて、次の処理を行うプログラムである。
(a)ゲーム開始時に、RAM42に記憶する残り遊技球数を14個に設定する。
(b)捨て牌ボタン16a等から捨て牌の操作信号を検出すると、遊技球発射位置(図示せず)に遊技球を1球送る制御を行う。
(c)遊技球発射レバー4から発射された遊技球が入球口11の何れかに入球し、その入球信号が検出されると、残り遊技球数を「1」減算し、入球した入球口に対応する牌の図柄コードを作成する。
つまり遊技球管理プログラムP4は、14個の遊技球の打ち出しを管理しており、この14個の遊技球の打ち出しにより1ゲームの開始から終了まで(いわゆる配牌から流局又は上がりまで)を管理することになる。
自動配牌プログラムP5は、1ゲームの開始時に、14個の配牌の図柄をランダムに自動的に決定するためのプログラムであり、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する108個の麻雀牌から14個の配牌の図柄を決定する処理を行う。
当該自動配牌プログラムP5は、例えば、次のような処理を行うことにより、ゲーム開始時に必要とする14個の牌の図柄を決定することができる。
(ア)本発明の雀球遊技機で使用する牌の図柄は、二索から八索までの索子牌を除く27種の牌、計108個である。そこで、表1に示すように、27種の牌の図柄に図柄コード(16進数)を付与し、更に、各27種から構成される計108個の図柄には0〜107までの数値を4個割り付けたデータテーブルを予めROM41に登録しておく。
(イ)自動配牌プログラムP5には、例えば、5桁の乱数を発生させる乱数発生プログラムを備えておく。そして、自動配牌プログラムP5は、乱数発生プログラムで発生させた5桁の乱数を108で除算し、その余りを算出する。続いて、表1を参照してこの余りの値に対応する牌の図柄コードを01H〜1BHから求め、この図柄コードが配牌される図柄として決定する。
(ウ)上記(イ)の処理を計14回実施して、ゲーム開始時に必要とする14個の牌の図柄を決定する。なお、この5桁の乱数を発生させるプログラムには、毎回異なる乱数が発生するようにランダマイズ処理を行うプログラムを付加しておく必要がある。このような処理により決定した14個の配牌の図柄コードはRAM42の手牌記憶領域に記憶しておく。なお、手牌記憶領域に記憶した14個の配牌データは図柄コードの上昇順にソートして記憶する。
再配牌指令プログラムP51は、詳しくは後述する上がり確率を表示した後から例えば再度ゲーム開始ボタン24が操作されて配牌が確定されるまでの間に、再配牌ボタン37の押下操作があった際に、上記自動配牌プログラムP5に再度配牌を行う(即ち再配牌する)ように指令する。また、この再配牌指令プログラムP51は、1ゲームの間に再配牌ボタン37の操作回数が何回あったかを記憶し、所定回数(例えば3回)までカウントした際は、自動配牌プログラムP5に対する再配牌の指令を行わないようにして、つまり再配牌ボタン37の押下操作を受付けないようにする。なお、この再配牌ボタン37の操作回数のカウントは、1ゲームが終了した時点でクリアされ、次のゲームにおいては新たにカウントされることになる。
特別遊技役抽選プログラムP6は、予め設定されている上がり役の中から1ゲームごとに特別遊技の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定するプログラムである。例えば、ビッグゲームの権利を獲得できる上がり役は、「大三元」、「国士無双」、「九連宝燈」の3種の上がり役から1種を抽選により決定する。
また、チャンスゲームの権利を獲得できる上がり役は、例えば、「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」の6種の上がり役から2種を抽選により決定する。なお、この特別遊技の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定する方法は、プログラム処理により所定桁数の乱数を発生させてRAM42に記憶し、この乱数を利用して決定することができる。ドラ抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、同様にして抽選により表ドラ及び裏ドラを決定するためのプログラムである。
入賞判定プログラムP8は、前記した自動配牌プログラムP5により14個の手牌が決定したとき、及び遊技者が自摸の操作を行ったときに、手牌が予め設定された上がり役の組合せになっているかどうかを判定するためのプログラムである。この上がり役としては、表2に示すような構成のデータテーブル、即ち、上がり役のコード(表2には上がり役のコードは表示せず)とその上がり役に対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)が予め入賞判定プログラムP8、またはROM41に記憶されている。そして、現在の14個の手牌について、入賞判定プログラムP8が上がり役を完成していると判定した場合には、上がり役完成の制御コマンドとその上がり役のコード、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する処理を行う。
自摸牌選択支援プログラムP9は、特別遊技の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー9に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、表示装置14の画面と対話方式により自摸する牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
一方、サブ制御基板KbのROM41に搭載されているプログラムは、図6に示すように、サブ基板動作制御プログラムP21、通信制御プログラムP22、ランプ制御プログラムP23、上がり確率判定プログラム(上がり確率判定手段)P24、入球総数記憶プログラム(入球率算出手段)P26、入球口別入球数記憶プログラム(入球率算出手段)P27、入球口毎入球率算出プログラム(入球率算出手段)P28、等から構成されている。更に、上記上がり確率判定プログラムP24は、上がりパターン判定プログラム(上がり役判定手段)P241、必要牌抽出プログラム(必要牌抽出手段)P242、上がり確率算出プログラム(上がり確率算出手段)P243を有して構成されている。
サブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから伝送された各種の制御コマンドを解読し、各制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。通信制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaからのデータの受信と画像制御基板Kcとの通信処理を行うプログラムである。画像制御基板Kcは、サブ制御基板Kbから送信されたこれら各種の制御コマンドとその制御データ等を受信すると、プログラム処理により表示装置14に演出用の画像や情報を表示し、更に、スピーカー6から演出用の音声や効果音を出力する。ランプ制御プログラムP23は、メイン制御基板Kaから伝送された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ装置7及びランプ付き振り分け装置12の点灯と消灯の制御を行うためのプログラムである。
上がり確率判定プログラムP24は、上記自動配牌プログラムP5による配牌が完了し、その配牌(14個の牌)の図柄コードを通信制御プログラムP22の受信により取得すると、詳しくは後述する各入球口11の入球率に基づき、その配牌によって得た手牌図柄が上がる確率、即ち上がり役のうちの少なくとも1つを成立させる状態になる確率を算出・判定する。
詳述すると、上がりパターン判定プログラムP241は、上記自動配牌プログラムP5による配牌が完了し、14個の手牌の図柄コードを通信制御プログラムP22の受信により取得した際に、該手牌図柄の組合せに最も近い上がり役(最も向聴数が少ない上がり役)を狙うべき上がり役として、全ての上がり役の中から1つ選択する形で判定する。
必要牌抽出プログラムP242は、上記14個の手牌図柄を上記上がりパターン判定プログラムP241により判定された狙うべき上がり役を成立させるために必要な牌を抽出する。つまり向聴数が多いほど、多くの牌(向聴数+1の牌)が抽出されることになる。
上がり確率算出プログラムP243は、後述する各入球口11の入球率に基づき上記必要牌抽出プログラムP242により抽出された必要な牌を得る確率を、即ち抽出された必要な牌の図柄に対応した入球口11の入球率を乗算する形で、抽出された必要な牌の全ての牌を得る確率を算出することで、上がれる確率(上がり確率)を算出する。なお、この上がり確率を算出する際において、向聴数を減らすために必要な牌が複数ある場合(例えば二向聴から一向聴になるために必要な牌が両面待ちや三面待ちのように複数種ある場合)は、それら複数の牌の一方を得る確率を算出すれば足りるので、複数の牌の入球率を加算することになる。
なお、本実施の形態において、上がり確率判定プログラムP24は、上述したように一つの上がり役を決めて、その上がり役になる確率を求める形で上がり確率を判定しているが、全ての上がり役について、夫々成立させる確率を算出し、その確率を合算するようにしてもよい。
一方、入球総数記憶プログラムP26は、遊技盤面部2に打ち出されて入球口11に入球した遊技球数を逐次カウントし、その入球総数を、サブ制御基板KbにおけるRAM42の記憶領域に記憶するためのプログラムである。上記遊技球数の逐次カウントは、雀球遊技機1が例えば封入循環式遊技機であり、遊技盤面部2に打ち出された遊技球が全ていずれかの入球口11に入球するという構成を利用して、入球口11の夫々に対応して個別に設けたセンサ(図示せず)で検知した全入球信号を積算することにより行う。
入球口別入球数記憶プログラムP27は、複数の入球口11の夫々に対する入球数を逐次カウントしその入球口別入球数を、サブ制御基板KbにおけるRAM42の記憶領域に記憶するためのプログラムである。上記入球口別入球数は、入球口11毎に設けた上記センサによって夫々検知される入球信号を、入球口毎に積算することによって算出する。
入球口毎入球率算出プログラムP28は、入球総数記憶プログラムP26によって記憶された入球総数と、入球口別入球数記憶プログラムP27によって記憶された入球口別入球数とに基づき、入球口11毎の入球率を算出するためのプログラムである。
なお、上記入球総数記憶プログラムP26、入球口別入球数記憶プログラムP27及び入球口毎入球率算出プログラムP28によって、入球口別に対する入球率を算出する入球率算出手段が構成されている。
また、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者が遊技球を発射して自摸の操作を行って手牌が14個になると、入賞判定プログラムP8を作動させて上がり役を完成させたか否かの判定を行う。そして、上がり役を完成していない場合には、手牌記憶領域に記憶している14個になった手牌の図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。
また、遊技者が14個の手牌の中から不要な1個の牌を捨てる「捨て牌の操作」を行うと、手牌記憶領域に記憶している13個になった手牌の図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。このようにサブ制御基板Kbに送信されるとき、13個の手牌の図柄コードは上昇順にソートされる。
一方、画像制御基板KcのROM41に搭載されているプログラムは、図8に示すように、画像基板動作制御プログラムP31、画像表示プログラムP32、音声・効果音出力プログラムP41等から構成されている。画像表示プログラムP32は、通常遊技画面表示プログラムP321と、特別遊技画面表示プログラムP322から構成されている。これらの画面表示プログラムP32及び音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、各種の演出用の画像を表示装置14に表示する処理と、各種の演出用の音声や効果音をスピーカー6から出力する処理を行う。以下、これらプログラムの処理内容の概要について説明する。
画像基板動作制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された各種の制御コマンドを解読し、これら制御コマンドに対応して上記各プログラムの実行を制御するプログラムである。
画面表示プログラムP32は、サブ制御基板Kbから送信されてきた制御コマンドとその制御データに基づいて、表示装置14に画像や数値情報等を表示する処理を行うプログラムであり、通常遊技画面表示プログラムP321と特別遊技画面表示プログラムP322から構成される。
通常遊技画面表示プログラムP321は、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技遊技を行っているときに、表示装置14に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行うプログラムである。通常遊技画面表示プログラムP321は更に、サブプログラムとして初期演出表示プログラムP3211、ゲーム演出表示プログラム(上がり確率表示手段)P3212を備えている。
ゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に図3に示すような内容の画面を表示するプログラムから構成されている。例えば、遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、通常遊技のゲームの場合は遊技球の発射による自摸牌の操作等を行うごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、現在の手牌の図柄、捨て牌の図柄、及びサブ制御基板Kbから送信されてきた推奨遊技の内容を図7に示すように表示する処理、上がり役を完成したときその上がり役を獲得した得点数を表示する処理、等各種の表示のための手段を備えたプログラムから構成されている。
特別遊技画面表示プログラムP322は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行うプログラムである。この特別遊技画面表示プログラムP322は、更に、遊技者が特別遊技の権利を獲得することができる上がり役を完成した時点に演出表示する権利獲得演出表示プログラムP3221、自摸牌選択支援プログラムP3222を備えている。自摸牌選択支援プログラムP3222は、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに作動されるプログラムであり、表示装置14に表示された自摸牌の候補の図柄を牌選択右シフトボタン19、或いは牌選択左シフトボタン20を操作してスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
音声・効果音出力プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声、及び効果音をスピーカー6から出力するためのプログラムである。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kcの動作を制御するプログラムは、アセンブラ言語、C言語或いはVisual Basic言語等を利用して開発され、各基板のCPU40が実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムとして各制御基板Ka、Kb、KcのROM41に記憶されている。
続いて、上述した雀球遊技機1の遊技手順とこの手順に伴う各プログラムの処理の概要について説明する。1遊技(ゲーム)は、遊技者がメダル投入口15へメダルを投入して、遊技開始ボタン24を押下して、自動配牌プログラムP5が14個の手牌を配牌することによりスタートする。そして、遊技者が捨て牌ボタン16a、…、等の各種の操作ボタンやセンサから発生する入力信号及び制御信号に基づいて作動する各プログラムの制御に従って、1遊技は進行して行くことになる。
まず、雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを画像制御基板Kcに夫々伝送する。サブ制御基板Kb、画像制御基板Kcはこの初期化制御コマンドを受信すると、当該基板KcにおけるRAM42の記憶領域を初期化すると共に、画像制御基板Kcに搭載されている初期演出表示プログラムP3211は、電源ON時の演出画面、例えば、風景画面を表示装置14に表示する等の処理を行う。
なお、サブ制御基板Kbは、この電源ON時の初期化制御コマンドを受信すると、サブ基板動作制御プログラムP21は、前記したようにサブ制御基板KbのROM41に記憶している各種の画像データ、音声・効果音データを画像制御基板Kcに伝送し、画像制御基板Kcの画像基板動作制御プログラムP31は、受信したこれら画像、音声・効果音データをRAM42に記憶する処理を行う。
遊技者がメダル投入口15にメダルを投入し、メイン基板動作制御プログラムP1がそのメダル投入信号を検出すると、メダル管理プログラムP3はメダル貯留枚数を「1」加算する処理を行う。続いて、遊技者が遊技開始ボタン24を押下し、メイン基板動作制御プログラムP1がこの遊技開始ボタン24からゲーム開始信号を検出すると、1ゲームの遊技が開始できる状態になる。すると、メイン基板動作制御プログラムP1は、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに伝送する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置14に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP41により音声をスピーカー6から出力する。このようにして、雀球遊技機の1ゲームが開始する。
続いて、メイン基板動作制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄をプログラム処理により自動的に決める。自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42の手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、即ち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて(ソート)手牌記憶領域に記憶する。
続いて、自動配牌プログラムP5は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、この配牌された図柄コードを受信するとRAM42に記憶するとともに、画像制御基板Kcにこれら14個の配牌された図柄コードを送信する。
サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから送信された14個の配牌の図柄コードについて、現時点の遊技の場において開示されている牌の開示個数を開示個数テーブルにカウントする処理を行う。また、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図3に示すような牌の図柄の画像を表示装置14の手牌表示部35(及び自摸牌表示部36)に表示する処理を行う。なお、14個の自動配牌が決定されていない間は、手牌表示部35、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部36には、初期画面として牌の裏面または無表示の図柄を表示する処理を行う。
続いて、特別遊技役抽選プログラムP6(ただし、通常遊技の遊技を行っているときに作動する)、及びドラ抽選プログラムP7の各プログラムが作動して、ビッグゲームの権利が獲得できる上がり役(ビッグゲーム役)とチャンスゲームの権利が獲得できる上がり役(チャンスゲーム役)の決定、表ドラ、裏ドラの決定を行う。そして、これらのプログラムP6、P7の処理により決定されたビッグゲーム上がり役及びチャンスゲーム上がり役、表ドラ、裏ドラの図柄の各データ(コード化されたデータ)は、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信される。
画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、ビッグゲーム役及びチャンスゲーム役を獲得できる上がり役のコード、表ドラ及び裏ドラの図柄コードを受信すると、図3に示すように、ビッグゲーム役とチャンスゲーム役を夫々ビッグゲーム上がり役表示部32、チャンス上がり役表示部33、表ドラを表ドラ表示部29等に表示する処理を行う。
ここで、図9に沿って、上記プログラムP26〜P28による入球率の検出について説明する。すなわち、ステップS1において、入球総数記憶プログラムP26が、遊技盤面部2に打ち出されて入球口11に入球した遊技球数を逐次カウントして検出し、その入球総数(=a)を、サブ制御基板KbにおけるRAM42の記憶領域に記憶する。
そして、ステップS2において、入球口別入球数記憶プログラムP27が、複数の入球口11a、11b、11c、…の夫々に対する入球数を逐次カウントして検出し、その入球口別入球数(=b)を、サブ制御基板KbにおけるRAM42の記憶領域に記憶する。
引き続き、ステップS3において、入球口毎入球率算出プログラムP28が、入球総数記憶プログラムP26によって記憶された入球総数(=a)と、入球口別入球数記憶プログラムP27によって記憶された入球口別入球数(=b)とに基づき、入球口毎の入球率(=c)を算出する。この入球率(=c)の算出は、次式、
c=b÷a×100
によって行われる。このように算出(獲得)された入球口毎の入球率(=c)は、逐次サブ制御基板KbにおけるRAM42の記憶領域に記憶されている(S4)。
続いて、本発明に係る上がり確率判定制御について図10に沿って説明する。上述のように自動配牌プログラムP5の作動により14個の配牌が行われ、その図柄コードが制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信されると、サブ制御基板Kbのサブ基板動作制御プログラムP21は、配牌が完了したことを判定する(S11のYes)。すると、サブ基板動作制御プログラムP21は、上がり確率判定プログラムP24に処理を移行する。なお、配牌が完了していない(行われていない)場合は(S11のNo)、そのままリターンし、つまり上がり確率判定プログラムP24は何も処理を行わない。
上がり確率判定プログラムP24が処理を開始すると、まず、上がりパターン判定プログラムP241が14個の図柄コード(手牌図柄の組合せ)に基づき、全ての上がり役の中から最も近似した上がり役を検索し、上がり方(上がりパターン)を判定する(S12)。なお、判定された上がり方は、上がり役が1つとは限らず、複数の上がり役(例えば「タンヤオ」及び「平和」など)が成立するものであってよい。
次に、必要牌抽出プログラム242が、上記上がりパターン判定プログラムP241が判定した上がり方に必要になる牌を全て抽出する(S13)。具体的に一例を説明すると、例えば配牌が二向聴の状態であって、一向聴になるために例えば3つの牌の何れか1つの牌があれば足りるとしても、その3つの牌を抽出し、一向聴から聴牌になるために例えば2つの牌の何れか1つの牌があれば足りるとしても、その2つの牌を抽出し、聴牌から上がり役を成立させるために例えば2つの牌の何れか1つの牌があれば足りるとしても、その2つの牌を抽出する。
続いて、上がり確率算出プログラムP243が、上記必要牌抽出プログラム242が抽出した必要な牌の入球率を全て取得し(S14)、それら取得した各牌の入球率より上がる確率を算出する(S15)。即ち、上記具体例に沿って説明すると、例えば二向聴から一向聴になるための確率は、例えば3つの牌の入球率の合算により算出され、一向聴から聴牌になるための確率は、例えば2つの牌の入球率の合算により算出され、聴牌から上がり役が成立する確率は、例えば2つの牌の入球率の合算により算出される。そして、配牌時に二向聴である手牌が上がる確率は、二向聴から一向聴、一向聴から聴牌、聴牌から上がりまでの夫々の確率が乗算されることにより算出される。
このように上がり確率算出プログラムP243により上がり確率が算出されると、その確率データが通信制御プログラムP22によって画像制御基板Kcに送信され、それを受信した画像制御基板Kcのゲーム演出プログラムP3212が、図7に示すような確率表示として、図3に示すナビ表示画面31上に表示する(S16)。この際、ゲーム演出プログラムP3212は、上がり確率と共に詳しくは後述する再配牌可能回数も表示し、その表示が完了したことをメイン制御基板に制御コマンドとして送信する。
ついで、再配牌制御について説明する。上述のように上がり確率の表示が完了すると、再配牌指令プログラムP51が処理を開始する。すると、再配牌指令プログラムP51は、1ゲームの開始から再配牌が行われた回数を例えばRAM42から取得し、所定回数(例えば3回)以下であれば、図2に示す再配牌ボタン37の操作入力の受付けを開始する。
ここで、例えば遊技者が再配牌ボタン37を押下操作したとすると、再配牌指令プログラムP51は、上記自動配牌プログラムP5に配牌を再度行うように指令し、現在の配牌を消去すると共に、上述と同様に自動的に配牌を行う。またこの際、再配牌指令プログラムP51は、再配牌が行われた回数を1カウントし、その回数をメイン制御基板Ka及び画像制御基板Kcの夫々のRAM42に格納する。上述したゲーム演出プログラムP3212により表示される再配牌可能回数は、このRAM42に逐次格納された回数のデータに基づき表示されることになる。
このように、再配牌指令プログラムP51によって再配牌が指令され、自動配牌プログラムP5によって再度配牌が行われると、上述したような上がり確率判定プログラムP24により上がり確率判定制御が再度行われ、その新たな配牌の上がり確率がナビ表示画面31上に表示される。なおこの際、再配牌可能回数は1減算された状態で表示されることになる。
以上のような再配牌は、再配牌可能回数がなくなるまで、又は再度ゲーム開始ボタン24が押下されて配牌が確定するまで行われる。つまり一般的な遊技者は、再配牌を繰り返し行っているうちに上がり確率の高い配牌が得られると打ち出しを開始し、また、再配牌可能回数がなくなると、例えば上がり確率が低くても、諦めてゲームを開始することになる。
なお、再配牌指令プログラムP51に指令されて自動配牌プログラムP5が再度配牌を行った際には、特別抽選役抽選プログラムP6やドラ抽選プログラムP7による抽選も再度行って、ビッグゲーム役、チャンスゲーム役、表ドラ等も変更することが好ましい。
また、本実施の形態では、上がり確率を表示すると共に再配牌可能回数をナビ表示画面31に表示しているが、これらは音声で知らせるようにしてもよく、特に再配牌又はゲーム開始は、音声で知らせるようにしてもよい。
更に、本実施の形態では、再配牌ボタン37を備えているものを説明したが、配牌してから該配牌を確定するまでに使用しない他のボタン、具体的には、例えば捨て牌ボタン16a,16b,16c、・・・、16m、自摸牌捨てボタン17、リーチボタン18、牌選択右シフトボタン19、牌選択左シフトボタン20、自摸牌決定ボタン21などを、再配牌ボタンとして代用してもよい。
以上のように配牌や再配牌が行われた後、遊技者によりゲーム開始ボタン24の押下され、或いは再配牌が可能な回数の再配牌が終了すると、メイン基板動作制御プログラムP1は、表示装置14に遊技の開始条件が整ったことを遊技者に画面表示または音声で知らせる処理を行う。続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP8を作動させて、自動配牌された14個の手牌が既に上がり役を完成しているか否かを判定させる処理を行う。この判定処理で上がり役を完成している場合には、入賞判定プログラムP8は、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)を前記表2のデータを参照して決定する。続いて、入賞判定プログラムP8は、これら上がり役、獲得した得点等を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcは、これら上がり役と獲得した得点等を受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に上がり役、獲得した得点、その他の演出画像を表示装置14に所定の時間ほど表示する処理を行う。
一方、自動配牌された14個の牌の図柄が上がり役を完成していない場合には、メイン基板動作制御プログラムP1は、遊技者に手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すための画面表示を行う制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcはこの制御コマンドを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP3212は、手牌の中から不要な1個の牌を捨てる操作を促すためのメッセージを、表示装置14の上がり牌表示部31に表示する処理を行う。なお、当該上がり牌表示部31へのメッセージの表示の際、音声・効果音出力プログラムP41を作動させて、音声と共に促す処理を行うようにしてもよい。
続いて、遊技者は、手牌表示部35と自摸牌表示部36に表示されている牌の図柄から、捨て牌を選択する操作を行うことになる。そして、遊技者が捨てる牌の図柄を決定すると、この捨て牌の図柄に対応する捨て牌ボタン16a、16b、16c、…、或いは自摸牌捨てボタン17の何れか一つを選択(オン)してこの牌を捨てる。この捨て牌選択信号に基づいて、メイン基板動作制御プログラムP1が、捨て牌操作を行って捨て牌とした牌の図柄コードを、メイン制御基板KaにおけるRAM42の捨て牌記憶領域に記憶し、RAM42の手牌記憶領域に記憶している手牌の中から捨て牌とした図柄コードを削除して、手牌を13個にする処理を行う。
続いて、メイン基板動作制御プログラムP1は、この捨て牌とした図柄コードと、13個になった手牌の図柄コードを制御コマンドと共に、サブ制御基板Kbとサブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、捨て牌とした図柄コードを受信すると、その図柄コードに対応する牌の図柄を捨て牌表示部34に表示し、13個の手牌の図柄コードを受信すると、これらの図柄コードに対応する牌の図柄を手牌表示部35に表示する処理を行う。このとき、自摸牌表示部36には、例えば牌の裏面等を表示するようにする。
続いて、メイン制御基板Kaのメイン基板動作制御プログラムP1は、上述した遊技者の捨て牌の操作に関する処理が終了すると、遊技球管理プログラムP4を作動させて、遊技球を遊技球発射位置に一球送る処理を行う。すると、遊技者は、遊技球発射レバー4を操作して、遊技盤面部2内に遊技球を発射できる状態になる。
遊技者が遊技球を発射し、この遊技球が入球口11a、11b、11c、…の何れかに入球すると、センサ(図示せず)が遊技球を検出して入球信号が発生する。遊技球管理プログラムP4はこの入球信号を解読し、入球した入球口に対応する牌(自摸牌)の図柄コードを手牌記憶領域に記憶する処理を行う。続いて、入賞判定プログラムP8が作動し、14個となった手牌が上がり役を完成しているか否かを判定する。そして、手牌が上がり役を完成している場合には、前記したように、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定と遊技者が獲得できる得点を求め、これらのデータを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する処理を行う。一方、上がり役を完成していない場合には、前述したように、遊技者は14個の手牌の中から不要と思われる1個の牌を捨てる捨て牌の操作を行うことになる。
このようにして自摸牌と捨て牌の操作を行っていくうちに、手牌が聴牌状態になり、且つ残り遊技球数表示部27に「1」以上の数値の表示がある場合、遊技者は牌を捨てる操作を行う前に、リーチボタン18を操作してリーチをかけることができる。ただし、前記条件を満たしていない場合(聴牌状態になっていない場合)には、リーチボタン18を操作してもリーチをかけることはできない。リーチボタン18を操作した後は、捨て牌ボタン16a、16b、16c、…の何れか一つを操作して手牌の中から一つの牌の図柄を捨てるか、自摸牌捨てボタン17を操作して自摸牌切りを行うと、捨て牌表示部34に捨て牌の図柄が横向きに表示するようにする。また、裏ドラ表示部30には裏ドラの図柄を表示する表示も行う。
このリーチ操作に関する制御は、例えば、次のような処理を行う。まず、メイン基板動作制御プログラムP1は、リーチボタン18の操作信号を検出し、更に捨て牌ボタン16a、16b、等からの操作信号を検出後、入賞判定プログラムP8の聴牌判定処理により現在の手牌が聴牌状態になっているとの判定結果が得られると、リーチがかかったという制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、この制御コマンドを受信すると、この直後に送信されてくる捨て牌の図柄コードの図柄は、捨て牌表示部34に横向きに表示する処理を行う。
なお、ゲームの場がリーチ状態になると、遊技者が発射した遊技球が入球口11a、11b、11c、…に入球した図柄に対応する牌(自摸牌)が上がりを完成させる牌にならないときには、メイン基板制御プログラムP1は、この自摸牌を自動的に捨て牌として処理するようにする。これにより、遊技者は、リーチ操作後は捨て牌ボタン16a、…等を操作する必要がなくなる。
なお、入賞判定プログラムP8の制御により、1遊技で獲得できる得点は、例えば、最高10点までとしその上限が設定されている。また、上がり役が2種類以上同時に成立した場合には、夫々の上がり役に与えられる得点が加算された得点がそのゲームの得点になる。同様に、手牌中に表ドラ及び裏ドラと同一の牌の図柄が含まれている場合には、そのドラ牌に対しても得点、例えば、ドラ1個に付き1点の得点が加算される。ゲームで獲得した得点の1点がメダル1枚に該当する。ただし、当該ゲームで獲得した得点数の合計が10点を超えた場合は、獲得できるメダル枚数(得点)は全て10枚になる。
また、入賞判定プログラムP8は、遊技が終了するまでの間に、即ち、残り遊技球数が0になって遊技終了ボタン23が押下されたとき、または遊技開始ボタン24が押下されたとき、表2に示す予め定めた上がり役の組合せが完成していない場合には、流局になったとして、ゲーム終了の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。そして、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に「ゲームオーバー」を表示し、遊技者に当該ゲームの終了を知らせる。
また、上がり役の組合せが完成した場合においても、残り遊技球数表示部27の表示(残り球個数)が「1」以上である場合には、更に自摸牌捨てボタン17、或いは捨て牌ボタン16a、16b、16c、…を操作すると、メイン基板動作制御プログラムP1の制御により、ゲーム継続の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。すると、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、表示装置14に表示した上がり役の説明及び獲得した得点の表示を消し、当該ゲームが続行できる状態にする。
更に、上がり役が完成して表示装置14に上がり役の説明が表示されているときに、遊技者が遊技終了ボタン23または遊技開始ボタン24を操作すると、メイン基板動作制御プログラムP1は、この入力信号の種類を解読してメダル管理プログラムP3を作動させ、RAM42に記憶しているメダル貯留枚数にこのゲームで獲得した得点を加算し、このメダル貯留枚数を、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。すると、画像制御基板Kcのゲーム演出表示プログラムP3212は、メダル貯留枚数表示部26にこのメダル貯留枚数を表示する。そして、遊技者が遊技終了ボタン23を操作した後、遊技開始ボタン24を操作すると、貯留したメダルの投入動作が自動的に行われ、メイン基板動作制御プログラムP1は、次のゲームを行うことができる状態にするために、画面表示の初期化の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。
上がり役が予め設定された特別遊技の一つであるビッグゲームの権利を獲得できる上がり役で上がった場合には、入賞判定プログラムP8は、ビッグゲームの権利が獲得できる上がり役が完成したことを示す制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して画像制御基板Kcに送信する。すると、画像制御基板Kcの権利獲得演出演出表示プログラムP3221は、表示装置14の上がり牌表示部31にこの上がり役の説明表示と、ビッグゲーム権利成立の表示を所定の時間間隔で交互に表示し、遊技者にビッグゲームの権利が成立したことを知らせる処理を行う。
ビッグゲームの権利が成立すると、前記したように、当該ゲームを含め次回以降の遊技において、アタッカー9を所定のゲーム回数、例えば、14ゲーム数ほど作動させることが可能になる。本発明においては、ビッグゲームの権利が成立しているゲームにおいても、配牌される都度、上がり確率判定プログラムP24により上がり確率を判定して、ナビ表示画面31に表示するように制御し、その都度、再配牌指令プログラムP51により所定回数の再配牌指令も可能となるように制御する。
ビッグゲームの権利が成立しているゲームにおいては、遊技者が遊技球を発射してその遊技球がアタッカー作動口10を通過し、その通過信号がメイン制御基板Kaに入力されると、メイン基板動作制御プログラムP1は、アタッカー9を開いて、遊技球がアタッカー9内に入り易い状態になるように制御する。そして、遊技者がアタッカー9内に遊技球を1個入球させるごとに、遊技者は表示装置14と対話方式により任意に自摸牌を選択することができるようになる。この自摸牌の選択操作は、メイン制御基板Kaの自摸牌選択支援プログラムP9と、画像制御基板Kcの自摸牌選択支援プログラムP3222の処理により行うことができる。
本実施の形態では、上がり確率判定手段としての上がり確率判定プログラムP24、上がり役判定手段としての上がりパターン判定プログラムP241、必要牌抽出手段としての必要牌抽出プログラムP242、上がり確率算出手段としての上がり確率算出プログラムP243、入球率検出手段としての入球総数記憶プログラムP26、入球口別入球数記憶プログラムP27及び入球口毎入球率算出プログラムP28とをサブ制御基板Kbに備える例を挙げて説明したが、これらのプログラムをメイン制御基板Ka又は画像制御基板Kcの何れかに備えることも可能である。また、各制御基板のROM41に記憶されるプログラムは、上記した機能を備えたプログラムを搭載すればよく、そのプログラムの構成は、処理機能単位に作成したプログラムを組み合わせた構造化プログラムにするとよい。
以上説明した本実施の形態によると、自動配牌プログラムP5による配牌が完了した際に、入球率に基づき手牌図柄の組合せが複数の上がり役のうちの少なくとも1つを成立させる状態となる上がり確率を判定し、該上がり確率を表示するので、遊技者の麻雀知識に拘らず、その配牌で上がれる確率を把握することができる。それにより、期待感が持てなくなることを防ぐことができて、雀球遊技機1としての趣向を向上することができる。
また、自動配牌プログラムP5による配牌が完了した際に、配牌された手牌図柄の組合せに基づき狙うべき上がり役を判定し、狙うべき上がり役を成立させるために必要な牌を抽出し、各入球口の入球率に基づき、抽出された必要な牌を得る確率を算出するので、各入球口11の入球率に基づき、その配牌の上がり確率を精度良く算出することができる。
更に、上がり確率を表示した後に、再配牌ボタン37の操作入力を受付け、該操作入力に応じて、自動配牌プログラムP5に再度配牌を指令するので、遊技者がその配牌で上がれる確率を把握してから再度配牌するか否かを決めることができる。また、その配牌で上がれる確率を把握できるので、再配牌するか否かの判断を容易にすることができ、遊技が円滑に進行するように図ることができる。
また、再配牌ボタン37の操作を所定回数までしか受付けないので、例えば遊技者が上がり確率が高い配牌になるまで再配牌を続けて行うことを防ぐことができ、遊技が円滑に進行するように図ることができる。また、限られた回数しか再配牌ができないので、再配牌を行うか否かに緊張感を与えることができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の雀球遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した雀球遊技機も、本発明の範囲に含まれる。